JPH10186834A - 現像ローラ - Google Patents

現像ローラ

Info

Publication number
JPH10186834A
JPH10186834A JP34898296A JP34898296A JPH10186834A JP H10186834 A JPH10186834 A JP H10186834A JP 34898296 A JP34898296 A JP 34898296A JP 34898296 A JP34898296 A JP 34898296A JP H10186834 A JPH10186834 A JP H10186834A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developing roller
toner
surface layer
contact angle
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34898296A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Mimura
和義 三村
Yoshihisa Owada
善久 太和田
Kenji Kobayashi
健二 小林
Hiroshi Ogoshi
洋 大越
Susumu Fukuda
丞 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP34898296A priority Critical patent/JPH10186834A/ja
Priority to EP97919724A priority patent/EP0911704B1/en
Priority to PCT/JP1997/001481 priority patent/WO1997041490A1/ja
Priority to DE69734239T priority patent/DE69734239T2/de
Priority to KR1019980708474A priority patent/KR100317983B1/ko
Priority to US09/171,669 priority patent/US6035172A/en
Publication of JPH10186834A publication Critical patent/JPH10186834A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルミングを防止でき、初期画像濃度も良
好で、トナー割れも少ない現像ローラを提供する。 【解決手段】 表面層を、液状ポリエステルを滴下液と
して測定した接触角が35°以上であるポリエーテル系
ウレタン樹脂から構成し、導電性弾性層を、(A)分子
中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成
する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単位からなる
重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル
基を有する硬化剤、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)
導電性付与剤、を主成分とする硬化性組成物の反応硬化
物から構成した現像ローラ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式によ
る複写機、プリンター、あるいはファクシミリの受信装
置などが有する現像装置に使用される現像ローラに関す
るものであり、表面に担持したトナーを感光体に受け渡
す方式の非磁性現像ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような現像ローラを搭載した電子
写真機の現像装置部は、非磁性一成分トナーが使用さ
れ、ブレード、ロールなどの規制部材と現像ローラ表面
と間の摩擦によりトナーを帯電させて現像ローラ表面に
トナーを担持させている。したがって、前記現像ローラ
の表面層としては、トナーをマイナスに帯電させるため
には、摩擦帯電列のプラス側の材質からなる表面層、ト
ナーをプラスに帯電させる場合には、摩擦帯電列のマイ
ナス側の材質からなる表面層が選定される。したがっ
て、現在主流であるトナーをマイナスに帯電させるため
の表面層としては、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂が
多い。これらの表面層に求められる特性の中で最も重要
な特性がトナーのフィルミングが少ないことであり、現
状ではトナーのフィルミングが現像装置の寿命を決定し
ているといっても過言ではない。そのため、トナー離型
性に着眼し、表面層にフッ素系粒子を添加したり、ある
いは含フッ素成分を有するウレタン樹脂(例えばフッ素
ポリオールとポリイソシアネートの反応硬化物)を使用
するなどの方法が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らが
上記のような現像ローラにおけるフィルミングの問題を
解決すべく、現像ロールにおけるトナー離型性に着目し
て検討した結果、上記のように表面層をフッ素系樹脂な
どで構成した場合、画像濃度が薄くなる、という問題が
あった。一方、画像濃度を濃くするためにナイロンなど
の樹脂で表面層を構成すると表面層にフィルミングが発
生し、良好な画像が得られない、ということが明らかと
なった。このように、現状では、現像ローラにおけるフ
ィルミング防止は必ずしも充分とはいえず、困難な課題
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、トナー離型性の尺度を表面の摩擦係数
や水接触角などに比べより現実に近づけるため、トナー
離型性の尺度をトナーと類似成分を滴下液とした時の接
触角に求め、この接触角を尺度として表面層を構成する
材料を選定することで、フィルミングが少なく、かつト
ナー帯電性の良好な現像ローラを得ることができること
を見い出した。さらに、前記のような表面層と、柔軟な
導電性弾性層とを組合せることによって、トナー割れの
