JP2008058889A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な定着装置で、トナー段差による違和感が無く、フォトライクな光沢感のプリントが得られる電子写真の画像形成方法を提供する。
【解決手段】反射支持体上に少なくとも1種の中空粒子を含有する断熱層を設けた電子写真用受像シート表面に、電子写真方式によりトナーを転写させた後、加熱源を備える加熱ロールと、一つ以上の張架ロールと、該加熱ロール及び該張架ロールにより張架される無端ベルトと、該無端ベルトを挟んで該加熱ロールと対峙する加圧ロールとを有するベルト定着方式により定着を行う画像形成方法であって、該無端ベルトが金属製ベルト基材と離型層を有しており、該無端ベルトの最表層の表面の平均面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
【解決手段】反射支持体上に少なくとも1種の中空粒子を含有する断熱層を設けた電子写真用受像シート表面に、電子写真方式によりトナーを転写させた後、加熱源を備える加熱ロールと、一つ以上の張架ロールと、該加熱ロール及び該張架ロールにより張架される無端ベルトと、該無端ベルトを挟んで該加熱ロールと対峙する加圧ロールとを有するベルト定着方式により定着を行う画像形成方法であって、該無端ベルトが金属製ベルト基材と離型層を有しており、該無端ベルトの最表層の表面の平均面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、画像形成方法に関し、さらに詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した電子写真の画像形成方法に関する。
近年、オフィス等では電子写真方式を用いた画像形成機器が広く普及している。最近では、電子写真方式による多色画像やフルカラー画像形成方法の発展に伴って、高画質なフルカラー画像を形成することが可能になってきており、銀塩写真プリントやインクジェット出力プリント並のフォトライクなプリントの要望が強くなってきている。しかしながら、電子写真方式によるカラー出力画像は前者のようなプリントに比較し、未だ満足のいく品質にまでは至っていないのが現状である。
これら電子写真方式で形成したカラープリントでは、数μmオーダーのトナーを画像形成要素として使用しているため、トナーの盛上がりが生じることで、表面凹凸や画像部と非画像部の段差(レリーフ)が発生、銀塩写真プリントやフォトライクのインクジェット出力プリントに対しては、特に光沢が出ないことやトナー段差の違和感大等の問題があり、これらの改善が強く望まれている。
電子写真方式で得られる画像の光沢は、定着時にトナーと接触する定着部材の影響を大きく受けることが判ってきており、これまで、光沢を向上させる技術として平面性の高い定着部材を用いた検討が様々行われてきている。例えば、平滑性の高いフィルムを用いてベルト定着することににより、光沢を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術では、トナー段差による凹凸(レリーフ)を無くすことは出来ず、また、トナーと定着ベルト部材の離型性が十分でなく、オフセットによる光沢ムラが発生してしまうという問題が生じた。これらの問題を改良する技術としては、基材上に膜厚20〜200μmの熱可塑性樹脂層を設けた記録紙を用いて、ベルト状定着機でトナーを樹脂中に埋没させ、定着後トナー部を冷却し固着してからベルト部材と分離することで離型性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、平滑性の高い金属製のエンドレスベルトを加熱ローラと冷却ローラに張架し、更に加熱ローラと冷却ローラの間に冷却部材を設けてなるベルト定着装置を用いて、基材上に熱可塑性樹脂を有する記録媒体を、金属ベルト面に密着させながら熱圧着してトナー像を熱可塑性樹脂層に埋没させ、トナーを冷却固着させて離型性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、これらの技術を用いても、トナー段差は多少改良されるものの十分でなく、また、トナー段差を小さくする為に定着時に高いニップをかける必要があり、その為、紙全体によれが発生してしまったり、機器負荷が大きくなるといった問題が発生することが判った。更に、離型性改良の為に、冷却装置を定着部に設置する為、機器自体が大きくなり、機器コストも高くなり、消費電力も大きくなるといった問題も発生し、なるべく簡便な装置でフォトライクな光沢を発現することが望まれていた。
一方、光沢向上を目的とした電子写真用受像紙の技術として、支持体上に空隙を有する層を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献4、5参照)。しかし、この技術のみではトナー段差の改良をすることが出来ず、また、これらには、本発明に関わる金属製ベルトを用いた定着ベルトについての記載は一切無く、本発明を示唆できるものではなかった。
特公平7−27196号公報
特開平5−216322号公報
特開2005−292578号公報
特開2003−322993号公報
特開2006−106718号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、なるべく簡便な定着装置で、トナー段差による違和感が無く、フォトライクな光沢感のプリントが得られる電子写真の画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.反射支持体上に少なくとも1種の中空粒子を含有する断熱層を設けた電子写真用受像シート表面に、電子写真方式によりトナーを転写させた後、加熱源を備える加熱ロールと、一つ以上の張架ロールと、該加熱ロール及び該張架ロールにより張架される無端ベルトと、該無端ベルトを挟んで該加熱ロールと対峙する加圧ロールとを有するベルト定着方式により定着を行う画像形成方法であって、該無端ベルトが金属製ベルト基材と離型層を有しており、該無端ベルトの最表層の表面の平均面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする画像形成方法。
2.前記断熱層の空隙率が40%以上であることを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
3.前記断熱層の膜厚が15〜150μmであることを特徴とする前記1または2に記載の画像形成方法。
4.前記無端ベルトの基材がニッケル電鋳製であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
5.前記離型層が硬化型シリコーンにより形成され、離型層の鉛筆硬度がHB以上であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
6.前記中空粒子のガラス転移温度Tgが65〜95℃であり、かつ流出開始温度が120〜150℃であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
本発明により、簡便な定着装置で、トナー段差による違和感が無く、フォトライクな光沢感のプリントが得られる電子写真の画像形成方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。本発明者は鋭意研究した結果、反射支持体上に少なくとも1種の中空粒子を含有する断熱層を有する電子写真用受像シート表面に、電子写真方式によりトナーを転写し、平滑性の高い金属製ベルトによるベルト定着を行うことで、上記目的を達成することが出来ることを見出した。
本発明の画像形成方法は、反射支持体上に少なくとも1種の中空粒子を含有する断熱層を設けた電子写真用受像シート表面にトナーを転写し、金属製ベルト基材と離型層とを有し最表層の表面の平均面粗さRaが0.2μm以下である定着ベルトにより定着させ画像形成することを特徴とする。本発明において、定着は1回だけでも良いが複数回行っても良い。複数回行う場合は、本発明のベルト定着を複数回行っても良いし、異なるローラ定着方式、又はベルト定着方式を用いても良い。但し、光沢の観点から、本発明のベルト定着により最終画像を形成することが好ましい。
以下、本発明に関わる電子写真用受像シート、及び、画像形成装置の詳細について説明する。
<電子写真用受像シート>
本発明の電子写真用受像シートは、反射支持体上に少なくとも1種の中空粒子を含有する断熱層を設けた構成である。
本発明の電子写真用受像シートは、反射支持体上に少なくとも1種の中空粒子を含有する断熱層を設けた構成である。
(断熱層)
本発明において、中空粒子とは、熱可塑性樹脂の殻部と内部に空気その他の気体を含有するもので、既に発泡状態となっている中空状の粒子を指す。中空粒子の形状は、特に限定されず、真球状、扁平状、不定形等の各種形状を取っていても構わないが、球状であることが好ましい。また、本発明における中空粒子は、反射支持体へ断熱層塗布液を塗付、乾燥する際に、変形あるいは破壊されないものが望ましい。
本発明において、中空粒子とは、熱可塑性樹脂の殻部と内部に空気その他の気体を含有するもので、既に発泡状態となっている中空状の粒子を指す。中空粒子の形状は、特に限定されず、真球状、扁平状、不定形等の各種形状を取っていても構わないが、球状であることが好ましい。また、本発明における中空粒子は、反射支持体へ断熱層塗布液を塗付、乾燥する際に、変形あるいは破壊されないものが望ましい。
本発明おいて、受像層へのトナーの埋め込みを促進し、トナー形状の凹凸を無くし、光沢を向上させる効果を最大限発現させる為に、中空粒子のガラス転移温度が65〜95℃で、流出開始温度が120〜150℃であることが好ましく、更に、流出開始温度が130〜145℃であることがより好ましい。
本発明において中空粒子のガラス転移温度Tgとは、示差走査熱量計(DSC)、例えばEXSTAR 6000(セイコー電子社製)、DSC220C(セイコー電子工業社製)、DSC−7(パーキンエルマー社製)等で測定して求めることができ、ベースラインと吸熱ピークの傾きとの交点をTgとする。
本発明において中空粒子の流出開始温度とは、フローテスターCFT−500C(島津製作所製)を用いて測定されたものであり、1cm3の試料(中空粒子固形分(分散液であれば乾燥して作製する))を昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャにより20kg/cm3の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す様にしたときに、試料がノズルより流出を開始する温度である。
