JP2018120064A - 電子写真用部材及び定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着装置の立ち上がり時間を短縮し、かつ静電オフセットによる画像不良の発生を防止することが可能な電子写真用部材を提供する。
【解決手段】基体と、弾性層と、フッ素樹脂を含む表面層とをこの順に有する電子写真用部材であって、該弾性層は、複数の空孔が互いに連結された連通孔を有し、該連通孔の内壁にイオン導電剤が付着していることを特徴とする。定着部材と、該定着部材に圧接して弾性変形することにより未定着トナー像の形成された記録材を挟持搬送し加熱する定着ニップ部を形成して、該未定着トナー像を定着画像として該記録材に定着させるニップ部形成部材と、を備えた定着装置において、該ニップ部形成部材は、前記電子写真用部材であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に搭載される定着装置のニップ部形成部材等として利用可能な電子写真用部材、及び該電子写真用部材をニップ部形成部材として用いた定着装置に関する。
電子写真方式などの画像形成装置は、紙等の記録材上に現像されたトナー画像を加熱、加圧することによって当該記録材にトナー画像を定着させる定着装置を備えている。定着装置では、熱源によって加熱される定着ベルトや定着ローラなどの定着部材と、これと対に配置された加圧ローラなどのニップ部形成部材とが圧接して定着ニップ部を形成する。そして、未定着トナー像の形成された記録材が定着ニップ部を通過する際に、未定着トナーが加熱、加圧されて定着画像として記録材に定着される。
近年、ウォームアップ時間の短縮や省エネルギー化の要請に伴い、定着部材がトナー画像を加熱定着するのに十分な所定温度に達するまでにかかる「立ち上がり時間」の短縮と消費電力の低減が必要とされている。この「立ち上がり時間」を短縮するため、加圧ローラなどのニップ部形成部材の熱容量及び熱伝導率を低減することが行われている。例えば、加圧ローラの弾性層を多数の空孔を有する多孔質弾性層として、定着装置の作動開始に伴って加熱された定着ベルトから加圧ローラに伝わる熱量を少なくすることで、上記立ち上がり時間の短縮を図っている(特許文献1及び2)。
一方、加圧ローラは主に弾性層がシリコーンゴム、表層がフッ素樹脂等の絶縁性高分子材料で構成される。このため、加圧ローラが対となって定着ニップ部を形成する定着ベルトとの摩擦や記録材との摩擦によって加圧ローラの表面が帯電し、静電的に記録材上のトナーを飛び散らせる所謂静電オフセット画像が発生する。これを抑制するため、加圧ローラの弾性層及び/または表層に導電性を付与することが提案されている(特許文献3)。また、加圧ローラの表層を導電化した場合には、離型性が損なわれるために、紙粉やタルクといった記録材中の充填剤等が堆積し、そこにトナーが付着することによって加圧ローラの表面が汚染され、画像に不具合が発生することがある。これを抑制するため、特許文献4では導電性物質を配合したフッ素樹脂チューブのグロス値を規定している。
また特許文献5には、微細で均一な連続気泡を含むシリコーンスポンジおよび画像形成装置の定着部材の弾性層材料が開示されている。特許文献5では、微細で均一な連続気泡を得るために、水と無機系増粘剤からなる混合物を含む三成分型スポンジ形成性液状シリコーンゴム組成物が提案されている。
特開2008−150552号公報 特開2001−265147号公報 特開平7−129008号公報 特開2010−134213号公報 特許第5577250号
本発明者らは、微細で均一な連続気泡を含む多孔質弾性層を有する加圧ローラにおいて、該多孔質弾性層に導電性を付与することを試みた。まず、液状シリコーンゴムにカーボンブラック等の導電化剤を添加したところ、多孔質弾性層が連続気泡を含むために、導電パスが形成されにくく、所望の導電性を得るためには多量の導電剤が必要であることがわかった。また、導電剤を多量に添加すると、乳化剤の作用が低下して気泡の細かさと均一性が不十分となることがあった。
本発明の一態様は、定着部材の立ち上がり時間を短縮し、かつ静電オフセットによる画像不良の発生を防止することが可能な電子写真用部材の提供に向けたものである。また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して形成することが可能な定着装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、基体と、弾性層と、フッ素樹脂を含む表面層とをこの順に有する電子写真用部材であって、該弾性層は、複数の空孔が互いに連結された連通孔を有し、該連通孔の内壁にイオン導電剤が付着していることを特徴とする電子写真用部材が提供される。
