JP2008299086A - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、低温定着性、環境安定性、現像耐久性、部材汚染に優れた高画質なトナー画像を形成し得るトナーおよび画像形成方法を提供する。
【解決手段】特定の現像ローラを少なくとも有する現像装置を用いて現像する画像形成方法に用いられるトナーであって、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤とワックスとを含有するトナー粒子を有し、該結着樹脂はスチレン系樹脂であり、特定の条件における該トナーのメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性と、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性が特定のものであり、該現像ローラ表面の特定の濃度のジアセトンアルコール水溶液に対する接触角が、特定の範囲内であることを特徴とするトナー。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真及び静電印刷の如き画像形成方法に用いられる静電荷像を現像するためのトナー及びその画像形成方法に関する。
近年、コンピュータ及びマルチメデイアの発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野で、高精細なフルカラー画像を出力する手段が要望されている。
ヘビーユーザーは、多数枚の複写またはプリントによっても画質低下のない高耐久性を要求している。一方で、スモールオフィスや家庭では、高画質な画像を得ると共に、省スペース・省エネルギー・軽量化の観点から装置の小型化、廃トナーの再利用又は廃トナーレス(クリーナーレス)、定着温度の低温化が要望されている。
最近の小型化、軽量化、省エネルギー及び高信頼性といった要求を考慮すると、低温定着性、高耐久性及び環境安定性といったトナー性能のさらなる向上がなければ対応しきれない。
フルカラーの場合は、3色又は4色のカラートナーを重ね合わせ画像を形成しているが、各々の色のカラートナーが同じように現像されなければ色再現に劣り、色むらが生じてしまう。ところがこれらの着色は顔料や染料によって行なわれており、これらが現像に与える影響は大きい。さらに、フルカラー画像においては定着時の定着性、混色性が重要である。近年要望されている高速化を達成するためには低温定着性にふさわしい結着樹脂が選択されるが、この結着樹脂の現像性及び耐久性に与える影響も大きい。この影響の一つとして、帯電量の温湿度の影響があげられ、広範な環境においても安定した帯電量を有するカラートナーの開発が急務とされている。
このような諸問題を解決する手段の一つとしてトナーの表面性をコントロールする方法がある。
トナーの表面性を評価する検討において、トナーのメタノール及び水の混合溶媒における濡れ性が有効な指標となる。
水とメタノールの混合溶媒に対する濡れ性における透過率と分子量を規定した磁性トナーが開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、該トナーは現在求められている低温定着性、環境安定性、耐久性に優れたトナーとしては若干の課題を有する。
また、トナー粒子表面に外添剤を有するトナーにおいて、該外添剤が無いトナー粒子の水への濡れ性と該トナーの水への濡れ性の差を規定したトナーが開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、該トナーは特に外添剤遊離による耐電ローラ、感光性ドラムや現像ローラなどの部材汚染が発生し、低温定着性、環境安定性、現像耐久性に優れたトナーとしては若干の課題を有する。
静電潜像を現像する方法としては、トナーとキャリアを混合して用いる二成分現像方法と、トナーのみを用いる一成分現像方法とが一般的である。二成分現像方法は、キャリアを用いる点や、トナーとキャリアの混合比を調節するいわゆるATR機構が必要な点から
考えると小型化および軽量化といった要求に矛盾する。
一方、一成分現像方法は、キャリアレスであるため、トナー濃度調整機構が不要であること、トナーとキャリアの攪拌装置が不要であることから装置の小型,軽量化が可能である。しかし一成分現像方法では、キャリアによるトナーへの帯電付与手段が採れない為、効率的かつ安定した帯電付与を如何に行うかが課題であった。
すなわち、トナー規制部材、トナー担持体等の材質、表面性がトナーの搬送性、薄層コート性、帯電性に与える影響が大きく、安定性に欠けるという問題があった。
さらにまた、規制部材での拘束、押圧によるトナー薄層化の際の機械的・熱的ストレスの繰り返しで、トナー担持体、規制部材等へのトナーの融着やトナーの凝集固着が発生するといった問題があった。また、逆に、かかる規制を軽減すると帯電付与能,薄層コート性が低下し、高湿下あるいは長期放置後のトナーの帯電が不十分となるといった問題があった。
特開2002−278147号公報 特開2003−202700号公報
本発明の目的は、上記課題を解決したトナーを提供することにある。
より詳しくは、低温定着性、環境安定性、現像耐久性、部材汚染に優れた高画質なトナー画像を形成し得るトナーを提供することにある。また、低温定着性、環境安定性、現像耐久性、部材汚染に優れた高画質なトナー画像を形成し得る画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記の構成とすることで上記課題を解決し得ることを見いだした。具体的には、低温定着性、環境安定性、現像耐久性、部材汚染に優れたトナーが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記課題を解決するために本発明は、表面にトナーを担持し、該トナーで静電潜像担持体に形成された静電潜像の現像を行う現像ローラを少なくとも有する現像装置を用いて現像する画像形成方法に用いられるトナーであって、
該現像ローラは、芯体と該芯体の周囲の弾性層と、該弾性層の外周の表面層とを有し、
該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とワックスを含有するトナー粒子を有し、該結着樹脂はスチレン系樹脂であり、該トナーのメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度をDme体積%とし、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき、20.0≦Dme−Ddaa≦60.0の範囲内であり、該現像ローラ表面のDdaa体積%ジアセトンアルコール水溶液に対する接触角が、15.0゜以上55.0゜以下であることを特徴とするトナーに関する。
また本発明は、表面にトナーを担持し、該トナーで静電潜像担持体に形成された静電潜像の現像を行う現像ローラを少なくとも有する現像装置を用いて現像する画像形成方法であって、
該現像ローラは、芯体と、該芯体の周囲の弾性層と、該弾性層の外周の表面層とを有し

該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とワックスを含有するトナー粒子を有し、該結着樹脂はスチレン系樹脂であり、該トナーのメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度をDme体積%とし、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき、20.0≦Dme−Ddaa≦60.0の範囲内であり、該現像ローラ表面のDdaa体積%ジアセトンアルコール水溶液に対する接触角が、15.0゜以上55.0゜以下であることを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば、異なる有機溶媒と水との混合溶媒におけるトナーの濡れ性を特定することにより、低温定着性、環境安定性、現像耐久性、部材汚染に優れた高画質なトナー画像を形成し得るトナーを提供することができる。
本発明によれば、異なる有機溶媒と水との混合溶媒におけるトナー濡れ性を特定し、トナー濡れ性と現像ローラの接触角を規定する。そのことにより、低温定着性、環境安定性、現像耐久性、部材汚染に優れた高画質なトナー画像を形成し得る画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明ではトナーの表面性を評価する検討において、水と有機溶媒の混合溶媒におけるトナーの濡れ性を測定する。例えば、前記有機溶媒の溶解度パラメーター(以下、SP値ともいう)が水に近い溶媒で濡れ性を評価した場合には、水になじみ易い物質の影響をモニターしやすい。すなわち、イオン性の極性基が多いほど濡れやすくなることを意味し、環境安定性や現像性の影響を評価する有効な指標である。一方、前記有機溶媒の溶解度パラメータが水より遠い溶媒で濡れ性を評価した場合には、水になじみにくい物質の影響をモニターしやすい。すなわち、イオン性の極性基が少ないほど多量の有機溶媒を必要とするため濡れにくくなる。
従って、有機溶媒滴下曲線が特定の要件を満足するトナーは耐久における現像ローラの部材汚染防止及び高温高湿環境においても優れた帯電特性を発揮する。
具体的にはメタノール又はジアセトンアルコール水溶液の濃度推移に対し、メタノール又はジアセトンアルコールに対してのトナーの濡れ(沈降度合い)を透過率で測定した。メタノール又はジアセトンアルコールに対する濡れ特性(水に対する疎水特性及び親水特性)に影響を与えるトナー原材料としては、樹脂、ワックス、染顔料、荷電制御剤などが挙げられる。この中でも特に親水及び疎水特性に影響を与えるものとして、表面及び表面近傍の樹脂成分とワックスと荷電制御剤の親水基の存在量が親水特性に大きく影響を与える。例えば、トナー表面及び表面近傍にカルボン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、水酸基成分が多く存在する場合、溶解度パラメータが水に近い溶媒であるメタノールへの親和性は高くなり、水とメタノール混合溶媒における濡れ性は低くなる。一方でメタノールよりも溶解度パラメータが水の特性に遠い溶媒であるジアセトンアルコールで測定した場合には、トナー表面及び表面近傍のワックスが多く存在する場合、ジアセトンアルコールへの親和性は高くなり、水とジアセトンアルコール混合溶媒における濡れ性は高くなる。
上記透過率曲線は、特定の濃度のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液中に、特定量のトナーを加えてトナーの親水及び疎水性特性を測定するためのサンプル溶液を調製
し、これに一定の滴下速度でメタノール又はジアセトンアルコールを添加した場合におけるサンプル溶液の透過率の変化を連続的に測定できるように構成された装置を用いることによって測定される。そして、このようにして得られた透過率曲線が特定の要件を満足するメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性を有するトナーが本発明のトナーであり、トナーを構成する原材料の表面への露出状態によって変化する。従って、トナーを製造する場合に、これらの種類や性状を知り、それに見合った材料や製造方法を選択することで本発明のトナーを得ることができる。
本発明のトナーにおいては、トナーの親水及び疎水特性の測定は、トナーのメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度をDme体積%とし、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき20.0≦Dme−Ddaa≦60.0の範囲内である場合ではトナー表面の樹脂やワックスや荷電制御剤の存在状態が適正であるトナーから構成されるトナーとなるため、長期に亘り現像ローラの部材汚染が防止でき、特に高温高湿環境において優れた現像性を示すことができる。
本発明のメタノール又はジアセトンアルコールの滴下透過率曲線の測定装置として、例えば、(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機WET−101Pを用い、下記の条件及び手順で測定したメタノール又はジアセトンアルコールの滴下透過率曲線を利用する。
メタノールの滴下透過率曲線は、先ず、メタノール20体積%と水80体積%とからなるメタノール水溶液を100ml容器中に70ml入れ、超音波分散器で5分間分散させて溶液中の気泡等を除去する。この中に検体であるトナーを目開き150μmのメッシュでふるい、ふるいを通ったトナーを0.1g精秤して添加し、トナーの疎水特性を測定するためのサンプル液を調製する。なお、サンプル液を調製して測定する容器として、円形直径5cm、高さ88mmのガラス製のフラスコを用いることができる。
次に、この調製された測定用サンプル液を6.67s−1の速度で攪拌しながら、メタノールを1.5ml/min.の滴下速度で連続的に添加し、浮遊しているトナーを沈降・溶媒中に分散させる。メタノールを滴下する間、測定用サンプルの、波長780nmの光の透過光強度を測定して透過率を求め、図1に示したようなメタノール滴下透過率曲線を作成する。ここで撹拌は、マグネティックスターラー(例えば、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形であり、テフロン(登録商標)コーティングを施されたもの)を用いて行うことができる。
上記条件で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度をDme体積%と規定した。
ジアセトンアルコールの滴下透過率曲線は、先ず、検体がない状態におけるブランク測定を行う。所定濃度のジアセトンアルコール水溶液を100ml容器中に70ml入れ、超音波分散器で5分間分散させて溶液中の気泡等を除去する。この液中に、ジアセトンアルコール 1.5ml/minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光でレーザー検出器の光電出力電圧Vb(V)を測定し、ジアセトンアルコールの濃度変化に対するレーザー電圧の関係を得る。x(ml)のジアセトンアルコールを滴下したときのレーザー検出器の光電出力電圧Vbx(V)とする。次に、この中にブランク測定の時に用いた同濃度のジアセトンアルコール水溶液を100ml容器中に70ml入れ、超音波分散器で5分間分散させて溶液中の気泡等を除去する。気泡を除去したブランク測定と同濃度のジアセトンアルコール水溶液に検体であるトナーを目開き150μmのメッシュでふるい、ふるいを通ったトナーを0.1g精秤して添加し、トナーの疎水特性を測定する
ためのサンプル液を調製する。次に、この調製された測定用サンプル液を6.67s−1の速度で攪拌しながら、この測定用サンプル液中に、ジアセトンアルコール 1.5ml/minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光でレーザー検出器の光電出力電圧Vt(V)を測定する。x(ml)のジアセトンアルコールを滴下したときのレーザー検出器の光電出力電圧をVtx(V)とする。つぎに、
{Vtx−Vbx}(V)対初期電圧(ジアセトンアルコール滴下量が0.0mlの時{Vt0−Vb0})(V)のパーセント比を計算する。例えば、初期電圧が3.5Vであり入力信号が1.75Vの場合は透過率50%を意味する。前記パーセント比を透過率(%)とし、図1に示したようなジアセトンアルコール滴下透過率曲線を作成する。ここで撹拌は、マグネティックスターラー(例えば、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形であり、テフロン(登録商標)コーティングを施されたもの)を用いて行うことができる。
上記条件で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%と規定した。
トナーのメタノール及び水の混合溶媒、及び、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒の滴下透過率曲線を示した一例を図1に示す。
本発明のトナーにおいて、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき、好ましいDaa値は16.0乃至45.0体積%である。Daa値が16.0%体積未満の場合には、親水性の大きい極性樹脂や荷電制御剤や染顔料が多量に露出している可能性があり、環境安定性や画像濃度低下が発生する。一方、Daa値が45.0体積%を超える場合には、疎水性の大きいワックスが露出している可能性があり、現像ローラへの融着や現像スジが発生する。より好ましくは、18.0乃至40.0体積%、さらにより好ましくは20.0乃至35.0体積%である。環境安定性及び耐久性が良好になるためである。
本発明のトナーにおいては、トナーのメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度をDme体積%とし、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき、20.0≦Dme−Ddaa≦60.0の範囲内である場合では、トナー表面の樹脂やワックスや荷電制御剤の存在状態が適正であり、トナー表面の樹脂、ワックス及び荷電制御剤の帯電量の環境安定性が適正であり、高温高湿環境における現像性が良好である。更に好ましくは、トナーのメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度をDme体積%とし、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき、22.0≦Dme−Ddaa≦50.0のときが、更に好ましくは、24.0≦Dme−Ddaa≦45.0のときに、表面に存在する樹脂成分、ワックス及び荷電制御剤の存在状態が適正である。その結果、いかなる環境下においても一度保持した帯電量を長期に亘って保持することができ、高画像濃度が得られる。
なお、本発明において、上記(Dme−Ddaa)の値については、トナーの製造に用いられる極性樹脂、無機微粉体、荷電制御剤、界面活性剤を調整することにより調整できる。
本発明における現像ローラの接触角測定に関して以下に説明する。
本発明においては現像ローラの接触角を測定する。現像ローラとトナーの親和性を示す指標としてトナーが濡れる混合溶媒であるDdaa体積%(780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度)のジアセトンアルコール水溶液を用いて現像ローラ表面の接触角を測定する。Ddaa体積%のジアセトンアルコール水溶液の現像ローラ表面の接触角が小さい場合には現像ローラとの親和性が近いことを示し、接触角が大きい場合には親和性が遠いことを示す。現像ローラとトナーの親和性が近すぎる場合には現像ローラへのトナーの融着が多くなる。一方で、現像ローラとトナーの親和性が遠すぎる場合には、帯電ローラや感光ドラムへの汚染が多くなる。
本発明では現像ローラの表面の接触角の測定方法は、各種現像ローラを、協和界面科学(株)製接触角計CA−X Rollを用いて、23℃で湿度50%RHの環境下で、滴下量1.8μlで測定を行った。トナー表面と親和性の低い現像ローラの接触角は大きく、トナー表面と親和性の高い現像ローラの接触角は小さくなる。
本発明におけるトナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布に関して以下に説明する。
<GPC−RI(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー−屈折率計)測定>
本発明における好ましいトナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分について測定した分子量分布のチャートの一例を図2乃至図4に示す。
トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPCにより測定される分子量分布のチャートにおいて、メインピークp(M1)における分子量をM1とし、そのときの高さをh(M1)[mV]にした時の分子量分布を図2に示した。ここで、h(4000)は分子量4000での高さを示す。
図3に示したトナーのTHF可溶分のGPCにより測定された分子量分布のチャートにおいて、高さをh(M1)[mV]=100に換算した時の分子量分布のチャートを図3に示した。
図3において、メインピークP(M1)での高さをH(M1)(メインピークにおける分子量をM1とする)で示した。また、図4において、分子量4,000での高さをH(4,000)で示した。
また、図4は図3と同じ分子量分布のチャートを示しており、分子量が500乃至2,500の領域の積分値をS1、分子量2,500乃至15,000の領域の積分値をS2、分子量15,000乃至1,000,000の領域の積分値をS3で示した。
図2乃至4で示すような本発明で規定する分子量分布を満足したトナーは、以下に記載する効果を有する。
トナーのTHF可溶分のGPCにおいて測定される分子量分布のチャートにおいて、分子量4,000乃至15,000の領域にある成分を含有したトナーは、低温定着性に効果があり、また溶融粘度が小さく高いグロス画像が得られる。