低減効果が起こり、よりフィルミングを少なくできるこ
とを見い出した。そこで、これらの知見にもとづき、さ
らに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、表面に担持したトナ
ーを感光体に受け渡す方式の現像ローラであって前記ト
ナーがポリエステル系である現像ローラにおいて、少な
くともその表面層が、液状ポリエステル(アジピン酸
系、25℃12rpmでの粘度が2700〜3200c
ps、酸価が0.1〜0.3mg/g、APHA色相が
30〜100)を滴下液として測定した接触角が35°
以上である樹脂組成物から形成されていることを特徴と
する現像ローラ(請求項1)。表面に担持したトナーを
感光体に受け渡す方式の現像ローラであって前記トナー
がスチレンアクリル系である現像ローラにおいて、少な
くともその表面層が、アクリル酸ブチルを滴下液として
測定した接触角が35°以上である樹脂組成物から構成
されていることを特徴とする現像ローラ(請求項2)。
表面層を構成する合成樹脂組成物の主な組成がポリエー
テル系ウレタン樹脂である請求項1記載の現像ローラ
(請求項3)。表面に担持したトナーを感光体に受け渡
す方式の現像ローラであって前記トナーがポリエステル
系である現像ローラにおいて、少なくともその表面層
が、液状ポリエステル(アジピン酸系、25℃12rp
mでの粘度が2700〜3200cps、酸価が0.1
〜0.3mg/g、APHA色相が30〜100)を滴
下液として測定した接触角が35°以上であるポリエー
テル系ウレタン樹脂から構成されており、かつ現像ロー
ラの主要部分である導電性弾性層が、(A)分子中に少
なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰
り返し単位が主にオキシアルキレン単位または飽和炭化
水素単位からなる重合体、(B)分子中に少なくとも2
個のヒドロシリル基を有する硬化剤、(C)ヒドロシリ
ル化触媒、および、(D)導電性付与剤、を主成分とす
る硬化性組成物の反応硬化物からなる構成されている現
像ローラ(請求項4)。を内容とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係る現像ローラは、直径
1〜12mm程度のSUS(ステンレス鋼)やアルミニ
ウムなどの金属製シャフトのまわりに導電性弾性層が設
けられ、外周面を表面層で被覆したものであり、前記導
電性弾性層と表面層との間に他の層を含む場合もある。
このは現像ローラのローラ抵抗は、シャフトの両端に5
00gの荷重を加えたDC100V印加時に104 〜1
8 Ω、好ましくは105 〜108 Ω程度のものであ
る。
【0007】本発明に係る現像ローラの表面層を構成し
ている樹脂組成物の接触角を測定する滴下液として使用
される液体は、使用するトナーと類似組成を有する液体
である。すなわち、トナーがポリエステル系である場合
は、液状ポリエステル、具体的には、アジピン酸系の液
状ポリエステルであり、粘度が2700〜3200cp
s(25℃12rpm)、酸価が0.1〜0.3mg/
g、色相(APHA)が30〜100のものである。ま
た、トナーがスチレンアクリル系の場合には、接触角測
定時の滴下液としては、アクリル酸ブチルを用いる。
【0008】次に、上記接触角の測定方法であるが、本
発明では、現像ローラの表面層を構成する樹脂組成物を
平板上に塗布し、上記の滴下液を滴下後、30秒後の値
を採用した。具体的には、測定機としては協和界面科学
株式会社製のCA−DT・A型を用い、滴下用の注射針
は同じく協和界面科学株式会社製の15ゲージのものを
用い、滴下する液滴の滴下方向の液径は約1.5mmと
し、表面をCrメッキした平板に現像ローラの表面層を
構成する樹脂組成物を塗布焼付したサンプル面に、23
℃で1サンプル面について5点滴下し、30秒後の接触
角を測定し、5点のうちの最大値、最小値の1点ずつを
除いた3点の接触角の平均値を四捨五入した整数を接触
角とした。
【0009】本発明で、トナーがポリエステル系である
現像ローラの表面層を構成するために使用される、前記
液状ポリエステルを滴下液として測定した接触角が35
°以上の樹脂組成物としては、主な組成がポリエーテル
系ウレタン樹脂であるものが好ましい。この場合のポリ
エーテル系ウレタン樹脂としては、ポリプロピレングリ
コール(PPG)系成分やポリテトラメチレングリコー
ル(PTMG)系成分を多く含むものが好ましく、樹脂
固形分中に前記PPG系成分やPTMG系成分を50%
以上含むものが好ましい。より好ましくは、前記樹脂組
成物の接触角は40°以上である。
【0010】また、トナーがスチレンアクリル系である
現像ローラの表面層を構成するために使用される、前記
アクリル酸ブチルを滴下液として測定した接触角が35
°以上の樹脂組成物としては、炭化水素系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、エーテルウレタン系樹脂などが挙げられ
る。より好ましくは、前記樹脂組成物の接触角は40°
以上である。
【0011】次ぎに、本発明に係る現像ローラの主要基
材部である導電性弾性層を構成する材料について説明す
る。
【0012】この導電性弾性層を構成する材料に要求さ
れる特性としては、低硬度に設定できること、材料自体
の体積抵抗が小さく導電性を付与しやすいこと、硬化前
の樹脂粘度が小さく加工しやすいこと、感光体を汚染し
にくいこと、などである。低硬度に設定できることは、
感光体と非接触、接触にかかわらずトナー割れの低減に
つながり、ひいてはフィルミングの低減にもつながる。
また、感光体と接触の場合、感光体とのニップ幅も十分
とれるという利点をもつ。この点、請求項4に係る現像
ローラで採用している硬化性組成物は、上記のような条
件を満足しうるものであり、好ましい。
【0013】前記硬化性組成物における(A)成分の重
合体は、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する
成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を
有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状に
