JP3565021B2 - 現像ローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写装置あるいはファクシミリの受信装置など、電子写真方式、又は背面露光方式(いわゆるチャージレス法)、静電記録方式を採用した装置に組み込まれる現像ローラの改良に関するものであり、特には非磁性1成分トナーを採用する非磁性現像方式に最適なものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を採用する装置においては、感光体などの静電潜像担持体の周辺に、静電潜像担持体へ電荷を一様に供給する帯電ローラ、トナーを静電潜像担持体へ供給する現像ローラ、そしてトナー像を記録用紙に転写させる転写ローラなどの各種ローラが配置される。これら各種ローラの内、現像ローラは最も重要なものであり、種々の特性が求められる。
【0003】
図1は、非磁性1成分トナーによる非磁性現像方式を採用する現像装置を模式的に示した断面図である。トナー5は供給ローラ6により確実に現像ローラ1表面へ供給され、規制ブレード7や現像ローラ表面との摩擦により帯電されてトナー薄層8となる。その後、トナーは現像ローラ表面と静電潜像担持体である感光体9との間に印加された電圧により感光体表面に移動し、トナー像10となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現像ローラは未使用時には現像装置内部の感光体や、供給ローラ等の周辺部材と接触した状態で保持されるため、適度な柔らかさが求められることに加え、少なくともその表面は周辺部材を汚染しない物質からなることが求められる。
【0005】
従来、現像ローラの素材にはNBR(ニトリルブタジエンラバー)やEPDM、シリコーン等が用いられているが、NBR、EPDMはそれだけでは硬度が大きすぎるため、現像ローラとして用いる場合は、硬度を小さくするために可塑剤を添加する必要がある。同時に架橋を促進するため一般に加硫剤が添加されるが、これら可塑剤や加硫剤は現像ローラの周辺部材を汚染、もしくは変質させる恐れがあった。またシリコーンは架橋せずに残った低分子量のものが表面にブリードしがちであり、NBRと同様の問題がある。
【0006】
このような問題を解決するため、例えば現像ローラの最表面には樹脂製の表面層が設けられるが、表面層の材料も周辺部材に対して悪影響を及ぼさないものを選定する必要がある。
本発明者らはこのような問題点に鑑み、検討を進めた結果、現像ローラの表面層に含まれる揮発性成分量に一定の制限を与えることで、周辺部材に影響を与えず、耐久性に優れた現像ローラが得られることを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、電子写真用の現像ローラであって、導電性シャフトの周りに弾性層、該弾性層上に表面層を同心円状に積層して構成される現像ローラにおいて、前記表面層がポリカーボネートウレタン樹脂を主成分とし、その厚みが10〜20μmであり、かつ表面層中に含まれる揮発性成分量が200ppm未満であることを特徴とする現像ローラである。
【0008】
ここで揮発性成分とは表面層塗布時に使用する溶剤、あるいは表面層樹脂中に含まれる未反応単量体等がある。
溶剤としては、ケトン、アルコール、カルボン酸エステル、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミドのいずれかを使用することが望ましい。
なかでも前記ケトンとしてメチルエチルケトン、シクロヘキサノンのいずれかを使用することが望ましい。
【0009】
また前記アルコールとして、2―プロパノールを使用することが望ましい。
さらに前記弾性層としては、
(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位からなる重合体と、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む硬化剤と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と、
を主成分とする硬化性組成物の反応物を用いることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る代表的な種々の実施例を説明する。
本実施例の現像ローラは、直径1〜12mm程度のSUS製やアルミニウム合金製などの金属製シャフトの周りに弾性層が設けられ、その外周面が表面層で被覆されたものである。ここで、前記弾性層と表面層との間に、現像ローラの電気抵抗を調整するための抵抗調整層や、弾性層と表面層との間の接着性を向上させるためのプライマー層などを含むこともある。なお本発明では、前記表面層の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば表面層を構成する樹脂成分の粘度などに応じて樹脂を溶剤に溶かした後に、ディッピング、スプレー噴霧、ロールコート、刷毛塗りなどで現像ローラの主基材層である弾性層の外周面に塗布し、乾燥させる方法が簡便であり、10〜20μmの所定の厚みに形成される。
【0011】
本発明の最大の特徴は、現像ローラの表面層中に含まれる揮発性成分量にある一定の制限を与えることである。ここで、本発明における揮発性成分とは表面層塗布時に使用する溶剤、あるいは表面層樹脂中に含まれる未反応単量体等があるが、主には表面層塗布時に使用する溶剤の影響が大きい。表面層塗布後の乾燥が不十分であると、表面層中には多量の溶剤が残留するため、長期使用時には溶剤がローラ表面からしみ出し、周辺部材にダメージを与える。また溶剤は一般に極性のあるものが多く、ローラ表面にしみ出した溶剤がトナーに付着すると、トナーの帯電特性に悪影響を及ぼす。従って表面層塗布後の乾燥は十分に実施する必要があるが、乾燥後の表面層中に含まれる揮発性成分量が200ppm未満となるように乾燥条件を設定すると、ローラ表面に溶剤がしみ出して現像ローラの周辺部材にダメージを与えたり、トナーの帯電特性に悪影響を及ぼすことがない。また本発明は弾性層の外周面が表面層により覆われるため、弾性層から可塑剤や加硫剤がしみ出したとしても、表面層によりブロックされてローラ表面には到達しない。
