JP2007262299A - 発泡性組成物、及びローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡セル径がより小径化され、かつ高度に均一化された発泡体等を提供する。
【解決手段】樹脂を主成分とし、炭酸塩と脂肪酸とを含有することを特徴とする発泡性組成物。炭酸塩の例としては、炭酸カルシウム等の正塩が挙げられる。脂肪酸の例としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよく、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。樹脂の例としては、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とするものが挙げられる。芯体の外周に、該発泡性組成物からなる層が設けられたローラも提供される。該ローラは、電子写真方式による印字装置の現像ローラに好適である。
【選択図】図4

Description

本発明は発泡性組成物、及びローラに関し、さらに詳細には、樹脂を主成分とし、炭酸塩と脂肪酸とを含有する発泡性組成物、及び該発泡性組成物からなる層を有するローラに関する。
近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式による印字装置等を備えたOA機器が普及している。電子写真方式による印字装置は、例えば図1のように感光ドラム10を中心として帯電ローラ11、露光部12、現像ローラ1、転写ローラ13、及びクリーニングブレード15を配したものである。現像ローラ1は、トナー収容部16の開口近傍と感光ドラム10との間に設けられている。トナー収容部16にはトナーが帯電状態で収納されている。
電子写真方式による印字装置では、帯電ローラ11で感光ドラム10を一様に帯電し、露光部12で露光して感光ドラム10上に静電潜像を形成させる。さらに感光ドラム10に現像ローラ1を押し当てて感光ドラム10にトナーを供給する。トナーは帯電した状態で感光ドラム10に供給され、静電潜像上にトナーが供給してトナー像を形成する。そして感光ドラム10と転写ローラ13との間に挟まれた記録紙等にトナー像を転写する。また残余のトナーは、クリーニングブレード15でかき落とされ、トナー収容部に回収されて再利用される。
上記したように、現像ローラ1は感光ドラム10などの静電潜像担持体へトナーを搬送する機能を有するものである。図2は、一般的な現像ローラ1の断面図及びその一部拡大図である。現像ローラ1は、特許文献1に開示された様に、ステンレススチール製やアルミニウム合金製などの導電性シャフト(芯体)2を持ち、この周囲に弾性層3が設けられ、さらにその外周に表層部5が設けられたものである。旧来の現像ローラ1では、表層部5は単層であったが、表層部5が複数層に分かれているものもある。図2に示す例では、表層部5は中間層6と表面層7とを有している。
現像ローラ1においては、硬度と弾性復元性とのバランスが良いことが大切である。より具体的には、現像ローラ1として使用するローラは、硬度が低くかつ弾性復元性に優れたものが適している。すなわち、現像ローラ1は、常時感光ドラム10に押圧されるものであるから、現像ローラ1の硬度が高いと常時感光ドラム10との摩擦抵抗が大きくなり、感光ドラム10や現像ローラ1を回転するのに大きな動力が必要となる。また、トナーが現像ローラ1と常時感光ドラム10に挟み込まれるので、現像ローラ1の硬度が高いとトナーに過度の応力が掛かり、トナーの劣化を早めてしまう。
一方、一般に硬度の低い樹脂は、弾性復元性が劣る傾向にあるが、現像ローラ1は、常時感光ドラム10に押圧されており、感光ドラム10との接触部位は繰り返し弾性変形するので、弾性復元性も必要である。そのため、前記した様に現像ローラ1は、硬度と弾性復元性とのバランスが良いものであることが望ましい。
上記した現像ローラ1に求められる機能を実現するためには、弾性層3を構成する材料の選択が特に重要である。例えば、弾性体3を構成する材料として発泡体(発泡性組成物)を用いる場合には、発泡セル径(気泡径)の小径化と均一化が大きな課題となる。例えば、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体からなる弾性体においては、その物性が安定しており、弾性体3の材料として適している。さらに、そのような発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体は、他の様々な用途にも応用が可能であり、きわめて有用である。
現在、発泡体の発泡セル径の小径化と均一化を達成するために、シリコーン系やフッ素系の整泡剤がよく使われている。すなわち、発泡体の製造時にこれらの整泡剤を添加して液体での表面張力を調整することにより、発泡体の発泡セル径の小径化と均一化が図られている(例えば、特許文献2)。所望の発泡セル径と均一性を得るためには、整泡剤の選択が重要である。
特開2001−132858号公報 特開平8−267612号公報
しかし、従来のシリコーン系などの整泡剤では、所望の発泡セル径と均一性を有する発泡体が得られないこともあり、発泡体の発泡セル径をより小径化及び均一化できる技術が求められている。そのような技術があれば、所望の物性を有する発泡体が容易かつ確実に得られる。そして、該発泡体からなる弾性層を有する現像ローラは、その硬度と弾性復元性とのバランスが良いものとなる。本発明の目的は、発泡体の発泡セル径をより小径化及び均一化できる成分を特定し、該成分を含有する、より発泡セル径が小径化され、かつ高度に均一化された発泡体、並びに、該発泡体からなる弾性層を外周に有するローラを提供することにある。
