JP2014178527A - 乾式静電荷像現像用トナー - Google Patents

乾式静電荷像現像用トナー Download PDF

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Abstract

【課題】帯電性に優れると共に、外的要因や時間経過による、帯電性能の低下が起こらない、即ち帯電性能が耐久劣化せず、かつ低温定着性、耐固着性、耐熱保管性を向上させた乾式静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
【解決手段】トナーの主部を海とし、凸部を島とする海島構造の表面を有する乾式静電荷像現像用トナーであって、該主部が少なくとも結着樹脂、着色剤を含み、かつ該主部表面が帯電制御剤を含み、該凸部が少なくとも樹脂と帯電制御剤を含み、該凸部の長辺の長さの平均が0.1μm以上0.5μm未満であり、該凸部の長辺の長さの標準偏差が0.2以下であり、該凸部の被覆率が、10%〜90%であることを特徴とする乾式静電荷像現像用トナー。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成に用いられる乾式静電荷像現像用トナーに関する。
画像形成に用いられるトナーは、高帯電性が必要とされる。トナー主部の外側に、帯電性の優れた樹脂を被膜させたり、樹脂微粒子を付着させたり、帯電制御剤をトナー主部に添加させたりすることでトナーをより高帯電性にする技術が既に知られている。
しかし、今までのトナーでは外的要因や時間経過による帯電性能の低下(劣化)が発生する問題があった。
例えば特許文献1(特開2008−89918号公報)には、帯電制御剤の機能が十分に発揮されるトナーを提供すること、また、前記トナーを製造することができるトナーの製造方法を提供することを目的として、樹脂成分と着色剤とを含むコア領域と、前記コア領域の外周を被覆し、前記コア領域とは異なる組成のシェル領域とを有し、シェル中に帯電制御剤を分散させて帯電性の劣化耐久性を向上させる構成が開示されている。
シェル中に帯電制御剤を分散させているが、シェル領域はコア領域の外周を被覆しており、トナーの外的要因や時間経過による帯電性能の低下(劣化)という問題は程度は小さくしているものの根本的には解消できていない。
また、特許文献2(特開2011−81258号公報)には、帯電性、耐久性及び環境安定性に優れる重合トナー及び該トナーの製造方法を提供することを目的として、結着樹脂と、ハロゲン基を有するカリックスアレーンを含むトナー主部の表面に、ハロゲン基を有する帯電制御剤が存在する重合トナーが開示されている。ハロゲン基を有する帯電制御剤は、トナー主部の表面に存在しているが、トナー表面は凸部を形成しているという記載はなく、飽和時の帯電性の劣化防止は出来ているものの、立ち上がり帯電の維持という問題は根本的には解消できていない。
本発明は、帯電性に優れると共に、外的要因や時間経過による、帯電性能の低下(=トナー劣化)が起こらない、即ち帯電性能が耐久劣化せず、かつ低温定着性、耐固着性、耐熱保管性を向上させた乾式静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題は、少なくとも結着樹脂、着色材を含む乾式静電荷像現像用トナーにおいて、該トナーが主部と凸部より構成されていて、主部の表面に凸部を有し、この凸部において長辺の長さの平均が0.1μm以上0.5μm未満であり、凸部において長辺の長さの標準偏差が0.2以下であり、凸部の被覆率が、10%〜90%であり、凸部を構成する材料に少なくとも帯電制御剤と樹脂を含ませ、該トナー主部に少なくとも1種類以上の帯電制御剤を含ませることによって解決することができることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に記載する通りの乾式静電荷像現像用トナーに関する。
トナーの主部を海とし、凸部を島とする海島構造の表面を有する乾式静電荷像現像用トナーであって、
該主部が少なくとも結着樹脂、着色剤を含み、かつ該主部表面が帯電制御剤を含み、
該凸部が少なくとも樹脂と帯電制御剤を含み、
該凸部の長辺の長さの平均が0.1μm以上0.5μm未満であり、
該凸部の長辺の長さの標準偏差が0.2以下であり、
該凸部の被覆率が、10%〜90%である
ことを特徴とする乾式静電荷像現像用トナー。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー主部表面に特定の大きさの均一な凸部を設け、該凸部中に少なくとも帯電制御剤を含ませることで、低温定着性、耐固着性、耐熱保管性を保ったまま、トナー帯電性を向上させ、高品質な画像形成を達成することができる。またトナー主部に帯電制御剤を含ませることにより、表層に配置した凸部が経時変化および外的ストレスなどにより剥離、埋没しても、高帯電トナーとして存在することが出来る。結果として新品トナーも、劣化トナーも同じレベルの帯電を保つことが可能になる。
従って、外的要因や時間経過による、帯電性能の低下が起こらないトナーを提供することができる。
本発明におけるトナーの凸部の被覆率の計測方法を説明する図である。 (a)本発明におけるトナーの断面図である。(b)本発明における劣化トナーの断面図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略断面図である。 感光体を配設する作像形成部の構成を示す概略断面図である。 現像装置の構成を示す概略断面図である。 プロセスカートリッジの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明におけるトナーの凸部の長辺の長さを示す図である。
本発明の実施の形態を説明する。
(乾式静電荷像現像用トナー)
本発明の乾式静電荷像現像用トナー(以下、トナーとも称す)は、
トナーの主部を海とし、凸部を島とする海島構造の表面を有する乾式静電荷像現像用トナーであって、
該主部が少なくとも結着樹脂、着色剤を含み、かつ該主部表面が帯電制御剤を含み、
該凸部が少なくとも樹脂と帯電制御剤を含み、
該凸部の長辺の長さの平均が0.1μm以上0.5μm未満であり、
該凸部の長辺の長さの標準偏差が0.2以下であり、
該凸部の被覆率が、10%〜90%である。
本発明のトナーとしては、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を必須成分としたものを使用する。なお、トナーには、流動性や現像性、帯電性を補助するため必要に応じて、外添剤を添加したり、離型剤、可塑剤を含有したりしていてもよい。
トナー主部表面に分散体の構成樹脂および帯電制御剤からなる凸部を形成したトナーとすることで、低温定着性を保ったまま、帯電性、耐熱保管性を向上させ、また凸部の大きさを均一にすることで、均一かつ安定した帯電性、固着耐性を持ち、高品質な画像形成を達成することができる。
本発明のトナーは、図2(a)に示すように、トナーの凸部が帯電制御剤を含むことにより、帯電しやすく、高帯電性を有する。経時変化に伴うトナー劣化により図2(b)に示すように凸部が破損、剥離、埋没しても、トナー主部表面の帯電制御剤が帯電を保持させるので、帯電性能が低下しない。凸部形成によりトナーの比表面積が大きくなり帯電させやすい。完全被覆ではなく部分被覆にすることで、結着樹脂の熱特性を損なわずトナーの定着性、耐熱保存性に悪影響を与えずに、劣化時に母体表面を晒せることで、母体の帯電制御剤による帯電性能を出すことができる。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂などが挙げられる。また、異なる樹脂が化学的に結合したハイブリッド樹脂を使用してもよい。さらに、樹脂の末端もしくは側鎖に反応性官能基を導入し、トナーの製造過程において結合させることにより伸長させてもよい。これら1種を単独で使用することもできるが、大きさが均一な凸部を持つトナーを作製するためトナー主部を構成する結着樹脂は凸部を構成する樹脂と異なることが好ましい。
<トナー主部を構成する結着樹脂>
トナー主部を構成する結着樹脂としては、有機溶媒に少なくとも一部は溶解するようなものを用いるが、その酸価は2〜24mgKOH/gであるのが好ましい。酸価が24mgKOH/g以下であると、水相への移行が起こりにくくなり、その結果製造の過程で物質収支にロスが発生しにくくなる、あるいは油滴の分散安定性が悪化してしまうなどの問題が発生しにくくなる。またトナーの水分吸着性が低くなり、帯電能力が低下しにくいだけでなく、高温高湿環境での保管性も悪化しにくい。一方、酸価が2mgKOH/g以上になると、樹脂の極性が高くなるため、ある程度極性を有する着色剤を油滴内で均一に分散することが可能となる。
樹脂の種類としては特に限定はないが、電子写真における静電荷像現像用トナーとして用いる場合には、ポリエステル骨格を有する樹脂を用いることにより良好な定着性が得られるので好ましい。ポリエステル骨格を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂や、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマーがあるが、ポリエステル樹脂を用いたほうが得られるトナー粒子の均一性が高く好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられ、設計の自由度の観点からポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
ポリエステル樹脂のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000以上であると耐熱保存性が良好となり、30000以下であると静電荷像現像用トナーとしては低温定着性が良好となる。
また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は45〜70℃、好ましくは50〜65℃の範囲にあるのが良い。本発明のように主部を凸部で被覆する場合、高温高湿環境下で保管されたとき大気中の水分により凸部の樹脂が可塑化され、ガラス転移温度の低下を引き起こしかねない。トナー、またはトナーカートリッジの輸送中は40℃90%の高温高湿環境が想定され、得られたトナー粒子が一定圧力下に置かれたときに変形する、あるいはトナー粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなる可能性があるため45℃以上が好ましい。また70℃以下の場合、低温定着性が良好となるため好ましい。
<ポリオール>
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)と3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);
アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);
ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;
上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);
3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
<ポリカルボン酸>
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)と3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、または(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
