JP4496691B2 - 電子写真用転写シート、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー複写機またはカラープリンター等に適用される電子写真法により、高品位なフルカラー画像を形成することができる電子写真用転写シートおよび画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法によりカラー画像を形成する方法としては、感光材料上に、色分解光を照射して色別に静電潜像を形成し、これら色別の静電潜像を、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)等のカラートナーにより逐次現像して色別にカラートナー像を形成し、各色のトナー像を形成するたびごとに転写体上に重ね合わせて転写し、これらのトナー像を加熱溶融し、定着してカラー画像を形成する方法がある。あるいは、また別の方法としては、前記色別のカラートナー像を転写体ではなくて感光材料上に重ね合わせて形成し、この重ね合わされたカラートナー像を転写体上に一括転写し、これを加熱溶融し、定着してカラー画像を形成する方法がある。
【0003】
カラートナーは、通常、バインダー樹脂中に着色剤として各種の染料または顔料を相溶、または分散含有させて構成され、その粒子径は、数μmから数十μmとされている。このようなカラートナーの受容体(被転写体)としては、普通紙や、一般の印刷用紙、コート紙のような紙基材が使用され、この紙基材上に複数層重ね合わされたカラートナーが加熱溶融し、定着されてカラー画像が形成される。このようにして形成されたカラー画像の表面には、例えば10〜100μm程度の凹凸(特開昭63−92965号公報)が形成されているため、このトナー層の凹凸によって、画像の光沢にムラが生じてしまう。
【0004】
上記の問題点を改善するために、基材上に熱可塑性透明樹脂層を設け、トナー像を加熱ローラ定着装置により透明樹脂層に埋め込む方法が開示されている。また特開平5−127413号公報には、ガラス転移温度が40〜70℃であり、テトラヒドロフランに可溶な架橋樹脂よりなる透明樹脂層を有する画像転写シート表面上にトナー像をのせ、ベルト状定着装置でトナーを透明樹脂層に埋め込む方法が開示されている。さらに特開平5−216322号公報及び特開平6−11982号公報には、熱可塑性樹脂が塗設されている画像転写シートの表面上にトナー像をのせ、ベルト状定着装置でトナーを透明樹脂層に埋め込む方法が開示されている。
【0005】
また、ベルト状の定着装置を使用しないでも、光沢ムラのないグロスマッチングが得られる転写シートとして、特開平10−221877号公報に転写シート表面の透明樹脂の平均分子量(Mwa)とカラートナーの結着樹脂の平均分子量(Mwb)との間にMwa−Mwb≧10000の関係を有し、透明樹脂のトナーの定着温度におけるカラートナーの結着樹脂との溶融傾斜角を40度以下に調整した電子写真用転写シート、さらに特開平11−160905号公報には転写シート表面の透明樹脂層の数平均分子量(Mn)が5000〜20000、およびガラス転移温度が30〜85℃にある電子写真用転写シートが提唱されている。
【0006】
上記各公報の技術は、カラートナー像を転写体上に定着する際に、当該カラートナー像を加熱ローラにより加圧することにより、加熱、溶融して電子写真用転写シート表面の透明樹脂層中に埋め込むように定着して、光沢ムラのないグロスマッチング性の高い高品位画像を得るようにしている。
【0007】
しかしながら、上記各公報技術のもつ問題点として、電子写真用転写シート受像面同士のドキュメントオフセットが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂を用いて作製された画像は、印字物の保管や印字物の輸送の過程においてTg近傍又はそれ以上に加熱されると、画像形成部分の樹脂成分が溶融して印字物の裏面や印字物自体に付着し、画像の欠損が発生する。また、高画質を得るために表面を高平滑にすることにより、受像面同士の接触面積が大きくなり、用紙同士が密着しやすくなるため、さらにドキュメントオフセットは悪化する原因の一つと考えられる。
【0008】
熱可塑性樹脂を表面に有する電子写真用転写シートのドキュメントオフセットを改善するためには、樹脂のガラス転移温度、分子量、軟化点を高めに設定することが効果的であるが、画像の埋まりこみ性が悪化し、均一な光沢感をもつ画像が得られない。現在、熱可塑性樹脂層を有する電子写真用転写シートのドキュメントオフセット改善を課題にしたもの、あるいは、解決した先行技術は見出されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、高光沢・高品位の画像を形成することができ、且つ耐ドキュメントオフセット性に優れた電子写真用転写シートおよび画像形成方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1> 接着剤及び顔料を主成分とする顔料塗工層を少なくとも一面に有する基材と、前記顔料塗工層上に設けられた熱可塑性樹脂及び熱硬化可能な熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、を有し、且つ前記基材における顔料塗工層表面の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下であり、
前記樹脂層の厚みが、10〜20μmであり、
