JP6124705B2 - 定着部材、像加熱定着装置および電子写真画像形成装置 - Google Patents

定着部材、像加熱定着装置および電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着部材、これを用いた像加熱定着装置および電子写真画像形成装置に関するものである。
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真画像形成装置には、像加熱定着装置が具備されているものがある。
ここで、像加熱定着装置とは、画像を担持した記録材を熱と圧力により加熱処理する装置である。そのような像加熱定着装置としては、記録材上の未定着トナー像を加熱処理して定着或いは仮定着させる定着装置が挙げられる。また、記録材に定着された画像を加熱処理して画像の光沢を増大させる光沢増大化装置、インクジェットで画像形成された記録材を加熱処理して乾燥させる装置等が挙げられる。
そして、像加熱定着装置には、シリコーンゴムと該シリコーンゴムに分散させられた熱伝導性フィラーを含む弾性層を有する定着部材が設けられている。定着部材としては定着ローラ、定着フィルム、加圧ローラなどが挙げられる。
熱伝導性フィラーとしては、アルミナや酸化亜鉛がよく用いられているが、これらの熱伝導性フィラーはいずれも不純物としてアルカリ金属イオンを含んでいる。
像加熱定着装置内の定着部材は、高温(一般的には、温度200℃〜250℃程度)に加熱れる。このときに弾性層中にシリコーンゴムと共にアルカリ金属イオン、特には、ナトリウムイオンが存在していると、シリコーンゴムの耐熱性に悪影響を与えることが知られている(特許文献1)。具体的には、シリコーンゴムの架橋部分の切断、および、切断部分の再結合などにより、シリコーンゴムの硬度が大きく変化してしまう。特に、弾性層の熱伝導性を高めるために、弾性層中におけるシリコーンゴムに対する熱伝導性フィラーの添加量を多くした場合に、弾性層の硬度の不安定性がより顕著となる。
特許文献1では、かかる課題に対して、ナトリウム含有量が少ない平均粒子径が1〜50μmの酸化亜鉛を熱伝導性フィラーとして配合することを提案している。
特開2006−336668号公報
しかしながら、特許文献1に提案されているような熱伝導性フィラーの使用はコストアップの原因となっていた。また、使用できる熱伝導性フィラーが限定されるという課題があった。
そこで、本発明の目的は、長期の使用によっても硬度が変化し難く、高い耐久性を有する定着部材を提供することにある。
また、本発明は、熱定着性が長期に亘って安定している像加熱定着装置、および、それを用いた電子写真画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、基材、弾性層及び表層をこの順に有し、該弾性層が、シリコーンゴムと、アルカリ金属イオンを含む熱伝導性フィラーと、リン酸基を分子内に有する化合物と、を含む定着部材が提供される。
また、本発明によれば、上記の定着部材と、該定着部材の加熱手段と、該定着部材に対向して配置された加圧部材とを具備している像加熱定着装置が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の像加熱定着装置を具備している電子写真画像形成装置が提供される。
本発明によれば、シリコーンゴムの熱劣化が生じにくく、高い耐久性を示す定着部材を得ることができる。また、本発明によれば、安定した熱定着性能を長期に亘って発揮し得る像加熱定着装置および電子写真画像形成装置を得ることができる。
本発明に係る定着部材の一態様である定着ベルトの概略断面図である。 本発明に係る像加熱定着装置の概略断面図である。 本発明に係る電子写真画像形成装置の概略断面図である。
シリコーンゴムと、アルカリ金属イオンを含む熱伝導性フィラーとを含む弾性層を備えた定着部材を長期に亘って使用した場合に、該弾性層の硬度が変化し、ひいては定着性能が変化してしまう原因は、以下のようなものであると考えられる。
すなわち、熱伝導性フィラー中に不純物として含まれているアルカリ金属イオン、具体的には、ナトリウムイオンは、高温に加熱された弾性層中で移動することによって、シリコーンゴムの分子鎖を切断し、弾性層中のシリコーンゴムを低分子化させる。一方、シリコーンゴムの分子鎖の切断がある程度進行すると、弾性層中では、切断されたシリコーンゴム同士が再結合する。このような、シリコーンゴムの低分子化と、低分子のシリコーンゴムの再結合とが、加熱された弾性層中で競争的に進行するため、弾性層の硬度が経時的に変動するものと考えらえる。
ここで、本発明者らは、弾性層中において、アルカリ金属イオンがシリコーン分子鎖と接する機会を減らすことで、弾性層中のアルカリ金属イオンの量を減らさなくても、シリコーンゴムの架橋構造を形成している分子鎖の切断を抑制できることを見出した。
具体的には、弾性層中にアルカリ金属イオンの捕捉サイトを設け、当該捕捉サイトにアルカリ金属イオンを捕捉させて、アルカリ金属イオンとシリコーンゴムとの接触機会を低減せしめることによって、シリコーンゴムの熱劣化を抑制できることを見出した。
(1)定着部材の構成;