また本発明の他の態様によれば、基体の外周に離間してフッ素樹脂層を配置し、該基体と該フッ素樹脂層との間に、液状シリコーンゴムにイオン導電剤を溶解した水が乳化分散された液状シリコーンゴム組成物を注入する工程、該液状シリコーンゴム組成物を1次硬化させて含水状態のシリコーンゴム層とする工程、該含水状態のシリコーンゴム層から水を除去することにより複数の空孔が互いに連結された連通孔を有する弾性層を形成する工程、を含むことを特徴とする電子写真用部材の製造方法が提供される。
また本発明の他の態様によれば、定着部材と、該定着部材に圧接して弾性変形することにより未定着トナー像の形成された記録材を挟持搬送し加熱する定着ニップ部を形成して、該未定着トナー像を定着画像として該記録材に定着させるニップ部形成部材と、を備えた定着装置において、該ニップ部形成部材は、上記の電子写真用部材であることを特徴とする定着装置が提供される。
本発明の一態様によれば、定着装置の立ち上がり時間が短縮できるとともに、静電オフセットによる画像不良の発生を防止することが可能な電子写真用部材を得ることができる。また本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することが可能な定着装置を得ることができる。
本発明に係る定着装置の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る電子写真用部材の弾性層の断面の一例を示す模式図である。 電子写真画像形成装置の一例の概略構成図である。
〔電子写真用部材〕
本発明に係る電子写真用部材は、基体と、弾性層と、フッ素樹脂を含む表面層とをこの順に有する。該弾性層は、複数の空孔が互いに連結された連通孔を有し、該連通孔の内壁には、イオン導電剤が付着している。
以下、本発明に係る電子写真用部材を、定着装置のニップ部形成部材として使用される加圧部材(加圧ローラ)によって説明するが、電子写真用部材はこれに限定されない。
[加圧ローラ]
図1は、本発明に係る定着装置の構成の一例を示す概略断面図である。この定着装置は、ニップ部形成部材としての加圧ローラ4を備えている。加圧ローラ4は、基体4aの外周に弾性層4bと、表面層としての離型層4cとを有する複層構造に形成されている。
<基体>
加圧ローラの基体は、ニッケルやクロムをメッキしたSUM材(硫黄および硫黄複合快削鋼鋼材)等の鋼材を含むステンレス鋼、リン青銅、アルミニウムなどを用いて形成されている軸芯体あるいは芯金である。基体の外径は、4mm〜80mmであればよい。
<弾性層>
加圧ローラの弾性層は、基体の外周を被覆する層である。加圧ローラの弾性層は、対向部材(定着ベルト)と圧接することにより定着ニップを形成可能な弾性を加圧ローラに担持させる層として機能する。かかる機能を発現させる上で、弾性層のベースゴム材料としては耐熱性の観点からシリコーンゴムを用いることが好ましく、特には付加反応架橋型シリコーンゴム等の液状シリコーンゴムが好ましい。一般に、付加反応架橋型シリコーンゴムには、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、およびヒドロシリル化触媒としての白金化合物が含まれている。オルガノポリシロキサンは液状シリコーンゴムのベースポリマーであり、数平均分子量が5千〜10万、重量平均分子量が1万〜50万であるものを用いることが好ましい。液状シリコーンゴムは室温で流動性を持つポリマーであるが、加熱によって硬化し、硬化後は適度に低硬度であり、また十分な耐熱性と変形回復力を有する。
弾性層の厚みは、弾性層全体が定着ベルトと接触して弾性変形したときに、所望の幅の定着ニップ部を形成し得る厚みであれば得に限定されないが、1.5〜10.0mmであることが好ましい。弾性層の硬度は、所望の幅の定着ニップ部Nを確保する観点から、20°以上70°以下の範囲にあることが好ましい。尚、硬度は、ASKER−C硬度計で測定される硬度である。
弾性層は、複数の空孔が互いに連結された連通孔を有する。例えば、図2に示すように、複数の空孔が互いに連結された連通孔4b1が形成されている。弾性層の強度や電子写真画像の画質の観点から、各々の空孔の平均径は、5μm以上30μm以下であることが好ましい。このような連通孔を有することによって、該弾性層は、低熱容量化が図られており、また、弾性層の熱伝導率は、連通孔を有しない弾性層の熱伝導率よりも低い。
また弾性層は、連通孔を有することにより、比重が小さくなっている。定着装置の立ち上がり時間の短縮効果が十分に得られるためには、弾性層の比重は、0.5〜0.6の範囲内にあることが望ましい。
