JP3832002B2 - ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンターあるいはファクシミリの受信装置など、電子写真方式を採用した装置に組み込まれるローラに関するものであり、特に主基材層として、柔軟な弾性体を使用するローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を採用する装置の感光体まわりには、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラなどの各種ローラが使用される。これらのローラの中で、現像ローラは、その表面にトナーを担持して搬送するという観点から、表面層の特性が重要なローラである。この現像ローラにおいては、ローラ表面のトナーのフィルミングを防ぐ目的で、その外周面に、表面エネルギーの小さいフッ素系樹脂を用いた表面層を設けることが従来から提案されている。しかしながら、▲1▼フッ素系樹脂は取扱い難く、表面層にピンホールが発生しやすい、▲2▼トナーをマイナス帯電させたい場合の帯電特性に問題がある。トナーをマイナスに帯電させたい場合は、表面層として、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂が提案されているが、1)トナーのフィルミング、2)感光体と接触式の場合、柔軟なナイロン系樹脂、ウレタン樹脂は感光体を汚染する、3)ウレタン系樹脂の場合には表面性が粗い、などの課題を抱えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような電子写真方式を採用した装置に使用されるローラとして、前記のような課題の解決された表面層を有するローラを提供せんとするものであり、特に、ローラの主要部分である弾性層が柔軟なローラにおいて、現像ローラに使用した場合に、イ)ピンホールの発生を少なくでき、ロ)トナーのフィルミングが少なく、ハ)トナーをマイナス帯電させやすく、ニ)感光体と接触式で使用する場合に感光体を汚染せず、ホ)表面粗さが小さい、などの特性を満たした表面層を有するローラを提供せんとするものである。さらに、ヘ)弾性層が柔軟で、現像ローラとして使用した場合にトナー割れなどが少なく、上記イ)〜ホ)のような表面層の特徴をより発揮しうるローラを提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究の結果、表面層を構成する樹脂組成物として、ウレタン樹脂と反応しないフッソ系樹脂とウレタン系樹脂の混合物を主成分とするもの使用することによって、上記の目的を達成できるローラを得ることができることを見出し、さらに研究を重ねた結果、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
電子写真方式による複写機やプリンターなどに使用するローラであって、シャフトのまわりに弾性層を設け、外周面を表面層で被覆してなり、前記表面層をウレタン樹脂と反応しない溶剤可溶性フッ素系樹脂とウレタン系樹脂を重量比50:50〜80:20の比率で含む混合物を主成分とする樹脂組成物から構成してなることを特徴とするローラ(請求項1)。
前記弾性層が、JIS A 硬度が30°以下の弾性体から構成されていることを特徴とするローラ(請求項2)。
弾性層を構成する、前記JIS A 硬度が30°以下の弾性体が、
(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素単位からなる重合体、
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤、
および、
(C)ヒドロシリル化触媒、
を主成分とする硬化性組成物の反応硬化物からなることを特徴とする請求項1記載のローラ(請求項3)。
前記硬化性組成物が、(D)導電性付与剤を含み、現像ローラとして使用される請求項3記載のローラ(請求項4)。
電子写真方式による複写機やプリンターなどに使用するローラであって、シャフトのまわりに弾性層を設け、外周面を表面層で被覆してなるローラの製造方法において、
前記表面層を、ウレタン樹脂と反応しない溶剤可溶性フッ素系樹脂を溶剤に溶解したフッ素系樹脂溶液とウレタン系樹脂を溶剤に溶解したウレタン系樹脂溶液とを、両樹脂が樹脂固形分で重量比50:50〜80:20の比率となるように混合してなる混合樹脂溶液をロール外周面に塗布乾燥して形成することを特徴とするローラの製造方法(請求項5)。
を内容とするものである。
【0006】
上記のような本発明に係るローラは、抵抗や膜厚を適宜設定することによって、現像ローラのみでなく、帯電ローラ、転写ローラにも利用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係るローラは、直径1〜12mm程度のSUS(ステンレス鋼)やアルミニウムなどの金属製シャフトのまわりに、JIS A 硬度で5〜40°程度、好ましくは10〜30°程度で厚さが1〜15mm程度の弾性層を設け、外周面を表面層で被覆したものであり、弾性層との間に他の層を含んでもかまわない。
【0008】
このローラは、ローラ全体としての抵抗が、シャフトの両端に500gの荷重を加え100Vの直流電圧を印加した測定した値が103 〜109 Ω程度、さらには104 〜107 Ω程度が好ましい。
【0009】
前記、弾性層を構成する材料としては、EP系ゴム、ポリエーテル系化合物などが挙げられる。これらの化合物の中でも、請求項3に係るローラの硬化性組成物は、可塑剤を添加しなくとも低硬度で圧縮永久歪が小さく、材料自体の体積固有抵抗が低く、導電性付与剤を使用する場合でも少量で良いという利点を持つ。
