JP2012208175A - 電子写真機器用導電性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低抵抗であり耐久性が良好であると共に、ブルームによる相手部材への汚染を抑制可能な導電層を得ることができる電子写真機器用導電性組成物を提供する。
【解決手段】以下の成分を含有することを特徴とする電子写真機器用導電性組成物。
(A)以下の(B)成分の求核性反応基と化学結合する官能基を有する重合体からなる樹脂ポリマー成分。
(B)分子内に、芳香環、アルキルエーテル構造、及び2つ以上の求核性反応基を含有する化合物からなる架橋剤成分。
(C)酸触媒成分。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真機器用導電性組成物に関するものであり、詳しくは電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真機器の帯電ロールや現像ロール等の導電層の形成に好適に用いられる導電性組成物に関するものである。
例えば、接触帯電方式の電子写真機器の画像形成は、以下のように行われる。先ず感光ドラムに帯電ロールを圧接して該感光ドラム表面を一様に帯電させ、光学系を介して感光ドラム表面に原稿像を投射し、光が投射された部分の帯電を打ち消すことにより、静電潜像を形成する。次いで、現像ロール表面に均一にトナーを担持させ、このトナーを上記静電潜像に付着させてトナー像を形成した後、このトナー像を複写紙等に転写することで、複写画像を得ることができる。
上記現像ロールや帯電ロール等は、一般に表面の保護層等の表層に導電性樹脂層(以下、導電層ということもある)が設けられている。
電子写真機器は、高速化、高耐久化、高画質化の要求があり、帯電ロールの導電層の特性として、下記の特性が要求されている。
高速化のためには、(1)ベース層に対する追従性が良いことが要求され、高破断伸び、高弾性回復率等を有する必要がある。
高耐久化のためには、接触部材により表面が削られるのを防止するために(2)耐磨耗性、(3)トナー、ほこり等の付着を防止するために耐汚れ性等が要求され、高弾性率等が良好である必要がある。
高画質化のためには(4)電圧の印加によって放電し、感光ドラムを帯電させる際の均一帯電性のために低電気抵抗であることや、(5)温度や湿度等によって、電気抵抗レベルが変動するのを防ぐために低環境依存性であることや、(6)感光ドラムに対する汚染性が低いこと、表面にトナー成分が固着しにくいこと等が要求され、耐ブルーム性、バリア性等が良好である必要がある。
例えば上記(2)耐磨耗性、(4)均一帯電性を改良するために、半導電性を有し、弾性、耐磨耗性などの物性値が適当な値を示すN−メトキシメチル化ナイロンをバインダー樹脂として使用した導電層組成物が公知である(例えば特許文献1参照)。
また、上記(5)低環境依存性とするために、メラミン及び有機酸を架橋剤として使用することが公知である(例えば特許文献1参照。)。
また上記(4)低電気抵抗とするために、金属酸化物、カーボンブラック等を添加することが公知である(例えば特許文献2参照。)。
特許第2649162号公報 特許第2994676号公報
上記特許文献1に記載のように、メラミン架橋剤を添加することは、ナイロンポリマーの欠点である環境依存性を低減するために効果的である。しかし、メラミン架橋剤は、それ自体は絶縁性の成分である為、組成物から形成される塗膜自体が高抵抗化してしまうという問題があった。
上記特許文献2に記載のように、カーボンブラックや金属酸化物などの導電剤を用いて導電性を付与することは、低電気抵抗化に効果的である。しかし、それだけでは低抵抗化に限界があるという問題があった。またこれらの導電剤を添加すると、塗膜自体の破断伸びを低下させてしまうという問題があった。
また、組成物にイオン導電剤を添加することで、塗膜の低抵抗化に効果がある。しかしイオン導電剤の中にはブルーム(ブリードも含む)し易いものと、ブルームし難いものがある。ブルームし易いイオン導電剤を用いた塗膜は、イオン導電剤がブルームして、接触する感光ドラムを汚染する恐れがあるという問題があった。
特に、省エネルギー化のために、帯電ロール等は、従来よりも低い印加電圧で使用することが要求されている。
更に帯電ロール等は、弾性回復率、破断伸び、耐久後の画像等の耐久性も良好であることが要求される。また、表層の電気抵抗を下げても、ブルームなどにより相手部材を汚染しないことが必要である。
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、低抵抗であり耐久性が良好であると共に、ブルームによる相手部材への汚染を抑制可能な導電層を得ることができる電子写真機器用導電性組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る電子写真機用導電性組成物は、
以下の成分を含有することを要旨とするものである。
(A)以下の(B)成分の求核性反応基と化学結合する官能基を有する重合体からなる樹脂ポリマー成分。