図1は、本発明に係る定着部材の一態様である定着ベルトの概略断面図である。図1において、1は基材、2は基材1の周面を被覆している硬化シリコーンゴム弾性層、3はフッ素樹脂表層である。なお、本発明に係る定着部材は、定着ローラや加圧部材においても同様に適用可能である。
(2)基材;
基材としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどの金属や合金、ポリイミドなどの耐熱性樹脂が用いられる。定着部材がベルト形状を有する場合には、例えば電鋳ニッケルベルトやポリイミドなどからなる耐熱樹脂ベルト、ステンレス等からなる金属または合金ベルトが挙げられる。定着ローラや加圧ローラのように定着部材がローラ形状を有する場合には、芯金が用いられる。芯金の材質としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属や合金が挙げられる。また、硬化シリコーンゴム弾性層との接着のために、硬化シリコーンゴム弾性層形成に先立って、プライマー処理を施しても良い。
(3)弾性層およびその製造方法;
弾性層は、定着の際に、紙上のトナーを過度に押しつぶすことが無いように、定着部材に柔軟性を持たせるための機能を有する。そして、弾性層の主たる構成成分としては、耐熱性に優れたシリコーンゴムが用いられる。一方、弾性層には、基材から表層に向かってより良く熱を伝えるために、高い熱伝導性を有することが求められる。そのため、弾性層には、熱伝導性フィラーが含有させられている。
そして、弾性層の形成には、付加硬化型シリコーンゴム混合物が好適に用いられる。後述するフィラーの種類や添加量に応じて、その架橋度を調整することで、弾性を調整することができるからである。
(3−1)付加硬化型シリコーンゴム混合物;
一般的に、付加硬化型シリコーンゴム混合物には、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、および架橋触媒として白金化合物が含まれている。不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンの具体例としては以下のものが挙げられる。
・分子両末端が、(RSiO1/2で表され、中間単位が、(RSiO2/2またはRSiO2/2の少なくとも一方で表される構造を有する直鎖状オルガノポリシロキサン;
・分子両末端が、(RSiO1/2で表され、中間単位が、RSiO3/2またはSiO4/2の少なくとも一方で表される構造を有する分岐状ポリオルガノシロキサン。
ここでRはケイ素原子に結合した、脂肪族不飽和基を含まない1価の非置換または置換炭化水素基を表す。Rの具体例を以下に挙げる。
・アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等);
・アリール基(フェニル基等);
・置換炭化水素基(例えば、クロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−シアノプロピル、3−メトキシプロピル等)。
特に、合成や取扱いが容易で、優れた耐熱性が得られることから、Rの50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのRがメチル基であることが特に好ましい。また、Rはケイ素原子に結合した不飽和脂肪族基を表しており、ビニル、アリル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニルが例示され、合成や取扱いが容易で、架橋反応も容易に行われることから、ビニルが好ましい。
また、ケイ素原子に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは、白金化合物の触媒作用により、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のアルケニル基との反応によって架橋構造を形成させる架橋剤である。ケイ素原子に結合した水素原子の数は、1分子中に平均3個を越える数である。ケイ素原子に結合した有機基としては、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のRと同じ範囲である非置換または置換の1価の炭化水素基が例示される。特に、合成および取扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。
ケイ素原子に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量は特に限定されない。また、当該オルガノポリシロキサンの温度25℃における動粘度は、好ましくは10mm/s以上100,000mm/s以下、さらに好ましくは15mm/s以上1,000mm/s以下の範囲である。保存中に揮発して所望の架橋度や成形品の物性が得られないということがなく、また合成や取扱いが容易で、系に容易に均一に分散させることができるからである。
シロキサン骨格は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも差支えなく、これらの混合物を用いてもよい。特に合成の容易なことから、直鎖状のものが好ましい。Si−H結合は、分子中のどのシロキサン単位に存在してもよいが、少なくともその一部が、R HSiO1/2単位のような分子末端のシロキサン単位に存在することが好ましい。付加硬化型シリコーンゴム混合物としては、不飽和脂肪族基の量が、ケイ素原子1モルに対して0.1モル%以上2.0モル%以下、特には、0.2モル%以上1.0モル%以下が好ましい。
