JP4879668B2 - 発泡性組成物、及びローラ - Google Patents

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Description

本発明は発泡性組成物、及びローラに関し、さらに詳細には、アルケニル基を含有する有機重合体、ヒドロシリル基を含有する化合物、ヒドロシリル化触媒を主成分とする発泡性組成物、及び該発泡性組成物からなる層を有するローラに関する。
近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式による印字装置等を備えたOA機器が普及している。電子写真方式による印字装置は、例えば図1のように感光ドラム10を中心として帯電ローラ11、露光部12、現像ローラ1、転写ローラ13、及びクリーニングブレード15を配したものである。現像ローラ1は、トナー収容部16の開口近傍と感光ドラム10との間に設けられている。トナー収容部16にはトナーが帯電状態で収納されている。
電子写真方式による印字装置では、帯電ローラ11で感光ドラム10を一様に帯電し、露光部12で露光して感光ドラム10上に静電潜像を形成させる。さらに感光ドラム10に現像ローラ1を押し当てて感光ドラム10にトナーを供給する。トナーは帯電した状態で感光ドラム10に供給され、静電潜像上にトナーが供給してトナー像を形成する。そして感光ドラム10と転写ローラ13との間に挟まれた記録紙等にトナー像を転写する。また残余のトナーは、クリーニングブレード15でかき落とされ、トナー収容部に回収されて再利用される。
前記したように、現像ローラ1は感光ドラム10などの静電潜像担持体へトナーを搬送する機能を有するものである。図2は、一般的な現像ローラ1の断面図及びその一部拡大図である。現像ローラ1は、特許文献1に開示された様に、ステンレススチール製やアルミニウム合金製などの導電性シャフト(芯体)2を持ち、この周囲に弾性層3が設けられ、さらにその外周に表層部5が設けられたものである。旧来の現像ローラ1では、表層部5は単層であったが、表層部5が複数層に分かれているものもある。図2に示す例では、表層部5は中間層6と表面層7とを有している。
現像ローラ1においては、硬度と弾性復元性とのバランスが良いことが大切である。より具体的には、現像ローラ1として使用するローラは、硬度が低くかつ弾性復元性に優れたものが適している。すなわち、現像ローラ1は、常時感光ドラム10に押圧されるものであるから、現像ローラ1の硬度が高いと常時感光ドラム10との摩擦抵抗が大きくなり、感光ドラム10や現像ローラ1を回転するのに大きな動力が必要となる。また、トナーが現像ローラ1と常時感光ドラム10に挟み込まれるので、現像ローラ1の硬度が高いとトナーに過度の応力が掛かり、トナーの劣化を早めてしまう。
一方、一般に硬度の低い樹脂は、弾性復元性が劣る傾向にあるが、現像ローラ1は、常時感光ドラム10に押圧されており、感光ドラム10との接触部位は繰り返し弾性変形するので、弾性復元性も必要である。そのため、前記した様に現像ローラ1は、硬度と弾性復元性とのバランスが良いものであることが望ましい。
前記した現像ローラ1に求められる機能を実現するためには、弾性層3を構成する材料の選択が特に重要である。例えば、弾性体3を構成する材料として発泡体(発泡性組成物)を用いる場合には、発泡セル径(気泡径)の小径化と均一化が大きな課題となる。例えば、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体からなる弾性体においては、その物性が安定しており、弾性体3の材料として適している。さらに、そのような発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体は、他の様々な用途にも応用が可能であり、きわめて有用である。
現在、発泡体の発泡セル径の小径化と均一化を達成するために、シリコーン系やフッ素系の整泡剤がよく使われている。すなわち、発泡体の製造時にこれらの整泡剤を添加して液体での表面張力を調整することにより、発泡体の発泡セル径の小径化と均一化が図られている(例えば、特許文献2)。
特開2001−132858号公報。 特開平8−267612号公報。
本発明では、少なくとも、
「下記の(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを必須成分として含む発泡性組成物:
(A)1分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体;
(B)1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物;
(C)ヒドロシリル化触媒。」
を用いて、前記した現像ローラ1に求められる機能を実現することを課題とする。前記の弾性体3を構成する材料として発泡体(発泡性組成物)を用いる場合には、発泡セル径(気泡径)の小径化と均一化が大きな課題となる。例えば、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体からなる弾性体においては、その物性が安定しており、弾性体3の材料として適している。さらに、そのような発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体は、他の様々な用途にも応用が可能であり、きわめて有用である。
本発明では、構成する主成分に前記(B)ヒドロシリル基を有する化合物を含有しており、従来技術で用いられているシリコーン系整泡剤は、(B)成分と相溶してしまうために、好適に発泡セル径の小径化と均一化の効果が発揮できない。
本発明は、かかる実状を鑑みてなされたものであり、発泡セル径がさらに小径化、かつ高度に均一化され、このような発泡性組成物からなる発泡体は硬度と弾性復元性が優れている。本発明は前記課題を解決した、発泡性組成物、並びに発泡体からなる弾性層を外周に有するローラを提供することにある。