(B)分子内に、芳香環、アルキルエーテル構造、及び2つ以上の求核性反応基を含有する化合物からなる架橋剤成分。
(C)酸触媒成分。
上記電子写真機用導電性組成物において、上記(B)成分が、以下の一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012208175
上記電子写真機器用導電性組成物において、上記(A)成分が、上記(B)成分の求核性反応基と化学結合する官能基を有するナイロンポリマーであることが好ましい。
上記電子写真機器用導電性組成物において、更に、以下の(D)成分を含有することが好ましい。
(D)電子導電剤。
本発明の電子写真機器用導電性組成物は、樹脂ポリマー成分と反応する特定の構造を有する(B)架橋剤成分を用いたことにより、上記課題を解決することができた。すなわち(B)架橋剤成分がアルキルエーテル構造を有することにより、組成物から形成される塗膜の低抵抗化を図ることができる。また、本発明の組成物は、ブルームし易いイオン導電剤を用いずに塗膜を低抵抗化することができるので、塗膜と接触する感光ドラム等の相手側部材の表面を汚染する恐れがない。
また(B)架橋剤成分が、芳香環を有することにより、弾性回復性等の機械的特性が向上して、耐久性が良好になる。
また(B)架橋剤成分が、求核性反応基を有することにより、表層材料として従来から用いられている樹脂ポリマーの官能基との間で架橋させることができ、形成される塗膜の弾性率、破断伸びを保ち、塗膜を低抵抗化させかつ環境依存性の優れたものが得られる。
以下、本発明の電子写真機器用導電性組成物の実施の形態について詳細に説明する。本発明の電子写真機器用導電性組成物(以下、単に導電性組成物ということもある)は、少なくとも以下の(A)〜(C)成分を含有するものである。
(A)以下の(B)成分の求核性反応基と化学結合する官能基を有する重合体からなる樹脂ポリマー成分。
(B)分子内に、芳香環、アルキルエーテル構造、及び2つ以上の求核性反応基を含有する化合物からなる架橋剤成分。
(C)酸触媒成分。
上記(A)樹脂ポリマー成分としては、ナイロンポリマー、アクリルポリマー等が挙げられる。また後述する(B)架橋剤成分の求核性反応基と反応する官能基としては、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。
(A)樹脂ポリマー成分としては、アルコキシ基を有するナイロンポリマーが好ましい。上記アルコキシ基を含有するナイロンポリマーとして、具体的には、N−メトキシメチル化ナイロンが挙げられる。N−メトキシメチル化ナイロンは、通常のポリアミド(ナイロンポリマー)のアミド結合(NH−CO)の水素の一部をメトキシメチル基(CH−O−CH)で置換したポリアミドである。N−メトキシメチル化ナイロンは、そのメトキシメチル化度が増加すると柔軟性も増加する。N−メトキシメチル化ナイロンのメトキシメチル化度は、通常0〜80%の範囲である。またN−メトキシメチル化ナイロンの重合度(n)は、50〜2000の範囲であれば、問題なく使用できる。
(A)樹脂ポリマー成分として用いられるアクリルポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらのエステルを主成分とするポリマーである。アクリルポリマーは、モノマーの種類、共重合をさせる他の樹脂のモノマーや、重合度等により、その塗膜の物性を適宜調節することができる。アクリルポリマーの(B)架橋剤成分の求核性反応基と反応する官能基としては、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。
(B)架橋剤成分は、分子内に、芳香環、アルキルエーテル構造、及び2つ以上の求核性反応基を含有する化合物からなり、例えば下記の一般式(1)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2012208175
上記一般式(1)でR1及びR5で示される架橋剤の求核性反応基は、例えば、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、メルカプト基、シアノ基等が挙げられる。上記一般式(1)でR3のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
上記一般式(1)の化合物を樹脂ポリマー成分の架橋剤として用いることにより、樹脂ポリマーに網目構造が構築された場合、ベンゼン環等の芳香環が塗膜の弾性率、破断伸び、及び回復弾性率を向上させる。上記架橋剤の芳香環は、塗膜の高弾性率化、高破断伸び化、高弾性回復率化を図ることができる。
また樹脂ポリマー成分としてナイロンポリマーのような温度湿度等による体積変動が大きい材料を使用した場合に、ナイロンポリマーが上記架橋剤により架橋されることにより、ナイロンポリマーの体積変動が抑制される。その結果、ナイロン塗膜の電気特性が安定化する。上記架橋剤は、塗膜の低環境依存性化を図ることができる。