また、不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合が、0.3以上0.8以下となるような割合で配合されていることが好ましい。上記数値範囲内とすることで、硬化後のシリコーンゴム弾性層の硬度を安定なものとでき、また、硬度の過度の上昇を抑えられる。
不飽和脂肪族基に対する活性水素の数の割合は水素核磁気共鳴分析(例えば、H−NMR(商品名:AL400型 FT−NMR;日本電子株式会社製)を用いた測定により定量・算出することができる。
(3−2)フィラー;
本発明に係る弾性層は、弾性層に熱伝導性を付与するための熱伝導性フィラーを含む。また、本発明の効果を阻害しない限り、補強フィラー、加工性向上剤、耐熱剤、難燃剤、低硬度化剤等も含むことが出来る。
(3−2−1)熱伝導性フィラー
熱伝導性フィラーとしては、例えば、アルミナおよび酸化亜鉛のいずれか一方または両方を用いることができる。ここで、これらの熱伝導性フィラーは、不純物としてアルカリ金属イオン、特には、ナトリウムイオンを含む。これは製造段階で不可避的に含まるものである。
そして、このような熱伝導性フィラーを用いたシリコーンゴムとしては、ナトリウムイオン含有量はppmオーダーのものが一般的である。高熱伝導シリコーンゴム中のアルカリ金属イオンの含有量は、たとえば試験サンプルを熱湯中に入れて、溶けだしたイオンを液体クロマトグラフィーにより定量的に求めることができる。
熱伝導性フィラーの平均粒径は取り扱い上、および分散性の観点から1μm以上50μm以下が好ましい。また、形状は球状、粉砕状、針状、板状、ウィスカ状などが用いられるが、分散性の観点から球状のものが好ましい。ここで平均粒径とは、透過電子顕微鏡像から任意の熱伝導性フィラー400個の粒子径を実測し、個数平均径を算出したものである。粒子径としては、粒子の長軸を測定し、長軸/短軸比が2以上の場合にはその平均値をもって測定値とし、これらの値から算出する。
前記高熱伝導シリコーンゴムにおける熱伝導性フィラーの含有量は、その目的を充分に達成させるために、硬化シリコーンゴム弾性層基準で35体積%以上60体積%以下の範囲で含有させることが好ましい。
(3−2−2)その他のフィラー
フィラーとしては、上記成分以外にもその目的に応じて従来から一般的に用いられているものを、本発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。そのようなフィラーの例を以下に挙げる。
粉砕石英、珪藻土などのシリカ系充填剤や加工性向上のための加工助剤;
各種添加剤;
金属酸化物(例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化クロム等);
顔料、耐熱剤、難燃剤、ジメチルシリコーンオイルなどの低硬度化剤等。
(3−3)リン酸基を分子内に有する化合物;
本発明に係る弾性層は、硬化したシリコーンゴムが、弾性層中に含まれるアルカリ金属イオンの作用によって熱劣化することを抑制するために、リン酸基を分子内に有する化合物(以降、単に「リン酸化合物」ともいう)を更に含む。リン酸化合物が、弾性層中のアルカリ金属イオン、特には、ナトリウムイオンを捕捉し、ナトリウムイオンによるシリコーンゴムの分子鎖の切断を抑制する。
定着時の弾性層の温度は、200℃以上となる。従って、本発明に係るリン酸化合物は、温度220℃以上、好ましくは温度250℃以上に加熱された場合にも分解しないものが好ましい。このようなリン酸化合物としては、リン酸ジルコニウム、および、リン酸基が結合したフッ素樹脂が挙げられる。
リン酸基が結合したフッ素樹脂とは、リン酸基を含む基が結合したフッ素樹脂のことであり、特表2002―514181号公報、特許第2882579号公報、特開2005―212318号公報に例示されるものである。
フッ素樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン(TFE)と少なくとも1種のフッ素置換コモノマーとを、従来公知の方法で共重合させて得られる共重合体を挙げることができる。フッ素置換コモノマーとしては、炭素原子数が3以上8以下のパーフルオロアルキルビニル、及びアルキル基の炭素原子数が1以上5以下のパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)を挙げることができる。
リン酸基を有するフッ素樹脂は、たとえば重合によってフッ素樹脂を製造する際に、官能基単位を含有するペンダント型側基を有するフッ素化モノマーを共重合させることによって得ることができる。リン酸基を有するフッ素化モノマーの好ましい例として、トリフルオロビニルエーテル基を有するリン酸二水素エステル化合物を挙げることができる。
その具体例として、リン酸二水素2,2,3,3,5,6,6,8,9,9−デカフルオロ−5−トリフルオロメチル−4,7−ジオキサノナ−8−エン−1−イル(EVE−P)を挙げることができる。また、リン酸二水素2,2,3,3,4,4,6,7,7−ノナフルオロ−5−オキサヘプタ−6−エン−1−イルを挙げることができる。
