JP2002278147A - 磁性トナー、画像形成方法およびプロセスカートリッジ - Google Patents

磁性トナー、画像形成方法およびプロセスカートリッジ

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JP2002278147A JP2001079870A JP2001079870A JP2002278147A JP 2002278147 A JP2002278147 A JP 2002278147A JP 2001079870 A JP2001079870 A JP 2001079870A JP 2001079870 A JP2001079870 A JP 2001079870A JP 2002278147 A JP2002278147 A JP 2002278147A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速現像システムにおいても、低温低湿・高
温高湿環境下においても良好な現像性及び耐久性が得ら
れる磁性トナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及びワ
ックスを含有する磁性トナー粒子と無機微粉体を有する
磁性トナーであり、該磁性トナーは、メタノール/水混
合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で
測定した場合、透過率が80%の時のメタノール濃度が
65〜80体積%の範囲内であり、また、透過率が10
%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の範囲内で
あり、該磁性トナーのゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ(GPC)により測定される分子量分布において、
分子量3×103乃至3×104の領域にメインピークを
有し、且つ、分子量5×104乃至3×106の領域にサ
ブピークまたはショルダーを有するものであることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法、磁気記録法、及びトナージェット法の如き画像
形成方法に用いられる磁性トナー、及び該磁性トナーを
用いる画像形成方法、プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術を用いた装置は、オリジナ
ル原稿を複写する複写機だけでなく、コンピュータの出
力としてのプリンター、ファクシミリなどの分野でも広
く使われている。
【0003】近年このような装置には、より小型、より
軽量そしてより高速、より高信頼性がきびしく追求され
てきており、機械は種々な点でよりシンプルな要素で構
成されるようになってきている。その結果、トナーに要
求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が達
成できなければ、よりすぐれた機械が成り立たなくなっ
てきている。
【0004】トナーの特定溶媒に対する疎水特性を制御
することで、トナーの現像性や耐久性を向上させる技術
に関して、数々の提案が行われてきている。特開平11
−194533号公報にはトナーをエチルアルコール/
水混合溶液に分散させてその時の吸光度を測定する技術
が、また、特開2000−242027号公報にはトナ
ーが有する疎水特性をエタノール滴下透過率曲線で表し
てエタノール含有率に対する透過率を測定する技術が開
示されている。また、電子写真の現像方法において、種
々の現像方法が実用化されてきており、中でもシンプル
な構造の現像器でトラブルが少なく、寿命も長く、メン
テナンスが容易であることから、磁性トナーを用いた一
成分現像法が好ましく用いられている。このような現像
方法では、磁性トナーの性能により画像形成の品質が大
きく左右される。また、磁性トナーにおいては、磁性酸
化鉄を含有させることでトナーに磁性を持たせている。
【0005】以上述べてきたものはそれぞれ良好な現像
性を示しているが、高速での現像システムに適用した場
合に更なる現像性や耐久性の改良が望まれ、また、高速
現像におけるスリーブゴーストなどのトナーの流動性、
帯電性に起因した諸問題についてはまだ改良の余地があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した磁性トナー、画像形成方法及び
プロセスカートリッジを提供することにある。
【0007】本発明の目的は、高速現像システムにおい
ても良好な現像性及び耐久性が得られる磁性トナー、画
像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することに
ある。
【0008】本発明の目的は、スリーブゴーストを生じ
ない磁性トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッ
ジを提供することにある。
【0009】本発明の目的は、低温低湿、高温高湿環境
下においても良好な現像性及び耐久性が得られる磁性ト
ナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供す
ることにある。
【0010】本発明の目的は、長期の放置後においても
良好な現像性が得られる磁性トナー、画像形成方法及び
プロセスカートリッジを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、磁性酸化鉄及びワックスを含有する磁性トナー
粒子と無機微粉体を有する磁性トナーであり、該磁性ト
ナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を78
0nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80
%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の範囲内で
あり、また、透過率が10%の時のメタノール濃度が6
5〜80体積%の範囲内であり、該磁性トナーのゲルパ
ーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定さ
れる分子量分布において、分子量3×103乃至3×1
4の領域にメインピークを有し、且つ、分子量5×1
4乃至3×106の領域にサブピークまたはショルダー
を有するものであることを特徴とする磁性トナーに関す
る。
【0012】また、本発明は、トナー収納スペース内に
少なくとも1つの撹拌部材を有しており、該撹拌部材が
弾性変形可能なシート材で構成されており、容器の一部
と接触可能な長さに設定されているトナー容器を備えた
装置により形成される画像形成方法であり、該トナーが
少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及びワックスを含有す
るトナー粒子と無機微粉体を有する磁性トナーであり、
該磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ
性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過
率が80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の
範囲内であり、また、透過率が10%の時のメタノール
濃度が65〜80体積%の範囲内であり、該磁性トナー
のTHF可溶成分のGPCにより測定される分子量分布
において、分子量3×103乃至3×104の領域にメイ
ンピークを有し、且つ、分子量5×104乃至3×106
の領域にサブピークまたはショルダーを有することを特
徴とする画像形成方法に関する。
【0013】さらに本発明は、画像形成装置本体に着脱
可能なプロセスカートリッジにおいて、感光体ドラム
と;前記感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する
ための現像部材と;前記現像部材によって、前記静電潜
像の現像に用いられる現像剤を収納するための現像剤収
納部を有するトナー収納枠体と;前記感光体ドラムを支
持するドラムフレームと;前記現像部材を支持する現像
フレームを持っており、前記トナー収納枠体が揺動可能
に現像フレームと結合されているプロセスカートリッジ
を用いる画像形成方法であり、該トナーが少なくとも結
着樹脂、磁性酸化鉄及びワックスを含有するトナー粒子
と無機微粉体を有する磁性トナーであり、該磁性トナー
は、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780n
mの波長光の透過率で測定した場合、透過率が80%の
時のメタノール濃度が65〜80体積%の範囲内であ
り、また、透過率が10%の時のメタノール濃度が65
〜80体積%の範囲内であり、該磁性トナーのTHF可
溶成分のGPCにより測定される分子量分布において、
分子量3×103乃至3×104の領域にメインピークを
有し、且つ、分子量5×104乃至3×106の領域にサ
ブピークまたはショルダーを有することを特徴とする画
像形成方法に関する。
【0014】さらに本発明は、トナー収納スペース内に
少なくとも1つの撹拌部材を有しており、該撹拌部材が
弾性変形可能なシート材で構成されており、容器の一部
と接触可能な長さに設定されているトナー容器を備えた
装置を備えたプロセスカートリッジであり、該トナーが
少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及びワックスを含有す
るトナー粒子と無機微粉体を有する磁性トナーであり、
該磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ
性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過
率が80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の
範囲内であり、また、透過率が10%の時のメタノール
濃度が65〜80体積%の範囲内であり、該磁性トナー
のTHF可溶成分のGPCにより測定される分子量分布
において、分子量3×103乃至3×104の領域にメイ
ンピークを有し、且つ、分子量5×104乃至3×106
の領域にサブピークまたはショルダーを有することを特
徴とするプロセスカートリッジに関する。
【0015】さらに本発明は、画像形成装置本体に着脱
可能なプロセスカートリッジにおいて、感光体ドラム
と;前記感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する
ための現像部材と;前記現像部材によって、前記静電潜
像の現像に用いられる現像剤を収納するための現像剤収
納部を有するトナー収納枠体と;前記感光体ドラムを支
持するドラムフレームと;前記現像部材を支持する現像
フレームを持っており、前記トナー収納枠体が揺動可能
に現像フレームと結合されているプロセスカートリッジ
であり、該トナーが少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及
びワックスを含有するトナー粒子と無機微粉体を有する
磁性トナーであり、該磁性トナーは、メタノール/水混
合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で
測定した場合、透過率が80%の時のメタノール濃度が
65〜80体積%の範囲内であり、また、透過率が10
%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の範囲内で
あり、該磁性トナーのTHF可溶成分のGPCにより測
定される分子量分布において、分子量3×103乃至3
×104の領域にメインピークを有し、且つ、分子量5
×104乃至3×106の領域にサブピークまたはショル
ダーを有することを特徴とするプロセスカートリッジに
関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来の問題点を解
決すべく鋭意検討を行った結果、ある特定の分子量分布
を持つ重合体成分を含有した磁性トナーであり、且つ、
該磁性トナーの特定溶媒に対する濡れ性を制御すること
により、磁性トナーの現像性、耐久性、流動性に極めて
優れ、また、高速現像においても優れた現像性が得られ
ることを見出した。
【0017】さらに、トナー収納スペース内に弾性変形
可能なシート材よりなる撹拌部材が、容器の一部と接触
可能な長さに設定されているトナー収納容器を備えた装
置による画像形成方法、プロセスカートリッジやトナー
収納枠体が揺動可能に現像フレームと結合している装置
を用いた画像形成方法、プロセスカートリッジにおい
て、高度に適応可能であることを見出した。
【0018】本発明の磁性トナーは、メタノール/水混
合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で
測定した時に、その透過率におけるメタノール/水混合
溶媒中のメタノール濃度が特定の濃度領域に属している
ことを特徴とする。
【0019】本発明においては、磁性トナーのメタノー
ル/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の
透過率で測定した場合、図1に示したように、透過率が
80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の範囲
内であり、また、透過率が10%の時のメタノール濃度
が65〜80体積%の範囲内であることにより、磁性ト
ナーの帯電特性が安定化し、低温低湿、高温高湿などの
各環境下においても優れた現像性を示す。
【0020】磁性トナーのメタノール/水混合溶媒に対
する濡れ性は、そのトナーの表面材料組成及びその存在
状態により大きな影響を受ける。磁性トナーの表面に、
磁性酸化鉄の露出が少ないほど、即ち結着樹脂成分によ
って磁性トナー表面が覆われている割合が多くなるほど
高いメタノール濃度でトナーが濡れるようになる。磁性
トナー表面の結着樹脂成分の比率が多くなるほど磁性ト
ナーの帯電性が向上し、より高い現像性が得られるよう
になる。しかし逆に磁性酸化鉄の露出が少なすぎると磁
性トナーが適正な帯電性能を得られなくなり好ましくな
い。
【0021】本発明においては、磁性トナーのメタノー
ル/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の
透過率で測定した場合、透過率が80%の時のメタノー
ル濃度が65〜80体積%、好ましくは65〜77体積
%、より好ましくは65〜75体積%の範囲内であるこ
とにより、磁性トナー粒子の表面に露出した結着樹脂と
磁性酸化鉄の割合が適正な範囲内となり、磁性トナーが
適正な帯電量を保てることとなる。露出が適正な範囲と
は、即ち、結着樹脂成分が十分に且つ適度に磁性トナー
粒子表面に存在して磁性トナーの帯電能力を高め、更に
磁性酸化鉄も適度に露出することで磁性トナーが過剰に
帯電することを防ぐということを表している。
【0022】透過率が80%の時のメタノール濃度が6
5体積%よりも低いと、表面に磁性酸化鉄が多く露出し
ている磁性トナー粒子が数多く存在しているということ
となり、磁性トナーが十分に帯電できず現像性に劣るよ
うになる。
【0023】透過率が80%の時のメタノール濃度が8
0体積%を超えると、磁性酸化鉄の表面への露出が少な
い磁性トナー粒子が数多く存在しているということにな
り、磁性トナーが過剰に帯電して適正な帯電量を保てな