本発明における中空粒子の平均粒子径は、断熱効果の最大限の発現、及び中空粒子形状起因による光散乱を小さくする観点から、0.3〜3.0μmのものが好ましい。
本発明でいう粒子径とは、公知の方法により求めることができ、例えば、電子顕微鏡での粒子測定、レーザー回折式粒子径分布測定装置等を用いて測定できる。平均粒子径は、上記測定方法により測定した粒子径の算出平均であり、粒子個数は無差別に20個以上あることとする。
本発明における中空粒子の平均粒子径は、断熱効果の最大限の発現、及び中空粒子形状起因による光散乱を小さくする観点から、0.3〜3.0μmのものが好ましい。
本発明でいう粒子径とは、公知の方法により求めることができ、例えば、電子顕微鏡での粒子測定、レーザー回折式粒子径分布測定装置等を用いて測定できる。平均粒子径は、上記測定方法により測定した粒子径の算出平均であり、粒子個数は無差別に20個以上あることとする。
本発明に係る中空粒子は、中空粒子の内径/中空粒子の外径×100(%)で定義される中空率が、40〜95%のものが好ましい。中空粒子の内径は、前記粒子径測定方法、透過型電子顕微鏡による観察により求めることができる。中空率の測定において粒子個数は同じく無差別に20個以上あることとする。
中空粒子の殻部を構成する材料としては、例えば、スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のスチレン−アクリル系共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ビニル系共重合体、尿素ホルマリン樹脂等が挙げられる。これらのうち、スチレン−アクリル系共重合体が好ましく用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、本発明においては、架橋型中空粒子も好ましく用いられる。ここで、架橋型とは、中空粒子のシェルを構成している樹脂が何らかの方法により架橋されていることを意味しており、例えば、スチレン−アクリル共重合体を主成分とする中空粒子であれば、粒子合成時にジビニルベンゼン等で架橋されているようなものを指す。本発明における架橋度の目安としては、乾燥中空粒子100mgをメチルエチルケトンとトルエンを質量比で1:1に混ぜた液100mlに添加し、常温で8時間攪拌した後の固形分残量比率が60%以上のものが好ましい。
本発明に用いることのできる中空粒子は、酸性基含有単量体及びこれと共重合可能な単量体を用いて、例えば、特公平7−21011号公報、特許第3339139号公報、特許第3601215号公報、特公平7−35448号公報、特開第3465826号公報等に記載されている方法を参考に製造することができる。また、商品としては、日本ゼオン社製のMH8101(平均粒径1.0μm)、MH5055(平均粒径0.50μm)、ローム&ハース社製HP1055(平均粒径1.0μm)等を使用しても良い。
本発明に係わる中空粒子は、樹脂成分種および比率、架橋度等を変化させることにより、所望のガラス転移温度、流出開始温度になるよう設計することができる。
上記中空粒子を分散保持する樹脂としては、特に限定はないが、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエンゴム、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−マレイン酸樹脂、アクリル−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等のエマルジョンタイプの合成樹脂、ポリビニルアルコール、スターチ、カゼイン、ゼラチン等の水溶性高分子、カルボキシ・メチルセルロース、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコールが用いられる。
本発明において、本発明の効果を最大限発揮する為に、中空粒子を含有する断熱層の空隙率は40%以上であることが好ましく、50%以上、90%以下であることが特に好ましい。ここでいう空隙率とは、断熱層の体積に対する空隙の総体積の比率であり、総体積は、その層の構成物の総体積と層の厚さから計算で求められる。
また、本発明に係る断熱層の膜厚としては、15〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜70μmが最も好ましい。15μm未満では本発明の断熱効果が小さく、150μmを超えると生産性の観点から好ましくない。
本発明の電子写真用受像シートにおいて、本発明に係わる断熱層が支持体から最も遠い位置にあっても良く、その場合はトナー受容層としての機能も果たすことが出来る。
(熱可塑性樹脂層:トナー受容層)
本発明の電子写真用受像シートにおいて、本発明に係る断熱層とは別に、断熱層の上に1層以上の熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層(樹脂層)を設けても良い。
本発明の電子写真用受像シートにおいて、本発明に係る断熱層とは別に、断熱層の上に1層以上の熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層(樹脂層)を設けても良い。
トナー受容層に適用可能な熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の熱可塑性樹脂を例示することができる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等、
(ロ)エステル結合を有するもの
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。
(ロ)エステル結合を有するもの
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。
具体的には、特開昭59−101395号、同63−7971号、同63−7972号、同63−7973号、同60−294862号に記載のものを挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130等、花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010等、ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153等、日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等を挙げることができる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等、
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等、
(ホ)ポリスルホン樹脂等、
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等、
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等、
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等、
(ホ)ポリスルホン樹脂等、
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等、
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等、
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等。
上記の各熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよく、またはこれらの熱可塑性樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
また、上記熱可塑性樹脂は、コロイダルシリカとの複合体を形成したコロイダルシリカ複合体樹脂であっても良い。コロイダルシリカ複合体樹脂は、コロイダルシリカの存在下でエチレン性不飽和モノマーを重合(共重合を含む)させてるものであり、Si−O−R(R:重合体成分)結合を有する複合体樹脂の製造方法については、特に限定されず、溶液重合法、塊状重合法、エマルジョン重合法、懸濁重合法等の重合法を適宜採用することができる。
前記トナー受容層は、単層でもよく、また2層以上で構成されていてもよく、トナー受容層を構成する熱可塑性樹脂の膜厚としては、概ね0.1〜50μmであり、好ましくは0.5〜10μmである。
(断熱層、トナー受容層のその他の添加剤)
本発明に係る断熱層、トナー受容層には、上記説明した各添加剤の他に、その熱力学的特性を改良する目的で、種々の添加剤を用いることができる。
本発明に係る断熱層、トナー受容層には、上記説明した各添加剤の他に、その熱力学的特性を改良する目的で、種々の添加剤を用いることができる。
そのような添加剤としては、その目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、可塑剤、フィラー、架橋剤、帯電調整剤、導電剤、顔料、界面活性剤、染料、調湿剤、マット剤等が挙げられる。
(可塑剤)
可塑剤は、トナーを定着する時の熱または圧力によって、トナー受容層が流動または柔軟化するのを調整する機能を有する。可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
可塑剤は、トナーを定着する時の熱または圧力によって、トナー受容層が流動または柔軟化するのを調整する機能を有する。可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
(フィラー)
また、フィラーとしては、樹脂用の補強剤、充填剤、強化材として公知のものが用いることができ、有機及び無機のフィラーが好ましい。フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。また、フィラーとして、各種無機フィラー(または顔料)を用いることができる。
また、フィラーとしては、樹脂用の補強剤、充填剤、強化材として公知のものが用いることができ、有機及び無機のフィラーが好ましい。フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。また、フィラーとして、各種無機フィラー(または顔料)を用いることができる。