本発明にかかるリン酸基を有するフッ素樹脂は、前記リン酸基を有するフッ素化モノマーと、TFEと、少なくとも1種のフッ素置換コモノマーとを、従来公知の方法で共重合させて得ることができる。
なお、リン酸基を有するTFEと、少なくとも1種のフッ素置換コモノマーとを、従来公知の方法で共重合させて得ることもできる。特に、リン酸基を有するテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体は、耐熱性に優れることから好適に用いられる。
リン酸基を有するフッ素樹脂の融点は温度220〜300℃、好ましくは温度250〜300℃である。そのために、アルキルビニルエーテル成分又はアルキルビニル成分の割合は共重合体樹脂に対して3モル%以上12モル%以下、好ましくは3モル%以上10モル%以下の範囲にある。またリン酸基の量は混合物に対して0.02モル%以上5モル%以下、好ましくは0.1モル%以上2.5モル%以下のものが使用される。配合量としては、その目的を充分に達成するためには高熱伝導シリコーンゴム中に0.2質量%以上10質量%以下、好ましくは0.5質量%以上5質量%以下入れることが望ましい。
(3−4)弾性層の厚さ;
定着部材が定着ベルトである場合には、表面硬度への寄与、及び定着時の未定着トナーへの熱伝導の効率から、硬化シリコーンゴム弾性層の厚みは100μm以上500μm以下、特には200μm以上400μm以下が好ましい。
定着部材が定着ローラである場合には、トナーを定着させるために十分なニップ幅を得るローラ硬度への寄与、及び未定着トナーへの熱伝導の効率から、硬化シリコーンゴム弾性層の厚みは0.5mm以上5mm以下、特には2mm以上4mm以下が好ましい。
定着部材が加圧ローラである場合には、トナーを定着させるために十分なニップ幅を得ることができれば任意の厚みで良く、一般的には0.5mm以上4mm以下である。
(3−5)弾性層の製法;
硬化シリコーンゴム弾性層は、公知の方法で形成することができる。リングコート法や注型法等によって、基材上に塗膜を形成し、電気炉などの加熱手段によって一定時間加熱して、架橋反応を進行させることにより、硬化シリコーンゴム弾性層とすることができる。
(4)表層
(4−1)フッ素樹脂プライマー
フッ素樹脂を含む表層と硬化シリコーンゴム弾性層の接着のために、この2層の間にプライマー層を設けても良い。さらに、フッ素樹脂プライマー塗布に先だって、硬化シリコーンゴム弾性層表面にUV処理やシランカップリング剤処理をおこなうこともできる。
(4−2)表層
フッ素樹脂を含む表層は公知の方法で形成することができる。具体的には、以下の方法が挙げられる。
・押し出し成型によって形成したフッ素樹脂チューブで、基材としての軸芯体の周面に形成した弾性層の周面を被覆する方法;
・フッ素樹脂粒子をスプレー等で塗布して弾性層の表面に付着させ、該フッ素樹脂粒子を熔融させて膜化する方法。
フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等を用いることができる。上記例示列挙した材料中、成形性やトナー離型性の観点からPFAが好ましい。また、上記列挙した材料を2種類以上ブレンドして使用しても良く、本発明の効果を阻害しない限り、添加物を加えても良い。
表層の厚みは、5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上30μm以下とするのが好ましい。
(5)像加熱定着装置
図2は、本発明に係る定着部材を用いた像加熱定着装置の断面概略構成図である。図2の4はシームレス形状の定着ベルトである。
この定着ベルト4を保持するために耐熱性・断熱性の樹脂によって成型された、ベルトガイド部材5が形成されている。このベルトガイド部材5と定着ベルト4の内面とが接触する位置に熱源としてのセラミックヒータ6を具備する。セラミックヒータ6はベルトガイド部材5の長手方向に沿って成型具備された溝部に嵌入して固定支持されており、不図示の手段によって通電され発熱する。定着ベルト4はベルトガイド部材5にルーズに外嵌させてある。加圧用剛性ステイ7はベルトガイド部材5の内側に挿通してある。
加圧部材としての弾性加圧ローラ8はステンレス芯金8aにシリコーンゴムの弾性層8bを設けて表面硬度を低下させたものである。芯金8aの両端部を不図示の手前側と奥側のシャーシ側板との間に回転自由に軸受け保持させて、定着部材に対向して配設してある。弾性加圧ローラ8は、表面性及び離型性を向上させるために表層8cとして、50μmのフッ素樹脂チューブが被覆されている。
加圧用剛性ステイ7の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材(不図示)との間にそれぞれ加圧バネ(不図示)を縮設することで、加圧用剛性ステイ7に押し下げ力を付与している。これによってベルトガイド部材5の下面に配設した加熱手段であるセラミックヒータ6の下面と弾性加圧ローラ8の上面とが定着ベルト4を挟んで圧接して所定の定着ニップ部9が形成される。この定着ニップ部9に、未定着トナーTによって画像が形成された、被加熱体となる記録媒体Pを挟持搬送させる。これにより、トナー像を加熱、加圧する。その結果、トナー像は溶融・混色、その後、冷却されることによって記録媒体Pの上にトナー像が定着される。
(6)電子写真画像形成装置