くなることで画像濃度が低下しカブリが増加する。更に
は、トナー収納容器内に容器の一部と接触可能な長さの
弾性変形可能なシート材による撹拌部材を有するような
画像形成方法に用いた場合、トナー容器内で過剰な帯電
を起こし、トナーの静電凝集を引き起こし、トナー搬送
を妨げるようになってしまい、画像が白抜けしてしまう
現象(以下、フェーディング現象と呼ぶ)を発生してし
まう。
【0024】また、磁性トナーのメタノール/水混合溶
媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定
した場合、透過率が10%の時のメタノール濃度が65
〜80体積%、好ましくは65〜77体積%、より好ま
しくは65〜75体積%の範囲内であることにより、磁
性トナーの表面における結着樹脂と磁性酸化鉄の露出割
合が適正な範囲となり、磁性トナーが適正な帯電量を保
てることとなる。露出の適正な範囲とは、即ち、結着樹
脂成分が十分且つ適度に磁性トナー表面に存在して磁性
トナーの帯電能力を高め、更に磁性酸化鉄も適度に露出
することで磁性トナーが過剰に帯電することを防ぐとい
うことを表している。
【0025】透過率が10%の時のメタノール濃度が6
5体積%よりも低いと、磁性トナー中のほとんどの磁性
トナー粒子において、表面に露出している磁性酸化鉄の
割合が多くなり、磁性トナーが十分に帯電できず現像性
に劣るようになる。更には、トナー収納容器内に容器の
一部と接触可能な長さの弾性変形可能なシート材による
撹拌部材を有するような画像形成方法に用いた場合、露
出した酸化鉄により、弾性撹拌部材が傷つけられてしま
い、撹拌に異常をきたし、適正なトナー搬送・撹拌がで
きなくなり、フェーディング画像を発生してしまう。ま
た、更には、トナー収納枠体と現像フレームが揺動可能
な可撓性シールにより結合されている画像形成方法で用
いた場合、可撓性のシートをトナー表面に露出した酸化
鉄が傷つけ、破損し、トナー漏れ等の不具合を生じるこ
とがある。
【0026】透過率が10%の時のメタノール濃度が8
0体積%を超えると、表面に適正に磁性酸化鉄が露出し
た磁性トナーの割合が少ないということであり、磁性ト
ナーが過剰に帯電して適正な帯電量を保てなくなること
で画像濃度が低下しカブリが増加する。
【0027】高速現像システムにおける連続現像におい
ては、現像剤担持体、所謂現像スリーブ上で、規制ブレ
ードによって規制された磁性トナーが迅速且つ均一に帯
電することが特に求められる。それにより、高速な現像
システムにおいても常に良好な画像を提供することがで
きるのだが、磁性トナーが不均一に帯電し、帯電量の分
布にばらつきがあると、高い印字面積の画像を連続で現
像した時に、後の画像を現像する際に現像スリーブ上に
供給された磁性トナーが十分に帯電しておらず、結果的
に後の画像の画像濃度が低下して画像上に濃淡差が生じ
てしまう所謂ゴースト画像が発生してしまうことがあ
る。磁性トナーの帯電量分布は、磁性トナーの表面の材
料分散性に大きな影響を受け、材料分散性の均一性が増
すほど帯電量分布も均一になる。磁性トナーの表面の材
料分散性は、磁性トナーのメタノール/水混合溶媒に対
する濡れ性の挙動を測定することによって知ることがで
きる。表面の材料分散性が均一なほど、磁性トナーがメ
タノール/水混合溶媒に対して濡れ始めてから濡れ終わ
るまでのメタノールの濃度差が小さくなる。本発明にお
いてはメタノール/水混合溶媒に対する磁性トナーの濡
れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透
過率が80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%
の範囲内であり、また、透過率が10%の時のメタノー
ル濃度が65〜80体積%の範囲内であることにより、
透過率が80%の時のメタノール濃度と透過率が10%
の時のメタノール濃度の濃度差が小さくなり、即ち磁性
トナーの帯電量分布が均一化し、磁性トナーに均一且つ
高い帯電性を付与することができる。
【0028】透過率が80%の時のメタノール濃度が6
5体積%よりも低い、もしくは透過率が10%の時のメ
タノール濃度が65体積%よりも低いと、磁性トナーが
十分に帯電できなくなる、もしくは磁性酸化鉄の帯電量
分布がブロードになり、現像性に劣り、スリーブゴース
トが悪化する。透過率が80%の時のメタノール濃度が
80体積%を超える、もしくは透過率が10%の時のメ
タノール濃度が80体積%を超えると、磁性酸化鉄の帯
電が過剰になる、もしくは磁性トナーの帯電量分布がブ
ロードになり、不均一に帯電した磁性トナー粒子が存在
することとなり、スリーブゴーストが悪化する。
【0029】本発明においては、磁性トナーの濡れ性、
即ち疎水特性は、メタノール滴下透過率曲線を用いて測
定する。具体的には、その測定装置として、例えば、
(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機WET−100P
を用い、下記の条件及び手順で測定したメタノール滴下
透過率曲線を利用する。まず、メタノール60体積%
と、水40体積%とからなる含水メタノール液70ml
を容器中に入れ、この中に検体である磁性トナーを、目
開き150μmのメッシュで振るい、メッシュを通った
磁性トナーを0.1g精秤して添加し、磁性トナーの疎
水特性を測定するためのサンプル液を調製する。次に、
この測定用サンプル液中に、メタノールを1.3ml/
minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780n
mの光で透過率を測定し、図1に示したようなメタノー
ル滴下透過率曲線を作成する。この際に、メタノールを
滴定溶媒としたのは、磁性トナー粒子に含有される染
料、顔料、荷電制御剤等の溶出の影響が少なく、磁性ト
ナーの表面状態がより正確に観察できるためである。
【0030】上記の濡れ性を達成する製造法としての一
つとして、本発明においては、図2、図3及び図4に示
したような機械式粉砕機を用いることが、粉体原料の粉
砕処理及び表面処理を行うことができるので効率向上が
図られ、好ましい。この粉砕機において、粉砕時の温度
を調整することで、磁性トナーの表面の磁性酸化鉄の量
を制御できる。
【0031】以下、図2、図3及び図4に示した機械式
粉砕機について説明する。図2は、本発明において使用
される機械式粉砕機の一例の概略断面図を示しており、
図3は図2におけるD−D’面での概略的断面図を示し
ており、図4は図2に示す回転子214の斜視図を示し
ている。該装置は、図2に示されているように、ケーシ
ング213、ジャケット216、ディストリビュータ2
20、ケーシング213内にあって中心回転軸215に
取り付けられた回転体からなる高速回転する表面に多数
の溝が設けられている回転子214、回転子214の外
周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝
が設けられている固定子210、更に、被処理原料を導
入するための原料投入口211、処理後の粉体を排出す
るための原料排出口202とから構成されている。
【0032】これら機械式粉砕機の回転子214や固定
子210の母材には、S45Cなどの炭素鋼やSCM材
などのクロムモリブデン鋼などが用いられることが多い
が、耐摩耗性能に問題があり、回転子および固定子の交
換頻度が高いという問題があるため、これらの表面を、
耐摩耗性を有するめっきでコーティングして用いること
が安定したトナー表面の性質を得る上で好ましい。
【0033】耐摩耗性を有するめっきでコーティングす
ることにより、表面硬さが大きく、耐摩耗性が高くな
り、長寿命の回転子や固定子となる。めっきにより表面
を均一かつ滑らかに仕上げ、摩擦係数を小さくして耐摩
耗性を向上させることが可能となり、また、粉砕される
トナーの品質においても、より均一性の高い品質のトナ
ーを得ることが可能となる。めっき処理した後、回転子
や固定子の表面粗さを整えるために、バフ研磨の如き研
磨処理やショットブラストの如きブラスト処理を施して
も良い。
【0034】前記回転子および/または固定子の表面硬
さはHV400乃至1300(ビッカース硬さ400乃
至1300)であることが好ましい。更に好ましい表面
硬さはHV500乃至1250であり、特に好ましくは
HV900乃至1230である。本発明における表面硬
さは、荷重0.4903Nを30秒間保持する条件で測
定した。
【0035】表面硬さがHV400乃至1300の範囲
であることにより、粉砕面の摩耗量を極力少なくするこ
とができ、回転子や固定子の交換頻度を少なくすること
ができる。表面硬さがHV400未満では耐摩耗性が低
下し始め、また粉砕能力を向上させることができなくな
り、また、トナーの表面性が不均一なものになりやすく
なる。表面硬さがHV1300を超える場合には表面が
硬すぎて脆くなるため剥離・クラックが生じやすくな
り、回転子や固定子の交換頻度が増加し始める。
【0036】上述のような、回転子および/または固定
子の表面が、耐摩耗性を有するめっきでコーティングさ
れている機械式粉砕機によって粉砕すると、回転子およ
び/または固定子の粉砕面の摩耗を少なくし、その寿命
を長くするだけでなく、トナー品質、特にトナー表面に
起因する帯電性や環境安定性をより安定化させることが
可能となる。
【0037】通常、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際には機械式粉砕機の渦巻室212の温度T1や後室2
30の温度T2の温度を制御し、樹脂のTg以下で粉砕
を行い、表面改質を行わない方法を選択している。しか
し、本発明の特徴とする性質の磁性トナーを得るため
に、202排出口の温度をTgから−25〜−5℃に設
定し、実際の粉砕状態ではTgの−20〜±0℃の温度
にして、粉砕後磁性トナー表面に存在する磁性酸化鉄の
一部を樹脂が覆う状態となるように粉砕を行う。それに
より、磁性トナー表面での原材料の存在分布が適正な値
となりやすく、本発明の特徴とする疎水特性を磁性トナ
ーに付与することができる。
【0038】本発明のトナーは、THF可溶成分のGP
Cにより測定される分子量分布において、分子量3×1
3乃至3×104、好ましくは5×103乃至2×104
の領域にメインピークを有し、且つ、分子量5×104
乃至3×106、好ましくは1×105乃至2×106
さらに好ましくは3×105乃至2×106の領域にサブ
ピークまたはショルダーを有することを特徴とする。
【0039】分子量分布において、トナーがこのような
分子量分布を持つことにより、定着・耐オフセット性の
バランスが良好に保たれることはもちろん、トナーの表
面被覆作用とその被覆層の強度が程よく、構成すること
ができるのである。すなわち、低分子側の分子量が3×
103未満では耐オフセット性が損なわれ、また、表面
被覆層の強度が保たれず、耐久により、磁性体露出が起
こり、帯電性に悪影響が出る。また、トナー収納容器内
に容器の一部と接触可能な長さの弾性変形可能なシート
材による撹拌部材を有するような画像形成方法に用いた
場合、撹拌部材が容器と接触している部分でトナーの融
着が生じ、トナー撹拌・搬送に不具合を生じ、フェーデ
ィングなどの画像弊害が発生する。更には、トナー収納
枠体と現像フレームが揺動可能な可撓性シールにより結
合されている画像形成方法で用いた場合、揺動部分での
トナーの融着が生じ、揺動部分の動きが妨げられてカー
トリッジにゆがみが生じやすくなったり、現像部分への
トナー圧力が高まったりするなどして、画像濃度の低下
を引き起こしやすくなる。
【0040】また、低分子側の分子量が3×104より
大きければ、定着性に悪影響を与え、また、樹脂の粘度
が上がるためにトナー表面の樹脂被覆作用が行われにく
い。さらに、高分子側の分子量5×104より小さい場
合には、耐オフセット性に悪影響を与え、また、表面被
覆樹脂層の強度が落ちるために、耐久による磁性体露出
が顕著となり、帯電性に悪影響を与える。また、高分子
量側の分子量が3×106より大きければ、定着性に悪
影響を与え、また、樹脂中の低分子量成分と分子量がか
け離れてしまうため、樹脂の不均一性が増し、帯電性等
に悪影響を及ぼす。
【0041】ここで、本発明のトナーまたは結着樹脂の
THF(テトラハイドロフラン)を溶媒としたGPCに
よる分子量分布は例えば次の条件で測定することができ
る。
【0042】まず、40℃のヒートチャンバ中でカラム
を安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒として
テトラハイドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で
流し、試料のTHF溶液を約100μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。
【0043】検量線作成用の標準ポリスチレン試料とし
ては、例えば東ソー社製または昭和電工社製の分子量が
102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度
の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出
器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとして
は、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わ
せるのが良い。例えば昭和電工社製のshodex G
PC KF−801,802,803,804,80
5,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー
社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000
H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(H
XL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),
G7000H(HXL),TSKguardcolumn
の組み合わせを挙げることができる。
【0044】分子量分布測定のための試料は次のように
して作製する。トナーの試料をTHFに入れ、数時間放
置した後、十分振とうしてTHFと良く混ぜ(試料の合
一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。こ
のときTHF中への試料の放置時間が24時間以上とな
るようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポア
サイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディ
スクH−25−5東ソー社製、エキクロディスク25C
R ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用で
きる)を通過させたものを、GPCの測定試料とする。
試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるよ
うに調整する。
【0045】本発明のトナーに使用される結着樹脂の種
類としては、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、石油系樹脂が挙げられる。
【0046】本発明の磁性トナーの結着樹脂は、スチレ
ン系樹脂であることが好ましく,該結着樹脂の構成モノ
マー中に占めるスチレンの割合が80乃至99質量%、
