JP2000302976A - 硬化性樹脂組成物および発泡性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物および発泡性樹脂組成物

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JP2000302976A
JP2000302976A JP11113117A JP11311799A JP2000302976A JP 2000302976 A JP2000302976 A JP 2000302976A JP 11113117 A JP11113117 A JP 11113117A JP 11311799 A JP11311799 A JP 11311799A JP 2000302976 A JP2000302976 A JP 2000302976A
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Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常温あるいは比較的低温の加熱下において硬化
あるいは発泡硬化させることができ、作業性及び難燃性
に優れた硬化物又は発泡体をそれぞれ得ることのできる
硬化性樹脂組成物及び発泡性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(A)炭素−炭素二重結合を有する有機化
合物、(B)SiH基を有する化合物、及び、(C)表
面処理が施された金属水酸化物を含有する硬化性樹脂組
成物。さらに、必要により、上記組成物に加えて、
(D)発泡剤及び/又はOH基を有する化合物を含有す
る発泡性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温あるいは比較
的低温の加熱下において硬化あるいは発泡硬化させるこ
とができる作業性及び難燃性に優れた硬化物又は発泡体
をそれぞれ得ることのできる硬化性樹脂組成物及び発泡
性樹脂組成物を提供する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂などの熱硬化性樹脂は、一般に成形性・作業
性に優れ、工業的利用価値が大きい為、成形材、注入材
等に幅広く使用されている。これらの硬化性樹脂のコス
トや硬化物物性等を改善する手段として、各種の充填材
を添加する方法が用いられている。しかしながら、コス
トや硬化物物性等を著しく改善する為には、充填材を多
量に添加しなければならず、その結果、高粘度となり、
十分な作業性を得ることができなかった。充填材を添加
した硬化性樹脂の作業性を改善する手段として、該充填
材を各種の処理剤で表面処理する手法が広く知られてい
る。
【0003】一方、難燃性を有する硬化性組成物は、建
築、電気、自動車等の分野で、また難燃性を有する発泡
体は、建材分野で広く使用されているが、現在難燃剤と
して用いられているハロゲン系難燃剤は燃焼時に毒性ガ
スの発生があるため、より安全な難燃剤への変更が望ま
れている。より安全な難燃剤もしくは充填剤として水酸
化アルミニウム等の無機系化合物の使用が検討されてい
るが、従来の硬化性組成物で難燃性等を向上させるため
には、無機系難燃剤を大量に添加しなければならず、そ
の結果、先述と同様に高粘度となり、十分な作業性を得
ることができなかった。
【0004】一方、最近、二重結合を有する有機化合物
とSiH化合物よりなる硬化性樹脂組成物や、二重結合
を有する有機化合物とSiH化合物と発泡剤を有する化
合物よりなる発泡性樹脂組成物、及び、二重結合を有す
る有機化合物とSiH化合物とOH基を有する化合物よ
りなる発泡性樹脂組成物が、それぞれ特開平9−302
095号公報、WO97/43333号公報、WO96
/15194号公報に開示されている。これらの組成物
に難燃剤もしくは充填剤を添加すると、組成物の粘度が
上昇する問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決して、良好な作業性を有し、更に難燃性も有する
硬化性樹脂組成物及び発泡性樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、随意検討
の結果、(A)成分である炭素−炭素二重結合を有する
有機化合物と(B)成分であるSiH基を有する化合物
とからなる硬化性樹脂組成物において、また、(D)成
分である発泡剤及び/又はOH基を有する化合物をさら
に有する発泡性樹脂組成物において、(C)成分として
金属水酸化物に表面処理を施すことによって、著しく作
業性を改善することを見出した。また、上記の表面処理
による低粘度化効果は、他の一般的な硬化性樹脂中での
低粘度化効果と比較して、特に著しいことを見出した。
【0007】すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物は、
(A)炭素−炭素二重結合を有する有機化合物、及び
(B)SiH基を有する化合物を含有し、かつ(C)表
面処理が施された金属水酸化物を含有してなるものであ
る。
【0008】また、本発明の発泡性樹脂組成物は、
(A)炭素−炭素二重結合を有する有機化合物、(B)
SiH基を有する化合物、(D)発泡剤及び/又はOH
基を有する化合物を含有し、かつ(C)表面処理が施さ
れた金属水酸化物を含有してなるものである。
【0009】上記硬化性樹脂組成物及び発泡性樹脂組成
物における(A)成分としては、一分子中に1つ以上の
炭素−炭素二重結合を有するフェノール系化合物、ビス
フェノール系化合物、ポリエーテル重合体、ポリエステ
ル重合体から選ばれる有機化合物を用いることができ
る。
【0010】(B)成分としては、一分子中に1個以上
のSiH基を有する、鎖状及び/又は環状オルガノシロ
キサンを用いることができ、一分子中に1個以上のSi
H基を有し、かつ、スチレン誘導体、フェノール誘導
体、ビスフェノール誘導体、ポリエーテル誘導体、ポリ
エステル誘導体及びオレフィン誘導体から選ばれた1種
以上の化合物より導入される骨格をその分子中に有す
る、鎖状、及び/又は、環状オルガノシロキサンを好適
に用いることができる。
【0011】また、(C)成分としては、特に、表面処
理水酸化アルミニウムを好適に用いることができる。
(D)成分の発泡剤としては、沸点100℃以下の揮発
性化合物を用いることができる。また、OH基を有する
化合物としては、OH基が炭素原子と直接結合している
有機化合物及び/又は水を用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬化性樹脂組成物
及び/又は発泡性樹脂組成物で用いられる(A)〜
(D)の各成分について順に説明する。(A)成分 まず、(A)成分である炭素−炭素二重結合を有する有
機化合物について述べる。
【0013】(A)成分の骨格構造は、シロキサン結合
を実質的に含まないという条件を満たす限りは特に制限
されず、単量体骨格としては、例えばフェノール系、ビ
スフェノール系、エポキシ樹脂モノマー、イソシアナー
ト又はこれらの混合物が挙げられる。重合体では、ポリ
エーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、飽
和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド
系、ジアリルフタレート系、フェノール−ホルムアルデ
ヒド系(フェノール樹脂系)、ポリウレタン系、ポリウ
レア系、メラミン系重合体、エポキシ樹脂等の骨格が挙
げられ、より好ましくは入手性の容易性の面からフェノ
ール系化合物、ビスフェノール系化合物、ポリエーテル
重合体、ポリエステル重合体が挙げられる。フェノール
系及び/又はビスフェノール系化合物の具体例として
は、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【0014】
【化1】 (但し、式(1)において、R1,R2は、水素原子又は
メチル基を示し、R3,R4,R5は、炭素数0〜6の2価
の置換基を示し、R6,R7,R8は、炭素数0〜6の1価
の置換基を示し、X1,X2は、炭素数0〜10の2価の
置換基を示す。また、n,m,lは、0〜300の整数を
示し、sは、1〜300の整数を示し、p,q,rは、0
〜3の整数を示す。) ビスフェノール系化合物の具体例としては、O,O'−ジ
