JP3630939B2 - トナー及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像を現像するためのトナー及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナー現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材にトナー像を定着して画像を得るものである。
【0003】
電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法等が知られている。さらには、磁性トナーを用い、中心に磁極を配した回転スリーブを用い感光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔させる方法も用いられている。
【0004】
一成分現像方式は、二成分現像方式のようにガラスビーズやフェライト等のキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化・軽量化でき好ましい。
【0005】
また、電子写真技術を用いる複写機・プリンター装置では高画質・高安定が求められている。
【0006】
画質に関しては、近年グラフィック画像をプリンター/複写機でとることが多くなり、ライン画像だけでなく、グラフィック画像の画質の向上が求められるようになってきた。
【0007】
このような要求に対して、トナーは小粒径化が進んでおり、特開平1−112253号公報,特開平1−191156号公報,特開平2−214156号公報,特開平2−284158号公報,特開平3−181952号公報,特開平4−162048号公報及び特開平8−278659号公報などに特定の粒度分布の粒径の小さいトナーが提案されている。ところが粒径の小さいトナーは、転写工程後に感光体に残留する転写残トナーのクリーニングが従来に比べて困難になる傾向にあり、クリーナをすり抜けたトナーは感光体へのトナーの融着現象の原因になり、グラフィック画像の品位を下げることになる。
【0008】
また、グラフィック画像は、ハーフトーンの画像が中心になるが、ハーフトーン画像の画像濃度はトナー担持体上のトナーの帯電量の小さな違いで変化する程度が、ベタ黒画像より大きくなる傾向がある。
【0009】
そのためにハーフトーン画像を全世界のさまざまな気候環境下で、トナー担持体上で安定的に同様のトナー帯電量を維持し、同様の画像濃度で出力することが重要な課題になってきた。
【0010】
また、トナー担持体上でのトナーへの帯電付与条件の小さな変化があっても、トナー担持体上で安定的に同様のトナー帯電量を維持し、同様の画像濃度で出力することが重要な課題になってきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高温高湿環境から低温低湿環境まで安定した画像濃度で高画質のハーフトーン画像が得られるトナー及び画像形成装置を提供することにある。
【0012】
本発明の目的は、感光体へのトナー融着が起こらないトナー及び画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、▲1▼重量平均粒径(D)が3.5〜6.5μmであり且つ、▲2▼吸引法でトナーを篩い分けしたときに200メッシュ上に残留する割合をA重量%、500メッシュ上に残留する割合をB重量%としたとき、Aが0.15重量%以下であり、B重量%−A重量%が0.02重量%〜0.3重量%であることを特徴とするトナーに関する。
【0014】
また、本発明は、少なくとも潜像保持体と潜像を可視化する現像装置を有する画像形成装置において、
現像装置にトナー規制部材として少なくとも表面の材質がシリコーンであるものを用い、且つ、トナー担持体として、その平均表面粗さ(Ra)が1.5μm以下であるものを用い、
トナーとして▲1▼重量平均粒径(D)が3.5〜6.5μmであり且つ、▲2▼吸引法でトナーを篩い分けしたときに200メッシュ上に残留する割合をA重量%、500メッシュ上に残留する割合をB重量%としたとき、Aが0.15重量%以下であり、且つ、B重量%−A重量%が0.02重量%〜0.3重量%である負帯電性トナーを用いることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明では、トナーはその重量平均粒径(D)が3.5μm〜6.5μmである。
【0016】
従来、トナーは低過ぎず/高過ぎずの適度な帯電能を有するものが好ましいと考えられてきた。ところが本発明者らは、重量平均粒径が3.5μm〜6.5μmと従来に比べて小さく従来のトナーに比べて過剰に帯電するトナーは、全体的な帯電能が高まったことにより、低温低湿環境〜高温高湿環境での帯電量の差が小さくなり、ハーフトーン画像の画像濃度の安定性が増すことを見出した。
【0017】
その結果、本発明のトナーを用いることにより、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差を小さく抑えることが可能になった。
【0018】
トナーの重量平均粒径が3.5μm未満の場合は、十分な画像濃度が得られない。トナーの重量平均粒径が6.5μmを超える場合は、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差を小さく抑える効果が不十分である。
【0019】