電子写真画像形成装置の全体構成について概略説明する。図3は本発明に係る電子写真画像形成装置の一形態に係るカラーレーザープリンタの概略断面図である。図3に示したカラーレーザープリンタ(以下「プリンタ」と称す)100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとに一定速度で回転する電子写真感光体ドラム(以下「感光体ドラム」と称す)を有する画像形成部を有する。
また、画像形成部で現像され多重転写されたカラー画像を保持し、給送部から給送された記録媒体Pにさらに転写する中間転写体10を有する。感光体ドラム11(11Y,11M,11C,11K)は、駆動手段(不図示)によって、図3に示すように反時計回りに回転駆動される。
感光体ドラム11の周囲には、その回転方向にしたがって順に、感光体ドラム11の表面を均一に帯電する帯電装置12(12Y,12M,12C,12K)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し、感光体ドラム11の上に静電潜像を形成するスキャナユニット13(13Y,13M,13C,13K)、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像ユニット14(14Y,14M,14C,14K)、感光体ドラム11の上のトナー像を一次転写部T1で中間転写体10に転写させる一次転写ローラ15(15Y,15M,15C,15K)、転写後の感光体ドラム11の表面に残った転写残トナーを除去するクリーニングブレードを有するユニット16(16Y,16M,16C,16K)が配置されている。
画像形成に際しては、ローラ17,18,19に張架されたベルト状の中間転写体10が回転するとともに各感光体ドラムに形成された各色トナー像が前記中間転写体10に重畳して一次転写されることでカラー画像が形成される。
中間転写体10への一次転写と同期するように搬送手段によって記録媒体Pが二次転写部T2へ搬送される。搬送手段は複数枚の記録媒体Pを収納した給送カセット20、給送ローラ21、分離パッド22、レジストローラ対23を有する。画像形成時には給送ローラ21が画像形成動作に応じて駆動回転し、給送カセット20の中の記録媒体Pを一枚ずつ分離し、前記レジストローラ対23によって画像形成動作とタイミングを合わせて二次転写部T2へ搬送する。
二次転写部T2には移動可能な二次転写ローラ24が配置されている。二次転写ローラ24は、略上下方向に移動可能である。そして、像転写に際しては記録媒体Pを介して中間転写体10に所定の圧で押しつけられる。このとき同時に二次転写ローラ24にはバイアスが印加され中間転写体10の上のトナー像は記録媒体Pに転写される。
中間転写体10と二次転写ローラ24とはそれぞれ駆動されているため、両者に挟まれた状態の記録媒体Pは、図3に示す左方向に所定の速度で搬送され、更に搬送ベルト25により次工程である定着部26に搬送される。定着部26では熱及び圧力が印加されて転写トナー像が記録媒体Pに定着される。その記録媒体Pは排出ローラ対27によって装置上面の排出トレイ28の上へ排出される。
そして、図2に示した、本発明に係る定着装置を、図3に示した電子写真画像形成装置の定着部26に適用することにより、電子写真画像の品質維持に好適な電子写真画像形成装置を得ることができる。
実施例を用いてより具体的に本発明を説明する。なお、以下の実施例で使用した定着部材とは図2に示したような定着ベルトである。
(実施例1)
下記の材料(a)および(b)を配合し、触媒量の白金化合物を加えて、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物を得た。
(a)1分子中にビニル基を少なくとも2個以上有する、ビニル化ポリジメチルシロキサン(質量平均分子量100000(ポリスチレン換算));
(b)1分子中にSi−H結合を少なくとも2個以上有する、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン(質量平均分子量1500(ポリスチレン換算))。
(1)リン酸基を有するフッ素樹脂の調製;
容積4リットル、横型攪拌羽根が取り付けられたステンレス製の重合容器に、パーフルオロオクタン酸アンモニウム4.9gを加えた純水2.2Lを入れた。重合容器内から酸素を除去し、また、重合容器内の温度を85℃に維持した。この重合容器内に容器内圧力に対して差圧(pressure difference)0.03MPaでエタンを加えた。次にプレチャージ分としてパーフルオロエチルビニルエーテルを104g加え、テトラフルオロエチレンを加えて重合容器内の圧力を2.06MPaに上昇させた。
ここに過硫酸アンモニウム69mgを水に溶かして加えた。圧力が0.03MPa低下したところから、テトラフルオロエチレンで2.06MPaに保ちつつ過硫酸アンモニウムとパーフルオロエチルビニルエーテルを重合容器に連続的に注入しながら重合反応を進行させた。
重合は、温度85℃、圧力2.06MPaの下で行った。反応開始から110分経過後、0.6質量%のリン酸二水素2,2,3,3,5,6,6,8,9,9−デカフルオロ−5−トリフルオロメチル−4,7−ジオキサノナ−8−エン−1−イルの水溶液(以下、「EVE−P水溶液」ともいう。)を26ml/min.の速度で10分間加えた。EVE−P水溶液を加え終わると同時に攪拌を停止し、反応を終了させた。
