JP2000242027A - トナー、画像形成方法、及び装置ユニット - Google Patents

トナー、画像形成方法、及び装置ユニット

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JP2000242027A
JP2000242027A JP4388299A JP4388299A JP2000242027A JP 2000242027 A JP2000242027 A JP 2000242027A JP 4388299 A JP4388299 A JP 4388299A JP 4388299 A JP4388299 A JP 4388299A JP 2000242027 A JP2000242027 A JP 2000242027A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラム融着や画像流れを生じず、転写効率が
良好でドラム削れを抑制できるトナー、該トナーを用い
る画像形成方法、装置ユニットの提供。 【解決手段】 トナー粒子及び疎水性シリカ微粉体を少
なくとも有するトナーにおいて、トナーが有する疎水特
性を、特定条件下でのエタノール滴下透過率曲線で表し
た場合に、トナーの疎水特性が、エタノール含有率2
5乃至37体積%における透過率が90%以上、エタ
ノール含有率38体積%における透過率が85%以上、
且つ、エタノール含有率40体積%における透過率が
60%以上であり、トナーの重量平均粒径(D4)が
3.5乃至6.5μmであり、粒径10.1μm以上の
粒子の含有量が3.0体積%以下であるトナー、該トナ
ーを用いる画像形成方法、装置ユニット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法の如き
静電荷像潜像を顕像化するためのトナー、該トナーを使
用する画像形成方法及び該トナーを有する装置ユニット
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機及びレーザープリンターの
如き電子写真技術を用いた画像形成装置に対する需要が
多様化し、より一層の高精細化、高画質化した画像が求
められている。それに伴い、画像形成に使用されるトナ
ーは、従来以上に粒子径が細かいものが使用される傾向
がある。更に今日では、環境問題に対する配慮より、オ
ゾンを発生するコロナ帯電器を使用せずに接触帯電部材
で感光体を帯電させる方法が採用されるようになってき
ている。しかし、接触帯電部材で感光体を帯電させる方
式の場合は、特に、高温・高湿(多湿)環境下におい
て、クリーニング部材で良好にクリーニングされないト
ナーの微細粒子が帯電部材で圧着されることが起こり、
静電荷像担持体である感光ドラム表面に付着する現象
(以下、「ドラム融着」と呼ぶ)が発生し易くなる。こ
れに対して、クリーニング特性を強化するためにクリー
ニング部材の機能を強化させると、ドラムの削れ量が増
大し、この結果、ドラム電位変化等の弊害が生じ易くな
る。従って、これらの問題の根本的な対策の一つとし
て、トナー画像の転写効率の向上を図り、ドラム上に極
力トナーを残留させないことが望まれている。
【0003】トナーの転写高率を向上させ、上記の問題
を解決する手段として、トナー粒子表面に添加剤(以下
「外添剤」と呼ぶ)を付与することが行なわれており、
この観点から検討された外添剤としては、下記のものが
挙げられる。例えば、特開昭61−287174号公報
に記載されている、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)からなるカップリング剤で処理後、オイル処理をし
て得られる疎水性シリカ微粉体、或いは、特開平5−8
0584号公報に記載されている疎水性シリカ微粉体等
があり、これらを使用することによって、ある程度の改
善が図られることがわかっている。しかし、近年の高画
質化の要請から、より一層のトナーの小粒径化が進み前
記の現象は更に顕著になり、上記の処理が施された疎水
性シリカ微粉体を用いることで全てを解決することは困
難な状況となっている。
【0004】更に、トナーが高温・多湿の環境下で使用
される場合には、プリント時に発生する紙粉、オゾン等
によって形成される低電気抵抗物質により、感光体表面
に形成される静電潜像が著しく損なわれるという現象
(以下、「画像流れ」と呼ぶ)が生じ易い。この画像流
れを防止する手段として、特開昭60−32060号公
報に2種類のBET比表面積を有する無機微粉体を含有
させたトナーが開示されている。しかし、本発明者らが
検討したところ、ドラム融着を防止する目的で、例え
ば、前述した特開昭61−287171号公報で開示さ
れているHMDS処理後、オイル処理をして得られる疎
水性シリカ微粉体を上記トナーの外添剤として使用した
場合には、満足できる画像流れの防止効果を得ることは
できず、ドラム融着防止と画像流れの抑制の効果を同時
に達成することはできないことがわかった。
【0005】又、別の問題として、上記したような画像
流れの防止効果の高いトナーは、通常の場合、ドラムを
削り易いトナーであるといえ、このようなトナーを使用
した場合には、ドラム寿命の低下の問題が生じてくる。
更に、この場合には、ドラム表面が荒れることで、転写
効率の低下が生じ、それが原因となってドラムのクリー
ニング不良、帯電ローラーの汚れ等の問題が生じてくる
のが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、全ての環境下において、ドラム融着を発生させるこ
とのないトナーを提供することにある。又、本発明の目
的は、高温・高湿環境下においても、画像流れを生じさ
せることのないトナーを提供することにある。又、本発
明の目的は、転写効率の良好なトナーを提供することに
ある。又、本発明の目的は、ドラム削れを抑制し、ドラ
ムの使用期間の長寿命化を達成できるトナーを提供する
ことにある。更に、本発明の目的は、上記トナーを使用
することによって優れた効果が得られる画像形成方法を
提供することにある。更に、本発明の目的は、上記トナ
ーが充填されている優れた効果が得られる装置ユニット
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、トナー粒子及
び疎水性シリカ微粉体を少なくとも有するトナーにおい
て、トナーが有する疎水特性を、エタノール25体積%
及び水75体積%からなる含水エタノール液を70ml
保有する容器に精秤したトナー0.025gを添加して
作製した測定用サンプル液に、エタノールを0.5ml
/min.の滴下速度で添加しながら波長780nmの
光で透過率を測定することによって作成したエタノール
滴下透過率曲線で表した場合に、トナーの疎水特性が、 エタノール含有率25乃至37体積%における上記測
定用サンプル液についての透過率が90%以上であり、
且つ、 エタノール含有率38体積%における上記測定用サン
プル液についての透過率が85%以上であり、且つ、 エタノール含有率40体積%における上記測定用サン
プル液についての透過率が60%以上であり、トナーの
重量平均粒径(D4)が3.5乃至6.5μmであり、
粒径10.1μm以上の粒子の含有量が3.0体積%以
下であることを特徴とするトナーである。
【0008】更に、本発明は、静電荷像担持体上に静電
荷像を形成し、該静電荷像をトナーを用いる現像手段に
よって現像して静電荷像担持体上にトナー画像を形成
し、該トナー画像を中間転写体を介して或いは介さずに
転写材上に転写し、更に、該転写材上のトナー画像を定
着手段によって定着して定着画像を得る画像形成方法に
おいて、上記静電荷像現像用トナーを使用することを特
徴とする画像形成方法である。
【0009】更に、本発明は、少なくとも静電荷像担持
体及び現像手段が一体的に設けられ、且つ画像形成装置
本体に着脱可能に構成されている装置ユニットにおい
て、上記現像手段が、トナー粒子及び疎水性シリカ微粉
体を少なくとも有するトナーを収納するための収納部を
具備し、且つ該収納部に収納されているトナーが、上記
静電荷像現像用トナーであることを特徴とする装置ユニ
ットである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明者等
は、トナーの粉体としての表面特性に着目し、トナー
が、ある特定溶媒に対して一定の濡れ特性(疎水特性)
を有するものであれば、ドラム融着防止と画像流れの抑
制の効果を同時に達成することが可能になる等、本発明
の課題を同時に解決できることを知見して本発明に至っ
た。即ち、本発明では、トナーの表面の疎水特性の測定
に、特定の条件下でのエタノール滴下透過率曲線を用
い、該曲線が特定の要件を満足する状態にあるトナーに
特定することによって、本発明の優れた効果を達成す
る。
【0011】上記透過率曲線は、特定の濃度の含水エタ