(架橋剤)
架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に持つ化合物が挙げられ、また、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上持つ化合物も挙げられる。また、前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤、等で公知の化合物も挙げられる。前記カップリング剤の例としては、クロロシラン類、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤等が挙げられ、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に記載された公知のものが挙げられる。
架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に持つ化合物が挙げられ、また、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上持つ化合物も挙げられる。また、前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤、等で公知の化合物も挙げられる。前記カップリング剤の例としては、クロロシラン類、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤等が挙げられ、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に記載された公知のものが挙げられる。
(帯電調整剤)
帯電調整剤としては、トナーの転写、付着等を調整し、電子写真用受容紙の帯電接着を防止する等の目的で使用することができる。帯電調整剤としては、従来公知の帯電防止剤、帯電調整剤がいずれも使用可能であり、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。前記帯電調整剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記帯電調整剤としては、トナーが負電荷を持つ場合には、カチオンあるいはノニオンのものが好ましい。
帯電調整剤としては、トナーの転写、付着等を調整し、電子写真用受容紙の帯電接着を防止する等の目的で使用することができる。帯電調整剤としては、従来公知の帯電防止剤、帯電調整剤がいずれも使用可能であり、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。前記帯電調整剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記帯電調整剤としては、トナーが負電荷を持つ場合には、カチオンあるいはノニオンのものが好ましい。
(導電剤)
導電剤としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、MoO3等の金属酸化物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記金属酸化物は、異種元素をさらに含有させてもよく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiO2に対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させることができる。
導電剤としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、MoO3等の金属酸化物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記金属酸化物は、異種元素をさらに含有させてもよく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiO2に対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させることができる。
(顔料)
また、顔料としては、画質、特に白色度を改良する目的で、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知のものが使用される。蛍光増白剤としては、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物が挙げられ、より具体的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物、等が挙げられる。これらの例としては、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B、Ciba−Geigy社製UVITEX−OB等が挙げられる。
また、顔料としては、画質、特に白色度を改良する目的で、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知のものが使用される。蛍光増白剤としては、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物が挙げられ、より具体的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物、等が挙げられる。これらの例としては、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B、Ciba−Geigy社製UVITEX−OB等が挙げられる。
(染料)
染料としては、公知の種々の染料を用いることができ、例えば、油溶性染料等が挙げられる。油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物等が挙げられ、具体例としては、C.I.Vatヴァイオレット1、C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35等の建染染料、C.I.ディスパーズヴァイオレット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.ディスパーズブルー58等の分散染料、C.I.ソルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55、等が挙げられる。また、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好適に挙げられる。
染料としては、公知の種々の染料を用いることができ、例えば、油溶性染料等が挙げられる。油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物等が挙げられ、具体例としては、C.I.Vatヴァイオレット1、C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35等の建染染料、C.I.ディスパーズヴァイオレット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.ディスパーズブルー58等の分散染料、C.I.ソルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55、等が挙げられる。また、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好適に挙げられる。
本発明の電子写真用受像シートの白色度は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。白色度としては、CIE 1976(L*a*b*)色空間においてL*値が80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が特に好ましい。また、白色の色味は、できるだけニュートラルであることが好ましい。白色の色味としては、L*a*b*空間において(a*)2+(b*)2の値が、50以下が好ましく、18以下がより好ましく、5以下が特に好ましい。
本発明の電子写真用受像シートにおける表面電気抵抗としては、1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましい。上記表面電気抵抗が、1×106Ω未満であると、トナー受容層にトナーが転写される際のトナー量が十分でなく、得られるトナー画像の濃度が低くなり、一方、1×1015Ωを超えると、転写時に必要以上の電荷が発生し、トナーが十分に転写されず、画像の濃度が低くなり、電子写真用受像シートの取扱中に静電気を帯びて塵埃が付着しやすく、また、複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケ等が発生しやすくなる点で好ましくない。
(マット剤)
また、本発明に係るトナー受容層には、マット剤を添加できる。マット剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体粒子等が挙げられる。前記固体粒子としては、無機粒子と有機粒子とに分類できる。
また、本発明に係るトナー受容層には、マット剤を添加できる。マット剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体粒子等が挙げられる。前記固体粒子としては、無機粒子と有機粒子とに分類できる。
(滑り剤)
本発明に係るトナー受容層には滑り剤を添加できる。滑り剤としては、種々の公知のものが挙げられ、高級アルキル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸高級アルコールエステル、カーボワックス、高級アルキルリン酸エステル、シリコーン化合物、変性シリコーン、硬化性シリコーン、等が挙げられ、また、ポリオレフィンワックス、弗素系オイル、弗素系ワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、シラン化合物等が挙げられる。
