JP2000246813A - ゴム被覆ローラ及びその製造方法 - Google Patents

ゴム被覆ローラ及びその製造方法

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JP2000246813A
JP2000246813A JP5035299A JP5035299A JP2000246813A JP 2000246813 A JP2000246813 A JP 2000246813A JP 5035299 A JP5035299 A JP 5035299A JP 5035299 A JP5035299 A JP 5035299A JP 2000246813 A JP2000246813 A JP 2000246813A
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roller
rubber
silicone rubber
fluororubber
coated
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English (en)
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Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Yoshitaka Ikeda
吉隆 池田
Toshihiko Takiguchi
敏彦 滝口
Masahiro Miyamoto
昌宏 宮本
Chiaki Kato
千明 加藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラ基材上にシリコーンゴム層とフッ素ゴ
ム被膜とがこの順に形成されているゴム被覆ローラであ
って、表面平滑性と層間接着性が改善されたゴム被覆ロ
ーラを提供すること。 【解決手段】 円筒状金型の内面にフッ素ゴム被膜を形
成し、次いで、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入
した後、該フッ素ゴム被膜とローラ基材との間の隙間に
シリコーンゴムを注入し、シリコーンゴムの加硫を行う
ゴム被覆ローラの製造方法。ローラ基材上にシリコーン
ゴム層とフッ素ゴム被膜とがこの順に形成されているゴ
ム被覆ローラにおいて、該フッ素ゴム被膜の表面粗度R
aが1.0μm以下で、かつ、Rmax が5.0μm以下
であるゴム被覆ローラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム被覆ローラに
関し、さらに詳しくは、ローラ基材上にシリコーンゴム
層とフッ素ゴム被膜とがこの順に形成されているゴム被
覆ローラ及びその製造方法に関する。本発明のゴム被覆
ローラは、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形
成装置において、定着ローラ、加圧ローラ、転写ロー
ラ、現像ローラ、帯電ローラ、搬送ローラなどとして好
適である。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式や静電記録方式の複写機、
ファクシミリ、レーザービームプリンターなどの画像形
成装置においては、一般に、感光体ドラムを一様かつ
均一に帯電する帯電工程、像露光を行って感光体ドラ
ム上に静電潜像を形成する露光工程、静電潜像にトナ
ー(現像剤)を付着させてトナー像(可視像)を形成す
る現像工程、感光体ドラム上のトナー像を転写紙など
の転写材上に転写する転写工程、転写材上の未定着の
トナー像を定着する定着工程によって、画像を形成して
いる。
【0003】このような画像形成装置において、装置の
各部には、例えば、定着ローラ、加圧ローラ、搬送ロー
ラ、帯電ローラ、転写ローラなどの各種ローラ部材が配
置されており、各工程での機能を分担している。これら
のローラ部材には、耐熱性、離型性(オフセット防止
性)、表面平滑性、耐久性などに優れており、かつ、適
度の弾力性を有することが要求されている。従来より、
これらのローラ部材として、例えば、(A)芯金上にゴ
ム層を形成したゴム被覆ローラ、及び(B)芯金上にゴ
ム層を形成し、さらに該ゴム層の上にフッ素樹脂層を形
成したフッ素樹脂被覆ローラが汎用されている。ゴム被
覆ローラを定着ローラなどのトナーと接着する用途に使