前記樹脂層が、少なくとも、前記熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層と、前記熱硬化性樹脂を主成分とする厚みが1〜3μmの熱硬化性樹脂層と、を含む2層から構成され、且つ前記熱硬化性樹脂層が最上層に有し、
前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
前記熱硬化性樹脂が、ノボラック樹脂、変性ノボラック樹脂、又はエポキシ樹脂であることを特徴とする電子写真用転写シートである。
【0011】
<2> 接着剤及び顔料を主成分とする顔料塗工層を少なくとも一面に有する基材と、前記顔料塗工層上に設けられた熱可塑性樹脂及び熱硬化可能な熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、を有し、且つ前記基材における顔料塗工層表面の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下であり、
前記樹脂層の厚みが、10〜20μmであり、
前記樹脂層が、前記熱可塑性樹脂と、前記熱硬化性樹脂と、を混合してなる混合樹脂層であり、
前記混合樹脂層における前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記熱硬化性樹脂の配合量が0.5〜40質量部であり、
前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
前記熱硬化性樹脂が、ノボラック樹脂、変性ノボラック樹脂、又はエポキシ樹脂であることを特徴とする電子写真用転写シートである。
【0013】
<3>前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が85℃以下であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の電子写真用転写シートである。
【0014】
<4>潜像担体上に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像する工程、現像されたトナー像を被転写体に転写する工程、及び被転写体上のトナー像を加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法において、前記被転写体が、前記<1>〜<3>のいずれかに記載の電子写真用転写シートであることを特徴とする画像形成方法である。
【0015】
<5>前記定着工程を2回以上行うことを特徴とする前記<4>に記載の画像形成方法である。
<6>前記定着工程が、定着後の前記被転写体の20度白紙光沢度が40%以上になるように行われることを特徴とする前記<4>又は<5>に記載の画像形成方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(電子写真用転写シート)
本発明の電子写真用転写シートは、接着剤及び顔料を主成分とする顔料塗工層を少なくとも一面に有する基材と、前記顔料塗工層上に設けられた熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、を有し、且つ前記基材表面の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下であることを特徴とする。
通常、熱可塑性樹脂を主成分として含有する樹脂層を表面に有する転写シートを用いて形成された画像は、印字物の保管や印字物の輸送の過程において熱可塑性樹脂のTg近傍又はそれ以上に加熱されると、画像形成部分の樹脂成分が溶融して印字物の裏面や印字物自体に付着し、画像の欠損、いわゆるドキュメントオフセットが発生することがある。このドキュメントオフセットを改善するために、樹脂のガラス転移温度、分子量、軟化点を高めに設定することが効果的であるが、画像の埋まりこみ性が悪化し、均一な光沢感をもつ画像が得られない場合が多い。また、樹脂層表面が高平滑であるため樹脂層表面同士を重ね合せたときの接触面積が大きいため、樹脂層表面同士が密着しやすいことも耐ドキュメントオフセット性を悪化させる原因の一つと考えられる。樹脂層の表面接触面積を小さくするためには、平滑性を低下させることが効果的であるが、これでは高光沢の画像を得ることができない場合が多い。本発明の電子写真用転写シートでは、基材表面の中心線平均粗さRa75を2.0μm以下とし、さらに熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を主成分として含有する樹脂層を有することで、転写シート表面に高い平滑性を付与しつつ、定着時にトナーが樹脂層中に埋め込まれると同時に熱硬化性樹脂の硬化が起こり、樹脂層表面に熱硬化性樹脂の被膜を形成することができる。このため、高光沢・高品位の画像を形成することができ、且つ耐ドキュメントオフセット性に優れる。
【0017】
ここで、高光沢を示す光沢むらの有無について説明する。一般的に、光沢むらと明確に判断できるのは、例えば、画像光沢度の差が40%以上であり、画像光沢度差が30以下では、光沢むらは概ね良好で、20%以下では、光沢むらは見られない傾向がある。この画像光沢度は、例えば、JIS Z 8741の方法に基づき、光沢測定器(GM−26D型 株式会社 村上色彩研究所)を使用し、入射角と受光角が20度の条件で測定することができる。