ここで、H(4,000)及びH(M1)がH(4,000):H(M1)=(0.100乃至0.950):1.00を満足することが好ましい。H(4,000)がH(M1)に対して0.100未満である場合は、低温定着性が低下するため好ましくない。特に、H(4,000)がH(M1)に対して0.100未満であることは、グロスの向上に有効である低分子量成分の量が少ないことを意味し、グロスが低下してしまう。また、H(4,000)がH(M1)に対して0.950を超える場合には、耐オフセット性が
低下するため好ましくない。さらにH(4,000):H(M1)=(0.200乃至0.750):1.00が好ましい。なお、本発明において、H(4000)の値とH(M1)の値は、低分子量樹脂の量や結着樹脂の製造時の重合開始剤の量、反応温度及び反応時間を調整することにより調整できる。
また、本発明においては、トナー中のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布のチャートにおいて、分子量が300乃至2,000の領域の積分値(S1)と、分子量2,000乃至15,000の領域の積分値(S2)と、分子量15,000乃至1,000,000の領域の積分値(S3)の比がS1:S2:S3=(0.01乃至0.95):1.00:(1.00乃至8.00)であることが好ましい。S1:S2:S3=(0.01乃至0.95):1.00:(1.00乃至8.00)であることにより、トナーに含有される成分がバランスよく含有しているため、低温定着性、耐オフセット性及び定着画像の高グロス化の更なる向上を達成することができる。
S2を1.00としたときにS1が0.01未満であるか、S3が8.00を超える場合は、低温定着性が低下することがあり、逆にS1が0.95を超えるか、S3が1.00未満である場合は耐オフセット性が低下することがある。
なお、本発明において、上記S1:S2:S3は、低分子量樹脂の量や結着樹脂製造時の開始剤量、反応温度及び反応時間を調整することにより調整できる。
また、本発明のトナーは示差走査熱量分析(DSC)によって測定される吸熱チャートにおいて、吸熱メインピークが、40乃至130℃の範囲にあり、該吸熱メインピークのピーク面積で表される熱量積分値Qがトナー1g当たり10乃至35Jであることが好ましい。本発明において、該吸熱メインピークはワックス種及びワックス量により調節することができる。
上記したように、特定の条件下において特定のメタノール濡れ性を有し、特定の温度範囲内に吸熱メインピークを有し、GPC―RIにおける測定において、特定の分子量領域にそれぞれメインピークを有するトナーを構成することが好ましい。これにより、部材汚染、低温定着性、耐高温オフセットと耐久性が高性能なトナーを得ることができる。本発明で規定する構成のうち、吸熱メインピークが40乃至130℃の範囲にあり、該吸熱メインピークのピーク面積で表される熱量積分値Qをトナー1g当たり10乃至35Jとすることにより、低温定着時においても良好な離型性を示すことができる。更にワックスをトナーに加える場合には、結着樹脂のポリマー鎖間の分子間力を適度に緩和し、定着時の吸熱によるトナーの軟化とトナーの放熱による樹脂の硬化が適当な状態を形成することができる。該吸熱メインピークのピーク面積で表される熱量積分値Qは、ワックスの種類やその含有量等を適宜選択することにより、調整することができる。該熱量積分値Qの算出法は後述する。なお、該吸熱メインピークは、50乃至110℃の範囲にあることがより好ましく、特に好ましくは60乃至90℃である。また、該吸熱メインピークのピーク面積で表される熱量積分値Qは、トナー1g当たり15乃至35Jであることがより好ましい。
尚、該吸熱メインピークのピーク面積で表される熱量積分値Qがトナー1g当たり10J未満であると、定着性が低下し、定着画像のグロスは低くなり、また、定着部材等の削れや傷に対する抑制が見込めない。一方、該吸熱メインピークのピーク面積で表される熱量積分値Qがトナー1g当たり35Jを越えると、ワックスの可塑効果が大きくなりすぎ、耐オフセット性が低下する。
本発明におけるフローテスター昇温法によるトナーの粘度の値は以下の方法により求めたものである。
装置としては、例えばフローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用い、下記の条件で測定を行う。
・サンプル:約1.0gのトナーを秤量し、これを100kg/cmの荷重で1分間加圧成型器を用いて成型してサンプルとする。
・ダイ穴径:1.0mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×105(Pa)
・測定モード:昇温法
・昇温速度:4.0℃/min
上記の方法により、50乃至200℃におけるトナーの粘度(Pa・s)を測定し、100℃の粘度(Pa・s)を求める。ここで得た値をトナーのフローテスター昇温法による測定における100℃粘度とする。
フローテスター昇温法による100℃における粘度が15,000乃至40,000Pa・s、より好ましくは20,000乃至40,000Pa・sとすることで、低温定着性かつ画像光沢性が優れ、低温定着性に好ましい画像が得られる。15,000Pa・s未満ではメディアへのトナーの浸み込み等によるグロス低下が起こり好ましくない。具体的には長期間に渡る使用に伴い、外添剤として添加した無機微粉体がトナー粒子の表面に埋没したり、あるいはトナー粒子が変形して摩擦帯電特性が不均一になる。このため転写材上の非画像部にトナーが付着する現象(以下、カブリと称す)が生じやすいので、好ましくない。40,000Pa・sより大きいと、高速低温印刷においては定着工程時にトナー粒子が十分に変形することができず、定着画像の表面を擦った際にトナー画像の剥離が生じやすく、好ましくない。なお、本発明において、フローテスター昇温法による100℃における粘度は、低分子量樹脂の量や結着樹脂製造時のモノマー種、開始剤量、反応温度及び反応時間により調製することができる。
100℃の粘度はトナーの定着性(グロス)に相関がある。温度変化による粘度変化を小さくすることによって、定着器の温度変化及び温度や湿度といった使用時の環境変化によるグロスムラを小さくすることができる。
本発明のトナーを製造するための製造方法としては、懸濁重合法、界面重合法及び分散重合法の如き、媒体中で直接トナーを製造する方法(以下、重合法とも称する)であることが好ましい。この重合法で得られるトナー(以下、重合トナーとも称する)は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っていて帯電量の分布も比較的均一となるため高い転写性を有している。特に本発明のトナーを製造するための製造方法として、上記重合法の中でも、懸濁重合法であることが好ましい。
懸濁重合法に関して以下に説明する。
本発明において懸濁重合法は、少なくとも重合性単量体、着色剤を含有する単量体組成物を水系媒体中に分散して、該単量体組成物の液滴を製造する造粒工程、該液滴中の該重合性単量体を重合する重合工程を少なくとも経ることによりトナー粒子を製造する重合法である。後述するように、ワックス、極性樹脂、及び低分子量樹脂を所望により単量体組成物に添加することができる。また、GPCにより求められる該低分子量樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量(Mw)が、2,000乃至6,000であることが、低温定着性及び耐ブロッキンング性といった点で好ましい。
本発明のトナーにおいては、高温時におけるトナーの粘度変化の改良を目的として樹脂成分に反応性官能基を有していても良い。例えば二重結合、イソシアナート基などが上げられる。
本発明のトナーの製造においては、トナー粒子の形状や材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良を目的として、単量体組成物中に極性樹脂を添加して重合することができる。例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、及びニトリル基の如き親水性官能基含有の単量体成分をトナー中に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレンの如きビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体の如き共重合体、ポリエステル及びポリアミドの如き重縮合体、あるいは、ポリエーテル及びポリイミンの如き付加重合体の形で使用が可能である。
上記以外に単量体組成物中に添加することができる低分子量樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独或いは混合して使用できる。
低分子量樹脂の中でも、低分子量樹脂のガラス転移点(Tg)が40乃至100℃であることが好ましい。ガラス転移点が40℃未満であると、トナー粒子全体の強度が低下して多数耐久試験時に転写性や現像特性の低下を招きやすい。さらに、高温多湿環境下においてトナー粒子同士が凝集し、保存安定性が低下するという問題も生じる。一方、ガラス転移点が100℃を超えると、定着不良という問題が生じ易くなる。
低温定着性、高グロス画像が得られるといった点から、該低分子量樹脂のガラス転移点は40〜70℃であることがより好ましく、特に好ましくは40乃至65℃である。
該低分子量樹脂の添加量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部中に、好ましくは0.1乃至75質量部である。トナー粒子中の結着樹脂100質量部中に0.1質量部未満では、低分子量樹脂の添加による効果が小さい。
本発明のトナーは、二重結合を有する付加反応性樹脂を含有することが好ましい。したがって、本発明のトナーを製造するに際して、二重結合を有する付加反応性樹脂を用いることが好ましい。二重結合を有する付加反応性樹脂としては、スチレン系樹脂が好ましい。例えば170℃以上の高温下で重合し製造されたスチレン樹脂では、重クロロホルム溶媒を用いたH−NMRの測定において、4.6乃至4.9ppmと5.0乃至5.2ppmに二重結合に由来するピークが観察される。即ち、上記のようにして得られた付加反応性樹脂は二重結合を有しており、これらの二重結合がトナー粒子の製造時に架橋する。こうして、トナー粒子中に少量の架橋構造が導入されることによって、高温時におけるトナーの粘度変化率をより効果的に小さくすることができる。さらに付加反応性樹脂の重量平均分子量が2,000乃至6,000の場合には、従来用いられてきた低分子の架橋剤
、例えばジビニルベンゼンに比べて、分子量が高くて反応性が穏やかなため、微架橋をすることによって、低粘度でありながら温度に依存する粘度変化率の小さい熱特性を有するトナーが得られる。
上記二重結合を有する付加反応性樹脂の数平均分子量は500以上3,000以下であるのが好ましい。付加反応性樹脂の数平均分子量が500より小さい場合には、分子量の小さい成分が多く存在し、その浸みだしにより保存安定性が低下する。また、数平均分子量が3,000より大きい場合には、低温定着性が低下する。なお、本発明において、付加反応性樹脂の数平均分子量は、GPCによって測定することができる。
また、本発明において、付加反応性樹脂の数平均分子量は、付加反応性樹脂製造時の溶媒量、溶媒種、反応温度及び重合開始剤量を調整することによって調整できる。
上記以外に単量体組成物中に添加することができる付加反応性樹脂としては以下のものが挙げられる。ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。単独或いは混合して使用できる。
該付加反応性樹脂のガラス転移点(Tg)は40乃至100℃であることが好ましい。ガラス転移点が40℃未満であると、トナー粒子全体の強度が低下して多数耐久試験時に転写性や現像特性の低下が起こりやすい。さらに、高温多湿環境下においてトナー粒子同士が凝集し、保存安定性が低下するという問題も生じる。一方、ガラス転移点が100℃を超えると、定着不良という問題が生じ易くなる。
低温定着性、高グロス画像が得られるといった点から、該付加反応性樹脂のガラス転移点は40乃至70℃であることがより好ましく、特に好ましくは40乃至65℃である。
該付加反応性樹脂の添加量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部中に、好ましくは0.1乃至75質量部である。トナー粒子中の結着樹脂100質量部中に0.1質量部未満では、付加反応性樹脂の添加による効果が小さい。
本発明のトナーは、少なくともコア部とシェル部を有するトナー粒子と無機微粉体を含有するトナーであることが好ましい。該トナー粒子は、コア部を覆うようにシェル部が存在している。このような構造をとることによりコア部のトナー表面への析出による各環境下における帯電不良やブロッキングを防ぐことができる。また、さらにシェル部の表面上にはシェル部とはコントラストの違う表層部が存在するものがより好ましい。この表層部が存在することにより環境安定性、耐久性、耐ブロッキング性をより良化させることができる。
前記表層部を構成する材料は、分子鎖極性構造を有していることが好ましい。本発明に
おいて、分子鎖極性構造とは分子内の原子にδ+またはδ−の電子密度状態を多数有している分子構造をいう。
樹脂の分子は、複数の種類の原子から構成されており、その構成原子は固有の電気陰性度を有しており、原子によってその値は大きく異なっている。この電気陰性度の差により分子内では電子が局在化する。このときの局在化は、構成される原子の種類、数、結合様式によって状態が変化し、分子鎖の極性が変化する。
上記分子鎖極性構造として好ましいものは、例えば縮重合や付加重合により形成された結合構造である。具体的には、エステル結合(−COO−)、エ−テル結合(−O−)、アミド結合(−CONH−)、イミン結合(−NH−)、ウレタン結合(−NHCOO−)、ウレア結合(−NHCONH−)が挙げられる。
例えば、エ−テル鎖(−CH−O−CH−)などでは炭素原子上の電子が少し欠乏(δ)していて、酸素原子上の電子は少し過剰(δ)であり、さらに酸素原子を頂点とした結合角が生じている状態にある。このように分極した分子鎖が多数あれば、分子すなわち樹脂の極性が大きくなり、分極した分子鎖が少なければ小さくなる。また、一般的に炭化水素からなる分子は極性が低い。
上記表層部が分子鎖極性構造を有することによって帯電安定性が向上する。また水系または親水系媒体のような極性溶媒中でトナー粒子が生成される場合、分子鎖極性構造を有する表層部がトナー表面近傍により均一に形成されるため、トナーの高温高湿下、低温低湿下での帯電安定性や高速プリント時の耐久性が向上する。
上記の観点から、本発明のトナーは、ポリエステル樹脂を含有するのが好ましい。
本発明のトナーにおいて特に好適な表層部の材料としてはポリエステル樹脂又はその誘導体が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、多価のアルコールと多価のカルボン酸成分とから公知の製法によって構成することができる。ポリエステル樹脂を構成する単量体のうち、多価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、水素化ビスフェノールA、又は下記一般式(I)で表されるビスフェノール誘導体、また、下記一般式(II)で示されるジオール類等が挙げられる。これらの多価アルコールは、単独で使用してもよいし、混合状態で使用してもよい。但し、これらに制限されるものではなく、他の三価以上のアルコール成分を架橋成分として用いることができる。
Figure 2008299086
一般式(I)中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、且つx+yの平均値は2〜10である。
Figure 2008299086
一般式(II)中、R’は、以下に示すいずれかの基を示す。R’は同一であっても異なっていても良い。
Figure 2008299086
ポリエステル樹脂を構成する単量体のうち、多価のカルボン酸成分としては、ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸;無水フタル酸、無水マレイン酸等のジカルボン酸無水物;及びテレフタル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のジカルボン酸の低級アルキルエステル;等を挙げることができる。特に、その主成分は、テレフタル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のジカルボン酸の低級アルキルエステル又はその誘導体が好適である。
ポリエステル樹脂は下記の三価以上の酸成分を用いることにより、架橋させてもよい。架橋成分としては、トリメリット酸、1,2,4−トリカルボン酸トリ−n−エチル、1,2,4−トリカルボン酸トリ−n−ブチル、1,2,4−トリカルボン酸トリ−n−ヘキシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ−n−オクチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ−2−エチルヘキシル及びトリカルボン酸の低級アルキルエステルが使用できる。但し、これらに制限されるものではなく、他の三価以上の酸成分あるいは三価以上のカルボン酸低級アルキルエステルを架橋成分として用いることができる。
また、本発明に用いることのできるポリエステル樹脂の特性を損なわない程度に、一価のカルボン酸成分、一価のアルコール成分を用いても良い。例えば安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、等のモノカルボン酸;また、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、ラウリルアルコール、2−エチルヘキサノール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコール等の一種類以上の一官能性モノマー等を添加することができる。
本発明に用いることのできるポリエステル樹脂は、通常のポリエステル合成法で製造することができる。例えば、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分をエステル化反応、又はエステル交換反応せしめた後、低沸点の多価アルコール成分を減圧下又は窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂を得る。エステル化又はエステル交換反応の時には必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等の通常のエステル化触媒又はエステル交換触媒を用いることができる。また、重合に関しては、通常の重合触媒例えば、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸
化ゲルマニウム等を公知のものを使用することができる。
また、重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、必要に応じて任意に選択すればよい。
また、上記のポリエステル樹脂がビニル系モノマーにより変性されたビニル変性ポリエステル樹脂であることが特に好ましい。
ビニル変性ポリエステル樹脂はポリエステルとビニル系重合体が結合した構造を有し、内部保護性能はポリエステル骨格により与えられ、さらにビニル系重合体ユニットにより帯電安定性を向上させることができる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂の主成分は通常はビニル系重合体であり、ビニル変性ポリエステル樹脂は、芳香族ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを付加重合したビニル系重合体とポリエステルとが化学的に結合したものであることが好ましい。
また、ビニル変性ポリエステル樹脂は、ポリエステルに含有される水酸基とビニル系重合体に含有される(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応、ポリエステルに含有される水酸基とビニル系重合体に含有されるカルボキシ基とのエステル反応により生成することができる。上記ビニル変性ポリエステル樹脂は、前記樹脂を構成するモノマー成分としてビニル系モノマーを1乃至60質量%含有していることが好ましく、より好ましくは10乃至50質量%であり、更には15乃至40質量%含有していることが好ましい。上記値が1質量%未満では帯電性能が劣る場合があり、また60質量%を超える場合には定着性能が劣る場合がある。
特に好ましいポリエステル又はビニル変性ポリエステル樹脂としては、前記樹脂を構成するアルコール成分としてビスフェノールA及び/又は直鎖アルキルジオールを全アルコール成分100mol%に対し50mol%未満含有することが好ましい。また、酸成分として直鎖型アリールジカルボン酸及び/又は直鎖アルキルジカルボン酸を全酸成分100mol%中の50mol%以上することが好ましい。より好ましい酸成分としては、テレフタル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等のジカルボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。