好ましくは85乃至99質量%、更に好ましくは、90
乃至99質量%であることがトナー濡れ性をコントロー
ルする上で好ましい。
【0047】スチレン成分が80質量%未満では、トナ
ーを樹脂被覆したときに疎水性表面を形成しにくく、帯
電制御が困難となり、カブリ・ゴーストが悪化しやすく
なり、好ましくない。また、99質量%を超えると樹脂
のガラス転移温度と分子量の関係から好ましいものを得
られにくくなり、また、表面の帯電制御が困難となりや
すく、過剰な帯電をする傾向となり、カブリ・ゴースト
等に悪影響を及ぼすことがあり、好ましくない。
【0048】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、ビニルトルエンの如きスチ
レン誘導体;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリ
ル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルの如きメタクリ
ル酸エステル;マレイン酸;マレイン酸ブチル、マレイ
ン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有す
るジカルボン酸エステル;アクリルアミド、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、ブタジエン;塩化ビニ
ル;酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステ
ル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系
オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニル
エチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニ
ルエーテルが挙げられる。これらのビニル系単量体が単
独もしくは併用して用いられる。
【0049】トナーの結着樹脂は、トナーの保存性の観
点から、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃、好ま
しくは50〜70℃である。Tgが上記範囲よりも低す
ぎると、高温雰囲気下でトナーが劣化しやすく、また定
着時にオフセットが発生しやすくなる。また、Tgが上
記範囲よりも高すぎると、定着性が低下する傾向にあ
る。
【0050】本発明の結着樹脂の合成方法として用いる
ことの出来る重合法として、溶液重合法、乳化重合法や
懸濁重合法が挙げられる。
【0051】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)
と水相とが別であるから停止反応速度が小さい。その結
果、重合速度を大きくすることができ、高重合度のもの
が得られる。更に、重合プロセスが比較的簡単であるこ
と、及び重合生成物が微細粒子であるために、トナーの
製造において、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物と
の混合が容易であること等の理由から、トナー用の結着
樹脂の製造方法として有利な点がある。
【0052】しかし、乳化重合法では添加した乳化剤の
ため生成重合体が不純になり易く、重合体を取り出すに
は塩析などの操作が必要で、この不便を避けるためには
懸濁重合が好都合である。
【0053】懸濁重合においては、水系溶媒100質量
部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは1
0〜90質量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤と
しては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、一般に
水系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部使用
される。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用
する重合開始剤、生成するポリマーによって適宜選択さ
れる。
【0054】本発明に用いられる結着樹脂は、以下に例
示する様な多官能性重合開始剤単独あるいは単官能性重
合開始剤を用いて生成することが好ましい。
【0055】多官能構造を有する多官能性重合開始剤の
具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリ
アジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキ
サン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,
4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n
−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハ
イドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼ
レート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペー
ト、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキ
シシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパー
オキシオクタンおよび各種ポリマーオキサイド等の1分
子内に2つ以上のパーオキサイド基の如き重合開始機能
を有する官能基を有する多官能性重合開始剤;及びジア
リルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
マレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート
及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の
1分子内にパーオキサイド基などの重合開始機能を有す
る官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合
開始剤が挙げられる。
【0056】これらのうち、より好ましいものは、1,
1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイ
ドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレ
ート及び2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパー
オキシシクロヘキシル)プロパン、及びt−ブチルパー
オキシアリルカーボネートである。
【0057】これらの多官能性重合開始剤は、トナーの
結着樹脂として要求される種々の性能を満足するために
は、単官能性重合開始剤と併用されることが好ましい。
特に該多官能性重合開始剤の半減期10時間を得るため
の分解温度よりも低い、半減期10時間を得るための分
解温度を有する重合開始剤と併用することが好ましい。
このような単官能性重合開始剤としては、具体的には、
ベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n
−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレ
ート、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブ
チルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチル
パーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシドの如き
有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾア
ミノアゾベンゼンの如きアゾおよびジアゾ化合物等が挙
げられる。
【0058】これらの単官能性重合開始剤は、前記多官
能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良い
が、該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つために
は、重合工程において該多官能性重合開始剤の示す半減
期を経過した後に添加するのが好ましい。
【0059】これらの開始剤は、効率の点から、モノマ
ー100質量部に対し0.05〜2質量部で用いるのが
好ましい。
【0060】また、結着樹脂は架橋性モノマーで架橋さ
れていることも好ましい。
【0061】架橋性モノマーとしては主として2個以上
の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられる。
具体例としては、芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルナフタレン等);アルキル鎖で
結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、エチレング
リコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含
むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例え
ば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ
アクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアク
リレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及
び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代え
たもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類(例えば、ポリオキシエチレ
ン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジア
クリレート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタ
クリレートに代えたもの);さらにはポリエステル型ジ
アクリレート化合物類(例えば、商品名MANDA(日
本化薬))が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペ
ンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールエタ
ントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、テトラメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレ
ートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリルシア
ヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0062】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0質量部に対して、0.00001〜1質量部、好まし
くは0.001〜0.05質量部の範囲で用いることが
好ましい。
【0063】これらの架橋性モノマーのうち、トナーの
定着性,耐オフセット性の点から好適に用いられるもの
として、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼ
ン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類が挙げられる。
【0064】その他の合成方法としては、塊状重合方
法、溶液重合方法を用いることが出来る。塊状重合法は
高温で重合させて停止反応速度を速めることで、任意の
重合体を得ることができるが、反応をコントロールしに
くい問題点がある。その点、溶液重合法では、溶媒によ
るラジカルの連鎖移動の差を利用して、また、開始剤量
や反応温度を調整することで低分子量重合体を温和な条
件で容易に得ることができ、本発明で用いる結着樹脂を
含む組成物中の低分子量体を得るには好ましい。特に、
開始剤使用量を最小限に抑え、開始剤が残留することに
よる影響を極力抑えるという点で、加圧条件下での溶液
重合法も好ましい。
【0065】本発明の結着樹脂を得るためのモノマーと
しては、次のようなものが挙げられる。スチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、
p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−
エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−
ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−
n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p
−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−
n−ドデシルスチレン等のスチレンおよびその誘導体;
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエ
チレン不飽和モノオレフィン;ブタジエン等の不飽和ポ
リエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、
弗化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等の如きビニルエス
テル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルア
ミノエチル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2
−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エ
ステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイ
ソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピ
ロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニ
ルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド等のアクリル酸誘導体もしくはメタ
クリル酸誘導体が挙げられる。これらのビニル系モノマ
ーは単独もしくは2つ以上のモノマーを混合して用いら
れる。
【0066】これらの中でもスチレン系共重合体、スチ
レン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み
合わせが好ましい。
【0067】結着樹脂を製造する方法として、溶液重合
法により高分子量重合体と低分子量重合体を別々に合成
した後にこれらを溶液状態で混合し、次いで脱溶剤する
溶液ブレンド法、また、押出機等により溶融混練するド