なり硬化する。(A)成分に含まれるアルケニル基の数
は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から
少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直
鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基
が存在し、分岐のある分子の場合には、分子末端に2個
以上のアルケニル基が存在することが望ましい。(A)
成分の主鎖を構成する主な繰り返し単位はオキシアルキ
レン単位または飽和炭化水素単位であるが、主鎖を構成
する主な繰り返し単位がオキシアルキレン単位からなる
重合体の場合、(D)成分である導電性付与剤の少量の
添加で体積抵抗が108 〜109Ωcmとなるため好ま
しい。
【0014】前記(A)成分の好ましい組成としては、
硬化物の低硬度化の観点から、主鎖を構成する主な繰り
返し単位がオキシアルキレン単位であるオキシアルキレ
ン系重合体、さらには、主鎖を構成する主な繰り返し単
位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重
合体が好ましい。
【0015】ここで、前記オキシアルキレン系重合体と
は、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは
50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をい
い、オキシアルキレン単位以外に含有される単位として
は、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水
素を2個以上有する化合物、例えば、エチレングリコー
ル、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が
挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合に
は、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる
単位との共重合体(グラフト共重合体も含む)であって
もよい。
【0016】上記のような(A)成分のオキシアルキレ
ン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化の
バランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)で
500〜50,000、さらには1,000〜40,0
00であることが好ましい。特に、数平均分子量5,0
00以上のもの、さらには5,000〜40,000で
あるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場
合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的
特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一
方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中
に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくな
ったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が
不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて
加工性が悪くなる傾向にある。
【0017】前記オキシアルキレン系重合体が有するア
ルケニル基に特に制限はないが、下記一般式(1)
【0018】
【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基)
【0019】で示されるアルケニル基が硬化性に優れる
点で特に好ましい。
【0020】前記のようなアルケニル基を導入する前の
オキシアルキレン系重合体は、アルキレンオキシドの通
常の重合法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)
や、この重合体を原料とした鎖延長反応法によって得る
ことができる。また、高分子量で分子量分布が狭く官能
基を有するオキシアルキレン系重合体は、特開昭61−
197631号公報、特開昭61−215622号公
報、特開昭61−215623号公報、特開昭61−2
18632号公報、特公昭46−27250号公報およ
び特公昭59−15336号公報などに記載された方法
などによって得ることができる。
【0021】また、この硬化性組成物の特徴の1つは、
低硬度化に設定しやすいことであり、この特徴を発揮さ
せるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ま
しく、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が
多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られ
にくくなる。
【0022】(A)成分の代表例として、例えば、下記
の構造式(2)、構造式(3)、構造式(4)、構造式
(5)で表されるものが挙げられる。
【0023】
【化2】 (式中、R2 は水素原子またはメチル基、R3 は炭素数
1〜20の2価の炭化水素基で、少なくとも1個のエー
テル基が含まれていてもよく、好ましくはアルキレン
基、R4 はオキシアルキレン重合体残基であり、bは1
以上の整数)
【0024】
【化3】 (式中、R5 は水素原子またはメチル基、R6 は炭素数
1〜20の2価の炭化水素基で、少なくとも1個のエー
テル基が含まれていてもよく、好ましくはアルキレン
基、R7 はオキシアルキレン重合体残基であり、bは1
以上の整数)
【0025】
【化4】 (式中、R8 は水素原子またはメチル基、R9 はオキシ
アルキレン重合体残基であり、bは1以上の整数)
【0026】
【化5】 (式中、R10は水素原子またはメチル基、R11は炭素数
1〜20の2価の炭化水素基で、少なくとも1個のエー
テル基が含まれていてもよく、好ましくはアルキレン
