JP2018120064A - 電子写真用部材及び定着装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体と、弾性層と、フッ素樹脂を含む表面層とをこの順に有する電子写真用部材であって、該弾性層は、複数の空孔が互いに連結された連通孔を有し、該連通孔の内壁にイオン導電剤が付着していることを特徴とする。定着部材と、該定着部材に圧接して弾性変形することにより未定着トナー像の形成された記録材を挟持搬送し加熱する定着ニップ部を形成して、該未定着トナー像を定着画像として該記録材に定着させるニップ部形成部材と、を備えた定着装置において、該ニップ部形成部材は、前記電子写真用部材であることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明に係る電子写真用部材は、基体と、弾性層と、フッ素樹脂を含む表面層とをこの順に有する。該弾性層は、複数の空孔が互いに連結された連通孔を有し、該連通孔の内壁には、イオン導電剤が付着している。
図1は、本発明に係る定着装置の構成の一例を示す概略断面図である。この定着装置は、ニップ部形成部材としての加圧ローラ4を備えている。加圧ローラ4は、基体4aの外周に弾性層4bと、表面層としての離型層4cとを有する複層構造に形成されている。
加圧ローラの基体は、ニッケルやクロムをメッキしたSUM材(硫黄および硫黄複合快削鋼鋼材)等の鋼材を含むステンレス鋼、リン青銅、アルミニウムなどを用いて形成されている軸芯体あるいは芯金である。基体の外径は、4mm〜80mmであればよい。
加圧ローラの弾性層は、基体の外周を被覆する層である。加圧ローラの弾性層は、対向部材(定着ベルト)と圧接することにより定着ニップを形成可能な弾性を加圧ローラに担持させる層として機能する。かかる機能を発現させる上で、弾性層のベースゴム材料としては耐熱性の観点からシリコーンゴムを用いることが好ましく、特には付加反応架橋型シリコーンゴム等の液状シリコーンゴムが好ましい。一般に、付加反応架橋型シリコーンゴムには、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、およびヒドロシリル化触媒としての白金化合物が含まれている。オルガノポリシロキサンは液状シリコーンゴムのベースポリマーであり、数平均分子量が5千〜10万、重量平均分子量が1万〜50万であるものを用いることが好ましい。液状シリコーンゴムは室温で流動性を持つポリマーであるが、加熱によって硬化し、硬化後は適度に低硬度であり、また十分な耐熱性と変形回復力を有する。
本発明に係る電子写真用部材において、表面層は絶縁性のフッ素樹脂からなる層である。表面層は、弾性層の外周に例えば四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブを被覆することにより形成される。もしくは、PFA,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)等のフッ素樹脂からなる塗料を弾性層の外周に塗布することにより形成してもよい。表面層の厚みは特に限定されないが、好ましくは15〜80μm程度である。この表面層は、加圧ローラにトナーを付着しにくくさせるために設けるものであり、トナーの離型性、柔軟性、機械的強度、耐久性の観点から導電剤等の添加物を含まない純粋なフッ素樹脂の状態で用いることが望ましい。
本発明に係る電子写真用部材の製造方法は、
基体の外周に離間してフッ素樹脂層を配置し、該基体と該フッ素樹脂層との間に、液状シリコーンゴムにイオン導電剤を溶解した水が乳化分散された液状シリコーンゴム組成物を注入する工程、
該液状シリコーンゴム組成物を1次硬化させて含水状態のシリコーンゴム層とする工程、
該含水状態のシリコーンゴム層から水を除去することにより、例えば、平均径5μm以上30μm以下である複数の空孔が互いに連結された連通孔を有する弾性層を形成する工程、
を有する。
以下、本発明に係る電子写真用部材の製造方法をより具体的に説明する。