また、本発明に用いることのできるポリエステル又はビニル変性ポリエステル樹脂は、特性を損なわない程度に、前述した一価のカルボン酸成分、一価のアルコール成分を作製時に用いても良い。
本発明に用いられるビニル変性ポリエステル樹脂を生成するために使用することが出来るビニル系単量体としては、スチレンと共重合可能なビニル系重合性単量体が挙げられる。このようなビニル系重合性単量体としては、後述するビニル系重合性単量体が挙げられる。
本発明では、ビニル変性ポリエステル樹脂を生成する場合に、ビニル系重合体とポリエステルと結合させる反応性基をポリエステル樹脂、ビニル系重合体、ポリエステルを構成する単量体、及びビニル系重合性単量体の少なくともいずれかに含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。ビニル系重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
本発明に用いられるビニル変性ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(4)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体を形成した後、これの存在下にポリエステルを重合しつつビニル変性ポリエステル樹脂を形成するする方法である。適宜、有機溶剤を使用することができる。
(2)ポリエステルを形成した後に、これの存在下にビニル系重合性単量体を重合しつつビニル変性ポリエステル樹脂を製造する方法である。
(3)ビニル系重合体及びポリエステルを形成した後に、これらの重合体存在下にビニル系重合性単量体及び/又はポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を添加することによりビニル変性ポリエステル樹脂を製造する方法である。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(4)ビニル系重合体及びポリエステルをそれぞれ形成した後エステル結合、アミド結合等により両者を結合させてビニル変性ポリエステル樹脂を製造する方法である。また、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)乃至(4)の製造方法において、低軟化点化合物の存在下に反応を行っても良い。
上記の(1)乃至(4)の製造方法の中でも、特に(2)の製造方法が、ビニル系重合体ユニットの分子量制御が容易であり好ましい。
さらに上記(2)の製造方法でポリエステルユニットの末端のみにビニル基を導入し、ビニル系モノマーを重合することにより、ポリエステル末端をビニル系重合体が結合したブロック型を有するビニル変性ポリエステル樹脂は、低温定着性と帯電安定性との点から特に好ましい。
本発明で用いることのできる極性樹脂は再沈殿操作や洗浄によって精製したものでもよい。
本発明のトナー粒子を生成するために使用することが出来る重合性単量体として好ましいものに、ビニル系重合性単量体を挙げることができる。好ましいビニル系重合性単量体としては以下のものが挙げられる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエ
チルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。
本発明のトナーのシェル部は、これらのビニル系重合性単量体から形成されるビニル系重合体や添加した樹脂によって構成されることが好ましい。これらのビニル系重合体の中でも、内部又は中心部を主に形成しているワックスを効率的に覆うという点から、スチレン重合体若しくはスチレン−アクリル共重合体或いはスチレン−メタクリル共重合体が好ましい。
本発明のトナーのコア部を構成する材料としてはワックスが好ましい。本発明に係わるトナーに使用可能なワックス成分としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ン樹脂も使用できる。
特にエステルワックスでは、下記式(4)乃至(9)で示す炭素数が10以上の長鎖エステル部分を1個以上有するものが、オーバーヘッドプロジェクター用のトランスペアレンシーフィルム(OHPフィルム)の透明性等を阻害せず好ましい。
Figure 2008299086
(式中、a及びbは独立して0乃至4の整数を示し、a+bは4であり、R及びRは独立して炭素数が1乃至40の有機基を示し、n及びmは独立して0乃至15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
Figure 2008299086
(式中、a及びbは独立して1乃至3の整数を示し、a+bは4であり、Rは炭素数が1乃至40の有機基を示しn及びmは独立して0乃至15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
Figure 2008299086
(式中、a及びbは独立して0乃至3の整数を示し、a+bは2または3であり、R及びRは独立して炭素数が1乃至40の有機基を示し、且つRとRとの炭素数差が
10以上である基を示し、Rは炭素数が1以上の有機基を示し、cは2または1であり、a+b+c=4であり、n及びmは独立して0乃至15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
Figure 2008299086
(式中、R及びRは炭素数が1乃至40の炭化水素基を示し、且つR及びRは、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
Figure 2008299086
(式中、R及びRは炭素数が1乃至40の炭化水素基を示し、nは2乃至20の整数であり、且つR及びRは、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
Figure 2008299086
(式中、R及びRは炭素数が1乃至40の炭化水素基を示し、nは2乃至20の整数であり、且つR及びRは、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
ワックスの分子量としては、重量平均分子量(Mw)が300乃至1,500のものが好ましい。300未満になるとワックスのトナー粒子表面への露出が生じ易く、1,500を超えると低温定着性が低下する。特に400乃至1,250の範囲のものが好ましい。更に、重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以下になると、ワックスのDSC吸熱曲線のピークがよりシャープになり、室温時のトナー粒子の機械的強度が向上し、定着時にはシャープな溶融特性を示す特に優れたトナーの特性が得られる。
上記エステルワックスの具体例としては、下記の式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008299086
近年、フルカラー両面画像の必要性も増してきており、両面画像を形成せしめる際においては、最初に表面に形成された転写材上のトナー像が、次に裏面に画像を形成する時にも定着器の加熱部を再度通過する可能性がある。そして、その際のトナーの定着画像の耐高温オフセット性を十分に考慮する必要がある。具体的には、ワックスをトナー粒子中に2乃至30質量%添加することが好ましい。2質量%未満の添加では耐高温オフセット性が低下し、更に両面画像の定着時において裏面の画像がオフセット現象を示す場合がある。30質量%より多い場合は、重合法による製造において造粒時にトナー粒子の合一が起き易く、粒度分布の広いものが生成し易い。
本発明のトナーは、フロー式粒子像分析装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける2μm以上のトナー粒子(円相当径2μm以上の粒子)の平均
円形度が、部材汚染の観点から0.970以上1.000以下であり、転写性の観点からモ−ド円形度が0.98以上1.00以下であることが好ましい。また、本発明のトナーにおいて、平均円形度は、例えばハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)によって調整することができ、モード円形度は、例えばハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)により調整することができる。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(商品名、シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
Figure 2008299086
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 2008299086
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.40乃至1.00を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(商品名、日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26乃至27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像分析装置を用い、測定時のトナー粒
子濃度が3000乃至1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。なお、本発明のトナーのモード円形度は、円形度頻度分布において、もっとも頻度が高い円形度の値である。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来トナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度の向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な捕捉を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA−2100の方が有用である。
本発明では、トナー製造時に荷電制御剤を用いることができ、該荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。
また、トナーを正荷電性に制御するものとしては以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブテン酸、りんタングステンモリブテン酸、タンニン酸、ラウニン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
本発明のトナーは、これら荷電性制御剤を単独あるいは2種以上組み合わせて含有することができる。
これらの荷電性制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウム好ましい。最も好ましい荷電性制御剤としては、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物である。
これらの荷電性制御剤の添加量としては、結着樹脂又は重合性単量体の0.01乃至10.00質量%が好ましい。
本発明のトナーは、トナー表面の親水及び疎水特性を特定の有機溶媒と水の混合溶媒における濡れ性を制御し、着色剤及びワックスの一部の分散を促し、良好な帯電性の達成に加えて、部材汚染を改善したものである。
さらに本発明の効果を十分に発揮するためには、荷電性制御剤として硫黄元素含有重合
体を含有することが好ましい。硫黄元素含有重合体の極性により着色剤の分散が安定し、トナー表面状態の均一性がさらに良好になり、安定した画像濃度を得ることができる。
さらに、上記硫黄元素含有重合体は、ある程度の酸価を有することが好ましい。一般的に塩基性を有することの多い着色剤との組み合わせにおいて、該重合体の酸と着色剤表面の塩基が結合し、いわば着色剤は表面処理された状態になる。このことにより着色剤を電荷のリークポイントとする電荷のリークが抑制され、トナーの帯電量分布がより均一になり、連続画像出力をした場合においても高い転写性を維持することができるようになる。
前記トナーのX線光電子分光分析により測定されるトナー表面に存在する炭素元素の含有量(C)と硫黄元素の含有量(S)の比(S/C)が0.0003≦S/C≦0.0050であることが好ましい。
前記(S/C)が0.0003未満の場合には、十分な電荷制御作用が得られにくく、かつ環境安定性に劣る傾向がある。
一方、(S/C)が0.0050を超える場合、低温低湿環境下における飽和帯電量過多により、ブロッチといわれる薄層コート斑が顕著に発生し、ハーフトーンの再現性や、最大濃度が低下するといった問題をきたす。さらに、この様な重合体を含有する組成物を用いて、懸濁重合で粒子を造る場合、トナー粒子がいびつな形状を有する様になり、円形度が小さくなってしまい、含有する離型剤がトナー表面に現れ、現像性の低下を引き起こしやすくなる。
なお、本発明において、トナー表面に存在する炭素元素の含有量とトナー表面に存在する硫黄元素の含有量の比は硫黄元素含有重合体の種類を変えること等により調整することができる。
尚、ESCA(X線光電子分光分析)によるトナー表面の組成分析は、以下の条件で行うことにより測定できる。
使用装置:PHI社製 1600S型 X線光電子分光装置
測定条件:X線源 MgKα(400W)
分光領域 800μmφ
本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度を算出した。具体的には、硫黄元素の含有割合を求める場合、X線光電子分光分析により測定されるトナー表面に存在する炭素元素の含有量(C)に対する結合エネルギー166〜172eVにピークトップを有する硫黄元素の含有量(S)の比(S/C)を求めた。
次に、本発明において用いられる硫黄元素含有重合体について説明する。
硫黄元素含有重合体をトナーに含有させることにより、摩擦帯電量を高めることができるということは、従来、知られてきた事項であり、本発明においても硫黄元素含有重合体をトナーに含有させることにより、高い帯電量を有するトナーを得ている。
硫黄元素含有重合体としては、スルホン酸基を有する重合体であることが好ましい。スルホン酸基を重合体中に含有することで、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の如き金属と、より安定した状態をとるようになる。そして、トナー粒子中への着色剤の分散が更に促進され、加えて着色剤の分散による一部のワックスの分散も向上する。
さらに、硫黄元素含有重合体のガラス転移点(Tg)は50℃乃至100℃が好ましい
。より好ましくは70℃より高く100℃以下、さらに好ましくは73℃乃至100℃である。ガラス転移点が50℃未満の場合には、トナーの流動性、保存性に劣り、さらに転写性にも劣るようになる。ガラス転移点が100℃を超える場合には、トナー印字率の多い画像の時の定着性に劣るようになる。
硫黄元素含有重合体を製造するために用いられる硫黄元素を含有する単量体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、或いは、下記構造を有するマレイン酸アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体が挙げられる。好ましくは、スルホン酸基を含有する(メタ)アクリルアミドである。
Figure 2008299086
本発明に係る硫黄元素含有重合体は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であることが好ましい。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系芳香族炭化水素、(メタ)アクリル酸エステルの如き重合性単量体が好ましく用いられる。より具体的には、以下に例示する如き単量体を用いることができる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチレアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリルレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチ
アクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル酸エステル;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2′−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントテラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテルが挙げられる。
硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を有するモノマーに由来するユニットを0.01乃至
20.00質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.05乃至10.00質量
%、さらに好ましくは0.10乃至7.00質量%含有することが好ましい。0.01質量%未満の場合には、硫黄元素含有重合体の添加効果が十分に得られず、また20.00質量%を超える場合には、定着性が特に低下する。
硫黄元素含有重合体の製造方法は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、イオン重合等があるが、操作性などの面から溶液重合が好ましい。
該硫黄元素含有重合体は、下記式の如き構造を有する。カウンターイオンとしては、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンであることが良く、より好ましくは水素イオンである。
Figure 2008299086
(式中、X:前記重合性単量体に由来する重合体部位を表し、Y:カウンターイオンを表し、kはカウンターイオンの価数であり、m及びnは整数であり、n=k×mである。)
硫黄元素含有重合体の酸価(mgKOH/g)は3.0乃至80.0が好ましく、より好ましくは5.0乃至40.0、さらに好ましくは10.0乃至30.0である。
酸価が3.0未満の場合には、十分な電荷制御作用が得られにくく、かつ環境安定性に劣る傾向がある。逆に、酸価が50.0を超える場合には、この様な重合体を含有する組成物を用いて、懸濁重合で粒子を造る場合、トナー粒子がいびつな形状を有する様になる。そして、円形度が小さくなってしまい、含有する離型剤がトナー表面に現れ、現像性の低下を引き起こしやすくなる。
硫黄元素含有重合体は、結着樹脂100質量部当り0.01乃至15.00質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1乃至10.00質量部である。
上記硫黄元素含有単量体の含有量が0.01質量部未満の場合には、十分な電荷制御作用が得られにくく、15.00質量部を超えると、懸濁重合法によりトナーの製造を行う際には、造粒性が低下し、現像性や転写性の低下を引き起こす。
更に、本発明においては、結着樹脂100質量部当り0.001乃至3.000質量部の硫黄元素を有するモノマーに由来するユニットを含有していることが好ましく、更には0.005乃至2.000質量部、特には0.010乃至1.500質量部が好ましい。
なお上記結着樹脂において、硫黄元素を有するモノマーに由来するユニットの存在やそのモル比については、蛍光X線装置、質量分析装置により求めることができる。
トナー中の硫黄元素含有重合体の含有量は、キャピラリー電気泳動法などを用いて測定することができる。
硫黄元素含有重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)が500乃至100,000が好ましい。より好ましくは1,000乃至70,000であり、さらに好ましくは5,000乃至50,000である。重量平均分子量(Mw)が500未満の場合には、トナーの流動性に劣るようになりやすく、転写性の低下が生じる。重量平均分子量(Mw)が100,000を超える場合には、単量体への溶解に時間がかかることに加え、顔料の分散性を向上させる効果が小さくなり、トナーの着色力が低下してしまう。
硫黄元素含有重合体の揮発分は0.01%乃至2.00%が好ましい。揮発分を0.01%未満とするためには、揮発分除去工程が複雑になり、揮発分が2.00%を超える場合には、高温高湿下での帯電、特に放置後の帯電に関して劣る様になる。尚、揮発分とは、高温(135℃)で1時間加熱したときに減少する重量の割合である。
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、硫黄元素含有重合体のトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
本発明では、トナー粒子の重合の際に、重合開始剤を用いることができる。トナー粒子を重合法で製造する際に用いる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2′−アゾビス−(2,4−ジバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5乃至20.0質量%の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