基、R12はオキシアルキレン重合体残基であり、bは1
以上の整数)
【0027】次に、(A)成分が、主鎖を構成する主な
繰り返し単位が飽和炭化水素単位からなる重合体である
場合ついて説明する。この重合体の場合も、前記のよう
なオキシアルキレン系重合体の場合と同様に、(B)成
分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子
中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒド
ロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化するもの
であり、(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、
(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少な
くとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状
分子の場合、分子の両末端に2個存在することが好まし
く、分岐を有する分子の場合には、分子末端に2個以上
存在することが好ましい。
【0028】前記(A)成分の主鎖を構成する主な繰り
返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の代表的な例
としては、イソブチレン系重合体、水添イソプレン系重
合体、水添ブタジエン系重合体が挙げられる。これら重
合体は、共重合体などの他成分の繰り返し単位を含むも
のであってもかまわないが、少なくとも飽和炭化水素単
位が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましく
は90%以上含有することが、飽和炭化水素系の、吸水
率が低いという特徴を損なわないようにするうえで重要
である。
【0029】この主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽
和炭化水素単位である(A)成分の重合体の分子量とし
ては、取扱いやすさなどの点から、数平均分子量(M
n)で500〜50,000程度、さらには1,000
〜15,000程度であって、常温において液状物で流
動性を有するものが加工性の点で好ましい。
【0030】この飽和炭化水素系重合体に導入されるア
ルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体
の場合と同様である。
【0031】従って、(A)成分としての、分子中に少
なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する主
な繰り返し単位が飽和炭化水素系である重合体の好まし
い具体例としては、両端末にアルケニル基を2個有する
直鎖状の数平均分子量(Mn)が2,000〜15,0
00でMw/Mnが1.1〜1.2のポリイソブチレン
系、水添ポリブタジエン系、水添ポリイソプレン系重合
体などが挙げられる。
【0032】また、硬化性組成物中の(B)成分は、分
子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
であるかぎり特に制限はないが、分子中に含まれるヒド
ロシリル基の数が多すぎると硬化後も多量のヒドロシリ
ル基が硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラック
の原因になるため、分子中に含まれるヒドロシリル基の
数は50個以下がよい。さらには2〜30個、より好ま
しくは2〜20個であることが、硬化物のゴム弾性のコ
ントロールや貯蔵安定性の点から好ましく、さらに、硬
化時の発泡を容易に防ぐ点では、20個以下、ヒドロシ
リル基が失活しても硬化不良が発生しにくい点では3個
が好ましく、最も好ましい範囲は3〜20個である。
【0033】なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1
個有するとは、Siに結合するHを1個有することをい
い、SiH2 の場合にはヒドロシリル基を2個有するこ
とになる。ただし、Siに結合するHは異なるSiに結
合する方が硬化性が良く、ゴム弾性の点からも好まし
い。
【0034】(B)成分の分子量は、導電性付与剤
((D)成分)の分散性やローラー加工性などの点から
数平均分子量(Mn)で30,000以下であるのが好
ましく、さらには20,000以下、特には15,00
0以下が好ましい。(A)成分との反応性や相溶性まで
考慮すると300〜10,000が好ましい。
【0035】(B)成分の具体例としては、下記の構造
式(6)〜(8)で示されるような、分子の末端にヒド
ロシリル基含有環状シロキサンを有するものが挙げられ
る。
【0036】
【化6】 (n=5〜12の整数、m=2〜4の整数)
【0037】
【化7】 (m=2〜4の整数)
【0038】
【化8】 (m=2〜4の整数)
【0039】上記の構造式(6)〜(8)で表されるも
のの場合は、比較的低分子の両末端にヒドロシリル基含
有環状シロキサンが存在しているが、高分子の末端や、
さらには分岐を有する高分子の末端にヒドロシリル基含
有環状シロキサンが存在するものであってもよい。
【0040】また、(B)成分の他の例としては、下記
の構造式(9)〜(11)に示されるように、鎖状、環
状のポリオルガノハイドロジェンシロキサン(ポリオキ
シアルキレン変性体、スチレン変性体、オレフィン変性
体などを含む)が挙げられる。
【0041】
【化9】 (n、nは整数で、10≦m+n≦50、2≦m、0≦
n、R13はメチル基、分子量が100〜10,000の
ポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20の炭化水
素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。R13
複数個含まれる場合、これらは同じである必要はない)
【0042】
【化10】 (n、nは整数で、10≦m+n≦50、2≦m、0≦
n、R14はメチル基、分子量が100〜10,000の
ポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20の炭化水