<変性樹脂>
また、得られるトナー粒子の力学的強度を高めたり、先の力学的強度に加え定着時における高温オフセットを防止したりする目的で、油相中に末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を溶解してトナー粒子を得ても良い。変性樹脂を得る方法としては、イソシアネートを含有するモノマーとともに重合反応をしてイソシアネート基を有する樹脂を得る方法、末端に活性水素を有する樹脂を重合して得た後、ポリイソシアネートと反応させることでポリマー末端にイソシアネート基を導入する方法などが挙げられるが、末端にイソシアネート基を導入するという制御性から後者の方法が好ましく採用されうる。活性水素としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。変性樹脂の骨格としては、粒子の均一性を考慮すると有機溶媒に溶解する樹脂と同じものを用いるのが好ましく、ポリエステル骨格を有するものが良い。アルコール性水酸基をポリエステルの末端に有する樹脂を得る方法としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合において、ポリオールの官能基数をポリカルボン酸の官能基数よりも多めにして重縮合反応を行えばよい。
<アミン化合物>
変性樹脂のイソシアネート基は、水相中で油相を分散させ粒子を得る過程で加水分解をして一部はアミノ基となり、生成したアミノ基は未反応のイソシアネート基を反応していき、伸長反応が進行していく。上記の反応以外にも伸長反応を確実に反応させる、もしくは架橋点を導入する目的で、アミン化合物を併用することができる。アミン化合物(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の数がイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]の数の4倍以下、好ましくは2倍以下、より好ましくは1.5倍以下、さらに好ましくは1.2倍以下である。4倍を超えると、過剰のアミノ基がイソシアネートをブロックしてしまい変性樹脂の伸長反応が起きないため、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
(着色剤)
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤はトナーとして定着後に狙いの色が出せ、かつ定着性、保存性、造粒性を阻害しない範囲で用いればよい。着色剤の含有量は、ブラックはトナー100質量部に対して7〜9質量部が望ましく、他カラートナーでは5〜8質量部ほどが望ましい。所定量以内にすることにより望みの色彩を出すことができ、造粒性の点からも好ましい。
<着色剤のマスターバッチ化>
本発明で用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
<マスターバッチ作成方法>
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩、カリックスアレーン等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、E−108、E−304(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
凸部に含有される帯電制御剤は、少なくともフェラート骨格を有する帯電制御剤が好ましい。フェラート骨格は、化学式
で表される骨格であり、R同士は同一でも異なっていてもかまわない。
凸部に不飽和な帯電制御剤を用いることで、帯電させやすくなる。
フェノラート骨格を有する帯電制御剤としては、フェノール骨格を有するカリックスアレーンが該当する。
また、主部に含有される帯電制御剤としてもカリックスアレーンが好ましく、特にハロゲン化カリックスアレーンが好ましい。
ハロゲン化カリックスアレーンとは、カリックスアレーン分子中に弗素、塩素、臭素、もしくは沃素が含まれている化合物の総称である。それら元素は分子鎖中でも包接状態でもよい。電気陰性度の大きなハロゲン元素が化合物中に含むことで、より負帯電を付与することが出来る。
カリックスアレーンはトナー表層に配置することができ、かつ帯電能力が高い。特にハロゲン化カリックスアレーンは帯電能力が高く好ましい。
カリックスアレーンとしては構成単位がフェノールの誘導体であるものを含め、公知のものが全て使用でき、例えば構成単位としては、フェノール系誘導体、レゾルシノール系誘導体、ピロガロール系誘導体などの誘導体や、ピロール系誘導体、チオール系誘導体などの複素環式五員環芳香族化合物系誘導体等である。それぞれ、一般にカリックスアレーン、レゾルシンアレーン、ピロガロールアレーン、カリックスピロール、カリックスチオールなどと呼ばれるが、本文中ではこれら誘導体全て包括してカリックスアレーンと呼ぶこととする。本発明で使用できるカリックスアレーンの構成単位は上記誘導体群のうち、一種類またはそれ以上の組み合わせであり、構成単位はメチレン基、エチレン基、などのパラフィン鎖や、メトキシ基、エトキシ基、メトキシメチル基などの酸素原子が含まれるオキシパラフィン鎖や、硫黄原子などのうち少なくとも1種類によりブリッジされてカリックスアレーンを構成する。カリックスアレーンの構成単位の数として制限はないが、分散性、溶解性の観点より、4〜16、好ましくは4〜8が良い。カリックスアレーンにはいくつかの立体配座を取るが、コーン型、または全てのオルタネート型を問わない。トナーの表層に配置でき、かつ効果的に帯電制御を行えることから、トナー主部に添加することにおいては、帯電制御剤の中でも特にカリックスアレーンを用いることが好ましい。帯電制御剤はその性能を発現し定着性などへの阻害がない範囲の量で用いられればよく、凸部を除いた状態での換算として、トナー中に0.5〜5質量%、好ましくは0.8〜3質量%含まれるのが良い。
凸部中の帯電制御剤の量としては、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜2.5質量%、より好ましくは0.15〜2質量%が良い。0.01質量%以上とすることにより十分に帯電制御剤の効果が発揮することができ、また5%質量以下とすることにより、凸部用樹脂微粒子の製造を行いやすくなるので好ましい。
主部表層に帯電制御剤が多く偏在していることが帯電性として好ましい。一辺200nmの正方形の対角上にトナー断面の輪郭線が重なるようにした際の該正方形中におけるトナーのハロゲン濃度が、トナーの中心の一辺3μm正方形中のハロゲン濃度の500倍以上50000倍以下であると、主部表層に帯電制御剤が適度に濃縮されているため好ましい。500倍以上であると、効果的帯電付与を行うことができる。また50000倍以下であると表層に帯電制御剤が適度に濃縮された状態となり、凸部を主部に付着させることを阻害することがないので好ましい。
(離型剤)
また、本発明の乾式静電荷像現像用トナーは、定着離型性を高める目的で主部に離型剤を含有しても良い。離型剤としては、ワックスやシリコーンオイルなどの、定着プロセスで加熱されたときに十分に粘度が低く、かつトナー粒子のほかの物質とも定着部材表面に相溶あるいは膨潤しにくい物質が使用される。トナー粒子そのものの保存安定性を考えると、通常保管時にトナー粒子中で固体として存在するワックスを用いるのか好ましい。
ワックスとしては、長鎖炭化水素、カルボニル基含有ワックスなどがあり、長鎖炭化水素としては、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);石油系ワックス(パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックスなど);のほか、フィッシャートロプシュワックスも挙げられる。
カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
この中で、特に離型性がよい長鎖炭化水素が好ましい。さらに、長鎖炭化水素を離型剤として用いる場合、カルボニル基含有ワックスを併用してもよい。離型剤はトナー粒子中に2〜25質量%、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは4〜15質量%含まれているのが良い。2質量%以上であると、定着離型性向上効果が発揮され、また25質量%以下であるとトナー粒子の機械強度が高くなる。
(凸部樹脂用微粒子)
本発明における凸部樹脂用微粒子は、水系媒体中に分散されたものを用いることができる。凸部樹脂用微粒子を構成する樹脂としてはビニル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂等が挙げられる。この中で水系媒体に分散した凸部用樹脂微粒子を簡便に得られることからビニル系樹脂が好ましい。ビニル系凸部樹脂用微粒子の水系分散体を得る方法としては、乳化凝集法、懸濁重合法、分散重合法など公知の重合法もよれば良い。この中で、今回の発明に適した粒径の粒子を得られやすい乳化重合法が特に好ましい。
(ビニル系凸部樹脂用微粒子)
本発明に用いられるビニル系凸部樹脂用微粒子は、少なくともスチレン系モノマーからなるモノマー混合物を重合させて得られるビニル系樹脂が好ましく、凸部は、該ビニル系樹脂と少なくとも1種類の帯電制御剤を有することが好ましい。帯電制御剤としては凸部樹脂用微粒子以外の前記樹脂部分同様、公知のもの全てが使用できる。
本発明の静電荷像現像用トナーを帯電することにより機能する粒子として用いるためには、トナー粒子表面は帯電しやすい構造を有しているのがよく、そのためには芳香環構造のように電子を安定に存在できるような電子軌道を持つスチレン系モノマーがモノマー混合物のうち50〜95質量%、好ましくは80〜95質量%、より好ましくは90〜95質量%用いられるのが良い。スチレン系モノマーが50質量%以上であると、得られたトナー粒子の帯電性が向上する。95%を超えると樹脂との親和性が悪化することがあるため、若干量のアクリル酸エステルを含むことが好ましい。
なおアクリル酸エステルは以下の化学式で表される化合物の総称であり、Rは任意の置換基を示す。
ここで、スチレン系モノマーというのは、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物のことを指す。重合可能な官能基としては、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
具体的なスチレン系モノマーとしては、スチレン、αメチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−カルボキシスチレンもしくはその金属塩、4−スチレンスルホン酸もしくはその金属塩、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート等が挙げられる。この中では、入手が容易で反応性に優れ帯電性の高いスチレンを主に用いるのが好ましい。
また、本発明に用いられるビニル系樹脂には、酸モノマーがモノマー混合物のうち0〜7質量%、好ましくは0〜4質量%使用するのがよく、より好ましくは酸モノマーを使用しないのが良い。酸モノマーが7質量%を超えて使用されると、得られるビニル系凸用樹脂微粒子はそれ自身の分散安定性が高いため、油滴が水相中に分散された分散液中にこのようなビニル系凸用樹脂微粒子を添加しても、常温では付着しにくいか、付着をしても脱離しやすい状態にあり、溶媒除去、洗浄、乾燥、外添処理を行う過程で容易に剥がれてしまう。さらに、酸モノマーの使用量が4質量%以下にすることで、得られるトナー粒子が使用される環境によって帯電性の変化が少なくすることができる。
