JP2017037152A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017037152A
JP2017037152A JP2015157716A JP2015157716A JP2017037152A JP 2017037152 A JP2017037152 A JP 2017037152A JP 2015157716 A JP2015157716 A JP 2015157716A JP 2015157716 A JP2015157716 A JP 2015157716A JP 2017037152 A JP2017037152 A JP 2017037152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing roller
elastic layer
fixing
release layer
fixing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015157716A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6545032B2 (ja
Inventor
真持 松本
Sadamochi Matsumoto
真持 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015157716A priority Critical patent/JP6545032B2/ja
Publication of JP2017037152A publication Critical patent/JP2017037152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6545032B2 publication Critical patent/JP6545032B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 定着性と耐久性に優れたベルトニップ方式の定着装置を提供する。【解決手段】 定着ローラとエンドレスベルトとで形成される定着ニップが、定着ニップ内の後半部における圧力の平均値が前半部の圧力の平均値よりも高くなるように構成されており、定着ローラは、金属製の基体と、基体上に設けられた、シリコーンゴムを含む弾性層と、弾性層上に設けられた、厚さが15μm以上25μm以下の離型層とを有し、離型層は、メルトフローレート(MFR)が1g/10min以上3g/10min以下のフッ素樹脂を含み、離型層は、フッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜を焼成することによって形成されたものであり、弾性層は酸化チタンと高熱伝導性フィラーとを含み、定着ローラの弾性層から切り出した試験片の引張強度が0.9MPa以上2.5MPa以下であり、試験片の弾性率が0.3MPa以上1.0MPa以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いた画像定着装置に関するものである。
電子写真方式の複写機、またはレーザービームプリンタといった画像形成装置において、未定着状態のトナー画像を熱と圧力により記録材上に定着させる方法として、ベルトニップ方式の定着装置がある。ベルトニップ方式の定着装置は、加熱源を有する定着ローラに対して、エンドレスベルトが、エンドレスベルトの内側に当接している加圧部材によって圧接された構成を有する(特許文献1)。かかる定着装置では、未定着状態のトナー画像を保持した記録材が、定着ローラとエンドレスベルトとの圧接部位(定着ニップ)に挟み込まれて、記録材上に画像が定着される。定着装置の定着ローラとしては、金属製の基体の外面にシリコーンゴムを含む弾性層、およびフッ素樹脂を含む離型層が順次形成された構成のものが用いられている。
このベルトニップ方式の定着装置は、エンドレスベルトと定着ローラとの間に幅広の定着ニップを形成することが可能であるため、定着ローラ径が比較的小さくても画像の定着性が損なわれず、装置の小型化に有効である。また、従来の、ローラ対で構成された定着装置と比較すると、ローラに対してエンドレスベルトの厚さが薄いため、省エネ効果が高いという利点を有する。
近年の印刷スピードの高速化に伴って、記録材が定着ニップを通過するまでの時間が短くなる傾向にある。そのため、定着装置には、短時間でも未定着状態のトナー画像を良好に定着できるような高い定着性能が求められている。このような高い定着性を有する定着装置として、特許文献2は、定着ニップ内の後半部、(すなわち、定着ニップ内の、記録材の搬送方向に対して下流側)における圧力の平均値が、定着ニップ内の前半部の圧力の平均値よりも高く構成された定着装置を提供している。この定着装置では、定着ニップ内の前半部でトナーが十分に溶融したのち、溶融したトナーが高圧力である後半部で記録材に押込まれることによって、画像が良好に定着される。
また、一方で、画像形成装置の高耐久化に伴い、より一層の耐久性を有する定着装置が求められている。特に、定着ローラは、紙のような記録材との摺擦が繰り返されてその表面が摩耗し易いため、定着ローラの離型層には高い耐久性が求められる。
耐久性に優れる定着ローラとして、特許文献3は、定着ローラの離型層に、溶融粘度(メルトフローレート(MFR))が1g/10min〜3g/10minであるフッ素樹脂を用いることを提案している。
特開2003−107936号公報 特開2011−53411号公報 特開2003−167462号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、特許文献2に記載されている、定着ニップ内の後半部の圧力が高く構成された定着装置では、従来と比較して長期間にわたって使用することを想定した場合、定着ローラの弾性層の破損や離型層の剥離が生じるなどして、耐久性が十分でない場合があった。
これは、定着ニップ内の後半部における高い圧力によって弾性層や離型層に負荷がかかるためと考えられた。
しかし、かかる課題に対応して定着ニップ内の後半部における圧力を弱めると、定着ニップ内の後半部の圧力が高く構成された定着装置が有する優れた定着性が、十分に発揮されない可能性がある。
そこで、本発明の目的は、ベルトニップ方式の定着装置に関し、良好な定着性を維持しつつも耐久性に優れた定着装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、耐久性に優れ、かつ、高品位な画質を安定して供給することが可能な画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、回転可能な定着ローラと、該定着ローラに接し、回転可能なエンドレスベルトと、該エンドレスベルトの内面に接し、該エンドレスベルトを介して該定着ローラに加圧する加圧部材と、を有する定着装置であって、
該定着ローラと該エンドレスベルトとで形成される定着ニップは、定着ニップ内の後半部における圧力の平均値が前半部の圧力の平均値よりも高くなるように構成されており、
該定着ローラは、金属製の基体と、該基体上に設けられた、シリコーンゴムを含む弾性層と、該弾性層上に設けられた、厚さが15μm以上25μm以下の離型層とを有し、
該離型層は、メルトフローレート(MFR)が1g/10min以上3g/10min以下のフッ素樹脂を含み、
該離型層は、該フッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜を焼成することによって形成されたものであり、
該弾性層は酸化チタンと高熱伝導性フィラーとを含み、
該定着ローラの該弾性層から切り出した試験片の引張強度が0.9MPa以上2.5MPa以下であり、
該試験片の弾性率が0.3MPa以上1.0MPa以下であることを特徴とする定着装置が提供される。
また、本発明によれば、上記した定着装置を有する画像形成装置が提供される。
本発明によれば、定着性と耐久性に優れたベルトニップ方式の定着装置が提供される。また、本発明によれば、耐久性に優れ、かつ、高品位な画質を安定して供給することが可能な画像形成装置が提供される。
本発明に係る定着装置の一例の概略断面図である。 本発明に係る画像形成装置の一例の概略断面図である。 定着ローラの一例の層構成を示す概略断面図である。 リングコート法を説明するための模式図である。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置に搭載される定着ローラは、金属製の基体と、該基体上に設けられた、シリコーンゴムを含む弾性層と、該弾性層上に設けられた、厚さが15μm以上25μm以下の離型層とを有しており、該離型層は、メルトフローレート(MFR)が1g/10min以上3g/10min以下のフッ素樹脂を含み、該離型層は、該フッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜を焼成することによって形成されたものであり、該弾性層は酸化チタンと高熱伝導性フィラーとを含み、該定着ローラの該弾性層から切り出した試験片の引張強度が0.9MPa以上2.5MPa以下であり、試験片の弾性率が0.3MPa以上1.0MPa以下である。
かかる定着ローラは、定着ニップ内の後半部における圧力の平均値が前半部の圧力の平均値よりも高くなるように構成されているベルトニップ方式の定着装置に搭載した場合においても、高い耐久性と優れた定着性を両立して示す。
本発明者らの検討によれば、弾性層の破損の発生は弾性層の引張強度と相関関係があり、弾性層の引張強度が低いと弾性層の破損が起こりやすい傾向にあることが判明している。そのため、弾性層の破損の発生を抑制するためには弾性層の引張強度を比較的高い値に調整することが重要である。
ここで、本発明に係る離型層は、後述するように、弾性層上に形成した、メルトフローレートが1g/10min以上3g/10min以下のフッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜を焼成することによって形成されたものである。
しかし、このようにして離型層を形成する場合、フッ素樹脂を焼成し熔融させる工程において、弾性層が高温に曝されるため、シリコーンゴムが熱劣化し、弾性層の引張強度が低下することがある。特に、上記したように、離型層に含有されるフッ素樹脂のMFRが比較的低い場合、すなわち、MFRが1g/10min以上3g/10min以下の範囲にある場合は、フッ素樹脂の融点が高いため、特に、高温(例えば、温度320℃以上400℃以下)に曝されるため、弾性層の引張強度が一層低下し易い。
一方、良好な定着性を得るためには、弾性層の弾性率を所望の範囲にすることが重要である。しかし、弾性率もフッ素樹脂の焼成工程において低下し、所望の範囲から外れてしまうことがある。
このような課題に対し、本発明者らは、以下の条件を組み合わせることによって所望の引張強度及び弾性率を備える定着ローラを得ることが可能であることを見出した:
(i)液状シリコーンゴムと高熱伝導性フィラーとを含む液状シリコーンゴム組成物であって、該液状シリコーンゴム組成物を通常の条件で硬化させたときの引張強度(以降、「初期強度」と称す)が1.5MPa以上である液状シリコーンゴム組成物を用いること
(ii)液状シリコーンゴム組成物に酸化チタンを添加すること
(iii)フッ素樹脂の焼成工程において、フッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜の昇温速度を3℃/秒以上7℃/秒以下とすること。
高熱伝導性フィラーを予め含んだ状態での初期強度が1.5MPa以上と十分に高い液状シリコーンゴム組成物は、フッ素樹脂の焼成工程において高温に曝されてもある程度高い引張強度を維持することが可能である。このとき、初期強度は、高熱伝導性フィラーを含まない液状シリコーンゴムのみからなる液状シリコーンゴム組成物ではなく、高熱伝導性フィラーを含んだ状態の液状シリコーンゴム組成物を、硬化させたときの値であることが重要である。定着ローラの弾性層には、高い熱伝導性を付与するために、多量の高熱伝導性フィラーを添加する必要がある。この場合、弾性層におけるシリコーンゴムの割合が相対的に減少するため、高熱伝導性フィラーを多く含むほど、硬化後のシリコーンゴムの引張強度が低下する傾向にある。したがって、高熱伝導性フィラーを含んだ状態での初期強度に着目することが重要である。
そして、かかる液状シリコーンゴム組成物に対して、更に酸化チタンを添加することによって、引張強度の低下を一層抑制することが可能である。酸化チタンはシリコーンゴムの熱劣化を抑制する効果があると考えられる。
さらに、フッ素樹脂の焼成工程において、フッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜の昇温速度が速すぎると、弾性層の引張強度と弾性率とがともに低下し易い。このため、比較的マイルドな昇温条件、すなわち、該塗膜の昇温速度が3℃/秒以上7℃/秒以下の範囲となるような条件で、フッ素樹脂の焼成を行うことが良い。
(1)定着ローラの構成
図3は、本発明に係る定着装置に好適に搭載される定着ローラの一例の概略断面図である。定着ローラ91は、基体91aと、基体91a上に設けられた弾性層91bと、弾性層91b上に設けられた離型層91cとで構成されている。離型層91cを設けることにより、加熱溶融されたトナーが定着ローラ91aの表面へ付着するのを抑制することができる。
以下、定着ローラ91の各構成について詳細に説明する。
〈基体〉
定着ローラ91の基体91aとしては、画像形成装置の駆動時の発熱に耐えうる耐熱性と、加圧時の圧力に耐えうる機械的強度を備えるため、金属製の基体を用いることが好ましい。基体91aとしては、特に、外形φ18mm〜34mmの、Fe、SUS、及びAlから選ばれるいずれかの金属製の円筒基体が好適に用いられる。
定着ローラ91の基体91aの厚さは、110μm以上200μm以下であることが好ましい。基体91aの厚さが110μm以上であると、基体91aの機械的強度が良好である。基体91aの厚さが厚すぎると基体91aの熱容量が増加して定着装置のFPOT(First Print Out Time)が低下することがあるため、基体91aの厚さは200μm以下であることが好ましい。
〈弾性層〉
弾性層91bは、シリコーンゴム、高熱伝導性フィラーおよび酸化チタンを含んでいる。
弾性層91bの厚さは200μm以上600μm以下、特には200μm以上500μm以下であることが好ましい。弾性層91bの厚さが200μm以上であると、定着ローラ91へ分離ローラ93が食い込むのに十分な厚さであり、記録材Pへの画像の定着性が良好である。弾性層91bの厚さが600μm以下であると、基体91aの熱容量を低く抑えることができるため、定着装置のFPOTが良好である。
(弾性層の弾性率と引張強度)
定着ローラ91は、その弾性層91bから切り出した試験片の引張強度が0.9MPa以上2.5MPa以下であり、試験片の弾性率が0.3MPa以上1.0MPa以下である。
本発明者らの検討によれば、弾性層の破損の発生は弾性層の引張強度と相関関係があり、弾性層の引張強度が低いと弾性層の破損が起こりやすいことが判明している。そのため、弾性層の引張強度を0.9MPa以上にすることによって、弾性層の破断を抑制することが可能である。また、弾性層の引張強度を2.5MPa以下にすることによって、定着ローラの定着性を損なわずに弾性層の破損に耐えることが可能である。
一方、定着ローラの定着性は弾性層の弾性率の影響を受け、弾性率が高すぎると弾性層が変形しにくくトナーの定着性が低下する傾向にある。そのため、弾性層の弾性率を0.3MPa以上1.0MPa以下にすることによって、定着性が良好な定着ローラを得ることが可能である。
引張強度とは、JIS K6251:2010に基づく、ダンベル状3号形試験片を用いて測定したときの引張強さ(TS)である。引張強さとは、試験片を切断するまで引っ張ったときに記録される最大の引張力を、試験片の初期断面積で除した値である。試験回数は3回とし、その平均値を引張強度とする。尚、定着ローラ91において、弾性層91bの厚さがJIS K6251:2010に推奨されるダンベル状の厚みよりも薄い場合、試験片の形状は、平行部分の厚さを弾性層91bの厚さとし、平行部分の幅を10mmとし、更に初期の標線間距離を40mmとする。
引っ張り強度は、特には、0.9MPa以上2.0MPa以下であることが好ましい。
弾性率は次のようにして測定する。上記引張強度の測定より応力−歪み曲線を取得し、弾性率を以下の式より算出する。尚、標線間距離増加分ΔLは初期の標線間距離Lを10%変位させた値、すなわち、L/ΔLは標線間距離に関わらず10とする。
Figure 2017037152
弾性率は、特には、0.5MPa以上0.8MPa以下であることが好ましい。
(液状シリコーンゴム組成物)
弾性層91bは、液状シリコーンゴム組成物を硬化させて得ることが可能である。液状シリコーンゴム組成物は、液状シリコーンゴム、高熱伝導性フィラーおよび酸化チタンを含んで構成されている。
液状シリコーンゴム組成物は、その初期強度が1.5MPa以上であることが好ましい。液状シリコーンゴム組成物の初期強度とは、高熱伝導性フィラーを予め含んだ液状シリコーンゴム組成物を通常の条件で硬化させたとき、例えば、該液状シリコーンゴム組成物を200℃で4時間硬化させたときの引張強度である。初期強度が1.5MPa以上と十分に高い液状シリコーンゴム組成物は、フッ素樹脂の焼成工程において高温に曝されてもある程度高い引張強度を維持することが可能である。
初期強度は、液状シリコーンゴムの組成、及び液状シリコーンゴム組成物中の高熱伝導性フィラーの含有量によって制御することが可能である。
(液状シリコーンゴム)
シリコーンゴムの原料は、室温で流動性を持つポリマーであって加熱により硬化が進行する液状シリコーンゴムであることが好ましい。かかる液状シリコーンゴムによって形成される弾性層91b(以下、「硬化シリコーンゴム層」と称すことがある。)は、適度に低硬度であり、定着装置で用いるのに十分な耐熱性と変形回復力を有する。特に、加工性が良好で寸法精度の安定性が高く、かつ、硬化反応時に反応副生成物が発生しないことから、付加硬化型の液状シリコーンゴムを用いることが好ましい。
付加硬化型の液状シリコーンゴムは、基本的な構成成分として下記(a)、(b)及び(c)を含む。
(a)不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン;
(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン;
(c)ヒドロシリル化触媒。
上記(a)成分である、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとしては以下のものが挙げられる。
・分子両末端がR1R2SiO1/2で表され、中間単位がR1SiO及びR1R2SiOで表される直鎖状オルガノポリシロキサン
・分子両末端がR1R2SiO1/2で表され、中間単位にR1SiO3/2及び/又はSiO4/2が含まれる分岐状ポリオルガノシロキサン
ここで、R1はケイ素原子に結合した、脂肪族不飽和基を含まない1価の非置換又は置換の炭化水素基を表す。具体例は、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基)、アリール基(フェニル基、ナフチル基)、置換炭化水素基(例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−シアノプロピル基、3−メトキシプロピル基)が挙げられる。
特に、合成や取扱いが容易で、優れた耐熱性が得られることから、R1の50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのR1がメチル基であることがより好ましい。
R2はケイ素原子に結合した不飽和脂肪族基を表す。R2としては、ビニル基、アリール基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基が例示され、合成や取扱いが容易で液状シリコーンゴムの架橋反応も容易に行われることから、特にビニル基が好ましい。
上記(b)成分である、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは、白金化合物の触媒作用により、上記(a)成分のアルケニル基との反応によって架橋構造を形成させる架橋剤である。
上記(b)成分において、ケイ素原子に結合した水素原子の数は、1分子中に平均して3個を越える数であることが好ましい。ケイ素原子に結合した有機基としては、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のR1と同じ非置換又は置換の1価の炭化水素基が例示される。特に、合成及び取扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量は特に限定されない。
また、上記(b)成分の25℃における粘度は、好ましくは10mm/s以上100,000mm/s以下、さらに好ましくは15mm/s以上1,000mm/s以下の範囲である。粘度が10mm/s以上であると、該オルガノポリシロキサンが保存中に揮発しにくく、得られるシリコーンゴムにおいて所望の架橋度や物性を得ることができる。また、粘度が100,000mm/s以下であると、該オルガノポリシロキサンの取扱いが容易で系に容易に均一に分散させることができる。
上記(b)成分のシロキサン骨格は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも差支えなく、これらの混合物を用いてもよい。特に合成の容易性の観点から、直鎖状のものが好ましい。