アリルビスフェノールA、2,2'−ジアリルビスフェノ
ールA、ビスフェノールAとアリルグリシジルエーテル
又はグリシジルメタクリレートとの反応物、ビスフェノ
ールAのビスアリルカーボネート、ビス(メタ)アクリ
ル酸エステルなどが挙げられる。
【0015】このほか、4,4'−メチレンビス(フェニ
ルイソシアネート)やトリレン−2,6−ジイソシアネ
ート等のイソシアネート化合物と、アリルアルコール、
アリルグリコールあるいはアリルアミン等との反応によ
り得られるウレタン、ウレア系化合物等も使用できる。
【0016】また、ビス(メタ)アクリル酸エステルに
対し、アリルアルコール、アリルグリコール等がマイケ
ル付加して得られるアリルエーテル系化合物等も使用可
能である。
【0017】ポリエーテル重合体の具体例としては、ア
リル末端ポリプロピレンオキシド及びポリエチレンオキ
シドが挙げられる。ポリエステル重合体の具体例として
は、無水フタル酸−エチレングリコール重合体あるいは
無水フタル酸−ジエチレングリコール重合体のアリルエ
ステルが挙げられる。
【0018】(A)成分の炭素−炭素二重結合は、
(B)成分とのヒドロシリル化による付加反応が可能な
ものであれば特に制限されず、2価以上の置換基を介し
て(A)成分の骨格部分に結合していればよい。
【0019】この2価以上の置換基は、構成元素として
C,H,N,O,S,ハロゲンのうちのいずれか1種以
上のみを含む、炭素数0〜10の置換基であれば特に限
定されず、これらの2価以上の置換基が2つ以上共有結
合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成して
いてもよい。
【0020】炭素−炭素二重結合の中でも、原料入手性
と合成の容易さの面から、ビニル基、アリル基、メタリ
ル基、アリルオキシ基、アクリル基、メタクリル基が好
ましい。
【0021】当該炭素−炭素二重結合は、分子内のどこ
に存在してもよいが、反応性の点から側鎖又は末端に存
在するのが好ましい。その個数は、硬化性の点から、1
分子あたりの平均で1個を越えることが好ましく、2個
以上であることがより好ましい。但し、炭素−炭素二重
結合を2個以上有する分子がある程度含まれていれば平
均値が2個以下でも十分に硬化する場合がある。
【0022】(A)成分の構造は線状でも枝分かれ状で
もよく、分子量は特に限定されないが、100〜10
0,000程度の任意のものが好適に使用でき、100
〜20,000のものが特に好ましい。なお、(A)成
分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上のものを混
合して用いてもよい。(B)成分 次に(B)成分であるヒドロシリル基を有する化合物に
ついて述べる。
【0023】本発明に使用できるヒドロシリル基を有す
る化合物については特に制限がなく、国際公開公報WO
96/15194に記載された化合物等が使用できる
が、入手容易性の面から、1分子中に1個以上のヒドロ
シリル基を有する鎖状、及び/又は環状ポリオルガノシ
ロキサンを好適に用いることができる。
【0024】なかでも、1分子中に1個以上のヒドロシ
リル基を有し、スチレン誘導体、フェノール誘導体、ビ
スフェノール誘導体、ポリエーテル誘導体、ポリエステ
ル誘導体、オレフィン誘導体から選ばれた1種以上の化
合物より導入される骨格をその分子中に有する鎖状及び
/又は環状のポリオルガノシロキサンであることが好ま
しい。
【0025】鎖状及び環状のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンの具体例としては、下記の一般式(2)又
は(3)で示される化合物が挙げられる。
【0026】
【化2】 (式(2)において、m≧2、n,l≧0、p≧1、3
≦(m+n+l)×p≦80であり、R9,R10,R12,R
13は、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基であって、
1個以上の芳香族置換基を含有してもよいものとする。
11は、実質的にポリオキシアルキレン基を示す。)
【0027】
【化3】 (式(3)において、m≧2、n,l≧0、p≧1、3
≦(m+n+l)×p≦20であり、R9,R10,R
11は、上記と同じ。) また、上記のような鎖状、環状のオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンが、2価以上の置換基を介して1分子
中に2個以上存在するものも好適に用いられ、その例と
しては、下記一般式(4)、(5)及び(6)で表され
る化合物が挙げられる。
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】 (式(4)及び(5)において、m≧2、n,l≧0、
p≧1、3≦(m+n+l)×p≦80であり、R9,R
10, R11,R12,R13は、上記と同じ。R14は、2価以
上の置換基を示す。)
【0030】
【化6】 (式(6)において、m≧2、n,l≧0、p≧1、3
≦(m+n+l)×p≦20であり、R9,R10,R11,R
14は、上記と同じ。) 上記式(4)〜(6)においてR14で表される2価以上
の置換基は特に限定されず、ビニル基、アリル基、アク
リル基、メタクリル基等の炭素−炭素二重結合や、ヒド
ロキシル基、カルボキシル基などのOH基を分子内に2
個以上有する化合物に由来するもの等が適宜用いられ
る。
【0031】なお、上記式(4)〜(6)で表された化
合物はあくまで一例であり、例えば、それぞれの化合物
中のヒドロシリル基がさらに他の置換基を介して鎖状又
は環状オルガノハイドロジェンポリシロキサンと結合し
たような構造のものを用いることももちろん差し支えな
い。
【0032】上記した一般式(2)及び(3)で表され
る化合物としては、特に次の一般式(7)及び(8)で
表される化合物が好適に用いられる。
【0033】
【化7】 (式(7)において、m≧2、n≧0、l,k,q≧1、
pは0〜5の整数、10≦(m+n+l+k)×q≦8
0であり、R9,R10, R11,R12,R13は、上記と同
じ。)
【0034】
【化8】 (式(8)において、m≧2、n≧0、l,k,q≧1、
pは0〜5の整数、3≦(m+n+l+k)×p≦20
であり、R9,R10, R11は、上記と同じ。) 上記した一般式(2)及び(3)で得られる化合物を得
る方法としては、末端に二重結合(例えばアリル基)や
OH基等のヒドロシリル基と反応しうる官能基を有する
ポリオキシアルキレン化合物及び芳香環含有有機基と、
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとの反応による
方法や、予めポリオキシアルキレン鎖及び芳香環含有有
機基を有する珪素化合物を用いてポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンを合成する方法や、あるいは上記珪素
化合物とポリオルガノシロキサンとの再分配反応などが
利用できる。
【0035】具体的には、例えば次の式(9)及び式
(10):
【0036】
【化9】 (式(9)中、m≧2、n≧0、p≧1、10≦(m+
n)×p≦80であり、R9,R10,R12,R13は、上
記と同じ。)、
【0037】
【化10】 (式(10)中、m≧2、n≧0、p≧1、3≦(m+
n)×p≦20であり、R9,R10は、上記と同じ。)
で表される鎖状、環状のポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサンと、 H2C=CHCH2−[(PO)n−(EO)m]l−OH H2C=CHCH2−[(PO)n−(EO)m]l−OC
32C=CHCH2−[(PO)n−(EO)m]l−OC2
52C=CHCH2−[(PO)n−(EO)m]l−OC3
72C=CHCH2−[(PO)n−(EO)m]l−OC4
92C=CHCH2−[(PO)n−(EO)m]l−OP
h HO−[(PO)n−(EO)m]l−CH3 HO−[(PO)n−(EO)m]l−C25 HO−[(PO)n−(EO)m]l−C37 HO−[(PO)n−(EO)m]l−C49 HO−[(PO)n−(EO)m]l−Ph (上記各式において、1≦(m+n)×l≦80、m,
n≧0、l≧1)などのポリエーテル系化合物と、スチ