また、画像部の高さを測定すると、一般的に、光沢むらの大きな画像は、画像高さが20μmよりも大きく、光沢むらの小さい画像は、画像高さが20μm以下であり、15μm以下、10μm以下と小さくなるにつれて光沢むらも小さくなる傾向にある。この画像高さは、三次元表面構造解析顕微鏡(ZYGO New View 200:米国ZYGO社製)を用いて測定することができる。この測定装置は、白色光の干渉作用を利用し、試料表面の三次元構造を定量的に可視化する装置である。
【0018】
まず、樹脂層について説明する。
樹脂層は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を主成分として含有するが、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を混合した混合樹脂層であってもよいし、熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層と熱硬化性樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂層とを含む複数の層で構成されていてもよい。但し、複数の層で構成される場合、最上層は熱硬化性樹脂を主成分として含有する熱硬化性樹脂層である。また、これら混合樹脂層、熱可塑性樹脂層、熱硬化性樹脂層を組み合わせた層構成でもよいが、最上層には、混合樹脂層や熱硬化性樹脂層等の熱硬化性樹脂を含む層である。
【0019】
熱硬化性樹脂としては、ノボラック樹脂、変性ノボラック樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂等が用いることができるが、特にノボラック樹脂、変性ノボラック樹脂が好ましい。ノボラック樹脂、変性ノボラック樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アルキルベンゼン変性ノボラック樹脂、カシュー変性ノボラック樹脂、テルペン変性ノボラック樹脂等を例示することができる。
【0020】
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル、スチレン−メタクリル酸エステル等を用いることができるが、特にポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分と多価カルボン酸成分としては、下記のものが例示される。
【0021】
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAにオレフィンオキサイドを付加したモノマー等を用いることができる。
【0022】
多価カルボン酸成分としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデシルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの酸の低級アルキルエステル等を用いることができる。本発明に用いられるポリエステル樹脂は、上記多価アルコール成分の1種以上と多価カルボン酸成分の1種以上との重合により合成される。
【0023】
熱可塑性樹脂としては、一般にトナーの樹脂成分がポリエステル樹脂あるいはスチレン−アクリル樹脂が主に用いられていることから、トナーとの相溶性の高いものを選ぶことが好ましい。したがってポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等の中から目的に応じて1種或いは2種以上の混合物が使用することが好適である。
【0024】
熱可塑性樹脂の軟化点は85℃以下が好ましい。軟化点が85℃より高いと定着装置の熱による熱可塑性樹脂の軟化が起こりにくくなり、トナーを埋め込むことができず、高光沢な画像を形成することができないことがある。
【0025】
樹脂層には、目的に応じて顔料、導電剤、離型剤、硬化剤等を含有させることができる。その場合、樹脂層全質量に対し、主成分の樹脂量は80質量%以上であることが好ましい。さらに樹脂層は、温度28℃、相対湿度85%において、その表面電気抵抗が8.0×108Ω以上になるようにその組成を調整されたものが好ましい。
【0026】
樹脂層を上記混合樹脂層とする場合、熱硬化性樹脂の配合量は、熱可塑性樹脂に対して0.5から40質量部であることが好ましく、5から30質量部配合するのがより好ましい。0.5質量部未満では、樹脂層表面を十分に被覆することができず、ドキュメントオフセットに対する効果が得られないことがある。一方、40質量部より多く配合すると、熱硬化性樹脂の硬化が高くなりすぎて、トナーが樹脂層に埋まりこめなくなり、高光沢な画像を得ることができないことがある。
【0027】
樹脂層の厚さは、3から25μmであることが好ましい。より好ましくは5から15μmである。樹脂層の厚さが3μm未満ではトナーが完全に埋まりこまず、定着後の受像面の平滑性が悪化し高光沢画像が得られないことがある。一方、樹脂層の厚さが25μmより厚いと、樹脂層の軟化が起こりにくく、トナーの埋め込み性が悪くなることがある。
また、樹脂層を上記のように複数の層から構成させる場合、熱可塑性樹脂層の膜厚は、2〜15μmであることが好ましく、より好ましくは8〜12μmである。一方、熱硬化性樹脂層の膜厚は、1〜5μmであることが好ましく、より好ましくは1〜3μmである。これら、熱可塑性樹脂層及び熱硬化性樹脂層の総膜厚は、上記示した好適な樹脂層の厚さとなるようにすることが好適である。
【0028】