さらに、本発明では吸引法でトナーを篩い分けしたときに200メッシュ上に残留する割合をA重量%、吸引法でトナーを篩い分けしたときに500メッシュ上に残留する割合をB重量%としたとき、Aが0.15重量%以下であり、且つ、B重量%−A重量%が0.02重量%〜0.3重量%であるトナーを用いる。
【0020】
従来のトナーに比べて過剰に帯電する本発明のトナーでは、200メッシュ上に残るような粒径の大きな粒子が0.15重量%を超える量がトナー中に存在すると、トナー粒子とトナー規制部材との接触を局所的に妨げ、トナー担持体周方向で帯電のコントロールが不十分な部分が生じ、このような部分は現像性がほかの部分と異なり、特にハーフトーン画像上で筋状の画像欠陥が発生しやすくなる傾向があり、粗粒の量を従来のトナー以上に制御する必要がある。従来のトナーに比べて過剰に帯電する本発明のトナーは、トナー担持体上でのトナーのコート量が従来のトナーに比べて、薄くなる傾向があり、そのことが200メッシュ上に残るような粒径の大きな粗粒の存在に対して、筋状の画像欠陥が発生しやすくなる原因であろうと考えている。
【0021】
また、200メッシュを通過し、500メッシュ上に残留するような(粒径にして、およそ30μm〜75μm)比較的に粒径の大きいトナー粒子が存在することにより、トナーの重量平均粒径が小さいトナーを用いることによって起こり易くなる感光体へのトナーの融着が、防止できる。
【0022】
その理由は明確ではないが、このおよそ30μm〜75μmの比較的に粒径の大きい粒子がクリーナの感光体当接部で適度な研磨能力を発揮し感光体表面に強く付着している粒径の小さなトナー粒子を掻きとり、感光体表面へのトナーの融着を防ぐことができるものと考えている。
【0023】
B重量%−A重量%が0.02重量%未満であると、感光体へのトナーの融着防止効果が不十分である。また、B重量%−A重量%が0.3重量%を超えると、トナー担持体上でトナー担持体及びトナー規制部材とトナーとの接触を局部的に妨げ、トナー担持体周方向で帯電のコントロールが不十分な部分が生じやすくなる。このような部分は現像性がほかの部分と異なり、画像上ですじ状の画像欠陥が発生しやすくなる。
【0024】
一方、本発明の画像形成装置においては、トナー担持体に当接するトナー規制部材の表面材質としてシリコーンを用いる。従来、負帯電性トナーを現像する現像装置には、正帯電性を有するウレタンゴムが主に用いられている。それに対してシリコーンは負帯電性を有する。このシリコーンの適度な負帯電性が、本発明に用いる重量平均粒径が3.5μm〜6.5μmと従来に比べて小さい、高い帯電能を有するトナーの帯電をコントロールし、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差をさらに小さく抑えることが可能になる。
【0025】
さらに、トナー担持体としては、その平均表面粗さ(Ra)が1.5μm以下であるものを用いる。比較的表面粗さが小さいトナー担持体を用いることにより、トナーはトナー規制部材であるシリコーンとの帯電機会が高まりシリコーンによるトナー帯電の制御がより効果的に働く。そのため、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差を小さく抑えることが可能になる。
【0026】
トナー担持体の平均粗さが1.5μmを超えると、本発明の現像装置では、トナー規制部材であるシリコーンによる帯電のコントロールが不十分になり、上記効果が十分に得られなくなる。
【0027】
トナーの構成についてさらに詳しく述べる。
【0028】
本発明に使用される結着樹脂の種類としては、例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0029】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体が単独もしくは組み合わせて用いられる。ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として使用できる。
【0030】
また、圧力定着用に供される静電荷像現像用トナーの結着樹脂としては、低分子量ポリエチレン,低分子量ポリプロピレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体,高級脂肪酸,ポリアミド樹脂,ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単独又は混合して用いることが好ましい。
【0031】
また、定着時の定着部材からの離型性の向上,定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナー粒子中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス及びその誘導体,マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体,フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体,ポリオレフィンワックス及びその誘導体,カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体,グラフト変性物を含む。
【0032】
その他の添加剤として、アルコール,脂肪酸,酸アミド,エステル,ケトン,硬化ヒマシ油及びその誘導体,植物系ワックス,動物性ワックス,鉱物系ワックス,ペトロラクタム等も利用できる。
【0033】