本発明に係るトナー受容層には滑り剤を添加できる。滑り剤としては、種々の公知のものが挙げられ、高級アルキル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸高級アルコールエステル、カーボワックス、高級アルキルリン酸エステル、シリコーン化合物、変性シリコーン、硬化性シリコーン、等が挙げられ、また、ポリオレフィンワックス、弗素系オイル、弗素系ワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、シラン化合物等が挙げられる。
トナー受容層における滑り剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30〜3000mg/m2が好ましく、100〜1500mg/m2がより好ましい。また、定着部での定着部材へのオフセットを防止する目的でオイルを用いない、いわゆるオイルレス定着の場合、5〜500mg/m2が好ましく、10〜200mg/m2がより好ましい。滑り剤の使用量は、滑り剤の内、ワックス系のものは、有機溶剤に溶解しにくいため、水分散物を調製し、熱可塑性樹脂溶液との分散液を調製して塗布する方法が好ましい。この場合、ワックス系の滑り剤は熱可塑性樹脂中に微粒子の形で存在する。この場合、滑り剤の使用量としては、5〜10000mg/m2が好ましく、50〜5000mg/m2がより好ましい。
(反射支持体)
本発明に係る反射支持体(以下、単に支持体ともいう)としては、定着温度に耐えることができ、平滑性、白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、定着後のへこみ等の点で要求を満足できるものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁に記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用支持体、等が挙げられる。
本発明に係る反射支持体(以下、単に支持体ともいう)としては、定着温度に耐えることができ、平滑性、白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、定着後のへこみ等の点で要求を満足できるものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁に記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用支持体、等が挙げられる。
支持体の具体例としては、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等の合成紙)、上質紙、アート紙、(両面)コート紙、(両面)キャストコート紙、ポリエチレン等の合成樹脂パルプと天然パルプとから作られる混抄紙、ヤンキー紙、バライタ紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙、(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)等の紙支持体、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンメタクリレート、ポリエチレンナフタレート等の各種プラスチックフィルムまたはシート、該プラスチックフィルムまたはシートに白色反射性を与える処理(例えば、フィルム中へ酸化チタン等の顔料を含有させる等の処理)を施したフィルムまたはシート、布類、金属、ガラス類等が挙げられるが、ポリオレフィンコート紙(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)、キャストコート紙が好ましい。
ポリオレフィンコート紙においては、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを用いることが、基紙との密着性、製造適性、かつ樹脂価格が安いという観点から好ましい。
ポリエチレンの種類としては、その密度の違いから、
(1)密度0.910g/cm3以上、0.930g/cm3未満を低密度ポリエチレン(LDPE)、
(2)密度0.930g/cm3以上、0.942g/cm3未満を中密度ポリエチレン(MDPE)、
(3)密度0.942g/cm3以上を高密度ポリエチレン(HDPE)に分類されるが、本発明に係る紙支持体の樹脂被覆層にポリエチレン樹脂を用いる場合には、密度0.942g/cm3以上の高密度ポリエチレンを50質量%含むポリエチレン樹脂が本発明の効果を得るためにはより好ましい。
(1)密度0.910g/cm3以上、0.930g/cm3未満を低密度ポリエチレン(LDPE)、
(2)密度0.930g/cm3以上、0.942g/cm3未満を中密度ポリエチレン(MDPE)、
(3)密度0.942g/cm3以上を高密度ポリエチレン(HDPE)に分類されるが、本発明に係る紙支持体の樹脂被覆層にポリエチレン樹脂を用いる場合には、密度0.942g/cm3以上の高密度ポリエチレンを50質量%含むポリエチレン樹脂が本発明の効果を得るためにはより好ましい。
支持体の厚みとしては、通常25〜300μmであり、50〜260μmが好ましく、75〜220μmがより好ましい。前記支持体の剛度、平滑性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、写真画質の受像紙用としてはカラー銀塩写真用の支持体に近いものが好ましい。前記支持体の密度としては、定着性能の観点からは、0.7g/cm3以上であることが好ましい。
支持体の熱伝導率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性能の観点からは、20℃で相対湿度が65%の条件下において、2.1kW/m・h・℃以上であることが好ましい。前記熱伝導率は、JIS P 8111に準拠して調湿した転写紙を、特開昭53−66279号に記載された方法によって測定することができる。
本発明に係る支持体には、本発明の効果を害しない範囲内において、目的に応じて適宜選択した各種の添加剤を添加させることができる。添加剤としては、例えば、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料、染料等が挙げられる。
また、本発明に係る支持体の片面あるいは両面には、その上に設けられる層との密着性を改良する目的で、種々の表面処理や下塗り処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、光沢面、または特開昭55−26507号に記載の微細面、マット面、または絹目面の型付け処理、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理等が挙げられる。また、下塗り処理としては、例えば、特開昭61−846443号に記載の方法が挙げられる。これらの処理は、単独で施してもよいし、また、前記型付け処理等を行った後に活性化処理を施してもよいし、さらに活性化処理等の表面処理後に下塗り処理を施してもよく、それらの各手段を任意に組合せることができる。
支持体中、支持体の表面あるいは裏面、またはこれらの組合せにおいて、親水性バインダーと、アルミナゾルや酸化スズ等の半導性金属酸化物と、カーボンブラックその他の帯電防止剤とを塗布してもよい。このような支持体としては、具体的には、特開昭63−220246号等に記載の支持体が挙げられる。
(その他の構成層)
本発明の電子写真用受像シートにおいては、上記説明したトナー受容層と断熱層の他に、その他の構成層を設けることができる。その他の構成層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調整層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層等が挙げられる。これらは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体が反射性支持体であり、支持体上に本発明に係るトナー受容層等が設けられる反射型の電子写真用受像シートである場合は、支持体上の設ける各層は透明である必要はなく、むしろ白色であることが好ましい。
本発明の電子写真用受像シートにおいては、上記説明したトナー受容層と断熱層の他に、その他の構成層を設けることができる。その他の構成層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調整層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層等が挙げられる。これらは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体が反射性支持体であり、支持体上に本発明に係るトナー受容層等が設けられる反射型の電子写真用受像シートである場合は、支持体上の設ける各層は透明である必要はなく、むしろ白色であることが好ましい。
本発明の電子写真用受像シートの不透明度としては、JIS P 8138に規定される方法で測定した値が、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
本発明の電子写真用受像シートにおいては、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、筆記性付与、インクジェット、その他のプリント適性付与、機器通過性改良等の目的で、前記支持体における、前記トナー受容層が設けられた側とは反対側にバック層を設けることができる。また、前記バック層は、両面出力適性改良のため、その構成が受容層側と同様であってもよい。該バック層には、前述の各種の添加剤を用いることができ、特に前述のマット剤、滑り剤、帯電調整剤等を用いるのが好ましい。バック層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。また、定着時のオフセット防止のため定着ローラー等に離型性オイルを用いている場合、裏面にオイル吸収性を持たせることが好ましい。
本発明の電子写真用受像シートにおいては、支持体、断熱層、トナー受容層と、その他の構成層との密着を改良する目的で、密着改良層を設けることができる。
本発明の電子写真用受像シートには、出力画像の安定性改良、受容層自身の安定性改良の目的で、各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、防腐剤、防黴剤、等が挙げられる。
<画像形成装置>
次に、本発明に係わる定着装置及びそれを装着する画像形成装置について説明する。
次に、本発明に係わる定着装置及びそれを装着する画像形成装置について説明する。