レン、4−メチルスチレン、2,4−メチルスチレン、
α−メチルスチレン、4−ブロモスチレン、2−ビニル
ナフタレン、アリルベンゼン、アリルアニソール、アリ
ルフェニルエーテル、o−アリルフェノール、p−イソ
プロペニルフェノール、フェノール、o−クレゾール、
ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、安息香
酸、4−ヒドロキシ安息香酸などの芳香環含有化合物と
の反応が挙げられる。
【0038】式(9)で表される鎖状のポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンの具体的な例としては、ポリメ
チルハイドロジェンシロキサン、ポリエチルハイドロジ
ェンシロキサン、ポリフェニルハイドロジェンシロキサ
ン、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキ
サン共重合体、メチルハイドロジェンシロキサン−ジエ
チルシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンシロキ
サン−メチルフェニルシロキサン共重合体、及びエチル
ハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合
体などが挙げられる。
【0039】また、式(10)で表される環状のポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサンにおけるシロキサン単
位の具体的な例としては、メチルハイドロジェンシロキ
サン、エチルハイドロジェンシロキサン、フェニルハイ
ドロジェンシロキサン、ジメチルシロキサン、ジエチル
シロキサン、メチルフェニルシロキサンなどが挙げら
れ、これらが共重合して環状体を成したものが用いられ
る。
【0040】ここで、式(2)及び式(3)に示したポ
リシロキサンにおいて、全シロキサン単位に対するポリ
オキシアルキレン基及び芳香環含有有機基が結合した全
ケイ素原子の割合を変性率と呼ぶことにする。
【0041】十分な整泡性を得るためには、他成分の組
成や混合比にもよるが、上記変性率は、一般的には5〜
90%が好ましく、5〜25%が特に好ましい。ただ
し、変性率には分布が存在するので、ここで挙げる数値
は平均値とする。変性率が5%より低いと炭素−炭素二
重結合を有する有機化合物との相溶性が悪くなり、整泡
性が低下し、発泡体のセルが微細にならず、場合によっ
ては発泡途中に破泡が生じ、十分な発泡倍率が得られな
いことがある。逆に変性率が90%より高いとヒドロシ
リル基当量が大きくなり、この化合物を硬化剤として単
独で用いて発泡体を得るためには、多量を必要とし、発
泡倍率の低い発泡体しか得られないので好ましくない。
【0042】また、上記変性率中に占める芳香環含有有
機基が結合した割合は、発泡体製造時の混合物の相溶性
への悪影響を生じない範囲で任意に調節することができ
る。
【0043】ポリオキシアルキレン鎖の構造としては、
オキシエチレン単位の割合が多いほうが好ましく、全オ
キシアルキレン単位に対するオキシエチレン単位の割合
は、数単位で50〜100%のものが好ましい。オキシ
アルキレン単位の割合がこれより小さいと十分な整泡性
が得られない。
【0044】オキシアルキレン鎖の分子量は、特に限定
されないが、数平均分子量で100〜3000が好まし
く、200〜1000が特に好ましい。数平均分子量が
100より小さいと十分な整泡性が得られず、逆に30
00より大きいとヒドロシリル基の密度が低下するた
め、発泡体を製造する上で十分に硬化させるには多量を
用いねばならず、従って、発泡倍率の低い発泡体しか得
られないので好ましくない。
【0045】(B)成分としては、均一なセルを有しな
がら、内部の亀裂やボイドもなく、しかも発泡終了後に
生じる収縮等も抑制された発泡体を得ることを目的とし
て、次の(a)成分、(b)成分、(c)成分をそれぞ
れ反応することによって得られ、しかも(a)成分由来
のヒドロシリル基が実質上残存した化合物を用いること
もできる;(a)1分子中のケイ素原子の数が3〜10
個である鎖状及び/又は環状のオルガノハイドロジェン
シロキサン、(b)(a)成分のヒドロシリル基と反応
しうる官能基を1分子中に2個以上有する化合物、
(c)(a)成分のヒドロシリル基と反応しうる官能基
を1分子中に1個含有する有機化合物。
【0046】これら(a)成分、(b)成分、及び
(c)成分を反応させることによって得られる化合物を
(B)成分として用いた場合、相溶性、整泡性が良好
で、しかも発泡終了後の収縮が10%以下という低い収
縮率まで大幅に抑制される等の効果が得られる。これは
(b)成分が相溶性の改良と収縮の抑制、(c)成分が
相溶性と整泡性の改良に寄与するためと考えられる。
【0047】上記(a)成分のうち鎖状のオルガノハイ
ドロジェンシロキサンの具体例としては、次の一般式
(11)で表されるものが挙げられる。
【0048】
【化11】 (式(11)中、j≧2、k≧0、q≧1、3≦(j+
k)×q≦8であり、R9,R12,R13は、上記と同
じ。)、また、環状のオルガノハイドロジェンシロキサ
ンの具体例としては、次の一般式(12)で表されるも
のが挙げられる。
【0049】
【化12】 (式(12)中、j≧2、k≧0、q≧1、3≦(j+
k)×q≦10であり、R9は、上記と同じ。) 上記(a)成分である鎖状及び環状シロキサンの1分子
あたりのヒドロシリル基の数は、2個以上10個以下で
あることが好ましく、より好ましくは2個以上6個以下
である。1分子あたりのヒドロシリル基が2個未満であ
ると、最終的に得られる発泡体の物理的強度が低下し、
その結果収縮が抑制されにくくなり、逆に10個を越え
ると、収縮のみならず発泡体に亀裂が生じる場合があ
る。
【0050】上記(a)成分の具体的な例としては、ポ
リメチルハイドロジェンシロキサン、ポリエチルハイド
ロジェンシロキサン、ポリフェニルハイドロジェンシロ
キサン等やこれらの共重合体あるいは混合物が挙げられ
る。
【0051】また、環状シロキサンのより具体的な例と
しては、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、
1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサ
ン、及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0052】次に(b)成分についてであるが、ヒドロ
シリル基と反応しうる官能基としては、ビニル基、アリ
ル基、アクリル基、メタクリル基などの炭素−炭素二重
結合や、ヒドロキシル基、カルボキシル基などのOH基
を有する化合物が挙げられ、これらの2種以上が1分子
内に存在してもよい。
【0053】上記官能基は分子内のどこに存在してもよ
いが、反応性の点から側鎖又は末端に存在するのが好ま
しい。1分子中におけるヒドロシリル基と反応しうる官
能基の数は、2個以上4個以下が好ましく、2個以上3
個以下がより好ましい。1分子中におけるヒドロシリル
基と反応しうる官能基の数が4個を越えると、(a)成
分と(b)成分との反応の際にゲル状になる場合があり
好ましくない。
【0054】(b)成分の骨格についても特に制限がな
く、通常の有機単量体骨格又は有機重合体骨格、水など
の無機化合物が挙げられる。
【0055】有機単量体骨格としては、例えば炭化水素
系、芳香族炭化水素系、フェノール系、ビスフェノール
系、エポキシ樹脂モノマー、イソシアナート又はこれら
の混合物が挙げられる。有機重合体では、ポリエーテル
系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、飽和炭化水
素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、ジア
リルフタレート系、フェノール−ホルムアルデヒド系
(フェノール樹脂系)、ポリウレタン系、ポリウレア
系、メラミン系重合体、エポキシ樹脂等の骨格が挙げら
れる。
【0056】(b)成分の具体的な例としては、1,9
−デカジエンなどのα,ω−アルカジエン、ジビニルベ
ンゼン、ジアリルベンゼン、1,4−ブタンジオール及
びアリルエーテル、無水フタル酸及びそのアリルエステ
ル、O,O'−ジアリルビスフェノールA、2,2'−ジア