本発明者は、上記した課題を解決するために鋭意研究した結果、下記を提供する。
本発明の第1は、「下記の(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分とを必須成分として含む発泡性組成物:
(A)1分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体;
(B)1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物;
(C)ヒドロシリル化触媒;
(D)フッ素系界面活性剤であって、分子末端に少なくとも1.5個以上のフルオロアルキル基を含有し、かつ、分子中にオキシアルキレン単位を含有する1種以上のフッ素系界面活性剤。」である。
この構成であることにより、発泡セル径の小径化及び均一化、さらに、硬度と弾性復元性のバランスに優れている発泡性組成物を提供できる。
本発明は、また、「前記(D)成分のオキシアルキレン単位が、オキシエチレン及び/またはオキシプロピレンである、発泡性組成物。」である。
本発明は、また、「さらに炭酸塩と脂肪酸とを含む、発泡性組成物。」である。
かかる構成により、前記発泡性組成物からなる発泡体の、発泡セル径の小径化及び均一化に対して、さらに効果のある発泡性組成物を提供することができる。
本発明は、また、「前記(A)成分の有機重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が、オキシアルキレン系単位からなる、発泡性組成物。」である。
本発明は、また、「芯体の外周に、発泡性組成物からなる層を設けてなるローラ。」である。
本発明はローラにかかるものであり、芯体の外周に本発明の発泡性組成物からなる層を有することにより、発泡セル径の小径化及び均一化され、かつ低硬度と弾性復元性のバランスに優れたローラを得ることができる。
本発明の発泡性組成物によれば、発泡セル径の小径化及び均一化することにより、弾性体等に適したより優れた物性を有する発泡体を提供することができる。
本発明のローラによれば、層を構成する発泡体の物性が安定しているので、より確実にローラとしての機能を発揮することができる。例えば、本発明のローラを現像ローラに採用すると、硬度と弾性復元性とのバランスが良い現像ローラが得られる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。
本発明の(A)成分の、「1分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体」のアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。好適には、下記一般式(1)、
2C=C(R1)−CH2− (1)(式中、R1は水素原子またはメチル基)
で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。また、(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあるときは、最終的に形成される硬化物の有効網目鎖量が多くなり、高強度のゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点から好ましい。
また、(A)成分の有機重合体の主鎖は任意の重合体から選ぶことができ、特に制限されるものではない。また、これらは単独で用いても、併用しても構わない。例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ポリオキシアルキレン、ポリシロキサン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスルフィドなどが挙げられる。特に、オキシアルキレン単位からなる重合体(以下、オキシアルキレン系重合体ともいう)は、硬化前に低粘度であるため扱いやすく、また、弾性ローラの用途で使用する場合、硬化物が特に柔軟な構造を持つため、肉厚を薄くしても十分にその弾性効果を発揮するという点で、好ましい。
また、本発明の硬化性組成物の(A)成分の一態様として使用される前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30モル%以上、好ましくは50モル%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシアルキレン単位は、一種類である必要はなく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合体(グラフト重合体も含む)であってもよい。電気特性の環境安定性において、主鎖骨格として比較的吸水性の低いオキシプロピレン単位、またはオキシブチレン単位からなる重合体であることが好ましく、コスト面を考慮すると、オキシプロピレン単位からなる重合体が、特に好ましい。
上記のようなポリオキシアルキレン系重合体の分子量としては、数平均分子量(Mn)(GPC法、ポリスチレン換算)で500〜50,000であることが、その取扱いやすさ、硬化後のゴム弾性の点で好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量が50,000以上の場合、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