反応中に追加した過硫酸アンモニウムは100mg、パーフルオロエチルビニルエーテルは84gであった。
重合容器内から重合残ガスを除去後、重合容器を開き、約30質量%の固形分を含む白濁分散液を得た。この白濁分散液に含まれる固体を凍結凝集させた後、水およびアセトンで洗浄し、乾燥してリン酸基が結合したPFAを得た。
(2)シート形状のシリコーンゴム硬化物の調製;
この付加硬化型シリコーンゴム混合物100質量部に対し、熱伝導性フィラーとして真球状アルミナ(商品名:アルナビーズCB−A10S、昭和電工(株)社製、ナトリウム濃度=400ppm)を300質量部、上記(1)で調製した、リン酸基を有するPFAを16質量部配合し、混練した。これを、弾性層形成用原料混合物1と称する。
この弾性層形成用原料混合物1を、温度130℃、15分間の条件下で、厚さ2mmのシートにプレス成型し、その後、温度200℃に設定した電気オーブン中で4時間加熱し、厚さ2mmのシート形状のシリコーンゴム硬化物を得た。こうして得たシリコーンゴム硬化物を、以下、「シート形状のシリコーンゴム硬化物」とも記載する。シート形状のシリコーンゴム硬化物を用いて以下の評価試験1を行った。
(2)定着ベルトの調製;
基材として、内径30mm、幅400mm、厚さ40μmのニッケル電鋳製のエンドレスベルトを用意した。このエンドレスベルトの外周面をプライマーで処理した、
エンドレスベルトのプライマーで処理した外周面に、上記(1)で調製した弾性層形成用原料混合物1を、リングコート法を用いて、厚さ300μmに塗布した。
次いで、当該エンドレスベルトを、温度130℃に設定した電気炉中で15分間加熱した。引き続いて、温度200℃に設定した電気炉中で4時間加熱して、付加硬化型シリコーンゴム混合物中のオルガノポリシロキサンを反応させて、シリコーンゴム弾性層を形成した。
その後、シリコーンゴム弾性層の表面に、フッ素樹脂プライマーを塗布し、次いで、内面をエッチング処理した厚さ20μmのPFAチューブを被せた。そして、該フッ素樹脂プライマーを硬化させて本実施例に係る定着ベルトを調製した。
<評価試験1;密封老化試験>
本評価試験においては、定着部材の弾性層の熱による劣化の状況を、上記(1)で調製したシート形状のシリコーンゴム硬化物を用いて評価した。
ところで、基材、弾性層および表層がこの順に積層されてなる定着部材における弾性層は、像加熱定着装置に組み込まれて稼働している状態においては、基材と表層とに挟まれている。そのため、酸素の供給が制限された環境下で、200℃以上に加熱された状態が長期に亘って継続する。
ここで、酸素は、シリコーンゴムの架橋構造の切断部分に入り込むことで、切断されたシリコーンゴムの架橋構造の再生に寄与する。従って、酸素の供給が制限された状態で加熱されるシリコーンゴム弾性層は、酸素原子の入り込みによる新たな架橋構造の形成が生じにくいため、硬度の変化が特に大きくなる。
そこで、シリコーンゴム弾性層に対する酸素の供給が制限されることとなる実使用時におけるシリコーンゴム弾性層の硬度変化を評価する。そのために、本評価試験においては、弾性層から切り出したシリコーンゴム硬化物のサンプルをアルミ箔にて包み、空気の流入を制限した状態にて高温環境下に暴露することとした。
具体的には、先に調製したシート形状のシリコーンゴム硬化物から、縦20mm×横20mmのサイズにカットし、2枚に重ねた評価サンプルを多数用意した。これらの各々を、厚さ20μmのアルミ箔を用いて密封した。これを温度230℃に設定した電気オーブン中に入れて加熱し、加熱時間に応じて、各評価サンプルのマイクロ硬度を、マイクロゴム硬度計(商品名:MD−1 capa タイプC;高分子計器株式会社製)を用いて測定した。なお、マイクロ硬度の測定は、電気オーブン投入(加熱)前、電気オーブン投入後1時間、5時間、10時間、20時間、30時間、50時間、70時間、100時間、150時間、200時間、250時間の各評価サンプルのものに対して行った。
その結果、加熱による軟化は、電気オーブン投入直後から顕著に表れ、概ね100時間以内にもっとも硬度が低くなった。その後は、架橋構造の切断部分同士の結合による硬化が優勢に進行し、マイクロ硬度は上昇に転じた。
本評価においては、電気オーブン投入前の評価サンプルの値(初期値)と、マイクロ硬度の値が最も低い評価サンプルの値とを用いて、下記計算式に従って、最大硬度低下率を算出した。結果を、表2にまとめて示す。
最大硬度低下率=[(加熱前のマイクロ硬度―加熱後のマイクロ硬度)/加熱前のマイクロ硬度]×100
<評価試験2:定着部材としての耐久試験>
本評価試験は、上記(2)で調製した定着ベルトを電子写真画像形成装置に装着して、当該定着ベルトの耐久性を評価するものである。
上記(2)で得た定着ベルトを組み込んだ、図2に示す像加熱定着装置を、白黒レーザープリンタ(商品名:Laserjet
P4515、HP社製)に装着した。このレーザープリンタを用いて、A4サイズの紙(商品名:PB PAPER GF−500、キヤノン株式会社製、68g/m)上に、ハーフトーン画像を連続出力した。なお、画像の解像度は600dpiとした。また、ここで出力したハーフトーン画像は、感光体の回転方向に直交する方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を形成したものである。そして、評価は、得られたハーフトーン画像について、目視で、定着ベルトの表面に生じたしわ等に起因する濃度ムラの有無を観察し、当該画像ムラが最初に発現したハーフトーン画像の枚数を記録した。