弾性層中における連通孔の体積占有率(以下、「空孔率」とも称す)は40体積%以上、50体積%以下が好適である。該空孔率が40体積%以上であれば、定着装置の期待する立ち上がり時間の短縮効果をえることが容易である。該空孔率が50体積%以下であれば、微細な空孔が均一に含まれた弾性層となる。この範囲であれば、後述する液状シリコーンゴム組成物中の水が均一かつ微細に分散した状態を、弾性層を形成する過程において保持することが可能である。尚、空孔の平均径の測定方法は後述する。
本発明では、弾性層に導電性を付与するためにイオン導電剤を用いる。本発明では後述する製造方法に示すように、イオン導電剤を水に溶解して用いるため、水溶性のイオン導電剤が用いられる。水溶性のイオン導電剤としては、カリウム塩型やリチウム塩型のイオン導電剤が好適である。さらに、弾性層として用いるシリコーンゴムへの最大加熱温度(例えば、約200℃)を経た後も安定して存在できることが望ましく、200℃以上の耐熱性(分解温度)を有することが好ましい。
カリウム塩型のイオン導電剤としては、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム(CFSOK)、カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(CFSONK等が挙げられる。また、リチウム塩型のイオン導電剤としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CFSOLi)やノナフルオロブタンスルホン酸リチウム(CSOLi)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(CFSONLi等が挙げられる。
イオン導電剤の含有量は、弾性層に所望の導電性を付与できる量であれば、特に制限されないが、弾性層を形成する原料の液状シリコーンゴム100質量部に対して、仕込み量として3〜10質量部であることが好ましい。
<表面層>
本発明に係る電子写真用部材において、表面層は絶縁性のフッ素樹脂からなる層である。表面層は、弾性層の外周に例えば四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブを被覆することにより形成される。もしくは、PFA,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)等のフッ素樹脂からなる塗料を弾性層の外周に塗布することにより形成してもよい。表面層の厚みは特に限定されないが、好ましくは15〜80μm程度である。この表面層は、加圧ローラにトナーを付着しにくくさせるために設けるものであり、トナーの離型性、柔軟性、機械的強度、耐久性の観点から導電剤等の添加物を含まない純粋なフッ素樹脂の状態で用いることが望ましい。
なお、弾性層と表面層の間には接着、通電等の目的によりプライマー層や接着層などが設けられていても良い。
〔電子写真用部材の製造方法〕
本発明に係る電子写真用部材の製造方法は、
基体の外周に離間してフッ素樹脂層を配置し、該基体と該フッ素樹脂層との間に、液状シリコーンゴムにイオン導電剤を溶解した水が乳化分散された液状シリコーンゴム組成物を注入する工程、
該液状シリコーンゴム組成物を1次硬化させて含水状態のシリコーンゴム層とする工程、
該含水状態のシリコーンゴム層から水を除去することにより、例えば、平均径5μm以上30μm以下である複数の空孔が互いに連結された連通孔を有する弾性層を形成する工程、
を有する。
以下、本発明に係る電子写真用部材の製造方法をより具体的に説明する。
[連通孔の形成方法]
弾性層中の連通孔の形成方法の一例としては、後述する加圧部材の製造工程において、ベースポリマーである液状シリコーンゴムとベースポリマー中に分散して存在する水を使用する方法が挙げられる。水は製造工程で脱水され、脱水後の弾性層に連通孔を形成する。水は単独では液状シリコーンゴムに分散しないので、脱水後の弾性層の特性に影響しない吸水性ポリマー、粘土鉱物等に膨潤した状態、すなわち「含水ゲル」の形で使用する。さらに、本発明においては、水に水溶性のイオン導電剤を添加した後、それを吸水性ポリマー、粘土鉱物等に膨潤させた「含水ゲル」を使用する。イオン導電剤を含む含水ゲルと液状シリコーンゴムとを、乳化剤や必要に応じて粘度調整剤を添加のうえ混合攪拌し、エマルション状の弾性層形成用の液状シリコーンゴム組成物を調製する。これを、注型成型用金型に注入し、水の沸点未満の温度で硬化させることで、液状ゴム組成物中の水が均一かつ微細に分散した弾性体を形成する。その後、弾性体から水を蒸発させる(脱水する)ことにより、微細な空孔が均一に形成された弾性層を形成すると同時に、その空孔の内壁にイオン導電剤を付着させることで、弾性層に導電性を付与する。