ライブレンド法、溶液重合法等により得られた低分子量
重合体を溶解した高分子量重合体を構成するモノマーに
溶解し、懸濁重合を行い、洗浄・乾燥し、樹脂組成物を
得る二段階重合法等も挙げられる。しかしながら、ドラ
イブレンド法では、均一な分散・相溶の点で問題があ
る。また、二段階重合法は均一な分散性等に利点が多い
が、溶液ブレンド法は低分子量分を高分子量分以上に増
量することができ、低分子量重合体成分の存在下で分子
量の大きい高分子量重合体の合成ができ、不必要な低分
子量重合体が副生成する等の問題が少ないことから、該
溶液ブレンド法が最も好適である。本発明の特徴とする
分子量分布をトナーに付与するためには、低分子量成分
と高分子量成分を別の過程で合成し、その後に溶液中で
ブレンドする方法が好ましい。
【0068】本発明の磁性トナーの結着樹脂が、少なく
とも、THF可溶成分のGPCにより測定される分子量
3×103乃至3×104の領域に極大値を有する低分子
側成分(L成分)と、分子量5×104乃至3×106
領域に極大値を有する高分子側成分の混合物からなるも
のであり、そのうち、L成分の構成モノマーに占めるス
チレンの割合が90乃至100質量%、好ましくは95
乃至100質量%であることが好ましい。
【0069】L成分はより粘度が小さい成分であるため
に、トナーの樹脂被覆表面に対する影響が大きく、その
成分のスチレンの割合が大きいことがトナー濡れ性をコ
ントロールする観点から好ましく、L成分のスチレンの
割合が90質量%未満ならば、トナー表面の疎水性が下
がり、好ましい帯電性を得にくくなり、カブリ・ゴース
ト等に悪影響を及ぼすことがある。
【0070】また、本発明において結着樹脂として用い
られるポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0071】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式
(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体が挙げ
られる。
【0072】
【化1】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,
yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均
値は0〜10である。)
【0073】さらに、2価のアルコール成分として式
(B)で示されるジオールが挙げられる。
【0074】
【化2】
【0075】2価の酸成分としては、フタル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジ
カルボン酸又はその無水物、低級アルキルエステル;こ
はく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如き
アルキルジカルボン酸又はその無水物又はその低級アル
キルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシル
コハク酸の如きアルケニルコハク酸もしくはアルキルコ
ハク酸、又はその無水物又はその低級アルキルエステ
ル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物又はその低級
アルキルエステル等のジカルボン酸及びその誘導体が挙
げられる。
【0076】また、架橋成分としても働く3価以上のア
ルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ま
しい。
【0077】3価以上の多価アルコール成分としては、
ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオー
ル、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2
−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ト
リヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0078】また、3価以上の多価カルボン酸成分とし
ては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼ
ントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル
−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレン
カルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテト
ラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水
物、低級アルキルエステル;次式
【0079】
【化3】 (式中、Xは炭素数1以上の側鎖を1個以上有する炭素
数1〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)で表わ
されるテトラカルボン酸及びこれらの無水物及びそれら
の低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその
誘導体が挙げられる。
【0080】アルコール成分としては40〜60mol
%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては6
0〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であ
ることが好ましい。また3価以上の多価アルコールの成
分は、全成分中の1〜60mol%であることが好まし
い。上記ポリエステル樹脂も通常一般に知られている縮
重合によって得られる。
【0081】本発明の磁性トナーに使用できる磁性酸化
鉄粒子としては、窒素吸着法によるBET比表面積が好
ましくは1〜20m2/g、特に2.5〜12m2/g、
更にモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。磁性体の
形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状な
どがあるが、8面体、6面体、球形等の異方性の少ない
ものが好ましい。等方性の形状を有するものは、結着樹
脂・ワックスに対しても、良好な分散を達成することが
できるからである。磁性体の平均粒径としては0.05
〜1.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜
0.6μm、さらには0.1〜0.4μmが好ましい。
【0082】上記磁性材料は、トナー結着樹脂100質
量部に対し40〜200質量部添加するのが好ましく、
特に好ましくは50〜150質量部である。40質量部
未満では、トナーの搬送性が不十分で現像剤担持体上の
現像剤層にムラが生じ、画像ムラとなる傾向であり、さ
らに現像剤の帯電の過剰な上昇に起因する画像濃度の低
下が生じ易い傾向であった。また、200質量部を超え
る場合には、現像剤の帯電が充分には得られなくなるた
めに、画像濃度低下が生じやすくなる。
【0083】本発明において、磁性酸化鉄の各物性は以
下の方法により測定される。
【0084】(1)磁性酸化鉄の粒径及び形状:透過型
電子顕微鏡(TEM)H−700H、H−800、H−
7500(いずれも日立製作所製)又は走査型電子顕微
鏡(SEM)S−800又はS−4700(いずれも日
立製作所製)を用い、磁性酸化鉄を20,000〜20
0,000倍で撮影し、1〜10倍の焼き付け倍率とし
て、任意の倍率で試料を観察することができる。粒径
は、0.03μm以上の粒子100個をランダムに選び
出して、各粒子の最大長(μm)を計測し、その平均を
もって個数平均粒径とする。
【0085】(2)BET比表面積:BET比表面積
は、湯浅アイオニクス(株)製、全自動ガス吸着量測定
装置:オートソーブ1を使用し、吸着ガスに窒素を用
い、BET多点法により求める。なお、サンプルの前処
理としては、50℃で1時間の脱気を行う。
【0086】本発明の磁性トナーは、示差走査熱量計
(DSC)により測定される昇温時のDSC曲線に少な
くとも一つの吸熱ピークを有し、該吸熱ピークが120
〜160℃、好ましくは120〜150℃、より好まし
くは125〜145℃に存在することが好ましい。吸熱
ピークは2つ以上存在していてもよいが、その場合は1
20〜160℃に少なくとも1つの吸熱ピークを有する
ことが好ましい。昇温時のDSC曲線からは、磁性トナ
ーの吸熱に伴う融解挙動を見ることができる。吸熱ピー
クが120〜160℃に存在することで磁性トナーが摩
擦熱に対して強くなり、長時間の使用においてトナーに
滑り性を確保できる。吸熱ピークが160℃を超えた温
度に存在すると、磁性酸化鉄の分散性が不十分となり、
カブリが悪化する場合がある。
【0087】本発明の磁性トナーの吸熱ピークは、磁性
トナーに含有されるワックスに起因するものであり、適
当なワックスを選択して磁性トナーに含有させることに
よって所望の吸熱ピークを得ることができる。このよう
な吸熱ピークを磁性トナーに付与することができるワッ
クスは、その溶融特性から、磁性トナー表面において高
い疎水性を磁性トナーに付与しやすく、本発明の特徴と
する濡れ性を磁性トナーに効果的に付与することができ
る。
【0088】本発明においては、磁性トナーのDSC曲
線は、示差走査熱量計(DSC測定装置)、例えばDS
C−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(T
Aインスツルメンツジャパン社製)を用い、ASTM
D3418−82に準じて測定を行う。DSC曲線は、
1回昇温、降温させ前履歴を取った後、昇温速度10℃
/minで昇温させた時に測定されるDSC曲線を用い
る。
【0089】本発明のトナーは、荷電制御剤として、有
機金属化合物を用いることが好ましく、特に有機化合物
を配位子や対イオンとして含有するものが有用である。
このような金属錯体としては、帯電性の観点から、金属
錯体型モノアゾ化合物が好ましく用いられる。金属錯体
型モノアゾ化合物としては、特公昭41−20153
号、同42−27596号、同44−6397号、同4
5−26478号公報などに記載されているモノアゾ染
料の金属錯体などがある。特に分散性・帯電性の面など
から、下記一般式(I)で表わされる金属錯体型モノア
ゾ化合物であることが好ましく、中でも、中心金属が鉄
である金属錯体型モノアゾ鉄錯体を用いることが好まし
い。さらに好ましくは、下記一般式(II)で表わされ
るモノアゾ鉄錯体を用いることである。
【0090】
【化4】
【0091】
【化5】 [式中、X1,X2;水素原子,低級アルキル基,低級ア
ルコキシ基,ニトロ基,ハロゲン原子 m,m’;1〜3の整数 Y1,Y3;水素原子,C1〜C18のアルキル,アルケニ
ル,スルホン アミド,メシル,スルホン酸,カルボキシエステル,ヒ
ドロキシ,C1〜C18のアルコキシ,アセチルアミノ,
ベンゾイル,アミノ基,ハロゲン原子 n,n’;1〜3の整数 Y2,Y4;水素原子,ニトロ基 (上記のX1とX2,mとm’,Y1とY3,nとn’,Y
2とY4は同一でも異なっていても良い。) A+;アンモニウムイオン,アルカリ金属イオン、水素
イオンの混合よりなる。]
【0092】上記金属錯体型モノアゾ化合物の含有量
は、トナー結着樹脂100質量部に対し、0.05〜5
質量部が好ましく、特に0.2〜3質量部が好ましい。
該金属錯体型モノアゾ化合物の含有量が多過ぎると、ト
ナーの流動性が悪化し、カブリが生じやすく、一方、少
な過ぎると充分な帯電量が得られにくい。
【0093】本発明において着色剤としては、任意の適
当な顔料または染料が使用される.トナー着色剤は周知
であって、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリ
ンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロ
ー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレ
ーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレ
ンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持
するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100質量部に
対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量
部の添加量が良い。また同様の目的で、さらに染料が用
いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、
キサンテン系染料、メチン系染料等があり樹脂100質
量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜1
0質量部の添加量が良い。
【0094】本発明のワックスは、示差走査熱量計(D
SC)により測定される昇温時のDSC曲線に少なくと
も一つの吸熱ピークを有し、該吸熱ピークが120〜1
60℃、好ましくは120〜150℃、より好ましくは
125〜145℃に存在することが好ましい。吸熱ピー
クは2つ以上存在していてもよいが、その場合は120
〜160℃に少なくとも1つの吸熱ピークを有すること
が好ましい。ワックスが上記温度領域に吸熱ピークを有
することで、磁性トナーに好ましい吸熱特性を付与する
ことができる。
【0095】本発明の磁性トナーに含有されるワックス
は、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
オレフィンの共重合物、マイクロクリスタリンワック
ス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワッ
クスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレ
ンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物ま
たは、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、
モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主
成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂
肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなど
が挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、
モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長
鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラ
シジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不
飽和脂肪酸類;ステアリンアルコール、アラルキルアル
コール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコー
ル、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは
更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール
類の如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価ア
ルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラ
ウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスス
テアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エ
チレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステ
アリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレ
ンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン
酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、
N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂
肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、
N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香
族系ビスアミド類;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレ
ンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフ
ト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如
き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性
油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシ基
を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0096】好ましく用いられるワックスとしては、ア
ルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒、メタロセン触媒又はその他の触媒を用いて
重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のア
ルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリ
マー;アルキレンポリマーを重合する際に副生する低分
子量アルキレンポリマーを分離精製したもの;一酸化炭
素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られ
る炭化水素の蒸留残分から、あるいは、これらを水素添
加して得られる合成炭化水素などから、特定の成分を抽
出分別したワックスが挙げられる。これらワックスには
酸化防止剤が添加されていてもよい。さらに、直鎖状の
アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステルあるいは、モ
ンタン系誘導体で形成されるワックスが挙げられる。ま
た、脂肪酸等の不純物を予め除去してあるものも好まし
い。
【0097】特に好ましいワックスは、メタロセン触媒
により重合されたポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−αオレフィン共
重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体である。こ
れらによりトナーに耐摩擦性が付与され好ましい。
【0098】本発明に使用されるワックスは、結着樹脂
100質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは
0.5〜12質量部添加されるのが効果的であり、ま
た、複数のワックスを併用することも好ましい。
【0099】本発明の磁性トナーは、無機微粉体を含有
する。無機微粉体は磁性トナーに外添されていることが
好ましい。無機微粉体は疎水性無機微粉体であることが
好ましい。無機微粉体の例としては、シリカ微粉末、酸
化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。そ
れらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
【0100】シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成された乾式法またはヒュー
ムドシリカと称される乾式シリカ及び水ガラス等から製
造される湿式シリカの両方が挙げられるが、表面及び内
部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シ
リカの方が好ましい。
【0101】さらにシリカ微粉体は疎水化処理されてい
るものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体
と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的
に処理することによって付与される。好ましい方法とし
ては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成さ
れた乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、あ
るいはシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイ
ルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられ
る。
【0102】疎水化処理に使用されるシラン化合物とし
ては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、ト
リメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジ
メチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリ
ルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラ
ン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメ
チルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラ
ン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチル
ジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタ
ン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリ
ルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジ
メチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサ
ン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,
3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられ
る。
【0103】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1,000mm
2/sのものが用いられる。例えばジメチルシリコーン
オイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチル
スチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコ
ーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好ましい。
【0104】特に好ましい方法としては、ジメチルシリ
コーンオイルで処理する方法が挙げられる。ジメチルシ
リコーンオイルで疎水化処理されたシリカ微粉体は、適
度な疎水性を有し、且つ滑り性にも優れるため、長期の
使用において磁性トナーが現像スリーブに融着して画像
濃度が低下することを効果的に防ぐことができる。特に
本発明の磁性トナーのように、高い帯電性を有する磁性
トナーに用いた時に効果的である。
【0105】シリコーンオイル処理の方法は、シラン化
合物で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとを
ヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合して
も良いし、ベースとなるシリカヘシリコーンオイルを噴
射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリ
コーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースの
シリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製しても良
い。
【0106】シリカ微粉体の好ましい疎水化処理とし
て、ジメチルジクロロシランで処理し、次いでヘキサメ
チルジシラザンで処理し、次いでシリコーンオイルで処
理することにより調製する方法が挙げられる。
【0107】上記のようにシリカ微粉体を2個以上のシ
ラン化合物で処理し、後にオイル処理することが疎水化
度を効果的に上げることができ、好ましい。
【0108】上記シリカ微粉体における疎水化処理、更
には、オイル処理を酸化チタン微粉体に施したものも、
シリカ系同様に好ましい。
【0109】本発明のトナーには、必要に応じてシリカ
微粉体又は酸化チタン微粉体以外の添加剤を外添しても
よい。
【0110】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、
滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子で
ある。
【0111】樹脂微粒子としては、その平均粒径が0.
03〜1.0μmのものが好ましい。その樹脂を構成す
る重合性単量体としては、スチレン;o−メチルスチレ
ン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,p−メ
トキシスチレン,p−エチルスチレン誘導体;アクリル
酸;メタクリル酸;アクリル酸メチル,アクリル酸エチ
ル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,ア
クリル酸n−プロピル,アクリル酸n−オクチル,アク
リル酸ドデシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アク
リル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アク
リル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル
酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−プロ
ピル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチ
ル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシ
ル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸ス
テアリル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルアミノエチルの
如きメタクリル酸エステル;アクリロニトリル,メタク
リロニトリル,アクリルアミド等の単量体が挙げられ
る。
【0112】重合法としては、懸濁重合、乳化重合、ソ
ープフリー重合が挙げられる。より好ましくは、ソープ
フリー重合によって得られる粒子が良い。
【0113】その他の微粒子としては、テフロン(登録
商標)、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き
滑剤(中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい);酸化セ
リウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムの如き研
磨剤(中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい);酸
化チタン、酸化アルミニウムの如き流動性付与剤(中で
も特に疎水性のものが好ましい);ケーキング防止剤;
カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ス
ズの如き導電性付与剤が挙げられる。さらに、トナーと
逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤とし
て少量用いても良い。
【0114】トナーと混合される樹脂微粒子または無機
微粉体または疎水性無機微粉体は、トナー100質量部
に対して0.1〜5質量部(好ましくは、0.1〜3質
量部)使用するのが良い。
【0115】トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコー
ルターカウンター法を用いて行うが、例えばコールター
マルチサイザー(コールター社製)を用いることが可能
である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%Na
Cl水溶液を調製する。例えばISOTON R−II
(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使
用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアル
キルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、
更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電
解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前
記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパー
チャーを用いて、2.00μm以上のトナー粒子の体
積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。
それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重
量平均粒径(D4)を算出する。
【0116】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜
4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.