その結果、本実施例においては、1万5000枚の画像形成後においても、定着ベルトの表面に「しわ」の発生は認めらえず、それに起因するハーフトーン画像への濃度ムラの発生は認められなかった。
(実施例2)
弾性層形成用原料混合物中のリン酸基が結合したフッ素樹脂の添加量を8質量部に変えたこと以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用原料混合物2を調製した。
この弾性層形成用原料混合物2を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、シート形状のシリコーンゴム硬化物を調製し、評価試験1に供した。結果を表2にまとめて示す。
また、弾性層形成用原料混合物2を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にして定着ベルトを形成し、評価試験2に供した。
その結果、1万5000枚の画像形成後においても、定着ベルトの表面に「しわ」の発生は認めらえず、また、ハーフトーン画像への濃度ムラ等の発生も認められなかった。
(実施例3)
リン酸基が結合したフッ素樹脂をリン酸ジルコニウム(商品名:IXE−100、東亜合成(株)社製)に変えたこと以外は実施例1と同様にして弾性層形成用原料混合物3を調製した。
この弾性層形成用原料混合物3を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、シート形状のシリコーンゴム硬化物を調製し、評価試験1に供した。結果を表2にまとめて示す。
また、弾性層形成用原料混合物3を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にして定着ベルトを形成し、評価試験2に供した。その結果、1万5000枚の画像形成後においても、定着ベルトの表面に「しわ」の発生は認めらえず、また、ハーフトーン画像への濃度ムラの発生も認められなかった。
(実施例4)
リン酸ジルコニウムの添加量を6質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして弾性層形成用原料混合物4を得た。
この弾性層形成用原料混合物4を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、シート形状のシリコーンゴム硬化物を調製し、評価試験1に供した。結果を表2にまとめて示す。
また、弾性層形成用原料混合物4を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にして定着ベルトを形成し、評価試験2に供した。その結果、1万5000枚の画像形成後においても、定着ベルトの表面に「しわ」の発生は認めらえず、また、ハーフトーン画像への濃度ムラ等の発生も認められなかった。
(比較例1)
リン酸化合物を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして弾性層形成用原料混合物C−1を得た。
この弾性層形成用原料混合物C−1を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、シート形状のシリコーンゴム硬化物を調製し、評価試験1に供した。結果を表2にまとめて示す。
また、弾性層形成用原料混合物C−1を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にして定着ベルトを形成し、評価試験2に供した。その結果、7000枚目頃から定着ベルトの表面にしわの発生認められ、当該しわに起因する濃度ムラがハーフトーン画像に現われ始めた。
(比較例2)
リン酸基が結合したフッ素樹脂を、該リン酸基が結合したフッ素樹脂と同じ真密度であるフッ素樹脂(PFA)粉を16質量部配合したこと以外は実施例1と同じにして弾性層形成用原料混合物C−2を調製した。
この弾性層形成用原料混合物C−2を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、シート形状のシリコーンゴム硬化物を調製し、評価試験1に供した。結果を表2にまとめて示す。
また、弾性層形成用原料混合物C−2を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にして定着ベルトを形成し、評価試験2に供した。その結果、7000枚目頃から定着ベルトの表面にしわの発生認められ、当該しわに起因する濃度ムラがハーフトーン画像に現われ始めた。
(実施例5)
アルミナの代わりに、ナトリウム含有量が550ppmである酸化亜鉛を320質量部配合したこと以外は実施例1と同じにして弾性層形成用原料混合物5を得た。
この弾性層形成用原料混合物5を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、シート形状のシリコーンゴム硬化物を調製し、評価試験1に供した。その結果を表2に示す。