用する場合には、ゴム層表面にシリコーンオイルを塗布
してトナーの離型性を高めることが多い。フッ素樹脂被
覆ローラでは、通常、フッ素樹脂層自体がトナー離型性
を有している。
【0004】ゴム被覆ローラは、柔軟性に優れているた
め、装置の各部を傷つけることがなく、また、定着ロー
ラの用途に用いた場合には、トナーを包み込むようにし
て軟化・溶融させることができる。したがって、ゴム被
覆ローラは、複写の高速化やカラー化にも対応すること
ができる。このゴム被覆ローラとして、芯金上にシリコ
ーンゴム層を形成し、さらに該シリコーンゴム層の上に
フッ素ゴム層を形成したものが、柔軟性、耐熱性、トナ
ー離型性などのバランスが良好である。しかしながら、
このような層構成を有する従来のゴム被覆ローラは、表
面平滑性が必ずしも充分ではなく、トナー離型性に劣る
ことに加えて、各ゴム層の層間剥離が生じやすく、耐久
性に劣るという問題があった。
【0005】すなわち、従来、上記の如き層構成を有す
るゴム被覆ローラを製造するには、(1)アルミニウム
芯金上に、注型またはプレス加工によりシリコーンゴム
を被覆し、加硫してシリコーンゴム層を形成し、(2)
次いで、シリコーンゴム層の表面を研削して、所定の寸
法に整えた後、(3)その上にフッ素ゴムラテックスを
塗布し、焼成してフッ素ゴム被膜を形成し、そして、
(4)フッ素ゴム被膜の表面を研削して、所定の寸法に
整える方法が採用されていた。
【0006】しかしながら、上記の方法は、最終工程
でフッ素ゴム被膜の表面を砥石で研削するため、該フッ
素ゴム被膜の表面に砥石による傷がつき、この傷にトナ
ーが付着してオフセット現象を生じる、完全に加硫し
ているシリコーンゴム層上にフッ素ゴム被膜を形成する
ため、シリコーンゴム層とフッ素ゴム被膜との間の接着
力が弱く、耐久性が悪い、フッ素ゴムの焼成時に、フ
ッ素ゴムの焼成温度である200〜250℃の高温にシ
リコーンゴム層が曝されるため、シリコーンゴム層が熱
劣化して、強度低下や硬度変化が生じる、という問題が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ロー
ラ基材上にシリコーンゴム層とフッ素ゴム被膜とがこの
順に形成されているゴム被覆ローラであって、表面平滑
性と層間接着性が改善されたゴム被覆ローラを提供する
ことにある。また、本発明の目的は、定着ローラなどの
用途に適用した場合、トナー離型性と耐久性とを兼ね備
えたゴム被覆ローラを提供することにある。本発明の他
の目的は、このような諸特性に優れたゴム被覆ローラの
新規な製造方法を提供することにある。
【0008】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、円筒状金型の内面にフ
ッ素ゴム被膜を形成し、次いで、円筒状金型の中空内に
ローラ基材を挿入した後、該フッ素ゴム被膜とローラ基
材との間の隙間にシリコーンゴムを注入し、シリコーン
ゴムの加硫を行ってシリコーンゴム層を形成することに
より、表面平滑性と各ゴム層の層間接着性に優れたゴム
被覆ローラが得られることを見いだした。
【0009】本発明の方法によれば、フッ素ゴム被膜の
表面を傷つける研削処理をしなくても、表面形状や寸法
が整い表面平滑性に優れたゴム被覆ローラを得ることが
できる。予め筒状金型内面の平滑化処理を行っておくこ
とにより、ゴム被覆ローラの表面平滑性をさらに高める
ことができる。また、この方法では、焼成温度が高いフ
ッ素ゴム被膜を形成した後、シリコーンゴムの加硫を行
うため、製造工程でのシリコーンゴム層の熱劣化を防ぐ
ことができる。しかも、この方法によれば、各ゴム層の
層間接着性が良好であり、耐久性が向上したゴム被覆ロ
ーラを得ることができる。筒状金型内面に形成したフッ
素ゴム被膜の内面を活性化処理すると、後から注入する
シリコーンゴムとフッ素ゴム被膜とをより強固に接着さ
せることが可能となる。
【0010】本発明のゴム被覆ローラは、ローラ基材と
して芯金だけではなく、耐熱性合成樹脂チューブや金属
チューブを用いて、チューブ状またはエンドレスベルト
状のゴム被覆ローラを得ることもできる。本発明のゴム
被覆ローラは、表面平滑性に優れているため、例えば、
定着ローラとして使用すると、シリコーンオイルに対す
るフッ素ゴム被膜の濡れ性が良好であり、トナー離型性
が顕著に優れている。本発明のゴム被覆ローラをその他