本発明においては、トナーの示差熱分析における吸熱ピークが60℃〜120℃の領域に(さらに好ましくは60℃〜100℃の領域に)一つ以上存在する場合、特に好ましい。示差熱分析における吸熱ピークが60℃〜120℃以下に一つ以上有するトナーは、トナー担持体とトナー規制部材との間での潤滑性に優れ、トナーヘのより均一な帯電付与が行われる。そのために前記にあるような局所的な帯電不良による筋状の画像欠陥の発生をさらに抑制することができる。
【0034】
また、トナーの帯電能も高くなり、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差をさらに小さくすることができる。
【0035】
60℃未満に吸熱ピークを有する場合は、トナーの保存安定性が低くなる。
【0036】
トナーが示差熱分析における吸熱ピークを120℃以下の領域に一つ以上有する方法としては、示差熱分析における吸熱ピークを120℃以下の領域に有するワックスを含有するものが好ましい。具体的には以下のものがあげられる。
【0037】
パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の天然ワックス及びその誘導体等で、誘導体には酸化物やビニルモノマーとのブロック共重合体、グラフト変性物も含む。その他、高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸あるいはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体等、示差熱分析における吸熱ピークが120℃以下の領域に有しているものであればどれも用いることができる。
【0038】
また、示差熱分析における吸熱ピークが120℃以上の領域に有するワックスを併用しても構わない。
【0039】
上記の中でも極性の小さい、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプッシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワックス、及び高級脂肪族アルコールである場合が特に好ましい。これらのワックスを用いた場合、局所的な帯電不良による筋状の画像欠陥の発生をさらに抑制することができるとともに、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差をさらに小さくすることができる。
【0040】
また、トナー中に含有されるワックス成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定における分子量分布において、Mw/Mnが1.0〜2.0の範囲内である場合、局所的な帯電不良による筋状の画像欠陥の発生をさらに抑制することができるとともに、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差をさらに小さくすることができ、特に好ましい。
【0041】
本発明の効果は、トナー中に磁性粉を含有する磁性トナーである場合に特に効果的である。
【0042】
本発明のトナーに用いる磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含む金属酸化物などがある。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは1〜30m/g、特に2.5〜26m/gが好ましい。
【0043】
磁性体量は結着樹脂100重量部に対し50〜200重量部、特には60〜150重量部が好ましい。50重量部未満では、搬送性が不十分でトナー担持体上のトナー層にムラが生じ画像ムラとなる傾向がある。一方、200重量部を超えると定着性に問題が生ずる傾向があった。
【0044】
磁性体の平均粒径としては0.05〜1.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.6μm、さらには0.1〜0.4μmが好ましい。
【0045】
また、磁性体の形状としては、ほぼ球形のものが好ましい。「ほぼ球形」とは、磁性粉の長径と短径との比(長径/短径)が1.0〜1.2であるものを指す。電子顕微鏡で磁性粉の3万倍以上の写真を撮り、その中から100個以上のものについて長径及び短径を測定し、それぞれの長径/短径比の平均値をもって長径/短径比とする。
【0046】
ほぼ球形の磁性粉を用いた場合、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差をさらに小さくすることができ、特に好ましい。
【0047】
また、磁性トナーの場合、トナーの鉄粉に対する帯電量の絶対値が40mC/kg以上(さらに好ましくは45mC/kg以上、特に好ましくは50mC/kg以上)であることが好ましい。このように従来に比べて高い帯電能力を有する磁性トナーを用いることにより、高温高湿環境〜低温低湿環境までの帯電性/現像性の差をさらに小さく抑えることが可能になる。
【0048】
本発明のトナーには荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となり、特に本発明では粒度分布と荷電量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。
【0049】
トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。
【0050】
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。