04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未
満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜1
2.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;
16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.
40μm未満;25.40〜32.00μm未満;3
2.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用い
る。
【0117】本発明のトナーを製造する方法としては、
上述したようなトナー構成材料をボールミルその他の混
合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エクス
トルーダーの如き熱混練機を用いてよく混練し、冷却固
化後、機械的に粉砕し、粉砕粉を分級することによって
トナーを得る方法が好ましい。他には、結着樹脂を構成
すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁液とした
後に、重合させてトナーを得る重合法トナー製造法;コ
ア材及びシェル材から成るいわゆるマイクロカプセルト
ナーにおいて、コア材あるいはシェル材、あるいはこれ
らの両方に所定の材料を含有させる方法;結着樹脂溶液
中に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することによりト
ナーを得る方法が挙げられる。更に必要に応じ所望の添
加剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーの如き混合機
により十分に混合し、本発明のトナーを製造することが
できる。
【0118】例えば混合機としては、ヘンシェルミキサ
ー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社
製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキ
サー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワ
ミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工
社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げら
れ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社
製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型
押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本
製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本
ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製
作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加
圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バン
バリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機
としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェッ
ト、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミ
ル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社
製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマ
ックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・
オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎
重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げら
れ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッ
シファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシ
ン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジ
ニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレッ
クス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン
社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパ
ージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);
YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、造粒
機としては、ローラーコンパクター(ターボ工業社製)
が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる
篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社
製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社
製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソ
ニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(タ
ーボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円
形振動篩い等が挙げられる。
【0119】次に本発明の画像形成方法、プロセスカー
トリッジの一例に関して図5を用いて説明する。図5は
実施例に使用したプロセスカートリッジの断面図を示し
ている。11は感光体ドラム、14はクリーニング装
置、12は帯電部材である。
【0120】現像装置はトナー、現像容器、及び、現像
スリーブ18、現像ブレード26で構成される。現像ス
リーブ18はアルミニウム芯金にカーボンコートしたも
のを使用する。不図示のマグネットを現像スリーブ内に
設けることにより、マグネタイトを含有する黒トナーを
現像スリーブ18上に引き付け、26の現像ブレードに
より現像スリーブ18上にトナーを均一にコートする。
【0121】一方、トナー容器16は下に三つこぶの円
形底を形成し、各こぶの中に3つの撹拌部材34a、3
4b、34cを備える。そして、各撹拌部材は仕切り部
材35−1、35−2によってそれぞれトナー撹拌領域
を形成する。仕切り部材35とトナー容器との間に形成
される開口の幅は15mmとした。
【0122】前記撹拌部材は弾性変形するシート材を用
いて構成され、前記シート材はトナーが充填されている
ときには攪拌部材の回転により弾性変形し、撹拌作用が
減少するとともに、撹拌部材の周辺に小さなトナー循環
を形成する。トナーが消費され、トナー残量が少なくな
ると、前記撹拌部材のシート材は円形に構成される容器
底部を擦り、容器内に残るトナーを現像装置の方へ搬送
する。
【0123】また、シート材のヤング率は現像装置に最
も近い方が小さくなるように設定する。これにより現像
装置に近いトナー循環スペースはシート材の変形量が増
加し、トナーの攪拌能力が低下するため、現像装置付近
のトナーの立ち上がりが速くなる。
【0124】また、撹拌部材の回転数は、現像装置に最
も近い方が他の撹拌部材より速くなるように設定する。
これにより現像装置に近いトナー循環スペースはシート
材の変形量が増加し、トナーの攪拌能力が他の攪拌部材
より低下するため、現像装置付近のトナーの立ち上がり
が速くなる。
【0125】また、現像装置に最も近い撹拌部材の回転
数を他の撹拌部材の回転数より速く、かつシート材のヤ
ング率を低く設定するかもしくはシート材の厚さを薄く
することにより、現像装置に最も近いトナー循環スペー
スのシート材の変形量が増加し、トナーの攪拌能力が低
下することにより現像装置付近のトナーの立ち上がりが
速くなる。
【0126】トナー容器16内には1500gのトナー
を充填した。各攪拌部材は攪拌軸にシート材を設けた構
成であり、本実施例において34aは厚さ50μm(ヤ
ング率:3GPa)のPPSシートを採用し、回転半径
20mmで0.167s-1の速度で回転する。また、3
4b、34cは厚さ100μm(ヤング率:3GPa)
のPPSシートを採用し、回転半径30mmで0.03
33s-1の速度で回転する。また、PPSシートの容器
に対する進入量は3mmとした。
【0127】また、本発明に用いられる別の画像形成方
法、プロセスカートリッジの一例に関して図6を用いて
説明する。
【0128】図6に示すように本発明に用いられるプロ
セスカートリッジ15は、感光ドラム11の周囲に帯電
部材である帯電ローラ12、現像装置として、現像部材
としての現像ローラ18、現像ブレード26、及び、ク
リーニング部材としてのクリーニングブレード14を配
置している。そしてこれらの各部材をハウジングで覆っ
て一体的にプロセスカートリッジ15としている。
【0129】ここでトナー収納枠体16と現像枠体17
は、シール部材21等のフレキシブルな材料、例えば発
泡ウレタンフィルム、エステル系樹脂フィルム、ポリウ
レタン系樹脂フィルムなどの可撓性のシールにより、揺
動可能に結合されている。これにより、トナー収納枠体
中のトナー量の減量に伴う質量差によって生じるひずみ
をこの揺動的結合によって吸収したり、トナーの押し付
け圧力が現像スリーブ等の現像部に対して過剰に掛かる
ことを防ぐことができる。
【0130】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
【0131】<樹脂製造例> (高分子量重合体の合成例) 高分子量重合体(H−1)の合成:4ツ口フラスコに脱
気水180質量部とポリビニルアルコールの2質量%水
溶液20質量部を投入した後、スチレン70質量部、ア
クリル酸−n−ブチル20質量部、マレイン酸モノブチ
ル10質量部、ジビニルベンゼン0.001質量部、及
び、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパー
オキシシクロヘキシル)プロパン(半減期10時間温度
92℃)0.1質量部の溶液の混合液を加え、撹拌し懸
濁液とした。
【0132】フラスコ内を充分に窒素で置換した後、8
5℃まで昇温して、重合を開始した。同温度に24時間
保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時
間温度92℃)0.1質量部を追加添加した。さらに、
12時間保持して重合を完了した。これを瀘別し、水
洗、乾燥し、高分子量重合体(H−1)を得た。
【0133】該高分子量重合体(H−1)を瀘別し、水
洗、乾燥した後、分析したところ、Mw=90万、PM
w=83万、Mw/Mn=2.3、Tg=62℃であっ
た。
【0134】高分子量重合体(H−2)の合成:4ツ口
フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、撹拌しな
がら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流さ
せる。
【0135】この還流下で、スチレン65質量部、アク
リル酸−n−ブチル30質量部、マレイン酸モノブチル
5質量部、ジビニルベンゼン0.001質量部、及び、
ジ−tert−ブチルパーオキサイド0.5質量部の混
合液を4時間かけて滴下後、2時間保持し重合を完了
し、高分子量重合体(H−2)溶液を得た。
【0136】この重合体溶液の一部をサンプリングし、
減圧下で乾燥させ、得られた高分子量重合体(H−2)
を分析したところ、Mw=23万、PMw=12万、M
w/Mn=2.9、Tg=55℃であった。
【0137】(低分子量重合体の合成例) 低分子量重合体(L−1)の合成:4ツ口フラスコ内に
キシレン300質量部を投入し、攪拌しながら容器内を
充分に窒素で置換した後、昇温して還流させる。
【0138】この還流下で、スチレン91質量部、アク
リル酸−n−ブチル8.8質量部、マレイン酸モノブチ
ル0.2質量部、及び、ジ−tert−ブチルパーオキ
サイド3質量部の混合液を4時間かけて滴下後、2時間
保持し重合を完了し、低分子量重合体(L−1)溶液を
得た。
【0139】この重合体溶液の一部をサンプリングし、
減圧下で乾燥させ、得られた低分子量重合体(L−1)
の分析を行なったところ、Mw=10000、PMw=
8500、Mw/Mn=2.2、Tg=61℃であっ
た。
【0140】低分子量重合体(L−2)の合成:スチレ
ン100質量部、及び、ジ−tert−ブチルパーオキ
サイド9質量部とした以外は、低分子量重合体(L−