吸水性ポリマーとしては、アクリル酸やメタクリル酸、これらの金属塩の重合体、これらの共重合体や架橋体などが挙げられる。中でも、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩およびその架橋体等を好適に用いることができ、工業的に入手可能である(例えば「レオジック250H」(商品名、東亜合成株式会社製))。また、増粘効果のある「粘土鉱物を膨潤させた水」を使用すればエマルション状の弾性層形成用液状ゴム組成物を調製するのに好適である。このような粘土鉱物として「ベンゲルW−200U」(商品名、株式会社ホージュン製)等が挙げられる。また乳化剤としてノニオン系界面活性剤(ソルビタン脂肪酸エステル、商品名「イオネット HLB4.3」、三洋化成工業株式会社製)などの界面活性剤を添加しても良い。
[液状シリコーンゴム組成物の調製]
液状シリコーンゴム組成物は、イオン導電剤を予め溶解させた水を吸水性ポリマーに含ませた含水ゲルと、乳化剤を配合した液状シリコーンゴムとを混合して調製することができる。調製の際には、液状シリコーンゴムと含水ゲルの各々を所定量ずつ秤量して、これらを遊星式の万能混合攪拌機(プラネタリーミキサーあるいはプラネタリーディスパー)など公知の混合攪拌手段を用いて攪拌すればよい。液状シリコーンゴム組成物には、本発明の硬化を損なわない範囲で硬化遅延剤などのその他の成分を配合することができる。その他の成分および各成分の配合量については、イオン導電剤を除いて特許文献5の記載を参考にできる。
[弾性層の形成]
弾性層の形成方法は特に限定されないが、型成型法を例に説明する。弾性層を形成する前に、基体に予めプライマー処理が施される。一方、表面層用の材料には、内面がエッチング処理されたフッ素樹脂チューブを用い、予め、円筒状金型の内壁面に沿うように該フッ素樹脂チューブを添装する。基体は、該円筒状金型内に挿入され、基体を保持しかつ注入口及び流出口を有する駒型を両端部に嵌め込んで、円筒状金型と両端の駒型を治具によって押さえ込むことにより、円筒状金型内に基体を同心状に配置する。そして、配置された基体の軸方向に沿うようにして、円筒状金型内の基体とフッ素樹脂チューブとの間隙に弾性層形成用の液状シリコーンゴム組成物を流し込む。該金型内を液状シリコーンゴム組成物で充填した後、金型を密閉して加熱する。液状シリコーンゴム組成物は金型ごと、水の沸点未満の温度、例えば60℃〜90℃で5分間〜120分間加熱処理する。密閉下で液状シリコーンゴム組成物が加熱処理されると、シリコーンゴム成分は含水ゲル中の水分を保持したまま架橋硬化(1次硬化)する。これにより、含水状態のシリコーンゴム層が形成される。
[連通孔の形成]
シリコーンゴム成分の硬化後、金型の両端部から駒形を取り外して金型を開放し、さらに金型ごとローラを加熱する。加熱によって弾性層内の温度が上昇するに従って含水ゲルに含まれていた水分が蒸発するので、当該箇所に空孔が連結された連通孔が形成される。加熱温度は、水の沸点以上の温度、例えば、100℃〜180℃に、加熱時間は1〜5時間に設定するのが望ましい。この熱処理によりシリコーンゴムの架橋がさらに進む(2次硬化)。水に溶解していたイオン導電剤は、連通孔の内壁に付着して残る。以上のようにして、連通孔を有する弾性層が基体の外周面かつ表面層の内周面に形成される。
[ローラの脱型]
加熱した金型を水冷方式や空冷方式によって冷却した後に、金型からローラを脱型する。このようにして、電子写真用部材(加圧ローラ)が得られる。脱型した後、200℃程度で加熱処理して架橋をさらに進めても良い。
〔電子写真画像形成装置〕
本発明に係る電子写真用部材及び本発明に係る定着装置が使用される電子写真画像形成装置としては、図3のような装置が挙げられる。この装置は、回転する感光体101、潜像形成手段としての帯電手段102と像露光手段103、感光体上に形成した潜像をトナーで現像する現像手段104を有する。また、現像したトナー像を記録材Pに転写する転写手段105、トナー像転写後の感光体の表面を清掃するクリーニング手段106と、記録材上のトナー像を定着する定着手段としての定着装置10等を有する。
〔定着装置〕
本発明に係る定着装置は、定着部材と、ニップ部形成部材と、を備えている。ニップ部形成部材は、該定着部材に圧接して弾性変形することにより未定着トナー像の形成された記録材を挟持搬送し加熱する定着ニップ部を形成して、該未定着トナー像を定着画像として該記録材に定着させる。該ニップ部形成部材としては、本発明に係る電子写真用部材が用いられる。
図1は、本発明に係る定着装置の構成の一例を概略断面図である。図1に示す定着装置10は、加熱体としてのセラミックスヒータ(以下、単に「ヒータ」と記す)1と、加熱体支持部材としてのヒータホルダ2と、定着部材としての定着ベルト3と、ニップ部形成部材としての加圧ローラ4とを備える。
[ヒータ]