の用途に用いる場合においても、表面平滑性に優れてい
るため、装置各部や転写材などを傷つけることがない。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、円筒状
金型の内面にフッ素ゴム被膜を形成し、次いで、円筒状
金型の中空内にローラ基材を挿入した後、該フッ素ゴム
被膜とローラ基材との間の隙間にシリコーンゴムを注入
し、シリコーンゴムの加硫を行うゴム被覆ローラの製造
方法が提供される。また、本発明によれば、ローラ基材
上にシリコーンゴム層とフッ素ゴム被膜とがこの順に形
成されているゴム被覆ローラにおいて、該フッ素ゴム被
膜の表面粗度Raが1.0μm以下で、かつ、Rmax
5.0μm以下であることを特徴とするゴム被覆ローラ
が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用する円筒状金型は、
鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製であること
が好ましいが、フッ素ゴムの製膜温度、シリコーンゴム
の加硫温度に耐える耐熱性を持つものであれば、これら
に限定されるものではない。この円筒状金型の内面に良
好な離型性を持たせることが、最終工程で、フッ素ゴム
層及びシリコーンゴム層と共にローラ基材を円筒状金型
から引き抜く(脱型する)ことを容易にする上に好まし
い。円筒状金型の内面に離型性を持たせるには、平滑化
処理を行うことが好ましい。円筒状金型の内面を平滑化
処理するには、例えば、アルミニウム製の場合には、引
き抜き材を使用したり、その他の材質であれば、ホーニ
ング処理によって内面を磨き上げ、クロムメッキ、ニッ
ケルメッキなどの表面処理を行う方法がある。このよう
な平滑化処理により、円筒状金型内面の表面粗さをでき
るだけ小さくすることが好ましい。円筒状金型内面を平
滑化処理することにより、脱型が容易になることに加え
て、表面平滑性に優れたフッ素ゴム層を形成することが
できる。円筒状金型内面の表面粗さは、Raで0.3μ
m以下程度とすることが好ましい。
【0013】円筒状金型の長さは、所定の定着ローラ
(定着ベルトを含む)などの目的とするローラ部材の長
さであり、その内径は、実質的にローラ基材の外径とゴ
ム層の厚みの和により規定される。円筒状金型の厚み
は、ゴム加硫時の熱伝導性などを考慮して決定される
が、通常1〜10mm程度である。この厚みは、機械的
強度などの観点から、金型の材質によっても適宜選択さ
れる。
【0014】本発明で使用するフッ素ゴムとしては、例
えば、VDF(ビニリデンフルオライド)−HFP(ヘ
キサフルオロプロピレン)共重合体、VDF−HFP−
TFE(テトラフルオトエチレン)共重合体、VDF−
PFP(ペンタフルオロプロピレン)共重合体、VDF
−PFP−TFE共重合体,VDF−PFMVE(パー
フルオロメチルビニルエーテル)−TFE共重合体、V
DF−CTFE(クロロトリフルオロエチレン)共重合
体、TFE−P(プロピレン)共重合体などを挙げるこ
とができる。
【0015】フッ素ゴムは、ラテックス、液状、ミラブ
ルなどのいずれの形態のものを用いてもよい。これらの
中でも、平滑なフッ素ゴム被膜を形成させるために、ラ
テックスまたは液状のフッ素ゴムを用いることが好まし
い。フッ素ゴムをフローコートやスプレーコートなどに
より筒状金型の内面に塗布し、熱加硫(焼成)により被
膜を形成する。筒状金型の内面を平滑にしておくことに
より、脱型後のフッ素ゴムの表面粗度をRaで1.0μ
m以下、好ましくは0.8μm以下、特に好ましくは
0.5μm以下とし、Rmax で5.0μm以下、好まし
くは3.0μm以下、特に好ましくは2.0μm以下と
することができる。このような表面平滑性に優れたフッ
素ゴム被膜を有するゴム被覆ローラは、シリコーンオイ
ルの濡れ性が飛躍的に向上し、トナーの定着性並びに離
型性も向上する。
【0016】フッ素ゴム被膜の厚みは、通常5〜200
μm、好ましくは8〜100μm、より好ましくは10
〜80μmである。フッ素ゴム被膜の厚みが薄すぎる
と、オイルバリヤ性が低下し、シリコーンオイルがシリ
コーンゴム層にまで浸透してシリコーンゴムが膨潤する
などにより耐久性が低下する。一方、フッ素ゴム被膜の
厚みが厚すぎると、表面硬度が上昇し、表面の柔軟性が
乏しくなるため、トナーの定着性が低下する。