トナー粒子の結着樹脂はビニル系樹脂であることが好ましい。ビニル系樹脂は前述した
ビニル系重合性単量体の重合により生成される。
トナー粒子の結着樹脂の分子量をコントロールする為に、連鎖移動剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体の0.001乃至15.000質量%である。
トナー粒子の結着樹脂の分子量をコントロールする為に、架橋剤を添加してもよい。架橋性モノマーとしては、以下のものがあげられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
多官能の架橋性モノマーとしては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート。好ましい添加量としては、重合性単量体の0.001乃至15.000質量%である。
本発明において、重合の際に用いられる媒体が水系分散媒体の場合には、単量体組成物の粒子の分散安定剤として以下のものが用いられてもよい。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。また、有機系の分散剤しては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
また、本発明においては、難水溶性無機分散安定剤を用い、水系媒体を調整する場合に、これらの分散安定剤の使用量は重合性単量体100質量部に対して、0.2乃至2.0質量部であることが好ましい。また、本発明においては、単量体組成物100質量部に対して300乃至3,000質量部の水を用いて水系媒体を調整することが好ましい。
本発明において、上記のような難水溶性無機分散剤が分散された水系媒体を調整する場合には、市販の分散安定剤をそのまま用いて分散させてもよい。また、細かい均一な粒度を有する分散安定粒子を得るためには、水の如き液媒体中で、高速撹拌下、難水溶性無機分散剤を生成させて水系媒体を調整してもよい。例えば、リン酸三カルシウムを分散安定剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定剤を得ることができる。
本発明では各種特性付与を目的として下記に示す各種無機微粉体をトナーに含有させる
ことができる。該無機微粉体は、トナー粒子に添加した時の耐久性から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この無機微粉体の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これらの特性付与を目的とした無機微粉体としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
1)流動性付与剤:金属酸化物(例えばシリカ,アルミナ,酸化チタン)、カーボンブラック及びフッ化カーボン。それぞれ、疎水化処理を行ったものがより好ましい。
2)研磨剤:金属酸化物(例えばチタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,アルミナ,酸化マグネシウム,酸化クロム)、窒化物(例えば窒化ケイ素)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、金属塩(例えば硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウム)。
3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(例えばフッ化ビニリデン,ポリテトラフルオロエチレン)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム)。
4)荷電制御性粒子:金属酸化物(例えば酸化錫,酸化チタン,酸化亜鉛,シリカ,アルミナ)、カーボンブラック。
無機微粉体は、トナーの流動性の改良及びトナー粒子の帯電均一化のためにトナー粒子の表面を処理する。無機微粉体を疎水化処理することによって、トナーの帯電性の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粉体を用いることが好ましい。トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、トナーとしての帯電性が低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなる。
無機微粉体の疎水化処理の処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独であるいは併用して用いられても良い。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粉体が好ましい。より好ましくは、無機微粉体をカップリング剤で疎水化処理すると同時にあるいは処理した後に、シリコーンオイルより処理する。シリコーンオイル処理された疎水化処理無機微粉体が高湿環境下でもトナーの帯電量を高く維持し、選択現像性を低減する上で良い。
また、本発明のトナーに含まれる無機微粉体の疎水化の処理度を示す疎水化度は、メタノール及び水の混合溶媒に対する無機微粉体の濡れ性のことである。
メタノール及び水の混合溶媒に対する無機微粉体の濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定し、メタノール滴下透過率曲線作製して、透過率が50%のときのメタノール濃度を疎水化度(体積%)とする。測定装置として、例えば(株)REHSCA(レスカ)社製の粉体濡れ性試験機WET−101Pを用いることができ、具体的な測定操作としては、以下に例示する方法が挙げられる。
まず、メタノール60体積%と水40体積%とからなる含水メタノール液70mlを容器中に入れ、超音波分散器で5分間分散させて溶液中の気泡等を除去する。この溶液中に検体である無機微粉体を0.5g添加して浮遊させ、無機微粉体の疎水特性を測定するためのサンプル液を調製する。なお、サンプル液を調製して測定する容器として、円形直径5cm、高さ88mmのガラス製のフラスコを用いることができる。
次に、この調製された測定用サンプル液を6.67s−1の速度で攪拌しながら、メタノールを1.3ml/min.の滴下速度で連続的に添加し、浮遊している無機微粉体を沈降・溶媒中に分散させる。メタノールを滴下する間、測定用サンプルの、波長780nmの光の透過光強度を測定して透過率を求め、メタノール滴下透過率曲線を作成する。ここで撹拌は、マグネティックスターラー(例えば、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形
であり、テフロン(登録商標)コーティングを施されたもの)を用いて行うことができる。そして、透過率が50%のときのメタノール濃度を、その疎水性シリカの疎水化度として算出する。
疎水化度の測定において、検体である無機微粉体の疎水化度が60%未満である場合は、メタノール60体積%と水40体積%とからなる含水メタノール溶液に該検体を添加すると、溶媒中にすぐ分散してしまい、透過率曲線を求めることができない。そのため、検体である無機微粉体の疎水化度が60%未満である場合は、初期溶液のメタノール濃度を0%に設定して測定した。
これら無機微粉体は、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.10乃至10.00質量部が用いられ、より好ましくは0.05乃至4.00質量部含有される。これら無機微粉体は、単独で用いても、又、複数併用しても良い。
ここで、無機微粉体の比表面積BETは、BET法(好ましくはBET多点法)に従って、動的定圧法による低温ガス吸着法により求めることができる。例えば、比表面積測定装置「ジェミニ2375 Ver.5.0」(島津製作所社製)を用いて、試料(疎水性シリカAまたはB)表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて測定することにより、BET比表面積(m2/g)を算出することができる。
また、本発明のトナーは、好ましくは2.0乃至12.0μmの重量平均粒径D4を有し、より好ましくは4.0乃至9.0μmの重量平均粒径を有し、さらに好ましくは5.0乃至8.0μmの重量平均粒径 (D4)を有することが良い。
本発明のトナーのガラス転移点(Tg)は40乃至100℃、好ましくは40乃至80℃が良い。より好ましくは45乃至70℃が良い。ガラス転移点が40℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。ガラス転移点が100℃を超える場合には、トナーの耐低温オフセット性、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムの透過画像の透明性が低下する。
本発明のトナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分の含有量は、トナーの着色剤及び無機微粉体以外のトナー成分に対して16.0質量%未満が好ましい。より好ましくは0.0質量%以上10.0質量%未満、最も好ましくは0.0質量%以上5.0質量%未満である。16.0質量%より大きい場合には、低温定着性が低下する。
トナーのTHF不溶分とは、THF溶媒に対して不溶性となった超高分子ポリマー成分(実質的に架橋ポリマー)の質量割合を示す。トナーのTHF不溶分とは、以下のように測定された値をもって定義する。
トナー1.0gを秤量し(W1 g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に
入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて20時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、40℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2 g)。トナー中の顔料の如き樹脂成分以外の成
分の重量を(W3 g)とする。THF不溶分は、下記式から求められる。
THF不溶分(質量%)=(W1−(W3+W2))/(W1−W3)×100
トナーのTHF不溶分は、結着樹脂の重合度、架橋度によって調整することが可能である。
本発明におけるトナーの重量平均分子量(以下、トナー中のテトラヒドロフラン(THF)の可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量ともいう)(Mw)は、15,000乃至80,000であることが好ましい。このようなトナーは、環境安定性と耐久安定性が良好に発現される。さらに、トナー中のテトラヒドロフラン(THF)の可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が20,000乃至60,000であることが好ましい。トナー中のテトラヒドロフラン(THF)の可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が15,000未満であると、耐ブロキング性や耐久性が低下しやすく、80,000を超える場合では、低温定着性、高グロス画像が得られにくくなる。なお、本発明において、トナーの重量平均分子量(Mw)は、低分子樹脂の添加量及び重量平均分子量やトナー製造時の反応温度、反応時間、開始剤量、連鎖移動剤量及び架橋剤量を調整することにより調整できる。
また、本発明におけるトナー中のテトラヒドロフラン(THF)の可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnは、5乃至100が好ましい。より好ましくはMw/Mnが5乃至30である。Mw/Mnが5未満では定着可能温度領域が狭く、100を超える場合では低温定着性が低下する。
本発明で用いられる着色剤としては、公知のものを使用することが出来る。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180。
橙色顔料としては以下のものが挙げられる。パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオキシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキなどの縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I
.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
青色顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBGなどの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
緑色顔料としては、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGが挙げられる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記黄色系着色剤/赤色系着色剤/青色系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合して、更には固溶体の状態で用いることが出来る。
本発明においては、着色剤の持つ重合阻害性や分散媒体移行性に注意を払う必要がある。必要により、重合阻害のない物質による着色剤の表面処理を施して表面改質をおこなっても良い。特に、染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
染料を処理する好ましい方法として、予めこれらの染料の存在下に重合性単量体を重合し、得られた着色重合体を単量体組成物に添加する。又、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(例えば、オルガノシロキサン等)で処理を行ってもよい。
トナー粒子の製造工程中、重合反応後半に昇温してもよく、更にトナー定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体又は副生成物を除去する為に、反応後半又は重合反応終了後に一部分散媒体を反応系から留去してもよい。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄、濾過により回収し、乾燥する。
懸濁重合法においては、単量体組成物100質量部に対して水300乃至3,000質量部を分散媒体として使用するのが好ましい。
本発明のトナーに関する物性の測定方法及び評価方法について以下説明する。
<分子量の測定>
本発明のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
<分子量(RI)測定>
<測定条件>
・カラム(昭和電工株式会社製):Shodex GPC KF−801,Shodex GPC KF−802,Shodex GPC KF−803,Shodex GPC KF−804,Shodex GPC KF−805,Shodex GPC KF−806,Shodex GPC KF−807(直径8.0mm、長さ30cm)の7連
・温度:40℃
・流速:0.6ml/min
・検出器:RI
・サンプル濃度:0.1質量%の試料を10μl
サンプル調製は、測定対象のトナー試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、トナー用樹脂0.04gをTHF20mlに分散し溶解後、24時間静置した後、0.2μmフィルター(たとえば、マイショリディスクH−25−2(東ソー社製)、エキクロディスク25CRゲルマン(サイエンスジャパン社製)などが好ましく利用できる)で濾過し、その濾液を試料として用いる。検量線は、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として、たとえば、東ソー社製TSKスタンダードポリスチレンF-850、F-450、F-288、F-128、F-80+.、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500を用いて検量線を作成することができ、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。トナー用樹脂0.04gをTHF20mlに分散し溶解後、24時間静置した後、0.2μmフィルター(たとえば、マイショリディスクH−25−2(東ソー社製)、エキクロディスク25CRゲルマン(サイエンスジャパン社製)などが好ましく利用できる)で濾過し、その濾液を試料として用いる。
一般に、GPCの分子量分布の測定では、高分子量側はベースラインからクロマトグラムが立ち上がり開始点から測定を始め、低分子量側は分子量約400まで測定する。
<DSC測定>
本発明において、示差走査熱量計(DSC)としてM−DSC(商品名、TA−インストルメンツ社製)を用いた。測定するトナー試料6mgを精秤する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲20乃至200℃の間で、昇温速度1℃/分、常温常湿下で測定を行う。このときのモジュレーション振幅±0.5℃、周波数1/minで測定する。得られるリバーシングヒートフロー曲線から最大ガラス転移点Tg(℃)を計算する。Tgは、吸熱前後のベースラインと吸熱による曲線の接線との交点の中心値をTg(℃)として求めたものである。
また、DSCによって測定される昇温時の吸熱チャートにおいて、吸熱メインピークのピーク面積で表される吸熱量(J)をトナー1g当たりの熱量に換算した熱量積分値Q(J/g)を測定した。トナーのDSC測定によって得られたリバーシングヒートフロー曲線の一例を図5に示した。熱量積分値Q(J/g)は、上記の測定から得られたリバーシングヒートフロー曲線を用いて求める。計算には解析ソフトユニバーサルアナリシスVer.2.5H(TAインスツルメンツ社製)を用い、IntegralPeakLinearの機能を用いて、35℃と135℃での測定点を結ぶ直線と吸熱曲線とで囲まれた領域から熱量積分値Q(J/g
)を求める。
<トナーの重量平均粒径(D4)測定>
トナーの粒度分布の測定
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.11ml加え、さらに測定試料を5mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
チャンネルとしては、2.00乃至2.52μm;2.52乃至3.17μm;3.17乃至4.00μm;4.00乃至5.04μm;5.04乃至6.35μm;6.35乃至8.00μm;8.00乃至10.08μm;10.08乃至12.70μm;12.70乃至16.00μm;16.00乃至20.20μm;20.20乃至25.40μm;25.40乃至32.00μm;32.00乃至40.30μmの13チャンネルを用いる。
<酸価の測定>
樹脂の酸価は以下のように求められる。
サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。溶解性が低いようであれば少量のアセトンを加えてもよい。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10カセイカリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量からつぎの計算で酸価を求める。
Figure 2008299086
(ただしNはN/10KOHのファクターであり、KOH(ml数)はアルコールカリ液の消費量を示す。)
また、前記極性樹脂の水酸基価は以下のように求められる。
200ml三角フラスコに試料6gを1mg単位で精秤し、無水酢酸/ピリジン=1/4の混合溶液を5mlホールピッペットで加え、更にピリジン25mlをメスシリンダーで加える。三角フラスコに冷却器を取り付け、100℃のオイルバス中で90分反応させる。蒸留水3mlを冷却部上部から加えてよく振とうし10分間放置する。冷却器をつけたまま三角フラスコをオイルバスから引き上げて放冷し、約30℃になれば冷却器上部口から少量のアセトン(10ml程度)で冷却器及びフラスコ口を洗浄する。THF50mlをメスシリンダーで加えフェノールフタレインのアルコール溶液を指示薬としてN/2KOH−THF溶液で50ml(目量0.1ml)のビュレットを用いて中和滴定する。中和終点直前に中性アルコール25ml(メタノール/アセトン=1/1容量比)を加え溶液が微紅色を呈するまで滴定を行う。同時に空試験も行う。
次いで下式に従って、水酸基価を求める。
Figure 2008299086
上記式中、Aは本試験に要したN/2KOH−THF溶液のml数であり、Bは空試験に要したN/2KOH−THF溶液のml数であり、fはN/2KOH−THF溶液の力価であり、Sは試料採取量(g)であり、Cは酸価(mgKOH/g)である。水酸基価には、二つの測定値の平均値を採用する。