また上記架橋剤はアルキルエーテル構造を含むものであるから、樹脂ポリマーを架橋した場合に、樹脂ポリマー中にアルキルエーテル構造が組み込まれる。架橋した樹脂ポリマーは、アルキルエーテル構造により、イオン導電性が高まり、体積抵抗率が低下する。上記架橋剤のアルキルエーテル構造は、塗膜の低抵抗化を図ることができる。
上記一般式(1)で表わされる(B)架橋剤成分の具体例としては、例えば、下記の一般式(2)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2012208175
上記一般式(2)で表わされる化合物は、nの数が1〜20であるのが好ましい。nの数が1未満では弾性率が大きくなりすぎる恐れがあり、20を超えると弾性率が低下する恐れがある。
このように、上記一般式(2)で表わされる化合物は求核性反応基として、アミノ基(NH2)を一分子内に2個有するものであるが、本発明では(B)架橋剤成分の化合物は、一分子中に3個以上の求核性反応基を有するものでもよい。一分子中に求核性反応基を3個以上有する化合物の具体例として、下記の一般式(3)で表わされる化合物が挙げられる。一般式(3)において、l+m+n=9.7である。
Figure 2012208175
求核性官能基が水酸基の化合物としては、一般式(4)で表わされる2,2ビス(4ポリオキシエチレンオキシフェニル)プロパン等の芳香族系グリコールエーテル化合物が挙げられる。このような化合物は、市販品で、日本乳化剤社製、商品名「BAシリーズ」がある。一般式(4)において、m+n=2.1〜17.5である。
Figure 2012208175
また、(B)架橋剤成分において、求核性反応基は、異なる反応基でもよい。このような化合物として、例えば下記一般式(5)に示す化合物が挙げられる。一般式(5)の化合物は、求核性反応基として一つの水酸基と二つのアミノ基を有するものである。一般式(5)において、n=1〜41.4である。
Figure 2012208175
一般式(1)で表わされる化合物の芳香環は、一般式(2)で表わされる化合物のように、ベンゼン環であるのが好ましい。また、上記化合物の芳香環としては、ベンゼン環以外にナフタレン環等でもよい。一般式(1)の化合物で、芳香環としてナフタレン環を有する化合物は、下記一般式(6)、(7)で表わされる化合物が挙げられる。一般式(6)、(7)の化合物において、nは1〜41.4である。
Figure 2012208175
Figure 2012208175
(A)樹脂ポリマー成分に対する(B)架橋剤成分の添加量は、反応基と求核性官能基の官能基数比で、成分(A)/成分(B)=0.56/1〜500/1の範囲となるように添加するのが好ましい。上記官能基数比が、0.56未満では、(B)架橋剤成分が樹脂ポリマーと反応しないで残存し、残存した架橋剤が経時的にブルームして、塗膜や、塗膜と接触する相手側に悪影響を与える恐れがある。また上記官能基数比が500を超えると、(B)架橋剤成分が少なくなりすぎて、架橋剤としての効果が十分発揮できない恐れがある。
(C)酸触媒成分は、ポリマー樹脂の官能基と架橋剤の求核性反応基を反応させるために用いられる。具体的な酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、酢酸等の有機酸、塩酸、硫酸、スルホン酸等の無機酸が挙げられる。触媒の添加量は、ポリマー樹脂成分100質量部に対し0.1〜8.0質量部の範囲であるのが好ましい。酸触媒の添加量が0.1質量部未満では、架橋度が低くなりすぎる恐れがあり、8.0質量部を超えると相溶性が悪化する恐れがある。
導電性組成物には、更に(D)電子導電剤を添加してもよい。電子導電剤としては、金属酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。(D)電子導電剤の含有量は、樹脂ポリマー成分100質量部に対し、0〜100質量部の範囲であるのが好ましい。(D)電子導電剤の含有量が樹脂ポリマー成分100質量部に対し100質量部を超えると、破断伸びが低下する恐れがある。
本発明の導電性組成物は、例えばコピー機、プリンター等の電子写真複写機等に用いられる導電性ロールの表層を形成するための組成物として用いることができる。導電性ロールは、例えば、現像ロール、帯電ロール、転写ロール、定着ロール、トナー供給ロール、除電ロール、給紙ロール、搬送ロール、クリーニングロール等が挙げられる。本発明の導電性組成物は、特に帯電ロールや、現像ロール等の表層の組成物として好適である。
例えば導電性組成物を導電性ロールの表層形成に用いる場合は、組成物を有機溶媒に溶解し攪拌し、コーティング液を調製し、導電性の金属等の軸体の表面に形成した弾性層等の表面に、前記コーティング液を所定の方法で塗工し、乾燥、及び加熱硬化することにより、導電性を有する表層を形成することができる。上記溶剤としては、例えば、メチルアルコール等を用いることができる。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備、作製した。