【0017】シリコーンゴム層とフッ素ゴム被膜とを強
固に接着させるために、フッ素ゴム被膜内面に接着剤を
塗布し、乾燥させてから、シリコーンゴムを注入し、加
硫させることができる。また、フッ素ゴム被膜内面を金
属ナトリウムのナフタレン錯体などにより活性化処理す
ることにより、さらにシリコーンゴム層との接着性を向
上させることができる。
【0018】本発明で使用するローラ基材としては、ロ
ーラ状芯金、及びチューブ状基材を挙げることができ
る。したがって、本発明のゴム被覆ローラは、ローラ基
材としてチューブ状基材を用いて得られるチューブ状若
しくはエンドレスベルト状のローラ部材(例えば、定着
ベルト、搬送ベルト、帯電ベルトなど)を包含する。ロ
ーラ状芯金としては、一般に、熱伝導性の良好なアルミ
ニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどの金
属;アルミナ、炭化ケイ素などのセラミックス;などか
ら形成された筒状体が用いられる。チューブ状基材とし
ては、耐熱性樹脂チューブや金属チューブが用いられ
る。耐熱性樹脂チューブの材質としては、熱容量が小さ
く、使用時にヒーターの加熱により素早く昇温するもの
が好ましく、一般に、融点、熱変形温度、熱分解温度な
どの耐熱温度が250℃以上の樹脂が使用される。その
具体例としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、
ポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。これらの中
でも、耐熱性と耐久性の観点からポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリベンズイミダゾールが好ましく、ポリイ
ミドが特に好ましい。金属チューブの材質としては、例
えば、鉄、ニッケル、これらの合金などが挙げられる。
定着ベルトの加熱に電磁誘導加熱方式を採用する場合
は、鉄、ニッケル、これらの合金、フェライト系ステン
レスなどが好ましい。定着ベルトのように、ローラ部材
全体を効率よく加熱する必要がある場合には、電磁誘導
加熱が可能なニッケルチューブを用いることが特に好ま
しい。
【0019】ローラ基材の厚み、長さなどは、通常の範
囲から選択され特に限定されない。例えば、ローラ基材
の長さは、転写紙などの転写材の大きさに応じて適宜定
められる。本発明の各工程において、ローラ基材として
チューブ状基材を用いる場合には、シリコーンゴムの注
入時や加硫時に形状を保持するために、例えば、ステン
レス製の棒や筒などの支持体をチューブ状基材の内部に
挿入して使用することができる。また、ローラ基材の表
面には、シリコーンゴムの材質に適した接着剤を塗布し
て、シリコーンゴム層との接着性を高めることができ
る。
【0020】本発明で用いるシリコーンゴムとしては、
特に限定されず、例えば、ジメチルシリコーンゴム、フ
ロロシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴムな
どを挙げることができる。その形態としては、特に金型
内に注入しやすい液状シリコーンゴムが好ましい。これ
らのゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み
合わせて使用することができる。ゴムには、所望によ
り、カーボンブラック、マイカ、酸化チタンなどの無機
充填材や、天然樹脂などの有機充填材を配合することが
できる。充填材の配合割合は、ゴム100重量部に対し
て、通常100重量部以下、好ましくは80重量部以下
である。シリコーンゴム層の厚みは、用途や目標とする
弾性、硬度などを勘案して適宜定めることができるが、
定着ローラなどの用途では、典型的には0.1〜5m
m、好ましくは0.5〜3mm程度である。
【0021】本発明の製造方法の概要を図1に示す。図
1(a)に断面を示すように、円筒状金型1の内面にフ
ッ素ゴムを塗装し、熱加硫(焼成)してフッ素ゴム被膜
2を形成する。次いで、シリコーンゴム層との接着性を
高めるため、必要に応じて、フッ素ゴム被膜2の表面処
理を行ったり、接着剤の塗布を行う。円筒状金型の内面
は、予め平滑化処理を行っておくことが好ましい。次
に、図1(b)に示すように、フッ素ゴム被膜2を内面
に形成した円筒状金型1の中空内に、ローラ基材4を挿
入する。ローラ基材4の表面には、接着剤を塗布してお