【0012】
本発明で用いる溶剤は、表面層を構成する樹脂成分に応じ適宜定めればよいが、入手のし易さや取り扱い易さを考慮すると、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノンに代表されるケトンや、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールに代表されるアルコール、または酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸ブチルに代表されるカルボン酸エステルやトルエン、キシレン、ジメチルホルムアミドのいずれか、もしくはそれらの混合物を使用することが好ましい。さらに樹脂の溶解能力を考慮すると、ケトンの中でもメチルエチルケトン、シクロヘキサノンのいずれかを、アルコールの中でも2−プロパノールを使用することが好ましい。
【0013】
また現像ローラの表面層を構成する樹脂成分としては、現像ローラが接触する周辺部材にダメージを与えないことに加え、負に帯電するトナーを使用する場合に好ましいポリカーボネートウレタンを用いる。ポリカーボネートウレタンは入手が容易な上、溶剤で希釈した後、ディッピングやスプレー塗布などで弾性層上に容易に塗布することができる。
【0015】
ポリカーボネートウレタンは、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られる化合物である。ポリカーボネートポリオールは、多価アルコールとホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合によって得られる公知の材料である。ポリカーボネートポリオールの好ましいものとしては、多価アルコールとして1,6−ヘキサンジオール、1,4―ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールなどを使用したものであり、その数平均分子量Mnは約300〜15,000が望ましい。ポリカーボネートポリオールは単独で使用することが好ましいが、ポリウレタン製造用の公知の材料であるポリエステルポリオールと併用することも可能である。
【0016】
ポリカーボネートポリオールと反応させるポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添TDI、水添MDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)など、公知の物が使用される。入手の容易さ、コストなどのバランスからは、水添MDI、IPDIが好ましい。
【0017】
前記のような、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリカーボネートウレタンを製造するには、必要に応じて鎖伸長剤を併用して、適当な溶剤の存在下、あるいは不存在下で反応させる。前記の場合の鎖伸長剤としては、多価アルコール、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンなどの公知のものを用いることができる。
【0018】
最後に本発明においては、弾性層の材料として
(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位である重合体と、
(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する硬化剤と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と、
を主成分とする硬化性組成物の反応物を使用することが好ましい。
【0019】
この硬化性組成物における(A)成分の重合体は、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある分子の場合には、分子末端に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。(A)成分の主鎖を構成する主な繰り返し単位オキシアルキレン単位または飽和炭化水素単位である。
【0020】
主鎖を構成する主な繰り返し単位がオキシアルキレン単位からなる重合体の場合、少量の導電性付与剤を添加するだけで体積抵抗が10〜10Ωcmとなるため好ましい。また、硬化物の低硬度化の観点からも、前記繰り返し単位がオキシアルキレン単位であるオキシアルキレン系重合体、さらには、前記繰り返し単位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重合体が望ましい。
【0021】
ここで、前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、例えば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合には、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる単位との共重合体(グラフト共重合体も含む)であってもよい。
【0022】
上記のような(A)成分のオキシアルキレン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化のバランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)で500〜50,000、さらには1,000〜40,000であることが好ましい。特に、数平均分子量5,000以上のもの、さらには5,000〜40,000であるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0023】