ここで、酸モノマーというのは、ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物のことをいい、酸基としては、カルボキシル酸、スルホニル酸、ホスフォニル酸などが挙げられる。
酸モノマーとしては、例えばカルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩((メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸等)、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びこれらの塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などがある。この中では、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキルが好ましい。
一方、トナー主部との相溶性を制御のためアクリル酸エステルを含んでいてもよい。アクリル酸エステルはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチルなどの直鎖系や、アクリル酸イソプロピルなどの分鎖系、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ビフェニルなどのベンゼン環を含むアクリル酸エステルでもよい。これらアクリル酸エステルは全体の1〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%が望ましい。30質量%以下であると、耐熱保管性が良くなるため好ましい。1質量%以上であると、主部との親和性が良くなるため好ましい。
ビニル系凸用樹脂微粒子を得る方法としては特に限定されないが、以下の(a)〜(f)が挙げられる。
(a)モノマー混合物を懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により反応させ、ビニル系凸用樹脂微粒子の分散液を製造する。
(b)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって凸用樹脂微粒子を製造する。
(c)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより凸用樹脂微粒子を製造する。
(d)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより凸用樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して凸用樹脂微粒子を製造する。
(e)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する。
(f)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する。
この中で、製造が容易であり、凸用樹脂微粒子を分散液として得られることから次工程への適用がスムーズに行うことができる(a)の方法が好ましい。
(a)の方法において、重合反応を行う際には、水系媒体中に分散安定剤を添加する、もしくは重合反応を行うモノマー中に、重合してできた凸用樹脂微粒子の分散安定性を付与できるようなモノマー(いわゆる反応性乳化剤)を添加する、またはこれら2つの手段を併用し、できあがったビニル系凸用樹脂微粒子の分散安定性を付与するのがよい。分散安定剤や反応性乳化剤を使用しないと、粒子の分散状態を維持できないためにビニル系樹脂を微粒子として得ることができなかったり、得られた凸用樹脂微粒子の分散安定性が低いために保存安定性に乏しく保管中に凝集してしまったり、あるいは後述の凸用樹脂微粒子付着工程での粒子の分散安定性が低下するために、芯粒子同士が凝集・合一しやすくなり最終的に得られるトナー粒子の粒径や形状・表面などの均一性が悪くなるため好ましくない。
分散安定剤としては、界面活性剤、無機分散剤などが挙げられ、界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
ビニル系樹脂の重量平均分子量は3,000〜300,000、このましくは4,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000の範囲が良い。重量平均分子量が3,000に満たないと、ビニル系樹脂の力学的強度が弱く脆弱であるため、最終的に得られるトナー粒子の使用状況によってトナー粒子表面が容易に変化してしまい、例えば帯電性の著しい変化や周辺部剤への付着などの汚染、それに伴う品質問題の発生を引き起こすため好ましくない。また、300,000を超えるような場合、分子末端が少なくなるため芯粒子との分子鎖の絡み合いが少なくなり、芯粒子への付着性が低下するため好ましくない。
また、ビニル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、45〜100℃、好ましくは55〜90℃、より好ましくは65〜80℃が良い。高温高湿環境下で保管されたとき、大気中の水分により凸部の樹脂が可塑化され、ガラス転移温度の低下を引き起こしかねない。トナー、またはトナーカートリッジの輸送中は40℃90%の高温高湿環境が想定され、得られたトナー粒子が一定圧力下に置かれたときに変形する、あるいはトナー粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなることを防ぐため45℃以上が好ましい。また、1成分現像に用いる場合、摩擦に対する耐久性が低下するのを防ぐため45℃以上が好ましい。100℃以下とすることにより定着性の悪化を防ぐことができるため好ましい。
(外添剤)
外添剤としては、公知の無機微粒子および高分子系微粒子を好ましく用いることができる。この外添加剤の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この外添加剤の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
高分子系微粒子としては、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン(登録商標)などの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
(トナーの製造方法について)
トナーの製造方法は、特に限定されないが、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法等の公知の湿式造粒法、粉砕法などが挙げられる。粒径制御や形状制御のしやすさから、溶解懸濁法、乳化凝集法(乳化重合法)が好ましい。
乳化法、懸濁重合法により核となるトナー主部を得る場合、それぞれの公知の方法にて核となるトナー主部を得た後の工程で凸用樹脂微粒子を系中に添加し、核となるトナー主部表面に凸用樹脂微粒子を付着・融着させる。付着・融着を促進させるために加熱を行っても良い。また、金属塩を添加することも付着・融着を促す上で有効である。
(油相作成工程)
有機溶媒中に結着樹脂、着色剤などを溶解あるいは分散させた油相を作成する方法としては、有機溶媒中に攪拌をしながら結着樹脂、着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
前述のように着色剤のマスターバッチ化も手段の一つであり、同様の方法を離型剤や帯電制御剤に展開することもできる。
また別の手段として、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、着色剤、離型剤、帯電制御剤を湿式で分散を行い、ウエットマスターを得ることも可能である。
さらに別の手段として、有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い、一旦溶解させた後、攪拌もしくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行っても良い。
以上の手段を用いて分散された着色剤、離型剤、帯電制御剤は、有機溶媒中に樹脂とともに溶解あるいは分散された後、さらに分散を行っても良い。分散に際しては公知のビーズミルやディスクミルなどの分散機を用いることができる。
<有機溶剤>
有機溶剤は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性は高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
(トナー主部作製工程)
少なくとも界面活性剤を有する水系媒体中に前述の工程で得られた油相を分散させ、油相からなるトナー主部が分散した分散液を作成する方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。5分を超えて分散を行うと、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがあるので好ましくない。分散時の温度としては、通常、0〜40℃、好ましくは10〜30℃である。40℃を超えると分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなるため好ましくない。また、0℃未満になると分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下する。界面活性剤は、前述の凸用樹脂微粒子の製造法に関する説明で記載したものと同じものが使用できるが、溶媒を含む油滴を効率よく分散するためには、HLBが高めのジスルホン酸塩のものが好ましい。界面活性剤は、水系媒体中での濃度が1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは3〜7質量%の範囲にあるのが良い。10質量%を超えると、油滴が小さくなりすぎたり、逆ミセル構造を形成して逆に分散安定性が低下して油滴の粗大化が発生したりするため好ましくない。また1質量%未満では油滴の分散を安定に行うことができずに油滴が粗大化してしまうため好ましくはない。
<水系媒体>
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
<界面活性剤>
水系媒体中に油相を分散させて液滴を作成するために界面活性剤が用いられる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
<無機分散剤>
上記水系媒体中に、トナー組成物の溶解物または分散物を、無機分散剤または樹脂微粒子の存在する中分散させてもよい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
<保護コロイド>
高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
(凸部樹脂の形成方法)
本件発明でいう凸部とは、トナー母体表面が持つ隆起した部分であり、その先端は表面張力により球形に近い形状になる傾向がある。凸部の融着の仕方は限定されず、例えば球体でその一部が埋没している形状、半球状で表面に融着している形状が挙げられる。