リルビスフェノールA、エチレングリコールあるいはジ
エチレングリコール及びこれらのアリルエーテル、アリ
ル末端ポリプロピレンオキシド及びポリエチレンオキシ
ド、無水フタル酸−エチレングリコール重合体あるいは
無水フタル酸−ジエチレングリコール重合体のアリルエ
ステル、9−デセン−1−オール、エチレングリコール
モノアリルエーテルなどが挙げられる。これら以外に
も、上記(A)成分の具体例として挙げたものを適宜用
いることができる。なお、(b)成分と(A)成分が類
似した構造の場合には、系の相溶性を高めることがで
き、微細なセルを有する発泡体が得られる。
【0057】(b)成分の分子量は特に限定されない
が、100,000程度以下のものが適宜使用でき、1
0,000以下のものが好ましい。
【0058】次に(c)成分であるが、(c)成分の、
ヒドロシリル基と反応しうる官能基の例としては、上記
した(b)成分のヒドロシリル基と反応しうる官能基と
同じものが挙げられる。その存在位置も、(b)成分と
同様、分子内のどこに存在してもよいが、反応性の点か
ら側鎖又は末端に存在するのが好ましい。さらに、
(c)成分の骨格としても、(b)成分の骨格として挙
げた有機単量体及び/又は有機重合体などが例示され
る。
【0059】(c)成分の具体的な例としては、1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフィ
ンや、1−プロパノール、1−オクタノール、エチレン
グリコールモノエチルエーテルなどのアルコール類、2
−エチルヘキサン酸などのカルボン酸類、アクリル酸ブ
チル、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル類、
スチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、α−メチルスチレン、4−ブロモスチレン、2−
ビニルナフタレン、アリルベンゼン、アリルアニソー
ル、アリルフェニルエーテル、o−アリルフェノール、
p−イソプロペニルフェノールなどの芳香族系化合物、
片末端がアリル基、水酸基、(メタ)アクリル基、カル
ボキシル基、他の末端がヒドロシリル基と反応しない有
機基で置換されたポリオキシアルキレン、ポリエステ
ル、アクリル重合体などが挙げられる。
【0060】(c)成分の分子量は特に限定されない
が、100,000程度以下のものが適宜使用でき、1
0,000以下のものが好ましい。
【0061】上記(a)、(b)、(c)各成分の混合
比、すなわち(a)成分のヒドロシリル基のモル数を
x、(b)成分の(a)成分と反応しうる官能基のモル
数をy、(c)成分の(a)成分と反応しうる官能基の
モル数をzとした場合のy/x及びz/xの値について
は特に制限はないが、0.01≦y/x≦0.5、0.
001≦z/x≦0.8であることが好ましく、0.1
≦y/x≦0.4、0.01≦z/x≦0.4であるこ
とがより好ましい。
【0062】y/xが0.01より小さいと、本発明の
目的である収縮の抑制等がが十分にできず、逆に0.5
を越えると(a)成分と(b)成分との反応時において
高分子量化等に伴う粘度上昇などが起こるため好ましく
ない。また、z/xが0.001より小さいと系の相溶
性が十分でなく、その結果発泡体のセルが荒れるなどの
傾向を示すようになり、逆に0.8を越えると収縮を抑
制する効果が少なくなる傾向が生じる。
【0063】なお、(a)成分に対し、(b)、(c)
各成分をそれぞれ反応させるには、後述する(A)成分
と(B)成分との反応(ヒドロシリル化)、及び(B)
成分と(D)成分のOH基を有する化合物との反応を行
う際と同種の触媒を用いるのが一般的である。
【0064】上記(a)、(b)、(c)各成分の反応
により得られる化合物は、(b)成分が多官能であるた
め種々の構造を有する化合物の混合物となるが、その一
つの例としては、次の式(13)で表される化合物を含
むものが挙げられる。なお、これらの混合物は精製せず
にそのまま使用することができる。
【0065】
【化13】 (式(13)において、nは1以上100以下、好まし
くは40以下の整数を示す。) 上記した本発明における(B)成分は、1種を単独で用
いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0066】(B)成分のヒドロシリル基の個数は、
(A)成分の炭素−炭素二重結合と同様、硬化性の点か
ら1分子あたりの平均で1個を越えることが好ましく、
2個以上であることがより好ましい。また、この(B)
成分と(D)成分とが脱水素縮合して、発泡に関与する
のであるから、該ヒドロシリル基の個数は、目的とする
発泡倍率によって決まるが、一般に3個以上であること
がさらに好ましい。ただし、ヒドロシリル基を2個以上
有する分子がある程度含まれていれば、平均値が2個以
下でも十分に硬化する場合がある。一方、当該個数の上
限については、化合物の入手の容易性や発泡と硬化のバ
ランス等から80以下が好ましく、50以下がより好ま
しい。
【0067】本発明の発泡性樹脂組成物における(B)
成分と上記(A)成分との配合比は特に限定されない
が、(A)成分の二重結合のモル数をX、(B)成分の
ヒドロシリル基のモル数をYとしたとき、X:Y=3
0:1〜1:30の範囲が好ましく、より好ましくは1
0:1〜1:10、さらに好ましくは5:1〜1:5と
する。(C)成分 本発明においては、表面処理剤を用いて表面処理を施し
た金属水酸化物を(C)成分として使用する。該表面処
理剤は金属水酸化物の分散性を改善し、本発明の組成物
の粘度を著しく低下させ、作業性を改善する機能を有し
ている。
【0068】前記の金属水酸化物は、特に制限はない
が、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム等が挙げられ、特に、水酸化アルミニウムは本発明
の表面処理剤による作業性改善効果が大きいことからよ
り好ましい。
【0069】この水酸化アルミニウムとは、Al(O
H)3又はAl23・3H2Oなる化学式で表わされる白
色粉末結晶であり、一般にボーキサイトを原料としてバ
イヤー法にて製造される。
【0070】前記の表面処理剤としては脂肪酸、脂肪酸
石鹸、脂肪酸エステルなどの有機物や各種界面活性剤、
および、シランカップリング剤やチタネートカップリン
グ剤などの各種カップリング剤が用いられており、特に
シランカップリング剤が好ましい。
【0071】前記シランカップリング剤は、加水分解性
基が結合したケイ素原子を含む基(以下加水分解性ケイ
素基という)及びそれ以外の官能基を有する化合物であ
る。この加水分解性ケイ素基の例としては、一般式(1
4)
【0072】
【化14】 (式中、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の
アリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または
(R’)3SiO−(R’、それぞれ独立に、は水素原
子または炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水
素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基であ
る。また、Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水分
解性基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれか
であり、bは0、1、2のいずれかであり、aとbとが
同時に0になることはない。また、cは0または1〜1
9の整数である)で表される基の内Xが加水分解性基で
ある物を挙げることができる。加水分解性基の具体例と
しては、特に制限はないが、メトキシ基、エトキシ基等
が加水分解速度の点から好ましい。加水分解性基の個数
は、2個以上、特に3個以上が好ましい。
【0073】加水分解性ケイ素基以外の官能基として
は、1級、2級、3級のアミノ基、メルカプト基、エポ
キシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート
基、イソシアヌレート、ハロゲン等を例示できる。これ
らの内、ビニル基を有するシランカップリング剤は、作
業性改善効果が大きいため特に好ましい。