本発明に用いられる現像ローラ1は、図5及び7に示すように、円柱状または中空円筒状の導電性軸芯体2の外周面に弾性層3が固定され、この弾性層3の外周面に表面層4が積層された導電性部材から構成される。 導電性軸芯体2は、導電性部材の電極および支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロム、又はニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。軸芯体の外径は通常4〜10mmの範囲とする。
弾性層3は、感光体(静電潜像担持体)表面に形成された静電潜像にトナーを過不足なく供給することができるように、適切なニップ幅とニップ圧をもって感光体に押圧されるような硬度や弾性を現像ローラに付与するものである。この弾性層は、通常ゴム材の成型体により形成される。上記ゴム材としては、従来より導電性ゴムローラに用いられている種々のゴム材を用いることができる。ゴム材に使用するゴムとしては、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。この中でも、特にセット性能の観点からシリコーンゴムを用いることが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらポリシロキサンの共重合体が挙げられる。
弾性層3中には、導電性付与剤が含有されており、さらに非導電性充填剤、架橋剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合される。導電性付与剤としては、グラファイト、カーボンブラック、アルミニウム、銅の如き導電性金属;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。このうち、カーボンブラックは比較的容易に入手でき、良好な帯電性が得られるので好ましい。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛又は炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン又はジクミルパーオキサイドが挙げられる。
弾性層3の体積固有抵抗値は、100Vの直流電圧印加時で10〜108Ω・cmの
範囲にあることが好ましい。例えば、導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、ゴム材中のゴム100質量部に対して15〜80質量部配合される。また、弾性層3の厚さは2.0〜6.0mmの範囲にあることが好ましく、3.0〜5.0mmの範囲にあることがより好ましい。
本発明に用いられる現像ローラは、本発明のトナーについて、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき、該現像ローラ表面のDdaa体積%のジアセトンアルコール水溶液に対する接触角が、15.0゜以上55.0゜以下であることを特徴とする。
なお、本発明において、上記接触角の値は現像ローラ表層のアクリル樹脂の添加量、モノマー組成及びTgと熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂の添加量、モノマー組成をコントロールすることにより調製できる。
本発明の現像ローラにおいては、表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)を含有し、樹脂(a)の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と樹脂(b)のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であること特徴とする。
(a)ポリプロピレングリコールユニット及び/またはポリテトラメチレングリコールユニットを有し、架橋反応前のポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
(b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下、重量平均分子量が30,000以上100,000以下であるアクリル樹脂が好ましい。
ここで、本願でいうSP値とはHildebrandの溶解度パラメータをいい、濁点滴定法で行った。
樹脂(a)の熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂について説明する。ウレタン樹脂は主骨格として導入する樹脂種により極性及び機械的物性が変化する。中でもポリプロピレングリコールユニット、またはポリテトラメチレングリコールユニットを主骨格とするウレタン樹脂は柔軟性に優れ、一般的に高極性であるウレタン樹脂の中でも比較的低極性であり、アクリル樹脂との相溶性において最も適切な8.4以上8.9以下のSP値とすることが容易である。それに対し、ポリエチレングリコールはポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールに比べ高極性になりやすく、また親水性も増すため、高温高湿環境下における物性変動により、耐固着性が大きくなる場合がある。
このような熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂は、ポリエーテルポリオールやウレタン化ポリエーテルポリオールをイソシアネートと反応させることにより得られる。この反応でウレタン結合の含有量を調整し、機械的強度を低下させない程度にポリエーテル成分の含有量を高くすることにより、より柔軟で低極性にすることが可能となる。具体的にはポリエーテルポリウレタン樹脂が、ポリプロピレングリコールユニット及び/またはポリテトラメチレングリコールユニットを60質量%以上85質量%以下有することで、より柔軟でアクリル樹脂成分との相溶性にすぐれたウレタン樹脂となる。
ポリオール成分と反応させる架橋剤としてのイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びこれらの共重合物や、そのブロック体。
次に樹脂(b)のアクリル樹脂について説明する。
アクリル樹脂はウレタン樹脂に比べ、一般的に低極性である。そのため高極性であるウレタン樹脂と相分離や極端な表面局在化を生じやすい。しかし現像ローラの表面層として用いる場合、膜の硬度上昇や基材密着性の低下を避け、高次元で諸性能を満足するため、ポリウレタン原料とアクリル樹脂の極性差やTgや分子量を厳密に制御する必要がある。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は30℃以上70℃以下であることが好ましい。Tgが30℃未満になるとアクリル樹脂の含有量に関わらず、高温高湿環境下でのトナーとの耐固着性が低下し、また画像形成時にトナー融着を生じやすくなる場合がある。また、Tgが70℃を超えると現像ローラの表面硬度が上昇し、多数枚耐久性の低下を引き起こす場合がある。なお、アクリル樹脂のTgは、後述するDSCを用いて、トナーのTgを測定する際の方法と同じ方法で測定できる。また、アクリル樹脂のTgは、アクリル樹脂のモノマー組成及び分子量を調整することにより調整できる。
アクリル樹脂のSP値は7.5以上8.6以下であることが特に好ましい。アクリル樹脂はモノマー種の選択により極性の制御、そしてSP値の制御が容易である。長鎖アルキル基を有するモノマーユニットを高い比率で含有するものは、Tgを大幅に低下する他に、SP値が低くなるため、現像ローラとして好適なウレタン樹脂成分との極性差が大きくなり、層分離による外観不良を引き起こしたり、シリコーンゴムの如き低極性な弾性層との密着性低下を示す場合がある。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は30,000以上100,000以下であることが好ましい。Mwが30,000未満であると、TgとSP値が適正な範囲にあっても高温高湿環境下で充分な耐トナー固着性が得られにくく、Mwが100,000を超えると弾性層との密着性が低下する場合がある。なお、アクリル樹脂のMwは、アクリル樹脂製造時の溶媒種、溶媒量、開始剤量、反応温度、連鎖移動剤を調整することにより調整できる。
アクリル樹脂のTgとSP値、及び重量平均分子量の3要素は現像ローラ表面層に用いるためには特に重要であり、このうち何れかが好ましい範囲を外れると最適な性能を得るのが難しくなる。アクリル樹脂の諸物性をこのような現像ローラとして好ましい範囲にするために、アクリル樹脂に含まれるモノマーユニットの選択が重要であり、具体的には、メタクリル酸メチル(MMA)ユニット及びスチレンユニットを少なくとも含むことが好ましい。また、アクリル樹脂の諸物性を好適に調整するために、モノマー種の選択が重要である。具体的にはメタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、スチレン、メタクリル酸2−エチルヘキシル(以下、2−エチルヘキシルメタクリレートともいう)(EHMA)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(以下、ヒドロキシエチルメタクリレートともいう)(HEMA)、アクリロニトリル、アクリルアミドなどを好適に用いることができる。先に述べたように長鎖アルキル基を有するモノマーや、フッ素、シリコーン成分を有するモノマーはアクリル樹脂のTg、SP値を大幅に低下させる場合がある。
本発明では、上記の通りアクリル樹脂にメタクリル酸メチル(MMA)ユニット及びスチレンユニットが少なくとも含まれていることが好ましく、メタクリル酸メチル(MMA)ユニットとスチレンユニットのモル比の合計が、アクリル樹脂に対して現像ローラとして好適なウレタン樹脂成分との極性差が大きくなり、層分離による外観不良を引き起こす観点から50モル%以上90モル%以下であることが好ましい。
さらに、上記の通りアクリル樹脂が、メタクリル酸メチル(MMA)ユニット、スチレンユニット、メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)ユニット、及びメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)ユニットを含むことがさらに好ましく、メタクリル酸メチル(MMA)ユニットとスチレンユニットのモル比の合計が、アクリル樹脂に対して、シリコーンゴムの如き低極性な弾性層との密着性低下を示す観点から70モル%以上90モル%以下であることがより好ましい。
上記アクリル樹脂において、各モノマーユニットの存在やそのモル比については、H−NMRや質量分析装置により求めることができる。アクリル樹脂における各モノマーユニットのモル比は、アクリル樹脂製造時に用いる各モノマーの構成比を調整することで調整できる。
メタクリル酸メチル(MMA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)、スチレンはアクリル樹脂の適正な物性範囲を得るために特に好ましい。また、HEMAの如き水酸基を含有するモノマーユニットを含まないアクリル樹脂は、ウレタン樹脂の架橋反応時にイソシアネートと反応することがないため、膜の硬度上昇を起こしにくく、より好ましい。
また、本発明は、(a)ポリエーテルポリウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と(b)アクリル樹脂のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹
脂成分における(b)アクリル樹脂の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする。
本発明における(a)ポリエーテルポリウレタン樹脂と(b)アクリル樹脂のSP値の差とは〔(a)ポリエーテルポリウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値〕−〔(b)アクリル樹脂のSP値〕を指す。
ウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値とアクリル樹脂のSP値との差が0.9を超えると、層分離による外観不良や極端な界面への偏在により基材密着性を低下させる場合がある。またSP値の差が全くない場合は、トナーの融着や他部材との固着を起こす場合がある。アクリル樹脂のSP値の方が大きい場合は不相溶による外観不良を起こす場合がある。
なお、上記(a)ポリエーテルポリウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と(b)アクリル樹脂のSP値との差の調整は、ポリウレタン原料の組成比及びアクリル樹脂のモノマー組成比の調整により可能である。
アクリル樹脂の含有量に関しては、全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%未満ではアクリル樹脂添加効果が充分得られない場合があり、5.0質量%を超えると、膜の硬度上昇や弾性層との密着性の低下を招く恐れがある。
表面層4には、導電性を付与するために導電性付与剤が含有されることが好ましい。導電性付与剤としては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの表面層4中の含有量は、表面層を形成する基体樹脂100質量部に対して、10〜50質量%であることが、現像ローラとしての導電性を好ましい範囲にすることができるため好ましい。使用するカーボンブラックの個数平均粒径(D1)およびDBP吸油量に特に制限はないが、皮膜強度と導電付与性の点から、個数平均粒径(D1)が15〜50nmであり、DBP吸油量が70〜150ml/100gであることが好ましい。
表面層4には現像ローラの表面の粗さ制御のために微粒子を添加してもよい。粗さ制御用微粒子としては、体積平均粒径(Dv)が3〜20μmであることが好ましい。また、表面層に添加する粒子添加量が、表面層の樹脂固形分100質量%に対し、1〜50質量%であることが好ましい。
さらに、粗さ制御用微粒子の成分としてはポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いることができる。
表面層4の形成方法としては特に限定されるものではないが、塗料によるスプレー、浸漬、又はロールコートが挙げられる。浸漬塗工は、特開昭57−5047号公報に記載されているような浸漬槽上端から塗料をオーバーフローさせる方法は、表面層を形成する方法として簡便で生産安定性に優れている。
図9は浸漬塗工装置の概略図である。25は円筒形の浸漬槽であり、現像ローラ外径よりわずかに大きな内径を有し、現像ローラの軸方向の長さより大きな深さを有している。浸漬槽25の上縁外周には環状の液受け部が設けられており、撹拌タンク27と接続されている。また浸漬槽25の底部は撹拌タンク27と接続されている。
撹拌タンク27の塗料は、液送ポンプ26によって浸漬槽25の底部に送り込まれる。浸漬槽の上端部からは、塗料がオーバーフローしており、浸漬槽25の上縁外周の液受け部を介して撹拌タンク27に戻る。弾性層3を設けた芯体2は昇降装置28に垂直に固定され、浸漬槽25中に浸漬し、引き上げることで表面層4を形成する。
本発明に用いられるプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、上記本発明に用いられる現像ローラを有するものであれば、複写機、ファクシミリ、又はプリンターに限定され
るものではない。
本発明の現像ローラを搭載した本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置の一例としてプリンターを以下に説明する。図8において、現像装置10は、一成分トナーとして非磁性トナー8を収容した現像容器と、現像容器内の長手方向に延在する開口部に位置し感光体5と対向設置された現像ローラ6とを備え、感光体5上の静電潜像を現像してトナー像を形成するようになっている。
図8に示すように、プリンターには図示しない回転機構により回転される感光体5が備えられ、感光体5の周りには、感光体5の表面を所定の極性・電位に帯電させる帯電装置12と、帯電された感光体5の表面に画像露光を行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置とが配置される。更に感光体5の周りには、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する本発明の現像ローラ6を有する現像装置10が配置される。さらに、紙22にトナー像を転写した後、感光体5上をクリーニングする装置13が設けられる。
紙22の搬送経路上には、転写されたトナー像を紙22上に定着させる定着装置15が配置される。
以下に、本発明につき実施例をもって説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。なお、実施例及び比較例中で使用する部はすべて質量部を示す。
{樹脂の合成例}
(スチレン系樹脂(1)の製造例)
滴下ロート、リービッヒ冷却管及び攪拌機を備えた耐圧反応機にキシレン35部を入れて170℃まで昇温した。このときの圧力は0.22MPaであった。これにスチレンモノマー100部及びn−ブチルアクリレート0.1部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド7.5部の混合物を滴下ロートに仕込み、170℃のキシレンに3時間かけて加圧下(0.22MPa)で滴下した。滴下後、更に170℃で2時間反応を行い、溶液重合を完了して、キシレンを除去した。得られたスチレン系樹脂の重量平均分子量は2,940で、Tgは55℃であった。これをスチレン系樹脂(1)とする。
(スチレン系樹脂(2)の製造例)
表3に示す単量体組成物、重合開始剤及び反応条件を用いてスチレン系樹脂(1)の製造方法と同様に溶液重合を行い、スチレン系樹脂(2)を得た。得られたスチレン系樹脂の重量平均分子量は2,920で、Tgは38℃であった。
(スチレン系樹脂(3)の製造例)
滴下ロート、リービッヒ冷却官、窒素封入管(窒素流量100ml/min)及び攪拌
機を備えた反応機にキシレン400部を入れて140℃まで昇温した。これにスチレンモノマー100部、n-ブチルアクリレート0.1部、ジ−tert−ブチルパーオキサイド7
.5部の混合物を滴下ロートに仕込み140℃のキシレンに1.5時間かけて常圧で滴下した。更にキシレン還流下(137℃乃至145℃)で2時間反応を行い、溶液重合を完了して、キシレンを除去した。得られたスチレン系樹脂の重量平均分子量は3,250で、Tgは56℃であった。これをスチレン系樹脂(3)とする。
(スチレン系樹脂(4)の製造例)
キシレン30部、スチレン80部、n−ブチルアクリレート20重量部、開始剤としてジ−tert−ブチルパーオキサイド1.4部の混合物を、リービッヒ冷却官及び攪拌機を備えた反応機に仕込み重合温度120℃にて24時間で重合を行った。その後、キシレンを除去してスチレン系樹脂(4)を得た。得られたスチレン系樹脂の重量平均分子量は34万で、Tgは61℃であった。これをスチレン系樹脂(4)とする。
(スチレン系樹脂(5)の製造例)
表3に示す単量体組成物、重合開始剤及び反応条件(重合温度:100℃)を用いてスチレン系樹脂(4)の製造方法と同様に溶液重合を行い、スチレン系樹脂(5)を得た。
表3に、上記で得られたスチレン系樹脂(1)乃至(5)の物性を合わせて示す。
(負荷電性制御樹脂の製造例)
還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール255部、2−ブタノン145部及び2−プロパノール100部、モノマーとしてスチレン88部、アクリル酸2−エチルヘキシル6部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続し、更に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了した。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミルにて100μm以下に粗粉砕し、さらにジェットミルにより微粉砕した。その微粉体を250メッシュの篩により分級し、60μm以下の粒子を分別して得た。次に該粒子を10%の濃度になるようにMEKを加え溶解し、前述の溶液をMEKの20倍量のメタノール中に徐々に投じ再沈殿した。得られた沈殿物を再沈殿に使用した量の2分の1のメタノールで洗浄し、ろ過した粒子を35℃にて48時間真空乾燥した。
さらに前述の真空乾燥後の粒子を10%の濃度になるようにMEKを加え再溶解し、前述の溶液をMEKの20倍量のn−ヘキサン中に徐々に投じ再沈殿した。得られた沈殿物を再沈殿に使用した量の2分の1のn−ヘキサンで洗浄し、ろ過した粒子を35℃にて48時間真空乾燥した。こうして得られた極性重合体はTgが約83℃であり、メインピーク分子量(Mp)が21,500、Mn11,000、Mw33,000であり、酸価は14.8であった。また、H−NMR(日本電子社製EX−400:400MHz)で測定された組成は仕込み量どおりであった。得られた樹脂を負荷電性制御樹脂1とする。
(ポリエステル系樹脂(1)の製造例)
・テレフタル酸 :11.5mol
・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA) :10.5mol