弾性層中の連通孔の形成方法の一例としては、後述する加圧部材の製造工程において、ベースポリマーである液状シリコーンゴムとベースポリマー中に分散して存在する水を使用する方法が挙げられる。水は製造工程で脱水され、脱水後の弾性層に連通孔を形成する。水は単独では液状シリコーンゴムに分散しないので、脱水後の弾性層の特性に影響しない吸水性ポリマー、粘土鉱物等に膨潤した状態、すなわち「含水ゲル」の形で使用する。さらに、本発明においては、水に水溶性のイオン導電剤を添加した後、それを吸水性ポリマー、粘土鉱物等に膨潤させた「含水ゲル」を使用する。イオン導電剤を含む含水ゲルと液状シリコーンゴムとを、乳化剤や必要に応じて粘度調整剤を添加のうえ混合攪拌し、エマルション状の弾性層形成用の液状シリコーンゴム組成物を調製する。これを、注型成型用金型に注入し、水の沸点未満の温度で硬化させることで、液状ゴム組成物中の水が均一かつ微細に分散した弾性体を形成する。その後、弾性体から水を蒸発させる(脱水する)ことにより、微細な空孔が均一に形成された弾性層を形成すると同時に、その空孔の内壁にイオン導電剤を付着させることで、弾性層に導電性を付与する。
液状シリコーンゴム組成物は、イオン導電剤を予め溶解させた水を吸水性ポリマーに含ませた含水ゲルと、乳化剤を配合した液状シリコーンゴムとを混合して調製することができる。調製の際には、液状シリコーンゴムと含水ゲルの各々を所定量ずつ秤量して、これらを遊星式の万能混合攪拌機(プラネタリーミキサーあるいはプラネタリーディスパー)など公知の混合攪拌手段を用いて攪拌すればよい。液状シリコーンゴム組成物には、本発明の硬化を損なわない範囲で硬化遅延剤などのその他の成分を配合することができる。その他の成分および各成分の配合量については、イオン導電剤を除いて特許文献5の記載を参考にできる。
弾性層の形成方法は特に限定されないが、型成型法を例に説明する。弾性層を形成する前に、基体に予めプライマー処理が施される。一方、表面層用の材料には、内面がエッチング処理されたフッ素樹脂チューブを用い、予め、円筒状金型の内壁面に沿うように該フッ素樹脂チューブを添装する。基体は、該円筒状金型内に挿入され、基体を保持しかつ注入口及び流出口を有する駒型を両端部に嵌め込んで、円筒状金型と両端の駒型を治具によって押さえ込むことにより、円筒状金型内に基体を同心状に配置する。そして、配置された基体の軸方向に沿うようにして、円筒状金型内の基体とフッ素樹脂チューブとの間隙に弾性層形成用の液状シリコーンゴム組成物を流し込む。該金型内を液状シリコーンゴム組成物で充填した後、金型を密閉して加熱する。液状シリコーンゴム組成物は金型ごと、水の沸点未満の温度、例えば60℃〜90℃で5分間〜120分間加熱処理する。密閉下で液状シリコーンゴム組成物が加熱処理されると、シリコーンゴム成分は含水ゲル中の水分を保持したまま架橋硬化(1次硬化)する。これにより、含水状態のシリコーンゴム層が形成される。
シリコーンゴム成分の硬化後、金型の両端部から駒形を取り外して金型を開放し、さらに金型ごとローラを加熱する。加熱によって弾性層内の温度が上昇するに従って含水ゲルに含まれていた水分が蒸発するので、当該箇所に空孔が連結された連通孔が形成される。加熱温度は、水の沸点以上の温度、例えば、100℃〜180℃に、加熱時間は1〜5時間に設定するのが望ましい。この熱処理によりシリコーンゴムの架橋がさらに進む(2次硬化)。水に溶解していたイオン導電剤は、連通孔の内壁に付着して残る。以上のようにして、連通孔を有する弾性層が基体の外周面かつ表面層の内周面に形成される。
加熱した金型を水冷方式や空冷方式によって冷却した後に、金型からローラを脱型する。このようにして、電子写真用部材(加圧ローラ)が得られる。脱型した後、200℃程度で加熱処理して架橋をさらに進めても良い。
本発明に係る電子写真用部材及び本発明に係る定着装置が使用される電子写真画像形成装置としては、図3のような装置が挙げられる。この装置は、回転する感光体101、潜像形成手段としての帯電手段102と像露光手段103、感光体上に形成した潜像をトナーで現像する現像手段104を有する。また、現像したトナー像を記録材Pに転写する転写手段105、トナー像転写後の感光体の表面を清掃するクリーニング手段106と、記録材上のトナー像を定着する定着手段としての定着装置10等を有する。
本発明に係る定着装置は、定着部材と、ニップ部形成部材と、を備えている。ニップ部形成部材は、該定着部材に圧接して弾性変形することにより未定着トナー像の形成された記録材を挟持搬送し加熱する定着ニップ部を形成して、該未定着トナー像を定着画像として該記録材に定着させる。該ニップ部形成部材としては、本発明に係る電子写真用部材が用いられる。
図1は、本発明に係る定着装置の構成の一例を概略断面図である。図1に示す定着装置10は、加熱体としてのセラミックスヒータ(以下、単に「ヒータ」と記す)1と、加熱体支持部材としてのヒータホルダ2と、定着部材としての定着ベルト3と、ニップ部形成部材としての加圧ローラ4とを備える。