ヒータ1は、不図示の給電手段によって通電されることで発熱する、例えば抵抗発熱体などの発熱源を有しており、給電により急峻に昇温する。ヒータ1の温度は不図示の温度検知手段で検知され、その検知温度情報が不図示の制御手段に入力される。制御手段は、温度検知手段から入力される検知温度が所定の定着温度に維持されるように、給電手段から発熱源への供給電力を制御してヒータ1の温度を所定の温度に温調する。
ヒータ1は、剛性を有する耐熱性材料によって横断面が略半円弧状の桶型に形成されるヒータホルダ(以下、単に「ホルダ」と記す)2に固定支持される。具体的には、ホルダ2の下面にホルダ長手方向(図1の紙面表裏方向)に沿って溝部が設けられており、この溝部にヒータ1が嵌入されている。
定着部材としての定着ベルト3は、内側から外側に、環状の基材3a、ベルト弾性層3b(ここでは、後述の加圧ローラ4の弾性層4bと区別するために「ベルト弾性層」と呼ぶ)、表層3cを備える。定着ベルト3は使用状態で内周面がヒータ及びホルダに摺擦される無端ベルトであり、ヒータを支持したホルダ2外周に周長に余裕を持たせて外嵌されている。
後述するように、ヒータと加圧ローラは定着ベルトを挟んで圧接しており、定着ベルトと加圧ローラとの間に定着ニップ部Nが形成されている。加圧ローラが例えばモータなどの回転駆動装置Mによって矢印R4の反時計方向に所定の周速度で回転駆動されることで、定着ベルトは、その内面がヒータ面に密着して摺動しながらホルダの外回りを加圧ローラの回転に従動して矢印R3の時計方向に回転する。
[ホルダ]
ホルダ2はヒータ1の保持部材として機能すると共に定着ベルト3の回転ガイド部材としても機能する。定着ベルトの内周面には、ヒータ及びホルダとの摺動性を確保するために潤滑剤(グリス)が塗られている。なお、本明細書でベルトとは、フィルム状のものも含む用語である。
[加圧ローラ]
加圧ローラ4は、内側から外側に、基体(芯金)4a、弾性層(ゴム層)4b、表面層としての離型層4cを備える。加圧ローラ4は回転駆動装置Mによって使用時に回転駆動される。このため基体4aは、定着装置10のフレームなどの不図示の固定部分に軸受部材を介して回転自在に支持されている。
加圧ローラは、ホルダに支持されたヒータと定着ベルトを挟んで対向する位置に配置されている。そして、不図示の加圧機構によって加圧ローラと定着ベルトとに所定の圧力が付与されることで、加圧ローラと定着ベルトとが圧接してそれぞれの弾性層(3b、4b)は弾性変形する。これによって、加圧ローラと定着ベルトとの間には記録材搬送方向(用紙搬送方向)に関して所定の幅を有する定着ニップ部Nが形成される。
加圧ローラは回転駆動装置によって回転駆動されると、従動回転する定着ベルトとの間で定着ニップ部Nにおいて用紙(記録材)Pを挟持しつつ搬送する。また、定着ベルトは、ヒータにより表面が所定温度(例えば200℃)に達するまで加熱される。この状態で、未定着トナーTによって未定着トナー像の形成された用紙が定着ニップ部Nに挟持搬送されると、用紙上の未定着トナーは加熱、加圧される。その結果、未定着トナーは溶融し、混色するので、その後、これを冷却することによって未定着トナー像を定着画像として用紙に定着させる。
[定着ベルト]
定着部材としての定着ベルト3は、図1に示すように、基材3aの外周にベルト弾性層3bが設けられ、該ベルト弾性層3bの外周に表層としての離型層3cが設けられている。基材の材料は耐熱性及び耐屈曲性を必要とすることに鑑みて、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐熱性樹脂を用いる。また熱伝導性をも考慮するならば、基材は耐熱性樹脂に比べ熱伝導率のより高いステンレス鋼(SUS)、ニッケル、ニッケル合金などの金属を用いてもよい。そして、基材は熱容量を小さくする一方で機械的強度を高くする必要があるので、基材の厚みは5μm〜100μmが好ましく、20μm〜85μmがより好ましい。
ベルト弾性層は、基材の外周を被覆する層である。ベルト弾性層は記録材が定着ニップ部Nを通過する際に、記録材上の未定着トナーを包み込むようにして未定着トナーに対し均一に熱を与える。ベルト弾性層がこのように機能することで、高光沢で定着ムラのない良質な画像が得られる。しかし、ベルト弾性層はその厚みが薄すぎると十分な弾性が得られなくなり、良質な画像を得ることができなくなる。反対に、ベルト弾性層はその厚みが厚すぎると熱容量が大きくなり、加熱によって所定温度に達するまでに時間がかかる。そのため、ベルト弾性層の厚みは、30μm〜500μmが好ましく、100μm〜300μmがより好ましい。
ベルト弾性層用の材料は特に限定されないが、加工が容易である、高い寸法精度で加工できる、加熱硬化時に反応副生成物が発生しないなどの理由から、付加反応架橋型の液状シリコーンゴムを用いるのが好ましい。付加反応架橋型の液状シリコーンゴムとしては、ニップ部形成部材の弾性層用の材料として例示したものと同様の材料が挙げられる。