図1は画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。
図1において、10は感光体、11は帯電手段であるスコロトロン帯電器、12は画像書き込み手段である書き込み装置、13は現像手段である現像装置、14は感光体10の表面を清掃するためのクリーニング装置、15はクリーニングブレード、16は現像スリーブ、20は中間転写ベルトを示す。画像形成手段1は感光体10、スコロトロン帯電器11、現像装置13、およびクリーニング装置14等からなっており、各色毎の画像形成手段1の機械的な構成は同じであるので、図1ではY(イエロー)系列のみの構成について参照符号を付けており、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(黒)の構成要素については参照符号を省略した。
各色毎の画像形成手段1の配置は中間転写ベルト20の走行方向に対して、Y、M、C、Kの順になっており、各感光体10は中間転写ベルト20の張設面に接触し、接触点で中間転写ベルト20の走行方向と同方向、かつ、同線速度で回転する。
中間転写ベルト20は駆動ローラ21、アースローラ22、テンションローラ23、除電ローラ27、従動ローラ24に張架され、これらのローラと中間転写ベルト20、転写器25、クリーニング装置28等でベルトユニット3を構成する。
中間転写ベルト20の走行は不図示の駆動モータによる駆動ローラ21の回転によって行われる。
感光体10は、例えばアルミ材によって形成される円筒状の金属基体の外周に導電層、a−Si層あるいは有機感光体(OPC)等の感光層を形成したものであり、導電層を接地した状態で図1の矢印で示す反時計方向に回転する。画像データに対応する電気信号は画像形成レーザで光信号に変換され、書き込み装置12によって感光体10上に投光される。
現像装置13は、感光体10の周面に対し所定の間隔を保ち、感光体10の回転方向と最接近位置において逆方向に回転する円筒状の非磁性ステンレスあるいはアルミ材で形成された現像スリーブ16を有している。
中間転写ベルト20は、体積抵抗率106〜1012Ω・cmの無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ0.04〜0.10mmの半導電性シームレスベルトである。
25は転写器で、トナーと反対極性の直流が印加され、感光体10上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト20上に転写させる機能を有する。転写器25としてはコロナ放電器の他に転写ローラを用いることもできる。
26はアースローラ22から当接および当接解除可能な転写ローラで、中間転写ベルト20上に形成されたトナー画像を転写材Pに再転写する。
28はクリーニング装置で、中間転写ベルト20を挟んで従動ローラ24に対向して設けられている。トナー画像を転写材Pに転写後、中間転写ベルト20は、トナーと同極性または逆極性の直流電圧を重畳した交流電圧が印加された除電ローラ27で残留トナーの電荷が弱められ、クリーニングブレード29によって周面上に残ったトナーが清掃される。
70は紙送り出しローラ、71はタイミングローラ、72は紙カセット、73は搬送ローラで、81は排紙ローラである。
5は本発明におけるベルト定着装置の一例で、加熱ローラ51と剥離ローラ53と、加熱ローラ51と剥離ローラ53とに巻き掛けられた無端ベルトの定着ベルト55と、加熱ローラ51と無端ベルト55を介して圧接した加圧ローラ52と、剥離ローラ53と定着ベルト55を介して圧接した加圧ローラ54を有する。
加熱ローラ51、剥離ローラ53の何れか1つが駆動ローラであり、それによって定着ベルト55は時計方向に回転する。
定着ベルト55は、加熱ローラ51に設けた加熱手段によって、トナー画像の高光沢が発現出来る為の適正温度に制御される。この例では、加熱ローラ51内部に熱源としてのハロゲンヒータ56が設けられ、定着ベルト55の表面もしくはその近傍には図示していないサーミスタが設けられ、そのサーミスタによって、ヒータ56により加熱された定着ベルト55の表面の温度をそれぞれ検知し、その検知結果に基づいてヒータ56の通電をON、OFFし、定着ベルト55の加熱ローラ51に巻き掛けられた部分の表面の温度を制御している。
本発明において、定着ベルト55と加圧ローラ52のニップ圧は、1.0×10-1MPa〜5.0MPaが好ましく、2.0×10-1MPa〜2.0MPaがより好ましい。
本発明において、定着ベルト55の基材は金属製のベルトであり、鉄、ニッケル、ステンレス、アルミニウム等から選択することが出来る。
樹脂ベルトでは、鏡面状の表面平滑性を達成することが難しく、また、ベルトの硬度が低い為、トナーを受像層に埋め込む応力が不十分で、トナー段差による凹凸を無くすことが難しい。
本発明において、金属製ベルトは目的の金属イオンを含んだ電解質溶液に電流を通じて目的の金属を被メッキ体上に析出させる電鋳法や、熱間押出加工や冷間引抜を用いたシームレス加工により形成することが出来る。本発明はニッケル電鋳製、またはニッケル合金電鋳製あることが好ましい。
本発明においてベルト基材の、ヤング率は、50kN/mm2以上であることが好ましく、更に好ましくは、50kN/mm2〜300kN/mm2である。
本発明において、ベルト基材の表面の平均面租さRaは、0.1μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.08μm以下である。
本発明において、ベルト基材の表面の平均面租さRaは、0.1μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.08μm以下である。
本発明において、ベルト基材の厚さは10μm〜100μmが好ましい。
本発明において、定着ベルト55の基材の表面(記録シートと接触する側の面)には離型層が形成される。本発明において、離型層は硬化型シリコーンを塗布して形成させることが好ましい。また、本発明において離型層は、JIS K 5401に規定される鉛筆硬度がHB以上であることが好ましく、鉛筆硬度が2H〜5Hの範囲であることが更に好ましい。
硬化型シリコーン樹脂としては、例えば、下記に示すような溶剤付加型シリコーンまたは縮合型のシリコーン等のような硬化型シリコーンを用いて作製されたシリコーン樹脂が好ましく、中でも溶剤付加型シリコーンを用いて作製されたシリコーン樹脂が好ましい。
溶剤付加型シリコーンは、両末端、あるいは、両末端及び鎖中に、ビニル基を有する直鎖状メチルビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で反応させて得られる。
溶剤付加型シリコーンは、両末端、あるいは、両末端及び鎖中に、ビニル基を有する直鎖状メチルビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で反応させて得られる。
溶剤付加型シリコーンの具体例としては、例えば、信越シリコーン社製のKS−887、KS−779H、KS−778、KS−835、X−62−2456、X−62−2494、X−62−2461、KS−3650、KS−3655、KS−3600、KS−847、KS−770、KS−770L、KS−776A、KS−856、KS−775、KS−830、KS−830E、KS−839、X−62−2404、X−62−2405、KS−3702、X−62−2232、KS−3503、KS−3502、KS−3703、KS−5508等が挙げられる。
縮合硬化型シリコーンの具体例としては、例えば、信越シリコーン社製のKS−881、KS−882、KS−883、X−62−9490、X−62−9028等のシリコーンが好ましく用いられる。
本発明において、離型層の厚さは、1μm〜50μmであることが好ましく、10μm〜30μmであることが更に好ましい。
また、離型層の剥離力は、30g/5cm以上になるように調整することが好ましく、更に好ましくは、30g/5cm〜1000g/5cmの範囲に調整することであり、特に好ましくは、50g/5cm〜600g/5cmである。
ここで、離型層の剥離力は下記の方法により測定される。
(離型層の剥離力測定方法)
定着ベルトの離型層に、粘着テープ(ニットーポリエステルテープNo.31B(日東電工(株)製))を貼合し、加圧ローラの圧力値を2kgに設定した状態で、加圧ローラ1回転分の圧着繰作を行い、その後、室温下、定着ベルトを20時間放置後、上記粘着テープを角度180度、0.3m/分の速度条件下、市販の引っ張り試験機を用い、剥離力を測定した。
定着ベルトの離型層に、粘着テープ(ニットーポリエステルテープNo.31B(日東電工(株)製))を貼合し、加圧ローラの圧力値を2kgに設定した状態で、加圧ローラ1回転分の圧着繰作を行い、その後、室温下、定着ベルトを20時間放置後、上記粘着テープを角度180度、0.3m/分の速度条件下、市販の引っ張り試験機を用い、剥離力を測定した。
本発明において、定着ベルト55の最表層の表面の平均面粗さRaは、0.2μm以下であるが、0.1μm以下であることが好ましい。
本発明において、平均面粗さRaは、以下の方法に従い測定した。
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)として、セイコーインスツルメンツ社製SPI3800NプローブステーションおよびSPA400多機能型ユニットを使用し、約1cm角の大きさに切り取った試料を、ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえた。ピエゾスキャナーは、XY20μm、Z2μmが走査可能なものを使用した。カンチレバーは、セイコーインスツルメンツ社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/mのものを用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定した。測定領域2μm角を、1(or2)視野、走査周波数1Hzで測定した。また、得られた三次元データを最小二乗近似することにより、試料のわずかの傾きを補正し、基準面を求めた。
表面粗さの解析は、解析ソフトSPIwin(ver.2.05D2、セイコーインスツルメント社製)の「解析」メニューより表面粗さ解析を呼び出し、得られた三次元データより平均面粗さRaを求めた。
測定により表された測定面はZ=F(X,Y)で表す。(X,Y)の範囲は(0,0)〜(Xmax,Ymax)となる。それを粗さ解析の対象となる指定面とすると、表面積S0は次式で求められる。