【0074】シランカップリング剤の具体例としては、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエ
トキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニル
ベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等の
アミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等
のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポ
キシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキ
シシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メ
トキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチ
ル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン等のカルボキシシラン類;γ−クロロプロピルトリ
メトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(ト
リメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレ
ートシラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキ
シシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシ
ラン等のイソシアネート基含有シラン類等を挙げること
ができる。また、これらを変性した誘導体である、アミ
ノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽
和アミノシラン錯体、ブロックイソシアネートシラン、
フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シ
リコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリン
グ剤として用いることができる。
【0075】上記シランカップリング剤は1種類のみで
使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
【0076】前記シランカップリング剤以外の表面処理
剤の具体例としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラル
ゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オ
レイン酸等の脂肪酸と、それら脂肪酸のナトリウム、カ
リウム等の塩、そして、それら脂肪酸のアルキルエステ
ルが挙げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アル
コール硫酸エステル等と、それらのナトリウム塩、カリ
ウム塩等の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、また、
アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスル
ホン酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホ
ン酸、アルキルスルホコハク酸等と、それらのナトリウ
ム塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤
等が挙げられる。チタネート系カップリング剤の具体例
として、
【0077】
【化15】 で示される化合物、およびこれらの加水分解縮合物も挙
げることができる。
【0078】前記の表面処理剤の処理量は、充填材に対
して、0.1〜20重量%の範囲で処理するのが好まし
く、1〜5重量%の範囲で処理するのがより好ましい。
処理量が0.1重量%未満の場合には、作業性の改善効
果が十分でないことがあり、20重量%を越えると本発
明の硬化性樹脂組成物及び発泡性樹脂組成物の貯蔵安定
性が低下することがある。
【0079】本発明に用いる表面処理が施された金属水
酸化物の平均粒子径の値は2μm以上40μm以下が好
ましく、2μm以上20μm以下がより好ましく、2μ
m以上10μm以下がとくに好ましい。平均粒子径が2
μm以上40μm以下のものを用いると、本発明の硬化
性樹脂組成物及び発泡性樹脂組成物の作業性が特に良好
で、貯蔵安定性(経時での沈降)を悪化させることな
く、難燃性を改善することができる。平均粒子径の値が
2μm未満の場合には、組成物の粘度が高く作業性が十
分でないことがあり、平均粒子径の値が40μmより大
きい場合には、低粘度となり作業性は良いが沈降しやす
く貯蔵安定性の悪い組成物となることがある。
【0080】ここで、平均粒子径の値とは、測定方法と
して、沈降天秤法(静止流体の中で粉末粒子の沈降速度
を測定して粒度分布を求める方法。沈降速度は、天秤を
用いて全粒子濃度の変化を測定することにより解析す
る。)による測定値をいう。
【0081】(C)成分の添加量は、(A)成分と
(B)成分の合計100部(重量部、以下同様)に対
し、1〜200部が好ましく、2〜100部がより好ま
しく、5〜50部が特に好ましい。添加量が1部より少
ない場合には難燃性が十分でないことがあり、200部
より多い場合には作業性や貯蔵安定性が低下することが
ある。(C)成分は単独で、もしくは2種以上のものを
混合して用いることが可能である。また、本発明の目的
及び効果を損なわない範囲において、表面処理を施さな
い金属水酸化物を併用することができる。
【0082】本発明の硬化性樹脂組成物及び発泡性樹脂
組成物には、(C)成分である表面処理が施された金属
水酸化物以外の一般に用いられる難燃剤を、本発明の目
的及び効果を損なわない範囲において併用することがで
きる。具体的には、三酸化アンチモン・五酸化アンチモ
ン等のアンチモン化合物、ほう酸亜鉛等のほう酸塩化合
物、三酸化モリブデン等のモリブデン化合物、酸化スズ
などのスズ化合物、酸化ジルコニウム・酸化銅・酸化亜
鉛等の金属酸化物、テトラブロモビスフェノールA、テ
トラブロモビスフェノールAエポキシ、デカブロモジフ
ェニルオキサイド等のハロゲン系難燃剤、トリエチルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、
トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジク
ロロプロピル)ホスフェート、ポリリン酸アンモニウ
ム、赤リン等のリン系難燃剤、および、熱膨張性黒鉛等
を挙げることができる。(D)成分 次に(D)成分の発泡剤及びOH基を有する化合物につ
いて述べる。
【0083】まず発泡剤についてであるが、発泡剤とし
ては、通常、ポリウレタン、フェノール、ポリスチレ
ン、ポリオレフィン等の有機発泡体に用いられるものを
適宜選択して用いることが可能である。
【0084】上記発泡剤の種類は特に限定されないが、
作業性と安全性との面から、炭化水素、ケトン系化合
物、フロン、エーテルなどの有機化合物などから選ばれ
る化合物を単独あるいは2種以上併用して用いることが
好ましい。
【0085】炭化水素の例としては、メタン、エタン、
プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イ
ソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、2−メチル
ペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタ
ン、2,3−ジメチルブタン、シクロペンタン、シクロ
ブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられ
る。
【0086】ケトン系化合物の例としては、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙
げられる。
【0087】フロン類の例としては、トリクロロフルオ