【0010】
本発明に係るローラにおける表面層を構成する樹脂組成物について説明する。本発明では、表面層を溶剤可溶性フッ素系樹脂とウレタン系樹脂との混合物を主成分とする樹脂組成物で構成する。前記、溶剤可溶性フッ素樹脂は、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMAC(ジメチルアセトアミド)、NMP(メチルピロリゾン)などに溶解してそれ自体でもコート層に塗布されるフッ素樹脂であり、充填用のフッ素微粒子や、ウレタン樹脂と反応する(例えばイソシアネート基と反応するフッ素ポリオール)含フッ素樹脂ではない。この溶剤可溶性フッ素樹脂は、低硬度であるためには、含フッ素量の小さい方が好ましく、トナー離型性の観点からは含フッ素量の大きい方が好ましく、弾性層の硬度などを考慮しながら前記のバランス点を選べば良い。また、ウレタン樹脂に関しては特に制限はないが、ウレタン結合の含有率が大きい方がトナーを帯電させやすいが、剛直になる傾向がある。一方、ウレタン系樹脂の骨格はポリエーテル骨格であることが低硬度の点で好ましく、熱硬化性である場合には架橋点間分子量が大きい方が低硬度になり好ましい。
【0011】
前記溶剤可溶性フッ素系樹脂とウレタン系樹脂との混合比率は、両者の合計100重量部中、そのいずれもが10重量部以上混合されていることが必要であり、好ましくはいずれも20重量部以上混合されていることである。溶剤可溶性フッ素系樹脂の混合比率が10重量部未満であると、表面粗さが大きくなるうえ、電気抵抗の環境依存性も大きくなるので好ましくない。また、ウレタン系樹脂の混合比率が10重量部未満であると、電気抵抗値が高くなりすぎることを防止するために表面層を薄く塗布しなければならなくなりピンホールが発生したり、また、トナーをマイナス帯電させたい場合の帯電性が悪くなり画像ムラが起こりやすくなる。さらに、安定して両樹脂の欠点を補うには、溶剤可溶性フッ素系樹脂とウレタン系樹脂とのいずれもが20重量部以上混合されていることが好ましい。なお、上記の樹脂組成物には、溶剤可溶性フッ素系樹脂およびウレタン系樹脂の他に、必要に応じてカーボンブラックなどの導電性付与剤などの成分を添加してもかまわない。本発明の現像ローラの表面層は、前記のような溶剤可溶性フッ素系を溶剤に溶解したフッ素系樹脂溶液と、ウレタン系樹脂を溶剤に溶解したウレタン系樹脂溶液とを、両樹脂が樹脂固形分で重量比50:50〜80:20の比率となるように混合し、この混合樹脂溶液を、ロール外周面に塗布乾燥することで形成される。
【0012】
次に、請求項3に係るローラにおける弾性層を構成する硬化性組成物について説明する。この硬化性組成物における(A)成分の重合体は、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある分子の場合には、分子末端に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。(A)成分の主鎖を構成する主な繰り返し単位はオキシアルキレン単位または飽和炭化水素単位であるが、主鎖を構成する主な繰り返し単位がオキシアルキレン単位からなる重合体の場合、少量の導電性付与剤を添加するだけで体積抵抗が108 〜109 Ωcmとなるため好ましい。
【0013】
前記(A)成分の好ましい組成としては、硬化物の低硬度化の観点から、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位であるオキシアルキレン系重合体、さらには、主鎖を構成する主な繰り返し単位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重合体が好ましい。
【0014】
ここで、前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、例えば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合には、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる単位との共重合体(グラフト共重合体も含む)であってもよい。
【0015】
上記のような(A)成分のオキシアルキレン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化のバランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)で500〜50,000、さらには1,000〜40,000であることが好ましい。特に、数平均分子量5,000以上のもの、さらには5,000〜40,000であるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0016】
前記オキシアルキレン系重合体が有するアルケニル基に特に制限はないが 一般式、
【0017】
【化1】
(式中、R1 は水素原子またはメチル基)
【0018】
で示されるアルケニル基が硬化性に優れる点で特に好ましい。
【0019】
前記のようなアルケニル基を導入する前のオキシアルキレン系重合体は、アルキレンオキシドの通常の重合法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)や、この重合体を原料とした鎖延長反応法によって得ることができる。また、高分子量で分子量分布が狭く官能基を有するオキシアルキレン系重合体は、特開昭61−197631号公報、特開昭61−215622号公報、特開昭61−215623号公報、特開昭61−218632号公報、特公昭46−27250号公報および特公昭59−15336号公報などに記載された方法などによって得ることができる。