ところで、ベルト弾性層がシリコーンゴム単体で形成されるならば、ベルト弾性層の熱伝導率は低くなる。ベルト弾性層の熱伝導率が低いとヒータで発生した熱が定着ベルトを介して記録材に伝わり難くなるので、記録材にトナーを定着させる際に加熱不足となって定着ムラなどの画像不良を生じ得る。そこで、ベルト弾性層の熱伝導率を上げるために、ベルト弾性層には高い熱伝導性を持つ、例えば粒状の高熱伝導性フィラーが混入、分散されていることが好ましい。粒状の高熱伝導性フィラーとしては、炭化ケイ素(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化マグネシウム(MgO)、カーボン等が用いられる。高熱伝導性フィラーの形状としては、粒状、針状、粉砕状、板状、ウィスカ状のものなどがあるが、ベルト弾性層にはこれらのどの形状のものを用いてもよい。また、これらの1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なお、高熱伝導性フィラーが導電性であれば、ベルト弾性層に混入されることで、ベルト弾性層には導電性が付与される。
[離型層]
離型層は、ベルト弾性層の外周を被覆するフッ素樹脂層である。離型層は、定着ベルトにトナーを付着しにくくするために設けられる。離型層用の材料には、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を用いることができる。離型層の厚みは、1μm〜50μmが好ましく、8μm〜25μmがより好ましい。離型層はベルト弾性層をフッ素樹脂チューブで被覆するか、フッ素樹脂からなる塗料を塗布することによって、ベルト弾性層の外周に形成することができる。ベルト弾性層と離型層の間には接着、通電等の目的によりプライマー層や接着層などが設けられていてもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。実施例に先立って、評価方法を説明する。
<評価1> 空孔径の測定
弾性層をカミソリ等で切断し、縦2.5mm、横2.5mm、厚み2.5mmの試料片1を得る。当該切断面を走査型電子顕微鏡(例えば、商品名:S−4700、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、倍率300倍)で観察し、所定の領域(縦300μm、横300μm)を2値化して、各空孔の最長径Dmaxと最短径Dminを計測する。最長径と最短径の和を2で除した値を各空孔の空孔径とする。測定されたすべての空孔径の平均値を求め、その値を空孔の平均径とする。
<評価2> 比重の測定
弾性層をカミソリ等で切断し、縦20mm、横20mm、厚み2.5mmの試料片2を得る。
水中置換式密度・比重計として、自動比重径「DSG−1」(商品名、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、該試料片2の比重を測定する。
<評価3> 画像評価
電子写真用部材を加圧ローラとして、図1に記載のフィルム加熱方式のA3タイプの定着装置、及びそれを具備した画像形成装置(製品名「imageRUNNER ADVANCE C5255」、キヤノン株式会社製)を用いて、画像評価を行う。
加圧ローラの弾性層の導電性は、通紙に伴う静電オフセット画像から確認できる。該導電性が不十分な場合、加圧ローラの離型層(表面層)と加圧ローラと対をなす定着ベルトとの摩擦、あるいは紙との摩擦によって加圧ローラ表面がトナーと同極性に帯電し、紙上のトナーを静電的に飛び散らせる静電オフセット画像が発生する。一方、加圧ローラ弾性層の導電性が十分である場合には、摩擦による加圧ローラの離型層の帯電が抑制されるため、静電オフセット画像も発生しない。
静電オフセットの評価は、低温度(15℃)かつ低湿度(相対湿度10%)の環境下で、定着装置における総加圧力を約320N(一端側が約160N)、加圧ローラの回転速度(周速)を246mm/secとし、LTR横サイズ紙(Neenah Bond 60g/m、Neenah Paper社製)で先端50mmハーフトーン画像を50枚/分で200枚連続プリントする。そのときの静電オフセット画像に基づいて行う。評価結果は、以下の基準で判断する。
A:静電オフセット画像が全く発生しない。
B:静電オフセット画像が発生する。
(実施例1)
1.液状シリコーンゴム組成物の調製
乳化剤としてポリエーテル変性シリコーン(商品名:FZ−2233、東レ・ダウコーニング株式会社製)を配合させた付加反応架橋型の液状シリコーンゴム「DY35−2083」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を用いた。含水ゲルは、ポリアクリル酸ナトリウムを主成分として含み、かつ、スメクタイト系粘土鉱物を含む増粘剤1質量%に対して、イオン交換水99質量%を加えて十分に撹拌し、膨潤させることにより調製した。なお、増粘剤としては「ベンゲルW−200U」(商品名、株式会社ホージュン製)を用いた。また、イオン交換水には予めイオン導電剤としてトリフルオロメタンスルホン酸カリウムを液状シリコーンゴム100質量部に対して5質量部の割合になるように配合しておいた。