また、弾性層形成用原料混合物5を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にして定着ベルトを形成し、評価試験2に供した。その結果、1万5000枚の画像形成後においても、定着ベルトの表面に「しわ」の発生は認めらえず、また、ハーフトーン画像への濃度ムラの発生も認められなかった。
(実施例6)
リン酸基が結合したフッ素樹脂の添加量を8質量部にしたこと以外は実施例5と同様にして弾性層形成用原料混合物6を得た。
この弾性層形成用原料混合物6を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、シート形状のシリコーンゴム硬化物を調製し、評価試験1に供した。その結果を表2に示す。
また、弾性層形成用原料混合物6を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にして定着ベルトを形成し、評価試験2に供した。その結果、1万5000枚の画像形成後においても、定着ベルトの表面に「しわ」の発生は認めらえず、また、ハーフトーン画像への濃度ムラの発生も認められなかった。
(比較例3)
リン酸化合物を用いなかったこと以外は実施例5と同様にして弾性層形成用原料混合物C−3を得た。
この弾性層形成用原料混合物C−3を用いたこと以外は、実施例1の(1)と同様にして、シート形状のシリコーンゴム硬化物を調製し、評価試験1に供した。その結果を表2に示す。
また、弾性層形成用原料混合物C−3を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にして定着ベルトを形成し、評価試験2に供した。その結果、6000枚目頃から定着ベルトの表面にしわの発生認められ、当該しわに起因する濃度ムラがハーフトーン画像に現われ始めた。
上記実施例1〜5および比較例1〜3に係る熱伝導性フィラーおよびリン酸化合物について、表1にまとめた。
実施例1〜5および比較例1〜3に係るシート形状のシリコーンゴム硬化物についての評価試験1の結果を表2に示す。
以上の結果が示すように、各実施例ではその比較例よりも最大硬度低下率が抑制され、実機(カラーレーザービームプリンタ)に組み入れて使用した場合に画像不良やしわが発生していなかった。一方比較例では最大硬度低下率が大きく、実機における耐久試験で画像不良やしわが発生していた。これは密封老化試験の最大硬度低下率が大きいと、実機に入れて使用した場合、すなわち硬化シリコーンゴム弾性層においても硬度の低下率が大きいため、変形により定着ベルト表面にしわが入り、画像不良が発生したと考えられる。
1 基材
2 硬化シリコーンゴム弾性層
3 フッ素樹脂表層
4 定着ベルト
8 弾性加圧ローラ
26 定着部
100 プリンタ

Claims (11)

  1. 基材、弾性層及び表層をこの順に有する定着部材であって、
    該弾性層は、
    シリコーンゴムと、
    アルカリ金属イオンを含む熱伝導性フィラーと、
    リン酸基を分子内に有する化合物と、を含むことを特徴とする定着部材。
  2. 前記アルカリ金属イオンがナトリウムイオンである請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記リン酸基を分子内に有する化合物が、リン酸ジルコニウムである請求項1又は2に記載の定着部材。
  4. 前記リン酸基を分子内に有する化合物が、リン酸基が結合してなるフッ素樹脂である請求項1又は2に記載の定着部材。
  5. 前記リン酸基が結合してなるフッ素樹脂が、リン酸基を有する、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体である請求項4に記載の定着部材。
  6. 前記弾性層中における前記リン酸基を分子内に有する化合物の含有量が、前記弾性層中の前記シリコーンゴムに対して0.2質量%以上10質量%以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着部材。
  7. 前記熱伝導性フィラーが、アルミナおよび酸化亜鉛のいずれか一方または両方である請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着部材。
  8. 前記弾性層中における前記熱伝導性フィラーの含有量が、該弾性層に対して35体積%以上60体積%以下である請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着部材。
  9. 前記表層が、フッ素樹脂を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の定着部材。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の定着部材と、該定着部材を加熱する加熱手段と、該定着部材に対向して配置された加圧部材とを具備していることを特徴とする像加熱定着装置。
  11. 請求項10に記載の像加熱定着装置を具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。

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