凸部の形成方法としては、少なくとも結着樹脂と着色剤を有する核となるトナー主部に別途少なくとも樹脂からなる凸用樹脂微粒子を付着・融着させる方法が挙げられる。核となるトナー主部と凸用樹脂微粒子との付着・融着を効率よく行わせるためには、水系媒体中にこれらの粒子を分散させ、分散安定剤を制御しながら行うのが良い。
ここで、凸部の形状及び均一性を決定するのは、水系媒体中の界面活性剤の存在割合、凸用樹脂微粒子の組成、融着工程のタイミングである。
溶解懸濁法を用いる場合、上記方法によっても良いが、有機溶媒中に核となるトナー主部の構成材料を溶解もしくは分散した油相を水系媒体中に分散させた状態において、凸用樹脂微粒子を添加して油相液滴の表面に凸用樹脂微粒子を付着・融着させた方が核となるトナー主部(以下芯粒子とも称す)と凸用樹脂微粒子が強固に付着・融着できるため好ましい。トナー芯粒子作製工程中に凸用樹脂微粒子を添加すると、凸部が粗大、不均一になるため好ましくない。
得られたトナー主部分散液は、攪拌を行っている間は安定に芯粒子の液滴を存在させておくことができる。その状態に前記凸用樹脂微粒子分散液を投入してトナー主部上に付着させる。ビニル系凸用樹脂微粒子分散液の投入は、30秒以上かけて行うのが良い。30秒未満で投入を行うと、分散系が急激に変化するために凝集粒子が発生したり、ビニル系凸用樹脂微粒子の付着が不均一になったりするため好ましくない。一方闇雲に長い時間、例えば60分を超えて添加するのは生産効率の面から好ましくはない。
ビニル系凸用樹脂微粒子分散液は、芯粒子分散液に投入する前に、適宜濃度調整のために希釈あるいは濃縮しても良い。ビニル系凸用樹脂微粒子分散液の濃度は、5〜30質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましい。5質量%未満では、分散液の投入に伴う有機溶媒濃度の変化が大きく、凸用樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。また30質量%を超えるような場合、凸用樹脂微粒子が芯粒子分散液中に偏在しやすくなり、その結果凸用樹脂微粒子の付着が不均一になるため避けたほうが良い。
また、油相液滴を製造する場合の界面活性剤の質量は、水相全体の質量に対して7%以下、好ましくは6%以下、より好ましくは5%以下がよい。界面活性剤の質量が水相全体の質量に対して7%以上となると、凸部の長辺長さの均一性が著しく低下するため好ましくない。
本発明の方法によって芯粒子に対してビニル系凸用樹脂微粒子が十分な強度で付着するのは、ビニル系凸用樹脂微粒子が芯粒子の液滴に付着したときに、芯粒子が自由に変形できるためにビニル系凸用樹脂微粒子界面と接触面を十分に形成すること、および、有機溶媒によってビニル系凸用樹脂微粒子が膨潤もしくは溶解し、ビニル系凸用樹脂微粒子と芯粒子内の樹脂とが接着しやすい状況になることだと思われる。したがって、この状態において有機溶媒は系内に十分に存在することが必要である。具体的には、芯粒子分散液の状態において、固形分(樹脂、着色剤、および必要に応じて離型剤、帯電制御剤など)に対して50質量%〜150質量%、好ましくは70質量%〜125質量%の範囲にあるのがよい。150質量%を超えると、一度の製造工程で得られるトナー粒子が少なくなり生産効率が低いこと、また有機溶媒が多いと分散安定性が低下して安定した製造が難しくなることなどから好ましくない。
芯粒子にビニル系凸用樹脂微粒子を付着するときの温度としては、10〜60℃、好ましくは20〜45℃である。60℃を超えると、製造に必要なエネルギーが増大するために製造環境負荷が大きくなることに加え、低酸価のビニル系凸用樹脂微粒子が液滴表面に存在することもあり分散が不安定になり粗大粒子が発生するおそれもあるため好ましくない。一方10℃未満では分散体の粘度が高くなり、凸用樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。
トナーの全質量のうち凸用樹脂微粒子を構成する樹脂の質量が占める割合は1%〜20%、好ましくは3%〜15%、より好ましくは5%〜10%である。1%以上であるとその効果が十分に発揮され、20%以下であると、過剰となった凸用樹脂微粒子がトナー芯粒子に弱く付着しフィルミング等の原因となるのを防ぐことができる。
このほかにトナー粒子母体と凸用樹脂微粒子を混合攪拌し、機械的に付着、被覆させる方法がある。
<脱溶剤工程>
得られたトナー粒子分散体から有機溶剤を除去するためには、系全体を攪拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
あるいはまた、得られたトナー粒子分散体を攪拌しながら乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の有機溶剤を完全に除去することも可能である。もしくは、トナー粒子分散体を攪拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去しても良い。後の2つの手段は、最初の手段と併用することも可能である。
乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
<熟成工程>
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜65℃、好ましくは35〜50℃である。
<洗浄工程>
上記の方法で得られたトナー粒子の分散液には、トナー粒子のほか、界面活性剤などの分散剤などの副材料が含まれているため、これらからトナー粒子のみを取り出すために洗浄を行う。トナー粒子の洗浄方法としては、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などの方法があるが、本発明においては特に限定されるものではない。いずれの方法によってもトナー粒子のケーキ体が得られるが、一度の操作で十分に洗浄できない場合は、得られたケーキを再度水系溶媒に分散させてスラリーにして上記のいずれかの方法でトナー粒子を取り出す工程を繰り返しても良い。また、減圧濾過法やフィルタープレス法によって洗浄を行うのであれば、水系溶媒をケーキに貫通させてトナー粒子が抱き込んだ副材料を洗い流す方法を採っても良い。この洗浄に用いる水系溶媒は水あるいは水にメタノール、エタノールなどのアルコールを混合した混合溶媒を用いるが、コストや排水処理などによる環境負荷を考えると、水を用いるのが好ましい。
<乾燥工程>
洗浄されたトナー粒子は水系媒体を多く抱き込んでいるため、乾燥を行い水系媒体を除去することでトナー粒子のみを得ることができる。乾燥方法としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などの乾燥機を使用することができる。乾燥されたトナー粒子は最終的に水分が1%未満になるまで乾燥を行うのが好ましい。また、乾燥後のトナー粒子は軟凝集をしており使用に際して不都合が生じる場合には、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサーなどの装置を利用して解砕を行い、軟凝集をほぐしても良い。
(トナーの粒径について)
本発明のトナーにおいて均一で十分な帯電をするためには、トナーの体積平均粒径が3〜9μm、好ましくは4〜8μm、より好ましくは4〜7μmの範囲にあることが好ましい。3μm未満ではトナー付着力が相対的に増大し、電界によるトナー操作性が落ちるため好ましくない。また、9μmを超える場合は、細線の再現性など画像品位が低下する。
また、前記トナーの体積平均粒径と個数平均粒径の比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.17以下がさらに好ましい。1.25を超えると、トナーの粒径の均一性が低いため凸部の大きさにバラつきが生じやすい。また、繰り返すうちに粒径の大きなトナーもしくは場合によっては小さなトナーが消費され、現像装置内に残存するトナーの平均粒径が変化するため、残存したトナーを現像するための最適な現像条件がずれてしまい、その結果、帯電不良、搬送量の極端な増加もしくは減少、トナー詰まり、トナーこぼれなど諸現象が発生しやすくなる。
トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上ないし40.30μm未満の粒子を対象とする。
(トナーの形状について)
トナーの平均円形度は0.930以上、好ましくは0.950以上、さらに好ましくは0.970以上とするのがよい。平均円形度が0.930未満であると、トナーの流動性が低いため現像における不具合を起こしやすく、また転写効率も低下する。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000により測定される。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状および分布を測定することによって得られる。
湿式造粒法で製造されたトナーの場合、イオン性のトナー構成材料が表面近傍に偏在するため、トナー表層が比較的低抵抗となる結果、トナーの帯電速度が大きくなり帯電立ち上がり性が向上するが、帯電保持性が乏しく、即ちトナー電荷量が急速に減衰しやすいという問題を有する。これを改善するために、例えば表面改質材をトナー表面に担持させる方法が挙げられる。
(トナー主部表層の帯電制御剤(CCA)存在割合について)
主部中の帯電制御剤の存在割合は、走査型電子顕微鏡(HITACHI S-4800 Scanning Electron Microscope)、エネルギー分散型エックス線解析装置(EDAX 204B)によりEDS分析によりサンプルを測定し、例えば臭素等の帯電制御剤に含まれる炭素、水素、酸素原子以外から構成される元素に対してのマッピングを行って評価した。測定条件は、加速電圧20kVにて測定し、倍率10,000倍でマッピングを行った。ミクロトームにて超薄切片トナー断面を作成して断面観察を行った。具体的には、トナー母体をエポキシ樹脂に包埋したのち、クライオミクロトームを用いて切片を出し約100nmに超薄切片測定サンプルにする。一辺200nmの正方形の対角上にトナー断面の輪郭線が重なるようにした時の、その正方形中の臭素等のマッピングされたドット数と、トナー中心部(断面図の重心)の一辺3μmの正方形中の臭素等のマッピングされたドット数をカウントし、単位面積当たりの比を算出することで、どのくらい表層に帯電制御剤が濃縮されているか評価した。
主部表面に存在することの確認として、帯電制御剤に含まれる炭素、水素、酸素原子以外から構成される元素に対してマッピングが可能であり、帯電制御剤に含まれていれば元素種類を問わない。
(ビニル系凸用樹脂微粒子の粒径測定)
凸用樹脂微粒子の粒径はUPA−150EX(日機装社製)を用いて測定を行った。
凸用樹脂微粒子の粒径は50〜200nm、好ましくは80〜160nm、より好ましくは100〜140nmが良い。50nm未満であるとトナー表面に十分な大きさの凸部を形成させるのが困難であり、また200nmを超えると凸部が不均一になりやすいので好ましくない。また、体積平均粒径と個数平均粒径の比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.17以下がさらに好ましい。1.25を超えると、凸用樹脂微粒子の粒径の均一性が低いため凸部の大きさにバラつきが生じやすい。
(分子量測定(GPC))
樹脂の分子量測定は、GPC(gel permeation chromatography)によって、以下の条件で測定した。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1mL注入した。