素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい。R14
複数個含まれる場合、これらは同じである必要はない)
【0043】
【化11】 (n、nは整数で、3≦m+n≦20、2≦m≦19、
0≦n≦18、R15はメチル基、分子量が100〜1
0,000のポリオキシアルキレン基または炭素数2〜
20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有しても
よい。R15が複数個含まれる場合、これらは同じである
必要はない)
【0044】この(B)成分に関しては、(A)成分の
凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相
溶性の点でフェニル基含有変性が重要であり、(A)成
分との相溶性、入手のしやすさの点でスチレン変性体な
どが好ましく、貯蔵安定性の点からα−メチルスチレン
変性体が好ましい。
【0045】(C)成分であるヒドロシリル化触媒とし
ては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである
限り特に制限はない。白金単体、アルミナなどの単体に
固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールな
どの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニ
ウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物な
どが挙げられる。これらの中でも、触媒活性の点から塩
化白金酸、白金−オレフイン錯体、白金−ビニルシロキ
サン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用しても
良く、また2種以上併用してもよい。
【0046】(D)成分の導電性付与剤としては、カー
ボンブラックや、金属微粉末、さらには第4級アンモニ
ウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル
基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは
重合体、エーテルエステルアミド、もしくはエーテルイ
ミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共
重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレート
などで代表される導電性ユニットを有する化合物、また
は高分子化合物などの帯電防止剤などの、導電性を付与
できる化合物なとが挙げられる。これらの導電性付与剤
は、単独で使用しても、また、2種以上を併用してもか
まわない。
【0047】以上のような硬化性組成物中の(A)成分
および(B)成分の使用割合は、(A)成分中のアルケ
ニル基1モル当たり(B)成分中のヒドロシリル基が
0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モルがゴ
ム弾性の点から好ましい。
【0048】また、硬化性組成物中の(C)成分の使用
量としては、(A)成分中のアルケニル基1モルに対し
て10-1〜10-8モル、さらには10-1〜10-6モル、
特には10-3〜10-6モルの範囲で用いるのが好まし
い。(C)成分の使用量が10 -8モルに満たないと反応
が進行しない。その一方で、ヒドロシリル化触媒は、一
般に高価で、また腐食性を有し、しかも水素ガスが大量
に発生して硬化物が発泡してしまう性質を有しているの
で、10-1モルを超えて用いない方が好ましい。
【0049】さらに、硬化性組成物中の(D)成分であ
る導電性付与剤の添加量は、(A)〜(C)成分の合計
量に対して30重量%以下であり、硬化物の体積抵抗が
10 3 〜1010Ωcmになるように加えられる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに挙げ
るが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定される
ものではない。
【0051】(現像ローラの作製)以下に示す2種類の
導電性弾性層、および表1に示す6種類の表面層を、表
2に示すように組み合わせて、直径10mmのSUS製
シャフトのまわりに、厚さ7.5mmの導電性弾性層を
設け、その外周面をDIP法で塗布焼付した表面層で被
覆した実施例1〜5、および比較例1、2の現像ローラ
を作製した。
【0052】(評価)トナーとしてポリエステル系トナ
ーを、プリンターとして市販6枚機プリンターを用い、
初期黒ベタ濃度、5時間連続使用後のフィミングの目視
評価、および5時間連続使用後画出し(白)時のトナー
の感光体上のかぶりをセロテープに付着させ目視評価し
た。また5時間連続使用後の粒径5μm以下のトナー量
を調べた。以上の評価結果を表2に示した。
【0053】(接触角の測定)表面層を構成する樹脂組
成物の接触角測定の滴下液としてはポリサイザーW23
80(大日本インキ化学工業株式会社製の液状ポリエス
テル、アジピン酸系、25℃12rpmでの粘度が30
20cps、酸価0.1mg/g、APHA色相50)
を使用した。接触角の測定機としては、協和界面科学株
式会社製のCA−DT・A型、滴下液の注射針は協和界
面科学株式会社製の15ゲージのものを用いた。液滴の
滴下方向の液径は約1.5mmとし、Crメッキした平
板に表面層を現像ローラの構成するのに用いた樹脂組成
物を塗布してサンプル面とし、23℃で1サンプル面あ
たり5点滴下し、30秒後の接触角を測定した。5点の
接触角うちの最大値、最小値の1点ずつを除いた3点の
接触角の平均値を四捨五入して表2に示した。
【0054】(導電性弾性層1) (A)数平均分子量(Mn)8,000、分子量分布2
の末端アリル化ポリオキシプロピレン系重合体:100
重量部に対して、(B)ポリシロキサン系硬化剤(Si
H価0.36モル/100g):6.6重量部、(C)
塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶液:0.