S0=Xmax・Ymax
指定面内のZデータの平均値をZ0とするとき、Z=Z0となる平面を基準面とするときZ0は次式で求められる。
指定面内のZデータの平均値をZ0とするとき、Z=Z0となる平面を基準面とするときZ0は次式で求められる。
別途JIS B601で中心線平均粗さ(Ra)は粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線の方向をX軸、縦倍率の方向(X軸に垂直)をY軸とし、粗さ曲線をY=F(X)とした時、
で与えられる値と定義される。本発明においては、この中心線平均粗さRaを、測定面に対して適応できるように三次元に拡張したものを本発明に係る平均面粗さRaと定義し、基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値として表現し、次式を適用して得られた値を用いた。
本発明において、定着ベルト55の基材と離型層との間の接着性を向上させ、且つ、定着時の光沢ムラの防止を適切に行う観点から表面改質剤を含有する接着性改良層を設けることが好ましい。表面改質剤としては、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤が好ましく、アルミニウムカップリング剤が最も好ましい。
(電子写真用トナー)
本発明において、トナーは樹脂バインダーと着色材とワックスを含む重合トナーであることが好ましい。
本発明において、トナーは樹脂バインダーと着色材とワックスを含む重合トナーであることが好ましい。
重合トナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中(水系媒体中)にて単量体を乳化重合して微粒の重合体粒子(樹脂粒子)を調製し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して当該樹脂粒子を会合する方法で製造することができる。ここで「会合」とは、前記樹脂粒子が複数個融着することをいい、当該樹脂粒子と他の粒子(例えば着色剤粒子)とが融着する場合も含むものとする。
本発明に係るトナーを製造する方法の一例を示せば、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置(攪拌装置)へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。なお、「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
また、本発明に係るトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
トナーの樹脂バインダー成分としては、公知の樹脂を用いることができるが、一般には、ポリエステル樹脂やスチレン−アクリル樹脂等を主に用いることができる。また、塗被層上に画像を形成する場合には、塗被層に含まれる接着剤等の樹脂成分との相溶性の高い樹脂をトナーの樹脂バインダー成分として選択することが好ましい。このような観点からは、トナーの樹脂バインダー成分としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等の中から目的に応じて1種或いは2種以上の混合物を使用することが好ましい。
本発明に係るトナーに用いられるワックスとしては、特に限定されるものではなく、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロシュワックス、エステルワックスなどの融点を有する有機化合物を用いることができる。ワックスの融点は、定着時にトナー樹脂中からブリードアウトするという観点から50℃以上100℃以下であることが好ましい。
ワックスの含有割合は、トナー全体において、通常1〜30質量%とされ、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%とされる。
本発明においては、塩析/融着時に離型剤粒子を添加する手法によって離型剤を含有する樹脂粒子を得ることもできるが、少なくとも重合性単量体中に離型剤を溶解させ、この離型剤を含有した重合性単量体を重合せしめる工程を経て形成した複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させることによって得られたものであることが好ましい。このような手法によって得られた離型剤を含有する樹脂粒子においては、離型剤の存在状態を均一化することができるとともに、トナー間での離型剤存在状態の差をなくすことができる。
トナーの体積平均粒子径は、2〜10μmの範囲内であることが好ましく、3〜9μmの範囲内であることがより好ましい。トナーの体積平均粒子径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になりやすく、現像性が低下する場合があり、一方、10μmを越えると、画像の解像性が低下する場合があるため、それぞれ好ましくない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《電子写真用受像シートの作製》
〔反射支持体の作製〕
50%の硫酸塩法晒広葉樹パルプ(LBKP)と、50%の硫酸塩法晒針葉樹パルプ(NBSP)からなる坪量160g/m2の白色基紙1を用意した。
《電子写真用受像シートの作製》
〔反射支持体の作製〕
50%の硫酸塩法晒広葉樹パルプ(LBKP)と、50%の硫酸塩法晒針葉樹パルプ(NBSP)からなる坪量160g/m2の白色基紙1を用意した。
この白色基紙1の裏面に、裏面樹脂層としてポリエチレン(HDPE/LDPE=70/30)を300℃にて溶融押し出しラミネートを行って、30g/m2のバックラミネート層1を被覆させた。
次に、表面側に表面樹脂層として、ポリエチレン(HDPE/LDPE=70/30)91%、ルチル型酸化チタン9%を混練した後、300℃にて溶融押出ラミネートにより30g/m2の耐水性樹脂層1を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する反射支持体を作製した
〔受像シート試料1の作製〕
上記作製した反射支持体上に、下記の樹脂層塗布液1をスライドホッパー方式の塗布装置を用いて、乾燥膜厚として5μmとなる条件で塗布を行った後、4℃に保った冷却ゾーンを20秒間通過させた後、30℃の風で60秒間、45℃の風で60秒間、50度の風で60秒間で乾燥させて、受像シート試料1を作製した。
〔受像シート試料1の作製〕
上記作製した反射支持体上に、下記の樹脂層塗布液1をスライドホッパー方式の塗布装置を用いて、乾燥膜厚として5μmとなる条件で塗布を行った後、4℃に保った冷却ゾーンを20秒間通過させた後、30℃の風で60秒間、45℃の風で60秒間、50度の風で60秒間で乾燥させて、受像シート試料1を作製した。
(樹脂層塗布液1)
アクリル樹脂水分散液(モビニール745;ニチゴー・モビニー社製、固形分38%) 40質量%
ゼラチン 2質量%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジンナトリウム塩水溶液(固形分7.5%) 1質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分20%) 2質量%
水 55質量%
〔受像シート試料2の作製〕
受像シート試料1の作製において、上記樹脂層塗布液1に代えて、下記の構成からなる断熱層塗布液1を用いた以外は同様にして、受像シート試料2を作製した。
アクリル樹脂水分散液(モビニール745;ニチゴー・モビニー社製、固形分38%) 40質量%
ゼラチン 2質量%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジンナトリウム塩水溶液(固形分7.5%) 1質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分20%) 2質量%
水 55質量%
〔受像シート試料2の作製〕
受像シート試料1の作製において、上記樹脂層塗布液1に代えて、下記の構成からなる断熱層塗布液1を用いた以外は同様にして、受像シート試料2を作製した。
(断熱層塗布液1)
中空粒子分散液(HP1055、ローム&ハース株式会社製、平均粒子径=1.0μm、固形分26.5%、Tg=105℃、流出開始温度Tfb=155℃) 50質量%
ゼラチン 4質量%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジンナトリウム塩水溶液(固形分7.5%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分20%) 2質量%
水 42質量%
なお、断熱層1の空隙率は60%であった。
中空粒子分散液(HP1055、ローム&ハース株式会社製、平均粒子径=1.0μm、固形分26.5%、Tg=105℃、流出開始温度Tfb=155℃) 50質量%
ゼラチン 4質量%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジンナトリウム塩水溶液(固形分7.5%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分20%) 2質量%
水 42質量%
なお、断熱層1の空隙率は60%であった。
〔受像シート試料3の作製〕
受像シート試料2の作製において、断熱層の乾燥膜厚が40μmとなる条件に変更して塗布を行った以外は同様にして、受像シート試料3を作製した。
受像シート試料2の作製において、断熱層の乾燥膜厚が40μmとなる条件に変更して塗布を行った以外は同様にして、受像シート試料3を作製した。
〔受像シート試料4の作製〕
受像シート試料3の作製において、上記断熱層塗布液1(乾燥膜厚40μm)を下層とし、上記樹脂層塗布液1(乾燥膜厚5μm)を上層として用いて重層塗布した以外は同様にして、受像シート試料4を作製した。
受像シート試料3の作製において、上記断熱層塗布液1(乾燥膜厚40μm)を下層とし、上記樹脂層塗布液1(乾燥膜厚5μm)を上層として用いて重層塗布した以外は同様にして、受像シート試料4を作製した。
〔受像シート試料5の作製〕
受像シート試料3の作製において、上記断熱層塗布液1に代えて、下記の構成からなる断熱層塗布液2(乾燥膜厚40μm)を用いて塗布した以外は同様にして、受像シート試料5を作製した。