ノール液中に、特定量のトナーを加えてトナーの疎水性
特性を測定するためのサンプル溶液を調製し、これに一
定の滴下速度でエタノール溶液を添加していった場合に
おけるサンプル溶液の透過率の変化を連続的に測定でき
るように構成された装置を用いることによって測定され
る。そして、このようにして得られた透過率曲線が特定
の要件を満足する疎水特性を有するトナーが本発明のト
ナーであり、本発明の所期の目的であるドラム融着の問
題と画像流れの問題とを同時に解決し得るトナーが特定
される。エタノール溶液に対するトナーの濡れ性は、ト
ナーを構成する原材料の種類によって変化する。例え
ば、結着樹脂、離型剤、外添剤等の種類や性状によって
も変化する。更には、磁性トナーにおいては、トナー粒
子表面への磁性体の露出状態によっても変化すると考え
られる。特に、本発明で規定するトナーの濡れ性に大き
な影響を及ぼしているのは、結着樹脂、及び外添剤とし
て使用されるシリカ微粉体であると考えられる。従っ
て、トナーを製造する場合に、これらの種類や性状を適
宜に設計することで本発明のトナーを容易に得ることが
できる。
【0012】先ず、本発明のトナーの第一の構成要件で
あるトナーの疎水特性を特定するためのエタノール滴下
透過率曲線について説明する。本発明のトナーにおいて
は、特定のトナーの疎水特性の測定方法によって得られ
るエタノール滴下透過率曲線が、エタノール含有率37
体積%における透過率が90%以上となっていることが
必要である。この場合の透過率が90%未満である場合
には、ドラム融着等が悪化するので好ましくない。更
に、エタノール含有率38体積%における透過率が85
%以上を示していることを要する。この場合の透過率が
85%未満の場合にも、転写効率等の悪化が見られる。
更に、本発明の課題をより確実に解決するためには、エ
タノール含有率40体積%における透過率が60%以上
であることを要する。即ち、60%未満の場合には、ド
ラム削れ防止等の効果が低下するので好ましくない。
【0013】本発明においては、上記したように、優れ
た効果が得られるトナーを特定すべく、その疎水特性を
エタノール滴下透過率曲線を用いて選択するが、具体的
には、その測定装置として、例えば、(株)レスカ社製
の粉体濡れ性試験機WET−100Pを用い、下記の条
件及び手順で測定したエタノール滴下透過率曲線を利用
する。先ず、エタノール25体積%と、水75体積%と
からなる含水エタノール液を70ml容器中に入れ、こ
の中に検体であるトナーを0.025gを精秤して添加
し、トナーの疎水特性を測定するためのサンプル液を調
製する。次に、この測定用サンプル液中に、エタノール
を0.5ml/min.の滴下速度で連続的に添加しな
がら波長780nmの光で透過率を測定し、図1に示し
たようなエタノール滴下透過率曲線を作製する。この際
に、エタノールを滴定溶媒としたのは、トナーに含有さ
れる染料、顔料、荷電制御剤等の溶出によって生じる恐
れのある透過率の低下を考慮したためである。
【0014】本発明のトナーは、少なくともトナー粒子
と疎水性シリカ微粉体とを有して構成されているが、先
に述べたように、トナーの疎水特性に対しては、特に、
トナーを構成するシリカ微粉体の疎水特性が影響を与え
るので、上記した本発明トナーの疎水疎水特性を実現さ
せるためには、シリカ微粉体の疎水特性を制御すること
が有効である。本発明のトナーにおいては、例えば、以
下の疎水特性を有する疎水性シリカ微粉体が好適に用い
られる。即ち、疎水性シリカ微粉体についてのメタノー
ル滴下透過率曲線を、下記の後述するようにして測定し
て表した場合に、その疎水特性が、 メタノール含有率60乃至72体積%における上記測
定用サンプル液の透過率が95%以上であり、且つ、 メタノール含有率74体積%における上記測定用サン
プル液の透過率が90%以上である疎水性シリカ微粉体
が好適に用いられる。 更に好ましくは、メタノール含有率75体積%における
上記測定用サンプル液の透過率が90%以上である疎水
性シリカ微粉体が好適である。更に、メタノール含有率
76体積%における上記測定用サンプル液の透過率が8
5%以上である疎水性シリカ微粉体が好適に用いられ
る。
【0015】即ち、疎水性シリカ微粉体の疎水特性をメ
タノール滴下透過率曲線で特定した場合に、メタノール
含有率が60乃至72体積%における透過率が95%以
上、且つ、メタノール含有率が74体積%における透過
率が90%以上とならない疎水性シリカ微粉体をトナー
外添剤として用いると、ドラム融着、画像流れ、転写効
率のいずれもが悪化する傾向があり、又、ドラム削れ量
も増加する場合があることがわかった。疎水性シリカ微
粉体の疎水特性を測定するメタノール滴下透過率曲線の
測定方法について説明する。即ち、メタノール60体積
%と、水40体積%とからなる含水メタノール液を70
ml容器に入れ、この中に疎水性シリカ微粉体0.06
gを精秤して添加して、疎水性シリカ微粉体の疎水特性
を測定するためのサンプル液を用意し、これにメタノー
ルを1.3ml/min.の滴下速度で連続的に添加し
ながら、波長780nmの光で透過率を測定することに
よってメタノール滴下透過率曲線を作成する。メタノー
ル滴下透過率曲線を作製する場合もは、トナーの疎水特
性においてエタノール滴下透過率曲線を作成する場合と
同様に、(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機WET−
100Pを用いて求めればよい。本発明において、疎水
性シリカ微粉体の疎水特性を測定する場合に、メタノー
ルを滴定溶媒としたのは、シリカ疎水特性について、従
来よりメタノール溶液が用いられた点を考慮し、従来使
用されてきた疎水性シリカと本発明に用いられる疎水性
シリカの疎水特性の違いを明確化できると考えたからで
ある。
【0016】上記のようにして特定される本発明のトナ
ーの構成材料として好適な、特有の疎水特性を有する疎
水性シリカ微粉体について説明する。先ず、疎水化処理
する前の原体としては、下記に挙げるようなケイ酸微粉
体(以下、これを、原体シリカと呼ぶ)を良好に使用す
ることができる。即ち、原体シリカとして使用するケイ
酸微粉体は、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生
成された乾式法又はヒュームドシリカと称される、所謂
乾式シリカ、及び水ガラス等から製造される所謂湿式シ
リカの両方が使用可能であるが、特に、表面及びシリカ
微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、又、Na2
O、SO3-等の製造残滓の少ない乾式シリカを用いるこ
とが好ましい。又、乾式シリカにおいては、製造工程に
おいて、例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等、他
の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用
いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉
体を得ることも可能であるが、本発明で使用する原体シ
リカとしては、それらも包含される。
【0017】本発明のトナーにおいては、その外添剤と
して、上記に挙げたようなケイ酸微粉体を原体として、
その表面が均一に且つ高度に疎水化処理された疎水性シ
リカ微粉体を用いることが好ましいが、以下、この際に
用いる疎水化処理剤について説明する。上記に挙げた原
体シリカを疎水化処理するための疎水化処理剤として
は、有機ケイ素化合物が好ましく用いられる。この際に
使用する有機ケイ素化合物としては、例えば、シリコー
ンオイル及び/又はシランカップリング剤が好適に使用
できる。
【0018】シランカップリング剤としては、例えば、
ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチ
ルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチル
ジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメ
チルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベ
ンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルク
ロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−
クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチル
クロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリ
メチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリ
レート、ビニルジメチルアセトキシシラメン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、
1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−
ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当た
り2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する
単位に夫々1個あたりのケイ素原子に結合した水酸基を
含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0019】又、本発明においては、原体シリカの疎水
化処理剤として、シリコーンオイル又はシリコーンワニ
スも好適に使用できる。シリコーンオイルとしては下記
一般式(I)で表されるものが好ましい。
【0020】
【化1】 (但し、R:炭素数1〜3のアルキル基、 R’:アルキル、ハロゲン変性アルキル、フェニル、変
性フェニル等のシリコーンオイル変性基、 R”:炭素数1〜3のアルキル又は、アルコキシ基を示
すものとする。)
【0021】上記一般式(I)の具体例としては、例え
ば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコー
ンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、
クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコー
ンオイル等が挙げられる。
【0022】本発明においては、シリコーンオイルとし
て、下記一般式(II)で表される構造をもつ変性シリコ
ーンオイルを使用することもできる。
【化2】
【0023】上記一般式(II)中、R1 、R6 は、水素
原子、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表わ
し、R2 は、アルキレン基又はフェニレン基を表わし、
R3は、含窒素複素環をその構造に有する化合物を表わ
し、R4 及びR5 は、水素原子、アルキル基、アリール
基を表わす。又、R2 はなくてもよい。但し、上記のア
ルキル基、アリール基アルキレン基、フェニレン基は、
アミンを有してもよいし、又、帯電性を損ねない範囲で
ハロゲン等の置換基を有してもよい。又、mは1以上の
数であり、n、kは0を含む正の数である。但し、n+
kは1以上の正の数である。
【0024】上記構造中最も好ましい構造は窒素原子を
含む側鎖中の窒素原子の数が1か2であるものである。
窒素を有する不飽和複素環として、下記にその構造の一
例を挙げる。
【化3】
【0025】窒素を有する飽和複素環として、下記にそ
の構造の一例を挙げる。
【化4】 但し、本発明は何ら上記化合物例に拘束されるものでは
ないが、好ましくは5員環又は6員環の複素環を持つも
のが好ましい。
【0026】誘導体としては、上記化合物群に、炭化水
素基、ハロゲン基、アミノ基、ビニル基、メルカプト
基、メタクリル基、グリシドキシ基、ウレイド基等を導
入した誘導体が例示される。これらは1種、又は、2種
以上用いてもよい。
【0027】又、本発明に用いられるシリコーンワニス
としては、例えば、メチルシリコーンワニス、フェニル
メチルシリコーンワニス等を挙げることができ、特に、
本発明においては、メチルシリコーンワニスを用いるこ
とが好ましい。メチルシリコーンワニスは、下記構造で
示されるT31単位、D31単位、M31単位よりなるポリマ
ーであり、且つT31単位を多量に含む三次元ポリマーで
ある。
【0028】
【化5】
【0029】メチルシリコーンワニス、又は、フェニル
メチルシリコーンワニスは、具体的には、下記構造式
(A)で示されるような化学構造を有する物質である。
【化6】
【0030】上記シリコーンワニスにおいて、特にT31
単位は、良好な熱硬化性を付与し、三次元網状構造とす
るために有効な単位である。シリコーンワニス中に、上
記T31単位が、10〜90モル%、特に30〜80モル
%の範囲で含まれるものを使用することが好ましい。
【0031】このようなシリコーンワニスは、分子鎖の
末端若しくは側鎖に水酸基を有しており、この水酸基の
脱水縮合反応によって硬化することとなる。この硬化反
応を促進させるために用いることができる硬化促進剤と
しては、例えば、亜鉛、鉛、コバルト、スズ等の脂肪酸
塩;トリエタノールアミン、ブチルアミン等のアミン類
等を挙げることができる。このうち特にアミン類を好ま
しく用いることができる。
【0032】上記の如きシリコーンワニスをアミノ変性
シリコーンワニスとするためには、前記、T31単位、D
31単位、M31単位中に存在する一部のメチル基或いはフ
ェニル基を、アミノ基を有する基に置換すればよい。ア
ミノ基を有する基としては、例えば、下記構造式で示さ
れるものを挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【化7】
【0033】これらのシリコーンオイル又はシリコーン
ワニスによる原体シリカの疎水化処理方法としては、公
知技術が使用できる。例えば、シリカ微粉体とシリコー
ンオイル又はシリコーンワニスとを混合機を用いて混合
する方法、シリカ微粉体中にシリコーンオイル又はシリ
コーンワニスを噴霧器を用い噴霧する方法、溶剤中にシ
リコーンオイル又はシリコーンワニスを溶解させた後、
シリカ微粉体を混合する方法等が挙げられる。
【0034】上記シリコーンオイル又はシリコーンワニ
スとしては、25℃における粘度が10〜2,000セ
ンチストークスのものを、更には、30〜15,00セ
ンチストークスのものを使用することが好ましい。即
ち、その粘度が10センチストークス未満のものを使用
した場合には、融着レベルが低下する。一方、2,00
0センチストークスを超える場合も、融着レベルが低下
する。
【0035】シリコーンオイル又はシリコーンワニスの
粘度測定は、ビスコテスターVT500(ハーケ社製)
を用いて行った。いくつかあるVT500用粘度センサ
ーの一つを選び(任意)、そのセンサー用の測定セルに
測定試料を入れて測定する。装置上に表示された粘度
(pas)は、cs(センチストークス)に換算した。
【0036】本発明で使用する疎水性シリカ微粉体の処
理形態としては、シランカップリング剤等や、或いは、
シリコーンオイル又はシリコーンワニス単独で処理され
る場合と、両者を組合わせて処理される場合がある。そ
の中での好ましい処理形態としては、先ず、シランカッ
プリング処理剤で処理した後、シリコーンオイル又はシ
リコーンワニスで処理することが挙げられる。その中で
も特に、ヘキサメチルシラザンで処理した後、シリコー
ンオイルで処理する形態が好ましい。
【0037】シランカップリング剤による処理方法とし
ては、ケイ酸微粉体を撹拌等により、グラウド状とした
ものに、気化したシランカップリング剤を反応させる乾
式処理、又は、ケイ酸微粉体を溶媒中に分散させてシラ
ンカップリング剤を滴下反応させる湿式処理等の方法を
挙げることができる。特に好ましく用いられる方法は、
シランカップリング剤を水蒸気の存在下、グラウド状に
したシリカ微粉体と接触させて反応させる乾式法による
ものである。
【0038】シリコーンオイル及び/又はシリコーンワ
ニスによる原体シリカ表面の疎水化処理方法には、公知
の技術が用いられ、例えば、シリカ微粉体とシリコーン
オイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接
混合させてもよいし、原体シリカへシリコーンオイルを
噴霧する方法によってもよい。或いは、適当な溶剤に、
シリコーンオイルを溶解或いは分散せしめた後、ベース
のシリカ微粉体とを混合した後、溶剤を除去して作製し
てもよい。
【0039】本発明で使用する疎水性シリカ微粉体の作
製に良好に用いられる方法としては、シランカップリン
グ剤で処理後、シリコーンオイルを噴霧した後、200
℃以上で加熱処理する方法が好適に用いられる。この
際、シランカップリング剤を、原体シリカ100重量部
に対して、5乃至60重量部、更に好ましくは、10乃
至50重量部の範囲で添加して処理するとよい。5重量
部より少ない場合には、ドラム融着が発生し易くなり、
60重量部よりも多い場合には、製造上困難になる場合
が生ある。
【0040】シリコーンオイル又はシリコーンワニス
は、原体シリカ又は処理シリカ100重量部に対して5
乃至40重量部、より好ましくは、7乃至35重量部の
範囲で使用する。5重量部より少ない場合は、ドラム融
着が発生し易くなり、40重量部よりも多い場合には、
画像流れ等の弊害が生じ易くなる。
【0041】更に、本発明で使用する疎水性シリカ微粉
体は、その最終的なカーボン含有量が3.0乃至13.