(A)樹脂ポリマー成分(表ではバインダーポリマーと記載)
・アクリル酸ポリマー(COOH基あり):日本触媒社製「アクアリックAS−58」
・アクリル酸ポリマー(反応基なし):根上産業社製「プレコート200」
・N−メトキシメチル化ナイロン:ナガセケムテックス社製「トレジンEF30T」重合度320又は420
(B)架橋剤成分
・架橋剤A:イハラケミカル工業社製「CUA−4」
・架橋剤B:イハラケミカル工業社製「エラスマー350P」
・架橋剤C:イハラケミカル工業社製「エラスマー650P」
・架橋剤D:イハラケミカル工業社製「エラスマー1000P」
・架橋剤E[合成物1]
p−アミノ安息香酸エチルと分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール〔ダイアケミカル株式会社製「PTMG2000」〕を用いて、下記の方法により合成した。
(架橋剤Eの合成方法)
温度計、冷却管を付けた水分離器および攪拌機を備えた四つ口フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール0.2モル、p−アミノ安息香酸エチル0.4モル、テトラブチルチタネート0.018gを仕込み反応液とした。反応液を、窒素気流下、攪拌しながら200℃まで加熱し、エチルアルコールを留出させた。さらに215℃まで温度を上げ、2時間熟成した後、未反応のp−アミノ安息香酸エチルを減圧留去し、目的とするポリテトラメチレンエーテルグリコールビス(4−アミノベンゾエート)を得た。アミン価は44.8KOHmg/gであった。
・架橋剤F[合成物2]
p−アミノ安息香酸エチルと、トリメチロールプロパントリポリオキシエチレンエーテル〔日本乳化剤株式会社製「TMP90」〕を用いて、下記の方法により合成した。
(架橋剤Fの合成方法)
温度計、冷却管を付けた水分離器および攪拌機を備えた四つ口フラスコにトリメチロールプロパントリポリオキシエチレンエーテル0.2モル、p−アミノ安息香酸エチル0.6モル、テトラブチルチタネート0.018gを仕込み反応液とした。反応液を、窒素気流下、攪拌しながら200℃まで加熱し、エチルアルコールを留出させた。さらに215℃まで温度を上げ、2時間熟成した後、未反応のp−アミノ安息香酸エチルを減圧留去し、目的とする分子内に3つのアミノ基を有する化合物を得た。アミン価は183.33KOHmg/gであった。架橋剤Fは上記一般式(3)で表わされる化合物である。一般式(3)において、l+m+n=9.7である。
架橋剤A〜Eの架橋剤は、上記一般式(2)で表わされる化合物であり、その分子量とnの数を下記の表1に示す。
Figure 2012208175
(比較例のみで用いた架橋剤)
・メラミン
・クエン酸
・両末端アミノ基変性ポリオール:三井化学ファイン社製「D400」
・1,3−ビス(アミノジフェニルオキシベンゼン)
(C)酸触媒
・p−トルエンスルホン酸
・クエン酸
・塩酸
(D)導電剤
・酸化チタン:チタン工業株式会社製「EC−210」
・カーボンブラック:ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製「ケッチェンEC300J」
・イオン導電剤:トリメチル−n−デシルアンモニウムクロリド(試薬)
実施例・比較例の材料評価に用いた試料は下記の通り調製した。
表2〜6の成分からなる組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、バーコートした後、140℃×30分にて乾燥させ、塗膜を形成した。組成物は、塗膜の厚みが30μm程度になるように、溶剤(メチルアルコール)で固形分を調整した。
このようにして得られた導電性組成物の塗膜について、下記の基準に従い各特性の評価を行った。その結果を、表2〜表6に併せて示した。
実施例・比較例の製品評価に用いた試料は下記の通り調製した。
(導電性ロールの作製)
軸体である芯金(直径6mm、SUS304製)をセットした成形用金型内に
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)からなるべース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に、表2〜6の実施例・比較例に記載した導電性組成物を塗布し乾燥して、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)を形成し、その外周面に表層(厚み20μm)が形成されてなる、導電性ロールを作製した。
このようにして得られた導電性ロールについて、下記の基準に従い各特性の評価を行った。その結果を、表2〜6に併せて示した。
*2:[電気抵抗及び電気抵抗変動]
塗膜の電気抵抗は、25℃×50%RHの環境下、1Vの電圧を印加し、JIS K6911に準じて測定した。また電気抵抗変動は、30℃×85%RHの条件下に24時間以上放置した場合の電気抵抗値と、10℃×15%RHの条件下に24時間以上放置した場合の電気抵抗値の差の絶対値について10を底とする対数を求め、これを電気抵抗変動の値として示した。