06重量部、(D)カーボンブラック3030B(三菱
化学製):7重量部、を混合し、減圧(10mmHg以
下、120分)脱泡した。得られた組成物を10mm径
のSUS製シヤフトの周りに被覆し、金型内120℃の
環境下で30分間静置して硬化させ、厚さ7.5mmの
ゴム弾性体を作製した。この導電性弾性層について、J
IS K 6301 A法に記載された方法に準じてJ
IS A硬度計で測定した硬度は14°であった。
【0055】(導電性弾性層2)グッドイヤー社製のケ
ミガムN683B(結合アクリロニトリル量33%、ム
ーニー粘度28のNBR系ゴム)100重量部に対して
ケッチェンブラックECを5重量部配合した組成物を用
いて、インジェクション法により、導電性弾性層1と同
サイズのローラを作製した。この導電性弾性層のJIS
A 硬度を測定すると45°であった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】表2に示す結果から、実施例1〜5のよう
に現像ローラの表面層として、使用するトナーに類似し
た組成の液体を滴下した時の接触角が35°以上、好ま
しくは40°以上である樹脂組成物を用いると、フィル
ミングが回避できることが分かる。これに対し、比較例
1、2のように、使用するトナーに類似した組成の液体
を滴下した時の接触角が35°未満である樹脂組成物を
用いると、フィルミングが顕著である。また、実施例
1、2と実施例3との比較から明らかなように、使用す
るトナーがポリエステル系である場合、表面層を構成す
る樹脂組成物の組成がエーテル系ウレタン樹脂であれ
ば、初期画像濃度も良好である。さらに、実施例2と実
施例4との比較から明らかなように、ローラの主要部分
である表面層の内側の導電性弾性層を、本発明の硬化性
組成物の反応硬化物により構成にすれば、トナー割れを
少なくできる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、使用す
るトナーに類似した組成の液体を滴下した時の接触角が
35°以上、好ましくは40°以上である樹脂組成物を
用いて表面層を構成することで、フィルミングを防止で
き、初期画像濃度も良好な現像ローラとすることがで
き、さらに、導電性弾性層を本発明の柔軟な硬化性組成
物の反応硬化物により構成にすれば、トナー割れも少な
くできる。
フロントページの続き (72)発明者 大越 洋 滋賀県大津市比叡辻2−1−1 鐘淵化学 工業株式会社内 (72)発明者 福田 丞 滋賀県大津市比叡辻2−1−1 鐘淵化学 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に担持したトナーを感光体に受け渡
    す方式の現像ローラであって前記トナーがポリエステル
    系である現像ローラにおいて、少なくともその表面層
    が、液状ポリエステル(アジピン酸系、25℃12rp
    mでの粘度が2700〜3200cps、酸価が0.1
    〜0.3mg/g、APHA色相が30〜100)を滴
    下液として測定した接触角が35°以上である樹脂組成
    物から構成されていることを特徴とする現像ローラ。
  2. 【請求項2】 表面に担持したトナーを感光体に受け渡
    す方式の現像ローラであって前記トナーがスチレンアク
    リル系である現像ローラにおいて、少なくともその表面
    層が、アクリル酸ブチルを滴下液として測定した接触角
    が35°以上である樹脂組成物から構成されていること
    を特徴とする現像ローラ。
  3. 【請求項3】 表面層を構成する樹脂組成物の主な組成
    がポリエーテル系ウレタン樹脂である請求項1記載の現
    像ローラ。
  4. 【請求項4】 表面に担持したトナーを感光体に受け渡
    す方式の現像ローラであって前記トナーがポリエステル
    系である現像ローラにおいて、少なくともその表面層
    が、液状ポリエステル(アジピン酸系、25℃12rp
    mでの粘度が2700〜3200cps、酸価が0.1
    〜0.3mg/g、APHA色相が30〜100)を滴
    下液として測定した接触角が35°以上であるポリエー
    テル系ウレタン樹脂から構成されており、かつ現像ロー
    ラの主要部分である導電性弾性層が、 (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、
    主鎖を構成する繰り返し単位が主にオキシアルキレン単
    位または飽和炭化水素単位からなる重合体、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
    る硬化剤、 (C)ヒドロシリル化触媒、および、 (D)導電性付与剤、を主成分とする硬化性組成物の反
    応硬化物から構成されている現像ローラ。
JP34898296A 1996-04-26 1996-12-26 現像ローラ Pending JPH10186834A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34898296A JPH10186834A (ja) 1996-12-26 1996-12-26 現像ローラ
EP97919724A EP0911704B1 (en) 1996-04-26 1997-04-25 Developing roller
PCT/JP1997/001481 WO1997041490A1 (fr) 1996-04-26 1997-04-25 Rouleau de developpement
DE69734239T DE69734239T2 (de) 1996-04-26 1997-04-25 Entwicklerrolle