上記(b)成分において、Si−H基は、分子中のどのシロキサン単位に存在してもよいが、少なくともその一部が、R1HSiO1/2単位のように、オルガノポリシロキサンの分子末端に存在することが好ましい。
液状シリコーンゴム組成物の初期強度は、(a)不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン及び(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量を大きくすることで、高めることが可能である。そのため、例えば、上記(a)成分である不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンの数平均分子量は5000以上100000以下が好ましく、重量平均分子量は10000以上500000以下が好ましい。上記(b)成分であるケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、10000以上500000以下であることが好ましい。
また、液状シリコーンゴムの初期強度は、硬化後のシリコーンゴムにおけるオルガノポリシロキサンの架橋度を大きくすることで、高めることが可能である。具体的には、液状シリコーンゴム組成物中の、ケイ素原子に対する不飽和脂肪族基の個数の割合を高め、不飽和脂肪族基に対する活性水素の個数の割合を増加させることで、初期強度を高めることが可能である。そのため、例えば、上記(a)成分および上記(b)成分は、ケイ素原子に対する不飽和脂肪族基の個数の割合が、0.001以上0.020以下、より好ましくは0.002以上0.010以下となるように配合されることが好ましい。また、不飽和脂肪族基に対する活性水素の個数の割合(以降、「H/Vi」と称す)が、0.5以上1.2以下となるように配合されていることが好ましい。H/Viは、水素核磁気共鳴分析(1H−NMR(商品名:AL400型FT−NMR、日本電子株式会社製))を用いた測定により不飽和脂肪族基数及び活性水素数を定量して算出することができる。
上記(c)成分としては、白金化合物およびロジウム化合物の如き公知の物質が挙げられる。
また、上記した成分(a)〜(c)の他に、インヒビターと呼ばれる反応制御剤(阻害剤)を含んでもよい。反応制御剤としては、メチルビニルテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール、ハイドロパーオキサイドの如き公知の物質を用いることができる。
(高熱伝導性フィラー)
また、弾性層91bは、高い熱伝導率を有することが好ましく、かかる高熱伝導率を達成するために高熱伝導性フィラーを含んでいる。
該高熱伝導性フィラーとしては、炭化珪素、アルミナ、及び、金属珪素からなる群より選ばれる少なくとも一つの高熱伝導性フィラーを用いることができる。これらの中でも、高熱伝導性フィラーとしては、少量の添加で高い熱伝導を達成できることから金属珪素を用いることが好ましい。これらのフィラーは単一で用いても良く、2種類以上を混合して使用してもよい。なお、これらのフィラーを弾性層91bに混入させることで、弾性層91bに導電性を付与することも可能である。
弾性層91bにおける高熱伝導性フィラーの含有量が高くなるほど、引張強度は低下する傾向にある。そのため、例えば、弾性層91b中の高熱伝導性フィラーの含有量が、25体積%以上55体積%以下、特には、30体積%以上50体積%以下であることが好ましい。ただし、高熱伝導性フィラーは、弾性層91bの熱伝導性を制御するために添加されるものであるので、弾性層91bの所望の熱伝導率に応じて含有量は適宜調整されることが好ましい。
弾性層91bの熱伝導率は、0.6W/m・K以上1.5W/m・K以下、特には、0.8W/m・K以上1.2W/m・K以下であることが好ましい。弾性層91bの熱伝導率が上記範囲内であると定着装置のFPOTが良好である。
熱伝導率は、定圧比熱(C)、密度(ρ)、および熱拡散率(α)を測定し、λ(熱伝導率)=α・C・ρの関係式から算出する。
定圧比熱(Cp)は、JIS K7123:1987に基づいて、次のようにして求める。測定において、測定装置としては、示差走査熱量測定装置(商品名「DSC823e」、メトラートレド社製)を用い、サンプル用のパンおよびリファレンス用のパンとして、アルミニウム製のパンを用いる。まず、ブランク測定として、15℃で10分定温の後、115℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、115℃で10分定温させるプログラムで、両方のパンが空の状態で測定を実施する。次に、定圧比熱が既知である10mgの合成サファイアを基準物質に用い、同じプログラムで測定を行う。次いで、リファレンスのサファイアと同量の10mgの測定サンプルをサンプルパンにセットし、同じプログラムで測定を実施する。これらの測定結果を示差走査熱量測定装置に付属の比熱解析ソフトウェアを用いて解析し、5回の測定の算術平均値から、大気圧下における定圧比熱(C)を算出する。
密度(ρ)は、乾式自動密度計(商品名「アキュピック1330−01」、島津製作所製)を用い、次のようにして求める。10cmの試料セルを用い、セル容積の約8割のサンプルを試料セルに入れる。試料の質量を測定したのち、装置内の測定部にセルをセットする。10回のガス置換を行い、容積測定を10回実施する。測定された容積と試料の質量から密度(ρ)を算出する。
熱拡散率(α)は、周期加熱法熱物性測定装置(商品名「FTC−1」、アルバック理工社製)を用いて求める。測定サンプルとして、弾性層91bから、面積8×12mm、弾性層91bの全厚さで切り出してものを用い、5回の測定の算術平均値を熱拡散率(α)とする。測定周波数は1〜100Hzとする。
(酸化チタン)
また、弾性層91bは、焼成工程で高温に曝されたときの弾性層91bの引張強度の低下を抑制するために、酸化チタンを含んでいることが重要である。
酸化チタンには、アナターゼ型構造やルチル型構造のものが存在することが知られている。この中でも、酸化チタンとしては、アナターゼ型構造を有する酸化チタン(以降、「アナターゼ型酸化チタン」ともいう)を用いることが好ましい。本発明の効果を阻害しないものであれば、アナターゼ型構造以外の酸化チタンを含んでも良いが、アナターゼ型酸化チタンが多いほどよい。すなわち、弾性層91b中に含まれる酸化チタンは、ASTM D 3720−84の方法に従い、下記計算式(1)により算出されるルチル化率が小さいほど好ましい。具体的には、ルチル化率が、0%以上50%以下、特には、0%以上20%以下であることが好ましい。
計算式(1)
ルチル化率(質量%)=100−100/(1+1.2×Ir/Ia)
計算式(1)において、Irは、X線回折パターンにおける酸化チタンが有するルチル型構造の最強干渉線(面指数110)のピーク面積であり、Iaは、X線回折パターンにおける酸化チタン結晶が有するルチル型構造の最強干渉線(面指数101)のピーク面積である。
アナターゼ型酸化チタンは、弾性層91b中に、0.1体積%以上15体積%以下の割合で含有させることが好ましい。特には、0.3体積%以上8.0体積%以下で含有させることが更に好ましい。アナターゼ型酸化チタンの含有量を0.1体積%以上とすることで、弾性層91bは高い引張強度を維持することが可能である。また、アナターゼ型酸化チタンの含有量を15体積%以下とすることで、付加硬化型液状シリコーンゴムの構造粘性の上昇を抑えることが可能である。
また、少量の添加によって弾性層14の耐熱性を確保するため、アナターゼ型酸化チタンの一次粒径は小さいほど好ましい。具体的には、アナターゼ型酸化チタン粒子の一次粒子の体積平均粒径は、5nm以上100nm以下、特には、20nm以上40nm以下であることが好ましい。
弾性層91b中のアナターゼ型酸化チタン粒子の一次粒子の体積平均粒子径は、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−3000;シスメックス株式会社製)を用いて求めることとする。具体的には以下のようにして求める。
まず、弾性層91bから切り出したサンプルを磁器製のるつぼに入れ、窒素雰囲気中で1000℃に加熱し、ゴム成分を分解させ除去する。次いで、このるつぼを空気雰囲気下で1000℃に加熱し、気相成長法炭素繊維を燃焼させる。その結果、るつぼ中には、サンプルに含まれていた酸化チタン粒子のみが残る。るつぼ中の酸化チタン粒子を乳鉢と乳棒を用いて1次粒子となるように解砕したのち、これを水に分散させて、試料液を調製する。この試料液を、上記粒子像分析装置に投入し、装置内で撮像セル内に導入し通過させ、無機充填剤を静止画像として撮影する。
平面に投影された無機充填剤の粒子像(以下、「粒子投影像」ともいう)と等しい面積を有する円(以下、「等面積円」ともいう)の直径を、当該粒子像にかかる酸化チタン粒子の直径とする。そして、1000個の酸化チタン粒子の等面積円を求め、それらの算術平均値を、酸化チタン粒子の一次粒子の体積平均粒子径とする。
また、酸化チタン粒子の結晶構造はX線回折測定(XRD)によって特定することが可能である。測定は、試料水平型多目的X線回折装置(商品名:UltimaIV,株式会社リガク製)を用い、以下の条件で行う。
X線源:Cu−Kα線
管電圧/電流:30Kv/20mA
走査範囲:10゜〜80゜
スキャン速度:2.0゜/分
サンプリング速度:0.01゜
積算回数:3回
測定したX線回折プロファイルにおいて、2θ=25.3°付近に、アナターゼ型酸化チタン粒子の結晶の面指数(101)に特徴的な回折ピークが、最も強い強度で確認することが可能である。
〈弾性層の形成方法〉
予めプライマー処理された基体91aの上に弾性層91bを形成する。弾性層91bを形成する方法としては、リングコート法が好適に挙げられる。
図4は基体91a上に液状シリコーンゴム組成物の塗膜を形成する工程の一例である、所謂リングコート法を説明するための模式図である。
まず、無端状のベルト部材である基体91aを、基体91aがルーズにならないように、断面が略真円であり、その外周長が基体91aの内周長とほぼ等しい円筒状の中子31に被せる。
次に、基体91aを装着した中子31をチャッキングアタッチメント35により、移動ステージ34に固定する。また、液状シリコーンゴム組成物をシリンダポンプ32に充填する。
そして、液状シリコーンゴム組成物を圧送モータM1で圧送することで、液状シリコーンゴム組成物を塗布液供給ノズル33から基体91aの周面に塗布する。このとき、液状シリコーンゴム組成物の塗布と同時に、基体91aと中子31とを固定した移動ステージ34ごと、駆動モータM2により図面右方向に一定速度で移動させる。これにより、液状シリコーンゴム組成物の塗膜Gを基体91aの外周面全域に形成することができる。塗膜Gの厚みは、塗布液供給ノズル33と基体91a表面とのクリアランス、液状シリコーンゴム組成物の供給速度、基体91a(ステージ34)の移動速度によって制御することができる。