受像シート試料3の作製において、上記断熱層塗布液1に代えて、下記の構成からなる断熱層塗布液2(乾燥膜厚40μm)を用いて塗布した以外は同様にして、受像シート試料5を作製した。
(断熱層塗布液2)
中空粒子分散液(MH5055、日本ゼオン株式会社製、平均粒子径=0.5μm、固形分30%、Tg=105℃、流出開始温度Tfb=159℃) 44質量%
ゼラチン 4質量%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジンナトリウム塩水溶液(固形分7.5%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分20%) 2質量%
水 48質量%
なお、断熱層2の空隙率は39%であった。
中空粒子分散液(MH5055、日本ゼオン株式会社製、平均粒子径=0.5μm、固形分30%、Tg=105℃、流出開始温度Tfb=159℃) 44質量%
ゼラチン 4質量%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジンナトリウム塩水溶液(固形分7.5%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分20%) 2質量%
水 48質量%
なお、断熱層2の空隙率は39%であった。
〔受像シート試料6〜10の作製〕
受像シート試料3の作製において、上記断熱層塗布液1で用いた中空粒子HP1055を含む中空粒子分散液に代えて、表1に示すガラス転移温度Tg(℃)、流出開始温度Tfb(℃)を有する中空粒子I〜Vを含む各中空粒子分散液を用いて断熱層を形成した以外は同様にして、受像シート試料6〜10を作製した。なお、中空粒子IIIの分散液は特公平7−91390公報に記載されている実施例5B1を参考にして下記の処方により作製し、中空粒子I、II、IV、Vの分散液は中空粒子IIIの分散液と同様にして、特公平7−91390公報、特公平7−21011号公報、特許第3339139号公報、特許第3601215号公報、特公平7−35448号公報、特開第3465826号公報等に記載されている方法を参考にして、用いる単量体の添加量を変化させることにより作製した。
受像シート試料3の作製において、上記断熱層塗布液1で用いた中空粒子HP1055を含む中空粒子分散液に代えて、表1に示すガラス転移温度Tg(℃)、流出開始温度Tfb(℃)を有する中空粒子I〜Vを含む各中空粒子分散液を用いて断熱層を形成した以外は同様にして、受像シート試料6〜10を作製した。なお、中空粒子IIIの分散液は特公平7−91390公報に記載されている実施例5B1を参考にして下記の処方により作製し、中空粒子I、II、IV、Vの分散液は中空粒子IIIの分散液と同様にして、特公平7−91390公報、特公平7−21011号公報、特許第3339139号公報、特許第3601215号公報、特公平7−35448号公報、特開第3465826号公報等に記載されている方法を参考にして、用いる単量体の添加量を変化させることにより作製した。
また、上記作製した各中空粒子I〜Vの分散液を含む断熱層の空隙率はいずれも60%であった。
(中空粒子III分散液の作製)
攪拌装置、還流冷却管、温度計、及び滴下ロートを取り付けた四ツ口フラスコ中にイオン交換水300部を入れ、スチレン95部及びメタクリル酸5部を加えて攪拌を行いながら加温した。内温が70℃に達した後、3%過硫酸カリウム水溶液17部を滴下ロートから添加して、反応を開始させた後、3時間70℃を維持し重合反応を完結させ、固形分濃度24%、pH2.3、質量平均粒子径160nmとなる種ラテックスαを作製した。質量法により重合転化率を求めたところ、99%であった。
攪拌装置、還流冷却管、温度計、及び滴下ロートを取り付けた四ツ口フラスコ中にイオン交換水300部を入れ、スチレン95部及びメタクリル酸5部を加えて攪拌を行いながら加温した。内温が70℃に達した後、3%過硫酸カリウム水溶液17部を滴下ロートから添加して、反応を開始させた後、3時間70℃を維持し重合反応を完結させ、固形分濃度24%、pH2.3、質量平均粒子径160nmとなる種ラテックスαを作製した。質量法により重合転化率を求めたところ、99%であった。
続いて、上記と同様の反応容器中にイオン交換水518部と3.3部の種ラテックスαとを仕込んで加温し、内温が80℃に到達した後3%過硫酸カリウム水溶液30部を滴下ロートよりフラスコに添加した。次いで、滴下ロートをイオン交換水20部で洗浄した後、スチレン84部、メタクリル酸メチル3部、メタクリル酸3部、n−ブチルアクリレート9部、及びジビニルベンゼン0.1部より成る単量体混合物を滴下ロートから6時間かけて添加した後、2時間80℃に維持し重合反応を完結させ、ラテックスβを得た。ラテックスβの固形分濃度は15%、質量法により求めた重合転化率は97%であった。
続いて、上記と同様の反応容器中にイオン交換水870部、ラテックスβを100部、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム1部、メチルエチルケトンを30部、10%水酸化カリウム水溶液44部を仕込み80℃にて3時間攪拌を行った。次いで、1%硫酸水溶液400部を加え、80℃にて3時間攪拌を行いその後室温に冷却したのち、有機溶剤を減圧除去した後、得られたラテックスを水で固形分濃度が22%となるように希釈し、中空粒子IIIの分散液を得た。
各中空粒子I〜Vのガラス転移温度Tg(℃)及び流出温度Tfb(℃)の測定は以下のように行った。
(ガラス転移温度Tg(℃)の測定)
各中空粒子の分散液を40℃湿度成りゆきの条件下で24時間乾燥させて得られた中空粒子を用いて、示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度6℃/minで測定した。測定装置としては、パーキンエルマー社製のDSC−7を使用した。
各中空粒子の分散液を40℃湿度成りゆきの条件下で24時間乾燥させて得られた中空粒子を用いて、示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度6℃/minで測定した。測定装置としては、パーキンエルマー社製のDSC−7を使用した。
(流出温度Tfb(℃)の測定)
島津製作所製;フローテスターCFT−500C(島津製作所製)を用い、1cm3の試料(上記中空粒子分散液を乾燥した固形分)を昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャにより20kg/cm3の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出したときに試料がノズルより流出を開始する温度から求めた。
島津製作所製;フローテスターCFT−500C(島津製作所製)を用い、1cm3の試料(上記中空粒子分散液を乾燥した固形分)を昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャにより20kg/cm3の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出したときに試料がノズルより流出を開始する温度から求めた。
また、各中空粒子I〜Vの平均粒子径はいずれも1.0μmで、中空率はいずれも53%であった。中空粒子の平均粒子径、また、中空率については、透過型電子顕微鏡装置(TEM)、「JEM−200FX」(日本電子社製)を用いて算出した。即ち、サンプル数は20粒子以上をとり平均値で求めた。
《定着ベルトの作製》
図1の画像形成装置の定着ベルト55に使用する定着ベルトA〜Fを作製した。
図1の画像形成装置の定着ベルト55に使用する定着ベルトA〜Fを作製した。
〔定着ベルトAの作製〕
厚み80μmのポリイミド無端ベルト基材上に、弾性層として厚み100μmのシリコーンゴム、離型層として厚み10μmのPFA(4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を積層して、定着ベルトAを作製した。尚、最表層の平均面粗さは0.18μmであった。
厚み80μmのポリイミド無端ベルト基材上に、弾性層として厚み100μmのシリコーンゴム、離型層として厚み10μmのPFA(4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を積層して、定着ベルトAを作製した。尚、最表層の平均面粗さは0.18μmであった。
〔定着ベルトBの作製〕
定着ベルトAの基材を厚み60μmのアルミニウム製無端ベルトに変更する以外は同様にして、定着ベルトBを作製した。尚、最表層の平均面粗さは0.18μmであった。
定着ベルトAの基材を厚み60μmのアルミニウム製無端ベルトに変更する以外は同様にして、定着ベルトBを作製した。尚、最表層の平均面粗さは0.18μmであった。
〔定着ベルトCの作製〕
定着ベルトAの基材を厚み60μmのステンレス製無端ベルトに変更する以外は同様にして、定着ベルトCを作製した。尚、最表層の平均面粗さは0.18μmであった。
定着ベルトAの基材を厚み60μmのステンレス製無端ベルトに変更する以外は同様にして、定着ベルトCを作製した。尚、最表層の平均面粗さは0.18μmであった。
〔定着ベルトDの作製〕
定着ベルトAの基材を下記の製造方法で作製されたニッケル電鋳無端ベルトに変更する以外は同様にして、定着ベルトDを作製した。尚、最表層の平均面粗さは0.18μmであった。
定着ベルトAの基材を下記の製造方法で作製されたニッケル電鋳無端ベルトに変更する以外は同様にして、定着ベルトDを作製した。尚、最表層の平均面粗さは0.18μmであった。
(ニッケル電鋳ベルトの製造)
スルファミン酸ニッケル四水塩450g/L、塩化ニッケル10g/Lおよび硼酸40g/Lの水溶液に、必要量のピット防止剤を加えた後、第一光沢剤としてサッカリンを0.02g/L、第二光沢剤としてブチンジオールを0.3g/L添加して、さらに濾過を行い、次いで低電流で電解精製を行って電解浴を作製した。
この電解浴に、ステンレス鋼製の母型を陰極として、電解浴温度53℃、および陰極電流密度7A/dm2でニッケル電鋳を行い、厚み60μmのニッケル電鋳を成膜した。このニッケル電鋳を母型から取り外し、ニッケル電鋳ベルトを得た。
スルファミン酸ニッケル四水塩450g/L、塩化ニッケル10g/Lおよび硼酸40g/Lの水溶液に、必要量のピット防止剤を加えた後、第一光沢剤としてサッカリンを0.02g/L、第二光沢剤としてブチンジオールを0.3g/L添加して、さらに濾過を行い、次いで低電流で電解精製を行って電解浴を作製した。