KR1019980708474A KR100317983B1 (ko) 1996-04-26 1997-04-25 현상롤러_
US09/171,669 US6035172A (en) 1996-04-26 1997-04-25 Developing roller

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34898296A JPH10186834A (ja) 1996-12-26 1996-12-26 現像ローラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10186834A true JPH10186834A (ja) 1998-07-14

Family

ID=18400695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34898296A Pending JPH10186834A (ja) 1996-04-26 1996-12-26 現像ローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10186834A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007133113A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Canon Inc 画像形成方法
JP2008299086A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Canon Inc トナー及び画像形成方法
KR100898447B1 (ko) * 2006-09-14 2009-05-21 캐논 가부시끼가이샤 현상 부재, 현상 어셈블리 및 전자 사진 화상 형성 장치
US7945196B2 (en) 2008-01-23 2011-05-17 Oki Data Corporation Developing device with supply member and image forming apparatus

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007133113A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Canon Inc 画像形成方法
KR100898447B1 (ko) * 2006-09-14 2009-05-21 캐논 가부시끼가이샤 현상 부재, 현상 어셈블리 및 전자 사진 화상 형성 장치
US7983605B2 (en) 2006-09-14 2011-07-19 Canon Kabushiki Kaisha Developing member with urethane resin and silicone surface layer
JP2008299086A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Canon Inc トナー及び画像形成方法
US7945196B2 (en) 2008-01-23 2011-05-17 Oki Data Corporation Developing device with supply member and image forming apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0911704B1 (en) Developing roller
JP3899756B2 (ja) 電子写真用ローラ
JPH10186834A (ja) 現像ローラ
JP2007033665A (ja) 導電性ローラ
JP3493914B2 (ja) 現像ローラ
JP3605976B2 (ja) 現像ローラ
JP3493901B2 (ja) 現像ローラ
JP3518895B2 (ja) 硬化性導電性組成物
JP3539211B2 (ja) 現像ローラ
JPH11351238A (ja) 導電性ローラおよびその製造方法
JP2007262299A (ja) 発泡性組成物、及びローラ
JP3829430B2 (ja) 現像ローラ
JP3832002B2 (ja) ローラ
JP2001100549A (ja) 転写ローラおよびその製造方法
JP3794111B2 (ja) 現像ローラ
JP2000122405A (ja) 非磁性非接触現像方式に使用する現像ローラ
JP3800773B2 (ja) 電子写真方式に用いるローラ
JP3391902B2 (ja) 導電性ローラー
KR20070062596A (ko) 전자 사진용 탄성 롤러
JP2001100512A (ja) 現像ローラ及びその製法
JP2001323164A (ja) ローラ用硬化性組成物及びそれからのゴムローラ
JP5662823B2 (ja) 電子写真機器用導電性ロール
JP2000330372A (ja) 現像ローラ
JP2000003090A (ja) 現像ローラ
JPH0812870A (ja) 硬化性導電性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040420

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040908

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20041116

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20041210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070222