いてもよい。円筒状金型1の中心とローラ基材4の中心
が一致するようにセットする。すなわち、両者の軸心を
合わせる。図1には、ローラ基材として芯金を用いる場
合を示したが、チューブ状基材であってもよく、その場
合には、チューブ状基材の内側に支持体を挿入して、シ
リコーンゴムの注入や加硫工程中、該チューブ状基材を
固定させておくことができる。
【0022】次いで、図1(c)に示すように、フッ素
ゴム被膜2とローラ基材4との間の隙間にシリコーンゴ
ム4を注入し、加硫してシリコーンゴム層を形成する。
加硫条件は、使用するシリコーンゴムの種類に応じて適
宜選択される。液状シリコーンゴムの場合には、通常、
熱加硫を行う。シリコーンゴムの注入には、インジェク
ション、注型、押し出しなどの適当な方法を採用するこ
とができる。なお、図示していないが、シリコーンゴム
の注入や加硫に際し、通常は、円筒状金型の一端または
両端を密封しておく。図1(d)に示すように、シリコ
ーンゴムの加硫後、フッ素ゴム被膜及びシリコーンゴム
層と共に、ローラ基材を円筒状金型から引き抜く。かく
して、図1(e)に示すように、ローラ基材上にシリコ
ーンゴム層とフッ素ゴム層とがこの順に形成されている
ゴム被覆ローラ5が得られる。図2に、ゴム被覆ローラ
の層構成の断面図を示す。すなわち、ローラ基材4の上
にシリコーンゴム層3、その上にフッ素ゴム層2が形成
されている。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、これらの実施例及
び比較例では、ゴム被覆ローラが定着ローラである場合
について説明するが、本発明においては、特にゴム被覆
ローラの用途は定着ローラに限定されず、加圧ローラ、
現像ローラ、転写ローラなどの各種用途に適用してもよ
い。
【0024】[実施例1]内径40mmφ、長さ300
mmのステンレス製の円筒の内面をクロムメッキし、そ
の面にフッ素ゴムラテックスワニス(ダイキン工業製、
GLS213)を塗布し、乾燥して水分を揮発させた
後、250℃で60分間熱処理して厚み10μmのフッ
素ゴム被膜を形成した。次に、フッ素ゴム被膜の内面に
接着剤(ダイキン工業製、GLP104)を塗布して乾
燥した。一方、外径36mmφ、長さ300mmのアル
ミニウム製芯金の表面に、シリコーン系接着剤(東レダ
ウコーニングシリコーン製、DY39−012)を塗布
し乾燥させた。この芯金を前記円筒状金型の中空内に挿
入し、軸心が一致するようにセットした。次いで、円筒
状金型のフッ素ゴム被膜と芯金との間の隙間に、液状シ
リコーンゴム(信越化学製、KE1380)を流し込
み、160℃で15分間熱処理してゴムを硬化させた。
その後、円筒状金型から脱型して、ゴム被覆ローラを得
た。得られたゴム被覆ローラは、フッ素ゴム被膜の表面
にシワや破れが無く、表面の波打ち・凹凸も無かった。
フッ素ゴム被膜の表面粗度は、Ra=0.8μm、R
max =3.0μmであった。
【0025】このゴム被覆ローラを定着ローラとして定
着ユニットにセットし、表面にジメチルシリコーンオイ
ルを塗布した。加圧ローラには、アルミニウム製芯金に
厚み2mmのシリコーンゴムを被覆したローラを用い、
ハロゲンランプヒータで定着ローラのフッ素ゴム表面温
度が180℃になるように昇温した。モノクロレーザー
ビームプリンターの黒色トナーによって形成された未定
着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧し
て定着したところ、オフセットのない良好な定着画像が
得られた。連続複写枚数が多くなるにつれて、わずかに
定着ローラ表面にトナーが固着し、汚れが発生したが、
定着画像に乱れが見られるようなオフセットは発生しな
かった。また、1000枚の連続通紙によっても、フッ
素ゴム被膜とシリコーンゴム層とが剥離することがな
く、良好な定着画像が得られた。
【0026】[実施例2]内径40mmφ、長さ300
mmのステンレス製円筒の内面をホーニング処理により
磨き上げ、その上にクロムメッキし、その面にフッ素ゴ
ムラテックスワニス(ダイキン工業製、GLS213)
を塗布し、乾燥して水分を揮発させた後、250℃で6
0分間熱処理して、厚み10μmのフッ素ゴム被膜を形
成した。次に、このフッ素ゴム被膜の内面に接着剤(ダ
イキン工業製、GLP104)を塗布して乾燥した。一
方、外径36mmφ、長さ300mmのアルミニウム製