そして、基体91a上に形成された塗膜Gは、電気炉や赤外線ヒータのような従来公知である加熱手段によって一定時間加熱して、架橋反応を進行させることにより、硬化シリコーンゴム層である弾性層91bとすることができる。
弾性層91bを形成する方法としては、上記のリングコート法に限定されない。例えば、液状シリコーンゴム組成物を、ブレードコート法によって基体91a上に均一な厚みでコートした後、加熱硬化する方法を用いることもできる。また、液状シリコーンゴム組成物を、成形型に注入し加熱硬化する方法、押し出し成形後に加熱硬化する方法、射出成形後に加熱硬化する方法を用いることもできる。
〈離型層〉
離型層91cを形成するフッ素樹脂の原料としては、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂、四フッ化エチレン(PTFE)樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)樹脂が好ましく用いられる。これらのフッ素樹脂の中でも、特に、トナーの離型性に優れたPFA樹脂を主たるフッ素樹脂成分として用いることが好ましい。フッ素樹脂中におけるPFA樹脂の割合は、50質量%以上、100質量%以下であることが好ましい。
フッ素樹脂は、耐摩耗性と伝熱性を考慮すると、分子量が大きい、すなわち、メルトフローレート(MFR)が小さいものを用いることが好ましい。具体的には、MFRの範囲が1g/10min以上3g/10min以下であるフッ素樹脂が好ましい。
離型層91cに含まれるフッ素樹脂には、MFRが上記数値範囲外であるフッ素樹脂が含まれていてもよいが、耐久性の観点から、離型層に含まれるフッ素樹脂の全体のMFRが、1g/10min以上3g/10min以下であることが好ましい。
フッ素樹脂のMFRは、JIS K 7210−1:2014のA法に準じ、温度372℃で、5kgf荷重の条件下において、標準ダイを使用して測定した値である。MFRの測定試料には、定着ローラの離型層からフッ素樹脂を4〜6g削り取ったものを用いる。
離型層91cの表面の算術平均粗さ(Sa)は、その離型層91cの全面において、0.1μm以上0.5μm以下であり、離型層91cの表面の最大断面高さ(St)は、その離型層91cの全面において、10.0μm以下であることが好ましい。離型層91cの算術平均粗さ(Sa)が上記範囲内であると、ニップ部において記録材およびトナーと定着ローラとが良く接触し、定着性が良好である。離型層91cの最大断面高さ(St)が上記範囲内であると、形成される画像に欠陥が生じにくく、良好な画像を得ることが可能である。なお、最大断面高さ(St)は0.2μm以上であることが好ましい。最大断面高さ(St)は0.2μm以上であると、オフセットに起因した画像不良が生じにくく、良好な画像を得ることが可能である。
上記算術平均粗さ(Sa)及び最大断面高さ(St)は、JIS B0601:2001に規定される線粗さを表すパラメータである「粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)」及び「粗さ曲線の最大断面高さ(Rt)」を、それぞれ、二次元に拡張したパラメータである。これらは、市販の非接触式白色干渉計(例えば、VertScan(菱化システム社製))によって測定することができる。具体的には、次のようにして測定する。
まず、定着ローラ91の表面の三次元画像を、5倍の対物レンズを用いて、測定範囲XY=952×702μmの範囲で取得する。そして、取得した画像について、全測定範囲領域の高さデータをもとに、二次曲線で近似して近似曲面を求め、該近似曲面が水平になるように面補正を行う(2次曲面補正)。
次に、面補正した画像において、カットオフ値500μmでうねり成分を除去して計測表面を得る。得られた計測表面の全領域(952×702μm)を評価領域とし、該計測表面における算術平均粗さ(Sa)及び最大断面高さ(St)をそれぞれ求める。ここで、算術平均粗さ(Sa)は、評価領域中の各点の高さの絶対値の平均値として算出し、最大断面高さ(St)は、評価領域中の、平均面からの最大山高さと最大谷深さの和として算出する。なお、最大断面高さ(St)とは、仮に離型層91c表面の一部に局所的な欠陥や局所的な粗さの変化部位が存在したとしても、それらを除外しないで求めるものとする。
この測定を、定着ローラ91の表面の全面において行う。全ての計測表面における算術平均粗さ(Sa)および、全ての計測表面における最大断面高さ(St)が、それぞれ上記した数値範囲内に入っているものとする。ただし、定着ローラ91cの表面において、記録材が通過しない領域については必ずしもこの限りではない。
離型層91cの厚さは、15μm以上25μm以下である。離型層91cの厚さは、特には、18μm以上22μm以下であることが好ましい。離型層91cの厚さが15μm以上であると、離型層91cの耐摩耗性や耐摺擦性が良好であり、耐久性が良好である。また、離型層91cの厚さが25μm以下であると、定着ローラ91の伝熱性が良好であるため定着性が良好である。
〈離型層の形成方法〉
離型層91cは、弾性層91bの基体91aと対向する側とは反対側の面上に設けられた、フッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜を焼成することによって形成される(コート法)。なお、本発明において、表面層が、弾性層上に形成した、メルトフローレートが1g/10min.以上3g/10min.以下のフッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜を焼成することによって形成されたものである、とは、高分子量のフッ素樹脂を弾性層上にて焼成させる工程を含むことにより、弾性層が当該焼成時の高温に曝されて熱劣化し得る環境を経てきたものであることを意味する。ここで、弾性層が、上記したような高分子量のフッ素樹脂を熔融させるために必要な高温に曝されたものであることを、弾性層中のシリコーンゴムの構造または特性で規定することは困難であると考えられる。
離型層91cの一般的な形成方法としては、コート法以外に、予め押出成形により円筒状に作製したフッ素樹脂チューブを弾性層91bの表面に被覆して接着する方法(以下、「チューブ法」と呼ぶ)がある。このうち、加工精度や生産性の観点からコート法の方が有利である。例えば、チューブ法で形成した離型層91cは、コート法で形成した離型層91cに比べて算術平均粗さ(Sa)が約一桁小さくなるため、オフセットが発生しやすくなる。よって、離型層91cの形成後の定着ローラの後処理として、離型層91cの表面を荒らす工夫が必要となる場合がある。
コート法による離型層91cの形成方法を以下に説明する。
(塗膜を形成する工程)
まず、フッ素樹脂を含む離型層形成用塗料を弾性層91b上に塗布して乾燥させ、フッ素樹脂を含む塗膜(以下、単に「塗膜」とも称す)を形成する。
ここで、離型層形成用塗料とは、上記フッ素樹脂に加えて、成膜剤としてのアクリル樹脂が分散されたものが好ましい。コート法では、シリコーンゴムを含む弾性層がフッ素樹脂の焼成工程で温度の上昇と共に膨張しフッ素樹脂の塗膜を押し広げる作用があるため、離型層にクラックが生じやすい。成膜剤は、フッ素樹脂が軟化し始めるまでの間フッ素樹脂をつなぐ役割を果たすため、クラックの発生を抑制し、表面性が良好な離型層91cを形成することが可能である。なお、成膜剤は最終的に熱によって分解されるものである。
アクリル樹脂としては、アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体のうち、一種又は複数種を重合して得られる重合体が好ましい。誘導体としてはエステル、酸無水物が挙げられ、特に、炭素数1〜8のアルキル基を含有するものが好ましい。アクリル樹脂の好ましい具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸エチルのうち一種又は複数種を重合して得られる重合体が挙げられる。特には、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びメタクリル酸からなる3元重合体であることが好ましい。
アクリル樹脂の分解温度は、100℃以上200℃以下、特には、120℃以上160℃以下であることが好ましい。アクリル樹脂の分解温度(T1)とは、アクリル樹脂の分解温度(T1)とは、熱重量分析(TG)(メトラートレド社製:商品名:TGA851)で、大気下、1℃/minで25〜400℃まで昇温させたときの分解開始温度のことである。分解開始温度は、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、TG曲線の変曲点での接線との交点の温度として定義される。
アクリル樹脂は、離型層形成用塗料中に、0.5質量%以上30質量%、特には1質量%以上20質量%以下の割合で含まれることが好ましい。
離型層形成用塗料中に含まれるフッ素樹脂は、厚膜の離型層を形成しやすいことから、粒子形状であることが好ましい。フッ素樹脂粒子の平均粒径(体積平均粒径)は、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。フッ素樹脂粒子の体積平均粒径は、光散乱法で測定したときの、体積平均粒径である。
このようなフッ素樹脂粒子としては、三井・デュポンフロロケミカル社製PFA:350−J、450HP−J、451HP−J、950HP Plus、951HP Plusが挙げられる。
離型層形成用塗料中には、これらの他に、界面活性剤及び/又は粘度調整剤を含んでいてもよい。該界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの如き非イオン性界面活性剤が挙げられる。粘度調整剤としては、エチレングリコールが挙げられる。
離型層形成用塗料の25℃における粘度は、塗料の塗工性の観点から、300cpより高く1500cp以下であることが好ましい。ここでいう粘度とは、B型粘度計(英弘精機社製、商品名:DV−E)を用いて、回転数20rpmの条件で測定した値である。
なお、離型層形成用塗料を弾性層91b上に塗布する前に、弾性層91bと離型層91cとの接着性を高めるために、弾性層91bに表面処理を行ってもよい。該表面処理としては、具体的には、シランカップリング剤の塗布、紫外線(UV)照射、プラズマ処理やフレーム処理が挙げられる。なお、紫外線照射処理の後にシランカップリング剤を塗布するなど、複数の表面処理を組み合わせて用いてもよい。
(塗膜を焼成して離型層を形成する工程)
続いて、弾性層91b上の塗膜を加熱溶融し、フッ素樹脂膜を形成する。該塗膜を加熱すると、まずアクリル樹脂が先に分解し始め、続いてフッ素樹脂が融解し合一化してフッ素樹脂膜となる。
塗膜の焼成工程において、離型層形成用塗料の塗膜の昇温速度が速すぎると、弾性層の引張強度と弾性率とがともに低下し易い。このため、比較的マイルドな昇温条件、すなわち、該塗膜の昇温速度が3℃/秒以上7℃/秒以下の範囲となるような条件で、塗膜の焼成を行うことが良い。