以上の条件で測定した樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して樹脂の数平均分子量および重量平均分子量を算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
(ガラス転移温度(Tg)測定(DSC))
Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
(固形分濃度測定)
油相の固形分濃度の測定は以下のようにして行った。
あらかじめ質量が正確に秤量されたアルミ皿(1〜3g程度)の上に、油相2g程度を30秒以内に乗せ、乗せた油相の質量を正確に秤量する。これを150℃のオーブンに1時間入れ溶媒を蒸発させた後、オーブンから取り出し放置冷却し、アルミ皿と油相固形分を合わせた質量を電子天秤で測定する。アルミ皿と油相固形分を合わせた質量からアルミ皿の質量を引いて油相固形分の質量を算出し、それを乗せた油相の質量で除して油相の固形分濃度を算出する。また、油相中の固形分に対する溶媒の量の割合は、油相の質量から油相固形分の質量を引いた値(溶媒の質量)を油相固形分の質量で除した値である。
(酸価測定)
樹脂の酸価はJIS K1557−1970に準じて測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
試料の粉砕品約2gを精秤する(W(g))。
200mlの三角フラスコに試料を入れ、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間溶解した後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加える。
0.1規定の水酸化カリウムアルコール溶液を用いて上記溶液をビュレットを用いて滴定する。この時のKOH溶液の量をS(ml)とする。ブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB(ml)とする。
次式により酸価を計算する。
酸価=〔(S−B)×f×5.61〕/W
(f:KOH溶液のファクター)
(凸部樹脂の長辺と被覆率について)
トナーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行い、得られたSEM画像から凸部の長辺の長さとトナーに対する凸部の被覆率を求める。
以下図1に基づいて凸部の長辺と標準偏差、及び被覆率の算出方法について説明する。
<被覆率>
・トナーに接する平行する2線の最短長さを求め、それぞれの接点をA、Bとする。
・その線分ABの中点Oを中心として線分AOの長さを直径とする円の面積と、その円内に含まれる凸部の面積からトナーに対する凸部の被覆率を算出する。
・100個以上のトナー粒子に対して上記方法で被覆率を計算し、平均値を求める。
<長辺の平均長さ>
・100個以上のトナー粒子について100個以上の凸部の長辺の長さを計測することで求める。
・長辺の長さとは、図7のように凸部を挟む2本の平行線分を引く。それぞれの線分が凸部輪郭と初めて接触した位置同士の、線分間の距離を凸部の辺とする。凸部、辺のうち、最も辺が長くなるような辺を凸部の長辺と定義する。
・凸部の面積、凸部の長辺の計測には画像解析式粒度分布測定ソフトウェア“Mac−View”(マウンテック社製)を用いた。
<標準偏差>
100個の以上の凸部の長辺の長さ x1, x2, ...,からなる母集団の相加平均mを
と定義する。この時、母平均を使って以下のようにして得られる量:
を母分散と定義する。この母分散の正の平方根σを標準偏差と定義する。
凸部の長辺の平均長さは、0.1μm以上であって、0.5μm未満、好ましくは0.3μm以下であることが望ましい。0.5μm以上となると、表面の凸部が疎らになり表面改質の効果が得られない。また、平均長さの標準偏差が0.2以下、好ましくは0.1以下が望ましい。標準偏差が0.2を超えると表面の不均一さに起因する不具合が生じる。
被覆率は10%〜90%、好ましくは40%〜80%、より好ましくは50%〜70%である。被覆率が10%未満となると、地肌汚れ、耐熱保管性が不十分となる。また、90%を超えると低温定着性が悪化する。
<帯電制御剤粒径>
凸部中の帯電制御剤の粒径は、走査型電子顕微鏡(HITACHI S-4800 Scanning Electron Microscope)、エネルギー分散型エックス線解析装置(EDAX 204B)によりEDS分析によりトナーを測定し、帯電制御剤の中心金属のマッピングを行って評価した。
測定条件は、加速電圧20kVにて測定し、倍率10,000倍でマッピングを行った。マッピングドットの連続している部分中、最も遠い二点間距離の半分をそのサンプルの粒径とした。凸部を真円と仮定し、その直径線を弾き、その直径線上にあるサンプルのマッピングドットに対し、すべて上記の粒径測定を行い、その平均値を凸部中の帯電制御剤の 粒径とした。
本発明の乾式静電荷像現像用トナーの帯電量は、該トナー45〜55gとアルミナビーズ(φ=10mm)70〜90gとをポリエチレン製の円柱状容器に入れ、140〜160rpmの速度で容器を44時間ロールミルで回転させて攪拌して作製した劣化トナーの帯電量の、95%〜120%とすることができ、帯電性の低下が起こりにくい。
<画像形成装置・画像形成方法>
本発明の画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、潜像を可視像化するトナーと、潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し現像する現像手段と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体上の可視像を定着させる定着手段と、を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、帯電した潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光工程と、潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像し、可視像化する現像工程と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体上の可視像を定着させる定着工程と、を有し、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像の形成は、例えば前記潜像担持体の表面を帯電手段により一様に帯電させた後、露光手段により像様に露光することにより行なうことができる。前記現像による可視像の形成は、現像剤担持体としての現像ローラ上にトナー層を形成し、現像ローラ上のトナー層を潜像担持体である感光体ドラムと接触させるように搬送することにより、感光体ドラム上の静電潜像を現像することでなされる。トナーは、撹拌手段により攪拌され、機械的に現像剤供給部材へ供給される。現像剤供給部材から供給され、現像剤担持体に堆積したトナーは、現像剤担持体の表面に当接するよう設けられた現像剤層規制部材を通過することで均一な薄層に形成されるとともに、さらに帯電される。潜像担持体上に形成された静電潜像は、現像領域において、前記現像手段により帯電したトナーを付着させることで現像され、トナー像となる。前記可視像の転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記潜像担持体(感光体)を帯電することにより行なうことができ、前記転写手段により行なうことができる。転写された可視像の定着は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いてなされ、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行なってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行なってもよい。前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
次に本発明の実施形態に係る画像形成装置(プリンタ)の基本的な構成について図面を参照してさらに説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
まず、複数の潜像担持体を備え、該複数の潜像担持体を表面移動部材の移動方向に並列させる画像形成装置(タンデム型画像形成装置)の基本的な構成について説明する。この画像形成装置は、潜像担持体として4つの感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)を備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)は、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト(10)に接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)は、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
図4は、感光体を配設する作像形成部(2)の構成を示す概略図である。なお、各作像形成部(2Y)、(2C)、(2M)、(2K)における各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)周りの構成はすべて同じであるため、1つの作像形成部(2)についてのみ図示し、色分け用の符号(Y)、(C)、(M)、(K)については省略してある。感光体(1)の周りには、その表面移動方向に沿って、帯電手段としての帯電装置(3)、現像手段としての現像装置(5)、感光体(1)上のトナー像を記録媒体又は中間転写ベルト(10)に転写する転写手段としての転写装置(6)、感光体(1)上の未転写トナーを除去するクリーニング装置(7)の順に配置されている。
帯電装置(3)と現像装置(5)との間には、帯電した感光体(1)の表面の画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段としての露光装置(4)から発せられる光が感光体(1)まで通過できるようにスペースが確保されている。帯電装置(3)は、感光体(1)の表面を負極性に帯電する。本実施形態における帯電装置(3)は、いわゆる接触・近接帯電方式で帯電処理を行なう帯電部材としての帯電ローラを備えている。即ち、この帯電装置(3)は、帯電ローラを感光体(1)の表面に接触又は近接させ、その帯電ローラに負極性バイアスを印加することで、感光体(1)の表面を帯電する。
感光体(1)の表面電位が−500Vとなるような直流の帯電バイアスを帯電ローラに印加している。なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電装置(3)には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシを設けてもよい。なお、帯電装置(3)として、帯電ローラの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体(1)の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラの表面と感光体(1)の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間したきわめて近接した状態となる。したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラの表面と感光体(1)の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体(1)の表面が帯電される。