【0051】
また、正荷電性に制御するものとして下記物質がある。
【0052】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0053】
上述した荷電制御剤は微粒子状として用いることが好ましく、この場合これらの荷電制御剤の個数平均粒径は4μm以下、さらには3μm以下が特に好ましい。これらの荷電制御剤をトナーに内添する場合は結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、特に0.2〜10重量部使用することが好ましい。
【0054】
また本発明のトナーは、環境安定性,帯電安定性,現像性,流動性,保存性向上のため、有機処理せしめた無機微粉体を、ヘンシェルミキサー等の混合器により撹拌,混合するこにより外添することが好ましい。
【0055】
本発明に用いられる無機微粉体としては、ケイ酸微粉体、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粉体が好ましく、特にケイ酸微粉体が好ましい。例えば、かかるケイ酸微粉体は珪素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造される、いわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO 2−等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等の金属ハロゲン化合物を珪素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
【0056】
無機微粉体の有機処理方法としては、前記無機微粉体と反応あるいは物理吸着するシランカップリング剤,チタンカップリング剤等の有機金属化合物で処理する方法、もしくはシランカップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機珪素化合物で処理する方法が挙げられる。有機処理に使用されるシランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0057】
また、窒素原子を有するアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン等のシランカップリング剤も単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。また、有機硅素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が0.5〜10000センチストークス、好ましくは1〜1000センチストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。シリコーンオイル処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。
【0058】
本発明に用いられる有機処理された無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m/g以上、特に50〜400m/gの範囲のものが良好な結果を与え、また本発明に用いられる疎水化処理された無機微粉体はトナー粒子100重量部に対して0.01〜8重量部使用されるのが良く、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.2〜3重量部が良い。0.01重量部未満では、トナー凝集を改善する効果が乏しくなり、8重量部を超える場合では、細線間のトナー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や摩耗等の問題が生じやすい傾向である。
【0059】
本発明のトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0060】
本発明に係るトナーを作製するには、公知の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、ワックス、金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料、染料、又は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕、分級を行なって本発明に係るトナーを得ることができる。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0061】
特に本発明の現像装置に用いるトナーは、トナー中のある特定の粒径を有する粗粒の割合をある特定の範囲にする必要がある。
【0062】
そのために具体的には、分級工程を何回か繰り返す方法や、分級装置の設定を調節する方法等の手段、また、目開きの径が小さい篩を用いる手段等により、トナーの粗粒の量を制御することができる。
【0063】
画像形成装置の構成について詳しく述べる。
【0064】