1)と同様に重合を行い、低分子量重合体(L−2)溶
液を得た。
【0141】この重合体溶液の一部をサンプリングし、
減圧下で乾燥させ、得られた低分子量重合体(L−2)
の分析を行なったところ、Mw=4300、PMw=4
000、Mw/Mn=2.4、Tg=60℃であった。
【0142】低分子量重合体(L−3)の合成:スチレ
ン95質量部、アクリル酸−n−ブチル5質量部、及
び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド5質量部とし
た以外は、低分子量重合体(L−1)と同様に重合を行
い、低分子量重合体(L−3)溶液を得た。
【0143】この重合体溶液の一部をサンプリングし、
減圧下で乾燥させ、得られた低分子量重合体(L−3)
の分析を行なったところ、Mw=7500、PMw=6
000、Mw/Mn=2.2、Tg=59℃であった。
【0144】低分子量重合体(L−4)の合成:スチレ
ン87質量部、アクリル酸−n−ブチル13質量部、及
び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド2質量部とし
た以外は、低分子量重合体(L−1)と同様に重合を行
い、低分子量重合体(L−4)溶液を得た。
【0145】この重合体溶液の一部をサンプリングし、
減圧下で乾燥させ、得られた低分子量重合体(L−4)
の分析を行なったところ、Mw=19000、PMw=
17500、Mw/Mn=2.3、Tg=68℃であっ
た。
【0146】低分子量重合体(L−5)の合成:スチレ
ン75質量部、アクリル酸−n−ブチル25質量部、及
び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド1.5質量部
とした以外は、低分子量重合体(L−1)と同様に重合
を行い、低分子量重合体(L−5)溶液を得た。
【0147】この重合体溶液の一部をサンプリングし、
減圧下で乾燥させ、得られた低分子量重合体(L−5)
の分析を行なったところ、Mw=35000、PMw=
30100、Mw/Mn=2.1、Tg=50℃であっ
た。
【0148】次に、表1に示すような割合で高分子量重
合体と低分子量重合体を混合した。方法は、キシレン1
00質量部に、高分子量重合体と低分子量重合体の合計
が100質量部となるようにして投入し、昇温して還流
下で撹拌し、12時間保持した後、有機溶剤を留去し、
得られた樹脂を冷却、固化後、粉砕してトナー用樹脂組
成物を得た。
【0149】
【表1】
【0150】[実施例1]樹脂成分とワックス成分を表1
に示した処方とし、下記の如くして磁性トナーを得た。 ・表1に示したトナー用樹脂組成物 100質量部 ・球形磁性酸化鉄(平均粒径0.20μm・BET8.5m2/g) 100質量部 ・モノアゾ鉄錯体 2質量部 ・ポリプロピレン(DSC吸熱ピーク140℃) 3質量部 上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、13
0℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷
却した混練物をハンマーミルで粗粉砕して磁性トナー粗
粉砕物を得た。
【0151】得られた粗粉砕物を、回転子および固定子
の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコー
ティングし(めっき厚150μm、表面硬さHV105
0)、回転子と固定子の最小間隙を1.5mmに設定し
たターボミル(ターボ工業社製)を用いて、表2の条件
に基づき、エアー温度を調整して機械式粉砕させて微粉
砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分
割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微
粉、超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して、重量
平均粒径(D4)6.7μmの負帯電性磁性トナー粒子
を得た。更に、分級において発生した微粉、超微粉及び
粗紛を、ローラーコンパクター(ターボ工業社製)にて
造粒して、前記原材料全体の20質量%を前記原材料に
添加し、前記製造方法と同様の方法によって重量平均粒
径(D4)6.7μmの負荷電性磁性トナー粒子を得
た。
【0152】この磁性トナー粒子100質量部と、ジメ
チルジクロロシラン処理した後、ヘキサメチルジシラザ
ン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行っ
た疎水性シリカ微粉体1.2質量部とを、ヘンシェルミ
キサーで混合して負帯電性磁性トナー1を調製した。
【0153】[実施例2〜10、比較例1〜5]実施例1
と同様にして、表1のトナー処方に基づき、更にターボ
ミルの微粉砕条件を表2に示すように代えて、実施例2
〜10、及び、比較例1〜5の磁性トナーを得た。
【0154】次に、調製された磁性トナーを以下に示す
ような方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
【0155】図5に示したトナー収納容器内に容器の一
部と接触可能な長さの弾性変形可能なシート材による撹
拌部材を有しており、且つ、図6に示したトナー収納枠
体と現像フレームが揺動可能な可撓性シールにより結合
されているプロセスカートリッジに、上記磁性トナーを
1600g充填し、キヤノン製レーザービームプリンタ
ーLBP−950を前記カートリッジが入るよう改造
し、更にA4横送りで32枚/分から50枚/分に改造
し、更に定着器の加熱ローラーと加圧ローラー間の総圧
を333N(34kg)、ニップを9mmに設定した。
この時のプロセススピードは235mm/secであっ
た。
【0156】以上の設定条件で高温高湿環境下(32.
5℃,80%RH)及び低温低湿環境下(15℃,10
%RH)において2枚/20secのプリント速度で3
0000枚の画出し試験を行い、得られた画像を下記の
項目について評価した。また、高温高湿環境下において
は、15000枚の画出し試験の後、同一環境下におい
て2日間放置し、更に15000枚の画出し試験を行っ
た。画出し試験において、磁性トナー残量が100gよ
り少なくなった時点で、磁性トナーを500gずつ補給
して、30000枚の画出し試験を続けた。トナー補給
に際しては、カートリッジ上部のトナー容器部分に切り
込みを設け、そこからトナーを補給した。
【0157】(1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に30000枚
プリントアウトし、高温高湿環境下では2日間の放置後
の朝一及び耐久終期の画像濃度、低温低湿環境下では耐
久終期の画像濃度の評価を行った。なお、画像濃度は
「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原
稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対
する相対濃度を測定した。
【0158】(2)カブリ 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、低温低湿下
(15℃,10%RH)で30000枚プリントアウト
し、開始時及び終了時のカブリの評価を行った。リフレ
クトメーター(東京電色(株)製)により測定した転写
紙の白色度と、ベタ白をプリント後の転写紙の白色度と
の比較からカブリを算出した。
【0159】(3)スリーブゴースト 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に、低温低湿下
(15℃,10%RH)で30000枚プリントアウト
し、10000枚ごとにスリーブゴーストの評価を行っ
た。ゴーストに関する画像評価には、スリーブ一周分だ
けベタ黒の帯を出力した後ハーフトーンの画像を出力し
た。パターンの概略図を図7に示す。評価方法は、一枚
のプリント画像のうち、スリーブ2周目で、1周目で黒
画像が形成された場所(黒印字部)と、されない場所
(非画像部)での、マクベス濃度反射計により測定され
た反射濃度の差を下記のごとく算出した。
【0160】ゴーストは、一般的にネガゴーストとポジ
ゴーストがあり、ネガゴーストはスリーブ2周目で出る
画像において、スリーブ1周目に黒印字部だった部分の
画像濃度が、スリーブ1周目に非画像部だった部分の画
像濃度よりも低く、1周目で出したパターンの形がその
まま現れるゴースト現象であり、また、ポジゴーストは
逆にスリーブ1周目に黒印字部だった部分の画像濃度が
スリーブ1周目に非画像部だった部分の画像濃度より高
くなるゴースト現象である。ここの濃度差を、反射濃度
差を測定することにより評価を行った。反射濃度差=|
反射濃度(像形成されない場所)−反射濃度(像形成され
た場所)|
【0161】その平均値を表3に示す。反射濃度差が小
さいほどゴーストの発生はなくレベルは良い。ゴースト
の総合評価として○、○△、△、△×、×の5段階にわ
け評価した。 反射濃度差 ○ :0.00〜0.02の場合 ○△:0.02〜0.04の場合 △ :0.04〜0.06の場合 △×:0.06〜0.08の場合 × :0.08〜 の場合
【0162】(4)画像品質 通常環境(23℃,60%RH)において、図8に示す
チェッカー模様をプリントアウトし、ドット再現性を以
下の評価基準に基づいて評価した。 ◎:非常に良好(欠損2個以下/100個) ○:良好(欠損3〜5個/100個) △:普通(欠損6〜10個/100個) ×:悪い(欠損11個以上/100個)
【0163】(5)フェーディング 高温高湿(32.5℃,80%RH)環境下において、
1000枚ごとにベタ黒画像をとりながら、4%印字パ
ターンを2枚/6秒の割合で間欠的に30000枚耐久
画出しし、ベタ黒画像の均一性により、フェーディング
の有無をチェックした。
【0164】
【表2】
【0165】
【表3】
【0166】
【発明の効果】高温高湿、低温低湿のような厳しい環境
下においても長期の使用において高い現像性を維持し、
且つスリーブゴーストやフェーディング等の画像弊害を
起こさない磁性トナー、画像形成方法、及び、プロセス
カートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタノール濃度に対する透過率を示したグラフ
である。
【図2】本発明の磁性トナーの粉砕工程において使用さ
れ得る機械式粉砕機の概略断面図である。
【図3】図3におけるD−D’面での概略的断面図であ
る。
【図4】図3に示す回転子の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態を示すプロセスカートリッ
ジの断面図である。
【図6】本発明の実施の形態を示す別のプロセスカート
リッジの断面図である。
【図7】スリーブゴーストを評価するためのパターンの
説明図である。
【図8】ドット再現性の評価に用いたチェッカー模様の
説明図である。
【符号の説明】
k 折り目 t トナー 5 除去トナー溜め(除去現像剤収納部) 11 感光体ドラム 12 帯電ローラ(帯電部材) 13 クリーニング枠体 14 クリーニングブレード 15 プロセスカートリッジ 16 トナー収納枠体(トナー容器) 17 現像枠体 18 現像スリーブ 21 シール部材 26 現像ブレード 113/114 撹拌部材 34a/34b/34c 撹拌部材 35−1/35−2 仕切り部材 201 機械式粉砕機 210 固定子 212 渦巻室 213 ケーシング 214 回転子 215 回転軸 216 ジャケット 219 パイプ 220 ディストリビュータ 222 バグフィルター 224 吸引ブロワー 229 捕集サイクロン 235 定量供給機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 112 G03G 9/08 101 505 301 325 (72)発明者 平塚 香織 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 谷川 博英 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 AA08 CA03 CA14 CB03 CB13 EA03 EA06 EA07 2H077 AA12 AA33 AB03 AB06 AB13 AB15 AB18 AC03 AD06 BA08 BA09 CA12 EA13 FA22

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及びワ
    ックスを含有するトナー粒子と無機微粉体を有する磁性
    トナーであり、 該磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ
    性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過
    率が80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の
    範囲内であり、また、透過率が10%の時のメタノール
    濃度が65〜80体積%の範囲内であり、 該磁性トナーのテトラハイドロフラン(THF)可溶成
    分のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)に