ロメタン(R11)、ジクロロジフルオロメタン(R1
2)、クロロトリフルオロメタン(R13)、ブロモト
リフルオロメタン(R13B1)、テトラフルオロメタ
ン(R14)、ジクロロフルオロメタン(R21)、ク
ロロジフルオロメタン(R22)、トリフルオロメタン
(R23)、ジフルオロメタン(R32)、フルオロメ
タン(R41)、テトラクロロジフルオロエタン(R1
12)、トリクロロトリフルオロエタン(R113)、
ジクロロテトラフルオロエタン(R114)、ジブロモ
テトラフルオロエタン(R114B2)、クロロペンタ
フルオロエタン(R115)、ヘキサフルオロエタン
(R116)、クロロトリフルオロエタン(R12
3)、テトラフルオロエタン(R134a)、ジクロロ
フルオロエタン(R141b)、クロロジフルオロエタ
ン(R142b)ジフルオロエタン(R152a)、オ
クタフルオロプロパン(R218)、ジクロロペンタフ
ルオロプロパン(R225)、ヘキサフルオロプロパン
(R236ea)、ペンタフルオロプロパン(R245
fa)、オクタフルオロシクロブタン(RC318)、
ヘキサフルオロブタン(R356mffm)、ペンタフ
ルオロブタン(R365mfc)、デカフルオロペンタ
ン(R4310mee)等が挙げられる。
【0088】環境問題などを考慮すると、クロロフルオ
ロカーボン(CFC)よりは、ハイドロクロロフルオロ
カーボン(HCFC)、いわゆる代替フロンが好まし
く、更にハイドロフルオロカーボン(HFC)を使用す
るのが特に好ましい。すなわち、テトラフルオロエタ
ン、ジフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、ヘキ
サフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパン、オクタ
フルオロシクロブタン、ヘキサフルオロブタン、ペンタ
フルオロブタンが特に優れている。
【0089】エーテル類としては、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジプロピル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエー
テル、ブチルエチルエーテル、tert−ブチルメチル
エーテル、tert−ブチルエチルエーテル、1,1−
ジメチルプロピルメチルエーテル、メチルペンタフルオ
ロエチルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルエ
ーテル、メチル(トリフルオロメチル)テトラフルオロ
エチルエーテル、メチル−n−ノナフルオロブチルエー
テル及びエチル−n−ノナフルオロブチルエーテル等が
挙げられる。
【0090】また、発泡剤の沸点は100℃以下が好ま
しく、80℃以下がより好ましく、50℃以下が特に好
ましい。沸点が100℃を越えると、発泡と硬化のバラ
ンスが悪くなり、高い発泡倍率の発泡体が得られない。
【0091】上記の条件を満たす発泡剤としては、
(A)成分の構造等にもよるが、炭化水素類やフロン類
などが挙げられ、これらの中でも(A)成分100重量
部に対する23℃における溶解度が5重量部以上である
炭素数2又は3のハイドロフルオロカーボン(HF
C)、炭素数1から3のハイドロクロロフルオロカーボ
ン(HCFC)、炭素数3〜6の炭化水素、炭素数3〜
5のケトン系化合物、及び炭素数2〜6のエーテル類の
うちから選ばれるいずれか1種以上が好適に用いられ
る。
【0092】これらの具体的な例としては、HFC13
4a、HFC152a、HCFC141b、HCFC1
42b、HFC245fa、プロパン、シクロペンタ
ン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−n
−ノナフルオロブチルエーテル、エチル−n−ノナフル
オロブチルエーテルなどが挙げられる。
【0093】次に、(D)成分のもう一つの構成成分で
ある、OH基を有する化合物について述べる。
【0094】本発明で用いるOH基を有する化合物の種
類は特に限定されないが、OH基が炭素原子と直接結合
している化合物が好適に用いられ、例えば、アルコール
類、カルボン酸類等が例として挙げられる。
【0095】アルコールの例としては、n−プロパノー
ル、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−
ブタノール、エチレングリコール等が挙げられ、カルボ
ン酸の例としては、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン
酸、アジピン酸、meso−1,2,3,4−テトラカル
ボン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸等が挙げられる。
【0096】発泡速度の調整のために2種類以上のOH
化合物を併用することも可能である。その場合、例えば
n−プロパノール等の1級アルコールとiso−プロパ
ノール等の2級アルコール、カルボン酸と1級アルコー
ル、あるいはカルボン酸と水との組み合わせが好まし
い。
【0097】上記発泡剤とOH基を有する化合物は、い
ずれかを単独で用いても両者を併用してもよい。
【0098】また、本発明の発泡性樹脂組成物では、発
泡のために、例えばNaHCO3、(NH42CO3、N
4HCO3、NH2NO2、Ca(N32、NaBH4
どの無機系発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチロニトリル、バリウムアゾジカルボキシレート、
ジニトロソペンタメチレンテトラミン、パラトルエンス
ルホニルヒドラジッドなどの有機系発泡剤、イソシアネ
ートと活性水素基含有化合物との反応による二酸化炭素
の発生、機械的な攪拌等などを併用することも可能であ
る。触媒 本発明では、上記(B)成分と(D)成分との脱水素縮
合、及び(A)成分と(B)成分との付加反応(ヒドロ
シリル化反応)のための触媒を適宜用いることができ
る。
【0099】ヒドロシリル化触媒は、特に限定されるも
のではないが、入手容易性と触媒活性の点から塩化白金
酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯
体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用して
もよく、2種以上併用してもよい。
【0100】触媒の添加量は特に限定されないが、ヒド
ロシリル基1モルに対して、10-1〜10-8モルの範囲
が好ましく、より好ましくは、10-2〜10-6モルの範
囲である。
【0101】上記触媒には助触媒を併用することが可能
であり、一例としてトリフェニルホスフィンが挙げられ
る。
【0102】助触媒の添加量は特に限定されないが、触
媒1モルに対して、10-2〜102モルの範囲が好まし
く、より好ましくは10-1〜10モルの範囲である。その他の成分 本発明の発泡性樹脂組成物には、上記に加え、さらに充
填剤、溶剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収
剤、接着性改良剤、ポリジメチルシロキサン−ポリアル
キレンオキシド系界面活性剤あるいは有機界面活性剤
(ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル
等)などの整泡剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止
剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化
防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線
遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金
属不活性化剤、物性調整剤などを本発明の目的及び効果
を損なわない範囲において添加することができる。
【0103】前記の充填剤の具体例としては、たとえ
ば、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、グラファイト、ケ
イソウ土、白土、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水