ここで、塗膜の昇温速度とは、アクリル樹脂の分解温度をT1℃、フッ素樹脂の融点をT2℃としたとき、塗膜がT1℃からT2℃まで加熱されるときの昇温速度である。T1℃からT2℃までの昇温速度とは、塗膜がT1℃からT2℃まで加熱されるのに係る時間をt(秒)としたときに、(T2−T1)/tで表される値である。
塗膜の昇温速度は、離型層の表面平滑性にも影響を与え得る。
昇温速度が速すぎると離型層91cの表面にボイドと呼ばれる欠陥が発生しやすくなる。昇温速度が速すぎると、アクリル樹脂が分解して消失する速度と比較して、フッ素樹脂の溶融が急速に進行する。そのため、溶融化したフッ素樹脂の膜内にアクリル樹脂が閉じ込められて発泡すると考えられる。ボイドは、特に、フッ素樹脂のMFRが低く、かつ、ある程度厚い膜厚(15〜25μm)を有する離型層を形成する場合に発生し易い。これは、MFRが低いフッ素樹脂は溶融時の流動性が低いため、分解したアクリル樹脂がフッ素樹脂の溶融膜の外部へ抜けにくいためである。また、膜厚が厚いと分解したアクリル樹脂がフッ素樹脂の溶融膜の外部へ抜けるまでに時間がかかるためである。
また、昇温速度が遅すぎると離型層91cの表面にクラックが発生しやすくなる。クラックが生じるのは、昇温速度が遅すぎると、アクリル樹脂が急速に分解して消失してしまうため、フッ素樹脂が十分に合一化されないためであると考えられる。したがって、クラックの発生を抑制するために、塗膜の昇温速度を3℃/秒とすることが好ましい。
ボイドやクラックが発生すると、離型層の表面の算術平均粗さ(Sa)や最大断面高さ(St)が所望の範囲を外れやすく、画像の定着性が低下することがある。したがって、ボイドやクラックの発生を抑制するために、塗膜の昇温速度を3℃/秒以上7℃/秒以下とすることが好ましい。
なお、フッ素樹脂の融点(T2)とは、示差走査熱量分析(DSC)(メトラートレド社製:商品名DSC823)で、昇温速度20℃/minで昇温させたときの吸熱ピークのピークトップの温度である。フッ素樹脂の融点は、フッ素樹脂を約5mg精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、温度範囲50〜400℃で測定する。フッ素樹脂の融点は、通常、280℃以上320℃以下、特には、290℃以上315℃以下である。
フッ素樹脂を融解して膜を形成するために、塗膜は、少なくともT2+15℃以上の温度で加熱することが望ましい。具体的には、フッ素樹脂の融点(T2)に応じて、320℃以上400℃以下の温度範囲で加熱することが好ましい。また、塗膜の加熱時間は、弾性層91bの熱劣化を招くため、1分以上15分以下とすることが望ましく、さらに好適には3分以下とすることが望ましい。
塗膜の加熱工程においては、フッ素樹脂の塗膜の全域において、昇温速度が上記範囲に入るように、均一に加熱ができる焼成装置を用いることが好ましい。焼成装置としては、オーブン、マッフル炉、赤外線ランプ加熱装置、管状炉が挙げられるが、本発明は必ずしもこれら焼成手段に限定されるものではない。
(2)定着装置
図1は本発明の一実施形態に係る定着装置の一例の概略断面図である。
定着装置9は、ベルトニップ方式の定着装置であり、回転可能な定着ローラ91と、定着ローラ91に接し、回転可能なエンドレスベルト92と、エンドレスベルト92の内面に接し、エンドレスベルト92を介して定着ローラ91に加圧する加圧パッド94(加圧部材)とを具備している。
定着ローラ91とエンドレスベルト92とで形成される定着ニップは、定着ニップ内の後半部における圧力の平均値が前半部の圧力の平均値よりも高くなるように構成されている。本実施形態では、定着ニップ内の後半部に分離ローラ93が設けられており、該分離ローラ93が、エンドレスベルト92を介して定着ローラ91に食い込むように加圧することによって、定着ニップ内の後半部における加圧力が高くなるように構成されている。
定着ローラ91は、内部に加熱源としてハロゲンヒータ95を有し、不図示の温度センサーと不図示の温度制御回路によって所定の温度、例えば180℃に温調される。
エンドレスベルト92は、複数のローラ93、96、及び97で張架された無端ベルトであり、ベルト内から加圧パッド94により定着ローラ91に加圧される。
エンドレスベルト92は、ポリイミドのような樹脂またはニッケルのような金属からなる基体の表面に、シリコーンゴムやフッ素ゴムを含む弾性体層を被覆し、さらにその上層に離型性の高い離型層が被覆された構成のものが挙げられる。離型層は、FEPまたはPFA、PTFEのようなフッ素樹脂や、それらを混合したゴムを含むことが好ましい。
分離ローラ93は、Fe、SUSのような金属からなるローラである。分離ローラ93は、エンドレスベルト92を介して定着ローラ91に食い込むように加圧している。
分離ローラ93の平均加圧力は、2.5kgf/cm以上10kgf/cm以下であり、加圧パッドの平均加圧力より高くなるように構成されている。また、定着ローラ91と分離ローラ93との接触部分(分離ニップ部)が、2mm〜5mmとなるように適宜調整される。
加圧パッド94はゴム硬度7°〜20(JIS−A1kg加重)のシリコーンゴムからなる加圧部材を用いることができる。加圧パッド94は、不図示のベルトユニット側板に固定され、エンドレスベルト92の内面に接して摺動し、定着ローラ91を加圧している。加圧パッド94は、エンドレスベルト92との摺動性を上げるために、表面にフッ素樹脂コートを施したり、低摩擦性のシートを介してエンドレスベルトを加圧したりすることが一般的である。例えば、加圧パッド94にガラス繊維シートからなる低摩擦性のシート(不図示)を固定し、低摩擦性シートを介してエンドレスベルト92の内面を摺動加圧する構成を用いることができる。加圧パッドの平均加圧力は、0.2kgf/cm以上3.0kgf/cm以下であり、そのときの定着ローラ91と加圧パッド94との接触部分(加圧ニップ部)が、10mm程度となるように適宜調整される。
定着ニップの加圧力はニッタ株式会社製の「ローラ間圧力測定システム PINCH」を用いて静止状態で測定する。ローラ間圧力測定システムの測定シートを、その中心が定着ローラ91の長手方向中心と略一致するように圧接部位に挟み込む。定着ローラ91の長手方向中心における、定着ニップ部内の記録材搬送方向の測定点の圧力値を見る。測定は、25℃の環境下で行う。測定点が奇数個の場合には中心点を除く上流側の圧力値の平均及び下流側の圧力値の平均を採用する。また、測定点が偶数個の場合には上流側の平均値と下流側の平均値を採用する。各測定は、10回ずつ行い、その測定の平均値を平均加圧力とする。なお、上記したように加圧ニップ部と圧接ニップ部とが区別できるような構成を有する定着装置では、加圧ニップ部内の圧力の平均値を上流側の平均加圧力、分離ニップ部の圧力の平均値を下流側の平均加圧力とする。
ステアリングローラ96は、Fe、Al、SUSのような金属からなる芯軸上に、厚さが0.5〜2.0mmの硬化シリコーンゴム層が被覆された構成を有している。ステアリングローラ96は、不図示のベルト位置検知センサーの出力を元に不図示の駆動部によって、ベルトの蛇行制御を行っている。
懸架ローラ97はエンドレスベルトを懸架するローラである。
次に、この定着装置9が画像形成装置に搭載された場合における、定着装置9の動作について説明する。
まず、定着ローラ91の表面が、ハロゲンランプ95の加熱により所定の設定温度になると、画像形成装置における画像形成動作(コピー動作やプリント動作)の開始信号が送られ、これを受けて、記録材P上にトナー像が順次転写形成される。この画像形成動作の開始と同期して、定着ローラ91が図中の矢印B方向に回転し始める。これと同時に、エンドレスベルト92が3つのローラ93,96,97に張架された状態で定着ローラ91に従動して図中の矢印C方向に回転し始める。定着ローラ91の回転により、エンドレスベルト92は、分離ローラ93による支持と加圧パッド94による押圧とにより、定着ローラ91との間にニップを形成した状態で回転する。トナー像が転写された記録材Pが定着装置9に搬送され、加圧ニップ部を通過すると、熱と圧力によってトナー像が記録材P上に定着される。その後、記録材Pは画像形成装置から排出される。
(3)画像形成装置
図2は、本発明にかかる画像形成装置の一例の概略断面図である。
画像形成装置内には、第1、第2、第3、第4の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdが併設され、各々異なった色のトナー像が潜像、現像、転写のプロセスを経て形成される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ専用の像担持体、本実施形態では電子写真感光ドラム3a、3b、3c、3dを具備しており、各感光ドラム3a、3b、3c、3dに隣接して中間転写体130が設置されている。中間転写体130は図中の矢印A方向に感光ドラム3と同じ周速度をもって回転駆動されている。
各感光ドラム3a、3b、3c、3d上に各色のトナー像が形成される。感光ドラム3a、3b、3c、3d上に形成された各色のトナー像は、中間転写体130上に1次転写され、2次転写部で記録材P上に転写される。トナー像が転写された記録材Pは、定着装置9で加熱及び加圧によりトナー像が定着された後、記録画像として装置外に排出される。
感光ドラム3a、3b、3c、3dの外周には、それぞれドラム帯電器2a、2b、2c、2d、現像器1a、1b、1c、1d、1次転写帯電器24a、24b、24c、24d及びクリーナー4a、4b、4c、4dが設けられ、装置の上方部にはさらに図示しない光源装置およびポリゴンミラーが設置されている。
不図示の光源装置から発せられたレーザー光は、不図示のポリゴンミラーを回転して走査される。その走査光の光束は、不図示の反射ミラーによって偏向され、不図示のfθレンズにより感光ドラム3a、3b、3c、3dの母線上に集光されて露光される。これにより感光ドラム3a、3b、3c、3d上に画像信号に応じた潜像が形成される。
現像器1a、1b、1c、1dには、現像剤としてそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナーが、図示しない供給装置により所定量充填されている。現像器1a、1b、1c、1dは、それぞれ感光ドラム3a、3b、3c、3d上の潜像を現像して、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像及びブラックトナー像として可視化する。
感光ドラム3a上に形成担持された上記第1色のイエロートナー画像は、感光ドラム3と中間転写体130とのニップ部を通過する過程で、中間転写体130に印加される1次転写バイアスにより形成される電界と圧力により、中間転写体130の外周面に中間転写されていく。