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置をオートクレーブに装着し、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って195℃でTgが68〜75℃になるまで反応を行い、ポリエステル系樹脂1を得た。物性を表5に示す。
(ポリエステル系樹脂(2)の製造例)
・テレフタル酸 : 9.8mol
・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA) :10.0mol
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置をオートクレーブに装着し、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って195℃でTgが68〜75℃になるまで反応を行い、ポリエステル系樹脂Aを得た(Mw 10、600、Mw/Mn 3.1
5、Tg 71℃)。
次に、キシレン25.0molに、 上記ポリエステル樹脂A(テレフタル酸 9.8mol、ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA)10.0mol)を添加して、この混合液を135℃に加熱した。前記混合液に窒素雰囲気下、スチレン15.4molとアクリル酸1.2molとラジカル重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシベンゾエート1.9molをキシレン10質量部に溶解したものを、約30分かけて滴下した。135℃で更に5時間前記混合液を保持してラジカル重合反応を終了した。更に前記混合液を加熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、ポリエステル系樹脂(2)を得た。物性を表5に示す。
(ポリエステル系樹脂(3)の製造例)
ポリエステル系樹脂(1)の製造例において、表5に示す組成比に変更した以外はポリエステル系樹脂(1)の製造例と同様にして、ポリエステル系樹脂(3)を得た。物性を表5に示す。
<実施例1>
(トナー粒子1の製造例)
四つ口容器中にイオン交換水720部と0.1モル/リットルのNaPO水溶液935部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて11,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl水溶液75部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 64.0部
n−ブチルアクリレート 16.0部
銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5.0部
スチレン系樹脂(1) 20部
(Mw=2940、Mw/Mn=1.92)
ポリエステル系樹脂(1) 5部
負荷電性制御剤1(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
0.5部
負荷電性制御樹脂1 0.5部

ワックス〔フィシャートロップシュワックス(1)、吸熱メインピーク温度78.2℃〕 11部
上記単量体混合物1をアトライターを用いて3時間分散させた単量体混合物1に重合開始剤である1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート7.5部(トルエン溶液50%)を添加した単量体組成物を水系分散媒体中に投入し、撹拌機の回転数を10,000rpmに維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた。原材料及び重合条件を表1、ポリエステル系樹脂の原材料及び物性を表4、スチレン系樹脂の物性及び原料を表3に示した。
次いで、容器内を温度80℃に昇温して3時間維持し、その後毎分1℃の冷却速度で徐々に30℃まで冷却し、スラリー1を得た。スラリー1を含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去せしめた。更に、ろ別、洗浄、乾燥して重量平均粒径が5.8μmの重合体粒子(トナー粒子1)を得た。
得られたトナー粒子1(100部)に対して、BET法による比表面積が200m
g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(1−1)を得た。
トナー(1−1)のメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性結果を表5に示した。
{ウレタン樹脂原料の合成例}
「ポリウレタン原料U−1の合成」
ポリテトラメチレングリコール〔PTG1000SN(商品名)、保土谷化学社製〕100.0部に、イソシアネート化合物〔コスモネートMDI(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕28.1部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下温度80℃にて5.5時間反応させて重量平均分子量Mw=9,200、水酸基価23のポリウレタンポリオールを得た。次にこのポリウレタンポリオール100.0部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社〕)43.3部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−1を得た。ここで後述の方法によりSP値を測定したところ、SP値は8.7であった。
「ポリウレタン原料U−2の合成」
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を24.4部、イソシアネート〔コロネート2521〕を41.5部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−2を得た。
「ポリウレタン原料U−3の合成」
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を22.1部、イソシアネート〔コロネート2521〕を34.8部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−3を得た。
「ポリウレタン原料U−4の合成」
ポリエチレングリコール〔PEG−1000(商品名)、三洋化成工業社製〕100.0部に、イソシアネート化合物〔タケネートD140N(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕18.9部をMEK溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下80℃にて5時間反応させて重量平均分子量Mw=9,000、水酸基価27のポリウレタンポリオールを得た。次にこのポリウレタンポリオール100.0部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕44.0部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−4を得た。
「ポリウレタン原料U−5の合成」
ポリプロピレングリコール〔アクトコールDiol−1000(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕100.0部に、イソシアネート化合物〔タケネート140D140N(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕15.0部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下温度80℃にて5時間反応させて重量平均分子量Mw=9,000、水酸基価20のポリウレタンポリオールを得た。次にこのポリウレタンポリオール100.0部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社〕)15.0部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌して、ポリウレタン原料U−5を得た。
「ポリウレタン原料U−6の合成」
ポリエステルウレタン樹脂〔ニッポラン5033(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕100.0部に、イソシアネート化合物〔コスモネートMDI(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕25.0部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合し、
窒素雰囲気下温度80℃にて5時間反応させて重量平均分子量Mw=9,000、水酸基価20のポリウレタンポリオールを得た。次にこのポリウレタンポリオール100.0部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社〕)25.0部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌して、ポリウレタン原料U−6を得た。
{アクリル樹脂の合成例}
(アクリル樹脂A−1の合成)
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)17.0部、スチレン14.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)55.6部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)13.5部、重合開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.2部の混合物を2時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに3時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−1を得た。ここで、Tg、重量平均分子量を測定したところ、Tgは30℃、重量平均分子量は76,000であった。
(アクリル樹脂A−2の合成)
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)17.1部、スチレン40.1部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)34.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート 16.7部、重合開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.1部の混合物を3時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに5時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−2を得た。
また同様の合成条件にて、表6のモノマーユニットの構成比(モル%)とすることにより樹脂A−4、A−7を得た。
(アクリル樹脂A−3の合成)
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)18.5部、スチレン23.1部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)44.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)14.4部、重合開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.3部の混合物を1.5時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに2時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−3、A−6を得た。
また同様の合成条件にて、表6のモノマーユニットの構成比(モル%)とすることにより樹脂A−5を得た。
(現像ローラ1の製造例)
芯体2としてSUS製の直径8mmの芯金にニッケルメッキを施し、さらにプライマ−〔DY35−051(商品名)、東レダウコーニングシリコーン社製〕を塗布、焼付けしたものを用いた。ついで、軸芯体2を金型に配置し、液状シリコーンゴム材料〔SE6724A/B(商品名)、東レ・ダウコーニングシリコーン社製〕100部に対し、カーボンブラック〔トーカブラック#7360SB(商品名)、東海カーボン社製〕を35部、耐熱性付与剤としてシリカ粉体を0.2部、および白金触媒0.1部を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃、15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに温度180
℃、1時間加熱し硬化反応を完結させ、弾性層3を軸芯体2の外周に設けた。
次に、ポリウレタン原料U−1 200部に対し、カーボンブラック〔Specialblack4(商品名)、デグサジャパン社製〕23.0部及びアクリル樹脂A−1の4.4部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌した。次に総固形分比30質量%になるようにMEKに溶解混合し、横型連続式ビーズミル〔NVM−03(商品名)、アイメックス社製〕にて2時間分散し、分散液を得た。
さらに、この分散液を粘度7乃至10cpsにMEKで希釈後、前記弾性層上に浸漬塗工した後乾燥させ、温度150℃にて1時間加熱処理することで弾性層外周に膜厚約10μmの表面層を設け、現像ローラ1を得た。前述の方法で測定した現像ローラ1の表面硬度は37.0であった。
(現像ローラ2の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−2に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ2を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ3の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−3に変更し、ポリウレタン原料U−1をポリウレタン原料U−2に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ3を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ4の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−4に変え、ポリウレタン原料U−1をポリウレタン原料U−3に変えて、その含有率を0.1部に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ4を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ5の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−4に変え、ポリウレタン原料U−1をポリウレタン原料U−4に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ5を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ6の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−5に変え、ポリウレタン原料U−1をポリウレタン原料U−4に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ6を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ7の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−6に変え、ポリウレタン原料U−1をポリウレタン原料U−2に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ7を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ8の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−7に変え、ポリウレタン原料U−1をポリウレタン原料U−2に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ8を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ9の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−2に変え、ポリウレタン原料U−1をポリウレタ
ン原料U−5に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ9を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ10の合成例)
アクリル樹脂A−1をアクリル樹脂A−2に変え、ポリウレタン原料U−1をポリウレタン原料U−6に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ10を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
(現像ローラ11の合成例)
アクリル樹脂A−1の含有率を0部に変更し、ポリウレタン原料U−1をポリウレタン原料U−2に変更した以外は実施例1と同様にして、現像ローラ11を得た。
以上のようにして得られた現像ローラの表面硬度を測定した。
<樹脂成分のSP値の測定>
樹脂成分のSP値の測定は以下のようにして行った。
溶剤を完全に揮散させた樹脂サンプル0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlをホールピペットで加え、充分に撹拌溶解した。次に50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、白濁を生じた点の滴下量を測定した。
良溶媒としてはアセトン及び1,4−ジオキサンを、貧溶媒としてはn−ヘキサン及びイオン交換水を用いた。SP値δは次式のように計算した。測定は3回行い、平均値をSP値とした。
δ=(Vml1/2 δml+Vmh1/2 δmh)/(Vml1/2 +Vmh1/2 )
Vm =V1 V2 /(φ1 V2 +φ2 V1 )
δm =φ1 δ1 +φ2 δ2
Vi :溶媒のモル体積(ml/mol)
φi :濁点における各溶媒の体積分率
δi :各溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
[参考文献1]「J.P.S.A-1,5,1671-1681(1967),SUH CLARKE」
<現像ローラ表面硬度>
現像ローラの表面硬度は、マイクロゴム硬度計MD−1(高分子計器社製)を用い、気温25℃、相対湿度50%RH環境下、導電性樹脂層形成後の現像ローラの中央部、上端部、下端部3点を測定した平均値を用いた。
<現像ローラの弾性層との基材密着性評価>
表面層の弾性層との基材密着性については、気温25℃、相対湿度50%RHの環境下、現像ローラ表面に長さ20mm、幅4mmの切り込みを入れ、切り込み端部から剥がした際の、表面層または弾性層の凝集破壊を除く界面剥離の有無を観察した。
基材密着性を以下の基準で評価した。
A:表面層と弾性層の界面での剥離が全く認められない
B:剥離面積が5%未満
C:剥離面積が5%以上
<現像ローラの外観評価>
ローラ外観を以下の基準で評価した。
A:外観不良が全く認められない
B:極軽微なムラが認められる
C:顕著なムラや層分離が認められる
<定着試験>
キヤノン製レーザービームプリンタLBP5500の定着ユニットを定着温度が調整できるように改造した改造定着器によってプロセススピ−ド155mm/secで定着温度を110乃至250℃の範囲を1℃間隔で未定着トナー画像(0.5mg/cm)を受像紙(75g/m)にオイルレスで加熱加圧し、受像紙に定着画像を形成した。定着画像領域にある画像をハンデイ光沢計グロスチェッカ(商品名IG−310、堀場製作所製)を用いてグロス値を測定した。さらに、定着グロスが15.0±0.5になる温度を測定した。
<画像濃度測定>
画像濃度については、マクベス濃度計(RD−914;マクベス社製)を用いて、SPI補助フィルターを用い、低温低湿(L/L)(15℃/15%RH)、常温常湿(N/N)(25℃/60%RH)及び高温高湿(H/H)(32℃/80%RH)の環境下で出力した画像の定着画像部の画像濃度を測定した。
<耐久画像濃度測定>
以下に本発明のトナー及び現像ローラを、レーザービームプリンタに適用した例について説明する。
図8のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP5500のトナーカートリッジを用い、現像部にイエロートナーをコートした現像ローラとトナー250gを装填した。そして、低温低湿(15℃/15%RH)、常温常湿(25℃/60%RH)、高温高湿(32℃/80%RH)の環境下において10日間放置した後、トナーカ−トリッジにセットし、2%の印字比率の画像を15,000枚まで記録紙(75mg/cm)を用いてプリントアウトした。そして、初期と15,000枚出力時のベタ画像濃度の評価を、次の評価基準で行った。
