JP3800774B2 - 表面に海島構造を有する現像ローラ - Google Patents

表面に海島構造を有する現像ローラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンターあるいはファクシミリの受信装置など電子写真方式を採用した装置に関し、特に非磁性1成分現像剤による現像方式を採用した現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を採用する装置において、現像ローラの主な役割は、トナーを帯電し、この帯電したトナーを感光体などの静電潜像担持体上に搬送することである。図3に、現像ローラ10とこの現像ローラ10を組み込んだ現像装置の模式図を示す。現像装置は、非磁性トナー11, …を貯蔵するトナー容器12、このトナー容器12に設けられた規制ブレード13、現像ローラ10およびこの現像ローラ10の表面に非磁性トナー11, …を確実に担持させる供給ローラ14などから構成される。現像ローラ10は、SUS製やアルミニウム合金製などの導電性シャフト15の周りに、導電性弾性層16を同心円状に積層し、この導電性弾性層16の外周に表面層17を被覆して構成される。非磁性1成分現像剤からなる非磁性トナー11, …は、現像ローラ10の表面に担持され、規制ブレード13によってトナー薄層18とされる際に、接触・摩擦帯電する。そして、現像ローラ10の表面が感光体19の表面に回転・接触することにより、帯電したトナー薄層18が感光体上の静電潜像へ付着してトナー像20となる。なお、図示していないが、現像ローラ10、供給ローラ14および規制ブレード13には直流電圧や交流電圧を印加し、それらの表面電位を調整することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、トナー薄層を形成する際に以下に示す問題が生ずる。▲1▼近年、融点の低いトナーを採用する傾向にある。これは、前記トナー像を記録用紙に転写した後の転写像を記録用紙に定着させる際に、定着温度を低く抑えることができるため効率的だからである。しかし、融点の低いトナーを使用すると、トナーが規制ブレードと接触し圧力を受けて摩擦する際に融けてしまい、規制ブレードに融着するという問題が生じる。▲2▼現像ローラの表面硬度が高すぎると、現像ローラ表面と規制ブレードとの間でトナー粒子が割れてしまい粉塵となるという問題が生ずる。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑み、トナー薄層を形成する際にトナーの規制ブレードへの融着を防ぎ、トナー割れを防ぐことにより、高画質を実現し得て耐久性に優れた現像ローラおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため、現像ローラの表面層中に微粒子を分散させ、この微粒子によって表面層に海島構造を形成する微粒子の隆起高さに着目し、本発明の現像装置を完成するに至った。すなわち、本発明の現像装置は、前記現像装置に設置される現像ローラが、中心軸に配された導電性シャフトの周りに弾性層、該弾性層上に表面層を同心円状に順次積層して構成され、前記表面層に微粒子が含有され、前記表面層から隆起する微粒子が島部を形成する海島構造を備え、前記弾性層が50°以下のJIS A 硬度を有し、前記表面層の厚みが5μm以上50μm以下であり、かつ表面層中における前記微粒子の平均粒径が5μm〜35μmであり、該微粒子の配合量が、表面層の樹脂成分の100重量部に対して10重量部以上50重量部以下であり、前記現像ローラの表面に担持されるトナーの平均粒径ravが5μm以上10μm以下の範囲内にあり、前記島部を形成する微粒子のうち、トナーの平均粒径ravの4分の1倍以上4倍以下の隆起高さLを有する微粒子を対象として、隣接する前記微粒子の隆起部分の平均微粒子間最短距離Davがrav≦Dav≦80Lの関係式を満たして構成されるものである。
【0008】
このように、前記表面層の厚みが5μm以上50μm以下であり、かつ表面層中における前記微粒子の配合量が、表面層の樹脂成分の100重量部に対して10重量部以上50重量部以下となるように配合されると、上記した微粒子間の隆起部分を前記関係式の範囲内におさめることができるとともに、現像ローラ表面が硬くなりすぎて生ずるトナー割れを防止できる。
【0009】
また、前記表面層中にシリカおよびアルミナ、またはシリカが含まれると、表面層中の微粒子が均一に分散されるので好ましい。
【0010】
また、前記表面層の主要成分としては特にポリカーボネートウレタンを用いるのが好ましい。
【0011】
また、前記表面層に含有される微粒子としてはウレタン系またはナイロン系の素材からなるものを用いることができる。
【0012】
前記弾性層として、特に、
(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位からなる重合体と、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む硬化剤と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と、
を主成分とする硬化性組成物の反応物を用いると、現像ローラに好ましい弾力性を与えることができる。
【0013】
このような現像装置の製造方法として、前記現像装置に設置される現像ローラが、中心軸に導電性シャフトを配し、該導電性シャフトの周りに弾性層を積層し、該弾性層上に表面層溶液を塗布し乾燥させて表面層を形成してなる現像装置の製造方法において、前記表面層溶液を塗布する前の10時間以内に表面層溶液中に前記微粒子を混入して攪拌する方法を採用すると、微粒子が均一に分散した表面層溶液を弾性層上に塗布することができる。
【0014】
また、表面層溶液中に、シリカおよびアルミナ、またはシリカを混入し攪拌する方法を採用すると、表面層溶液中に微粒子が長時間均一に分散するため好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る代表的な種々の実施例を説明する。
本発明に係る現像ローラが図3に示したような電子写真方式を採用する現像装置内に設置されることは、従来と同様である。本発明に係る海島構造を有する現像ローラは、直径1mm〜25mm程度のSUS(ステンレス鋼)、アルミニウム合金または導電性樹脂などからなる導電性シャフトの周りに、JIS A 硬度が50°以下の導電性弾性層が同心円状に設けられ、この導電性弾性層の外周面に、微粒子を含有された表面層を被覆して構成されるというものである。なお、導電性弾性層と表面層との間に、現像ローラの電気抵抗を調整するための抵抗調整層、および導電性弾性層と表面層との間の接着性を高めるプライマー層などを単層または複数層含む場合もあり得る。また、表面層の形成手段として、たとえば表面層を構成する樹脂成分の粘度などに応じて、ディッピング、スプレー、ロールコートまたは刷毛塗りなどが挙げられるが、本発明はこの形成方法を特に限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明に係る現像ローラの表面構造と規制ブレードとの関係を模式的に示す説明図である。図1に示すように、本発明に係る表面層1 の表面には、表面層1 に含有される微粒子2a,2b,2c,2d,…が島部をつくることにより海島構造が形成されている。この表面にトナー3 ,…が担持され、規制ブレード4 によってトナー薄層となる。このトナー薄層の層厚は、トナーの粒径の1個分〜4個分程度、特には1個〜3個分程度が好ましい。これは、トナー薄層の層厚が1個分に満たないと、感光体上の静電潜像へトナー量を満足に供給することができなくなり、一方、その層厚が4個分を超えると、感光体へ付着せずに現像ローラ表面に残留するトナーが多くなり、画像ムラが生じ易くなるからである。またトナーの平均粒径ravとしては5μm〜10μm、好ましくは6μm〜8μmの範囲内のものを使用することができる。なお、トナーには、たとえば着色顔料をスチレンアクリル系やポリエステル系の熱可塑性樹脂などで覆って形成したものを用いることができる。
【0017】
また、島部を形成する微粒子2a,2b,2c,2d,…の平均粒径は5μm〜35μm、特に15μm〜25μmの範囲内にあることが好ましい。これら微粒子のうち、表面層からの隆起高さ(L)がトナーの平均粒径(rav)の4分の1倍以上4倍以下の範囲内の微粒子2a,2d,…によって、規制ブレードの圧力の大部分が受け止められ、トナーがこれら微粒子間に保持されうる。さらに、平均微粒子間最短距離をDavとするとき、rav≦Dav≦80Lの関係式を満たして、微粒子による島部の数を調整する。この平均微粒子間最短距離は、以下▲1▼〜▲3▼の手順で求められるものである。▲1▼表面層から隆起している微粒子のうち、隆起高さ(L)がトナーの平均粒径(rav)の4分の1倍以上4倍以下の範囲内の微粒子を抽出する。▲2▼図2に示すように、抽出した微粒子2A,2B,2C,2D,…のうち1粒子(たとえば微粒子2A)に着目し、この微粒子と隣接する微粒子との最短距離を測定する。▲3▼前記▲1▼で抽出した微粒子の各々について前記▲3▼と同じ手順で最短距離を測定し、これら最短距離の算術平均値を平均微粒子間最短距離(Dav)とするのである。このDavがトナーの平均粒径ravに満たないと、微粒子間の凹部にトナーが保持されず、規制ブレードからトナーに加わる圧力を低減させるという隆起部の役割が失われる。一方、Davが80Lを超えると、隆起部の数が少なくなり過ぎて、規制ブレードからの圧力が隆起部で満足に受けられなくなり、トナー割れが生じてしまう。このDavの上限は、80Lの代わりに50L、特には20Lとなるとより効果的である。なお、この微粒子の素材として特にウレタン系やナイロン系のものを用いると、トナーのマイナス帯電を向上させることができる。また、この微粒子は導電性弾性層よりも硬く、さらには表面層たる樹脂層よりも硬い方が、トナーのブレードへの融着を抑える点で好ましい。
【0018】
このように表面層中に微粒子が分散することによって、規制ブレードから現像ローラ表面に加わる圧力の一部を表面層から隆起した微粒子が担うので、トナー割れが激減し、また、摩擦熱の発生が抑制されるため、たとえば60℃〜70℃などの低融点のトナーが規制ブレードに融着するという現象が極めて減少するのである。
【0019】
上記した海島構造を形成するには、表面層の厚みが5μm〜50μm、特に10μm〜30μmであることが好ましく、前記微粒子が、表面層の主要成分たる樹脂の100重量部に対して10重量部〜50重量部、特に15重量部〜30重量部となるように配合されることが好ましい。これは、表面層に含有される微粒子の量が前記50重量部を超えると、現像ローラ表面が硬くなりすぎるため、その表面に担持される非磁性トナーが規制部材などに押圧される際に割れやすくなるからである。
【0020】
また、導電性弾性層の周りに表面層溶液を塗布するときから10時間以内に、その表面層溶液に、10μm〜50μmの平均粒径の微粒子を表面層の樹脂成分の100重量部に対して15重量部〜50重量部となるように配合して攪拌して塗布すると、表面層に微粒子が均一に分散されるので、効率良く非磁性トナーをその表面に担持することができる。
【0021】
また、塗布前の表面層溶液中に、シリカとアルミナとの混合物またはシリカのみを0.5重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜10重量%の範囲内で含むようにすると、表面層溶液中の微粒子が拡散し30時間程度の間微粒子が沈殿しなくなるため、表面層溶液の貯蔵安定性が向上するので好ましい。
【0022】
また、上記した現像ローラの表面層被覆後のローラ抵抗として、104 Ω〜1010Ω、好ましくは105 Ω〜108 Ωとなるように設定することが、感光体にダメージを与えず、良好な画像を得る点で好ましい。ローラ抵抗が104 Ωに満たないと、現像ローラ表面からリーク電流などが生じ、ローラ抵抗が1010Ω以上であると、トナーフィルミングなどが生じ易くなり、画質が低下するからである。なお、このローラ抵抗値は、現像ローラを金属プレートに水平に当てて、前記導電性シャフトの両端部の各々に500gの荷重を金属プレート方向に加えたとき、シャフトと金属プレート間に直流電圧100ボルト印加して測定される値である。
【0023】
このような現像ローラに印加するDC電圧としては、トナーがマイナス帯電の場合、−150V〜−350Vの値が好ましい。さらに規制ブレードに、トナーの帯電付与を行わせるために、−150V〜−600VのDC電圧を印加することもできる。トナーがプラス帯電の場合には、現像ローラおよび規制ブレードに印加される各DC電圧は前記値と絶対値が同じで逆符号の値となる。なお、DC電圧にAC電圧を重畳させて印加することもできる。
【0024】
以下、より具体的に、前記表面層の構成について説明する。表面層の主成分としてはポリカーボネートウレタンを用いることが望ましい。ポリカーボネートウレタンは、入手が容易なうえ、溶剤で希釈した後、ディッピング、スプレー塗布などで導電性弾性層上に容易に塗布することができる。
【0025】
ポリカーボネートウレタンは、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られる化合物である。ポリカーボネートポリオールは、多価アルコールとホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合によって得られる公知の材料である。ポリカーボネートポリオールの好ましいものとしては、多価アルコールとして1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールなどを使用したものであり、その数平均分子量Mnは約300〜15,000が望ましい。ポリカーボネートポリオールは、単独で使用することが好ましいが、ポリウレタン製造用の公知の材料であるポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールあるいはポリエステル−ポリエーテルポリオールと併用することも可能である。なお、上記では、ローラの低硬度、低吸水率のバランスで好ましい例としてジアルキルジオールを挙げたが、芳香族系または脂環族系のポリオール(主にジオール)であっても構わない。
【0026】
ポリカーボネートポリオールと反応させるポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添TDI、水添MDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)など、公知の物が使用される。入手の容易さ、コストなどのバランスからは、水添MDI、IPDIが好ましい。
【0027】
前記のような、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリカーボネートウレタンを製造するには、必要に応じて鎖伸長剤を併用して、適当な溶剤の存在下、あるいは不存在下で反応させる。前記の場合の鎖伸長剤としては、多価アルコール、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンなどの公知のものを用いることができる。
【0028】
以下、前記導電性弾性層の構成についてより具体的に説明する。
【0029】
導電性弾性層としては、ウレタン系またはシリコーン系などの反応性有機材料、エチレンプロピレン系ゴムもしくは熱可塑性ウレタンゴムなどであって、JIS A 硬度が50°以下、特にJIS A 硬度が30°以下のものを用いるのが好ましい。これにより、現像ローラに十分な弾性を与えてトナー割れを減らすとともに、十分なニップ幅を確保することができる。
【0030】
特に導電性弾性層としては、
(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位からなる重合体と、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む硬化剤と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、
(D)導電性付与剤と、
を主成分とする硬化性組成物の反応物を使用することも好ましい。導電性弾性層がオキシアルキレン系組成物からなるときは、この組成物は硬化前には低粘度であり硬化後には低硬度であるので加工性の観点から好ましく、導電性弾性層が飽和炭化水素系組成物からなるときは、この組成物は低吸水率であるので高湿度環境下での安定性の観点から好ましい。
【0031】
これら硬化性組成物における(A)成分の重合体は、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点からも少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある分子の場合には、分子末端に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。(A)成分の主鎖を構成する主な繰り返し単位はオキシアルキレン単位または飽和炭化水素単位である。
【0032】
主鎖を構成する主な繰り返し単位がオキシアルキレン単位からなる重合体の場合、少量の導電性付与剤を添加するだけで体積抵抗率が108 〜109 Ωcmとなるため好ましい。また、硬化物の低硬度化の観点からも、前記繰り返し単位がオキシアルキレン単位であるオキシアルキレン系重合体、さらには、前記繰り返し単位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重合体が好ましい。
【0033】
ここで、前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえばエチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合には、エチレンオキシド、ブチレンオキシドからなる単位との共重合体(グラフト共重合体も含む)であってもよい。
【0034】
上記のような(A)成分のオキシアルキレン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化のバランスをよくする観点からは、数平均分子量(Mn)で500〜50,000、さらには1,000〜40,000であることが好ましい。特に、数平均分子量5,000以上のもの、さらには5,000〜40,000であるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0035】
前記オキシアルキレン系重合体が有するアルケニル基に特に制限はないが、下記一般式(1)、
【0036】
2 C=C(R1 )− (1)
(式中、R1 は水素原子またはメチル基)
【0037】
で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。
【0038】
また、この硬化性組成物の特徴の1つは、低硬化性に設定しやすいことであり、この特徴を発揮させるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ましく、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られなくなる。
【0039】
また、(A)成分が、主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の場合は、低吸水率であり、電気抵抗の環境変動が小さく好ましい。この重合体の場合も、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様に、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化するものであり、(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個存在することが好ましく、分岐を有する分子の場合には、分子末端に2個以上存在することが好ましい。
【0040】
前記主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の代表的な例としては、イソブチレン系重合体、水添イソプレン系重合体、水添ブタジエン系重合体が挙げられる。これら重合体は、共重合体などの他成分の繰り返し単位を含むものであってもかまわないが、少なくとも飽和炭化水素単位を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有することが、飽和炭化水素系の、吸水率が低いという特徴を損なわないようにするうえで重要である。
【0041】
この主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である(A)成分の重合体の分子量としては、取り扱い易さなどの点から、数平均分子量(Mn)で500〜50,000程度、さらには1,000〜15,000程度であって、常温において液状物で流動性を有するものが加工性の点で好ましい。
【0042】
この飽和炭化水素系重合体に導入されるアルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様である。
【0043】
したがって、(A)成分としての、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系である重合体の好ましい具体例としては、両末端にアルケニル基を2個有する直鎖状の数平均分子量Mnが2,000〜15,000でMw(重量平均分子量)/Mnが1.1〜1.2のポリイソブチレン系、水添ポリブタジエン系、水添ポリイソプレン系重合体などが挙げられる。
【0044】
また、硬化性組成物中の(B)成分は、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物である限り特に制限はないが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因になるため、分子中に含まれるヒドロシリル基の数は50個以下がよい。さらには2〜30個、より好ましくは2〜20個であることが、硬化物のゴム弾性のコントロールや貯蔵安定性の点からは好ましく、さらに、硬化時の発泡を容易に防ぐ点では、20個以下、ヒドロシリル基が失活しても硬化不良が発生しにくい点では3個が好ましく、最も好ましい範囲は3〜20個である。
【0045】
なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することをいい、SiH2 の場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が硬化性が良く、ゴム弾性の点からも好ましい。
【0046】
(B)成分の分子量は、後述する導電性付与剤((D)成分)を添加する場合の分散性やローラー加工性などの点から数平均分子量(Mn)で30,000以下であるのが好ましく、さらには20,000以下、特には15,000以下が好ましい。(A)成分との反応性や相溶性まで考慮すると300〜10,000が好ましい。
【0047】
この(B)成分に関しては、(A)成分の凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相溶性の点でフェニル基含有特性が重要であり、(A)成分との相溶性、入手のし易さの点でスチレン変性体などが好ましく、貯蔵安定性の点からα−メチルスチレン変性体が好ましい。
【0048】
(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである限り特に制限はない。白金単体、アルミナなどの単体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールなどの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物などが挙げられる。これらの中でも、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフイン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0049】
以上のような硬化性組成物中の(A)成分および(B)成分の使用割合は、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり(B)成分中のヒドロシリル基が0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モルがゴム弾性の点から好ましい。
【0050】
また、(C)成分の使用量としては、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して10-1〜10-8モル、さらには10-1〜10-6モル、特には10-3〜10-6モルの範囲内で用いるのが好ましい。(C)成分の使用量が10-8モルに満たないと反応が進行しない。その一方で、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で、また腐食性を有し、しかも水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡してしまう性質を有しているので、10-1モルを超えて使用しない方が好ましい。
【0051】
さらに、上記のような硬化性組成物に、(D)成分として導電性付与剤を添加して導電性組成物とすれば、現像ローラとして好適である。この(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや、金属微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボン塩基、スルホン塩基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルアミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などが挙げられる。これらの導電性付与剤は、単独で使用しても、また2種以上を併用してもかまわない。
【0052】
(D)成分である導電性付与剤の添加量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して30重量%以下とすることが、ゴム硬度を上げない点から好ましい。一方、均一な抵抗を得る点からは10重量%以上が好ましく、必要なゴム硬度と、硬化物の体積抵抗率が103 〜1010Ωcmになるように、その物性バランスから添加量を決めれば良い。
【0053】
さらに、上記硬化性組成物には、上記(A)〜(D)成分の他、貯蔵安定性改良剤、たとえば脂肪族不飽和結合を有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などを加えても良い。その具体例としては、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、ジメチルアセチレンカルボキシレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、キノリンなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの中では、ポットライフおよび速硬化性の両立という点からは、チアゾール、ジメチルマレートが特に好ましい。なお、前記貯蔵安定性改良剤は、単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
【0054】
また、上記硬化性組成物には、加工性やコストを改善するための充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などを添加してもよい。
【0055】
【実施例】
以下、本発明に係る現像ローラの具体的な実施例1〜8と比較例1,2とを詳細に説明した後に、これら実施例と比較例との違いを説明する。
【0056】
実施例1〜8および比較例1,2に係る現像ローラは、直径10mmのSUS製のシャフトの周りに厚さ7.5mm程度の導電性弾性層を設け、この導電性弾性層の外周に表面層を被覆して構成されるものである。
【0057】
導電性弾性層は、以下に示す弾性層1,2の何れかを用いて前記シャフトの周りに設けられる。
【0058】
(弾性層1)
(A−1)数平均分子量Mnが8,000、分子量分布が2の末端アリル化オキシプロピレン系重合体:100重量部に対して、
(B−1)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.36モル/100g):6.6重量部、
(C)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶液:0.06重量部、
(D)カーボンブラック3030B(三菱化学社製):7重量部、
を混合し、減圧(10mmHg以下で120分間)脱泡して得られた組成物を前記シャフトの周りに被覆し、金型内120℃の環境下で30分間静置し硬化させて弾性層1を作製した。JIS K 6301 A 法に準じて測定した弾性層1のみのJIS A 硬度は15°であった。
【0059】
(弾性層2)
(A−2)数平均分子量Mnが10,000、末端にビニル基を2個有するポリイソブチレン重合体:100重量部に対して、
(B−2)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.97モル/100g):2.7重量部、
(C)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶液:0.06重量部、
(D)カーボンブラック3030B(三菱化学社製):7重量部、
(E)可塑剤PS−32(出光興産社製):75重量部、
を混合し、減圧(10mmHg以下で120分間)脱泡して得られた組成物を前記シャフトの周りに被覆し、金型内120℃の環境下で30分間静置して硬化させて弾性層2を作製した。JIS K 6301 A 法に準じて測定した弾性層1のみのJIS A 硬度は15°であった。
【0060】
次に、導電性弾性層の外周に被覆される表面層には、以下に示す表面層1〜5の何れかを用いる。
【0061】
(表面層1)
E980(日本ミラクトラン社製のポリカーボネートウレタン)の固形分をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、1時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約15μmの表面層1を形成した。
【0062】
(表面層2)
E980(日本ミラクトラン社製のポリカーボネートウレタン)の100重量部に対して、SP−500(東レ社製の平均粒径5μmのナイロン微粒子)を30重量部配合したものを、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、1時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約20μmの表面層2を形成した。
【0063】
(表面層3)
E980(日本ミラクトラン社製のポリカーボネートウレタン)の100重量部に対して、セイカセブンUP0904(大日精化社製の平均粒径15μmのウレタン微粒子)を20重量部配合したものを、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、8時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約20μmの表面層3を形成した。
【0064】
(表面層4)
E980(日本ミラクトラン社製のポリカーボネートウレタン)の100重量部に対して、セイカセブンUP0908(大日精化社製の平均粒径7μmのウレタン微粒子)を20重量部配合したものを、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、1時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約16μmの表面層4を形成した。
【0065】
(表面層5)
E980(日本ミラクトラン社製のポリカーボネートウレタン)の100重量部に対して、セイカセブンUP0904(大日精化社製の平均粒径15μmのウレタン微粒子)を30重量部配合したものを、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、8時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約25μmの表面層5を形成した。
【0066】
(表面層6)
E980(日本ミラクトラン社製のポリカーボネートウレタン)の100重量部に対して、MX−1500(綜研化学社製の平均粒径13μmのアクリル微粒子)を30重量部配合したものを、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、1時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約20μmの表面層6を形成した。
【0067】
(表面層7)
E980(日本ミラクトラン社製のポリカーボネートウレタン)の100重量部に対して、エポスターMA1006(日本触媒社製の平均粒径5μmのアクリル微粒子)を8重量部配合したものを、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、1時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約20μmの表面層7を形成した。
【0068】
(表面層8)
E980(日本ミラクトラン社製のポリカーボネートウレタン)の100重量部に対して、セイカセブンUP0902(大日精化社製の平均粒径30μmのウレタン微粒子)を10重量部配合したものを、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、1時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約40μmの表面層8を形成した。
【0069】
(表面層9)
Y−258(大日精化社製のエーテルウレタン)の100重量部に対して、セイカセブンUP0908(大日精化社製の平均粒径7μmのウレタン微粒子)を20重量部配合したものを、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%に希釈し、1時間静置した表面層溶液を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて、厚みが約16μmの表面層9を形成した。
【0070】
表1に示すように、弾性層1,2とこれら弾性層上に塗布される表面層1〜9とを組合わせた現像ローラを作製し、実施例1〜8および比較例1,2とした。これら実施例および比較例の現像ローラを同一の現像装置に組み込み、平均粒径が約10μmのトナーを用いて印字テストを行った。
【0071】
【表1】
Figure 0003800774
【0072】
表1に示した微粒子の平均粒径とは、表面層に含有される微粒子の平均粒径を意味し、また、平均微粒子間最短距離とは、表面層から隆起する微粒子のうちその隆起高さが2.5μm〜40μmの範囲内にある隣接する微粒子間の最短距離の平均値を意味する。具体的な平均微粒子間最短距離の測定方法は、3次元走査型顕微鏡を用いて以下▲1▼〜▲4▼の手順で行う。▲1▼まず3次元走査型顕微鏡を用いて表面を観察し、表面層から隆起した50個の微粒子を含む領域を無作為抽出し、これら50個の微粒子の隆起高さを測定する。▲2▼次にこれら50個の微粒子のうち隆起高さが2.5μm〜40μmの範囲内にある微粒子を抽出する。▲3▼次に、図2に示すように、これら抽出された微粒子2A,2B,2C,2D,…のうち1粒子(たとえば微粒子2A)に着目し、隣接する隆起部分の微粒子間距離D1 ,D2 ,D3 ,…を測定して、これら微粒子間距離のうち最短のものを選択する。▲4▼そして、前記▲2▼の手順で抽出された微粒子の各々について前記▲3▼と同様の手順で最短距離を測定し、これら最短距離の算術平均値を平均微粒子間最短距離Davとするのである。前記▲2▼の50個の微粒子の隆起高さの平均値は、表1にも示したように、実施例1:6.2μm、実施例2:5.7μm、実施例3:3.4μm、実施例4:2.6μm、実施例5:8.2μm、実施例6:6.9μm、実施例7:23.1μm、実施例8:2.8μm、比較例1:なし、比較例2:1.7μmであった。なお、本実施例では、平均微粒子間最短距離を測定する手段として3次元走査型電子顕微鏡を用いたが、本発明はこの手段を限らない。
【0073】
また、印字テストによる評価を、印字濃度およびブレード融着の程度について行い、この評価結果を表1に示した。印字濃度については、具体的には黒ベタで印字するときの3000枚目のマクベス濃度で評価し、マクベス濃度の値が、1.4 以上を◎、1.3 以上1.4 未満を○で評価した。一般にマクベス濃度の値が高ければ現像ローラのトナー搬送性が良いと判断される。また、ブレード融着については、3000枚目を印字した時点での規制ブレードに融着したトナーが、ほとんど目視で確認されなければ○、僅かに目視で確認されれば△、目視でめだつ程に確認されれば×で評価した。
【0074】
表1によれば、実施例1〜8の現像ローラを用いたときは、表面層に微粒子を含有しない比較例1や比較例2を用いたときにくらべて、規制ブレードへのトナーの融着がまったく生じず、印字濃度も良好である。比較例2の現像ローラでは、上記した隆起高さの平均値が1.7μmなのでトナーの平均粒径の4分の1以下の値であり、かつその平均微粒子間最短距離が300μmであるから、規制ブレードからの圧力を満足に受ける隆起部の数が足りず、トナーが規制ブレードに融着するとみられる。
【0075】
【発明の効果】
上述の如く、本発明の現像ローラは、その表面層から隆起する微粒子が島部を形成する海島構造を有し、トナーの平均粒径ravの4分の1倍以上4倍以下の隆起高さLを有する微粒子を対象として、隣接する前記微粒子間の隆起部分の平均微粒子間最短距離Davがrav≦Dav≦80Lの関係式を満たすように構成されるので、規制ブレードから現像ローラ表面に加わる圧力の大部分を表面層から隆起した微粒子が担い、トナー割れが減少するとともに、摩擦熱の発生が抑制されるため低融点トナーが規制ブレードに融着しにくくなり、もってトナーの搬送性が良好になり、現像装置の寿命が延びるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面層中に含有された微粒子と規制ブレードとの関係を示す模式図である。
【図2】表面層を拡大して上から見た状態を示す模式図である。
【図3】現像ローラとその周辺を示す模式図である。
【符号の説明】
1 表面層
2a,2b,2c,2d,2A,2B,2C,2D 微粒子
3 トナー粒子
4 規制ブレード
10 現像ローラ
11 非磁性トナー
12 トナー容器
13 規制ブレード
14 供給ローラ
15 導電性シャフト
16 弾性層
17 表面層
18 トナー薄層
19 感光体
20 トナー像

Claims (7)

  1. 電子写真方式を採用する現像装置であって、
    前記現像装置に設置される現像ローラが、中心軸に配された導電性シャフトの周りに弾性層、該弾性層上に表面層を同心円状に順次積層して構成され、前記表面層に微粒子が含有され、前記表面層から隆起する微粒子が島部を形成する海島構造を備え、
    前記弾性層が50°以下のJIS A 硬度を有し、
    前記表面層の厚みが5μm以上50μm以下であり、かつ表面層中における前記微粒子の平均粒径が5μm〜35μmであり、該微粒子の配合量が、表面層の樹脂成分の100重量部に対して10重量部以上50重量部以下であり、
    前記現像ローラの表面に担持されるトナーの平均粒径ravが5μm以上10μm以下の範囲内にあり、
    前記島部を形成する微粒子のうち、トナーの平均粒径ravの4分の1倍以上4倍以下の隆起高さLを有する微粒子を対象として、隣接する前記微粒子の隆起部分の平均微粒子間最短距離Davがrav≦Dav≦80Lの関係式を満たすことを特徴とする現像装置
  2. 表面層中に、前記島部を形成する微粒子とは別に、シリカおよびアルミナ、またはシリカが含まれる請求項1に記載の現像装置
  3. 前記表面層の主要成分がポリカーボネートウレタンである請求項1または請求項2に記載の現像装置
  4. 前記微粒子がウレタン系またはナイロン系の素材からなる請求項1〜3の何れか1項に記載の現像装置
  5. 前記弾性層が、(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位からなる重合体と、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む硬化剤と、(C)ヒドロシリル化触媒と、(D)導電性付与剤と、を主成分とする硬化性組成物の反応物から構成される請求項1〜4の何れか1項に記載の現像装置
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の現像装置の製造方法であって、前記現像装置に設置される現像ローラが、中心軸に導電性シャフトを配し、該導電性シャフトの周りに弾性層を積層し、該弾性層上に表面層溶液を塗布し乾燥させて表面層を形成してなる現像装置の製造方法において、前記表面層溶液を塗布する前の10時間以内に表面層溶液中に前記微粒子を混入して攪拌することを特徴とする現像装置の製造方法。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の現像装置の製造方法であって、前記現像装置に設置される現像ローラが、中心軸に導電性シャフトを配し、該導電性シャフトの周りに弾性層を積層し、該弾性層上に表面層を塗布し乾燥させて表面層を形成してなる現像装置の製造方法において、前記表面層溶液中に、シリカおよびアルミナ、またはシリカを混入し攪拌することを特徴とする現像装置の製造方法。
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