*3:[弾性率及び破断伸び]
厚さ30μmのJIS2号試験片を用い、引張り速度10±2mm/minで引張試験を行った。測定値の計算は、JIS K7161に準じて行った。
*4:[弾性回復率]
測定には、超微小硬さ試験システム(商品名:フィッシャースコープHM−2000、フィッシャー社製)を使用し測定した。圧子はビッカース四角錐(材質:ダイヤモンド)を用いた。
〔測定手順〕
23℃、50%RH環境下にて以下の手順で測定を行った。
(i)5秒後に10mNに達するよう、一定の速度で荷重を負荷。
(ii)荷重10mNが負荷された状態で30秒間保持。
(iii)5秒後に0mNに達するよう、一定の速度で荷重を除荷。
測定位置を変えながら、上記(i)〜(iii)の一連の手順を繰返し行い、1サンプルにつき4点データを取り、弾性回復率を求めた。
〔弾性回復率の計算〕
圧子の埋め込みによる全仕事量は、一部塑性変形の仕事に消費されるが、残りは全て試験荷重除荷時に弾性逆変形の仕事として解放される。弾性回復率の値は、試験力とその試験荷重で生じた押込み深さの関係から求めた全仕事量に占める弾性逆変形仕事量の割合を百分率で表したものである。弾性回復率についても同様に付属の解析ソフトを用いて計算を行った。弾性回復率が高いほど、変形後の形状回復性能が高い。このため、弾性回復率が高いものは、高い硬度のものほど変形し難いという現象とは異なり、形状回復により結果的に耐変形性が優れる。
*5:[感光体汚染]
有機感光体に帯電ロールを接触させ、30℃×85%RHの条件下で3日間放置したのち、この感光体を電子写真複写機に組み込み、複写画像を形成させてその画像を評価した。○は画像に問題なし、×は色抜けあり。
*6:[耐久性]
有機感光体と帯電ロールを摺接させ、10000枚コピーをしたときの両者の損傷状態を調べた。○は有機感光体、帯電ロールとも異常なし、△はどちらかにわずかな傷、×はどちらかに大きな傷あり。
*7:[画出し評価]
プリンター(富士ゼロックス社製、DocuPrintC3350にセットし、電圧を調整し(1050V、900V)、ベタの画出しを行った。プリント画像が良好なものを○、大きなスジなど見られるものを×とした。
Figure 2012208175
Figure 2012208175
Figure 2012208175
Figure 2012208175
Figure 2012208175
上記表2〜6の結果より、実施例品の塗膜は、電気抵抗が低く、電気抵抗変動も小さく、弾性率、弾性回復性等の機械的特性が良好である。また、実施例品の組成物を用いた導電性ロールは、感光体汚染、耐久性、画出し評価のいずれも良好である。
これに対し、比較例品の場合、比較例6、12以外は、本発明の(B)架橋剤成分を含有するものではないから、塗膜では電気抵抗、電気抵抗変動、弾性率、弾性回復率、導電性ロールでは感光体汚染、低印加電圧時の画出し評価等の全ての特性を満足することができなかった。
また比較例6、12は、本発明の(B)架橋剤成分を含むものであるが、(C)酸触媒成分を含まず、架橋反応が進行しないので、他の比較例と同様に、全ての特性を満足することができなかった。

Claims (4)

  1. 以下の成分を含有することを特徴とする電子写真機器用導電性組成物。
    (A)以下の(B)成分の求核性反応基と化学結合する官能基を有する重合体からなる樹脂ポリマー成分。
    (B)分子内に、芳香環、アルキルエーテル構造、及び2つ以上の求核性反応基を含有する化合物からなる架橋剤成分。
    (C)酸触媒成分。
  2. 上記(B)成分が、以下の一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真機器用導電性組成物。
    Figure 2012208175
  3. 上記(A)成分が、上記(B)成分の求核性反応基と化学結合する官能基を有するナイロンポリマーであることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真機器用導電性組成物。
  4. 更に、以下の(D)成分を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器用導電性組成物。
    (D)電子導電剤。
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CN108329222A (zh) * 2017-12-29 2018-07-27 江苏湘园化工有限公司 一种制备醚、烷基二醇-双-对氨基苯甲酸酯的方法
JP2018120064A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 キヤノン株式会社 電子写真用部材及び定着装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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