樹脂層の塗工には、一般に公知の塗被装置、例えば、リバースローラコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ等の装置が適宜用いられる。なお、樹脂層を塗工後に、必要に応じて平滑化処理を施してもよく、この平滑化処理は、例えば、通常のスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装置を用いて行われる。また、オフマシンを用いてもよく、この際は加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節することができる。
【0029】
次に、基材について説明する。
基材は、接着剤及び顔料を主成分とする顔料塗工層を基材用支持体の少なくとも一面に設けた構成であり、上述のようにその表面の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下であるが、好ましくは0〜1.5μmであり、さらに好ましくは0〜1.0μmである。本発明においては、基材表面の中心線平均粗さRa75とは、顔料塗工層が設けられた側の表面、即ち顔料塗光層表面の中心線平均粗さRa75を示す。
基材の表面が上記の規定外である場合、基材の表面が粗く、樹脂層を形成しても、転写シート表面を平滑にすることができず、熱硬化性樹脂を含有する層の表面に凹凸が残るため、高光沢画像を得ることができない。また、熱硬化時に凹凸が発生しやすくなる。
ここで、中心線平均粗さRa75とは、JIS B 0601−1982(ここではRaと表記)に基づく表面粗さの尺度であり、例えば、表面形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製)を使用し求めることができる。
【0030】
基材は、その表面の平滑度が200秒以上であることが好ましく、より好ましくは、500秒以上であり、さらに好ましくは1000秒以上である。本発明においては、基材表面の平滑度とは、顔料塗工層が設けられた側の表面、即ち顔料塗光層表面の平滑度を示す。
基材の表面が上記の規定外である場合、基材の表面が粗く、基材の表面粗さが塗工液を塗布後も影響し転写シート表面を平滑にすることができず、熱硬化性樹脂を含有する層の表面に凹凸が残るため、高光沢画像を得ることができないことがある。また、熱硬化時に凹凸が発生しやすくなる場合がある。
ここで、平滑度は、例えば、JAPAN TAPPI No,5に準じて、王研式透気度平滑度測定器(旭精工株式会社製)を用いて求めることができる。
【0031】
基材の中心線平均粗さRa75は、表面に平滑化処理を施すことで適宜制御することができる。この平滑化処理は、例えば、通常のスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装置を用いて行われる。また、オフマシンを用いてもよく、この際は加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節することができる。
【0032】
顔料塗工層について説明する。
顔料塗工層は、上述のように接着剤及び顔料を主成分として含む。
接着剤としては、水溶性及び/または水分散性の高分子化合物が好適に用いられ、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エ−テル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成高分子化合物等を用いることができる。そしてこれらの中から、電子写真用転写シートの品質目標に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂並びにそれらの微小中空粒子や貫通孔型の有機顔料等が挙げられ、これらの中から1種あるいは2種以上が用いられる。
【0033】
顔料塗工層において、接着剤の配合割合は、顔料100質量部に対して5〜50質量部の範囲内にあることが好ましい。それが5質量部未満では、得られた塗工層上に樹脂層を塗工する時に基材の表面が樹脂液によって侵されるため、良好な白紙光沢度を得ることが出来ないことがある。またそれが50質量部を越えると、顔料塗工層を塗工時に泡が発生し、塗工面にザラツキを生ずるため、良好な白紙光沢度が得られないことがある。
【0034】
顔料塗工層には、各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜使用することも可能である。
【0035】
顔料塗工層の塗工量については、本発明の受容紙の使用目的に応じて適宜に選択されるものであるが、一般的には、基材表面の凹凸を完全に覆う程度の量を使用することが好適であり、乾燥質量で8〜40g/m2であることが好ましい。顔料塗工層を形成する塗被方法としては一般に公知の塗被装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、ローラコータ、リバースローラコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーローラあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートローラコータ等が適宜用いられる。
【0036】
顔料塗工層は、基材の片面或いは両面に形成され、顔料塗工層は1層あるいは必要に応じて2層以上の中間層を設け、多層構造にすることも可能である。なお両面塗工、又は多層構造にする場合、各々の塗被液が同一また同塗工量である必要はなく、所要の品質レベルに応じて適宜調整して配合されればよい。
【0037】
なお、顔料塗工層を塗工された基材は、通常の乾燥工程や表面処理工程等において、水分含有量が3〜10質量%、より好ましくは4〜8質量%程度となるように調整して仕上げられることが好適である。
【0038】
基材用支持体について説明する。