【0020】
また、この硬化性組成物の特徴の1つは、低硬度化に設定しやすいことであり、この特徴を発揮させるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ましく、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる。
【0021】
(A)成分の代表例として、例えば、下記の構造式(2)、構造式(3)、構造式(4)、構造式(5)で表されるものが挙げられる。
【0022】
【化2】
(式中、R2 は水素原子またはメチル基、R3 は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、少なくとも1個のエーテル基が含まれていてもよく、好ましくはアルキレン基、R4 はオキシアルキレン重合体残基であり、bは1以上の整数)
【0023】
【化3】
(式中、R5 は水素原子またはメチル基、R6 は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、少なくとも1個のエーテル基が含まれていてもよく、好ましくはアルキレン基、R7 はオキシアルキレン重合体残基であり、bは1以上の整数)
【0024】
【化4】
(式中、R8 は水素原子またはメチル基、R9 はオキシアルキレン重合体残基であり、bは1以上の整数)
【0025】
【化5】
(式中、R10は水素原子またはメチル基、R11は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、少なくとも1個のエーテル基が含まれていてもよく、好ましくはアルキレン基、R12はオキシアルキレン重合体残基であり、bは1以上の整数)
【0026】
また、(A)成分が、主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の場合について説明する。この重合体の場合も、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様に、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化するものであり、(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合、分子の両末端に2個存在することが好ましく、分岐を有する分子の場合には、分子末端に2個以上存在することが好ましい。
【0027】
前記(A)成分の主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の代表的な例としては、イソブチレン系重合体、水添イソプレン系重合体、水添ブタジエン系重合体が挙げられる。これら重合体は、共重合体などの他成分の繰り返し単位を含むものであってもかまわないが、少なくとも飽和炭化水素単位を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有することが、飽和炭化水素系の、吸水率が低いという特徴を損なわないようにするうえで重要である。
【0028】
この主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である(A)成分の重合体の分子量としては、取扱やすさなどの点から、数平均分子両(Mn)で500〜50,000程度、さらには1,000〜15,000程度であって、常温において液状物で流動性を有するものが加工性の点で好ましい。
【0029】
この飽和炭化水素系重合体に導入されるアルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様である。
【0030】
したがって、(A)成分としての、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素系である重合体の好ましい具体例としては、両端末にアルケニル基を2個有する直鎖状の数平均分子量(Mn)が2,000〜15,000でMw/Mnが1.1〜1.2のポリイソブチレン系、水添ポリブタジエン系、水添ポリイソプレン系重合体などが挙げられる。
【0031】
また、硬化性組成物中の(B)成分は、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であるかぎり特に制限はないが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因になるため、分子中に含まれるヒドロシリル基の数は50個以下がよい。さらには2〜30個、より好ましくは2〜20個であることが、硬化物のゴム弾性のコントロールや貯蔵安定性の点から好ましく、さらに、硬化時の発泡を容易に防ぐ点では、20個以下、ヒドロシリル基が失活しても硬化不良が発生しにくい点では3個が好ましく、最も好ましい範囲は3〜20個である。
【0032】
なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することをいい、SiH2 の場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が硬化性が良く、ゴム弾性の点からも好ましい。
【0033】
(B)成分の分子量は、後述する導電性付与剤((D)成分)を添加する場合の分散性やローラー加工性などの点から数平均分子量(Mn)で30,000以下であるのが好ましく、さらには20,000以下、特には15,000以下が好ましい。(A)成分との反応性や相溶性まで考慮すると300〜10,000が好ましい。