0重量%の範囲内にあるもの、より好ましくは、4.5
乃至12.0重量%の範囲内にあるものを使用するとよ
い。尚、本発明においては、かかるカーボンの含有量の
分析には、微量炭素分析装置(堀場社製 EMIA−1
00型)を用いて行った。
【0042】次に、本発明のトナーの第二の構成要件
は、その重量平均粒径(D4)が3.5乃至6.5μm
であり、粒径10.1μm以上の粒子の含有量が3.0
体積%以下であることである。本発明のトナーは、その
大前提として、高画質、所謂飛び散りのない、潜像に忠
実な文字等の形成を可能とすることを目的としており、
このためにはトナーの粒度分布が上記に規定する範囲内
にあることを要する。先ず本発明のトナーは、D4が
3.5以上6.5μm以下であることを要する。D4が
6.5μmより大きい場合は、文字の飛び散りが悪化し
て好ましくない。一方、D4が3.5μmより小さい場
合は、トナーの粒子間の凝集性が上昇し、カブリの弊害
が発生しやすくなる。更に、粒径10.1μm以上の粒
子の含有量が3.0体積%以下でなければならない。粒
径10.1μm以上の粒子の含有量が3.0体積%より
多い場合は、先述の文字の飛び散りの悪化が顕著となる
からである。しかし、この様な粒度分布を有するトナー
を使用した場合には、確かに先述の高画質が達成される
が、トナーの粒径が小さいためにトナーの感光体への付
着力が上昇し、ドラム融着問題が顕在化するために、高
画質の達成とドラム融着抑制の問題を同時に解決するこ
とが困難であった。しかしながら、本発明のトナーは、
トナーの感光体への付着力に影響を与える要素であるト
ナーの疎水特性を前述の如く特定の条件を満たすように
コントロールしたことから、高画質の達成とドラム融着
発生の抑制を同時に解決可能とするものである。
【0043】本発明においてトナーの重量平均粒径の測
定は、通常用いられるコールターカウンターTA−II
(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチ
サイダー(コールター社製)を用いることも可能である
が、下記の方法によって測定した。電解質水溶液は1級
塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエ
ンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法と
しては、前記電解質水溶液100〜150ml中に分散
剤として界面活性剤剤、好ましくはアルキルベンゼンス
ルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定対象の試
料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解質水溶液
は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測
定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャ
ーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を
測定して、これらの値から体積分布と個数分布とを算出
した。
【0044】そして、体積分布から重量基準の重量平均
粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の
代表値とする)を求め、更に体積分布から体積基準の粒
径を求め、10.1μm以上の粒子の割合を求めた。チ
ャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満:2.
52〜3.17μm未満:3.17〜4.00μm未
満:4.00〜5.04μm未満:5.04〜6.35
μm未満:6.35〜8.00μm未満:8.00〜1
0.08μm未満:10.08〜12.70μm未満:
12.70〜16.00μm未満:16.00〜20.
20μm未満:20.20〜25.40μm未満:2
5.40〜32.00μm未満:32.00〜40.3
0μm未満の13チャンネルを用いた。
【0045】本発明のトナーにおいては、先に述べたよ
うに、トナーの外添剤として特定の疎水特性を有する疎
水性シリカ微粉体を使用することが好ましいが、この場
合の疎水性シリカ微粉体の粒径としては、個数平均粒子
径(長さ平均)が0.1μm以下、更には、5乃至50
nmのものを使用することが好ましい。又、本発明で用
いる高疎水性シリカ微粉体は、窒素吸着法で測定した場
合の比表面積が、10乃至550m2/g、更には50
乃至500m2/gであることが好ましい。
【0046】更に、本発明で使用する疎水性シリカ微粉
体としては、その帯電量が、鉄粉に対して−30乃至−
400μg/gの負摩擦帯電性を有するものを使用する
ことが好ましく、更には、鉄粉に対して−50乃至−3
00μg/gのものを使用することが好ましい。
【0047】又、本発明で用いる上記のような特性を有
する高疎水性シリカ微粉体は、トナー粒子100重量部
に対して、0.6〜3.0重量部の割合で添加されて使
用されることが好ましい。即ち、添加量が0.6重量部
より少ない場合は、充分な画像濃度を得ることが困難で
あり、3.0重量部より少ない場合には、ドラム融着等
の弊害が生じるので好ましくない。より好ましくは、
2.0重量部より少ない場合に、本発明の目的を好適に
達成することが可能となる。
【0048】本発明のトナーにおいては、その所期の目
的をより充分に解決するために、上記に説明した疎水性
シリカ微粉体の他に、更に、第2の無機微粉体を添加す
ることが望ましい。第2の無機微粉体としては、例え
ば、酸化鉄、酸化クロム、チタン酸カルシウム、チタン
酸ストロンチウム、チタン酸ケイ素、チタン酸バリウ
ム、チタン酸マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化カルシウム等が挙げられる。本発明においては、これ
らの中でも特に、複合酸化物を用いることが好ましく、
例えば、チタン酸ストロンチウム微粉体、チタン酸カル
シウム微粉体、或いはチタン酸ケイ素微粉体を用いるこ
とが好ましい。
【0049】又、これらの第2の無機微粉体としては、
その一次粒子の個数平均粒径が、0.12〜3.0μm
のものを使用することが好ましい。一次粒子の個数平均
粒径が0.12μmより小さい場合は、画像流れ防止効
果に対して好ましくない影響があり、一方、3.0μm
よりも大きい場合は、ドラム表面へ傷をつけ易くなるの
で好ましくない。
【0050】上記の本発明で使用する疎水性シリカ微粉
体や、必要に応じて添加させる上記した第2の無機微粒
子の個数平均粒径とは、以下の方法で測定した値であ
る。電子顕微鏡S−800(日立製作所社製)を用い
て、先ず、本発明のトナーを構成する疎水性シリカ微粉
体については10,000〜20,000倍、第2の無
機微粒子については1,000〜20,000倍の倍率
で写真撮影を行う。次に、撮影された微粒子から、疎水
性シリカ微粉体については0.001μm以上の粒子
を、第2の無機微粒子については0.005μm以上の
粒子を、夫々ランダムに100乃至200個を抽出し、
ノギス等の測定機器を用いて夫々の直径を測定し、平均
化したものを各無機微粒子の個数平均粒径とする。
【0051】本発明のトナーへの第2の無機微粉体の添
加量としては、本発明の課題をより良好に解決するため
に、トナー粒子100重量部に対して、0.3乃至5.