芯金の表面に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニン
グシリコーン製、DY39−012)を塗布し乾燥させ
た。この芯金を前記円筒状金型の中空内に挿入し、軸心
が一致するようにセットした。次いで、円筒状金型のフ
ッ素ゴム被膜と芯金との間の隙間に、液状シリコーンゴ
ム(信越化学製、KE1380)を流し込み、160℃
で15分間熱処理してゴムを硬化させた。その後、円筒
状金型から脱型して、ゴム被覆ローラを得た。得られた
ゴム被覆ローラは、フッ素ゴム被膜の表面にシワや破れ
が無く、表面の波打ち・凹凸も無かった。フッ素ゴム被
膜の表面粗度は、Ra=0.5μm、Rmax =2.0μ
mであった。
【0027】このゴム被覆ローラを定着ローラとして定
着ユニットにセットし、表面にジメチルシリコーンオイ
ルを塗布した。加圧ローラには、アルミニウム製芯金に
厚み2mmのシリコーンゴムを被覆したローラを用い、
ハロゲンランプヒータで定着ローラのフッ素ゴム表面温
度が180℃になるように昇温した。モノクロレーザー
ビームプリンターの黒色トナーによって形成された未定
着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧し
て定着したところ、オフセットのない良好な定着画像が
得られた。連続複写枚数が多くなっても、定着ローラ表
面に汚れが発生することがなく、また、定着画像に乱れ
が見られるようなオフセットは発生しなかった。100
0枚の連続通紙によっても、フッ素ゴム被膜とシリコー
ンゴム層とが剥離することがなく、良好な定着画像が得
られた。
【0028】[実施例3]内径40mmφ、長さ300
mmのステンレス製円筒の内面をホーニング処理により
磨き上げ、その上にクロムメッキし、その面にフッ素ゴ
ムラテックスワニス(ダイキン工業製、GLS213)
を塗布し、乾燥して水分を揮発させた後、250℃で6
0分間熱処理して、厚み80μmのフッ素ゴム被膜を形
成した。次に、このフッ素ゴム被膜の内面に接着剤(ダ
イキン工業製、GLP104)を塗布して乾燥した。一
方、外径36mmφ、長さ300mmのアルミニウム製
芯金の表面に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニン
グシリコーン製、DY39−012)を塗布し乾燥させ
た。この芯金を前記円筒状金型の中空内に挿入し、軸心
が一致するようにセットした。次いで、円筒状金型のフ
ッ素ゴム被膜と芯金との間の隙間に、液状シリコーンゴ
ム(信越化学製、KE1380)を流し込み、160℃
で15分間熱処理してゴムを硬化させた。その後、円筒
状金型から脱型して、ゴム被覆ローラを得た。得られた
ゴム被覆ローラは、フッ素ゴム被膜の表面にシワや破れ
が無く、表面の波打ち・凹凸も無かった。フッ素ゴム被
膜の表面粗度は、Ra=0.5μm、Rmax =2.0μ
mであった。
【0029】このゴム被覆ローラを定着ローラとして定
着ユニットにセットし、表面にジメチルシリコーンオイ
ルを塗布した。加圧ローラには、アルミニウム製芯金に
厚み2mmのシリコーンゴムを被覆したローラを用い、
ハロゲンランプヒータで定着ローラのフッ素ゴム表面温
度が180℃になるように昇温した。モノクロレーザー
ビームプリンターの黒色トナーによって形成された未定
着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧し
て定着したところ、オフセットのない良好な定着画像が
得られた。連続複写枚数が多くなっても、定着ローラ表
面に汚れが発生することがなく、また、定着画像に乱れ
が見られるようなオフセットは発生しなかった。300
0枚の連続通紙によっても、フッ素ゴム被膜とシリコー
ンゴム層とが剥離することがなく、良好な定着画像が得
られた。
【0030】[比較例1]内径36mmφ、長さ300
mmのアルミニウム製芯金にシリコーン系接着剤(東レ
ダウコーニングシリコーン製、DY39−012)を塗
布・乾燥させた。この芯金上にシリコーンゴム(信越化
学製、KE1380)を160℃で15分間プレスして
熱処理し、4mm厚さのゴムを硬化・被覆した。このシ
リコーンゴム表面を研削し、外径を40mmφに調整し
た。次いで、シリコーンゴム層上にフッ素ゴムラテック
スワニス(ダイキン工業製、GLS213)を塗布し、
乾燥して水分を揮散させた後、250℃で60分間熱処
理して、厚み20μmのフッ素ゴム被膜を形成した。こ
のフッ素ゴム被膜の表面を厚みが10μmになるように
研削した。得られたゴム被覆ローラは、表面にフッ素ゴ
ム被膜のシワが少し見られ、表面の波打ち・凹凸があっ
た。また、フッ素ゴム被膜の表面には、研削の際の砥石
による傷が多数見られた。フッ素ゴム被膜の表面粗度
は、Ra=1.5μm、Rmax =7.0μmであった。
【0031】このゴム被覆ローラを定着ローラとして定
着ユニットにセットし、表面にジメチルシリコーンオイ
ルを塗布した。加圧ローラには、アルミニウム製芯金に
厚み2mmのシリコーンゴムを被覆したローラを用い、
ハロゲンランプヒータで定着ローラのフッ素ゴム表面温
度が180℃になるように昇温した。モノクロレーザー
ビームプリンターの黒色トナーによって形成された未定
着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧し
て定着したところ、定着ローラ表面にトナーが付着して
汚れ、定着画像には乱れが見られ、いわゆるオフセット
が発生した。また、1000枚の連続通紙により、フッ
素ゴム被膜とシリコーンゴム層とが剥離して定着不能と
なった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、表面平滑性と層間接着
性が改善されたゴム被覆ローラが提供される。本発明の
ゴム被覆ローラは、定着ローラなどの用途に適用した場
合、トナー離型性と耐久性とを兼ね備えたローラ部材と
なる。本発明のゴム被覆ローラは、シリコーンオイルの
濡れ性に優れ、柔軟で、表面が平滑であり、耐久性にも
優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のゴム被覆ローラの製造工程を
示す工程図である。
【図2】図2は、本発明のゴム被覆ローラの層構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
1:円筒状金型 2:フッ素ゴム被膜 3:シリコーンゴム層 4:ローラ基材 5:ゴム被覆ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 102 G03G 15/20 102 4F213 (72)発明者 滝口 敏彦 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 宮本 昌宏 大阪府泉南郡熊取町大字野田950番地 住 友電気工業株式会社熊取製作所内 (72)発明者 加藤 千明 大阪府泉南郡熊取町大字野田950番地 住 友電気工業株式会社熊取製作所内 Fターム(参考) 2H003 CC05 2H032 AA05 2H033 AA09 BB26 BB31 2H077 AD02 AD06 FA12 FA21 3F049 CA11 LA02 LA05 LA07 LB03 4F213 AA16 AA33 AA45 AG03 AH04 WA02 WA14 WA56 WA83 WA87 WB01 WB18 WC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状金型の内面にフッ素ゴム被膜を形
    成し、次いで、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入
    した後、該フッ素ゴム被膜とローラ基材との間の隙間に
    シリコーンゴムを注入し、シリコーンゴムの加硫を行う
    ゴム被覆ローラの製造方法。
  2. 【請求項2】 ローラ基材上にシリコーンゴム層とフッ
    素ゴム被膜とがこの順に形成されているゴム被覆ローラ
    において、該フッ素ゴム被膜の表面粗度Raが1.0μ
    m以下で、かつ、Rmax が5.0μm以下であることを
    特徴とするゴム被覆ローラ。
  3. 【請求項3】 該フッ素ゴム被膜の厚みが5〜200μ
    mである請求項2記載のゴム被覆ローラ。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020029173A (ko) * 2000-10-12 2002-04-18 이기형 이송용 고무롤러 제조방법
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