本発明の画像形成装置としては、例えば、図1に示した様な装置が挙げられる。以下、図に従って具体的に説明する。図1において、100は感光ドラムであり、その周囲に、一次帯電ローラー117、撹拌棒141が配設された現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナ116、レジスタローラー124等が設けられている。そして感光ドラム100は、一次帯電ローラー117によって帯電される。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を感光ドラム100に照射することによって露光される。感光ドラム100上の静電潜像は、現像器140よって一成分磁性トナーで現像され、転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像を乗せた被転写材は搬送ベルト125等により定着器126へ運ばれ、被転写材上に定着される。また、一部感光ドラム100上に残されたトナーは、クリーナ116によりクリーニングされる。
【0065】
現像装置の構成についてさらに詳しく述べる。
【0066】
図2においてトナー担持体21は、略右半周面はトナー容器22内のトナー溜りに常時接触していて、そのトナー担持体21の表面近傍のトナーがトナー担持体表面にトナー担持体内の磁気発生手段(磁気ロール)23の磁力及び/または静電気力により付着保持される。トナー担持体21が回転駆動されるとそのトナー担持体21の表面のトナー層24が、トナー規制部材25の位置を通過する過程で各部均一の厚さの層厚に整層化/帯電付与される。トナー担持体の上のトナー層はトナー担持体21の回転に伴って感光体26側へ回転し、感光体26とトナー担持体21との再近接部分である現像領域Aを通過する。この通過過程でトナー担持体21の表面側のトナー層のトナーが感光体26とトナー担持体21との間に印加したバイアスにより感光体上に移行し潜像の電位パターンに応じて現像が行われる。現像領域Aを通過して、磁性体トナーが選択的に消費されたトナー担持体表面は、撹拌棒27が配設されたトナー容器22のトナー溜りに再回転することによりトナーの再供給を受け、繰り返し現像工程を行う。
【0067】
本発明に用いられるトナー担持体に当接するトナー規制部材の材質としてシリコーンを用いる。シリコーンの中でも材質として弾性を有するシリコーンゴムが特に好ましい。また、シリコーン中に有機化合物、無機化合物を添加しても良く、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウイスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などがある。
【0068】
トナー規制部材をトナー担持体に当接させる方法としては、弾性を有するシリコーンゴムのブレードをそのまま当接させる方法の他に、金属などの他の弾性体にシリコーンをトナー担持体に当接する部分に貼りあわせる方法でも良い。
【0069】
また、トナー規制部材の上辺部側である基部はトナー容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して図3又は図4のようにトナー担持体32,42の逆方向あるいは順方向にたわめ状態にしてトナー担持体表面に適度な弾性押圧をもって当接させる。
【0070】
トナー規制部材とトナー担持体との当接圧は、トナー担持体母線方向の線圧としては4.9〜118N/mが有効である。当接圧が4.9N/mより小さい場合、シリコーンによるトナーの帯電のコントロールが不十分となり、低湿環境においてトナーコートの不均一を生じ易くなる。また、当接圧が118N/mを超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーの劣化を起こしやすくする。
【0071】
本発明に用いられるトナー担持体としては、その表面の平均粗さが1.5μm以下(さらに好ましくは1.3μm以下)であるものを用いる。
【0072】
トナー担持体の材質としてはアルミニウム、SUSなどの金属、セラミックスなどの材質のものが用いられる。トナー担持体は引き抜きあるいは切削したままでも用いることができるが、研磨をしたり、周方向あるいは長手方向に粗しを入れたり、ブラスト処理を施したり、コーティングなどをその平均表面粗さが1.5μm以下であれば、行ってもよい。
【0073】
本発明の現像装置では、トナー担持体表面に導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が形成されているものが好ましい。トナー担持体表面に導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が形成されているものを用いると、本発明の特定な現像装置においてはその樹脂被覆層によるトナーの帯電のコントロール作用により、低温低湿環境〜高温高湿環境でのトナー担持体上での帯電性/現像性の差をさらに小さくすることができる。
【0074】
トナー担持体表面を被覆する樹脂層に含有される導電性微粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、導電性酸化亜鉛等の導電性金属酸化物及び金属複酸化物などが単独もしくは2つ以上好ましく用いられる。また、樹脂被覆層の表面粗さをコントロールする目的で適当な粒径の粒子を含有させる形態も好ましい。また、樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂を用いることができる。特に熱硬化性もしくは光硬化性の樹脂が好ましい。
【0075】