本発明者は、上記した課題を解決するために鋭意研究した結果、炭酸塩と脂肪酸とを併用することにより、従来の整泡剤を用いる場合よりも発泡体の発泡セル径がより小径化及び均一化されることを見出した。そして、炭酸塩と脂肪酸とを含有し、発泡セル径がより小径化され、かつ高度に均一化された発泡性組成物を調製した。さらに、該発泡性組成物を外周に有するローラを作製し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
請求項1に記載の発明は、樹脂を主成分とし、炭酸塩と脂肪酸とを含有することを特徴とする発泡性組成物である。
本発明の発泡性組成物は、樹脂を主成分とするものであり、さらに、炭酸塩と脂肪酸とを含有する。本発明の発泡性組成物においては、炭酸塩と脂肪酸とを含有するので、発泡セル径がより小径化されており、かつ高度に均一化されている。本発明の発泡性組成物によれば、弾性体等に適したより優れた物性を有する発泡体を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、平均気泡径が200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性組成物である。
かかる構成により、発泡セル径がさらに小径化された、さらに優れた物性を有する発泡体を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、前記炭酸塩が正塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性組成物である。
また、請求項4に記載の発明は、前記正塩が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項3に記載の発泡性組成物である。
本発明の発泡性組成物においては、炭酸塩が入手及び取り扱いが容易な炭酸カルシウム等の正塩である。かかる構成により、優れた物性を有する発泡体をより簡便かつ安価に提供することができる。
前記炭酸塩と脂肪酸が、脂肪酸で表面処理された炭酸塩を樹脂に添加してなる構成も推奨される(請求項5)。
請求項6に記載の発明は、前記脂肪酸の融点が100℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性組成物である。
本発明の発泡性組成物においては、含有される脂肪酸の融点が100℃以下であり、100℃を超える温度では脂肪酸が液体で存在し均一に分散している。かかる構成により、より少ない含量(使用量)の脂肪酸で、発泡セル径が小径化されており、かつ高度に均一化されている発泡性組成物を提供することができる。
請求項7に記載の発明は、硬化性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性組成物である。
かかる構成により、ローラ等の用途に好適な発泡体を提供することができる。
前記樹脂が、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とするものである構成も推奨される(請求項8)。さらに、前記有機重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が、飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなる構成も推奨される(請求項9)。
請求項10に記載の発明は、芯体の外周に、請求項1〜9のいずれかに記載の発泡性組成物からなる層を設けてなるローラである。
本発明はローラにかかるものであり、芯体の外周に本発明の発泡性組成物からなる層を有し、該発泡性組成物においては発泡セル径がより小径化されており、かつ高度に均一化されている。本発明のローラにおいては層を構成する発泡体の物性が安定しているので、より確実にローラとしての機能を発揮することができる。例えば、本発明のローラを現像ローラに採用すると、硬度と弾性復元性とのバランスが良い現像ローラが得られる。
本発明の発泡性組成物によれば、弾性体等に適したより優れた物性を有する発泡体を提供することができる。
本発明のローラによれば、層を構成する発泡体の物性が安定しているので、より確実にローラとしての機能を発揮することができる。例えば、本発明のローラを現像ローラに採用すると、硬度と弾性復元性とのバランスが良い現像ローラが得られる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。
本発明の発泡性組成物は、樹脂を主成分とし、炭酸塩と脂肪酸とを含有することを特徴とするものである。炭酸塩としては特に限定はなく、正塩、酸性塩(重炭酸塩)、塩基性塩のいずれでもよいが、正塩がより好ましい。正塩としては、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられるが、より好ましくは炭酸カルシウムである。なお、これらの炭酸塩については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸としては特に限定はなく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよい。脂肪酸の炭素数も特に限定はなく、例えば、炭素数4〜30の脂肪酸を用いることができる。