ヒータ1は、不図示の給電手段によって通電されることで発熱する、例えば抵抗発熱体などの発熱源を有しており、給電により急峻に昇温する。ヒータ1の温度は不図示の温度検知手段で検知され、その検知温度情報が不図示の制御手段に入力される。制御手段は、温度検知手段から入力される検知温度が所定の定着温度に維持されるように、給電手段から発熱源への供給電力を制御してヒータ1の温度を所定の温度に温調する。
ホルダ2はヒータ1の保持部材として機能すると共に定着ベルト3の回転ガイド部材としても機能する。定着ベルトの内周面には、ヒータ及びホルダとの摺動性を確保するために潤滑剤(グリス)が塗られている。なお、本明細書でベルトとは、フィルム状のものも含む用語である。
加圧ローラ4は、内側から外側に、基体(芯金)4a、弾性層(ゴム層)4b、表面層としての離型層4cを備える。加圧ローラ4は回転駆動装置Mによって使用時に回転駆動される。このため基体4aは、定着装置10のフレームなどの不図示の固定部分に軸受部材を介して回転自在に支持されている。
定着部材としての定着ベルト3は、図1に示すように、基材3aの外周にベルト弾性層3bが設けられ、該ベルト弾性層3bの外周に表層としての離型層3cが設けられている。基材の材料は耐熱性及び耐屈曲性を必要とすることに鑑みて、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐熱性樹脂を用いる。また熱伝導性をも考慮するならば、基材は耐熱性樹脂に比べ熱伝導率のより高いステンレス鋼(SUS)、ニッケル、ニッケル合金などの金属を用いてもよい。そして、基材は熱容量を小さくする一方で機械的強度を高くする必要があるので、基材の厚みは5μm〜100μmが好ましく、20μm〜85μmがより好ましい。
離型層は、ベルト弾性層の外周を被覆するフッ素樹脂層である。離型層は、定着ベルトにトナーを付着しにくくするために設けられる。離型層用の材料には、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を用いることができる。離型層の厚みは、1μm〜50μmが好ましく、8μm〜25μmがより好ましい。離型層はベルト弾性層をフッ素樹脂チューブで被覆するか、フッ素樹脂からなる塗料を塗布することによって、ベルト弾性層の外周に形成することができる。ベルト弾性層と離型層の間には接着、通電等の目的によりプライマー層や接着層などが設けられていてもよい。
弾性層をカミソリ等で切断し、縦2.5mm、横2.5mm、厚み2.5mmの試料片1を得る。当該切断面を走査型電子顕微鏡(例えば、商品名:S−4700、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、倍率300倍)で観察し、所定の領域(縦300μm、横300μm)を2値化して、各空孔の最長径Dmaxと最短径Dminを計測する。最長径と最短径の和を2で除した値を各空孔の空孔径とする。測定されたすべての空孔径の平均値を求め、その値を空孔の平均径とする。
弾性層をカミソリ等で切断し、縦20mm、横20mm、厚み2.5mmの試料片2を得る。
水中置換式密度・比重計として、自動比重径「DSG−1」(商品名、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、該試料片2の比重を測定する。
電子写真用部材を加圧ローラとして、図1に記載のフィルム加熱方式のA3タイプの定着装置、及びそれを具備した画像形成装置(製品名「imageRUNNER ADVANCE C5255」、キヤノン株式会社製)を用いて、画像評価を行う。
加圧ローラの弾性層の導電性は、通紙に伴う静電オフセット画像から確認できる。該導電性が不十分な場合、加圧ローラの離型層(表面層)と加圧ローラと対をなす定着ベルトとの摩擦、あるいは紙との摩擦によって加圧ローラ表面がトナーと同極性に帯電し、紙上のトナーを静電的に飛び散らせる静電オフセット画像が発生する。一方、加圧ローラ弾性層の導電性が十分である場合には、摩擦による加圧ローラの離型層の帯電が抑制されるため、静電オフセット画像も発生しない。
静電オフセットの評価は、低温度(15℃)かつ低湿度(相対湿度10%)の環境下で、定着装置における総加圧力を約320N(一端側が約160N)、加圧ローラの回転速度(周速)を246mm/secとし、LTR横サイズ紙(Neenah Bond 60g/m2、Neenah Paper社製)で先端50mmハーフトーン画像を50枚/分で200枚連続プリントする。そのときの静電オフセット画像に基づいて行う。評価結果は、以下の基準で判断する。
A:静電オフセット画像が全く発生しない。
B:静電オフセット画像が発生する。
1.液状シリコーンゴム組成物の調製
乳化剤としてポリエーテル変性シリコーン(商品名:FZ−2233、東レ・ダウコーニング株式会社製)を配合させた付加反応架橋型の液状シリコーンゴム「DY35−2083」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を用いた。含水ゲルは、ポリアクリル酸ナトリウムを主成分として含み、かつ、スメクタイト系粘土鉱物を含む増粘剤1質量%に対して、イオン交換水99質量%を加えて十分に撹拌し、膨潤させることにより調製した。なお、増粘剤としては「ベンゲルW−200U」(商品名、株式会社ホージュン製)を用いた。また、イオン交換水には予めイオン導電剤としてトリフルオロメタンスルホン酸カリウムを液状シリコーンゴム100質量部に対して5質量部の割合になるように配合しておいた。
該液状シリコーンゴム100質量部と該含水ゲル100質量部とを遊星式の万能混合攪拌機(商品名「ハイビスミックス2P−1型」、プライミクス株式会社製)を用いて、80rpm、60分の条件で混合攪拌した。このように、水を液状シリコーンゴム中に乳化分散させることにより、弾性層形成用の液状シリコーンゴム組成物を得た。
基体としてA3サイズ用(弾性層の形成域の長さ327mm)の鉄製芯金を用いた。プライマーとして、「DY39−051」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を用いた。表面離型層用の材料として、内径29.0mmのフッ素樹脂製のPFA(商品名:451HP−J、三井デュポンフロロケミカル社製)チューブを用いた。
該プライマーを、該芯金の周面に塗布した後、該芯金を熱風循環式オーブン内で温度180℃で30分間焼成した。一方、内径30.2mmの中空円筒状金型内に該PFAチューブを挿入し、該チューブの両端部を該中空円筒状金型の外壁面に折り返すことにより、該円筒状金型の内壁面に設置した。該PFAチューブの内面にはプライマー「DY39−067」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を塗布し、熱風循環式オーブン内において70℃で20分間乾燥した。
プライマー処理後の芯金を中空円筒状金型内に同心上に設置し、上下両端部に駒型を嵌め込んで、中空円筒状金型と両端の駒型を治具によって押さえ込むことにより、中空円筒状金型内に芯金を同心上に固定して配置した。
次いで、金型内壁に配置したフッ素樹脂チューブと芯金との間に、前記液状シリコーンゴム組成物を注入し、金型両端の駒型を密閉した。その後、金型ごと90℃の熱風循環式オーブン中で1時間放置して、液状シリコーンゴム組成物を硬化するとともに、芯金とシリコーンゴムとフッ素樹脂チューブを一体化させた。
加熱した金型を温度50℃以下に冷却した後に、金型から両端の駒型をはずした。金型両端部が開放された状態で金型ごと温度180℃の熱風循環式オーブン中で2時間放置して、弾性層内の水分を蒸発させることにより、連通孔を形成した。金型を温度50℃以下に冷却した後、金型からチューブ被覆ローラを脱型し、ローラを200℃の熱風循環式オーブン中で4時間放置して弾性層のシリコーンゴムを二次硬化させた。
以上の工程を経て、加圧ローラを得た。基体、弾性層、表面層(離型層)を積層した加圧ローラの長手方向中央部の外径は30mmとした。
弾性層の空孔径は18μm(標準偏差7.33)であり、比重は0.56であった。また、画像評価の結果はAランクであった。評価結果を表1に示す。尚、各実施例及び比較例において用いた導電剤の詳細を表2に示す。
イオン導電剤を、それぞれ、表1に示す化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして液状シリコーンゴム組成物を得て、さらに、加圧ローラNo.2〜No.5を得た。評価結果を表1に示す。
水にイオン導電剤を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、液状シリコーンゴム組成物を得て、さらに、加圧ローラNo.6を得た。評価結果を表1に示す。