2次転写ローラ11は、中間転写体130の下面部に接触させて配設してある。2次転写ローラ11には、不図示の2次転写バイアス源によって所望の2次転写バイアスが印加されている。給紙カセット10からレジストローラ12、転写前ガイドを通過して、中間転写体130と2次転写ローラ11との当接ニップに所定のタイミングで記録材Pが給送され、同時に2次転写バイアスが2次転写バイアス電源から印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体130から記録材Pへ合成カラートナー画像が転写される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写体130上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
トナー画像の転写を受けた記録材Pは後述される定着装置9へ順次導入され、熱と圧力が加えられて記録材P上にトナー像が定着される。
<定着ローラの作製>
(定着ローラE1)
ステンレス鋼(SUS)製の、外径30mm、厚さ150μm、長さ270mmの円筒基体91aを用意した。
そして、(a)不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン、(b)ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、及び、(c)ヒドロシリル化触媒を混合して液状シリコーンゴムを作製した。具体的には、白金カルボニルシクロビニルメチルシロキサン錯体「SIP6829.2」(アヅマックス社製):メチルヒドロキシシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(トリメチルシロキシ末端)「HMS−301」(アヅマックス社製):ビニル末端ポリジメチルシロキサン「DMS−V31」(アヅマックス社製):フュームドシリカ配合ビニル末端ポリジメチルシロキサン「DMS−V31S15」(アヅマックス社製)=1:17:200:666(質量比)を混合した。
なお、メチルヒドロキシシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーの重量平均分子量は、1500(ポリスチレン換算)、ビニル末端ポリジメチルシロキサンおよびフュームドシリカ配合ビニル末端ポリジメチルシロキサンの混合物の重量平均分子量は100000(ポリスチレン換算))である。また、(a)成分及び(b)成分は、不飽和脂肪族基に対する活性水素の個数の割合(H/Vi)が、1.0となるように配合されている。
その後、高熱伝導性フィラーとして、平均粒径が6.0μm、破砕形状の金属珪素「M−Si#600」(キンセイマテック社製)を液状シリコーンゴム組成物に対して42体積%となるように混入した。また、酸化チタンとして、アナターゼ型酸化チタン(和光純薬工業(株)製)を、液状シリコーンゴム組成物に対して1.2体積%となるように混入した。
その後、これらを均一になるまで撹拌し、減圧雰囲気下に放置し脱泡し、液状シリコーンゴム組成物を得た。
基体91a上に、プライマー(商品名「DY39−051」、東レ・ダウコーニング社製)を塗布した後、液状シリコーンゴム組成物をリングコート法により厚さ400μmとなるように塗布した。その後、液状シリコーンゴムを架橋させて弾性層91bを形成した。架橋は、温風循環式オーブンにより200℃にて4時間行った。
次に、弾性層91bの表面に対してUV処理を行った。なお、UV処理は必須ではないが、UV処理を行うことで、硬化シリコーンゴム層表面のタック性が低下し、かつ、硬化シリコーンゴム層の表面を親水性にし、後述されるシランカップリング剤との接着性を向上させることができる。
次に、シランカップリング剤として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名「KBE−903」、信越シリコーン社製)をエタノールで質量比5倍に希釈した液を、弾性層91bの表面にスプレーにて塗布し、室温にて自然乾燥させた。シランカップリング剤は、乾燥後のシランカップリング剤の塗膜の膜厚が1.0μmになるように塗布した。
次に、MFRが3g/10minのPFA樹脂粒子(三井・デュポンフロロケミカル社製:350−J)、および、成膜剤として分解温度(T1)が240℃であるアクリル樹脂を、水に添加し分散させて離型層形成用塗料を作製した。この離型層形成用塗料を弾性層91bの表面に厚さが25μmになるようにスプレーにて塗布した。その後、室温にて15分間乾燥させ、離型層形成用塗料の塗膜を形成した。なお、使用したPFA樹脂の融点(T2)は310℃である。
そして、離型層形成用塗料の塗膜が形成された部材を、管状炉にて昇温速度が5℃/秒となるように調整して加熱し、360℃で1分間保持して、塗膜中のPFA樹脂を溶融した。その後、得られた部材を冷風により急冷し、定着ローラE1を得た。
(定着ローラE2)
離型層91cの厚さを20μmに、昇温速度を7℃/秒に変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE2を作製した。
(定着ローラE3)
離型層91cの厚さを20μmに、昇温速度を3℃/秒に変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE3を作製した。
(定着ローラE4)
離型層91cの厚さを20μmに、昇温速度を3℃/秒に変更し、成膜剤として分解温度(T1)が260℃であるアクリル樹脂を使用したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE4を作製した。
(定着ローラE5)
離型層91cの厚さを20μmに変更し、フッ素樹脂粒子としてMFRが1g/10minであるPFA樹脂粒子(商品名「451HP―J」、三井・デュポンフロロケミカル社製:)を使用したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE5を作製した。
(定着ローラE6)
離型層91cの厚さを20μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラEを作製した。
(定着ローラE7)
離型層91cの厚さを15μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE7を作製した。
(定着ローラE8)
高熱伝導性フィラーとして、金属珪素「M−Si#600」を液状シリコーンゴム組成物に対して50体積%となるように混入したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE8を作製した。
(定着ローラE9)
高熱伝導性フィラーとして、金属珪素「M−Si#600」を液状シリコーンゴム組成物に対して30体積%となるように混入したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE9を作製した。
(定着ローラE10)
弾性層91bの厚さを200μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE10を作製した。
(定着ローラE11)
弾性層91bの厚さを600μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE11を作製した。
(定着ローラE12)
高熱伝導性フィラーとして、球状アルミナ(商品名「CB−10」、昭和電工社製)を液状シリコーンゴム組成物に対して48体積%となるように混入したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE12を作製した。
(定着ローラE13)
高熱伝導性フィラーとして、炭化ケイ素(商品名「緑色炭化けい素NG」、大平洋ランダム社製)を液状シリコーンゴム組成物に対して42体積%となるように混入したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE13を作製した。
(定着ローラE14)
基体91aの板厚を110μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE14を作製した。
(定着ローラE15)
基体91aの板厚を200μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラE15を作製した。
(定着ローラC1)
離型層91cの厚さを20μmに変更し、フッ素樹脂粒子としてMFRが8g/10minであるPFA樹脂粒子(商品名「945HP Plus」、三井・デュポンフロロケミカル社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラC1を作製した。
(定着ローラC2)
実施例1と同様にして弾性層91bまで形成した部材上に、接着剤(商品名「TSE3033」、モメンティブ・パーフォマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、厚さ8μmとなるように塗布した。さらに、その上から厚さ30μmの、アルカリ金属ナトリウム法で処理されたPFAチューブを被せ、200℃で10分加熱することで弾性層91bの表面にPFAチューブを接着した。なお、ここで用いたPFAチューブは、三井・デュポンフロロケミカル社製の「350−J」(商品名)を用い、押出成形で作製したものである。
(定着ローラC3)
離型層91cの厚さを10μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラC3を作製した。
(定着ローラC4)
離型層91cの昇温速度を1℃/秒に変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラC4を作製した。
(定着ローラC5)
高熱伝導性フィラーとして、金属珪素「M−Si#600」を液状シリコーンゴム組成物に対して55体積%となるように混入したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラC5を作製した。
(定着ローラC6)
高熱伝導性フィラーとして、金属珪素「M−Si#600」を液状シリコーンゴム組成物に対して25体積%となるように混入したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラC6を作製した。
(定着ローラC7)
高熱伝導性フィラーの含有量を60体積%に変更したこと以外は実施例1と同様にして定着ローラC7を作製した。
Figure 2017037152
<定着ローラの物性評価>
作製した定着ローラE1〜E15及び定着ローラC1〜C6について、下記に示す測定を行った。測定結果はまとめて表2に示した。
(1)弾性層の引張強度及び弾性率
先に述べた方法によって、定着ローラの弾性層の引張強度および弾性率を求めた。
(2)弾性層の熱伝導率
先に述べた方法によって、定着ローラの弾性層の熱伝導率を求めた。
(3)表面性状パラメータ