基材用支持体としては、例えば、抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pHが約6の弱酸性乃至約9の弱アルカリ性にある中性抄紙等の紙基体が用いられる。抄紙方法については、一般の長網多筒式、丸網単筒式、ヤンキー等の抄紙機が適宜用いられる。また用途に応じて合成紙、不織布、合成樹脂フィルムも使用できる。また、基材用支持体に用いられるパルプとしては、ECFパルプ及び/又はTCFパルプの塩素フリーパルプが好ましく用いられ、また、古紙パルプを用いてもよい。
【0039】
基材用支持体の片面に顔料塗工層を設けた場合、裏面に合成樹脂層や接着剤と顔料等からなる塗工層又は帯電防止層等を設けて、カール発生防止、印刷適性付与、及び給排紙適性等を付与することも可能である。さらに基材用支持体の裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、各種の用途適性を付加することも勿論可能である。
【0040】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、被転写体として、上記本発明の電子写真用転写シートを用いることを特徴とする。本発明の画像形成方法のプロセスとしては、公知の画像形成工程、例えば、潜像担体上に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像する工程、現像されたトナー像を被転写体上に転写する工程、及び被転写体上のトナー像を定着する工程などを含むものを採用すればよい。
【0041】
本発明の画像形成方法に用いる定着装置としては、接触型熱定着装置が使用でき、例えば芯金上にゴム弾性層を有し、必要に応じて定着部材表面層を具備した加熱ローラと、芯金上にゴム弾性層を有し、必要に応じて定着部材表面層を具備した加圧ローラとからなる加熱ローラ定着装置や、そのローラとローラとの組み合わせ、ローラとベルトとの組み合わせ、ベルトとベルトとの組み合わせに代えた定着装置が使用できる。
【0042】
定着部材の基材(コア)には、耐熱性に優れ、変形に対する強度が強く、熱伝導性の良い材質が選択され、ローラ型の定着装置の場合には、例えばアルミ、鉄、銅等が選択され、ベルト型の定着装置の場合には、例えばポリイミドフィルム、ステンレス製ベルト等が選択される。ローラ型基材の表面には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等からなる弾性ゴム層を表面に設け、また加熱部材、加圧部材の表面へのトナーの付着あるいは受像シートにおける受像層の付着(いわゆるオフセット)を防止することを目的として離型性を付与してもよく、そのためには、加熱部材、加圧部材の一方あるいは両方の表面にポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の表面エネルギーの低く、かつ、耐熱性に優れた樹脂による被覆層を設けるとよい。加熱ローラ表面にはアミノ変性シリコンオイル、フルオロ変性シリコンオイル、フッ素オイル等の耐熱性に優れ、ローラ表面への濡れ性の優れる離型剤を塗布するとよい。加熱圧着における定着部材表面にオイル等の離型剤を塗布していない場合、樹脂層中に離型剤を配合するのが好ましい。
【0043】
定着部材は、目的に応じて各種の添加剤等を含有していてもよく、例えば、磨耗性向上、抵抗値制御等の目的でカーボンブラックや金属酸化物、SiCなどのセラミックス粒子等を含有してもよい。
【0044】
さらに、本発明の画像形成方法は、定着工程を1回に限定するものではなく、2回以上行うことが好ましい。2回以上の定着を行う場合、例えば定着装置を並べて使用してもよい。最初の定着装置およびその後に設置される定着装置は、加圧ローラとからなる加熱ローラ定着装置や、そのローラとローラとの組み合わせを、ローラとベルトとの組み合わせ、ベルトとベルトとの組み合わせに代えた定着装置であり、目的に応じこれらの定着装置の設置位置を組み合わせることができる。また、定着工程を複数回行う場合、最終定着工程で熱硬化性樹脂が硬化するように定着装置の温度を設定するのが好ましい。
【0045】
本発明の画像形成方法では、トナー定着後の被転写体の20度白紙光沢度(JIS Z 8741)が40%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上になるように定着がなされることが好ましい。このようにトナー定着後の被転写体の20度白紙光沢度(JIS Z 8741)を40%とする方法としては、例えば、上述のような定着工程を2回以上行うこと、等が好適に挙げられる。
【0046】
以下、図面を参照しつつ本発明の画像形成方法について詳述する。但し、本発明はこれらに限定されるわけではない。
図1は本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、感光体11を備え、感光体11の周りには、ローラ型帯電器12、露光装置13、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各現像剤を搭載した現像器14a、14b、14c、14dを内臓した現像装置14、ベルト状の中間転写体15、クリーナー16、及び光除電器17を、この順序で配置されている。中間転写体15は、支軸ローラー18a、18b、18cとで張架されている。支軸ローラー18aは、中間転写体15を介して、感光体11と圧接している。支軸ローラー18cは、中間転写体15を介して、転写用ローラ19で圧接されている。また、転写用ローラ19により被転写体7に転写されたトナー像を定着させる加熱ローラ1と加圧ローラ2からなる加熱ローラ定着装置を備える。