このようにして帯電した感光体(1)の表面には、露光装置(4)によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置(4)は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体(1)に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置(4)は、レーザ方式であるが、LEDアレイと結像手段とからなる他の方式を採用することもできる。
トナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)から現像装置(5)内に補給されたトナーは、現像剤供給ローラ(5b)によって搬送され、現像ローラ(5a)上に担持されることになる。この現像ローラ(5a)は、感光体(1)と対向する領域(以下、「現像領域」と記す。)に搬送される。現像ローラ(5a)は、現像領域において感光体(1)の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ(5a)上のトナーが、感光体(1)の表面を摺擦しながら、トナーを感光体(1)の表面に供給する。このとき、現像ローラ(5a)には、図示しない電源から−300Vの現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。そして、感光体(1)上の静電潜像と現像ローラ(5a)との間では、現像ローラ(5a)上のトナーに静電潜像側に向かう静電力が働くことになる。これにより、現像ローラ(5a)上のトナーは、感光体(1)上の静電潜像に付着することになる。この付着によって感光体(1)上の静電潜像は、それぞれ対応する色のトナー像に現像される。
転写装置(6)における中間転写ベルト(10)は、3つの支持ローラ(11)、(12)、(13)に張架されており、図中矢印の方向に無端移動する構成となっている。この中間転写ベルト(10)上には、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像が、静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写チャージャを用いた構成もあるが、ここでは転写チリの発生が少ない一次転写ローラ(14)を用いた構成を採用している。
具体的には、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)と接触する中間転写ベルト(10)の部分の裏面に、それぞれ転写装置(6)としての一次転写ローラ(14Y)、(14C)、(14M)、(14K)を配置している。ここでは、各一次転写ローラ(14Y)、(14C)、(14M)、(14K)により押圧された中間転写ベルト(10)の部分と各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)とによって、一次転写ニップ部が形成される。
そして、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像を中間転写ベルト(10)上に転写する際には、各一次転写ローラ(14)に正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写ニップ部には転写電界が形成され、各感光体(1Y)、(1C)、(1M)、(1K)上のトナー像は、中間転写ベルト(10)上に静電的に付着し、転写される。
中間転写ベルト(10)の周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置(15)が設けられている。このベルトクリーニング装置(15)は、中間転写ベルト(10)の表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレードで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置(15)内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。また、支持ローラ(13)に張架された中間転写ベルト(10)の部分には、二次転写ローラ(16)が接触して配置されている。
この中間転写ベルト(10)と二次転写ローラ(16)との間には二次転写ニップ部が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての転写紙が送り込まれるようになっている。この転写紙は、露光装置(4)の図中下側にある給紙カセット(20)内に収容されており、給紙ローラ(21)、レジストローラ対(22)等によって、二次転写ニップ部まで搬送される。そして、中間転写ベルト(10)上に重ね合わされたトナー像は、二次転写ニップ部において、転写紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ(16)に正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト(10)上のトナー像が転写紙上に転写される。二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置(23)が配置されている。この加熱定着装置(23)は、ヒータを内蔵した加熱ローラ(23a)と、圧力を加えるための加圧ローラ(23b)とを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ(24)によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
現像装置(5)は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ(5a)が部分的に露出している。また、ここでは、キャリアを含まない一成分現像剤を使用している。現像装置(5)は、図3に示したトナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)から、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。このトナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)は、それぞれが単体で交換できるように、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。
このような構成とすることで、トナーエンド時にはトナーボトル(31Y)、(31C)、(31M)、(31K)だけを交換すればよい。したがって、トナーエンド時にまだ寿命になっていない他の構成部材はそのまま利用でき、ユーザーの出費を抑えることができる。
図5は、図4における現像装置(5)の構成を示す概略図である。現像剤収納器中の現像剤(トナー)は、現像剤供給部材としての現像剤供給ローラ(5b)で攪拌されながら、感光体(1)に供給する前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ(5a)のニップ部分に運ばれる。このとき現像剤供給ローラ(5b)と現像ローラ(5a)は、ニップ部で逆方向(カウンタ回転)に回転している。更に、現像ローラ(5a)に当接するように設けられた現像剤層規制部材としての規制ブレード(5c)で現像ローラ(5a)上のトナー量が規制され、現像ローラ(5a)上にトナー薄層が形成される。また、トナーは、現像剤供給ローラ(5b)と現像ローラ(5a)のニップ部と規制ブレード(5c)と現像ローラ(5a)の間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
図6はプロセスカートリッジの構成の一例を示す概略図である。本発明のトナーは、例えば図6に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に於いて使用することができる。本発明においては、プロセスカートリッジは、潜像担持体、帯電手段、現像手段、潜像担持体等の構成要素のうち、潜像担持体と、少なくとも潜像担持体上の潜像を本発明のトナーを用いて現像する現像する現像装置を一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。図6に示したプロセスカートリッジは、潜像担持体、帯電手段、図5で説明した現像手段を備えている。
以下に実施例を示すが、本発明の範囲はこれらの実施例によって制限されるものではない。また、実施例における部は質量部を示す。
〔Br−CAの製造〕
4−ブロモビフェニル−4’−オールを250部、ホルムアルデヒド30部、水酸化ナトリウム1部をジフェニルエーテル200部に加え、還流温度にて1時間加熱還流させた。還流後、脱溶媒を行い濾過し、十分に洗浄して白色結晶の以下の式で表されるハロゲン化カリックスアレーン、[Br−CA]を得た。式中のnは4〜24である。
〔凸部樹脂用分散液1の製造〕
イオン交換水498部に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部を入れて80℃に加熱して溶解させ、水系媒体を得た。別途スチレン170部、アクリル酸ブチル30部を入れて攪拌し、均一なモノマー溶液を得た。得られたモノマー溶液を水系媒体中に投入し、超音波ホモジナイザーVCX750(SONICS & MATERIALS Inc.)を用い、90〜110Wで10分間超音波照射を行いモノマー溶液を水系媒体中に分散させた。途中、超音波照射により液温が上昇するが、ウォーターバスなどにより、水温が50℃を超えないように調整した。得られた分散液を、冷却間、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に移し、攪拌しながら60℃に保持し、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたものを加え、120分間重合反応を行った。その後冷却して、体積平均粒子径126nmの白色の[凸部樹脂用分散液1]を得た。得られた[凸部用樹脂分散液1]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、重量平均分子量が95000、Tgが52℃であった。
〔凸部樹脂用分散液2の製造〕
均一なモノマー溶液を得る工程にて、さらにBONTRON E−108(商標;オリヱント化学工業株式会社)(帯電制御剤)を20部入れたこと以外は[凸部樹脂用分散液1]と同様にして、[凸部樹脂用分散液2]を得た。
〔凸部樹脂用分散液3の製造〕
均一なモノマー溶液を得る工程にて、さらにBONTRON E−84(商標;オリヱント化学工業株式会社)(帯電制御剤)を20部入れたこと以外は[凸部樹脂用分散液1]と同様にして、[凸部樹脂用分散液3]を得た。
〔凸部樹脂用分散液4の製造〕
均一なモノマー溶液を得る工程にて、さらに[Br−CA]を20部入れたこと以外は[凸部樹脂用分散液1]と同様にして、[凸部樹脂用分散液4]を得た
<ポリエステル1の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物264部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物523部、テレフタル酸123部、アジピン酸173部およびジブチルチンオキサイド1部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で8時間反応した。その後、反応容器に無水トリメリット酸26部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。[ポリエステル1]は、数平均分子量4000、重量平均分子量47000、Tg65℃、酸価12であった。
−イソシアネート変性ポリエステル1の合成−
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、[中間体ポリエステル1]を合成した。得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量が2,200、重量平均分子量が9,700、ガラス転移温度が54℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が52mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[イソシアネート変性ポリエステル1]を得た。
−マスターバッチの作成−
カーボンブラック(キャボット社製リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801酸価10、Mw20,000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
[実施例1]
トナー製造工程
<油相作成工程>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、[パラフィンワックス(融点74℃)]181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部、BONTRON E−108(オリエント化学工業株式会社)(帯電制御剤)を5部加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合して[油相1]を得た。得られた[油相1]の固形分を測定したところ52.0質量%であり、固形分に対する酢酸エチルの量は92質量%であった。
<水相作成工程>
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌したところpH6.2となった。これに、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH9.5に調整し、[水相1]を得た。
<芯粒子作成工程>
得られた[油相1]に[水相1]1200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー1]を得た。
<凸部樹脂部の形成>
[芯粒子スラリー1]をアンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[凸部樹脂用分散液2]106部とイオン交換水71部を混合したもの(固形分濃度15%)を3分間かけて滴下した。滴下後、回転数を200〜450rpmの間に調整して30分間攪拌を続け、[複合粒子スラリー1]を得た。この[複合粒子スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<脱溶剤工程>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]を少量スライドグラス上に置き、カバーガラスを挟んで光学顕微鏡にて200倍の倍率で様子を観察したところ、均一なトナー主部が観察された。また[分散スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<洗浄・乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]が得られた。得られた[トナー母体1]を走査電子顕微鏡で観察したところ、芯粒子の表面に凸部が均一に付着していた。[トナー母体1]の凸部の長辺の長さは平均0.22μmであり、その標準偏差は0.11だった。またその被覆率は64%だった。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットはアルミニウム元素として求めた。表面のアルミニウムカウント比は中心:表層=1:15000だった。これらの結果は表1にまとめた。
[実施例2]
実施例1の[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液3]に変更した以外は実施例1と同様に行った。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットはアルミニウム元素として求めた。表面のアルミニウムカウント比は中心:表層=1:16000だった。
[実施例3]
実施例1の[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液4]に変更した以外は実施例1と同様に行った。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットはアルミニウム元素として求めた。表面のアルミニウムカウント比は中心:表層=1:14000だった。
[実施例4]
実施例1の[顔料・WAX分散液1]中のE−108をE−84に変更した以外は実施例1と同様に行った。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットは亜鉛元素として求めた。表面の亜鉛カウント比は中心:表層=1:1000だった。
[実施例5]
実施例4の[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液3]に変更した以外は実施例4と同様に行った。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットは亜鉛元素として求めた。表面の亜鉛カウント比は中心:表層=1:900だった。
[実施例6]
実施例4の[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液4]に変更した以外は実施例4と同様に行った。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットは亜鉛元素として求めた。表面の亜鉛カウント比は中心:表層=1:1100だった。
[実施例7]
実施例1の[顔料・WAX分散液1]中のE−108を[Br−CA]に変更した以外は実施例1と同様に行った。表面の臭素カウント比は中心:表層=1:5200だった。
[実施例8]
実施例7の[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液3]に変更した以外は実施例7と同様に行った。表面の臭素カウント比は中心:表層=1:1100だった。
[実施例9]
実施例7の[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液4]に変更した以外は実施例7と同様に行った。表面の臭素カウント比は中心:表層=1:4300だった。
[実施例10]
実施例1のうち[凸部樹脂用分散液2]106部とイオン交換水71部を、[凸部樹脂用分散液2]312部とイオン交換水213部に変更した点以外は実施例1と同様にした。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットはアルミニウム元素として求めた。表面のアルミニウムカウント比は中心:表層=1:5000だった。
[実施例11]
実施例1のうち[凸部樹脂用分散液2]106部とイオン交換水71部を、[凸部樹脂用分散液2]12部とイオン交換水9部に変更した点以外は実施例1と同様にした。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットはアルミニウム元素として求めた。表面のアルミニウムカウント比は中心:表層=1:15000だった。
[比較例1]
実施例1の[顔料・WAX分散液1]にE−108を加えないこと、[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液1]に変更したこと以外は実施例1と同様に行った。
[比較例2]
実施例4の[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液1]に変更したこと以外は実施例4と同様に行った。
[比較例3]
実施例7の[凸部樹脂用分散液2]を[凸部樹脂用分散液1]に変更したこと以外は実施例7と同様に行った。表面の臭素カウント比は中心:表層=1:1200だった。
[比較例4]
比較例1の[凸部樹脂用分散液1]を[凸部樹脂用分散液2]に変更したこと以外は比較例1と同様に行った。
[比較例5]
実施例5中、<凸部樹脂部の形成>での液温が50℃の状態で行ったこと以外は実施例5と同様に行った。
[比較例6]
実施例1のうち[凸部樹脂用分散液2]106部とイオン交換水71部を、[凸部樹脂用分散液2]10部とイオン交換水8部に変更した点以外は実施例1と同様にした。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットはアルミニウム元素として求めた。表面のアルミニウムカウント比は中心:表層=1:15000だった。
[比較例7]
実施例1のうち[凸部樹脂用分散液2]106部とイオン交換水71部を、[凸部樹脂用分散液2]500部とイオン交換水350部に変更した点以外は実施例1と同様にした。帯電制御剤の存在割合は、ターゲットはアルミニウム元素として求めた。表面のアルミニウムカウント比は中心:表層=1:4000だった。
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。
流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、[キャリア1]を作製した。
−現像剤の作製−
各トナー5部と、前記[キャリア1]95部とを混合して、実施例1〜11及び比較例1〜7の各現像剤を作製した。
[評価方法]
次に、得られた各現像剤を用いて、以下のようにして帯電性を評価した。
<帯電性>
表面にトナーを担持することができる導電性のトナー担持体、前記トナー担持体に対向して設けられ、前記トナー担持体に帯電したトナーを供給するトナー供給手段、前記トナー担持体と、前記トナー供給手段との間に、前記トナー担持体にトナーを付着させる電界を形成する電源、前記トナー担持体と前記トナー供給手段を駆動する駆動手段及び前記トナー担持体の表面に付着したトナーの帯電量を測定する帯電量測定手段を有し、並びに、帯電したトナーをトナー供給手段に付着させ、前記トナー供給手段上のトナーを静電力によって、トナー担持体に転移させて、トナーが前記トナー担持体上に付着している状態における前記トナー担持体の電荷量と、トナーを前記トナー担持体から除去した状態における前記トナー担持体の電荷量と、を測定して両電荷両の差からトナーの帯電量を測定する。具体的には、トナー供給手段の一例としての円筒状の現像ロールであり、アルミ、非磁性ステンレス、銅、真鍮等の導電性材料からなる。現像ローラの内部には、周知のように複数の磁極を有する磁石が設けられており、この磁石の磁力により、その外周面に均一なトナーの層が形成される。トナー担持体の一例としての被現像ロールであり、アルミ、ステンレス、銅真鍮等の金属又は導電性プラスチック等の導電性材料からなる。現像ロール及び被現像ロールにはそれぞれバイアス電圧が印加され、それぞれのバイアス電圧を別々に変化させることができるように構成されている。これらのバイアス電圧はトナーの帯電極性、正規現像方式に従って、被現像ロール上にトナー層を形成するか、反転現像方式により被現像ロール上にトナー層を形成するかに対応して、種々設定される。バイアス電圧を印加して、現像ロール、被現像ロールを、駆動して回転することにより、被現像ロールは電子写真法により現像されて、被現像ロール上には均一なトナー層が形成される。被現像ロール上にトナー層が形成された結果、被現像ロールが保持する電荷量は、現像前に比較して増加するので、被現像ロールが保持する電荷の量を測定する。更に、被現像ロールのトナーを担持した状態での質量とトナー除去後の質量を天秤で測定することによって、被現像ロール上のトナーの質量が測定される。得られたトナーの帯電量Qと質量、即ち、質量Mとから、トナーの現像特性を示すパラメータの測定値Q/M(単位質量あたり帯電量)が求められる。