【0034】
(B)成分の具体例としては、下記の構造式(6)〜(8)で示されるような、分子の末端にヒドロシリル基含有環状シロキサンを有するものが挙げられる。
【0035】
【化6】
(n=5〜12の整数、m=2〜4の整数)
【0036】
【化7】
(m=2〜4の整数)
【0037】
【化8】
(m=2〜4の整数)
【0038】
上記の構造式(6)〜(8)で表されるものの場合は、比較的低分子の両末端にヒドロシリル基含有環状シロキサンが存在しているが、高分子の末端や、さらには分岐を有する高分子の末端にヒドロシリル基含有環状シロキサンが存在しているものであってもよい。
【0039】
また、(B)成分の他の例としては、下記の構造式(9)〜(11)に示されるように、鎖状、環状のポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ポリオキシアルキレン変性体、スチレン変性体、オレフィン変性体などを含む)が挙げられる。
【0040】
【化9】
(n、nは整数で、10≦m+n≦50、2≦m、0≦n、R13はメチル基、分子量が100〜10,000のポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。R13が複数個含まれる場合、これらは同じである必要はない)
【0041】
【化10】
(n、nは整数で、10≦m+n≦50、2≦m、0≦n、R14はメチル基、分子量が100〜10,000のポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。R14が複数個含まれる場合、これらは同じである必要はない)
【0042】
【化11】
(n、nは整数で、3≦m+n≦20、2≦m≦19、0≦n≦18、R15はメチル基、分子量が100〜10,000のポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。R15が複数個含まれる場合、これらは同じである必要はない)
【0043】
この(B)成分に関しては、(A)成分の凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相溶性の点でフェニル基含有変性が重要であり、(A)成分との相溶性、入手のしやすさの点でスチレン変性体などが好ましく、貯蔵安定性の点からα−メチルスチレン変性体が好ましい。
【0044】
(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである限り特に制限はない。白金単体、アルミナなどの単体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールなどの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物などが挙げられる。これらの中でも、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフイン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用しても良く、また2種以上併用してもよい。
【0045】
以上のような硬化性組成物中の(A)成分および(B)成分の使用割合は、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり(B)成分中のヒドロシリル基が0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モルがゴム弾性の点から好ましい。
【0046】
また、(C)成分の使用量としては、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して10-1〜10-8モル、さらには10-1〜10-6モル、特には10-3〜10-6モルの範囲で用いるのが好ましい。(C)成分の使用量が10-8モルに満たないと反応が進行しない。その一方で、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で、また腐食性を有し、しかも水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡してしまう性質を有しているので、10-1モルを超えて用いない方が好ましい。
【0047】
さらに、上記のような硬化性組成物に、(D)成分として導電性付与剤を添加して導電性組成物とすれば、現像ローラとして好適である。この(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや、金属微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルアミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などが挙げられる。これらの導電性付与剤は、単独で使用しても、また、2種以上を併用してもかまわない。
【0048】
(D)成分である導電性付与剤の添加量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して30重量%以下であり、硬化物の体積抵抗が103 〜1010Ωcmになるように加えられる。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例とともに挙げるが、本発明はこれらの実施例により、なんら限定されるものではない。
【0050】