先に述べた方法によって、各定着ローラの離型層91cの表面全域において、算術平均粗さ(Sa)および最大断面高さ(St)をそれぞれ算出した。そして、得られた算術平均粗さ(Sa)のうち、最小値および最小値を求め、それぞれSa(min)およびSa(max)とした。また、得られた最大断面高さ(St)の最大値をSt(max)として求めた。
<定着ローラの性能評価>
作製した定着ローラE1〜E15及び定着ローラC1〜C6について、下記に示す性能評価を行った。評価結果はまとめて表2に示した。
(1)耐久試験
上記各定着ローラについて、離型層91cの耐久性を評価するために耐久試験を行った。まず、図1の構成を有する定着装置に各定着ローラを装着し、この定着装置を、60枚/分(プロセススピード350mm/sec)の高速定着が可能なレーザービームプリンタに組み込んだ。なお、この定着装置は、分離ローラの平均加圧力(分離ニップ部の平均加圧力)は、4.0kgf/cm、加圧パッドの平均加圧力(加圧ニップ部の平均加圧力)は1.0kgf/cmである。そして、連続通紙モードでA4サイズの紙を連続して30万枚通紙した。定着時の各定着ローラの表面温度は200℃に設定し、通紙は温度15℃、湿度20%の環境下で行った。そして、連続通紙後に定着ローラを取り外し、該定着ローラの表面を目視で観察し、定着ローラの耐久性を下記基準にて評価した。
評価ランク「A」:離型層の剥離や弾性層の破損が認められない。
評価ランク「B」:離型層に剥離が認められる、または、弾性層の破損が認められる。
(2)定着試験
上記各定着ローラの定着性を評価する試験を行った。耐久試験と同様に、図1の構成を有する定着装置に上記各定着ローラを装着し、この定着装置を、60枚/分(プロセススピード350mm/sec)の高速定着が可能なレーザービームプリンタに組み込んだ。そして、記録材Pとして、坪量75g/cmのレターサイズのラフ紙(Fox River Paper社製:フォックスリバーボンド)を用い、5mm角の黒およびハーフトーン(灰色)パターンが1枚の紙上に、それぞれ9か所ずつ形成された画像を、連続で250枚出力した。なお、画像出力中の定着ローラの表面温度は200℃になるように設定した。また、画像の出力は、温度15℃、相対湿度/20%の環境下で行った。
そして、250枚目の画像においてオフセットによる画像不良が見られるか否かを確認した。
次に、250枚目の画像に対し、温度15℃、相対湿度/20%の環境に保たれた実験室内で摺り試験を実施した。摺り試験は、22mm角のシルボン紙を画像に対して190gfの力で押しつけ、その状態で10回擦って行った。そして、摺擦前および摺擦後の全パターンの光学濃度を濃度測定器(マクベス社製)を用いて測定し、下記計算式(2)によって、濃度低下率を算出した。
計算式(2)
濃度低下率(%)=摺擦後の光学濃度/摺擦前の光学濃度×100
この擦り試験による濃度低下率が小さいほど定着性が良いということになる。この濃度低下率を、250枚目の画像上の全てのパターン上において算出し、下記基準にて定着ローラの定着性を評価した。
評価ランク「A」:全てのパターンにおいて濃度低下率が20%以下である。
評価ランク「B」:濃度低下率が20%を超えるパターンが1つ以上ある。
Figure 2017037152
9 定着装置
91 定着ローラ
92 エンドレスベルト
93 分離ローラ
94 加圧パッド(加圧部材)

Claims (10)

  1. 回転可能な定着ローラと、
    該定着ローラに接し、回転可能なエンドレスベルトと、
    該エンドレスベルトの内面に接し、該エンドレスベルトを介して該定着ローラに加圧する加圧部材と、
    を有する定着装置であって、
    該定着ローラと該エンドレスベルトとで形成される定着ニップは、定着ニップ内の後半部における圧力の平均値が前半部の圧力の平均値よりも高くなるように構成されており、
    該定着ローラは、
    金属製の基体と、
    該基体上に設けられた、シリコーンゴムを含む弾性層と、
    該弾性層上に設けられた、厚さが15μm以上25μm以下の離型層とを有し、
    該離型層は、メルトフローレート(MFR)が1g/10min以上3g/10min以下のフッ素樹脂を含み、
    該離型層は、該フッ素樹脂を含む離型層形成用塗料の塗膜を焼成することによって形成されたものであり、
    該弾性層は酸化チタンと高熱伝導性フィラーとを含み、
    該定着ローラの該弾性層から切り出した試験片の引張強度が0.9MPa以上2.5MPa以下であり、
    該試験片の弾性率が0.3MPa以上1.0MPa以下であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記離型層の表面の算術平均粗さ(Sa)が0.1μm以上0.5μm以下であり、最大断面高さ(St)が10.0μm以下である請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記酸化チタンがアナターゼ型酸化チタンである請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記高熱伝導性フィラーが、金属珪素、炭化珪素、及び、アルミナからなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 前記弾性層中の前記高熱伝導性フィラーの含有量が25体積%以上55体積%以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 前記弾性層の熱伝導率が0.6W/m・K以上1.5W/m・K以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着装置。
  7. 前記弾性層の厚さが200μm以上600μm以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着装置。
  8. 前記フッ素樹脂がPFA樹脂である請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置。
  9. 前記離型層に含まれるフッ素樹脂の全体のMFRが1g/10min以上3g/10min以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の定着装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の定着装置を具備することを特徴とする画像形成装置。
JP2015157716A 2015-08-07 2015-08-07 定着装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP6545032B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015157716A JP6545032B2 (ja) 2015-08-07 2015-08-07 定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015157716A JP6545032B2 (ja) 2015-08-07 2015-08-07 定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017037152A true JP2017037152A (ja) 2017-02-16
JP6545032B2 JP6545032B2 (ja) 2019-07-17

Family

ID=58049493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015157716A Expired - Fee Related JP6545032B2 (ja) 2015-08-07 2015-08-07 定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6545032B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110579952A (zh) * 2018-06-07 2019-12-17 佳能株式会社 定影构件和热定影设备

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10739712B2 (en) * 2018-03-22 2020-08-11 Canon Kabushiki Kaisha Fixing member, fixing device, and electrophotographic image forming apparatus

Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000246813A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Sumitomo Electric Ind Ltd ゴム被覆ローラ及びその製造方法
JP2001134127A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Nitto Kogyo Co Ltd 定着装置
JP2003107936A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP2003167462A (ja) * 2001-11-29 2003-06-13 Nissei Electric Co Ltd 定着用加熱ロール
JP2004163715A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Ricoh Co Ltd 加熱定着部材及びそれを有する画像形成装置
JP2005062413A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Ricoh Co Ltd 定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置
JP2006071962A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材の製造方法、定着部材および定着装置
JP2006205151A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Ist:Kk 複合管状物およびその製造方法
JP2008058889A (ja) * 2006-09-04 2008-03-13 Konica Minolta Holdings Inc 画像形成方法
US20080112736A1 (en) * 2006-11-10 2008-05-15 Fuji Xerox Co., Ltd. Fixing member, fixing device and image forming apparatus
JP2011053411A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Canon Inc 加熱定着装置