【0047】
図1に示す画像形成装置では、以下のように画像が形成される。帯電器12により帯電させた感光体11を露光装置13により、シアン、マゼンタ、イエローの各画像情報に基づいて露光して感光体11上に潜像を形成させる。この感光体11上の潜像は、現像装置14に内蔵された現像器14a、14b、14c、14dにてそれぞれ現像されトナー像が形成される。現像されたトナー像は、ベルト状の中間転写体15上に転写される。中間転写体15上のトナー像は、中間転写体15の矢印P方向への進行に伴い、支軸ローラー18cと中間転写体15を介して圧接されている転写用ローラ19との間まで移動する。中間転写体15上のトナー像が、支軸ローラー18cと中間転写体15を介して圧接されている転写用ローラ19との間(ニップ部)を通過する際、該ニップ部に挿通された被転写体7上に転写される。被転写体7上に転写されたトナー像は、被転写体7を加熱ローラ1と加圧ローラ2との間を通過させることにより被転写体7上に定着され(定着工程)、画像が形成される。なお、感光体11上のトナー像を被転写体20に転写した後、感光体11上に残存したトナー像はクリーナー16よって除去され、感光体11上に残存した残留電荷は光除電器17によって除電され、次の画像形成に備える。
【0048】
ここで、図2を参照しつつ定着工程についてさらに詳記する。図2に示す加熱圧着定着装置は、定着部材がローラ形状を有する装置であり、加熱ローラ1と、これに対向配置された圧着ローラ2と、加熱ローラ1を加熱するための加熱源3と、単層又は積層構造の弾性層5と、定着部材表面層4とを有してなる。トナー像6が形成された被転写体7が圧着ローラ2と加熱ローラ1との間を通過する際に、加熱、加圧されて画像の定着が行われる。また、加熱ローラ1の表面付近には、オイル塗布ローラ8を備え、このオイル塗布ローラ8は加熱ローラ1と圧着ローラ2にオイルを塗布することにより剥離性を付与している。
【0049】
図2に示す加熱圧着定着装置は、必要に応じてさらに、加熱ローラ1の表面に付着したトナーを除去するためのクリーニング部材、圧着ローラ2を加熱するための加熱源3、記録材を加熱ローラ1から剥離させる爪(フィンガー)などを有していてもよい。なお、図2に示す加熱圧着定着装置における加熱源3は、温度制御装置(図示せず)により制御されている。
【0050】
加熱ローラ1及び圧着ローラ2には、単層又は積層構造の弾性層5を備えるが、この弾性層5の厚みとしては、0.1〜3mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。弾性層5には、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムが用いられ、そのゴム硬度は、60以下が好ましい。定着部材が弾性層5を有すると、被転写体7上のトナー画像6の凹凸に追従して前記定着部材が変形し、定着後における画像表面の平滑性を向上させることができる点で有利である。なお、弾性層の厚みが3mmを越えて厚すぎると、定着部材の熱容量が大きくな易く、定着部材を所望の温度まで加熱するのに長い時間を要する場合がある上、消費エネルギーも増大してしまうことがあるので好ましくない。また、弾性層の厚みが0.1mm未満で薄すぎると、定着部材の変形がトナー画像の凹凸に追従できなくなり、溶融ムラが発生することがあり、また、剥離に有効な弾性層の歪みが得られない場合があるので好ましくない。
【0051】
【実施例】
下記に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが,勿論、本発明の範囲はそれらにより限定されるものでない。なお実施例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、「質量部」及び「質量%」を示す。また、実施例で行った各種測定方法は、以下の通りにして行った。
〔坪量測定方法〕
JIS P 8124の方法により測定した。
〔平滑度の測定方法〕
JAPAN TAPPI No,5に準じ、王研式透気度平滑度測定器(旭精工株式会社製)を用いて測定した。
〔中心線平均粗さの測定方法〕
表面形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製)を使用し中心線平均粗さRa75を測定した。
【0052】
(実施例1)
予め顔料と接着剤とからなる顔料塗工層が設けられた基材として、市販の坪量127.9g/m2のキャストコート紙(ミラーコートプラチナ、王子製紙株式会社製:基材の光沢面(顔料塗工層面)の平滑度8000秒、中心線平均粗さRa750.5μm)を用い、基材の光沢面(顔料塗工層面)に、下記組成に従って調整した樹脂層用塗工液をバーコータにより10g/m2(絶乾質量:厚さ0.5μm)となるように塗工し、坪量138g/m2の電子写真用転写シートを得た。
〔樹脂層組成〕
・熱可塑性樹脂:ポリエステル樹脂 ・・・100質量部
(TP220、日本合成化学社製:Tg70℃)
・熱硬化性樹脂:テルペン変性ノボラック樹脂 ・・・18質量部
(PR−12603、住友デュレズ社製)
【0053】
得られた電子写真転写シートに図1に示した画像形成装置を用いて未定着画像を作成した。作成した未定着画像は、網点面積率100%部分のトナー量が0.7mmg/cm2となるように画像形成装置を調整し、イエロー、マゼンタ、シアンの1次色、レッド、ブルー、グリーンの2次色およびイエロー、マゼンタ、シアンからなる3次色を有し、かつ網点面積率が0〜100%まで振れているもの採用した。そして以下のようにして未定着画像を定着した。
【0054】
未定着画像は、図2に示した定着装置を用いて、定着圧力を4kg/cm2、加熱ローラ(1)の表面温度を170℃、圧着ローラ(2)の表面温度を150℃、定着速度60mm/secとして定着し、定着画像を得た。
【0055】
(実施例2)
樹脂層組成において、テルペン変性ノボラック樹脂の配合量を24質量部とする以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
【0056】
(実施例3)
樹脂層組成において、熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂(TP217、日本合成化学社製:Tg40℃)100質量部用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
【0057】
(実施例4)
樹脂層の塗工量を20g/m2(絶乾質量)とし、得られた転写シートの坪量を148g/m2とした以外は、実施例3と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
【0058】
(実施例5)
定着工程を2回行うこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
【0059】
(実施例6)
図2に示す定着装置のオイル塗布ローラ(8)を取り除き、加熱ローラ(1)、圧着ローラ(2)にオイルを塗布しない状態の定着装置を用い、さらに樹脂層に離型剤としてカルナバワックス(東亜化成株式会社製)5質量部を使用する以外は、実施例2と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
【0060】
(実施例7)
樹脂層として、熱可塑性樹脂(ポリエステル樹脂:TP220、日本合成化学社製)を含む熱可塑性樹脂層用塗工液を調整し、厚さ13μmとなるように熱可塑性樹脂層を塗工し、さらに熱可塑性樹脂層上に、熱硬化性樹脂(テルペン変性ノボラック樹脂:PR−12603、住友デュレズ社製)を含む熱硬化性樹脂層用塗布液を調整し、厚さ2μmとなるように熱可塑性樹脂層を塗工した以外は、実施例1と同様にして電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
(実施例8)
下記組成の樹脂層用塗工液を調整し、樹脂層を塗工する以外は実施例2と同様にして電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
〔樹脂層組成〕
・熱可塑性樹脂:ポリエステル樹脂 ・・・100質量部
(TP220、日本合成化学社製)
・熱硬化性樹脂:エポキシ樹脂 ・・・24質量部
(EP−4900、旭電化工業株式会社製)
【0061】
(比較例1)
下記組成の樹脂層用塗工液を調整し、樹脂層を塗工する以外は実施例1と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
〔樹脂層組成〕
・熱可塑性樹脂:ポリエステル樹脂 ・・・100質量部
(TP220、日本合成化学社製)
【0062】
(比較例2)
比較例1と同様にして電子写真用転写シートを作製し、図2に示す定着装置の加熱ローラ(1)と圧着ローラ(2)の温度を140℃とし定着画像を得た。
【0063】
(比較例3)
樹脂層の塗工量を1g/m2(絶乾質量)とし、得られた転写紙の坪量を129g/m2とした以外は、比較例1と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
【0064】
(比較例4)
予め顔料と接着剤とからなる顔料塗工層が設けられた基材として、市販の坪量127.9g/m2の上質紙(OKプリンス、王子製紙株式会社製)に顔料塗工層として、炭酸カルシウム[ソフトン1200:白石カルシウム社製]80質量%、カオリン[ULTRA COTE:ENGELLHARD社製]20質量%、ラテックス[JSR0696:JSR社製]10質量%、及びデンプン[エース A:王子コーンスターチ社製]5質量%を含む顔料塗工層用塗工液を塗工量7g/m2でバーコータで塗工したもの(基材の光沢面(顔料塗工層面)平滑度50秒、中心線平均粗さRa752.5μm)を用いた以外は、比較例1と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
【0065】
(比較例5)
熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂(T2716、日本合成化学社製)100質量部を用い、さらに定着工程を2回行うこと以外は、比較例1と同様にして、電子写真用転写シートおよび定着画像を得た。
【0066】
(品質評価)
実施例及び比較例で得られた電子写真用転写シートおよび定着画像について、以下に示す評価を行った。結果を表1に示す。
【0067】
〔白紙光沢度(グロス)〕
JIS Z 8741の方法に基づき、光沢測定器(GM−26D型、株式会社 村上色彩研究所製)を使用し、定着後白紙面について入射角と受光角が20度の条件で光沢度を測定した。
【0068】
〔画像光沢の均一性評価〕
実施例および比較例で得られた画像面の画像光沢の均一性を目視により評価し、光沢の状態の程度を下記の評価基準で目視評価した。
◎:光沢のむらがなく極めて優れている。実用上問題なく、品質も優れている。
○:光沢のむらが殆どなく良好である。実用上問題ない。