今回は、各トナーサンプルに対応する現像剤5.000gを底面直径25mm、高さ30mmのステンレス容器に入れ、円周方向に200rpmの回転を5分間与え、トナーとキャリアを攪拌し、接触させた。この攪拌させたトナーサンプルを前記測定法にて評価を行いそれぞれのQ/Mを測定した。
さらに以下のコールターカウンター法で測定される体積平均粒子径より算出される表面積を利用することで、Q/A(単位面積あたりの帯電量)に換算することが出来る。電解水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5mL加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を固形分にして2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dp)を求めることができる。トナーの密度を1.10gcm-3と仮定することでDvの値を用いてQ/MからQ/Aに換算して評価した。
また劣化サンプルの評価法としては、劣化させたいトナー45〜55gをアルミナビーズ(φ=10mm)70〜90gとをポリエチレン製の円柱状容器、例えばアイボーイ250ml容器などに入れ、140〜160rpmの回転速度で容器を44時間ロールミルで回転させて攪拌して劣化トナーを作製し、前述の帯電性の測定を行い評価した。
帯電性および劣化時帯電性に関する判定基準は次の通りである。
◎:帯電量(q)が−22μC/m2>qの関係式を満たすもの
○:帯電量(q)が−18μC/m2>q≧−22μC/m2の関係式を満たすもの
△:帯電量(q)が−12μC/m2>q≧−18μC/m2の関係式を満たすもの
×:帯電量(q)がq≧−12μC/m2の関係式を満たすもの
劣化差分の帯電性に関する判定基準は次の通りである。
◎:帯電量(q)と劣化帯電量(q)が
5≧{−(q−q)/q}*100≧−5の関係式を満たすもの
○:帯電量(q)と劣化帯電量(q)が◎に該当せず、
10≧{−(q−q)/q}*100≧−10の関係式を満たすもの
△:帯電量(q)と劣化帯電量(q)が○に該当せず、
15≧{−(q−q)/q}*100≧−15の関係式を満たすもの
×:帯電量(q)と劣化帯電量(q)が△に該当しないもの
総合点数は以下の通りである
◎=3、○=2、△=1、×=0として帯電性、劣化時帯電性、劣化差分の判定を総乗して算出した。結果を表2にまとめた。
次に、得られた各トナーを用いて、以下のようにして地肌汚れ、耐固着性、定着性(定着下限温度、ホットオフセット)、加速凝集度、針入度を評価した。
<地肌汚れ>
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)を用いて、白ベタ画像2千枚出力後、白ベタ画像印字中の感光体上の付着トナーをスコッチテープで剥ぎ取ったものを白紙に貼り付け、分光濃度計を用いてΔEを測定し、4段階で評価した。
◎・・・ΔEが3未満
○・・・ΔEが3以上5未満
△・・・ΔEが5以上10未満
×・・・ΔEが10以上
<耐固着性>
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)を用いて、白ベタ画像2千枚出力後、規制ブレードの付着トナーを4段階で評価した。
◎・・・トナー付着がなく非常に良好なレベル
○・・・トナー付着が目立たず、画質に影響しないレベル
△・・・トナー付着があり、画質に影響するレベル
×・・・トナー付着が目立ち、画質に大きく影響するレベル
<定着下限温度>
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)の定着ユニットを用いて、普通紙に1.0mg/cm2の黒ベタ未定着画像を形成した。加熱温度を変えて通紙し、画像品質に問題のない温度を定着下限温度とした。
◎・・・140℃未満
○・・・140℃以上150℃未満
△・・・150℃以上160度未満
×・・・160℃以上
<ホットオフセット>
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)の定着ユニットを用いて、普通紙に1.0mg/cm2の黒ベタ未定着画像を形成し、定着温度を変えて定着した。ホットオフセットの発生する温度を測定し、4段階で評価した。
◎・・・190℃以上
○・・・180℃以上190℃未満
△・・・170℃以上180度未満
×・・・170℃未満
<加速凝集度>
ホソカワミクロン社製バウダーテスタPT-Rを用いて、トナーの加速凝集度を測定する。篩は20μm、45μm、75μmの目開きのものを用いた。25℃50%環境24時間放置後と、40℃90%環境24時間放置後のトナーサンプルの加速凝集度を測定し、その値の差を評価した。
◎・・・差が2.5%未満
○・・・差が2.5以上5.0%未満
△・・・差が5.0以上7.5%未満
×・・・差が7.5%以上
<針入度>
10gの試料を30mLスクリュー管瓶に入れ、恒温槽(DK340S)に入れ40℃90%で24時間放置した後、サンプルを取り出し室温で放冷する。針入度試験機によって針入度を測定し、4段階で評価した。
◎・・・15.0mm以上
○・・・10.0mm以上15.0mm未満
△・・・5.0mm以上10.0mm未満
×・・・5.0mm未満
これら結果を表3にまとめた。
1、1Y、1C、1M、1K 潜像担持体
2、2Y、2C、2M、2K 作像形成部
3 帯電装置
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像剤ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
6 転写装置
7 クリーニング装置
10 中間転写ベルト
11、12、13 支持ローラ
14、14Y、14C、14M、14K 一次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 二次転写ローラ
20 給紙カセット
21 給紙ローラ
22 レジストローラ対
23 加熱定着装置
23a 加熱ローラ
23b 加圧ローラ
24 排紙ローラ
31Y、31C、31M、31K トナーボトル
特開2008−89918号公報 特開2011−81258号公報

Claims (10)

  1. トナーの主部を海とし、凸部を島とする海島構造の表面を有する乾式静電荷像現像用トナーであって、
    該主部が少なくとも結着樹脂、着色剤を含み、かつ該主部表面が帯電制御剤を含み、
    該凸部が少なくとも樹脂と帯電制御剤を含み、
    該凸部の長辺の長さの平均が0.1μm以上0.5μm未満であり、
    該凸部の長辺の長さの標準偏差が0.2以下であり、
    該凸部の被覆率が、10%〜90%である
    ことを特徴とする乾式静電荷像現像用トナー。
  2. 前記凸部に含まれる帯電制御剤が、少なくともフェノラート骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  3. 前記主部に含まれる帯電制御剤が、カリックスアレーンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  4. 前記カリックスアレーンが、ハロゲン化カリックスアレーンであることを特徴とする請求項3に記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  5. 前記乾式静電荷像現像用トナーは、断面において、一辺200nmの正方形の対角上にトナー断面の輪郭線が重なるようにした際の該正方形中におけるトナーのハロゲン濃度が、トナーの中心の一辺3μm正方形中のハロゲン濃度の500倍以上50000倍以下であること特徴とする請求項4に記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  6. 前記凸部に含まれる樹脂がビニル系樹脂であり、該ビニル系樹脂が少なくともスチレン系モノマーを含むモノマー混合物を重合させて得られる樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  7. 前記凸部に含まれる樹脂がビニル系樹脂であり、該ビニル系樹脂がアクリル酸エステルを含むモノマー混合物を重合させて得られる樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナー。
  8. 前記乾式静電荷像現像用トナーの帯電量が、該トナー45〜55gとアルミナビーズ(φ=10mm)70〜90gとをポリエチレン製の円柱状容器に入れ、140〜160rpmの速度で容器を44時間ロールミルで回転させて攪拌して作製した劣化トナーの帯電量の、95%〜120%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の乾式静電荷現像用トナー。
  9. 潜像を担持する潜像担持体と、
    潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、
    帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、
    潜像を可視像化するトナーと、
    潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し現像する現像手段と、
    潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、
    被転写体上の可視像を定着させる定着手段と、
    を備える画像形成装置であって、
    前記トナーが、請求項1〜8のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  10. 潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、
    帯電した潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光工程と、
    潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像し、可視像化する現像工程と、
    潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、
    被転写体上の可視像を定着させる定着工程と、
    を有し、
    前記現像工程に、請求項1〜8のいずれかに記載の乾式静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
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