JP2011123466A (ja) * 2009-11-12 2011-06-23 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc フッ素樹脂被覆ローラまたはベルトの製造方法
JP2011186127A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 定着用ベルト
JP2012037847A (ja) * 2010-08-11 2012-02-23 Kyocera Mita Corp 定着装置およびそれを備えた画像形成装置
JP2014063030A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
US20140322447A1 (en) * 2013-04-26 2014-10-30 Xerox Corporation Method of forming a fluoroplastic topcoat including carbon nanotubes
US20150098739A1 (en) * 2013-08-30 2015-04-09 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic fixing member, fixing apparatus and electrophotographic image forming apparatus

Patent Citations (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000246813A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Sumitomo Electric Ind Ltd ゴム被覆ローラ及びその製造方法
JP2001134127A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Nitto Kogyo Co Ltd 定着装置
US6272309B1 (en) * 1999-11-08 2001-08-07 Nitto Kogyo Co., Ltd. Fixing apparatus
JP2003107936A (ja) * 2001-09-27 2003-04-11 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP2003167462A (ja) * 2001-11-29 2003-06-13 Nissei Electric Co Ltd 定着用加熱ロール
JP2004163715A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Ricoh Co Ltd 加熱定着部材及びそれを有する画像形成装置
JP2005062413A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Ricoh Co Ltd 定着用弾性回転体及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置
JP2006071962A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材の製造方法、定着部材および定着装置
JP2006205151A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Ist:Kk 複合管状物およびその製造方法
JP2008058889A (ja) * 2006-09-04 2008-03-13 Konica Minolta Holdings Inc 画像形成方法
US20080112736A1 (en) * 2006-11-10 2008-05-15 Fuji Xerox Co., Ltd. Fixing member, fixing device and image forming apparatus
JP2008122579A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、定着装置および画像形成装置
JP2011053411A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Canon Inc 加熱定着装置
JP2011123466A (ja) * 2009-11-12 2011-06-23 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc フッ素樹脂被覆ローラまたはベルトの製造方法
US20120222796A1 (en) * 2009-11-12 2012-09-06 Sumitomo Electric Fine Polymer, Inc. Method for producing fluororesin-coated roller or belt
JP2011186127A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 定着用ベルト
US20120170958A1 (en) * 2010-03-08 2012-07-05 Sumitomo Electric Fine Polymer, Inc. Fixing belt
JP2012037847A (ja) * 2010-08-11 2012-02-23 Kyocera Mita Corp 定着装置およびそれを備えた画像形成装置
JP2014063030A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
US20140322447A1 (en) * 2013-04-26 2014-10-30 Xerox Corporation Method of forming a fluoroplastic topcoat including carbon nanotubes
US20150098739A1 (en) * 2013-08-30 2015-04-09 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic fixing member, fixing apparatus and electrophotographic image forming apparatus
JP2015064567A (ja) * 2013-08-30 2015-04-09 キヤノン株式会社 電子写真用定着部材、定着装置、および電子写真画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110579952A (zh) * 2018-06-07 2019-12-17 佳能株式会社 定影构件和热定影设备
EP3611573A1 (en) * 2018-06-07 2020-02-19 Canon Kabushiki Kaisha Fixing member and heat fixing apparatus
US10620574B2 (en) 2018-06-07 2020-04-14 Canon Kabushiki Kaisha Fixing member and heat fixing apparatus
CN110579952B (zh) * 2018-06-07 2022-08-05 佳能株式会社 定影构件和热定影设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP6545032B2 (ja) 2019-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9063491B2 (en) Electrophotographic fixing member, fixing apparatus and electrophotographic image forming apparatus
JP6347727B2 (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP6921649B2 (ja) 定着部材、定着装置及び電子写真画像形成装置
JP5424801B2 (ja) 定着部材及びその製造方法、ならびに像加熱定着装置
JP6202918B2 (ja) 電子写真用部材、電子写真用部材の製造方法、定着装置および電子写真画像形成装置
US20140255067A1 (en) Electrophotographic fixing member, fixing apparatus and electrophotographic image forming apparatus
US9315703B2 (en) Fixing member and method of manufacturing the member, fixing device, and electrophotographic image-forming apparatus
JP2015096933A (ja) 定着装置および電子写真画像形成装置
US10228644B2 (en) Addition-curable liquid silicone rubber mixture, electrophotographic member, method for producing the same, and fixing apparatus
JP5097937B2 (ja) 複合管状物およびその製造方法
JP2018120064A (ja) 電子写真用部材及び定着装置
JP6545032B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6976764B2 (ja) 定着部材の製造方法
JP6366662B2 (ja) 定着部材、定着装置、画像形成装置および定着部材の製造方法
JP6797570B2 (ja) 定着部材、定着部材の製造方法、および画像形成装置
JP2007279359A (ja) 表面処理器、画像形成装置、ベルト部材、および画像形成方法
JP6124705B2 (ja) 定着部材、像加熱定着装置および電子写真画像形成装置
JP2000321908A (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成方法
JP6906996B2 (ja) 定着用部材、および定着装置
JP2022169436A (ja) 定着ベルトおよび定着装置
JP2015004790A (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190618

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6545032

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees