JP2001100549A - 転写ローラおよびその製造方法 - Google Patents

転写ローラおよびその製造方法

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JP2001100549A
JP2001100549A JP27797299A JP27797299A JP2001100549A JP 2001100549 A JP2001100549 A JP 2001100549A JP 27797299 A JP27797299 A JP 27797299A JP 27797299 A JP27797299 A JP 27797299A JP 2001100549 A JP2001100549 A JP 2001100549A
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transfer roller
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fine particles
resin
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JP27797299A
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English (en)
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Hidenari Tsunemi
常深  秀成
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電子写真方式を利用した画像形成装
置に組み込まれる転写ローラにおいて、その表面の動摩
擦係数を調整して、当接するゴムブレードとの摩擦を抑
制し、耐久性の優れた転写ローラ及びその製造方法を提
供することを目的とする。 【解決手段】本発明の転写ローラは中心軸に配された導
電性シャフトの周りに弾性層、該弾性層上に微粒子を含
有した表面層を同心円状に順次積層して構成される転写
ローラにおいて、前記弾性層が40°以下のJIS A
硬度を有するとともに、前記表面層とJIS A 硬
度70°以上90°以下のウレタンゴムとの間の動摩擦
係数を0.5以下に設定するというものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
レーザープリンター、ファクシミリ、これらの複合OA
機器等の電子写真方式を利用した画像形成装置に組み込
まれる転写ローラに関し、特に中間転写体方式の転写装
置に組み込まれる転写ローラ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した画像形成装置
は、感光体ドラムからなる像担持体上に一様な電荷を形
成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電潜像を形
成した後、帯電したトナーにより静電潜像を現像して可
視化されたトナー像とする。そして、このトナー像を中
間転写体を介してあるいは直接用紙等の記録媒体に静電
的に転写することにより所用の再生画像が得られる。特
に像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に一次
転写し、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体に二
次転写する方式を採用したものでは、導電性のバイヤス
ローラ(転写ローラ)を用いて記録媒体を中間転写体に
押圧し、電界の作用によりトナー像を静電的に転写する
バイヤスローラ方式の画像形成装置が知られている。
【0003】こうした転写ローラは弾性層が導電性を有
する必要があるため、導電付与剤としてカーボンブラッ
ク等の電子伝導物質や4級アンモニウム塩等のイオン伝
導物質を加えたEPDM系ゴムやウレタン系ゴムの発泡
体を導電性弾性層に用いたものが一般的に用いられてい
る。しかし、ローラの表面が発泡体であると付着したト
ナーのクリーニングが困難となるため、表面にスキン層
を設けたり、別途表面層を形成したローラを用いること
が多い。
【0004】転写ローラは、用紙等の記録媒体が通過し
た後は感光体あるいは中間転写体と直接接触し、トナー
や紙粉等が付着するため、ウレタンゴム等で成型された
クリーニングブレードが常時当接していて、転写時に付
着した異物を除去している。このため、長時間クリーニ
ングブレードとの摩擦に耐える耐久性があり、且つ、ト
ナーや紙粉が付着しにくい表面層が必要である。すなわ
ち、転写ローラは表面の動摩擦係数が低いことと表面粗
さが適度にコントロールされていることが重要な要素と
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような理由から、
従来、転写ローラ表面の動摩擦係数を低するために、そ
の表面にサンドブラスト加工や研磨加工などをして表面
の凹凸加工をしたり、成型時に金型や金属ローラ表面の
凹凸面を転写したりする方法が用いられてきた。しかし
ながら、これら加工手段は、転写ローラ表面の硬度が高
い場合にしか適用できないという問題とウレタンゴムク
リーニングブレードとの間の動摩擦係数が時間とともに
高くなり、ブレードの鳴きやモーターの負荷トルクが高
くなる問題が起こったり、表面構造が破壊して転写画像
がざらついたり、紙粉やトナーのクリーニングができな
くなる問題があった。
【0006】一方、表面層の動摩擦係数を調整するため
に、界面活性剤を添加した表面層樹脂溶液を塗布して表
面層を形成することもあるが、これでは成形後の界面活
性剤のブリーディングが生じた場合に、感光体表面や中
間転写体、非磁性トナーなどを汚染し、画質を悪化させ
る一因となるという問題もある。また、そもそも摺動性
に優れるフッ素系の材料を表面コーティングする方法も
あるが、動摩擦係数が低いものは材料の硬度が高く、ま
た、硬度が低いものは摩擦係数が高くなるため、低硬度
の転写ローラの表面コーティング材として耐久性も含め
て十分に満足できるフッ素系材料は見いだされていな
い。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑み、帯電
したトナーにより静電潜像を現像して可視化されたトナ
ー像を中間転写体を介してあるいは直接用紙等の記録媒
体に静電的に転写する転写ローラにおいて、表面層樹脂
に微粒子を添加することにより、その表面粗さを調整し
て、クリーニングブレードとの摩擦抵抗を下げ、かつ、
トナーや紙粉のクリーニング性と耐久性を高めた転写ロ
ーラおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、転写ローラの表面層中に微粒子を分散
させることにより、表面粗さをコントロールし、表面層
の動摩擦係数を低下できることを見出し、本発明の転写
ローラを完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の転写ローラは、中心軸
に配された導電性シャフトの周りに弾性層、該弾性層上
に表面層を同心円状に順次積層して構成される転写ロー
ラにおいて、前記弾性層が40°以下のJIS A 硬
度を有するとともに、表面層とJIS A 硬度70°
以上90°以下のウレタンゴムとの間の動摩擦係数が、
0.5以下になるように微粒子を前記表面層に分散させ
るというものである。なお、本発明での動摩擦係数と
は、JIS C 2151に準拠した測定値を言う。
【0010】前記表面層の厚みが5μm以上100μm
以下であり、前記表面層に含有される微粒子の平均粒径
が7μm以上50μm以下であり、かつ表面層中におけ
る前記微粒子の配合量が、表面層の樹脂成分の100重
量部に対して10重量部以上80重量部以下であると、
前記動摩擦係数を前記範囲内におさめることができる。
【0011】前記表面層の主要成分としてはウレタン系
材料が好ましく、中でもポリカーボネートウレタン、ポ
リエーテルウレタンを用いるのが好ましい。フッ素系材
料を用いる場合は溶剤可溶型の軟質の共重合フッ素系樹
脂等を用いることができる。
【0012】前記表面層に含有される微粒子としてはウ
レタン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる微粒子の
単独または混合微粒子を用いることができる。球状もの
が低い動摩擦係数に対して好ましく、また、架橋体が耐
溶剤性や耐久性に対しては好ましい。
【0013】前記弾性層として、特に、(A)分子中に
少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する
繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位及び/または
飽和炭化水素系単位からなる重合体と、(B)分子中に
少なくとも2個のヒドロシリル基を含む硬化剤と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、(D)導電性付与剤と、
を主成分とする硬化性組成物の反応物を用いると、転写
ローラに好ましい弾力性を与えることができる。
【0014】このような転写ローラの製造方法として
は、中心軸に導電性シャフトを配し、該導電性シャフト
の周りに弾性層を積層し、該弾性層上に表面層溶液を塗
布し乾燥させて表面層を形成してなる転写ローラの製造
方法において、弾性層を積層後に前記弾性層の表面をサ
ンドブラスト加工または研磨加工することなく、前記弾
性層上に表面層樹脂溶液を塗布する方法が挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る代表的な種々
の実施例を説明する。本発明に係る転写ローラは、直径
1mm〜25mm程度のSUS(ステンレス鋼)、アル
ミニウム合金または樹脂などからなる導電性シャフトの
周りに、JISA 硬度が40°以下の導電性弾性層が
同心円状に設けられ、この導電性弾性層の外周面にJI
S A 硬度70°以上90°以下のウレタンゴムとの
間の動摩擦係数が、0.5以下になるように微粒子を分
散した表面層を形成したものである。なお、本発明での
動摩擦係数とは、JIS C 2151に準拠した測定
値を言う。なお、導電性弾性層と表面層との間に、転写
ローラの電気抵抗を調整するための抵抗調整層、および
導電性弾性層と表面層との間の接着性を高めるプライマ
ー層などを単層または複数層含む場合もあり得る。ま
た、表面層の形成手段として、たとえば表面層を構成す
る樹脂成分の粘度などに応じて、ディッピング、スプレ
ー、ロールコートまたは刷毛塗りなどが挙げられるが、
本発明はこの形成方法を特に限定するものではない。
【0016】ウレタンゴムとの間の動摩擦係数を0.5
以下にするためには、表面層の厚みは5μm〜100μ
m、特に10μm〜60μmが好ましく、表面層に含有
される微粒子の平均粒径が7μm〜50μm、特に10
μm〜35μmであることが好ましい。この微粒子は、
表面層の主要成分たる樹脂の100重量部に対して10
重量部〜70重量部、特に15重量部〜60重量部とな
るように配合されることが好ましい。このような表面層
は、表面粗さが1μm〜15μm程度となり、トナーや
紙粉のクリーニング性も良好となる。ここでの表面粗さ
とは、JISB 0601−1994に準拠した測定値
(Rz)を言う。また、表面層に含有される微粒子の量
が前記70重量部を超えると、表面層が硬くなりすぎ、
転写時のニップが不安定になったり、微粒子の脱落がお
こるために好ましくない。
【0017】また、本発明では、前記導電性弾性層を導
電性シャフト上に設けた後、この導電性弾性層に特にサ
ンドブラスト加工や研磨加工などを行う必要はない。従
来、導電性弾性層形成後にその表面の粗さをサンドブラ
スト加工や研磨加工などにより調整することがよく行わ
れていた。この導電性弾性層上に被覆する表面層の厚み
を調整して、表面層の表面層粗さを調整し、表面の動摩
擦係数を調整することができる。しかし、本発明では、
表面層の動摩擦係数を表面層に含まれる微粒子の粒径、
配合量で調整することができるため、導電性弾性層の表
面をサンドブラスト加工や研磨加工などで調整する必要
がない。
【0018】また、表面層被覆後のローラ抵抗が106
Ω〜1011Ω、好ましくは107Ω〜1010Ωの転写ロ
ーラを用いることが、良好な画像を得る点で好ましい。
ローラ抵抗が106Ω以下であると、高電圧がかかるた
め、リーク電流が生じたり、絶縁耐圧に問題がでる場合
がある。ローラ抵抗が1011Ωより大きいと、トナーと
の離型性が悪くなり、ローラ表面に付着したトナーによ
り、文字の中抜けや紙の裏面汚れが発生する。なお、こ
のローラ抵抗値は、転写ローラを金属プレートに水平に
当てて、前記導電性シャフトの両端部の各々に500g
の荷重を金属プレート方向に加えたとき、シャフトと金
属プレート間に直流電圧100ボルト印加して測定され
る値である。
【0019】以下、表面層の構成について説明する。表
面層の主成分としては、ポリウレタン樹脂、フッ素系樹
脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等を用いること
ができる。ポリウレタン系樹脂としては、ポリカーボネ
ートウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウ
レタン等を用いることができる。ウレタン系樹脂は、入
手が容易なうえ、溶剤で希釈した後、ディッピング、ス
プレー、ロールコーターなどで導電性弾性層上に容易に
塗布することができる。
【0020】ポリカーボネートウレタンは、ポリカーボ
ネートポリオールとポリイソシアネートの反応によって
得られる化合物である。ポリカーボネートポリオール
は、多価アルコールとホスゲン、クロル蟻酸エステル、
ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートと
の縮合によって得られる公知の材料である。ポリカーボ
ネートポリオールの好ましいものとしては、多価アルコ
ールとして1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオールなどを使用したものであり、その数平均分子量
Mnは約300〜15,000が望ましい。同様にジオ
ール成分が、ポリエーテルポリオールであれば、ポリエ
ーテルウレタンとなり、ポリエステルポリオールであれ
ば、ポリエステルウレタンとなる。これらのウレタン材
料は単独で使用しても良いし、併用することも可能であ
る。
【0021】各種ウレタン原料ポリオールと反応させる
ポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネート(T
DI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添TD
I、水添MDI、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)など、公知の物が使用される。入手の容易さ、コス
トなどのバランスからは、水添MDI、IPDIが好ま
しい。
【0022】前記のような、ウレタン原料ポリオールと
ポリイソシアネートとを反応させてポリウレタンを製造
するには、必要に応じて鎖伸長剤を併用して、適当な溶
剤の存在下、あるいは不存在下で反応させる。前記の場
合の鎖伸長剤としては、多価アルコール、脂肪族ポリア
ミン、芳香族ポリアミンなどの公知のものを用いること
ができる。また、シリコーン変成の各種ウレタン材料を
用いることも可能である。
【0023】フッ素系樹脂としては、軟質なフッ素樹脂
が好ましい。例えば、テトラフルオロエチレン、6−フ
ッ化プロピレン、フッ化ビニリデンの3元共重合体やフ
ッ素ゴム等を用いることができる。
【0024】アクリル系樹脂としては、アクリルゴム
や、ウレタン変成アクリル樹脂、シリコーン変成アクリ
ル樹脂等を用いることができる。
【0025】シリコーン系樹脂としては、縮合型や付加
型のジメチルシリコーン樹脂等を用いることができる。
【0026】以下、前記導電性弾性層の構成について説
明する。
【0027】導電性弾性層としては、ウレタン系または
シリコーン系などの反応性有機材料、エチレンプロピレ
ン系ゴムもしくは熱可塑ウレタンゴムなどであって、J
ISA 硬度が40°以下、特にJIS A 硬度が3
0°以下のものを用いるのが好ましい。これにより、転
写ローラに十分な弾性を与えて、十分なニップ幅を確保
することができる。
【0028】特に導電性弾性層としては、(A)分子中
に少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成す
る繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位及び/また
は飽和炭化水素系単位からなる重合体と、(B)分子中
に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む硬化剤と、
(C)ヒドロシリル化触媒と、(D)導電性付与剤と、
を主成分とする硬化性組成物の反応物を使用することも
好ましい。導電性弾性層がオキシアルキレン系組成物か
らなるときは、この組成物は硬化前には低粘度であり硬
化後には低硬度であるので加工性の観点から好ましく、
導電性弾性層が飽和炭化水素系組成物からなるときは、
この組成物は低吸水率であるので高湿度環境下での安定
性の観点から好ましい。
【0029】これら硬化性組成物における(A)成分の
重合体は、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化す
る成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基
を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状
になり硬化する。(A)成分に含まれるアルケニル基の
数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点か
らも少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点から
は、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケ
ニル基が存在し、分岐のある分子の場合には、分子末端
に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。
(A)成分の主鎖を構成する主な繰り返し単位はオキシ
アルキレン単位または飽和炭化水素単位である。
【0030】主鎖を構成する主な繰り返し単位がオキシ
アルキレン単位からなる重合体の場合、少量の導電性付
与剤を添加するだけで体積抵抗率が108〜109Ωcm
となるため好ましい。また、硬化物の低硬度化の観点か
らも、前記繰り返し単位がオキシアルキレン単位である
オキシアルキレン系重合体、さらには、前記繰り返し単
位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重
合体が好ましい。
【0031】ここで、前記オキシアルキレン系重合体と
は、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは
50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をい
い、オキシアルキレン単位以外に含有される単位として
は、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水
素を2個以上有する化合物、たとえばエチレングリコー
ル、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が
挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合に
は、エチレンオキシド、ブチレンオキシドからなる単位
との共重合体(グラフト共重合体も含む)であってもよ
い。
【0032】上記のような(A)成分のオキシアルキレ
ン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化の
バランスをよくする観点からは、数平均分子量(Mn)
で500〜50,000、さらには1,000〜40,
000であることが好ましい。特に、数平均分子量5,
000以上のもの、さらには5,000〜40,000
であるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場
合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的
特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一
方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中
に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくな
ったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が
不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて
加工性が悪くなる傾向にある。
【0033】前記オキシアルキレン系重合体が有するア
ルケニル基に特に制限はないが、下記一般式(1)、 H2C=C(R1)− (1) (式中、R1は水素原子またはメチル基)で示されるア
ルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。
【0034】また、この硬化性組成物の特徴の1つは、
低硬化性に設定しやすいことであり、この特徴を発揮さ
せるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ま
しく、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が
多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られ
なくなる。
【0035】また、(A)成分が、主鎖を構成する主な
繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の場合
は、低吸水率であり、電気抵抗の環境変動が小さく好ま
しい。この重合体の場合も、前記オキシアルキレン系重
合体の場合と同様に、(B)成分とヒドロシリル化反応
して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のア
ルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こっ
て高分子状になり硬化するものであり、(A)成分に含
まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル
化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、
ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末
端に2個存在することが好ましく、分岐を有する分子の
場合には、分子末端に2個以上存在することが好まし
い。
【0036】前記主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽
和炭化水素単位である重合体の代表的な例としては、イ
ソブチレン系重合体、水添イソプレン系重合体、水添ブ
タジエン系重合体が挙げられる。これら重合体は、共重
合体などの他成分の繰り返し単位を含むものであっても
かまわないが、少なくとも飽和炭化水素単位を50%以
上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上
含有することが、飽和炭化水素系の、吸水率が低いとい
う特徴を損なわないようにするうえで重要である。
【0037】この主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽
和炭化水素単位である(A)成分の重合体の分子量とし
ては、取り扱い易さなどの点から、数平均分子量(M
n)で500〜50,000程度、さらには1,000
〜20,000程度であって、常温において液状物で流
動性を有するものが加工性の点で好ましい。
【0038】この飽和炭化水素系重合体に導入されるア
ルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体
の場合と同様である。
【0039】したがって、(A)成分としての、分子中
に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成す
る繰り返し単位が飽和炭化水素系である重合体の好まし
い具体例としては、両末端にアルケニル基を2個有する
直鎖状の数平均分子量Mnが1,000〜20,000
のポリイソブチレン系、水添ポリブタジエン系、水添ポ
リイソプレン系重合体などが挙げられる。
【0040】また、硬化性組成物中の(B)成分は、分
子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
である限り特に制限はないが、分子中に含まれるヒドロ
シリル基の数が多すぎると硬化後も多量のヒドロシリル
基が硬化物中に残存しやすくなり、表面タック性や機械
特性のボイドやクラックの原因になるため、分子中に含
まれるヒドロシリル基の数は50個以下がよい。さらに
は2〜30個、より好ましくは2〜20個であること
が、硬化物のゴム弾性のコントロールや貯蔵安定性の点
からは好ましく、さらに、硬化時の発泡を容易に防ぐ点
では、20個以下、ヒドロシリル基が失活しても硬化不
良が発生しにくい点では3個以上が好ましく、最も好ま
しい範囲は3〜20個である。
【0041】なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1
個有するとは、Siに結合するHを1個有することをい
い、SiH2の場合にはヒドロシリル基を2個有するこ
とになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する
方が硬化性が良く、ゴム弾性の点からも好ましい。
【0042】(B)成分の分子量は、後述する導電性付
与剤((D)成分)を添加する場合の分散性やローラー
加工性などの点から数平均分子量(Mn)で30,00
0以下であるのが好ましく、さらには20,000以
下、特には15,000以下が好ましい。(A)成分と
の反応性や相溶性まで考慮すると300〜10,000
が好ましい。
【0043】この(B)成分に関しては、(A)成分の
凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相
溶性の点でアリール基やアルキル基を含有することが重
要であり、(A)成分との相溶性、入手のし易さの点で
ポリアルキルハイドロジェンシロキサン(H−オイル)
のスチレン変性体、オレフィン変成体などが好ましく、
貯蔵安定性の点からα−メチルスチレン変性体やα−オ
レフィン変成体が好ましい。ポリアルキルハイドロジェ
ンシロキサンとしては、鎖状のものも環状のものも使用
可能である。
【0044】(C)成分であるヒドロシリル化触媒とし
ては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである
限り特に制限はない。白金単体、アルミナなどの単体に
固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールな
どの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニ
ウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物な
どが挙げられる。これらの中でも、触媒活性の点から塩
化白金酸、白金−オレフイン錯体、白金−ビニルシロキ
サン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用しても
よく、また2種以上併用してもよい。
【0045】以上のような硬化性組成物中の(A)成分
および(B)成分の使用割合は、(A)成分中のアルケ
ニル基1モル当たり(B)成分中のヒドロシリル基が
0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モルがゴ
ム弾性の点から好ましい。
【0046】また、(C)成分の使用量としては、
(A)成分中のアルケニル基1モルに対して10-1〜1
-8モル、さらには10-1〜10-6モル、特には10-3
〜10-6モルの範囲内で用いるのが好ましい。(C)成
分の使用量が10-8モルに満たないと反応が進行しな
い。その一方で、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価
で、また腐食性を有し、しかも水素ガスが大量に発生し
て硬化物が発泡してしまう性質を有しているので、10
-1モルを超えて使用しない方が好ましい。
【0047】さらに、上記のような硬化性組成物に、
(D)成分として導電性付与剤を添加して導電性組成物
とすれば、現像ローラとして好適である。この(D)成
分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや、金属
微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボン塩
基、スルホン塩基、硫酸エステル基、リン酸エステル基
などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエス
テルアミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレン
オキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリ
エチレングリコールアクリレートなどで代表される導電
性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの
帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などが挙
げられる。これらの導電性付与剤は、単独で使用して
も、また2種以上を併用してもかまわない。
【0048】(D)成分である導電性付与剤の添加量
は、(A)〜(C)成分の合計量に対して30重量%以
下とすることが、ゴム硬度を上げない点から好ましい。
一方、均一な抵抗を得る点からは10重量%以上が好ま
しく、必要なゴム硬度と、硬化物の体積抵抗率が107
〜1013Ωcm程度になるように、その物性バランスか
ら添加量を決めれば良い。
【0049】さらに、上記硬化性組成物には、上記
(A)〜(D)成分の他、貯蔵安定性改良剤、たとえば
脂肪族不飽和結合を有する化合物、有機リン化合物、有
機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機
過酸化物などを加えても良い。その具体例としては、ベ
ンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、各種
アセチレンアルコール系化合物、2−ペンテンニトリ
ル、2,3−ジクロロプロペン、キノリンなどが挙げら
れる。アセチレンアルコール系化合物としては、2−メ
チル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シ
クロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−
3−オール等が挙げられる。これらに限定されるわけで
はない。これらの中では、ポットライフおよび速硬化性
の両立という点からは、チアゾール、アセチレンアルコ
ール系化合物、ジメチルマレートが好ましい。なお、前
記貯蔵安定性改良剤は、単独で用いてもよく、また2種
以上併用してもよい。
【0050】また、上記硬化性組成物には、加工性やコ
ストを改善するための充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫
外線吸収剤、滑剤、顔料などを添加してもよい。
【0051】
【実施例】以下、本発明に係る転写ローラの具体的な実
施例1〜10と比較例1〜3とを詳細に説明した後に、
これら実施例と比較例との違いを説明する。
【0052】実施例1〜10および比較例1〜3に係る
転写ローラは、直径10mmのSUS製のシャフトの周
りに厚さ7.5mm程度の導電性弾性層を設け、この導
電性弾性層の外周に表面層を被覆して構成されるもので
ある。以下に、導電性弾性層と表面層の具体的な構成に
ついて説明する。
【0053】導電性弾性層は、以下に示す弾性層1〜4
の何れかを用いて前記シャフトの周りに設けられる。 (弾性層1) (A−1)数平均分子量Mnが8,000、分子量分布
が2の末端アリル化オキシプロピレン系重合体:100
重量部に対して、(B−1)ポリシロキサン系硬化剤
(SiH価0.36モル/100g):6.6重量部、
(C)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶
液:0.06重量部、(D)カーボンブラック3030
B(三菱化学社製):7重量部、を混合し、減圧(10
mmHg以下で120分間)脱泡して得られた組成物を
前記シャフトの周りに被覆し、金型内120℃の環境下
で30分間静置して硬化させ、厚さ約7.5mmの弾性
層1を作製した。JIS K 6301 A 法に準じ
て測定した弾性層1のみのJIS A 硬度は15°で
あった。 (弾性層2) (A−2)数平均分子量Mnが10,000、末端にビ
ニル基を2個有するポリイソブチレン重合体EP400
A(鐘淵化学工業製):100重量部に対して、(B−
2)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.79モル/
100g):5.3重量部、(C)白金ビニルシロキサ
ン錯体のキシレン溶液(Pt3%含有):60μl
(D)カーボンブラック3030B(三菱化学社製):
15重量部、(E)可塑剤PS−32(出光興産社
製):75重量部、(F)ジメチルマレート:44mg
を混合し、減圧(10mmHg以下で120分間)脱泡
して得られた組成物を前記シャフトの周りに被覆し、金
型内120℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚
さ約7.5mmの弾性層2を作製した。JIS K 6
301 A 法に準じて測定した弾性層1のみのJIS
A 硬度は10°であった。 (弾性層3) (A−1)数平均分子量(Mn)が8,000、分子量
分布が2の末端アリル化オキシプロピレン系重合体:1
00重量部に対して、(B−1)ポリシロキサン系硬化
剤(SiH価0.36モル/100g):6.6重量
部、(C)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール
溶液:0.06重量部、(D)カーボンブラック303
0B(三菱化学社製):7重量部、(F)アエロジルR
972(日本アエロジル社製のシリカ):20重量部を
混合し、減圧(10mmHg以下で120分間)脱泡し
て得られた組成物を前記シャフトの周りに被覆し、金型
内120℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚さ
約7.5mmの弾性層3を作製した。JIS K 63
01 A 法に準じて測定した弾性層3のみのJIS
A 硬度は29°であった。
【0054】次に、表面層は、以下に示す表面層溶液1
〜8の何れかを導電性弾性層の外表面にディッピングし
て形成される。 (表面層溶液1)E980(日本ミラクトラン社製のポ
リカーボネートウレタン)の100重量部をDMF:M
EK=1:1の混合溶媒で6%に希釈し、十分に撹拌溶
解させて表面層溶液1を作製した。この表面層溶液1を
導電性弾性層の周りにディッピングし130℃で乾燥さ
せて厚さが約10μmの表面層を形成した。また、10
0μmのPETフィルムに表面層溶液1をコーティング
乾燥させ、厚さ8μmの表面層1を有するPETフィル
ム1を得た。 (表面層溶液2)E980(日本ミラクトラン社製のポ
リカーボネートウレタン)の100重量部に対して、平
均粒径15μmのウレタン粒子(セイカセブンUP09
04/大日精化社製)を20重量部配合したものを、D
MF:MEK=1:1の混合溶媒で6%に希釈し、十分
に撹拌分散させて表面層溶液2を作製した。この表面層
溶液2を導電性弾性層の周りにディッピングし130℃
で乾燥させて厚さが約15μmの表面層を形成した。ま
た、100μmのPETフィルムに表面層溶液2をコー
ティング乾燥させ、厚さ15μmの表面層1を有するP
ETフィルム2を得た。 (表面層溶液3)E980の100重量部に対して、平
均粒径10μmの架橋アクリル粒子(MR10HG/綜
研化学製)を20重量部配合したものを、DMF:ME
K=1:1の混合溶媒で6%に希釈し、十分に撹拌分散
させて表面層溶液3を作製した。この表面層溶液3を導
電性弾性層の周りにディッピングし130℃で乾燥させ
て厚さが約15μmの表面層を形成した。また、100
μmのPETフィルムに表面層溶液3をコーティング乾
燥させ、厚さ15μmの表面層3を有するPETフィル
ム3を得た。 (表面層溶液4)E980の100重量部に対して、平
均粒径30μmのウレタン粒子(セイカセブンUP09
02/大日精化社製)を20重量部配合したものを、D
MF:MEK=1:1の混合溶媒で6%に希釈し、十分
に撹拌分散させて表面層溶液4を作製した。この表面層
溶液4を導電性弾性層の周りにディッピングし130℃
で乾燥させて厚さが約30μmの表面層を形成した。ま
た、100μmのPETフィルムに表面層溶液4をコー
ティング乾燥させ、厚さ25μmの表面層4を有するP
ETフィルム4を得た。 (表面層溶液5)E980の100重量部に対して、平
均粒径25μmのSGP−100C(綜研化学製架橋ポ
リスチレン粒子)を20重量部配合したものを、DM
F:MEK=1:1の混合溶媒で6%に希釈し、十分に
撹拌分散させて表面層溶液5を作製した。この表面層溶
液9を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させて
厚さが約14μmの表面層を形成した。また、100μ
mのPETフィルムに表面層溶液5をコーティング乾燥
させ、厚さ25μmの表面層5を有するPETフィルム
5を得た。 (表面層溶液6)住友3M製のTHV200Pの100
重量部をMEK加え十分撹拌溶解させ、8重量%の濃度
になるよう希釈して、表面層溶液6を得た。この表面層
溶液6を導電性弾性層の周りにディッピングし乾燥させ
て厚さが約5μmの表面層を形成した。また、100μ
mのPETフィルムに表面層溶液6をコーティング乾燥
させ、厚さ6μmの表面層6を有するPETフィルム6
を得た。 (表面層溶液7)住友3M製のTHV200Pの100
重量部に対して、平均粒径6μmのウレタン粒子(セイ
カセブンUP0908/大日精化社製)を20重量部配
合したものにMEKを加え十分撹拌溶解分散させ、8重
量%の濃度になるよう希釈して、表面層溶液7を得た。
この表面層溶液7を導電性弾性層の周りにディッピング
し乾燥させて厚さが約5μmの表面層を形成した。ま
た、100μmのPETフィルムに表面層溶液7をコー
ティング乾燥させ、厚さ6μmの表面層7を有するPE
Tフィルム7を得た。 (表面層溶液8)セフラルソフトG150F200(セ
ントラル硝子社製のフッ化ビニリデン)の7.5重量部
に対して、DMFを92.5重量部加え7.5%濃度の
表面層溶液8を作製した。この表面層溶液1を導電性弾
性層の周りにディッピングし乾燥させて厚さが約7μm
の表面層を形成した。また、100μmのPETフィル
ムに表面層溶液8をコーティング乾燥させ、厚さ8μm
の表面層8を有するPETフィルム8を得た。
【0055】表1に示すように、弾性層1〜3とこれら
弾性層上に塗布する表面層溶液1〜8とを組合わせた転
写ローラを作製し、実施例1〜10および比較例1〜2
とした。なお、表1に記載の弾性層の硬度とは、JIS
K 6301 A 法に準じて測定した弾性層のみの
JIS A 硬度をさし、摩擦係数はJIS C 21
51−1990の電気用プラスチックフィルムの試験方
法の試験項目(4)の摩擦係数の測定に従って測定した
動摩擦係数をさす。摩擦係数の測定方法は平板側に表面
層溶液1〜8をコーティングしたPETフィルム1〜8
を設置し、そり側に厚さ1mmのJISA硬度90°の
ポリウレタンゴムシート(タイプレンTR100−9
0:タイガースポリマー製)を張り付けて、フィルム表
面とウレタンゴム表面の間の動摩擦係数を測定した。表
面粗さ(μm)とは、JIS B0601−1994に
準拠した測定値(Rz)をいう。
【0056】
【表1】 表1に示したように、実施例1〜5のローラは比較例1
〜3のローラに比較してゴムブレードに対しての表面の
摩擦係数が小さく、且つ、表面粗さが適度に大きいこと
がわかります。
【0057】実施例1〜5及び比較例1〜3のローラに
ウレタンゴムブレードを当接させた状態で、ローラを連
続回転させたところ、比較例1、2のローラは、100
0回転程度でモーターに摩擦による負荷トルクの影響が
見られ、その後、100000回転では表面層の1部に
はがれが見られた。比較例3のローラでも100000
回転を越えてから徐々に負荷トルクの影響が見られた。
それに対して、実施例1〜5のローラは、500000
回転を越えても、負荷トルクへの影響もなく、表面層の
破壊も観察されなかった。
【0058】
【発明の効果】上記のように本発明の転写ローラは、ロ
ーラに常時当接しているゴムブレードとの間の摩擦係数
が低く維持されるためにブレードの鳴きやモーターの負
荷トルクが高くならない。また、耐久性に優れるために
転写画像の劣化や紙粉やトナーのクリーニング性に問題
がでることがない。さらに、後加工により表面を荒らす
必要がないので、低コストの転写ローラを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写装置の構成の一部を示す模式図である。
【符号の説明】
1 トナーユニット 2 感光体ドラム 3 中間転写ドラム 4 転写ローラ 5 ウレタンゴムクリーニングブレード

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸に配された導電性シャフトの周り
    に弾性層、該弾性層上に微粒子を含有した表面層を同心
    円状に順次積層して構成される転写ローラにおいて、前
    記弾性層が40°以下のJIS A 硬度を有するとと
    もに、前記表面層とJIS A 硬度70°以上90°
    以下のウレタンゴムとの間の動摩擦係数が、0.5未満
    である転写ローラ。
  2. 【請求項2】 表面層の厚みが5μm以上100μm以
    下であり、前記表面層に含有される微粒子の平均粒径が
    7μm以上50μm以下であり、かつ表面層中における
    前記微粒子の配合量が、表面層の樹脂成分の100重量
    部に対して10重量部以上80重量部以下である請求項
    1に記載の転写ローラ。
  3. 【請求項3】 前記表面層の主要成分がウレタン樹脂で
    ある請求項1〜2の何れか1項に記載の転写ローラ。
  4. 【請求項4】 前記表面層の主要成分がフッ素樹脂であ
    る請求項1〜2の何れか1項に記載の転写ローラ。
  5. 【請求項5】 前記微粒子がウレタン系樹脂、ナイロン
    系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びシリ
    コーン系樹脂からなる微粒子の単独または混合微粒子か
    らなる請求項1〜4の何れか1項に記載の転写ローラ。
  6. 【請求項6】 前記微粒子が架橋体である請求項1〜5
    の何れか1項に記載の転写ローラ。
  7. 【請求項7】 前記微粒子の形状が球状である請求項1
    〜6の何れか1項に記載の転写ローラ。
  8. 【請求項8】前記弾性層が、(A)分子中に少なくとも
    1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する繰り返し単
    位が主にオキシアルキレン単位からなる重合体及び/ま
    たは飽和炭化水素系単位からなる重合体と、(B)分子
    中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む硬化剤と、
    (C)ヒドロシリル化触媒と、(D)導電性付与剤と、
    を主成分とする硬化性組成物の反応物から構成される請
    求項1〜7の何れか1項に記載の転写ローラ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項に記載の転写
    ローラの製造方法であって、中心軸に導電性シャフトを
    配し、該導電性シャフトの周りに弾性層を積層し、該弾
    性層上に表面層樹脂溶液を塗布し乾燥させて表面層を形
    成してなる転写ローラの製造方法において、表面層とJ
    IS A 硬度70°以上90°以下のウレタンゴムと
    の間の動摩擦係数を0.5未満に調整するために前記弾
    性層上に微粒子を混入した表面層樹脂溶液を塗布するこ
    とを特徴とする転写ローラの製造方法。
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