△:光沢のむらがあり僅かに劣っている。実用上問題ある。
×:光沢のむらが多く劣っている。実用上問題あり、品質も著しく劣っている。
【0069】
〔耐ドキュメントオフセット性の評価〕
実施例および比較例で得られた画像の画像部分と白紙部分を用いて、以下のような重ね合わせパターンを作成し、55℃30%RHおよび60℃30%RH環境下で、荷重40g/cm2の条件で1週間保管したのちの画像および白紙部欠陥について以下の基準で評価した。
−画像の重ね合わせパターン−
■白紙部×白紙部、■ベタ画像×白紙部、■ベタ画像×ベタ画像、
■ベタ画像×白紙の裏、■白紙部×白紙の裏
−画像欠損評価基準−
◎:ベタ画像あるいは白紙部で欠損もなく、光沢感も低下していない。実用上問題無く、品質も優れている。
○:ベタ画像あるいは白紙部で欠損はないが、わずかに光沢感が低下している。実用上問題無い。
△:ベタ画像あるいは白紙部で欠損はないが、光沢感が低下している。実用上問題ある。
×:ベタ画像あるいは白紙部で欠損が発生している。実用上問題あり、品質も著しく劣っている。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、高光沢・高品位の画像を形成することができ、且つ耐ドキュメントオフセット性に優れた電子写真用転写シートおよび画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の画像形成方法に用いる加熱圧着定着装置の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 加熱ローラ
2 圧着ローラ
3 加熱源
4 定着部材表面層
5 弾性層
6 トナー像
7 被転写体(転写シート)
8 オイル塗布ローラ
11 感光体
12 ローラ型帯電器
13 露光装置
14 四色現像器(14a、14b、14c、14d)
15 中間転写体
16 クリーナー
17 光除電器
18 支軸ローラ(18a、18b、18c)
19 転写用ローラ
20 被転写体(転写シート)
Claims (6)
- 接着剤及び顔料を主成分とする顔料塗工層を少なくとも一面に有する基材と、前記顔料塗工層上に設けられた熱可塑性樹脂及び熱硬化可能な熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、を有し、且つ前記基材における顔料塗工層表面の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下であり、
前記樹脂層の厚みが、10〜20μmであり、
前記樹脂層が、少なくとも、前記熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂層と、前記熱硬化性樹脂を主成分とする厚みが1〜3μmの熱硬化性樹脂層と、を含む2層から構成され、且つ前記熱硬化性樹脂層が最上層に有し、
前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
前記熱硬化性樹脂が、ノボラック樹脂、変性ノボラック樹脂、又はエポキシ樹脂であることを特徴とする電子写真用転写シート。 - 接着剤及び顔料を主成分とする顔料塗工層を少なくとも一面に有する基材と、前記顔料塗工層上に設けられた熱可塑性樹脂及び熱硬化可能な熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂層と、を有し、且つ前記基材における顔料塗工層表面の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下であり、
前記樹脂層の厚みが、10〜20μmであり、
前記樹脂層が、前記熱可塑性樹脂と、前記熱硬化性樹脂と、を混合してなる混合樹脂層であり、
前記混合樹脂層における前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記熱硬化性樹脂の配合量が0.5〜40質量部であり、
前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
前記熱硬化性樹脂が、ノボラック樹脂、変性ノボラック樹脂、又はエポキシ樹脂であることを特徴とする電子写真用転写シート。 - 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が85℃以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
- 潜像担体上に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像する工程、現像されたトナー像を被転写体に転写する工程、及び被転写体上のトナー像を加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法において、
前記被転写体が、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用転写シートであることを特徴とする画像形成方法。 - 前記定着工程を2回以上行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
- 前記定着工程が、定着後の前記被転写体の20度白紙光沢度が40%以上になるように行われることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成方法。
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