すなわち、飽和脂肪酸の例としては、ブチル酸(酪酸)、パレリアン酸(吉草酸)、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸の例としては、デセン酸、オレイン酸、エルシン酸等のモノエン酸、並びに、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸等のポリエン酸等が挙げられる。なお、ここに例示した脂肪酸はいずれも融点が100℃以下のものであり、100℃を超える温度では、樹脂中で脂肪酸が液体で存在し均一に分散する。これらの脂肪酸を用いれば、より少ない含量(使用量)で、発泡セル径が小径化されており、かつ高度に均一化されている発泡性組成物を提供することができる。すなわち、発泡性組成物が熱硬化性樹脂を主成分とするものである場合には、硬化反応(100℃以上で行う)時においても脂肪酸が液体で存在することとなり、当該脂肪酸は樹脂中に均一に分散される。また、発泡性組成物が熱可塑性樹脂を主成分とするものである場合も、100℃以上(脂肪酸が液体で存在する)で流動性を有することとなり、当該脂肪酸は樹脂中に均一に分散される。なお、これらの脂肪酸については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明の発泡性組成物は、脂肪酸で表面処理された炭酸塩を樹脂に添加してなるものでもよい。脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムはすでに市販されており、そのまま使用することができる。
本発明の発泡性組成物における炭酸塩の含量は、炭酸塩の種類により適宜選択すればよいが、一般的には10〜60重量%、好ましくは25〜50重量%である。また、本発明の発泡性組成物における脂肪酸の含量は、脂肪酸の種類により適宜選択すればよいが、一般的には0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
樹脂としては特に限定はなく、ウレタン樹脂やシリコーン樹脂等の硬化性樹脂、ポリエチレンやポリスチレン等の熱可塑性樹脂等が使用可能である。好ましくは、前記樹脂は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とするものであり、より好ましくは、前記有機重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が、飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなるものである。当該樹脂の詳細は、例えば特開平8−267612号公報、特開2001−132733号公報等に記載されている。具体例を挙げると、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなる重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤、及び(C)ヒドロシリル化触媒、を主成分とする樹脂が、本発明の発泡性組成物の主成分となりうる。そして、(D)炭酸カルシウム等の炭酸塩、及び(E)ステアリン酸等の脂肪酸、をさらに含有させることにより、本発明の好ましい実施形態にかかる発泡性組成物が構成される。
ここで、(A)成分の重合体は、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、充分なゴム弾性を得るという点からは、直鎖状分子の場合、分子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある分子の場合、分子末端に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。
(A)成分の主鎖を構成する繰り返し単位は、オキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位である。まず、前記繰り返し単位がオキシアルキレン単位である実施形態について説明する。すなわち、本実施形態では(A)成分がオキシアルキレン系重合体からなる。
本実施形態の発泡性組成物は、弾性復元性が良い発泡体を得たい場合に好適である。さらに、硬化物(発泡体)の低硬度化の観点からも本実施形態の発泡性組成物は好ましく、前記繰り返し単位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重合体であることが特に好ましい。
ここで、前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいう。オキシアルキレン単位以外に含有される単位は、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからなる単位などである。なお、前記繰り返し単位がオキシプロピレン系の場合、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる単位との共重合体(グラフト共重合体を含む)であってよい。
このようなオキシアルキレン系重合体の分子量は、反応性および低硬度化のバランスを良くする観点から、数平均分子量(Mn)で500〜50,000、さらには1,000〜40,000であることが好ましい。特に、数平均分子量が5,000以上のもの、さらには5,000〜40,000であるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させたときに充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
なお、前記オキシアルキレン系重合体が有するアルケニル基に特に制限はないが、下記一般式(1)で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。
2C=C(R1)− (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基)
また、この硬化性組成物の特徴の1つは、低硬度に設定し易いことであり、この特徴を発揮させるには、アルケニル基の数は分子末端に2個以上存在することが好ましい。ただし、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる。
次に、(A)成分の重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系単位である実施形態について説明する。この重合体は低吸水率であり、電気抵抗の環境変動が小さい硬化物を得られやすいという点で好ましいものである。また、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様に、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化するものである。さらに、(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、良好なゴム弾性を得るという点から、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個存在することが好ましく、分岐を有する分子の場合は、分子末端に2個以上存在することが好ましい。
前記主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系単位である重合体の代表例としては、イソブチレン系重合体、水添イソプレン系重合体、水添ブタジエン系重合体が挙げられる。特に、イソブチレン系重合体はガス透過性が低いため、より安定した発泡体を提供することができる。これら重合体は、共重合体などの他成分の繰り返し単位を含むものであって構わないが、少なくとも飽和炭化水素系単位を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有することが、飽和炭化水素系の、吸水率が低いという特徴を損なわないようにする上で重要である。
この主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系単位である(A)成分の重合体の分子量としては、数平均分子量(Mn)で500〜50,000程度、さらには1,000〜15,000程度であって、常温において液状物で流動性を有するものが、取り扱い易さ、加工性の点で好ましい。
このような飽和炭化水素系重合体に導入されるアルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様である。
したがって、(A)成分としての、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含み、主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系単位である重合体の好ましい具体例としては、両末端にアルケニル基を2個有し、直鎖状の数平均分子量(Mn)が2,000〜15,000で、Mw/Mnが1.1〜1.2のポリイソブチレン系、水添ポリブタジエン系、水添ポリイソプレン系重合体などが挙げられる。
一方、硬化性組成物中の(B)成分は、分子中の少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物である限り特に制限はないが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると、硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し易くなり、ボイドやクラックの原因となるため、分子中に含まれるヒドロシリル基の数は50個以下が良い。さらにはこの数は、硬化物のゴム弾性のコントロールや貯蔵安定性の点から、2〜30個、より好ましくは2〜20個であり、さらに、ヒドロシリル基が失活しても硬化不良が発生しにくいという点では3個以上が好ましく、最も好ましい範囲は3〜20個である。
なお、本発明で、「ヒドロシリル基を1個有する」とは、Siに結合するHを1個有することをいい、SiH2の場合には、ヒドロシリル基を2個有することを意味するが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が、硬化性やゴム弾性の点から好ましい。
(B)成分の分子量は、加工性などの点から、数平均分子量(Mn)で30,000以下にあることが好ましく、さらには20,000以下、特には15,000以下が好ましい。(A)成分との反応性や相溶性まで考慮すると、数平均分子量が300〜10,000にあることが好ましい。
この(B)成分に関しては、(A)成分の凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相溶性の点でフェニル基含有変性が重要であり、(A)成分との相溶性、入手のし易さの点でスチレン変性体などが好ましく、貯蔵安定性の点でα−メチルスチレン変性体が好ましい。
他方、(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化触媒として使用し得るものである限り特に制限はなく、白金単体、アルミナなどの単体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールなどの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物などが挙げられる。これらの中でも、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用しても良く、2種以上で併用してもよい。
本実施形態における発泡性組成物の(A)成分に対する(B)成分の使用割合として、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり、(B)成分中のヒドロシリル基が0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モル存在するように設定されると、良好なゴム弾性を得る点から好ましい。
また、(C)成分の使用量としては、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、10-1〜10-8モル、特に10-3〜10-6モルの範囲で用いるのが好ましい。(C)成分の使用量が10-8モルに満たないと反応が進行しない。一方でヒドロシリル化触媒は、一般に高価で、また腐食性を有し、しかも水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡してしまう性質を有しているので、10-1モルを超えて用いない方が好ましい。
本発明の発泡性組成物には、その目的に応じて他の成分を含有させてもよい。例えば、プリンター等の電子写真方式を採用した装置に用いる場合には、導電性付与剤をさらに含有させてもよい。導電性付与剤としては、カーボンブラックや金属微粉末、さらには、第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体が挙げられる。さらに、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド、及びイオン性液体などのリチウムイオンを有する有機化合物が挙げられる。さらに、エーテルエステルアミドもしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどに代表される導電性ユニットを有する化合物もしくは高分子化合物を挙げることができる。
導電性付与剤以外の成分では、貯蔵安定性改良剤、例えば、脂肪族不飽和結合を有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などを含有させてもよい。その具体例としては、例えば、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、ジメチルアセチレンカルボキシレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、キノリン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。さらに、本発明の発泡性組成物は、加工性やコストを改善するという点から、充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などを含有してもよい。
本発明の発泡性組成物を製造する際の発泡法としては、機械発泡(物理的発泡)、化学的発泡のいずれもが適用可能であるが、発泡の開始時期を制御しやすい点では機械発泡が好ましい。
本発明の発泡性組成物を製造する際、密閉状態で機械発泡を行うと好都合である。例えば、高圧下で調製された上記(A)〜(E)の各成分と気体(空気、炭酸ガス、不活性ガス等)の混合物を、密閉された金型に充填する。すると、発生した気泡の径は小さいまま保持され、かつ均一化される。一方、当該混合物を開放状態で金型に充填すると、泡が膨張して気泡径が大きくなり、泡の合一が進んでますます気泡径が大きくなってしまう。
本発明のローラは、芯体の外周に、本発明の発泡性組成物を設けてなるものである。好ましい実施形態として、本発明のローラを電子写真方式による印字装置の現像ローラに応用した例について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の現像ローラ(ローラ)1の断面形状は、前記した図2と同様であり、導電性シャフト(芯体)2の外周に弾性層3が設けられ、さらにその外周に中間層6と表面層7とからなる表層部5が設けられたものである。
導電性シャフト(芯体)2は、直径が6〜10mm程度である。導電性シャフト(芯体)2の素材としては、鉄、鉄合金、ステンレススチール、アルミニウム等の金属を採用することが推奨されるが、導電性を有する樹脂であってもよい。
弾性層3は、上記した、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなる重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤、及び(C)ヒドロシリル化触媒、を主成分とする樹脂に、(D)炭酸カルシウム等の炭酸塩、及び(E)ステアリン酸等の脂肪酸、を含有する発泡体(発泡性組成物)からなる。さらに、該発泡体はカーボンブラック等の導電性付与物質と、マレイン酸ジメチル等の貯蔵安定性改良剤を含有している。弾性層3の厚さは1〜20mmであり、通常は2〜6mm程度である。
なお、導電性シャフト2と弾性層3との接着性の観点から、導電性シャフト2は表面がプライマー処理されたものであることが好ましい。プライマーとしては、シラン、チタン、アルミニウム等からなるカップリング剤を溶剤で希釈したものが使用され、好適にはさらに樹脂成分が添加される。そして、弾性層3との接着性を向上させるために、樹脂成分として弾性層3の成分と同等のものを添加することが好ましい。また、弾性層3を構成する発泡性組成物にも上記(A)成分〜(E)成分の他に、導電性シャフト2のプライマー処理に用いたプライマー成分を添加することが好ましい。
中間層6の材料は特に限定はなく、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。これらのエラストマーは単独で用いてもよいし、併用してもよい。さらに、中間層6を構成する樹脂組成物には抵抗調整、表面形状の調整あるいは弾性層3に対する接着性等の観点から、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。また、弾性層3と中間層6との接着性をさらに向上させるために、弾性層3の表面をプライマー処理した後、中間層6を形成することが好ましい。さらに、現像ローラ1を非磁性一成分接触現像方式の現像ローラとして使用する場合には、ローラ表面の凹凸がトナーの搬送性に重要な役割を果たすため、ローラ表面に凹凸を付与する有機系フィラーを中間層6に添加してもよい。中間層6に添加される有機系フィラーとしては、ローラ表面に凹凸をつけることができるものであれば特に限定はないが、ウレタン系、アクリル系、スチレン系等の有機系フィラーが、トナーの帯電を安定化するために好ましい。なお、中間層6の厚さは、5〜500μm程度であり、推奨される範囲は6〜300μm程度である。
表面層7の材料は特に限定はなく、例えば、耐磨耗性能に優れたウレタン樹脂を用いることができる。さらに、表面層7に適度な柔軟性を付与するために、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂からなることが好ましく、これらはポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリカーボネートウレタンのブレンド樹脂、あるいは1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を有するウレタン樹脂であってもよい。また、熱可塑性ウレタン、熱硬化性ウレタンのいずれもが使用できる。表面層7には、中間層6と同様に、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。さらに、ローラ表面に凹凸を付与する有機系フィラーを添加してもよい。表面層7の厚さは、2〜50μmであり、推奨される表面層7の厚さは2〜10μmである。
現像ローラ1の製法について説明する。現像ローラ1は、本発明の発泡性組成物を樹脂原料とし、該樹脂原料を用いて導電性シャフト2の外周に発泡体からなる弾性層3を設けることにより製造することができる。該樹脂原料は、例えば、上記した密閉状態での機械発泡を行うことにより製造される。具体例を挙げると、まず、上記(A)成分〜(E)成分と導電性付与物質等との混合液を調製する。次に、該樹脂原料と気体(空気、炭酸ガス、不活性ガス等)とを密閉状態で共存させてから圧縮する。直ちに圧縮された樹脂原料をミキサーに移送し、強く混合する。このとき、気体は樹脂原料中に分散する。次に、気体が分散した樹脂原料を加圧する。これにより、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡性樹脂原料が調製される。
調製された発泡性樹脂原料は、直ちに導電性シャフト2が装着された成形型に注入される。ここで用いる成形型としては、例えば図3に示すものが挙げられる。図3は、現像ローラを製造するための成形型を模式的に示す縦断面図である。
図3に示す成形型20は、金型本体21と、芯体保持部材22、23によって構成される。金型本体21は筒状であり、その内部に、例えば内径16mm、長さ235mmの成形キャビティ27を有する。芯体保持部材22,23は、導電性シャフト2を保持するとともに、金型本体21の両端を封鎖するものである。芯体保持部材22は金型本体21の一端側(図面では上端側)を封鎖しており、成形キャビティ27と連通する樹脂排出口25を備えている。一方、芯体保持部材23は、金型本体21の他端側(図面では下端側)を封鎖しており、成形キャビティ27と連通する樹脂注入口26を備えている。
現像ローラ1を製造するときは、まず、図3に示す様に、導電性シャフト2を成形型20に装着する。導電性シャフト2には、例えば外径8mm、長さ267mmのSUM材製のものを採用する。次に、図3に示す様に、導電性シャフト2が装着された成形型20を、芯体保持部材22が上、芯体保持部材23が下となるよう垂直に設置する。次に、図示しない射出機を用いて樹脂注入口26から調製した発泡樹脂原料を加圧注入し、成形キャビティ27を満たしていき、樹脂排出口25まで充填する。このとき、樹脂原料は高圧状態から開放されるが、成形型20内で密閉状態に置かれるので発泡セル径がより小径化及び均一化される。次に、成形型20を加熱し、成形キャビティ27内の樹脂原料を硬化させる。これにより、導電性シャフト2の外周に発泡体(発泡性組成物)からなる層(弾性層3に相当)が形成され、ローラとなる。次に、成形型20から導電性シャフト2と弾性層3とからなるローラを引き抜く。
次に、引き抜いたローラの表面(弾性層3)に、中間層6を構成する樹脂組成物(スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーなど)を1流体型スプレー塗布、2流体型スプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、中間層6を形成する。最後に、中間層6の表面に、表面層7を構成する樹脂組成物(ウレタン樹脂など)を、1流体型スプレー塗布、2流体型スプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥させることにより、表面層7を形成する。以上の手順により、現像ローラ1が完成する。このようにして製造された現像ローラ1は、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体からなる弾性層3を有し、硬度と弾性復元性とのバランスが良い。
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、樹脂に、各種の添加剤1(主にフィラーに属する物)と添加剤2(主に整泡剤に属する物)とを含有させた発泡性組成物を調製し、それらの硬化物の顕微鏡観察と平均気泡径の測定を行った。さらに、該発泡性組成物からなる弾性層が設けられたローラを作製し、該弾性層の顕微鏡観察と平均気泡径の測定を行った。
1.各種の発泡性組成物の調製
(A−1)アリル末端ポリオキシプロピレン(商品名:カネカサイリルACS003、カネカ社):100重量部と、
(B−1)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(商品名:CR100、カネカ社):3.1重量部と、
(C−1)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液):0.06重量部と、
(D−1)第1表に示す種類と部数の添加剤1と、
(E−1)第1表に示す種類と部数の添加剤2と、
貯蔵安定性改良剤としてマレイン酸ジメチル:0.04重量部と、
を混合し、16種の液状樹脂原料を調製した。5MPaの圧力下で、これらの液状樹脂原料にその200%相当量の空気を混合し、よく攪拌した。これにより、微細な気泡を内包する液状樹脂原料が調製された。これらの発泡させた樹脂原料を、縦80mm、横50mm、高さ4mmの型枠に10MPaの圧力で吐出し、オーブン内で140℃の条件下で20分間静置して硬化させ、第1表に示す16種のシート状試料(実施例1〜5、比較例1〜11)を調製した(発泡倍率3倍)。
ここで、使用した添加物1、2のメーカーと商品名を以下に示す。
(添加剤1)
炭酸カルシウム:「スーパー#2000」(丸尾カルシウム社)
脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウム:「MCコートS−20」(丸尾カルシウム社)
シリカ:「ニップシールSS−50A」(東ソーシリカ社)
タルク:「SG−95」(日本タルク社)
アセチレンブラック:「アセチレンブラック粒状」(電気化学工業社)
カーボンブラック:「#3030B」(三菱化学社)
(添加剤2)
ステアリン酸:「ステアリン酸つばき」(日本油脂社)
ラウリン酸:「NAA−415」(日本油脂社)
ベヘニン酸:「NAA−222S」(日本油脂社)
オレイン酸:「NAA−34」(日本油脂社)
ステアリン酸ステアリル:「ユニスターM−9676」(日本油脂社)
ステアリルアルコール:「NAA−45」(日本油脂社)
ステアリン酸カルシウム:「カルシウムステアレート」(日本油脂社)
シリコーン系整泡剤:「L−580」(東レダウコーニング社)
フッ素系界面活性剤:「EF−801」(ジェムコ社)
2.顕微鏡観察と平均気泡径の測定
走査型電子顕微鏡(JIM−6380LA型、日本電子データム社)を用いて、倍率30倍にて観察を行い、写真撮影した。図4〜8は、それぞれ実施例1〜5の発泡性組成物からなる硬化物断面の電子顕微鏡写真である。図9〜19は、それぞれ比較例1〜11の発泡性組成物からなる硬化物断面の電子顕微鏡写真である。すなわち、実施例1〜5の発泡性組成物(図4〜8)においては、比較例1〜11の発泡性組成物(図9〜19)に比べて気泡径が高度に均一化されていた。
得られた写真に、シートの厚み方向と幅方向にそれぞれ5本ずつ直線を引き、直線上に含まれるセルの個数で線長を除して求めた厚み方向5点、幅方向5点、計10点のデータを平均し、平均気泡径とした。結果を第1表に示す。すなわち、炭酸カルシウムとステアリン酸(実施例1)、炭酸カルシウムとラウリン酸(実施例2)、炭酸カルシウムとベヘニン酸(実施例3)、及び、炭酸カルシウムとオレイン酸(実施例4)を添加した発泡性組成物、並びに、脂肪酸処理された炭酸カルシウムを添加した発泡性組成物(実施例5)においては、いずれも平均気泡径が200μm以下であり、気泡径の小径化が達成されていた。一方、炭酸カルシウムのみ(比較例1)、及びステアリン酸のみ(比較例2)を添加した発泡性組成物では、平均気泡径が300μm以上であった。さらに、炭酸カルシウムと脂肪酸以外の物質との組み合わせ(比較例3〜5)、炭酸塩以外のフィラーと脂肪酸との組み合わせ(比較例7〜9)、炭酸塩以外のフィラーと脂肪酸以外の物質との組み合わせにおいても、平均気泡径は200μmを超えていた。以上より、炭酸塩と脂肪酸とを併用することにより、平均気泡径が小径化された発泡性組成物を調製できることが示された。
3.ローラの作製と評価
図3に示す構造を有する成形型20(金型本体21の内径16mm、長さ235mm)に、SUM材製の導電性シャフト2(外径8mm、長さ267mm)を装着した。樹脂注入口26から、実施例5の発泡性組成物調製時に用いた樹脂原料を吐出圧10MPaで射出注入し、続いて、成形型20を140℃の環境下で20分間静置した。これにより、成形キャビティ27内の樹脂原料が硬化し、弾性層3が形成された。成形型20を水中で1分間冷却した後、芯体保持部材22,23を金型本体21から外した。金型本体21を直立させ、上方より導電性シャフト2を押し込むことにより、導電性シャフト2の外周に実施例5の発泡性組成物からなる弾性層3が設けられたローラ(以下「実施例5のローラ」と称する。)を作製した。