    より測定される分子量分布において、分子量3×103
    乃至3×104の領域にメインピークを有し、且つ、分
    子量5×104乃至3×106の領域にサブピークまたは
    ショルダーを有することを特徴とする磁性トナー。
  2. 【請求項2】 該磁性トナーの結着樹脂の構成モノマー
    中に占めるスチレンの割合が80乃至99質量%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 【請求項3】 該磁性トナーの結着樹脂が、少なくと
    も、THF可溶成分のGPCにより測定される分子量3
    ×103乃至3×104の領域に極大値を有する低分子側
    成分(L成分)と、分子量5×104乃至3×106の領
    域に極大値を有する高分子側成分の混合物からなるもの
    であり、そのうち、L成分の構成モノマーに占めるスチ
    レンの割合が90乃至100質量%であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 【請求項4】 該磁性トナーの示差走査型熱量計(DS
    C)により測定される昇温時のDSC曲線において、1
    20乃至160℃の温度領域に少なくとも1つの吸熱ピ
    ークを有するものであることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の磁性トナー。
  5. 【請求項5】 トナー収納スペース内に少なくとも1つ
    の撹拌部材を有しており、該撹拌部材が弾性変形可能な
    シート材で構成されており、容器の一部と接触可能な長
    さに設定されている画像形成方法であり、 該トナーが少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及びワック
    スを含有するトナー粒子と無機微粉体を有する磁性トナ
    ーであり、 該磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ
    性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過
    率が80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の
    範囲内であり、また、透過率が10%の時のメタノール
    濃度が65〜80体積%の範囲内であり、 該磁性トナーのTHF可溶成分のGPCにより測定され
    る分子量分布において、分子量3×103乃至3×104
    の領域にメインピークを有し、且つ、分子量5×104
    乃至3×106の領域にサブピークまたはショルダーを
    有することを特徴とする画像形成方法。
  6. 【請求項6】 該磁性トナーの結着樹脂の構成モノマー
    中に占めるスチレンの割合が80乃至99質量%である
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 該磁性トナーの結着樹脂が、少なくと
    も、THF可溶成分のGPCにより測定される分子量3
    ×103乃至3×104の領域に極大値を有する低分子側
    成分(L成分)と、分子量1×105乃至3×106の領
    域に極大値を有する高分子側成分の混合物からなるもの
    であり、そのうち、L成分の構成モノマーに占めるスチ
    レンの割合が90乃至100質量%であることを特徴と
    する請求項5又は6に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 該磁性トナーの示差走査型熱量計(DS
    C)により測定される昇温時のDSC曲線において、1
    20乃至160℃の温度領域に少なくとも1つの吸熱ピ
    ークを有するものであることを特徴とする請求項5乃至
    7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 画像形成装置本体に着脱可能なプロセス
    カートリッジにおいて、 感光体ドラムと;前記感光体ドラムに形成された静電潜
    像を現像するための現像部材と;前記現像部材によっ
    て、前記静電潜像の現像に用いられる現像剤を収納する
    ための現像剤収納部を有するトナー収納枠体と;前記感
    光体ドラムを支持するドラムフレームと;前記現像部材
    を支持する現像フレームを持っており、 前記トナー収納枠体が揺動可能に現像フレームと結合さ
    れているプロセスカートリッジを用いる画像形成方法で
    あり、 該トナーが少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及びワック
    スを含有するトナー粒子と無機微粉体を有する磁性トナ
    ーであり、 該磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ
    性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過
    率が80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の
    範囲内であり、また、透過率が10%の時のメタノール
    濃度が65〜80体積%の範囲内であり、 該磁性トナーのTHF可溶成分のGPCにより測定され
    る分子量分布において、分子量3×103乃至3×104
    の領域にメインピークを有し、且つ、分子量5×104
    乃至3×106の領域にサブピークまたはショルダーを
    有することを特徴とする画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記現像フレームと前記トナー収納枠
    体は、可撓性のシールで結合されており、かつ、前記可
    撓性のシールは、前記現像フレームと前記トナー収納枠
    体とに貼り付けられているプロセスカートリッジを用い
    ることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 該磁性トナーの結着樹脂の構成モノマ
    ー中に占めるスチレンの割合が80乃至99質量%であ
    ることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成
    方法。
  12. 【請求項12】 該磁性トナーの結着樹脂が、少なくと
    も、THF可溶成分のGPCにより測定される分子量3
    ×103乃至3×104の領域に極大値を有する低分子側
    成分(L成分)と、分子量1×105乃至3×106の領
    域に極大値を有する高分子側成分の混合物からなるもの
    であり、そのうち、L成分の構成モノマーに占めるスチ
    レンの割合が90乃至100質量%であることを特徴と
    する請求項9乃至11のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  13. 【請求項13】 該磁性トナーの示差走査型熱量計(D
    SC)により測定される昇温時のDSC曲線において、
    120乃至160℃の温度領域に少なくとも1つの吸熱
    ピークを有するものであることを特徴とする請求項9乃
    至12のいずれかに記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 トナー収納スペース内に少なくとも1
    つの撹拌部材を有しており、該撹拌部材が弾性変形可能
    なシート材で構成されており、容器の一部と接触可能な
    長さに設定されているプロセスカートリッジであり、 該トナーが少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及びワック
    スを含有するトナー粒子と無機微粉体を有する磁性トナ
    ーであり、 該磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ
    性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過
    率が80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の
    範囲内であり、また、透過率が10%の時のメタノール
    濃度が65〜80体積%の範囲内であり、 該磁性トナーのTHF可溶成分のGPCにより測定され
    る分子量分布において、分子量3×103乃至3×104
    の領域にメインピークを有し、且つ、分子量5×104
    乃至3×106の領域にサブピークまたはショルダーを
    有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 【請求項15】 該磁性トナーの結着樹脂の構成モノマ
    ー中に占めるスチレンの割合が80乃至99質量%であ
    ることを特徴とする請求項14に記載のプロセスカート
    リッジ。
  16. 【請求項16】 該磁性トナーの結着樹脂が、少なくと
    も、THF可溶成分のGPCにより測定される分子量3
    ×103乃至3×104の領域に極大値を有する低分子側
    成分(L成分)と、分子量1×105乃至3×106の領
    域に極大値を有する高分子側成分の混合物からなるもの
    であり、そのうち、L成分の構成モノマーに占めるスチ
    レンの割合が90乃至100質量%であることを特徴と
    する請求項14又は15に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  17. 【請求項17】 該磁性トナーの示差走査型熱量計(D
    SC)により測定される昇温時のDSC曲線において、
    120乃至160℃の温度領域に少なくとも1つの吸熱
    ピークを有するものであることを特徴とする請求項14
    乃至16のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  18. 【請求項18】 画像形成装置本体に着脱可能なプロセ
    スカートリッジにおいて、 感光体ドラムと;前記感光体ドラムに形成された静電潜
    像を現像するための現像部材と;前記現像部材によっ
    て、前記静電潜像の現像に用いられる現像剤を収納する
    ための現像剤収納部を有するトナー収納枠体と;前記感
    光体ドラムを支持するドラムフレームと;前記現像部材
    を支持する現像フレームを持っており、 前記トナー収納枠体が揺動可能に現像フレームと結合さ
    れているプロセスカートリッジであり、 該トナーが少なくとも結着樹脂、磁性酸化鉄及びワック
    スを含有するトナー粒子と無機微粉体を有する磁性トナ
    ーであり、 該磁性トナーは、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ
    性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過
    率が80%の時のメタノール濃度が65〜80体積%の
    範囲内であり、また、透過率が10%の時のメタノール
    濃度が65〜80体積%の範囲内であり、 該磁性トナーのTHF可溶成分のGPCにより測定され
    る分子量分布において、分子量3×103乃至3×104
    の領域にメインピークを有し、且つ、分子量5×104
    乃至3×106の領域にサブピークまたはショルダーを
    有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  19. 【請求項19】 前記現像フレームと前記トナー収納枠
    体は、可撓性のシールで結合されており、かつ、前記可
    撓性のシールは、前記現像フレームと前記トナー収納枠
    体とに貼り付けられているプロセスカートリッジを用い
    ることを特徴とする請求項18に記載のプロセスカート
    リッジ。
  20. 【請求項20】 該磁性トナーの結着樹脂の構成モノマ
    ー中に占めるスチレンの割合が80乃至99質量%であ
    ることを特徴とする請求項18又は19に記載のプロセ
    スカートリッジ。
  21. 【請求項21】 該磁性トナーの結着樹脂が、少なくと
    も、THF可溶成分のGPCにより測定される分子量3
    ×103乃至3×104の領域に極大値を有する低分子側
    成分(L成分)と、分子量1×105乃至3×106の領
    域に極大値を有する高分子側成分の混合物からなるもの
    であり、そのうち、L成分の構成モノマーに占めるスチ
    レンの割合が90乃至100質量%であることを特徴と
    する請求項18乃至20のいずれかに記載のプロセスカ
    ートリッジ。
  22. 【請求項22】 該磁性トナーの示差走査型熱量計(D
    SC)により測定される昇温時のDSC曲線において、
    120乃至160℃の温度領域に少なくとも1つの吸熱
    ピークを有するものであることを特徴とする請求項18
    乃至21のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
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