この電解浴に、ステンレス鋼製の母型を陰極として、電解浴温度53℃、および陰極電流密度7A/dm2でニッケル電鋳を行い、厚み60μmのニッケル電鋳を成膜した。このニッケル電鋳を母型から取り外し、ニッケル電鋳ベルトを得た。
〔定着ベルトE、Fの作製〕
定着ベルトDの作製において、ベルト最表層の平均面粗さが0.30μm、0.08μmになるように、ニッケル電鋳製造における電解浴のサッカリン、ブチンジオールの量を調整し、定着ベルトE、Fを得た。
定着ベルトDの作製において、ベルト最表層の平均面粗さが0.30μm、0.08μmになるように、ニッケル電鋳製造における電解浴のサッカリン、ブチンジオールの量を調整し、定着ベルトE、Fを得た。
《画像形成、及び評価》
上記作製した受像シート試料1〜10と、定着ベルトA〜Fを表1のように組み合わせて、図1の画像形成装置を用い、トナー量が10g/m2のマゼンタベタ画像とトナー付量が0g/m2の白画像を出力し、プリント画像No.101〜116を作製した。尚、トナーは重合トナーを使用し、定着条件は定着温度180℃、定着スピード127mm/secの条件で行った。得られた画像について、下記の評価を行った。
上記作製した受像シート試料1〜10と、定着ベルトA〜Fを表1のように組み合わせて、図1の画像形成装置を用い、トナー量が10g/m2のマゼンタベタ画像とトナー付量が0g/m2の白画像を出力し、プリント画像No.101〜116を作製した。尚、トナーは重合トナーを使用し、定着条件は定着温度180℃、定着スピード127mm/secの条件で行った。得られた画像について、下記の評価を行った。
(写像性)
上記で作製した各プリントのマゼンタ画像部を、写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値%)を測定した。写像性が高い程、フォト光沢感として優れる。
上記で作製した各プリントのマゼンタ画像部を、写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値%)を測定した。写像性が高い程、フォト光沢感として優れる。
(レリーフ(トナー段差)評価)
上記で作製した各プリントのマゼンタ画像部(トナー10g/m2)と白画像部(トナー0g/m2)との境目に生ずる画像段差を、触針式粗度計(KLA、Tencor社製 アルファステップ)を使用して測定し、レリーフ耐性の評価を行った。なお、画像段差は3.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましい。
上記で作製した各プリントのマゼンタ画像部(トナー10g/m2)と白画像部(トナー0g/m2)との境目に生ずる画像段差を、触針式粗度計(KLA、Tencor社製 アルファステップ)を使用して測定し、レリーフ耐性の評価を行った。なお、画像段差は3.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましい。
以上により得られた各評価結果を表1に示す。
表1より明らかなように、本発明で規定する、支持体に中空粒子を含有する断熱層を有する電子写真用受像シートと、平均面粗さRaが0.2μm以下である金属製の無端ベルトを定着部材とするベルト定着により、レリーフ段差が小さく、フォトライクな光沢のあるプリントが得られることが分かる。また、定着ベルトの基材をニッケル電鋳製にすることにより、その効果が更に大きくなることが分かる。
実施例2
《定着ベルトの作製》
〔定着ベルトGの作製〕
実施例1のニッケル電鋳ベルトの製造方法を参考にして作製した厚み50μmのニッケル電鋳無端ベルト基材上に、プライマーを介して、下記の方法に従って離型層を積層し、定着ベルトGを作製した。尚、離型層の厚みは20μmであった。また、最表層の平均面粗さは0.08μmで、鉛筆硬度は2Hであった。
《定着ベルトの作製》
〔定着ベルトGの作製〕
実施例1のニッケル電鋳ベルトの製造方法を参考にして作製した厚み50μmのニッケル電鋳無端ベルト基材上に、プライマーを介して、下記の方法に従って離型層を積層し、定着ベルトGを作製した。尚、離型層の厚みは20μmであった。また、最表層の平均面粗さは0.08μmで、鉛筆硬度は2Hであった。
(離型層塗布液の調製)
硬化型シリコーン :KS830E(信越化学工業社製) 500g
硬化用触媒:CAT−PL−50L(信越化学工業社製) 5ml
トルエン 1500ml
上記の各素材を混合、攪拌し、被覆層用塗布液を調製した。
硬化型シリコーン :KS830E(信越化学工業社製) 500g
硬化用触媒:CAT−PL−50L(信越化学工業社製) 5ml
トルエン 1500ml
上記の各素材を混合、攪拌し、被覆層用塗布液を調製した。
(被覆層の塗設)
上記調製した被覆層用塗布液を内径15cm、高さ50cmの円筒形ビーカーに2リットル添加し、市販のディップ型塗布機に加熱加圧ローラをセットし、加熱加圧ローラを降下させて、円筒形ビーカー中に浸漬した後、引き上げ速度を毎秒15mmに設定して、加熱加圧ローラ表面に被覆層を塗設した。その後、室温で5分間放置後、100℃のオーブン中で1時間加熱した。
上記調製した被覆層用塗布液を内径15cm、高さ50cmの円筒形ビーカーに2リットル添加し、市販のディップ型塗布機に加熱加圧ローラをセットし、加熱加圧ローラを降下させて、円筒形ビーカー中に浸漬した後、引き上げ速度を毎秒15mmに設定して、加熱加圧ローラ表面に被覆層を塗設した。その後、室温で5分間放置後、100℃のオーブン中で1時間加熱した。
〔定着ベルトH〜Lの作製〕
前記定着ベルトGの離型層の硬化型シリコーン離型剤の種類を変更し、触媒、希釈溶媒、硬化温度、硬化時間を適宜変更して、表2に示すような鉛筆硬度になるように調整して、定着ベルトH〜Lを得た。尚、離型層の厚みはいずれも20μmであった。また、最表層の平均面粗さはいずれも0.08μmであった。
前記定着ベルトGの離型層の硬化型シリコーン離型剤の種類を変更し、触媒、希釈溶媒、硬化温度、硬化時間を適宜変更して、表2に示すような鉛筆硬度になるように調整して、定着ベルトH〜Lを得た。尚、離型層の厚みはいずれも20μmであった。また、最表層の平均面粗さはいずれも0.08μmであった。
上記作製した定着ベルトG〜Lと、実施例1の受像シート試料3を用い、実施例1と同様なプリント画像(No.201〜206)を作製し、実施例1と同様な評価を行った。得られた結果表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の用件を満たし、更に定着ベルトの離型層が硬化型シリコーンで形成され、離型層の鉛筆硬度がHB以上である本発明の構成は、光沢感に優れ、レリーフも改良されていることが分かる。
1 画像形成部
10 感光体
3 ベルトユニット
4 一次定着装置
5 二次定着装置
41 加熱ローラ
42 加圧ローラ
43、56 ヒータ
51 加熱ローラ
52 加圧ローラ
53 剥離ローラ
54 加圧ローラ
55 無端ベルト
P 記録媒体
10 感光体
3 ベルトユニット
4 一次定着装置
5 二次定着装置
41 加熱ローラ
42 加圧ローラ
43、56 ヒータ
51 加熱ローラ
52 加圧ローラ
53 剥離ローラ
54 加圧ローラ
55 無端ベルト
P 記録媒体
Claims (6)
- 反射支持体上に少なくとも1種の中空粒子を含有する断熱層を設けた電子写真用受像シート表面に、電子写真方式によりトナーを転写させた後、加熱源を備える加熱ロールと、一つ以上の張架ロールと、該加熱ロール及び該張架ロールにより張架される無端ベルトと、該無端ベルトを挟んで該加熱ロールと対峙する加圧ロールとを有するベルト定着方式により定着を行う画像形成方法であって、該無端ベルトが金属製ベルト基材と離型層を有しており、該無端ベルトの最表層の表面の平均面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする画像形成方法。
- 前記断熱層の空隙率が40%以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記断熱層の膜厚が15〜150μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記無端ベルトの基材がニッケル電鋳製であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記離型層が硬化型シリコーンにより形成され、離型層の鉛筆硬度がHB以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記中空粒子のガラス転移温度Tgが65〜95℃であり、かつ流出開始温度が120〜150℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006238812A JP2008058889A (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | 画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008058889A true JP2008058889A (ja) | 2008-03-13 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008058889A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120177425A1 (en) * | 2011-01-11 | 2012-07-12 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Glossy surface forming apparatus and glossy surface forming method |
JP2017037152A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | キヤノン株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
-
2006
- 2006-09-04 JP JP2006238812A patent/JP2008058889A/ja active Pending
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