比較例として、比較例6の発泡性組成物調製時に用いた樹脂原料を用い、同様にしてローラ(以下「比較例6のローラ」と称する。)を作製した。
各ローラの弾性層3について、上記と同様にして倍率30倍にて顕微鏡観察を行い、写真撮影した。図20は実施例5のローラの弾性層断面の電子顕微鏡写真である。図21は比較例6のローラの弾性層断面の電子顕微鏡写真である。すなわち、実施例5のローラの弾性層(図20)においては、比較例6のローラの弾性層(図21)に比べて気泡径が高度に均一化されていた。
各ローラの弾性層につき、上記と同様にして平均気泡径を測定した。その結果、実施例5のローラでは108μmであり、気泡径の小径化が達成されていた。一方、比較例6のローラでは324μmであり、平均気泡径は200μmを超えていた。以上より、本発明の発泡性組成物は、ローラの弾性層として成形された場合でも、その気泡径は小径化されていた。
電子写真方式による印字装置の構成を表す概略図である。 現像ローラの断面図及びその一部拡大断面図である。 現像ローラを製造するための成形型を模式的に示す縦断面図である。 実施例1の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 実施例2の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 実施例3の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 実施例4の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 実施例5の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例1の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例2の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例3の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例4の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例5の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例6の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例7の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例8の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例9の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例10の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例11の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 実施例5のローラの弾性層断面の顕微鏡写真である。 比較例6のローラの弾性層断面の顕微鏡写真である。
符号の説明
1 現像ローラ(ローラ)
2 導電性シャフト(芯体)
3 弾性層(層)

Claims (10)

  1. 樹脂を主成分とし、炭酸塩と脂肪酸とを含有することを特徴とする発泡性組成物。
  2. 平均気泡径が200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性組成物。
  3. 前記炭酸塩が正塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性組成物。
  4. 前記正塩が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項3に記載の発泡性組成物。
  5. 前記炭酸塩と脂肪酸が、脂肪酸で表面処理された炭酸塩を樹脂に添加してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性組成物。
  6. 前記脂肪酸の融点が100℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性組成物。
  7. 硬化性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性組成物。
  8. 前記樹脂が、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体を主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発泡性組成物。
  9. 前記有機重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が、飽和炭化水素系又はオキシアルキレン系単位からなることを特徴とする請求項8に記載の発泡性組成物。
  10. 芯体の外周に、請求項1〜9のいずれかに記載の発泡性組成物からなる層を設けてなるローラ。
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