前記オキシアルキレン系重合体が有するアルケニル基に特に制限はないが、下記一般式(1)、
C=C(R)− (1)
(式中、Rは水素原子またはメチル基)
で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。
【0024】
また、この硬化性組成物の特徴の1つは、低硬度化に設定しやすいことであり、この特徴を発揮させるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ましく、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる。
また、(A)成分が、主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の場合は、低吸水率であり、電気抵抗の環境変動が小さく好ましい。この重合体の場合も、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様に、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化するものであり、(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個存在することが好ましく、分岐を有する分子の場合は、分子末端に2個以上存在することが好ましい。
【0025】
前記主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の代表的な例としては、イソブチレン系重合体、水添イソプレン系重合体、水添ブタジエン系重合体が挙げられる。これら重合体は、共重合体などの他成分の繰り返し単位を含むものであってもかまわないが、少なくとも飽和炭化水素単位を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有することが、飽和炭化水素系の、吸水率が低いという特徴を損なわないようにする上で重要である。
【0026】
この主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である(A)成分の重合体の分子量としては、取り扱いやすさなどの点から、数平均分子量(Mn)で500〜50,000程度、さらには1,000〜15,000程度であって、常温において液状物で流動性を有するものが加工性の点で好ましい。この飽和炭化水素系重合体に導入されるアルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様である。
【0027】
したがって、(A)成分としての、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素系である重合体の好ましい具体例としては、両末端にアルケニル基を2個有する直鎖状の数平均分子量(Mn)が2,000〜15,000でMw/Mnが1.1〜1.2のポリイソブチレン系、水添ポリブタジエン系、水添ポリイソプレン系重合体などが挙げられる。
【0028】
また、硬化性組成物中の(B)成分は、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であるかぎり特に制限はないが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因となるため、分子中に含まれるヒドロシリル基の数は50個以下がよい。さらには2〜30個、より好ましくは2〜20個であることが、硬化物のゴム弾性のコントロールや貯蔵安定性の点から好ましく、さらに、硬化時の発泡を容易に防ぐ点では、20個以下、ヒドロシリル基が失活しても硬化不良が発生しにくい点では3個以上が好ましく、最も好ましい範囲は3〜20個である。
【0029】
なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することをいい、SiHの場合には、ヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が硬化性が良く、ゴム弾性の点からも好ましい。
(B)成分の分子量は、後述する導電性付与剤((D)成分)を添加する場合の分散性やローラ加工性などの点から数平均分子量(Mn)で30,000以下であるのが好ましく、さらには20,000以下、特には15,000以下が好ましい。(A)成分との反応性や相溶性まで考慮すると300〜10,000が好ましい。
【0030】
この(B)成分に関しては、(A)成分の凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相溶性の点でフェニル基含有変性が重要であり、(A)成分との相溶性、入手のしやすさの点でスチレン変性体などが好ましく、貯蔵安定性の点からα−メチルスチレン変性体が好ましい。
(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである限り特に制限はない。白金単体、アルミナなどの単体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールなどの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物などが挙げられる。これらのなかでも、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用しても良く、また2種以上併用してもよい。
【0031】
以上のような硬化性組成物中の(A)成分および(B)成分の使用割合は、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり(B)成分中のヒドロシリル基が0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モルがゴム弾性の点から好ましい。