次に、前記(B)成分である「1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物」(硬化剤)は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であれば良いが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると、硬化後も多量のヒドロシリル基硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因となるため、その数を50個以下に調整するのが好ましく、更には、硬化物のゴム弾性の制御や貯蔵安定性を良好にする観点からは、2〜30個に調整することがより好ましい。尚、本発明において、ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することを意味する。よって、SiH2の場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が、硬化性とゴム弾性の点から好ましい。
このような「1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物」(硬化剤)の分子量は、成形品の加工性を良好にする観点からは、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)(Mn)で30,000以下に調整するのが好ましく、更に、上記ベースポリマーとの反応性や相溶性を良好にする観点からはMnで300〜10,000に調整するのがより好ましい。
また、(B)成分の配合量は、(A)成分中のアルケニル基1molに対して、(B)成分中のヒドロシリル基は0.5〜5.0molの範囲であることが好ましく、さらに0.7〜2.0molの範囲で好適に使用することができる。(B)成分中のヒドロシリル基が0.5molより小さい場合は十分に架橋反応が進行せず、硬化性の安定した発泡体が得られず、逆に5.0molより大きい場合は、過剰のヒドロシリル基が、発泡性組成物中の水分と反応して、発泡するため、安定した発泡倍率を持つ発泡体が得られ難い傾向が有る。
また、以上の前記(B)成分である「1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物」(硬化剤)は、ベースポリマーの凝集力が硬化剤の凝集力に比べて大きいことを考慮すると、相溶性の点でフェニル基含有変性体を有することが重要であり、入手のし易さの点ではスチレン変性体が好適であり、貯蔵安定性の観点からはα−メチルスチレン変性体が好適である。
(C)成分である「ヒドロシリル化触媒」については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)m、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)34、Pt〔P(OBu)34(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33、RhCl3、Rh/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの範囲で用いるのがよい。ヒドロシリル化反応を十分に進行させるには、10-2〜10-6molの範囲で用いるのがさらに好ましい。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10-1モル以上用いない方がよい。
(D)成分である「フッ素系界面活性剤であって、分子末端に少なくとも1.5個以上のフルオロアルキル基を含有し、かつ、分子中にオキシアルキレン単位を含有する1種以上のフッ素系界面活性剤」は、前記内容の官能基を有していれば良く、特に制限はない。フルオロアルキル基は分子末端に含有していれば、特に制限はなく、例えば、CF3−、CF3CF2−、CF3CH2−、CF3(CF22−、CF3(CH22−、CF3(CF23−、CF3(CH23−、(CF32CF−、(CF33C−、(CF32C=CF−、(CF32C=CH−、(CF32C=C(CF3)−、(CF32C=C(CF2CF3)−、{(CF32CF}2C=C(CF3)−、{(CF32CF}2C=CF−、{(CF33C}2C=C(CF3)−、などの脂肪族誘導体、さらに、CF364−、(CF3263−、(CF3362−、CF3107−、(CF32106−などの芳香族誘導体が挙げられるが、これに限定されるものではない。前記の官能基は、1分子中に、分子末端に少なくとも1.5個以上含有していれば良い。例えば、直鎖上の2官能フルオロアルキル末端の化合物と、直鎖上の1官能(片末端)フルオロアルキル末端の化合物を、同重量部配合した場合は、1.5個のフルオロアルキル基を含有していることになる。
(D)成分である「フッ素系界面活性剤であって、分子末端に少なくとも1.5個以上のフルオロアルキル基を含有し、かつ、分子中にオキシアルキレン単位を含有する1種以上のフッ素系界面活性剤」のオキシアルキレン単位は、前記(A)成分の1つとして挙げられる、オキシアルキレン単位と同等のものを使用できる。具体的には、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシテトラメチレン、オキシイソブチレンの繰り返し単位が挙げられ、これらは1分子中に単独で含有しても、複数種含有しても良い。合成上の容易さ、及びコスト面から、オキシエチレン及び/またはオキシプロピレン単位を含有することがさらに好ましい。
また、(D)成分である「フッ素系界面活性剤であって、分子末端に少なくとも1.5個以上のフルオロアルキル基を含有し、かつ、分子中にオキシアルキレン単位を含有する1種以上のフッ素系界面活性剤」の一態様は、分子末端に少なくとも1.5個以上のトリフルオロアルキル基を含有し、かつ分子中にオキシアルキレン単位を含有すればよく、例えば、主鎖がビニル単位(例えば、アクリル化合物、メタクリル化合物等)で、側鎖末端にトリフルオロアルキル基(例えばトリフルオロメチル基)、及び側鎖にオキシエチレン単位やオキシプロピレン単位などのようなオキシアルキレン単位を含有するようなオリゴマー並びに重合体であっても構わない。