0重量部程度を添加することが好ましい。即ち、0.3
重量部より少ない場合は、画像流れが発生し易くなり好
ましくなく、5.0重量部より多い場合は、ドラム融着
が発生し易くなるので好ましくない。
【0052】本発明のトナーは、少なくとも上記したよ
うな特性を有する疎水性シリカ微粉体とトナー粒子とか
ら構成されるが、トナー粒子としては、一般に用いられ
ている構成のトナー粒子が用いられる。トナー粒子は、
通常、結着樹脂及び着色剤等を有する着色樹脂組成物か
らなるが、以下、これについて説明する。先ず、トナー
粒子に用いられる結着樹脂の種類としては、例えば、ポ
リスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルト
ルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−
クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共
重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチ
レン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニ
ルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合
体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノ
ール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹
脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビ
ニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹
脂、石油系樹脂等が使用できる。また、架橋されたスチ
レン系樹脂も好ましい結着樹脂である。これらの中で
も、本発明の特定の疎水特性を有するトナーに好適に用
いられるのは、スチレン系の結着樹脂である。
【0053】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有する
ジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢
酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル
類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のよう
なエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;
例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテ
ル類等のビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用い
られる。
【0054】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用で
きる。
【0055】更に、本発明のトナーを構成する場合に用
いられるスチレン系の結着樹脂としては、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)において、少な
くとも0.5×104〜5×104及び1.0×105
5.0×106の領域にメインピーク及びサブピークを
有するものが好ましい。更に、このようなスチレン系樹
脂の中でも、テトラヒドロフラン(THF)不溶分を有
さないものが好ましく、又、重量平均分子量(Mw)
が、1.5×105〜3.5×105、より好ましくは、
1.8×105〜3.2×105であるものを用いること
が好ましい。
【0056】本発明のトナーにおいては、トナー粒子中
にワックスが含有されていることが好ましい。この際に
使用するワックスとしては、パラフィンワックス及びそ
の誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導
体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、
ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワッ
クス及びその誘導体等が挙げられるが、誘導体には酸化
物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、グラフ
ト変性物を含む。
【0057】特に、本発明で好ましく用いられるワック
スとしては、一般式R−Y(式中、Rは、炭化水素基を
示し、Yは水酸基、カルボキシル基、アルキルエーテル
基、エステル基又はスルホニル基を示す。)で表される
ものが挙げられる。更に、上記一般式R−Yで示される
ワックスの中でも、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)が3,
000以下であるものを好ましく用いることができる。
【0058】上記のような要件を満足する具体的な化合
物としては、下記(A)、(B)及び(C)等が挙げら
れる。
【化8】
【0059】上記化合物(B)及び(C)は化合物
(A)の誘導体であり、主鎖は直鎖状の飽和炭化水素で
ある。上記化合物(A)から誘導される化合物であれ
ば、上記例に示したもの以外のものでも使用できる。本
発明で使用し得る特に好ましいワックスとしては、CH
3(CH2)nOH(n=20〜300)で表される長鎖ア
ルキルアルコール、及びこれらを主成分とする混合物が
挙げられる。
【0060】本発明のトナーを構成するトナー粒子中に
は荷電制御剤が含まれていてもよいが、荷電制御剤とし
て有機金属化合物を用いることが好ましい。更に、有機
金属化合物の中でも、特に気化性や昇華性に富む有機化
合物を配位子や対イオンとして含有するものが有用であ
る。
【0061】このような金属錯体としては、次に示した
一般式で表わされるアゾ系金属錯体がある。
【化9】
【0062】上記式中、式中Mは配位中心金属を表し、
配位数6のCr、Co、Ni、Mn、Fe、Al、T
i、Sc、V等を示す。Arは、フェニル基、ナフチル
基の如きアリール基であり、置換基を有していてもよ
い。この場合の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン
基、カルボキシル基、アニリド基及び、炭素数1〜18
のアルキル基やアルコキシル基がある。X、X’、Y、
Y’は、−O−、−CO−、−NH−、−NR−(Rは
炭素数1〜4のアルキル基)である。Aは、水素イオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウム
イオン又は、脂肪族アンモニウムイオン或いは、これら
いずれかの混合イオンを示す。)
【0063】下記に、本発明のトナーを形成する場合に
良好に利用できる上記一般式で表わされるアゾ系金属錯
体の具体例(a)〜(c)を示す。
【化10】
【0064】本発明のトナーは磁性トナーとすることも
できるが、この場合に好適に用いられる磁性体として
は、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マン
ガン、アルミニウム、ケイ素等の元素を含む磁性金属酸
化物等が挙げられる。中でも、四三酸化鉄、γ−酸化鉄
等の酸化鉄を主成分とするものが好ましい。更に、トナ
ーの流動性向上及び帯電性コントロールの観点から、ケ
イ素原子を含有するものであることが好ましい。特に、
磁性トナー粒子が小径になると、トナー粒子母体の流動
性が低下するため、前述した本発明で使用する疎水性シ
リカ微粉体を添加するだけでは充分な流動性が得られ
ず、良好な帯電性を得られなくなり、本発明の目的を達
成することが困難な場合が生ずる。ケイ素原子の含有量
は磁性体に対して0.2乃至2.0重量%含有されてい
ることが好ましく、0.2重量%より少ない場合は充分
な流動性が得られず、文字シャープ性の悪化、ベタ黒濃
度薄等の弊害が生ずる。2.0重量%より多く含有させ
ると、特に高温高湿環境において画像濃度低下を生じ易
くなる。ケイ素原子の含有量は、より好ましくは0.3
乃至1.7重量%の場合である。特に、磁性体の表面に
ケイ素原子が0.05乃至0.5重量%存在する場合が
より好ましい。
【0065】ケイ素原子は水溶性ケイ素化合物の形で磁
性体生成時に添加してもよく、磁性体の生成、ろ過、乾
燥後、ケイ酸化合物の形で添加し、ミックスマーラー等
で表面に固着させてもよい。これら磁性体の粒子として
は、窒素吸着法によるBET比表面積が、好ましくは、
2乃至30m2/g、特に3乃至28m2/gのものを使
用することが好ましい。更に、モース硬度が5乃至7の
磁性粒子を用いることが好ましい。
【0066】又、使用する磁性粒子の形状としては、8
面体、6面体、球形、針状、鱗片状等があるが、8面
体、6面体、球形、不定型等の異方性の少ないものが好
ましい。特に、磁性粒子の球形度Ψが0.8以上である
ことが、画像濃度を高める上で好ましい。磁性粒子の平
均粒径としては、0.05乃至1.0μmが好ましく、
更に好ましくは、0.1乃至0.6μm、特に、0.1
乃至0.4μmが好ましい。
【0067】本発明のトナーにおけるこれらの磁性体の
含有量は、結着樹脂100重量部に対して30乃至20
0重量部、好ましくは60乃至200重量部、更には、
70乃至150重量部がよい。30重量部未満では搬送
性の点で劣り、現像剤担持体上のトナー層にムラが生じ
て画像ムラとなる傾向があり、更に、磁性トナーのトリ
ボの上昇に起因する画像濃度低下が生じ易い傾向があ
る。一方、磁性体の含有量が200重量部を超えると、
定着性が低下する可能性がある。
【0068】本発明のトナーを作製する方法としては、
公知の方法が用いられる。例えば、トナー原料として、
結着樹脂、及び、ワックス、金属塩或いはは金属錯体、
着色剤としての顔料、染料、又は磁性体、必要に応じて
荷電制御剤、その他の添加剤等を適宜に用い、原料中の
樹脂類を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器
により充分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エク
ストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂
類をお互いに相溶せしめ、この中に、金属化合物、顔
料、染料、磁性体等を分散又は溶解せしめ、冷却固化
後、粉砕、分級を行なってトナー粒子を得る。上記分級
工程においては、生産効率上、多分割分級機を用いて所
望の粒度分布を有するトナー粒子を得ることが好まし
い。
【0069】更に、上記分級工程で得られたトナー粒子
100重量部に対して、疎水性シリカ微粉体を含む外添
剤を、約0.6〜3.0重量部の範囲で添加し、混合さ
せて本発明のトナーを得る。かかる外添混合工程に使用
する装置の好ましいものとしては、FM−500、−3
00、−75、−10等の名称を有する三井三池化工機
製のヘンシェルミキサーを挙げることができる。
【0070】次に、図3に、上記で説明したような構成
を有する本発明のトナーを好適に用いることのできる画
像形成装置の一例の概略を示したが、それに基づき本発
明の画像形成方法について説明する。図中の1は回転ド
ラム状の静電潜像担持体であり、その周囲には一次帯電
装置である帯電ローラー(帯電部材)2、露光光学系
3、トナー担持体5を有する現像装置4、転写装置9、
クリーニング装置11が配置されている。
【0071】この画像形成装置においては、先ず、一次
帯電装置としての帯電ローラー2によって感光体である
静電潜像担持体1の表面が一様に帯電され、次に、露光
光学系3により像露光されて静電潜像担持体1の表面に
静電潜像が形成される。ここで、本発明の画像形成方法
において好適に用いられる静電潜像担持体の帯電部材と
しては、静電荷像担持体に接触配置される接触帯電部材
が挙げられるが、その形状については特に限定されるも
のではなく、図3に示したようなローラー状であっても
よいし、ブレード状やブラシ状等、いずれのものでもよ
い。これらの帯電部材に印加される電圧は、直流電圧は
絶対値で200〜2,000Vであることが好ましく、
交流電圧は、ピーク間電圧が400〜4,000Vで、
周波数が200〜3,000Hzであることが好まし
い。
【0072】次いで、磁石を内包する(不図示)トナー
担持体5の表面上に、トナー層厚規制部材6によりトナ
ーコート層が形成され、トナー担持体5によって現像部
に担持・搬送される。本発明の画像形成方法において
は、この際に先に説明した本発明のトナーを用いること
を特徴とする。そして、現像部おいて、静電潜像担持体
1の導電性基体とトナー担持体5との間のバイアス印加
手段8により、交互バイアス、パルスバイアス及び/又
は直流バイアスを印加しながら、静電潜像担持体1上に
形成されている静電潜像を、本発明のトナーによって現
像してトナー画像が形成される。
【0073】次に、上記のようにして現像されたトナー
画像は、転写紙Pを搬送し転写装置としての転写ローラ
ー9及び電圧印加手段10により、転写紙Pの背面から
トナーと逆極性の電荷が加えられて、転写紙P上へと静
電転写される。更に、トナー画像が転写された転写紙P
を、加熱加圧ローラー定着器12を透過させることによ
って、転写紙P上に定着画像が得られる。上記転写工程
後の静電潜像担持体上に残留したトナーは、クリーニン
グ装置としてのクリーニングブレード11により除去さ
れて、クリーナー14に回収され、その後、再び一次帯
電以下の工程が繰り返されて画像形成が行なわれる。
【0074】上述の感光ドラムの如き静電荷像担持体や
現像装置、クリーニング手段等の構成要素のうち、複数
のものを装置ユニットとして一体に結合してプロセスカ
ートリッジを構成し、このプロセスカートリッジを装置
本体に対して着脱可能に構成することもできる。例え
ば、帯電部材及び現像装置を感光体ドラムとともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレール等の案
内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。この時、
上記のプロセスカートリッジの方にクリーニング手段を
伴って構成してもよい。
【0075】図4は、本発明の装置ユニットであるプロ
セスカートリッジの一実施例を示したものである。本実
施例では、現像装置4、ドラム状の静電荷像担持体(感
光体ドラム)1、クリーニングブレード11を有するク
リーナ14、一次帯電部材2を一体としたプロセスカー
トリッジ16が例示される。このようなプロセスカート
リッジにおいては、現像装置4の磁性トナー13が無く
なった時に、新たなカートリッジと交換される。図4に
示した例では、現像装置4のトナー容器15中には磁性
トナー13が収納されており、現像時には、感光体ドラ
ム1とトナー担持体としての現像スリーブ5との間に所
定の電界が形成され、現像工程が好適に実施されるため
には、感光体ドラム1と現像スリーブ5との間の距離は
非常に大切である。
【0076】図4に示したプロセスカートリッジにおい
て、現像装置4は磁性トナー13を収容するためのトナ
ー容器15と、トナー容器15内の磁性トナー13をト
ナー容器15から静電荷像担持体1に対向している現像
域へと担持・搬送する現像スリーブ5と、現像スリーブ
5にて担持され、現像域へと搬送される磁性トナーを所
定厚さに規制し、現像スリーブ上にトナー薄層を形成す
るためのトナー層厚規制部材としての弾性ブレード6と
を有する。
【0077】前記現像スリーブ5は、任意の構造とし得
る。通常は、図示しない磁石を内蔵した非磁性の現像ス
リーブ5から構成される。現像スリーブ5は、図示され
ているように円筒状の回転体とすることもできる。循環
移動するベルト状とすることも可能である。その材質と
しては、通常、アルミニウムやSUSが用いられること
が好ましい。
【0078】又、前記弾性ブレード6は、ウレタンゴ
ム、シリコーンゴム、NBRの如きゴム弾性体;リン青
銅、ステンレス板の如き金属弾性体;ポリエチレンテレ
フタレート、高密度ポリエチレン等の如き樹脂弾性体で
形成された弾性板で構成される。弾性ブレード6は、そ
の部材自体の持つ弾性により現像スリーブ5に当接さ
れ、鉄の如き剛体から成るブレード支持部材にてトナー
容器15に固定される。弾性ブレード6は、線圧5〜8
0g/cmで現像スリーブ5の回転方向に対してカウン
ター方向に当接することが好ましい。このような弾性ブ
レード6の代わりに、鉄の如き磁性ドクターブレードを
用いることも可能である。
【0079】上記した例では、一次帯電手段として、接
触帯電部材として帯電ローラー2を用いて説明したが、
本発明はこれに限定されず、帯電ブレード、帯電ブラシ
の如き接触帯電手段でもよい。この接触帯電部材は、帯
電によるオゾンの発生が少ない点で好ましい。転写手段
としては、転写ローラー9を用いて説明したが、転写ブ
レードの如き接触帯電手段でもよく、更に、非接触のコ
ロナ転写手段でもよい。しかしながら、こちらも転写に
よるオゾンの発生が少ない点で接触帯電手段の方が好ま
しい。
【0080】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、これは本発明をなんら限定するもので
はない。尚、「部」は重量部を意味する。疎水性シリカ微粉体の製造及びその物性 先ず、本発明の実施例及び比較例で使用する疎水性シリ
カ微粉体I〜VIを下記のようにして調製した。 (シリカI)比表面積200m2/gの原体シリカ10
0部に対し、ヘキサメチルジシラザン16部を水蒸気の
存在下において反応させた。その後、処理後の疎水性シ
リカ微粉体100部に対して、粘度100csのシリコ
ーンオイル10部を噴霧処理した後、250℃で加熱し
て疎水処理されたシリカIを得た。表1に、シリカIに
ついての製造条件と、透過率以外の物性値を示した。
又、表2に、シリカIについてのメタノール滴下透過率
曲線における透過率(%)のデータを示した。
【0081】(シリカII)シリコーンオイルの処理量を
15部にした以外は、シリカAと同様の方法でシリカII
を得た。シリカIと同様に、製造条件、物性値及び透過
率等を表1及び表2に示した。
【0082】(シリカIII)ヘキサメチルジシラザン添
加量を24部にした以外は、シリカAと同様の方法でシ
リカIIIを得た。シリカIの場合と同様に、製造条件、
物性値及び透過率等を表1及び表2に示した。
【0083】(シリカIV)ヘキサメチルジシラザン添加
量を32部にした以外は、シリカAと同様の方法でシリ
カIVを得た。シリカIの場合と同様に、製造条件、物性
値及び透過率等を表1及び表2に示した。
【0084】(シリカV)シリコーンオイルの処理量を
15部にする以外は、シリカIVと同様の方法でシリカV
を得た。シリカIの場合と同様に、製造条件、物性値及
び透過率等を表1及び表2に示した。
【0085】(シリカVI)比表面積200m2/gの原
体シリカ100部に対して、ヘキサメチルジシラザンを
噴霧反応させた。その後、処理後の疎水性シリカ微粉体
100部に対して、n−ヘキサンに溶解させた粘度10
0csのシリコーンオイル10部を噴霧処理した後、3
50℃で加熱して、シリカVIを得た。シリカIの場合と
同様に、製造条件、物性値及び透過率等を表1及び表2
に示した。
【0086】
【表1】表1:疎水性シリカ微粉体製造上の特徴及び物
【0087】
【表2】表2:メタノール滴下透過率曲線から読み取っ
たシリカ微粉体の疎水特性の測定用サンプル中のメタノ
ール含有量(体積%)に対する透過率(%)の値
【0088】トナーの作成及び評価結果 <実施例1> ・結着樹脂(スチレン系樹脂、GPCにおいて、分子量1.5万にメインピー ク、分子量65万にサブピークを有する) 100重量部 ・磁性体(Fe34) 100重量部 ・荷電制御剤(モノアゾ鉄錯体) 2重量部 ・ワックス(高分子アルコール系ワックス) 5重量部 上記混合物を、130℃に加熱された2軸エクストルー
ダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗
粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、更に、エ
ルボージェット分級機で重量平均径(D4)5.8μm
のトナー粒子を得た。
【0089】上記で得られたトナー粒子100部に、比
表面積110(m2/g)の疎水性シリカ微粉体Iを
1.5部加えて、ヘンシェルミキサーで混合して本実施
例のトナーを得た。表3に、得られたトナーについての
エタノール滴下透過率曲線から読み取った透過率(%)
のデータを示した。
【0090】図4に示すプロセスカートリッジを装着し
た図3に示した構成の画像形成装置を用い、以下の画像
評価方法に従い評価を行った。その際、プロセスカート
リッジとしてヒューレットパッカード社製「LBP−5
L」を用いた。そして、この「LJ−5L」のプロセス
カートリッジに上記で得た本実施例のトナーをセットし
て画像形成を行なった。得られた結果を表4に示した。
上記「LJ−5L」は、一次帯電部材として、感光体表
面に当接する接触帯電ローラーを用い、この帯電ローラ
ーに、直流電圧:−625V、交流電圧:ピーク間電圧
1.8kV、周波数370Hzの帯電電圧を印加して、
感光体に一次帯電を行うものである。又、転写ローラー
には、2.3kVの電圧を印加して転写を行った。
【0091】(1)ドラム融着の評価 画像面積比率約3%の画像を、高温・高湿環境(33.
0℃、95%RH)下で2,500枚連続してプリント
アウトした後、A4サイズの記録紙全面にベタ黒画像を
形成し、ベタ黒画像上に生ずる白点の発生の程度を評価
した。評価は、下記の基準によって行なった。 A:A4サイズの記録紙上に白点が全く発生しない。 AB:AとBの中間レベル。 B:AとCの中間レベル。 C:A4サイズの記録紙上に白点が10点程度みられ
る。 D:CとEの中間レベル。 E:A4サイズの記録紙上に白点が100点以上見られ
る。
【0092】(2)画像流れ 画像面積比率約3%の画像を高温・高湿環境(33.0
℃、95%RH)下で2,500枚連続プリントアウト
した後、2,500枚後の画像流れの程度により評価し
た。本評価においては、経験上、画像流れが発生し易い
タルクを填料として用いている紙(33.0℃、95%
RHで吸湿量10%にしたもの)を評価用紙とした。
尚、紙の吸湿量は、Infrared Enginee
ring製MOISTREX MX 5000を用いて
測定した。評価は、下記の基準によって行なった。 A:画像流れが全く発生しない。 AB:AとBの中間レベル。 B:AとCの中間レベル。 C:画像流れが発生しているが、文字が何か判別でき
る。 D:CとEの中間レベル。 E:画像流れが発生し、文字が何か判別できない。
【0093】(3)ドラム削れ 画像面積比率約3%の画像を低温・低湿環境(15.0
℃、10%RH)下で3,000枚連続プリントアウト
した後、ドラムの削れ量を測定し、1,000枚の値に
換算した値を用いた。測定は、フィッシャー社製の膜厚
測定機を用いて行った。
【0094】(4)転写効率 常温常湿環境(25.0℃、60%RH)において、ド
ラム上に形成されたベタ黒画像から転写効率を調査し
た。転写効率の値は、転写後の転写紙上に存する単位面
積あたりのトナー量に転写後のドラム上に残った単位面
積あたりのトナー量を加えた値で、転写後の転写紙上に
存する単位面積あたりのトナー量を割った値である。
【0095】<実施例2>シリカ微粉体IIを用いる以外
は、実施例1と同様にして本実施例のトナーを得た。表
3に、得られたトナーについてのエタノール滴下透過率
曲線から読み取った透過率(%)のデータを示した。
又、実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表4に
示した。
【0096】<実施例3>シリカ微粉体IIIを用いる以
外は、実施例1と同様にして本実施例のトナーを得た。
表3に、得られたトナーについてのエタノール滴下透過
率曲線における透過率(%)のデータを示した。又、実
施例1と同様の方法で評価し、その結果を表4に示し
た。
【0097】<実施例4>シリカ微粉体IVを用いる以外
は、実施例1と同様にして本実施例のトナーを得た。表
3に、得られたトナーについてのエタノール滴下透過率
曲線から読み取った透過率(%)のデータを示し、図1
に、エタノール滴下透過率曲線を示した。又、実施例1
と同様の方法で評価し、その結果を表4に示した。
【0098】<実施例5>シリカ微粉体Vを用いる以外
は、実施例1と同様にして本実施例のトナーを得た。表
3に、得られたトナーについてのエタノール滴下透過率
曲線から読み取った透過率(%)のデータを示した。
又、実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表4に
示した。
【0099】<比較例1>本発明で規定する特有の疎水
特性を有さない疎水性シリカ微粉体であるシリカVIを使
用する以外は、実施例1と同様にして、本比較例のトナ
ーを得た。表3に、得られたトナーについてのエタノー
ル滴下透過率曲線から読み取った透過率(%)のデータ
を示し、図2に、エタノール滴下透過率曲線を示した。
又、実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表4に
示した。
【0100】<比較例2>結着樹脂がスチレン系樹脂
で、GPCによる分子量分布で、6,500にメインピ
ークを有するのみで、他にピークを有さず、ゲル分を4
0%有するものを使用し、ワックスとしてはポリプロピ
レン4部を使用する以外は、実施例1と同様にして、D
4が7.2μmのトナー粒子を得た。疎水性シリカVIを
トナー粒子100部に対して、1.2部加えてトナーを
得た。表3に、得られたトナーについてのエタノール滴
下透過率曲線から読み取った透過率(%)のデータを示
した。又、実施例1と同様の方法で評価し、その結果を
表4に示した。
【0101】
【表3】表3:エタノール滴下透過率曲線から読み取っ
たトナーの疎水特性の測定用サンプル中のエタノール含
有量(体積%)に対する透過率(%)の値
【0102】
【表4】表4:評価結果
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特有の疎水特性を有する超微粒径トナーとすることで、
画像形成に使用した場合に、高温高湿下においてもドラ
ム融着及び画像流れの発生を防止でき、しかも転写効率
が高く、ドラム削れ量が減少できるのでドラムの長寿命
化を達成できる優れた特性のトナーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4のトナーについて得られたエタノール
滴下透過率曲線である。
【図2】比較例4のトナーについて得られたエタノール
滴下透過率曲線である。
【図3】本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置
の一例の概略図である。
【図4】本発明のプロセスカートリッジの一実施例を示
す説明図である。
【符号の説明】 1:潜像担持体 2:一次帯電装置 3:露光光学系 4:現像装置 5:トナー担持体 6:トナー層厚規制部材 7:トナー攪拌手段 8:現像バイアス電源 9:転写装置 10:転写電流発生装置 11:クリーニング手段 12:定着装置 13:トナー 14:クリーナー 15:トナー容器 16:プロセスカートリッジ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー粒子及び疎水性シリカ微粉体を少
    なくとも有するトナーにおいて、トナーが有する疎水特
    性を、エタノール25体積%及び水75体積%からなる
    含水エタノール液を70ml保有する容器に精秤したト
    ナー0.025gを添加して作製した測定用サンプル液
    に、エタノールを0.5ml/min.の滴下速度で添
    加しながら波長780nmの光で透過率を測定すること
    によって作成したエタノール滴下透過率曲線で表した場
    合に、トナーの疎水特性が、 エタノール含有率25乃至37体積%における上記測
    定用サンプル液についての透過率が90%以上であり、
    且つ、 エタノール含有率38体積%における上記測定用サン
    プル液についての透過率が85%以上であり、且つ、 エタノール含有率40体積%における上記測定用サン
    プル液についての透過率が60%以上であって、 トナーの重量平均粒径(D4)が3.5乃至6.5μm
    であり、粒径10.1μm以上の粒子の含有量が3.0
    体積%以下であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 エタノール含有率38体積%におけるト
    ナーの疎水特性測定用のサンプル液の透過率が90%以
    上である請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 トナー粒子が、少なくとも結着樹脂及び
    着色剤から構成されており、該結着樹脂が、テトラヒド
    ロフラン(THF)不溶分を有さず、且つゲルパーミエ
    ーションクロマトグラフィー(GPC)において測定さ
    れる分子量分布において、少なくとも0.5×104
    5×104及び1.0×105〜5.0×106の領域に
    夫々ピークを有するスチレン系樹脂である請求項1又は
    請求項2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 疎水性シリカ微粉体の疎水特性を、メタ
    ノール60体積%及び水40体積%からなる含水メタノ
    ール液を70ml保有する容器に精秤した疎水性シリカ
    微粉体0.06gを添加して作製した測定用サンプル液
    に、メタノールを1.3ml/min.の滴下速度で添
    加しながら波長780nmの光で透過率を測定すること
    によって作成したメタノール滴下透過率曲線を用いて表
    した場合に、疎水性シリカ微粉体の疎水特性が、 メタノール含有率60乃至72体積%における上記測
    定用サンプル液の透過率が90%以上であり、且つ、 メタノール含有率74体積%における上記測定用サン
    プル液の透過率が90%以上である請求項1に記載のト
    ナー。
  5. 【請求項5】 更に、メタノール含有率71体積%にお
    ける疎水性シリカ微粉体の疎水特性測定用のサンプル液
    の透過率が90%以上である請求項5に記載のトナー。
  6. 【請求項6】 更に、メタノール含有量76体積%おけ
    る疎水性シリカ微粉体の疎水特性測定用のサンプル液の
    透過率が85%以上である請求項5に記載のトナー。
  7. 【請求項7】 静電荷像担持体上に静電荷像を形成し、
    該静電荷像をトナーを用いる現像手段によって現像して
    静電荷像担持体上にトナー画像を形成し、該トナー画像
    を中間転写体を介して或いは介さずに転写材上に転写
    し、更に、該転写材上のトナー画像を定着手段によって
    定着して定着画像を得る画像形成方法において、上記静
    電荷像の現像に、トナー粒子及び疎水性シリカ微粉体を
    少なくとも有するトナーであって、該トナーの有する疎
    水特性を、エタノール25体積%及び水75体積%から
    なる含水エタノール液を70ml保有する容器に精秤し
    たトナー0.025gを添加して作製した測定用サンプ
    ル液に、エタノールを0.5ml/min.の滴下速度
    で添加しながら波長780nmの光で透過率を測定する
    ことによって作成したエタノール滴下透過率曲線で表し
    た場合に、トナーの疎水特性が、 エタノール含有率25乃至37体積%における上記測
    定用サンプル液についての透過率が90%以上であり、
    且つ、 エタノール含有率38体積%における上記測定用サン
    プル液についての透過率が85%以上であり、且つ、 エタノール含有率40体積%における上記測定用サン
    プル液についての透過率が60%以上であり、トナーの
    重量平均粒径(D4)が3.5乃至6.5μmであり、
    粒径10.1μm以上の粒子の含有量が3.0体積%以
    下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 少なくとも静電荷像担持体及び現像手段
    が一体的に設けられ、且つ画像形成装置本体に着脱可能
    に構成されている装置ユニットにおいて、上記現像手段
    が、トナー粒子及び疎水性シリカ微粉体を少なくとも有
    するトナーを収納するための収納部を具備し、且つ該収
    納部に収納されているトナーが、トナー粒子及び疎水性
    シリカ微粉体を少なくとも有するトナーであって、該ト
    ナーの有する疎水特性を、エタノール25体積%及び水
    75体積%からなる含水エタノール液を70ml保有す
    る容器に精秤したトナー0.025gを添加して作製し
    た測定用サンプル液に、エタノールを0.5ml/mi
    n.の滴下速度で添加しながら波長780nmの光で透
    過率を測定することによって作成したエタノール滴下透
    過率曲線で表した場合に、トナーの疎水特性が、 エタノール含有率25乃至37体積%における上記測
    定用サンプル液についての透過率が90%以上であり、
    且つ、 エタノール含有率38体積%における上記測定用サン
    プル液についての透過率が85%以上であり、且つ、 エタノール含有率40体積%における上記測定用サン
    プル液についての透過率が60%以上であり、トナーの
    重量平均粒径(D4)が3.5乃至6.5μmであり、
    粒径10.1μm以上の粒子の含有量が3.0体積%以
    下であることを特徴とする装置ユニット。
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JP2004117958A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Canon Inc 磁性トナー
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