該液状シリコーンゴム100質量部と該含水ゲル100質量部とを遊星式の万能混合攪拌機(商品名「ハイビスミックス2P−1型」、プライミクス株式会社製)を用いて、80rpm、60分の条件で混合攪拌した。このように、水を液状シリコーンゴム中に乳化分散させることにより、弾性層形成用の液状シリコーンゴム組成物を得た。
2.加圧ローラの作製
基体としてA3サイズ用(弾性層の形成域の長さ327mm)の鉄製芯金を用いた。プライマーとして、「DY39−051」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を用いた。表面離型層用の材料として、内径29.0mmのフッ素樹脂製のPFA(商品名:451HP−J、三井デュポンフロロケミカル社製)チューブを用いた。
該プライマーを、該芯金の周面に塗布した後、該芯金を熱風循環式オーブン内で温度180℃で30分間焼成した。一方、内径30.2mmの中空円筒状金型内に該PFAチューブを挿入し、該チューブの両端部を該中空円筒状金型の外壁面に折り返すことにより、該円筒状金型の内壁面に設置した。該PFAチューブの内面にはプライマー「DY39−067」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を塗布し、熱風循環式オーブン内において70℃で20分間乾燥した。
プライマー処理後の芯金を中空円筒状金型内に同心上に設置し、上下両端部に駒型を嵌め込んで、中空円筒状金型と両端の駒型を治具によって押さえ込むことにより、中空円筒状金型内に芯金を同心上に固定して配置した。
次いで、金型内壁に配置したフッ素樹脂チューブと芯金との間に、前記液状シリコーンゴム組成物を注入し、金型両端の駒型を密閉した。その後、金型ごと90℃の熱風循環式オーブン中で1時間放置して、液状シリコーンゴム組成物を硬化するとともに、芯金とシリコーンゴムとフッ素樹脂チューブを一体化させた。
加熱した金型を温度50℃以下に冷却した後に、金型から両端の駒型をはずした。金型両端部が開放された状態で金型ごと温度180℃の熱風循環式オーブン中で2時間放置して、弾性層内の水分を蒸発させることにより、連通孔を形成した。金型を温度50℃以下に冷却した後、金型からチューブ被覆ローラを脱型し、ローラを200℃の熱風循環式オーブン中で4時間放置して弾性層のシリコーンゴムを二次硬化させた。
以上の工程を経て、加圧ローラを得た。基体、弾性層、表面層(離型層)を積層した加圧ローラの長手方向中央部の外径は30mmとした。
3.加圧ローラの評価
弾性層の空孔径は18μm(標準偏差7.33)であり、比重は0.56であった。また、画像評価の結果はAランクであった。評価結果を表1に示す。尚、各実施例及び比較例において用いた導電剤の詳細を表2に示す。
(実施例2〜5)
イオン導電剤を、それぞれ、表1に示す化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして液状シリコーンゴム組成物を得て、さらに、加圧ローラNo.2〜No.5を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
水にイオン導電剤を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、液状シリコーンゴム組成物を得て、さらに、加圧ローラNo.6を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
予め乳化剤としてポリエーテル変性シリコーン(商品名:FZ−2233、東レ・ダウコーニング株式会社製)を配合させた付加反応架橋型の液状シリコーンゴム「DY35−2083」100質量部に対し、導電剤としてカーボンブラックを5質量部の割合で混合した。これを実施例1と同様の含水ゲル(イオン導電剤は含まない)100質量部と実施例1と同様の手順にて混合攪拌することにより、水が乳化分散された液状シリコーンゴム組成物を得た。さらに、実施例1と同様にして加圧ローラNo.7を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
カーボンブラックの量を10質量部に変更した以外は、比較例2と同様にして液状シリコーンゴム組成物を得て、さらに、加圧ローラNo.8を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2018120064
Figure 2018120064
〔考察〕
比較例1では加圧ローラの弾性層に導電剤が配合されていないため、静電オフセット画像が発生する。また、比較例2では、弾性層に導電剤としてカーボンブラックが配合されているが、静電オフセット画像を抑制するには不十分である。比較例3では、比較例2よりもカーボンブラックの配合量を増やすことで静電オフセット画像が発生しないが、比重が高い。比重が高くなると定着装置の立ち上がり時間の短縮効果が小さくなる。
これに対し、実施例1〜実施例5では静電オフセット画像の発生が防止されていることに加え、空孔径及び比重が比較例1と同程度であり、画質や強度、立ち上がり時間の短縮効果といった点で導電剤を配合しない場合と同等の性能を維持できている。
以上のように、本発明に係る加圧ローラは、連通孔内に残存したイオン導電剤によって導電パスが形成され、弾性層に導電性が付与される。これは、弾性層の原料である液状シリコーンゴム中に乳化分散された水が水溶性のイオン導電剤を含み、水が蒸発して連通孔が形成されるからである。シリコーンゴム中へ導電剤を配合することによる乳化剤の作用低下等の弊害を招くことがないため、微細で均一な空孔が連結された連通孔が維持され、画質、強度、立ち上がり時間と静電オフセットの抑制が両立可能となる。
3…定着ベルト
4…加圧ローラ、
4a…基体
4b…弾性層、
4b1…連通孔、
4b2…イオン導電剤
4c…表面層(離型層)
10…定着装置

Claims (9)

  1. 基体と、弾性層と、フッ素樹脂を含む表面層とをこの順に有する電子写真用部材であって、
    該弾性層は、複数の空孔が互いに連結された連通孔を有し、該連通孔の内壁にイオン導電剤が付着していることを特徴とする電子写真用部材。
  2. 前記空孔の平均径が、5μm以上30μm以下である請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 前記イオン導電剤がカリウム塩型及びリチウム塩型の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用部材。
  4. 前記弾性層が、シリコーンゴムを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  5. 基体の外周に離間してフッ素樹脂層を配置し、該基体と該フッ素樹脂層との間に、液状シリコーンゴムにイオン導電剤を溶解した水が乳化分散された液状シリコーンゴム組成物を注入する工程、
    該液状シリコーンゴム組成物を1次硬化させて含水状態のシリコーンゴム層とする工程、
    該含水状態のシリコーンゴム層から水を除去することにより複数の空孔が互いに連結された連通孔を有する弾性層を形成する工程、
    を含むことを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
  6. 前記液状シリコーンゴム組成物が、イオン導電剤を予め溶解させた水を含む含水ゲルと、乳化剤を配合した液状シリコーンゴムとの混合物である請求項5に記載の電子写真用部材の製造方法。
  7. 前記基体と前記フッ素樹脂層との間に、前記液状シリコーンゴム組成物を注入する工程は、
    円筒状金型の内壁面にフッ素樹脂チューブを配置する工程、
    基体を保持しかつ注入口を有する駒型及び流出口を有する駒型を該円筒状金型の両端部に嵌め込んで該円筒状金型内に該基体を同心状に配置する工程、
    該注入口から該円筒状金型内の基体とフッ素樹脂チューブの間隙に該液状シリコーンゴム組成物を注入する工程
    とを含み、
    前記1次硬化が該注入口及び該流出口を閉じて該円筒状金型を水の沸点未満の温度で加熱処理して行われ、
    前記含水状態のシリコーンゴム層からの水の除去が、該円筒状金型の両端部から該駒形を取り外して、該円筒状金型を水の沸点以上の温度で加熱処理して行われる、
    請求項5または6に記載の電子写真用部材の製造方法。
  8. 前記イオン導電剤がカリウム塩型及びリチウム塩型の少なくとも一方である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の電子写真用部材の製造方法。
  9. 定着部材と、該定着部材に圧接して弾性変形することにより未定着トナー像の形成された記録材を挟持搬送し加熱する定着ニップ部を形成して、該未定着トナー像を定着画像として該記録材に定着させるニップ部形成部材と、を備えた定着装置において、
    該ニップ部形成部材は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用部材であることを特徴とする定着装置。
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