(D)成分の配合量としては、(A)成分100重量部に対して、0.05重量部〜5重量部の範囲であることが好ましく、好適に発泡セル径の小径化及び均一化を発揮するために、0.1重量部〜3重量部の範囲であることが好ましい。0.05重量部より配合量が少ないと、発泡セル径の小径化及び均一化の効果が十分に発揮できず、逆に0.5重量部より配合量が多いと、発泡性組成物からなる発泡体の表面にブリードが発生する場合が有り、特に現像ローラ等の用途で使用する場合、トナーや他部材を汚染する場合が有るためあまり望ましくない。
本発明の発泡性組成物には、貯蔵安定性を改善する目的で、貯蔵安定性改良剤を添加することも好ましい。貯蔵安定性改良剤は、本発明の(B)成分(1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物)の保存安定剤として知られている通常の安定剤であり、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルホルニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、2−エチニルシクロヘキサノール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチルー1−ヘキシンー3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、前記貯蔵安定性改良剤は単独で用いても、併用しても構わない。
貯蔵安定性改良剤の配合量としては、(C)成分1molに対して、貯蔵安定性改良剤が1〜500molであるのが好ましく、硬化性と貯蔵安定性のバランスを考慮すると、2〜200molであることがさらに好ましい。
本発明の発泡性組成物は、炭酸塩と脂肪酸とを含有することが好ましい。炭酸塩と脂肪酸とを併用することにより発泡体の発泡セル径をより小径化及び均一化する効果を有するものである。
前記炭酸塩としては特に限定はなく、正塩、酸性塩(重炭酸塩)、塩基性塩のいずれでもよいが、正塩がより好ましい。正塩としては、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられるが、より好ましくは炭酸カルシウムである。なお、これらの炭酸塩については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
脂肪酸としては特に限定はなく、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよい。脂肪酸の炭素数も特に限定はなく、例えば、炭素数4〜30の脂肪酸を用いることができる。すなわち、飽和脂肪酸の例としては、ブチル酸(酪酸)、パレリアン酸(吉草酸)、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸の例としては、デセン酸、オレイン酸、エルシン酸等のモノエン酸、並びに、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸等のポリエン酸等が挙げられる。なお、ここに例示した脂肪酸はいずれも融点が100℃以下のものであり、発泡性組成物の取り扱いが容易となる。すなわち、発泡性組成物が熱硬化性樹脂を主成分とするものである場合には、硬化反応(100℃以上で行う)時においても脂肪酸が液体で存在することとなり、取り扱いが容易となる。また、発泡性組成物が熱可塑性樹脂を主成分とするものである場合も、100℃以上(脂肪酸が液体で存在する)で流動性を有することとなり、取り扱いが容易となる。なお、これらの脂肪酸については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
本発明の発泡性組成物における炭酸塩の含量は、炭酸塩の種類により適宜選択すればよいが、一般的には10〜60重量%、好ましくは25〜50重量%である。また、本発明の発泡性組成物における脂肪酸の含量は、脂肪酸の種類により適宜選択すればよいが、一般的には0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明の発泡性組成物には、その目的に応じて他の成分を含有させてもよい。例えば、プリンター等の電子写真方式を採用した装置に用いる場合には、導電性付与剤をさらに含有させてもよい。導電性付与剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックや、金属微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドリチウム等のリチウムイオンを有する有機化合物、エーテルエステルアミド、若しくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などを挙げることができる。
さらに、本発明の発泡性組成物は、加工性やコストを改善するという点から、シリカ、クレー等の充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などを含有してもよい。
本発明の発泡性組成物を製造する際の発泡法としては、機械発泡(物理的発泡)、化学的発泡のいずれもが適用可能であるが、発泡の開始時期を制御しやすい点では機械発泡が好ましい。
本発明の発泡性組成物を製造する際、密閉状態で機械発泡を行うと好都合である。例えば、高圧下で調製された前記(A)〜(D)を必須成分してなる発泡性組成物と気体(空気、炭酸ガス、不活性ガス等)の混合物を、密閉された金型に充填する。すると、発生した気泡の径は小さいまま保持され、かつ均一化される。一方、当該混合物を開放状態で金型に充填すると、泡が膨張して気泡径が大きくなり、泡の合一が進んでますます気泡径が大きくなってしまう。
本発明のローラは、芯体の外周に、本発明の発泡性組成物を設けてなるものである。好ましい実施形態として、本発明のローラを電子写真方式による印字装置の現像ローラに応用した例について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の現像ローラ(ローラ)1の断面形状は、前記した図2と同様であり、導電性シャフト(芯体)2の外周に弾性層3が設けられ、さらにその外周に中間層6と表面層7とからなる表層部5が設けられたものである。