ランクA : 1.45以上
ランクB : 1.44乃至1.40
ランクC : 1.39乃至1.35
ランクD : 1.34乃至1.30
ランクE : 1.29乃至1.25
ランクF : 1.24以下
<現像スジ評価>
現像スジは15,000枚印字後に得られたハーフトーン画像(トナー載り量0.30mg/cm)から、下記基準に従い評価した。
A:現像ローラ上にも、ハーフトーン部の画像上にも現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。実用上全く問題のないレベル。
B:現像ローラの両端に周方向の細いスジが1乃至5本あるものの、ハーフトーン部の画像上に現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。実用上全く問題のないレベル。
C:現像ローラの両端に周方向の細いスジが数本あり、ハーフトーン部の画像上にも細かい現像スジが数本見られる。しかし、画像処理で消せるレベルでの実用上問題のないレベル。
D:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に多数本の現像スジが見られ、画像処理でも消せない。
<カブリ>
「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、下記の基準で画像カブ
リを評価した。
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良好 (1.5%以上、2.5%未満)
C:実用可 (2.5%以上、4.0%未満)
D:実用不可 (4%以上)
H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定>
次の条件で測定した。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
データポイント:32768
周波数範囲:10,500Hz
積算回数 :10,000回
測定温度 :60℃
試料 :測定試料50mgを直径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒としてCDClを添加し、これを60℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
H−NMR測定による2重結合に由来するメチン基(−CH=CH−)のプロトンの存在比率の決定:
H−NMRスペクトルにおける4.6乃至4.9ppmのメチン基の水素(各1H相当)のシグナルと5.0乃至5.2ppmのメチン基の水素(各1H相当)のシグナルとの強度比、S4.6〜4.9/S5.0〜5.2を求める。
A:ピークあり
B:ピークなし
メタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
図8のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP5500のトナーカートリッジを用い、現像ローラ1とトナー(1−1)250gを装填した。そして、低温低湿(15℃/15%RH)、常温常湿(25℃/60%RH)、高温高湿(32℃/80%RH)の環境下にて2%の印字比率の画像を15,000枚までプリントアウトして、初期と15,000枚出力時の上記ベタ画像濃度の評価を行った。その結果を表8に示した。次に上記定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例2>
得られたトナー粒子1(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 75である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(1−2)を得た。その他トナー(1−2)の物性について測定し、その結果を表2に示した。
トナー(1−2)のメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性結果を表5に示した。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(1−2)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
次に定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例3>
得られたトナー粒子1(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 61である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(1−3)を得た。その他トナー(1−3)の物性について測定し、その結果を表2に示した。
トナー(1−3)のメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性結果を表5に示した。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(1−3)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
次に定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例4>
(トナー粒子2の製造例)
実施例1のスチレン系樹脂(1)をスチレン系樹脂(2)に変更し、ポリエステル系樹脂(1)をポリエステル系樹脂(2)に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子2を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子2(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(2−1)を得た。
得られたトナー(2−1)のメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性結果を表5に示した。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(2−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例5>
(トナー粒子3の製造例)
実施例1のポリエステル系樹脂(1)5部を0質量部、負荷電性制御剤1 0.5部を0.0部に変更し、負荷電性制御樹脂1を0.5部から1.0部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子3を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子3(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(3−1)を得た。このトナー(3−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(3−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ2とトナー(3−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例6>
(トナー粒子4の製造例)
実施例1のスチレン系樹脂(1)20部をスチレン系樹脂(3)20部、ポリエステル系樹脂(1)5部をポリエステル系樹脂(2)5部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子4を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子4(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(4−1)を得た。このトナー(4−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(4−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(4−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例7>
(トナー粒子5の製造例)
実施例1のフィッシャートロップシュワックス 11部をフィッシャートロップシュワックス 20部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子5を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子5(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(5−1)を得た。このトナー(5−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(5−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(5−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例8>
(トナー粒子6の製造例)
実施例1のスチレン系樹脂(1)20部をスチレン系樹脂(2)20部、フィッシャートロップシュ 11部をポリエチレンワックス 11部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子5を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子6(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(6−1)を得た。このトナー(6−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(6−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(6−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例9>
(トナー粒子7の製造例)
実施例1のスチレンモノマー 64.0部を83.0部、n−ブチルアクリレート 16.0部を17.0部、スチレン系樹脂(1)20部を0部、負荷電性制御剤1 0.5部を0.0部、負荷電性制御剤樹脂1 0.5部を1.0部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子7を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子7(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(7−1)を得た。このトナー(7−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(7−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(7−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例10>
(トナー粒子8の製造例)
実施例1の負荷電性制御剤1 0.5部を0部、負荷電性制御剤樹脂1 0.5部を1.0部に変更し、ジビニルベンゼン0.2部を加えた以外は実施例1と同様にしてトナー粒子8を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子8(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(8−1)を得た。このトナー(8−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(8−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(8−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例11>
(トナー粒子9の製造例)
実施例1のスチレンモノマー 64.0部を83.0部、n−ブチルアクリレート 16.0部を17.0部、スチレン系樹脂(1)20部を0部、ポリエステル系樹脂(1)
5.0部を0.0部、負荷電性制御剤1 0.5部を1.0部、負荷電性制御剤樹脂1
0.5部を0.0部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子9を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子9(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(9−1)を得た。このトナー(9−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(9−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(9−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の
画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例1>
(トナー粒子10の製造例)
実施例1のスチレン系樹脂(1)20部をスチレン系樹脂(2)20部、フィッシャートロップシュワックス 11部をポリプロピレンワックス 11部、負荷電性制御剤1 0.5部を10.0部、負荷電性制御剤樹脂1 0.5部を0.0部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子10を得た。原材料及び重合条件を表1に示す。
得られたトナー粒子10(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(10−1)を得た。このトナー(10−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(10−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(10−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例2>
(トナー粒子11の製造例)
実施例1のポリエステル系樹脂(1)5部をポリエステル系樹脂(3)10部、負荷電性制御剤1 0.5部を10.0部、負荷電性制御樹脂1 0.5部を0.0部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子11を得た。
得られたトナー粒子11(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(11−1)を得た。このトナー(11−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(11−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ2とトナー(11−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例3>
(トナー粒子12の製造例)
スチレン系樹脂(1) 60部
スチレン系樹脂(4) 40部
ポリエステル系樹脂(1) 5部
銅フタロシアニン顔料 6.5部
負荷電性制御剤1(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
0.5部
負荷電性制御樹脂1 0.5部
ワックス〔フィッシャートロプシュワックス(1)、吸熱メインピーク温度78℃〕
11部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後、130℃で二軸混練押出機によって溶融
混練を行い、混練物を冷却後、カッターミルで粗粉砕、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕して、更に風力分級機を用いて分級することによって、重量平均粒径5.8μmのトナー粒子12を得た。
得られたトナー粒子12(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(12−1)を得た。このトナー(12−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(12−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(12−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例4>
(トナー粒子13の製造例)
トナー粒子12の製造例のスチレン系樹脂(4)を(5)に変更した以外はトナー粒子11の製造例と同様にしてトナー粒子13を得た。
得られたトナー粒子13(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(13−1)を得た。このトナー(13−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(13−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(13−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例5>
(トナー粒子14の製造例)
スチレン系樹脂(1) 60部
スチレン系樹脂(4) 40部
ポリエステル系樹脂(1) 5部
銅フタロシアニン顔料 6.5部
負荷電性制御剤1(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
0.5部
負荷電性制御樹脂1 0.5部

ワックス〔フィッシャートロプシュワックス(1)、吸熱メインピーク温度78℃〕
11部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後、130℃で二軸混練押出機によって溶融混練を行い、混練物を冷却後、カッターミルで粗粉砕、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕して、更に風力分級機を用いて分級することによって、重量平均粒径5.8μmのトナー粒子14を得た。
得られたトナー粒子14(100部)に対して、BET法による比表面積が200m
/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(14−1)を得た。このトナー(14−1)の物性を表2に示す。
得られたトナー(14−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(14−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例6>
(トナー粒子15の製造例)
[樹脂微粒子分散液1の調整]
スチレン 360g
nブチルアクリレート 40g
アクリル酸 8g
ドデカンチオール 22g
4臭化炭素 2.5g
上記の材料を混合溶解したものを、非イオン性界面活性剤ノニポール400(商品名、東邦化学工業株式会社製)を7.2gおよびアニオン性界面活性剤ネオゲンSC(商品名、第一工業製薬株式会社製)を10.4gイオン交換水550.0gに溶解したものにフラスコ中で分散、乳化し10分ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム4.3gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換をおこなった。そののちフラスコを攪拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより、中心径145nm、ガラス転移点54℃、Mw12,000のアニオン性樹脂微粒子分散液1を得た。
[樹脂微粒子分散液2の製造]
スチレン 280g
nブチルアクリレート 120g
アクリル酸 7.0g
上記の材料を混合溶解したものを、非イオン性界面活性剤ノニポール400を7.2gおよびアニオン性界面活性剤ネオゲンSCを12.0gイオン交換水550.0gに溶解したものにフラスコ中で分散、乳化し10分ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム3.3gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換をおこなった。そののちフラスコを攪拌しながらオイルバスで内容物が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより、中心径100nm、ガラス転移点53℃、Mw50万のアニオン性樹脂微粒子分散液2を得た。
[着色剤分散液の製造]
銅フタロシアニン顔料 PV FAST BLUE (BASF) 20g
アニオン性界面活性剤ネオゲンSC 2.5g