ケイ酸、アルミナ、カーボンブラック、炭酸カルシウ
ム、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸マグネシウム、
硫酸バリウム、石英、アルミニウム微粉末、フリント粉
末、亜鉛末、無機バルーン、ゴムグラニュー、木粉、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙
げられる。これら充填材に、本発明の(C)成分に用い
た前記表面処理剤を施すと、先述と同様に作業性を著し
く改善することができるために好ましい。
【0104】なお、本発明では、発泡剤としては上記し
たように沸点が100℃以下のものを用いるのが好まし
いが、添加剤として沸点が100℃以上の溶剤や可塑剤
などを用いることは差し支えない。硬化物及び発泡体の製造 本発明の硬化性樹脂組成物を、触媒、さらに必要に応じ
て添加剤を適当に組み合わせて事前に混合し、硬化させ
ることにより硬化物を製造することができる。上記硬化
させる温度は、200℃以下が好ましく、100℃以下
がさらに好ましい。200℃を越える高温では、(A)
成分と(B)成分との硬化反応の速度が大きくなりす
ぎ、また劣化反応が生じるため、成形体の作製が難しく
なる。
【0105】本発明の硬化性樹脂組成物による硬化物の
製造方法としては、本発明の硬化性樹脂組成物と触媒、
さらに必要に応じて添加剤を適当に組み合わせて事前に
混合した2液又はそれ以上の数の別々の混合物を使用直
前に混合し、押出し又は注入させる方法が好ましい。
【0106】本発明の発泡性樹脂組成物による発泡体の
製造方法としては、本発明の発泡性樹脂組成物と触媒、
さらに必要に応じて添加剤を適当に組み合わせて事前に
混合した2液又はそれ以上の数の別々の混合物を使用直
前に混合し、基材表面に直接塗布し、現場発泡させる方
法や、同様の混合物を使用直前に混合し、注入発泡させ
る方法によるのが好ましい。
【0107】上記混合方法としてはハンドミキシング、
電動ミキサー、スタティックミキサー、衝突混合等の方
法を用いることができる。特に現場発泡させる場合には
スタティックミキサーまたは衝突混合を用いることが好
ましい。
【0108】本発明の硬化性樹脂組成物及び発泡性樹脂
組成物における(A)成分と(B)成分との配合方法に
ついては特に限定されないが、作業性の面から、(A)
成分、(B)成分それぞれを実質的な成分とする2種以
上の組成物を作製した後、それらを混合することによ
り、硬化させることが好ましい。また、(C)成分であ
る表面処理が施された金属水酸化物を事前に混合する場
合には、貯蔵安定性の面から、前記(A)成分を実質的
な成分とする組成物に添加することが好ましい。前記
(B)成分を実質的な成分とする組成物に(C)成分を
事前に添加すると、経時で増粘することがある。
【0109】触媒の添加方法には特に限定はなく、作業
上容易な方法を選択すれば良く、(A)成分及び(B)
成分のどちらかに混合して用いても、また、(A)成
分、(B)成分の混合と同時に添加するか、又は、混合
終了後に添加しても良い。
【0110】発泡体の成形方法も特に制限されず、押出
し発泡法、連続発泡方法、注型成形方法、不連続成形方
法、または現場発泡施工方法など、ポリウレタンフォー
ム、フェノールフォーム、シリコーンフォーム等向けに
開発されてきた方法を、本発明に適応しうるように適宜
組み合わせ、又は一部変更して使用することができる。
【0111】上記各フォームについての発泡体の製造方
法は、一般に、各混合成分を混合するための送液方法
と、その混合方法と、更に混合された組成物を吐出する
方法の組み合わせから成り立ち、種々の用途に好適に利
用が可能である。用途例 本発明の硬化性樹脂組成物は、各種成形材料、塗料、粉
体塗料、吹付け材、保護コーティング材料、封止材、防
水材、型取り用材料、注型ゴム材料、粘着剤、接着剤、
制振材料、コンタクト接着剤、フィルム等に用いること
ができる。また、種々の熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性
樹脂の改質剤として用いることができる。さらに、本発
明の硬化性樹脂組成物は、電子・電気材料、土木・建築
材料、自動車・航空機材料、光学材料、医療材料等の各
分野に用いることができる。
【0112】電子・電気材料の具体例としては、半導体
実装用のリジッド配線板、フレキシブルプリント配線
板、半導体実装用装着材料、フレキシブルプリント配線
板用接着剤、半導体用封止樹脂、電気・電子部品周りの
封止材、太陽電池用封止材、半導体用絶縁膜、フレキシ
ブルプリント回路保護用カバーレイフィルム、配線被覆
用コーティング剤等に用いることができる。
【0113】また、土木・建築材料の具体例としては、
シーリング剤、制振・防震材料、塗料、接着剤、コーテ
ィング剤吹付剤、弾性壁材、床材、防水剤、構造用部材
等である。また、自動車・航空機材料の具体例として
は、密封剤、摺動部材、コーティング剤、アンダーボデ
ィーコート、構造用部材、接着剤、型取り用材料等であ
る。光学材料としては光ファイバー用コア材及びクラッ
ド材、プラスチックレンズの耐摩耗性コーティング剤で
ある。医療材料としては、人工骨、歯科印象剤等に用い
ることができる。本発明の硬化性樹脂組成物の利用分
野、用途は上述した分野に限られるものではない。
【0114】また、本発明の発泡性樹脂組成物は、防
音、断熱、止水、気密、制振、保護、クッション、装飾
等の種々の用途に用いることができる。
【0115】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を示すが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。合成例 滴下ロート、上部に3方コックを接続した冷却管、温度
計、メカニカルスターラーを接続した4ツ口フラスコ内
に、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サン(信越化学 KF−9902)120g、トルエン
200mlを入れ、3コックより酸素/窒素混合ガス
(酸素含有量1%)を流しながら40℃に加熱した。P
t−ビニルシロキサン(3%キシレン溶液)13mgを
入れ、滴下ロートよりO,O’−ジアリルビスフェノー
ルA61.6gを滴下し、その後末端がアリル基および
メチル基で置換されたポリエチレンオキシド重合体(数
平均分子量400)16.2gを滴下した。そのまま4
0℃で1時間撹拌し、安定剤としてベンゾチアゾールを
添加した。得られた液体を60℃で減圧し、トルエン及
び未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサンを留去し、粘調な透明液体(B−1)を得
た。実施例1、比較例1〜3 まず、(A)成分と(C)成分を表1に示した量ずつ混
合し、得られた配合物の粘度を、温度23℃、湿度50
±10%の恒温室中にて測定した。低粘度配合物(実施
例1と比較例1)については、東京計器製BM形粘度計
(No.4スピンドル、回転数6rpm)を用い、高粘
度配合物(比較例2と比較例3)については、東京計器
製BH形粘度計(No.7スピンドル、回転数4rp
m)を用いて測定を行った。表1に示すように、(A)
成分としてO,O’−ジアリルビスフェノールAと2,
2’−ジアリルビスフェノールAを用い、(A)成分の
比較として、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)
製、商品名エピコート828)を用いた。また、(C)
成分の表面処理が施された金属水酸化物として、ビニル
シランカップリング剤処理水酸化アルミニウム(昭和電
工(株)製、商品名ハイジライトH−42STV)(平
均粒子径、約1μm)を用い、(C)成分の比較として
は、ハイジライトH−42STVの無処理タイプである
表面処理を施さない水酸化アルミニウム(昭和電工
(株)製、商品名ハイジライトH−42M)(平均粒子
径、約1μm)を用いた。ハイジライトH−42STV
は、ハイジライトH−42Mにビニルシランカップリン
グ剤で表面処理を施したものである。これらの粘度測定
結果を表1に示す。
【0116】
【表1】 表1からわかるように、一般的な熱硬化性樹脂であるエ
ポキシ樹脂を(A)成分として用い、表面処理金属水酸
化物である水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42
STV:比較例2)を添加すると、無処理金属水酸化物
である水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42M:
比較例3)添加系と比較して粘度が約1/2に低下して
いる。一方、本発明の(A)成分であるO,O’−ジア
リルビスフェノールAと2,2’−ジアリルビスフェノ
ールAの混合物に、(C)成分として表面処理水酸化ア
ルミニウム(ハイジライトH−42STV:実施例1)
を添加すると、無処理水酸化アルミニウム(ハイジライ
トH−42M:比較例1)添加系と比較して約1/5ま
で粘度が低下しており、上記のエポキシ樹脂の系と比較
して低粘度化効果が極めて大きい。すなわち、金属水酸
化物の表面処理による低粘度化効果は、本発明の組成物
に対して特に有効である。実施例2、比較例4〜5 上記と同様に、先述の(A)成分と(C)成分を表2に
示した量ずつ混合し、得られた配合物の粘度をBM形粘
度計にて測定を行なった。
【0117】次に、(A)成分および(C)成分と上記
合成例により得られた(B)成分を表2に示した量ずつ
混合した後、Pt−ビニルシロキサン(3%キシレン溶
液)を表2に示す量を加え、23℃にて撹拌したとこ
ろ、いずれの場合も発熱とともに硬化し、硬質の硬化物
が得られた。この際、撹拌時のハンドリングの容易さ
(作業性)を比較評価した。また、得られた硬化物を室
温で一週間放置後、JISK 7201に従って限界酸
素指数を測定した。粘度・作業性・限界酸素指数の評価
結果を配合表とともに表2に示す。
【0118】
【表2】 表2からわかるように、(C)成分を無添加とした比較
例4と比較して、表面処理水酸化アルミニウムを含有す
る実施例2は、作業性を大きく低下させることなく難燃
性を顕著に改善している。一方、無処理水酸化アルミニ
ウムを含有する比較例5では粘度が高く作業性が著しく
低下している。実施例3〜4、比較例6〜7 上記と同様に、先述の(A)成分と(C)成分を表3に
示した量ずつ混合し、得られた配合物の粘度をBM形粘
度計にて測定を行なった。
【0119】次に、(A)成分〜(D)成分を表3の配
合表に従って混合した後、Pt−ビニルシロキサン(3
%キシレン溶液)を表3に示す量を加え、23℃にて撹
拌したところ、いずれの場合も発熱とともに発泡し、硬
質の発泡体が得られた。この際、撹拌時のハンドリング
の容易さ(作業性)を比較評価した。また、得られた発
泡体を室温で一週間放置後、JIS K 7201に従
って限界酸素指数を測定した。粘度・作業性・限界酸素
指数の評価結果を配合表とともに表3に示す。
【0120】
【表3】 表3からわかるように、(C)成分を無添加とした比較
例6と比較して、表面処理水酸化アルミニウムを含有す
る実施例3〜4は、作業性を大きく低下させることなく
難燃性を顕著に改善している。一方、無処理水酸化アル
ミニウムを含有する比較例7では粘度が高く作業性が著
しく低下している。
【0121】
【発明の効果】請求項1〜7に記載の発明によれば、常
温あるいは比較的低温の加熱下において硬化させること
ができ、しかも良好な作業性及び難燃性を有する硬化性
樹脂組成物及び硬化物が得られる。
【0122】請求項8〜11に記載の発明によれば、常
温あるいは比較的低温の加熱下において発泡硬化させる
ことができ、しかも良好な作業性及び難燃性を有する発
泡性樹脂組成物及び発泡体が得られる。
【0123】本発明によれば、表面処理を施すことによ
り、金属水酸化物を著しく高充填することが可能とな
り、炭素−炭素二重結合を有する有機化合物とSiH基
を有する化合物を含有する硬化性樹脂組成物及び発泡性
樹脂組成物の作業性を低下させないで、顕著に難燃性を
改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/06 C08L 67/06 C08L 67/06 71/00 A 71/00 83/12 83/12 101/02 101/02 C08K 5/54 C Fターム(参考) 4F074 AA69 AA76 AA91 AC20 AD04 AD09 AD12 AD17 AF03 BA35 BA36 BA37 BA38 BA39 BA40 BA53 BA54 BA55 BA56 BA57 BA58 BA59 BA60 BA74 BA75 BB01 BB10 CC06W DA18 DA39 DA40 DA47 DA53 4J002 CC03W CF21W CH00W CH02W CP04X CP12X CP13X CP17X CP18X DE048 DE148 EA019 EA029 EB069 EC039 EC049 ED026 ED029 ED049 EE039 EF039 EJ006 EJ036 EJ066 ET006 ET016 EX037 FB098 FD010 FD150 FD329 GB01 GH00 GH01 GJ01 GJ02 GL00 GN00 GP00 GQ00 GR00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭素−炭素二重結合を有する有機化
    合物 (B)SiH基を有する化合物、及び、 (C)表面処理が施された金属水酸化物 を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記(A)成分の有機化合物が、一分子中
    に1つ以上の炭素−炭素二重結合を有するフェノール系
    化合物、ビスフェノール系化合物、ポリエーテル重合
    体、ポリエステル重合体から選ばれることを特徴とす
    る、請求項1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記(B)成分が、一分子中に1個以上の
    SiH基を有する、鎖状、及び/又は、環状オルガノシ
    ロキサンを含有する化合物であることを特徴とする、請
    求項1又は2項に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記(B)成分が、一分子中に1個以上の
    SiH基を有し、かつ、スチレン誘導体、フェノール誘
    導体、ビスフェノール誘導体、ポリエーテル誘導体、ポ
    リエステル誘導体及びオレフィン誘導体から選ばれた1
    種以上の化合物より導入される骨格をその分子中に有す
    る、鎖状、及び/又は、環状オルガノシロキサンである
    ことを特徴とする、請求項1又は2項に記載の硬化性樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】前記表面処理が施された金属水酸化物が表
    面処理された水酸化アルミニウムであることを特徴とす
    る、請求項1〜4項のいずれか1項に記載の硬化性樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】前記(C)成分がシランカップリング剤で
    表面処理されたことを特徴とする、請求項1〜5項のい
    ずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6項のいずれか1項に記載の硬
    化性樹脂組成を硬化させてなる硬化物。
  8. 【請求項8】請求項1〜6項のいずれか1項に記載の硬
    化性樹脂組成物に、更に、 (D)発泡剤及び/又はOH基を有する化合物を含有さ
    せることを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記(D)成分の発泡剤が、沸点100℃
    以下の揮発性化合物であることを特徴とする、請求項8
    項に記載の発泡性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】前記(D)成分のOH基を有する化合物
    が、OH基が炭素原子と直接結合している有機化合物及
    び/又は水であることを特徴とする、請求項8又は9項
    に記載の発泡性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項8〜10項のいずれか1項に記載
    の発泡性樹脂組成物を発泡硬化させてなる発泡体。
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