また、(C)成分の使用量としては、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して10−1〜10−8モル、さらには10−1〜10−6モル、特には10−3〜10−6モルの範囲で用いるのが好ましい。(C)成分の使用量が10−8モルに満たないと反応が進行しない。その一方で、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で、また腐食性を有し、しかも水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡してしまう性質を有しているので、10−1モルを超えて用いない方が好ましい。
【0032】
さらに、上記のような硬化性組成物に、(D)成分として導電性付与剤を添加して導電性組成物とすれば、現像ローラとして好適である。この(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや、金属微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルアミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などが挙げられる。これらの導電性付与剤は、単独で使用しても、また、2種以上を併用してもかまわない。
【0033】
(D)成分である導電性付与剤の添加量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して30重量%以下とすることが、ゴム硬度を上げない点から好ましい。一方、均一な抵抗を得る点からは10重量%以上が好ましく、必要なゴム硬度と、硬化物の体積抵抗が10〜1010Ωcmになるように、その物性バランスから添加量を決めればよい。
【0034】
さらに、上記硬化性組成物には、上記(A)〜(D)成分の他、貯蔵安定性改良剤、例えば、脂肪族不飽和結合を有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などを加えてもよい。その具体例としては、例えば、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、ジメチルアセチレンカルボキシレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、キノリン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの中では、ポットライフ及び速硬化性の両立という点から、チアゾール、ジメチルマレートが特に好ましい。なお、前記貯蔵安定性改良剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0035】
また、上記硬化性組成物には、加工性やコストを改善するための充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料等を添加してもよい。
前記弾性層は、上記硬化性組成物、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの弾性材料を、たとえば、中心にSUS製やアルミニウム合金製などの導電性シャフトを設置した金型に注型、射出成形、押出成形などをし、適当な温度、時間で加熱硬化させることにより、シャフトの周りに導電性弾性層を形成する。この場合、半硬化後、後硬化させてもよい。
【0036】
本発明に係る現像ローラは、この弾性層の周りに、表面層を構成する樹脂をディッピング、スプレー噴霧、ロールコートまたは刷毛塗りなどで所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥させて硬化させることにより得られる。
【0037】
【実施例】
さて、以下に本発明に係る現像ローラの具体的な実施例1〜3および参考例1〜3を詳細に説明した後に、これら現像ローラと従来の現像ローラの比較例1,2との比較実験を説明する。
以下に列記する2種類の弾性層と8種類の表面層を組み合わせ、直径10mmのSUS製シャフト上に厚さ7.5mmの弾性層を形成し、その外周面に表面層を被覆して、表1に示す実施例1〜6及び比較例1,2の現像ローラを作製した。
(弾性層1)
(A−1)数平均分子量(Mn)8,000、分子量分布2の末端アリル化ポリオキシプロピレン系重合体:100重量部に対して、
(B−1)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.36モル/100g):6.6重量部、
(C−1)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶液:0.06重量部、
(D)カーボンブラック3030B(三菱化学製):8重量部、
を混合し、10mmHg以下で120分間減圧脱泡して得られた組成物を、前記シャフトの上に被覆し、金型内120℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚さ7.5mmのゴム弾性体からなる弾性層1を作製した。
(弾性層2)
(A−2)数平均分子量(Mn)10,000の、末端にビニル基を2個有するポリイソブチレン重合体:100重量部、
(B−2)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.36モル/100g):2.7重量部、
(C−2)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶液:0.06重量部、
(D−2)カーボンブラック3030B(三菱化学製):10重量部、
(その他)可塑剤PS−32(出光興産製):75重量部、
からなる組成物を前記シャフトの上に被覆し、金型内120℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚さ7.5mmのゴム弾性体からなる弾性層2を作製した。
【0038】
次にこの弾性層外周面に、以下に示す表面層を被覆した現像ローラを作製し、参考例1〜3および実施例1〜3とした。
(表面層1)
上記弾性層外周面に、エーテル系ウレタン溶液(ハイムレンY−237:大日精化製)をシクロヘキサノンとジメチルホルムアミドの混合溶液で希釈した溶液をディッピング塗布し、80℃のオーブン内で1時間乾燥させ、厚さ20μmの表面層を形成したものである。
(表面層2)
上記弾性層外周面に、エーテル系ウレタン溶液(ハイムレンY−237:大日精化製)をトルエンで希釈した溶液をディッピング塗布し、80℃のオーブン内で1時間乾燥させ、厚さ20μmの表面層を形成したものである。
(表面層3)上記弾性層外周面に、エーテル系ウレタン溶液(ハイムレンY−258:大日精化製)を酢酸エチルで希釈した溶液をディッピング塗布し、80℃のオーブン内で1時間乾燥させ、厚さ20μmの表面層を形成したものである。
(表面層4)
上記弾性層外周面に、カーボネートウレタン溶液(レザミンME8220LP:大日精化製)をメチルエチルケトンで固形分が5重量%になるまで希釈した溶液をディッピング塗布し、80℃のオーブン内で1時間乾燥させ、厚さ10μmの表面層を形成したものである。
(表面層5)
上記弾性層外周面に、カーボネートウレタン(E980:日本ミラクトロン)を2−プロパノールで固形分が5重量%になるまで希釈した溶液をディッピング塗布し、80℃のオーブン内で1時間乾燥させ、厚さ10μmの表面層を形成したものである。
(表面層6)
上記弾性層外周面に、カーボネートウレタン(E980:日本ミラクトロン)をキシレンで固形分が5重量%になるまで希釈した溶液をディッピング塗布し、80℃のオーブン内で1時間乾燥させ、厚さ10μmの表面層を形成したものである。
【0039】
一方、比較例として、上記弾性層外周面に以下に示す2種類の表面層を被覆した現像ローラを比較例1,2とした。
(表面層7)
上記弾性層外周面に、共重合ナイロン(CM−8000:東レ製)をメタノールで希釈後、弾性層外周面にディッピング塗布し、80℃のオーブン内で1時間乾燥させ、厚さ20μmの表面層を形成した。
(表面層8)
上記弾性層外周面に、エーテル系ウレタン溶液(ハイムレンY−237:大日精化製)をシクロヘキサノンとジメチルホルムアミドの混合溶液で希釈した溶液をディッピング塗布し、80℃のオーブン内で乾燥させ、厚さ20μmの表面層を形成したものである。但し表面層1とは異なり、乾燥時間を30分とした。
【0040】
このようにして得られた参考例1〜3および実施例1〜3と、比較例1,2の表面層中に含まれる溶剤量を測定して得られた結果が表1である。ここで言う溶剤とは、表面層の形成時に、樹脂の溶解に使用した溶剤を指す。なお溶剤量は、表面層を構成する樹脂と、含有される該溶剤の量が既知の物質をガスクロマトグラフで分析した上で、該溶剤に対するピーク面積の比から求めた。
(評価)
作成した現像ローラをセイコーエプソン(株)製レーザプリンタ内蔵の感光体に密着させた。このときシャフト両端には、各500gの荷重を印加してある。その後、感光体と現像ローラを40、90%RHの環境下に1週間放置した上で、両者の接着性を評価し、感光体についてはそれを用いて画像評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003565021
【0042】
Figure 0003565021
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば表面層中の揮発性成分量を200ppm未満とすることにより、周辺部材に悪影響を与えない現像ローラが得られる。また、本発明の現像ローラは、表面層がポリカーボネートウレタン樹脂を主成分とするので、負に帯電するトナーを使用する場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】現像装置を模式的に示した断面図。
【符号の説明】
1 現像ローラ
2 導電性シャフト
3 弾性層
4 表面層
5 トナー
6 供給ローラ
7 規制ブレード
8 トナー薄層
9 感光体
10 トナー像

Claims (6)

  1. 電子写真方式用の現像ローラであって、導電性シャフトの周りに弾性層、該弾性層上に表面層を同心円状に積層して構成される現像ローラにおいて、前記表面層がポリカーボネートウレタン樹脂を主成分とし、その厚みが10〜20μmであり、かつ表面層中に含まれる揮発性成分量が200ppm未満であることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記揮発性成分が溶剤または未反応単量体であることを特徴とする請求項1記載の現像ローラ。
  3. 前記溶剤がケトン、アルコール、カルボン酸エステル、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミドから選ばれるいずれか1種以上であることを特徴とする請求項2記載の現像ローラ。
  4. 前記ケトンがメチルエチルケトン、シクロヘキサノンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項2または3記載の現像ローラ。
  5. 前記アルコールが2―プロパノールであることを特徴とする請求項2または3記載の現像ローラ。
  6. 前記弾性層が、
    (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位からなる重合体と、
    (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む硬化剤と、
    (C)ヒドロシリル化触媒と、
    (D)導電性付与剤と、
    を主成分とする硬化性組成物の反応物からなることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の現像ローラ。
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