イオン交換水 78g
上記の材料を混合し、本田電子(株)製超音波洗浄機W−113にて発振周波数28kHzで10分間分散して着色剤分散液を得た。このサンプルの粒度分布を堀場製作所(株)製粒度測定装置LA−700で測定したところ体積平均粒径は152nmであり、また1μmの粗大粒子は観察されなかった。
[離型剤分散液1の製造]
パラフィンワックスHNP0190(融点85℃ 日本精蝋) 200g
アニオン性界面活性剤ネオゲンSC 10g
イオン交換水 780g
上記の材料を95℃に加熱し、ゴーリンホモジナイザーで560×105 N/m2 の吐出圧力で乳化した後、急冷し、離型剤分散液を得た。このサンプルを堀場製作所(株)製粒度測定装置LA−700で測定したところ体積平均粒径は148nmであり、また0.8μm以上の粗大粒子は5%以下であった。
[トナー粒子の製造]
樹脂微粒子分散液1 230g
樹脂微粒子分散液2 30g
着色剤分散液 30g
離型剤分散液1 30g
サニゾールB50(一般名 花王株式会社製) 1.4g
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で1時間保持した後、ネオゲンSC3.1gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら105℃まで加熱し、3時間保持した。冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄を行い、トナー粒子15を得た。
得られたトナー粒子15(100部)に対して、BET法による比表面積が200m/g、疎水化度 81である疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m/g、疎水化度 62である酸化チタン0.1部を外添してトナー(15−1)を得た。
得られたトナー(15−1)のメタノール又はジアセトンアルコール水溶液に対するトナーの濡れ性の評価結果を表5に示す。
実施例1と同様に現像ローラ1とトナー(15−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例12>
実施例1と同様に現像ローラ2とトナー(1−2)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例13>
実施例1と同様に現像ローラ3とトナー(1−2)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例14>
実施例1と同様に現像ローラ4とトナー(1−2)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例7>
実施例1と同様に現像ローラ5とトナー(1−2)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例8>
実施例1と同様に現像ローラ6とトナー(1−2)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例9>
実施例1と同様に現像ローラ7とトナー(11−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例10>
実施例1と同様に現像ローラ8とトナー(11−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例11>
実施例1と同様に現像ローラ9とトナー(11−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<比較例12>
実施例1と同様に現像ローラ10とトナー(11−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
<実施例15>
実施例1と同様に現像ローラ11とトナー(1−1)をレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−5500)改造機のプロセスカ−トリッジにセットし、実施例1と同様の画像評価を行った。次に実施例1と同様の定着評価を行い、その結果も表8に示した。
Figure 2008299086
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Figure 2008299086
本発明のトナーのメタノール水溶液及びジアセトンアルコール水溶液滴下透過率曲線を示す図である。 本発明のトナーのTHF可溶分のGPCにより測定された分子量分布のチャートを示す図である。 図1のチャートにおいて、ピークの高さをh(M1)[mV]=1.00として換算したときの分子量分布のチャートを示す図である。 図2のチャートにおいて、3つの分子量領域の積分値S1、S2、S3を示す。 本発明のトナーの示差走査熱量計(DSC)により測定されたリバーシングヒートフロー曲線を示す図である。 本発明の現像ローラの一例を示す概念図である。 本発明の現像ローラの一例の断面を示す概念図である。 本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 液循環型浸漬塗工装置の一例を示す概念図である。
符号の説明
1:現像ローラ
2:軸芯体
3:弾性層
4:表面層
5:感光体
6:現像ローラ
7:トナー供給ローラ
8:トナー
9:規制ブレード
10:現像装置
11:レーザー光
12:帯電装置
13:クリーニング装置
14:クリーニング用帯電装置
15:定着装置
16:駆動ローラ
17:転写ローラ
18:バイアス電源
19:テンションローラー
20:転写搬送ベルト
21:従動ローラ
22:紙
23:給紙ローラ
24:吸着ローラ
25:浸漬槽
26:液送ポンプ
27:撹拌タンク
28:昇降装置

Claims (40)

  1. 表面にトナーを担持し、該トナーで静電潜像担持体に形成された静電潜像の現像を行う現像ローラを少なくとも有する現像装置を用いて現像する画像形成方法に用いられるトナーであって、
    該現像ローラは、芯体と、該芯体の周囲の弾性層と、該弾性層の外周の表面層とを有し、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とワックスとを含有するトナー粒子を有し、該結着樹脂はスチレン系樹脂であり、該トナーのメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度をDme体積%とし、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき、20.0≦Dme−Ddaa≦60.0の範囲内であり、該現像ローラ表面のDdaa体積%のジアセトンアルコール水溶液に対する接触角が、15.0゜以上55.0゜以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記トナーは無機微粉体を、トナー粒子100質量部に対して0.05乃至4.00質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーの示差走査熱量分析(DSC)によって測定される吸熱チャートにおいて、吸熱メインピークが、40乃至130℃の範囲にあり、該吸熱メインピークの熱量積分値Qがトナー1g当たり10乃至35Jであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記トナーのフローテスター昇温法による100℃粘度が15,000乃至40,000Pa・sであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分が16.0質量%未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記トナーの重量平均分子量が15,000乃至80,000であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記トナーの、個数基準の円相当径2μm以上の粒子における平均円形度が、0.970以上1.000以下であり、モード円形度が0.98以上1.00以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布のチャートにおいて、メインピークの分子量をM1とした場合の分子量の高さをH(M1)とし、分子量4,000の分子量の高さをH(4,000)としたとき、H(4,000)及びH(M1)がH(4,000):H(M1)=(0.100乃至0.950):1.00を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記トナー中のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPCにより測定される分子量分布のチャートにおいて、分子量が300乃至2,000の領域の積分値(S1)と、分子量2,000乃至15,000の領域の積分値(S2)と、分子量15,000乃至1,000,000の領域の積分値(S3)との比が、S1:S2:S3=(0.01乃至0.95):1.00:(1.00乃至8.00)であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 前記トナーはポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトナー。
  11. 前記トナーはビニル変性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 前記トナーが、二重結合を有する付加反応性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のトナー。
  13. 前記付加反応性樹脂の数平均分子量が500以上3,000以下であることを特徴とする請求項12に記載のトナー。
  14. 前記トナーは、硫黄元素含有重合体を結着樹脂100質量部当たり0.01乃至15.00質量部含有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 前記トナーのX線光電子分光分析により測定されるトナー表面に存在する炭素元素の含有量(C)と硫黄元素の含有量(S)の比(S/C)が0.0003≦S/C≦0.0050であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  16. 該現像ローラの前記表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)を含有し、樹脂(a)の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と樹脂(b)のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であること特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
    (a)ポリプロピレングリコールユニット及び/またはポリテトラメチレングリコールユニットを有し、架橋反応前のポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
    (b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下、重量平均分子量が30,000以上100,000以下であるアクリル樹脂。
  17. 該ポリエーテルポリウレタン樹脂が、ポリプロピレングリコールユニット及び/またはポリテトラメチレングリコールユニットを60質量%以上85質量%以下有することを特徴とする請求項16に記載のトナー。
  18. 該アクリル樹脂が、メタクリル酸メチル(MMA)ユニット及びスチレンユニットを少なくとも含有し、メタクリル酸メチル(MMA)ユニットとスチレンユニットのモル比の合計がアクリル樹脂に対して50モル%以上90モル%以下であるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項16又は17に記載のトナー。
  19. 該アクリル樹脂が、メタクリル酸メチル(MMA)ユニット、スチレンユニット、メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)ユニット、及びメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)ユニットを含有し、メタクリル酸メチル(MMA)ユニットとスチレンユニットのモル比の合計がアクリル樹脂に対して70モル%以上90モル%以下であるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載のトナー。
  20. 前記トナー粒子は、重合性単量体、着色剤を含有する単量体組成物を水系媒体中で造粒し、重合して製造されたものであることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載のトナー。
  21. 表面にトナーを担持し、該トナーで静電潜像担持体に形成された静電潜像の現像を行う
    現像ローラを少なくとも有する現像装置を用いて現像する画像形成方法であって、
    該現像ローラは、芯体と、該芯体の周囲の弾性層と、該弾性層の外周の表面層とを有し、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とワックスとを含有するトナー粒子を有し、該結着樹脂はスチレン系樹脂であり、該トナーのメタノール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度をDme体積%とし、ジアセトンアルコール及び水の混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長の光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのジアセトンアルコール濃度をDdaa体積%としたとき、20.0≦Dme−Ddaa≦60.0の範囲内であり、該現像ローラ表面のDdaa体積%のジアセトンアルコール水溶液に対する接触角が、15.0゜以上55.0゜以下であることを特徴とする画像形成方法。
  22. 前記トナーは無機微粉体を、トナー粒子100質量部に対して0.05乃至4.00質量部含有することを特徴とする請求項21に記載の画像形成方法。
  23. 前記トナーの示差走査熱量分析(DSC)によって測定される吸熱チャートにおいて、吸熱メインピークが、40乃至130℃の範囲にあり、該吸熱メインピークの熱量積分値Qがトナー1g当たり10乃至35Jであることを特徴とする請求項21または22に記載の画像形成方法。
  24. 前記トナーのフローテスター昇温法による100℃粘度が15,000乃至40,000Pa・sであることを特徴とする請求項21乃至23のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  25. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分が16.0質量%未満であることを特徴とする請求項21乃至24のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  26. 前記トナーの重量平均分子量が15,000乃至80,000であることを特徴とする請求項21乃至25のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  27. 前記トナーの、個数基準の円相当径2μm以上の粒子における平均円形度が、0.970以上1.000以下であり、モード円形度が0.98以上1.00以下であることを特徴とする請求項21乃至26のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  28. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布のチャートにおいて、メインピークの分子量をM1とした場合の分子量の高さをH(M1)とし、分子量4,000の分子量の高さをH(4,000)としたとき、H(4,000)及びH(M1)がH(4,000):H(M1)=(0.100乃至0.950):1.00を満足することを特徴とする請求項21乃至27のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  29. 前記トナー中のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPCにより測定される分子量分布のチャートにおいて、分子量が300乃至2,000の領域の積分値(S1)と、分子量2,000乃至15,000の領域の積分値(S2)と、分子量15,000乃至1,000,000の領域の積分値(S3)との比が、S1:S2:S3=(0.01乃至0.95):1.00:(1.00乃至8.00)であることを特徴とする請求項21乃至28のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  30. 前記トナーはポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項21乃至29のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  31. 前記トナーはビニル変性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項21乃至30のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  32. 前記トナーが、二重結合を有する付加反応性樹脂を含有することを特徴とする請求項21乃至31のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  33. 前記付加反応性樹脂の数平均分子量が500以上3,000以下であることを特徴とする請求項21乃至32のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  34. 前記トナーは、硫黄元素含有重合体を結着樹脂100質量部当たり0.01乃至15.00質量部含有することを特徴とする請求項21乃至33のいずれかに記載の画像形成方法。
  35. 前記トナーのX線光電子分光分析により測定されるトナー表面に存在する炭素元素の含有量(C)と硫黄元素の含有量(S)の比(S/C)が0.0003≦S/C≦0.0050であることを特徴とする請求項21乃至34のいずれかに記載の画像形成方法。
  36. 該現像ローラの前記表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)を含有し、樹脂(a)の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と樹脂(b)のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であること特徴とする請求項21乃至35のいずれかに記載の画像形成方法。
    (a)ポリプロピレングリコールユニット及び/またはポリテトラメチレングリコールユニットを有し、架橋反応前のポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
    (b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下、重量平均分子量が30,000以上100,000以下であるアクリル樹脂。
  37. 該ポリエーテルポリウレタン樹脂が、ポリプロピレングリコールユニット及び/またはポリテトラメチレングリコールユニットを60質量%以上85質量%以下有することを特徴とする請求項36に記載の画像形成方法。
  38. 該アクリル樹脂が、メタクリル酸メチル(MMA)ユニット及びスチレンユニットを少なくとも含有し、メタクリル酸メチル(MMA)ユニットとスチレンユニットのモル比の合計がアクリル樹脂に対して50モル%以上90モル%以下であるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項36又は37に記載の画像形成方法。
  39. 該アクリル樹脂が、メタクリル酸メチル(MMA)ユニット、スチレンユニット、メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)ユニット、及びメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)ユニットを含有し、メタクリル酸メチル(MMA)ユニットとスチレンユニットのモル比の合計がアクリル樹脂に対して70モル%以上90モル%以下であるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項36乃至38のいずれかに記載の画像形成方法。
  40. 前記トナー粒子は、重合性単量体、着色剤を含有する単量体組成物を水系媒体中で造粒し、重合して製造されたものであることを特徴とする請求項21乃至39のいずれか一項に記載の画像形成方法。
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