以下に列記する3種類の導電性弾性層と、4種類の表面層を組み合わせて、直径10mmのSUS製シャフトのまわりりに、厚さ7.5mmの導電性弾性層を設け、その外周面を表面層で被覆した実施例および比較例の現像ローラを作製した。
【0051】
(導電性弾性層1)
(A−1)数平均分子量(Mn)8,000、分子量分布2の末端アリル化ポリオキシプロピレン系重合体:100重量部に対して、
(B−1)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.36モル/100g):6.6重量部、
(C−1)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶液:0.06重量部、
(D) カーボンブラック3030B(三菱化学製):7重量部、
を混合し、減圧(10mmHg以下、120分)脱泡した。得られた組成物を10mm径のSUS製シャフトの周りに被覆し、金型内120℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚さ7.5mmのゴム弾性体を作製した。JIS K 6301 A法に記載された方法に準じて測定した弾性層のみのJIS A 硬度は15°であった。
【0052】
(導電性弾性層2)
(A−2)ジブチルスズラウレート触媒存在下、数平均分子量(Mn)8,000のポリプロピレングリコール(PPG)の両末端にイソホロンジイソシアネート(IPDI)を80℃、2時間反応させて、イソシアネート末端にしたプレポリマー(23℃、4rpmで350P):100部、
(B−2)数平均分子量(Mn)3,000のポリオキシプロピレントリオール(PPT):25部、
(C−2)スズ系触媒:0.01重量部、
および
(D)カーボンブラック3030B:7重量部、
を含む組成物を80℃、4時間で硬化させてゴム弾性体を作製した。弾性層のみのJIS A 硬度は約30°であった。
【0053】
(導電性弾性層3)
日本ポリウレタン株式会社製のC−4190(主鎖がポリエーテルでNCO含量4.5%、粘度700cps/75℃)が100g、4,4′メチレン−ビス−2クロロアニリンが12.9g、ケッチェンブラックECが0.8gよりなる組成物を、80℃、5時間硬化させてゴム弾性体を作製した。弾性層のみのJIS A 硬度は78°であった。
【0054】
(表面層1)
セフラルソフトG−180Y(セントラル硝子製の溶剤可溶性フッ素樹脂)15%DMF溶液をMEKで希釈し、5%溶液とした。
【0055】
(表面層2)
エーテル系ウレタン樹脂(大日精化製のハイムレンY−258)をDMF:MEK=4:1の溶媒で希釈し、固形分5%溶液とした。
【0056】
(表面層3)
表面層1で用いた溶液と表面層2で用いた溶液を重量比1:1で混合した。
【0057】
(表面層4)
表面層1で用いた溶液と表面層2で用いた溶液を重量比4:1で混合した。
【0058】
なお、上記の表面層の塗布は、すべてDIP塗布であり、乾燥(一部硬化)は、80℃1時間で実施した。
【0059】
(評価)
ローラに100Vの直流電圧をかけ、金属製板の上を回転させるピンホールチェック、表面粗さの測定(Rz)、市販6枚機プリンターの現像ローラとして装着し、5時間後の黒ベタ濃度とトナーフィルミングの目視チェックを行った。結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、フッ素樹脂の欠点である、ローラ表面のピンホールの発生や帯電性の悪さを、ウレタン系樹脂とブレンドすることによって解決できる。また、ウレタン系樹脂の欠点である表面性の粗さ、柔軟にしたときの感光体汚染、多くのウレタン系樹脂で発生するトナーのフィルミングを解決できる。したがって、本発明によれば、フッ素系樹脂とウレタン系樹脂との両者の利点を併せ持つ表面層を有するローラとすることができる。
Claims (5)
- 電子写真方式による複写機やプリンターなどに使用するローラであって、シャフトのまわりに弾性層を設け、外周面を表面層で被覆してなり、前記表面層を、ウレタン樹脂と反応しない溶剤可溶性フッ素系樹脂と、ウレタン系樹脂を重量比50:50〜80:20の比率で含む混合物を主成分とする樹脂組成物から構成してなることを特徴とするローラ。
- 前記弾性層が、JIS A 硬度が30°以下の弾性体から構成されていることを特徴とする請求項1記載のローラ。
- 弾性層を構成する、前記JIS A 硬度が30°以下の弾性体が、(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素単位からなる重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤、および、(C)ヒドロシリル化触媒、を主成分とする硬化性組成物の反応硬化物からなることを特徴とする請求項2記載のローラ。
- 前記硬化性組成物が、(D)導電性付与剤を含み、現像ローラとして使用される請求項3記載のローラ。
- 電子写真方式による複写機やプリンターなどに使用するローラであって、シャフトのまわりに弾性層を設け、外周面を表面層で被覆してなるローラの製造方法において、前記表面層を、ウレタン樹脂と反応しない溶剤可溶性フッ素系樹脂を溶剤に溶解したフッ素系樹脂溶液と、ウレタン系樹脂を溶剤に溶解したウレタン系樹脂溶液とを、両樹脂が樹脂固形分で重量比50:50〜80:20の比率となるように混合してなる混合樹脂溶液をロール外周面に塗布乾燥して形成することを特徴とするローラの製造方法。
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