予め乳化剤としてポリエーテル変性シリコーン(商品名:FZ−2233、東レ・ダウコーニング株式会社製)を配合させた付加反応架橋型の液状シリコーンゴム「DY35−2083」100質量部に対し、導電剤としてカーボンブラックを5質量部の割合で混合した。これを実施例1と同様の含水ゲル(イオン導電剤は含まない)100質量部と実施例1と同様の手順にて混合攪拌することにより、水が乳化分散された液状シリコーンゴム組成物を得た。さらに、実施例1と同様にして加圧ローラNo.7を得た。評価結果を表1に示す。
カーボンブラックの量を10質量部に変更した以外は、比較例2と同様にして液状シリコーンゴム組成物を得て、さらに、加圧ローラNo.8を得た。評価結果を表1に示す。
比較例1では加圧ローラの弾性層に導電剤が配合されていないため、静電オフセット画像が発生する。また、比較例2では、弾性層に導電剤としてカーボンブラックが配合されているが、静電オフセット画像を抑制するには不十分である。比較例3では、比較例2よりもカーボンブラックの配合量を増やすことで静電オフセット画像が発生しないが、比重が高い。比重が高くなると定着装置の立ち上がり時間の短縮効果が小さくなる。
4…加圧ローラ、
4a…基体
4b…弾性層、
4b1…連通孔、
4b2…イオン導電剤
4c…表面層(離型層)
10…定着装置
Claims (9)
- 基体と、弾性層と、フッ素樹脂を含む表面層とをこの順に有する電子写真用部材であって、
該弾性層は、複数の空孔が互いに連結された連通孔を有し、該連通孔の内壁にイオン導電剤が付着していることを特徴とする電子写真用部材。 - 前記空孔の平均径が、5μm以上30μm以下である請求項1に記載の電子写真用部材。
- 前記イオン導電剤がカリウム塩型及びリチウム塩型の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用部材。
- 前記弾性層が、シリコーンゴムを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
- 基体の外周に離間してフッ素樹脂層を配置し、該基体と該フッ素樹脂層との間に、液状シリコーンゴムにイオン導電剤を溶解した水が乳化分散された液状シリコーンゴム組成物を注入する工程、
該液状シリコーンゴム組成物を1次硬化させて含水状態のシリコーンゴム層とする工程、
該含水状態のシリコーンゴム層から水を除去することにより複数の空孔が互いに連結された連通孔を有する弾性層を形成する工程、
を含むことを特徴とする電子写真用部材の製造方法。 - 前記液状シリコーンゴム組成物が、イオン導電剤を予め溶解させた水を含む含水ゲルと、乳化剤を配合した液状シリコーンゴムとの混合物である請求項5に記載の電子写真用部材の製造方法。
- 前記基体と前記フッ素樹脂層との間に、前記液状シリコーンゴム組成物を注入する工程は、
円筒状金型の内壁面にフッ素樹脂チューブを配置する工程、
基体を保持しかつ注入口を有する駒型及び流出口を有する駒型を該円筒状金型の両端部に嵌め込んで該円筒状金型内に該基体を同心状に配置する工程、
該注入口から該円筒状金型内の基体とフッ素樹脂チューブの間隙に該液状シリコーンゴム組成物を注入する工程
とを含み、
前記1次硬化が該注入口及び該流出口を閉じて該円筒状金型を水の沸点未満の温度で加熱処理して行われ、
前記含水状態のシリコーンゴム層からの水の除去が、該円筒状金型の両端部から該駒形を取り外して、該円筒状金型を水の沸点以上の温度で加熱処理して行われる、
請求項5または6に記載の電子写真用部材の製造方法。 - 前記イオン導電剤がカリウム塩型及びリチウム塩型の少なくとも一方である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の電子写真用部材の製造方法。
- 定着部材と、該定着部材に圧接して弾性変形することにより未定着トナー像の形成された記録材を挟持搬送し加熱する定着ニップ部を形成して、該未定着トナー像を定着画像として該記録材に定着させるニップ部形成部材と、を備えた定着装置において、
該ニップ部形成部材は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用部材であることを特徴とする定着装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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