導電性シャフト(芯体)2は、直径が6〜10mm程度である。導電性シャフト(芯体)2の素材としては、鉄、鉄合金、ステンレススチール、アルミニウム等の金属を採用することが推奨されるが、導電性を有する樹脂であってもよい。
弾性層3は、前記した、(A)1分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体、(B)1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物(硬化剤)、(C)ヒドロシリル化触媒及び(D)フッ素系界面活性剤であって、分子末端に少なくとも1.5個以上のフルオロアルキル基を含有し、かつ、分子中にオキシアルキレン単位を含有する1種以上のフッ素系界面活性剤を必須成分として含有する発泡体(発泡性組成物、あるいは、発泡性組成物の硬化物)からなる。さらに、一態様としては、該発泡体はマレイン酸ジメチル等の貯蔵安定性改良剤、炭酸カルシウム等の炭酸塩、ステアリン酸等の脂肪酸及びカーボンブラック等の導電性付与剤等を含有している。弾性層3の厚さは1〜20mmであり、通常は2〜6mm程度である。また、(A)〜(D)成分から発泡体を形成する際の硬化温度は、100〜200℃の温度範囲が好ましく、さらに好ましくは100〜160℃の範囲である。
なお、導電性シャフト2と弾性層3との接着性の観点から、導電性シャフト2の表面にあらかじめプライマー処理を施すことが好ましい。プライマーとしては、シラン、チタン、アルミニウム等からなるカップリング剤及びエポキシ化合物等を溶剤で希釈したものが使用され、好適にはさらに樹脂成分が添加される。そして、弾性層3との接着性を向上させるために、樹脂成分として弾性層3の成分と同等のものを添加することが好ましい。また、弾性層3を構成する発泡体にも上記(A)〜(D)成分の他に、導電性シャフト2のプライマー処理に用いたカップリング剤等のプライマー成分を添加することが好ましい。
次に、中間層6について説明する。本実施形態のローラ(現像ローラ、導電性ローラ)1においては、中間層6の材料や物性には特に限定はなく、ローラ(現像ローラ)1がその機能を発揮できるものであれば何でもよい。例えば、中間層6の材料として、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。これらのエラストマーは単独で用いてもよいし、併用してもよい。以下、スチレン系熱可塑性エラストマー及び/またはオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いる場合を代表例として説明する。
スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン・ブタジエンの共重合体及びその水素添加物、スチレン・イソプレンの共重合体及びその水素添加物、スチレン・2−メチルプロペンの共重合体、スチレン・ブタジエン・イソプレンの共重合体及びその水素添加物、及びこれら重合体にエチレンを共重合したものなどが挙げられる。良好な弾性を得るには、ブロック共重合体であることが好ましく、スチレン−ブタジエン−スチレンの水素添加物(略称SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンの水素添加物(略称SEPS)、スチレン−エチレン−イソプレン−スチレンの水素添加物(略称SEEPS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンの水素添加物(略称SEBS)、スチレン−イソブチレン−スチレン(略称SIBS)などが例として挙げられる。また、重合するスチレンモノマーには官能基が置換されたものであっても構わない。スチレン系熱可塑性エラストマーの分子量としては、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)が50,000〜300,000、ゴム弾性、機械的強度、加工性の観点から、70,000〜150,000で好適に用いられる。分子量が50,000未満のものはゴム弾性及び機械的強度が劣り、300,000以上のものは溶剤への溶解性が悪く、また弾性層3に塗布した後にひび割れが生じやすくなる。また、スチレン含有量は5〜50重量%が好ましく、特に15〜30重量%が好ましい。ポリスチレン含有量が多くなると、硬度が高くなり膜形成が困難であり、また、含有量が少なくなると、溶液粘度が高くなり加工性が低下する。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体が挙げられる。これらの共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のどれでも良く、硫黄、過酸化物等により架橋しても構わない。オレフィン系熱可塑性エラストマーの分子量としては、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)が50,000〜500,000、ゴム弾性、機械的強度、塗布性の観点から、70,000〜300,000で好適に用いられる。分子量が50,000未満のものはゴム弾性及び機械的強度が劣り、500,000以上のものは溶剤への溶解性が悪く、また弾性層3に塗布した後にひび割れが生じやすい。また、エチレン含有量は30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%のものが好適に用いられる。
また、中間層6を構成する樹脂組成物には抵抗調整、表面形状の調整あるいは弾性層3に対する接着性等の観点から、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。また、弾性層3と中間層6との接着性をさらに向上させるために、弾性層3の表面をプライマー処理した後、中間層6を形成することが好ましい。プライマーとしては、各種カップリング剤またはエポキシ化合物を含有する任意のプライマーを使用することができる。
中間層6の形成方法としては特に制限はないが、例えば、上述の金型から引き抜かれたローラ(導電性シャフト2と弾性層3とからなる)の弾性層3の外周面上に、中間層6を構成する樹脂組成物をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、中間層6を形成することができる。具体的には、スチレン系熱可塑性エラストマー及び/またはオレフィン系熱可塑性エラストマーを溶剤に溶かして固形分を3〜20%にし、弾性層3の外周面上にスプレーあるいはディップ塗布する方法が簡便である。このときに使用する溶剤は、中間層6の主成分である熱可塑性エラストマーが相溶すれば特に制限はなく、具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、水等が例示されるが、非極性溶剤であるトルエン、キシレン、ヘキサン等が好適に用いられる。さらに、溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
中間層6の乾燥温度としては、70〜200℃が好ましく、さらに中間層6の熱的安定性を考慮すると、70〜160℃が特に好ましい。乾燥温度が70℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、内層の弾性層3及び中間層6の劣化を招く恐れがある。なお、中間層6の厚さは5〜300μm程度であり、推奨される範囲は6〜20μm程度である。ここで中間層6の厚さを調整するために、上記したスプレー、ディップ塗布等の方法を数回繰り返し、重ね塗りしてもよい。
次に、表面層7について説明する。本実施形態の現像ローラ(導電性ローラ)1においては、表面層7の材料や物性には特に限定はなく、現像ローラ1がその機能を発揮できるものであれば何でもよい。例えば、表面層7の材料として耐磨耗性能に優れたウレタン樹脂を用いることができる。以下、ウレタン樹脂を用いる場合を代表例として説明する。
ウレタン樹脂としては、ウレタン基、ウレア基、アロハネート基及びビュレット基等のウレタン樹脂の製造過程で形成される官能基を有する樹脂であれば、特に限定されるものではない。さらに、表面層7は適度な柔軟性を有する必要があり、この観点からはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂からなることが好ましく、これらはポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリカーボネートウレタンのブレンド樹脂、あるいは1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を有するウレタン樹脂であってもよい。
また一般的に、ウレタン樹脂は、ヒドロキシ基やアミノ基等の活性水素を持つ化合物とイソシアネート基を持つ化合物を3次元網目構造に重合する熱硬化性ウレタン樹脂と、前記活性水素を持つ化合物とイソシアネート基を持つ化合物を高分子量に重合、鎖伸長した熱可塑性ウレタン樹脂、の2種類に分けられる。熱可塑性ウレタン樹脂は、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、イソプロパノール等各種溶剤に可溶であるので、予め重合した熱可塑性ウレタン樹脂を溶剤で希釈し、コーティング、乾燥という、非常に簡便な工程により被覆層を形成することが可能である。また、予め重合するということは、安全上取扱が困難なイソシアネート基を含有する化合物を閉鎖系で重合した後に、残存イソシアネート基をほとんど含有していない熱可塑性ウレタン樹脂として、開放系でコーティングができる。従って、作業性、安全性の観点から、熱可塑性ウレタン樹脂を使用することが特に好ましい。
また一般に、電子写真方式の装置に使用されるローラにおいては、導電領域から半導電領域(104〜108Ω)に制御する必要があるため、表面層7に導電性付与剤を含有させて導電性を付与する。導電性付与剤としては、前記した弾性層3の導電性付与剤と同様のものが使用できる。添加量も同様である。なお、前記のウレタン樹脂等に導電性付与剤を添加する際は、溶剤中に導電性付与剤を溶解あるいは分散させる必要がある。例えば、カーボンブラック等の凝集力の強いものを使用する場合は、ビーズミル等の分散機を好適に使用することができ、また、それぞれの材料及び処方に最適な分散剤を選定するのが好ましい。
また、樹脂強度の向上ならびに中間層6との接着性の観点から、表面層7を構成する樹脂組成物には、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー等のフィラーやカップリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。また、中間層6と表面層7との接着性をさらに向上させるために、中間層6の表面をプライマー処理した後、表面層7を形成することが好ましい。プライマーとしては、各種カップリング剤またはエポキシ化合物を含有する任意のプライマーを使用することができる。
また、現像ローラ1を非磁性一成分接触現像方式の現像ローラとして使用する場合には、ローラ表面の凹凸がトナーの搬送性に重要な役割を果たすため、表面に凹凸を付与する有機系フィラーが添加される。有機系フィラーとしては、ローラ表面に凹凸をつけることができるものであれば特に限定はないが、ウレタン系、アクリル系、スチレン系等の有機系フィラーが、トナーの帯電を安定化するために好ましい。また、添加される有機系フィラーの平均粒子径は1〜40μmであることが好ましく、4〜30μmであることが特に好ましい。なお、平均粒子径が1μm未満であると、表面層7の膜厚より小さくなるため、凹凸を付与する効果が小さくなる。一方、平均粒子径が40μmを超えると、導電性ローラの表面の凸が大きくなるため、画像に悪影響を与える。
有機系フィラーの平均粒子径の測定方法としては、公知の評価方法であれば特に限定はなく、有機系フィラーを適切に分散させた懸濁液をレーザー回折および散乱法に基づいた評価を行うことが、評価ばらつきを最小に抑える観点で好ましい。
表面層7の形成方法としては特に制限はないが、例えば、導電性シャフト2上の弾性層3の周りに形成された中間層6の外周面上に、表面層7を構成する樹脂組成物を一旦溶剤に希釈し、該希釈液をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥させることにより、表面層7を形成することができる。具体的には、ウレタン樹脂等及び添加剤を溶剤に溶かして固形分を3〜20%にし、スプレーあるいはディップ塗布する方法が簡便である。このときに使用する溶剤は、用いる表面層7の主成分であるウレタン樹脂等が相溶すれば特に制限はなく、具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、水等が例示されるが、これらに限定されるものではない。さらに、溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
表面層7の乾燥温度としては、溶剤の沸点との関係にもよるが、一般的には70〜200℃が好ましく、さらに被覆層の熱的安定性を考慮すると、70〜160℃が特に好ましい。乾燥温度が70℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、弾性層3や中間層6並びに表面層7の劣化を招く恐れがある。なお、表面層7の厚さは2〜50μm程度であり、推奨される範囲は2〜10μm程度である。ここで中間層6の厚さを調整するために、上記したスプレー、ディップ塗布等の方法を数回繰り返し、重ね塗りしてもよい。
ローラ(現像ローラ)1の製法について説明する。現像ローラ1は、本発明の発泡性組成物を樹脂原料とし、該樹脂原料を用いて導電性シャフト2の外周に発泡体からなる弾性層3を設けることにより製造することができる。該樹脂原料は、例えば、前記した密閉状態での機械発泡を行うことにより製造される。具体例を挙げると、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び成分貯蔵安定性改良剤等との混合液を調製する。次に、該樹脂原料と気体(空気、炭酸ガス、不活性ガス等)とを密閉状態で共存させてから圧縮する。直ちに圧縮された樹脂原料をミキサーに移送し、強く混合する。このとき、気体は樹脂原料中に分散する。次に、気体が分散した樹脂原料を加圧する。これにより、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡性樹脂原料が調製される。
調製された発泡性樹脂原料は、直ちに導電性シャフト2が装着された成形型に注入される。ここで用いる成形型としては、例えば図3に示すものが挙げられる。図3は、現像ローラを製造するための成形型を模式的に示す縦断面図である。
図3に示す成形型20は、金型本体21と、芯体保持部材22、23によって構成される。金型本体21は筒状であり、その内部に、例えば内径16mm、長さ235mmの成形キャビティ27を有する。芯体保持部材22,23は、導電性シャフト2を保持するとともに、金型本体21の両端を封鎖するものである。芯体保持部材22は金型本体21の一端側(図面では上端側)を封鎖しており、成形キャビティ27と連通する樹脂排出口25を備えている。一方、芯体保持部材23は、金型本体21の他端側(図面では下端側)を封鎖しており、成形キャビティ27と連通する樹脂注入口26を備えている。
ローラ(現像ローラ)1を製造するときは、まず、図3に示す様に、導電性シャフト2を成形型20に装着する。導電性シャフト2には、例えば外径8mm、長さ267mmのSUM材製のものを採用する。次に、図3に示す様に、導電性シャフト2が装着された成形型20を、芯体保持部材22が上、芯体保持部材23が下となるよう垂直に設置する。次に、図示しない射出機を用いて樹脂注入口26から調製した発泡樹脂原料を加圧注入し、成形キャビティ27を満たしていき、樹脂排出口25まで充填する。このとき、樹脂原料は高圧状態から開放されるが、成形型20内で密閉状態に置かれるので発泡セル径がより小径化及び均一化される。次に、成形型20を加熱し、成形キャビティ27内の樹脂原料を硬化させる。これにより、導電性シャフト2の外周に発泡体(発泡性組成物)からなる層(弾性層3に相当)が形成され、ローラとなる。次に、成形型20から導電性シャフト(芯体)2と弾性層3とからなるローラを引き抜く。
次に、引き抜いたローラの表面(弾性層3)に、中間層6を構成する樹脂組成物(スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーなど)を1流体型スプレー塗布、2流体型スプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、中間層6を形成する。最後に、中間層6の表面に、表面層7を構成する樹脂組成物(ウレタン樹脂など)を、1流体型スプレー塗布、2流体型スプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥させることにより、表面層7を形成する。以上の手順により、現像ローラ1が完成する。このようにして製造された現像ローラ1は、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体からなる弾性層3を有し、硬度と弾性復元性とのバランスが良い。
このようにして作製された現像ローラ1は、発泡セル径が小径化及び均一化された発泡体からなる弾性層3を有し、低硬度及び弾性復元性のバランスが良い。
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、発泡性組成物を調製し、それらの硬化物の顕微鏡観察と平均気泡径の測定を行った。
本発明における評価及び測定方法を以下に示す。
(顕微鏡観察と平均気泡径の測定方法)
走査型電子顕微鏡(JIM−6380LA型、日本電子データム社)を用いて、倍率30倍にて観察を行い、写真撮影した。得られた写真に、シートの厚み方向と幅方向にそれぞれ5本ずつ直線を引き、直線上に含まれるセルの長さの合計値をセルの個数で除して求めた厚み方向5点、幅方向5点、計10点のデータを平均し、平均気泡径とした。
(実施例1)
(A−1)アリル末端ポリオキシプロピレン(商品名:ACS003、カネカ社):100重量部、炭酸カルシウム(商品名:MCコートS−20、丸尾カルシウム製)、ステアリン酸(商品名:ステアリン酸つばき)、導電性付与剤としてカーボンブラック(商品名:#3030B、三菱化学製)10重量部、
及び(D−1)
Cf−O−(CH2CH2O)n−Cf
[Cf−={(CF32CF}2C=C(CF3)−、n=45(平均)]
:1.0重量部を3本ロールで均一に混練した。
その後、
(B−1)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(商品名:CR100、カネカ社):3.1重量部、
(C−1)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液):0.06重量部、
貯蔵安定性改良剤として、マレイン酸ジメチル:0.04重量部を添加し、真空脱泡撹拌装置(シーテック製)で60分間脱泡を行い、発泡性組成物を得た。
得られた発泡性組成物を5MPaの圧力下で、これらの液状樹脂原料にその100%相当量の空気を混合し、よく攪拌した。これにより、微細な気泡を内包する液状樹脂原料が調製された。これらの発泡させた樹脂原料を、縦80mm、横50mm、高さ4mmの型枠に10MPaの圧力で吐出し、両面からSUS板で挟んだ状態で、140℃、5分間、熱プレスにより硬化させ、シート状のサンプルを作製した(発泡倍率2倍)。得られたシートの顕微鏡写真を図4に示した。また、顕微鏡写真から読み取った平均気泡径は、90μmであった。
(比較例1)
実施例1の(D−1)成分を、
Cf−O−(CH2CH2O)n−CH3
[Cf−={(CF32CF}2C=C(CF3)−、n=8(平均)]
とし、それ以外は実施例1と同様の方法で、シート状のサンプルを作製した(発泡倍率2倍)。得られたシートの顕微鏡写真を図5に示した。また、顕微鏡写真から読み取った平均気泡径は、160μmであった。
(比較例2)
実施例1の(D−1)成分を、
Cf−O−(CH2CH2O)n−(CH217−CH3
[Cf−={(CF32CF}2C=C(CF3)−、n=30(平均)]
とし、それ以外は実施例1と同様の方法で、シート状のサンプルを作製した(発泡倍率2倍)。得られたシートの顕微鏡写真を図6に示した。また、顕微鏡写真から読み取った平均気泡径は、130μmであった。
(比較例3)
実施例1の(D−1)成分を添加せずに発泡性組成物を作製し、それ以外は実施例1と同様の方法で、シート状のサンプルを作製した(発泡倍率2倍)。得られたシートの顕微鏡写真を図7に示した。また、顕微鏡写真から読み取った平均気泡径は、150μmであった。
電子写真方式による印字装置の構成を表す概略図である。 現像ローラの断面図及びその一部拡大断面図であるである。 現像ローラを製造するための成形型を模式的に示す縦断面図である。 実施例1の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例1の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例2の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。 比較例3の発泡性組成物からなる硬化物断面の顕微鏡写真である。
符号の説明
1 現像ローラ(ローラ)
2 導電性シャフト(芯体)
3 弾性層
5 表層部
6 中間層
7 表面層
10 感光ドラム
11 帯電ローラ
12 露光部
13 転写ローラ
15 クリーニングブレード
16 トナー収容部
20 成形型
21 金型本体
22 芯体保持部材(樹脂排出口含)
23 芯体保持部材(樹脂注入口含)
25 樹脂排出口
26 樹脂注入口
27 成形キャビティ

Claims (5)

  1. 下記の(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分とを必須成分として含む発泡性組成物:
    (A)1分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体;
    (B)1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物;
    (C)ヒドロシリル化触媒;
    (D)フッ素系界面活性剤であって、分子末端に少なくとも1.5個以上のフルオロアルキル基を含有し、かつ、分子中にオキシアルキレン単位を含有する1種以上のフッ素系界面活性剤。
  2. 前記(D)成分のオキシアルキレン単位が、オキシエチレン及び/またはオキシプロピレンである、請求項1に記載の発泡性組成物。
  3. さらに炭酸塩と脂肪酸とを含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載の発泡性組成物。
  4. 前記(A)成分の有機重合体の主鎖を構成する繰り返し単位が、オキシアルキレン系単位からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性組成物。
  5. 芯体の外周に、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性組成物からなる層を設けてなるローラ。
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