本発明の画像形成装置に用いられるクリーニング方式としては、ブレードクリーニングが好ましい。ブレードクリーニングはウレタンゴム、シリコーンゴム、弾性を有する樹脂をブレードとして、あるいは金属等のブレードの先端にチップ状の樹脂を保持させたものを、感光体の移動方向に対して順方向または逆方向に当接あるいは圧接させたものとして知られている。好ましくは、ブレードを感光体の移動方向に対して逆方向に圧接させるのがよい。この時、感光体に対するブレードに当接圧は、線圧で4.9N/m以上が好ましく、より好ましくは、9.8〜49N/mである。更に、ブレードクリーニング法にマグブラシクリーニング法、ファーブラシクリーニング法、ローラークリーニング法等を組み合わせても良い。
【0076】
トナーを吸引法で篩分けして200メッシュ/500メッシュ上に残留する割合を測定する方法としては、図5に示す帯電量の測定装置と同じ装置を用いる。この時は底には、あらかじめ重量(w(g))を精秤したメッシュの金属製のスクリーンを用いる。メッシュを底に装着した状態の測定容器52にトナー(w(g))を入れる。次に測定容器をフタの無い状態で吸引機に置き、吸引口57から吸引しこの状態で約2分程度金属製の棒等で容器を外側から強く振動させながら、十分に吸引し篩い分けをする。吸引終了後、メッシュを慎重に容器から外し、メッシュとその上に残った残留物をあわせた重量(w(g))を精秤する。トナーの吸引法によるメッシュ上に残留する割合Mは、下記計算式により求める。
【0077】
【数1】
Figure 0003630939
【0078】
トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)及び体積平均粒径(D:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求めた。
【0079】
本発明におけるトナーの帯電量の測定法を以下に図5に沿って説明する。
【0080】
23℃,相対湿度60%環境下、キャリアとしてEFV200/300(パウダーテック社製)を用い、キャリア10.0gにトナー0.5gを加えた混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ50回手で震盪する。次いで、底に500メッシュのスクリーン53のある金属製の測定容器52に前記混合物約0.5gを入れ、金属製のフタ54をする。この時の測定容器52全体の重量を秤りW(g)とする。次に吸引機(測定容器52と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁56を調節して真空計55の圧力を2450Pa(250mmAq)とする。この状態で一分間吸引を行ないトナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また吸引後の測定容器全体の重量を秤りW(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は、下式の如く計算される。
【0081】
【数2】
Figure 0003630939
【0082】
本発明に係わる示差熱分析における吸熱ピークは、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定する。たとえば、パーキンエルマー社製のDSC−7が使用できる。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温させ前履歴をとった後、温度速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で降温、昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いる。吸熱ピーク温度とは、DSC曲線において、プラスの方向のピーク温度のことであり、即ち、ピーク曲線の微分値が正から負にかわる際の0になる点を言う。
【0083】
トナー担持体表面の中心線平均粗さ(Ra)は、以下の方法で行う。
【0084】
JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE−3300にて、軸方向3点×周方向2点=6点について各々測定し、その平均値をとった。なお、測定条件としては、送りスピード0.5mm/sec、測定長さ2.5mm、粗さカットオフλc=0.8、オートレベリングオンにて測定した。
【0085】
【実施例】
実施例1
現像装置として以下のようなものを用いた。
【0086】
トナー担持体として、引き抜き加工したままのアルミ円筒素管(外径:16mm)のスリーブの表面に、カーボンブラックとグラファイトとアクリル樹脂粒子がフェノール樹脂10重量部中に1:9:0.1の割合で分散している樹脂被覆層をコートしたもの(平均表面粗さ:1.0μm)を用いた。
【0087】
また、この円筒スリーブの内部に、現像極の磁束密度が80mTの4極マグネットを内蔵させた。
【0088】
トナー規制部材としては、厚さ:1.5mmのシリコーンゴムブレードを用い、図2のようにトナー担持体に34.3N/mの引き抜き圧で当接させた。
【0089】
感光体としては、直径が30mmの有機感光体を用い、トナー担持体と感光体との最近接距離を300μmに設定した。
【0090】
一次帯電器としては、ローラー帯電器を用い、露光手段としてはレーザー光を用い、600dpiで潜像を形成した。また、転写帯電器としては、ローラー帯電器を用いた。
【0091】
転写工程で感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング装置としては、ブレードクリーニング装置を用い、クリーニングブレードとしてはウレタンブレードを用いた。
【0092】
感光体上の潜像の電位は、暗部電位:−700V、明部電位:−150Vになるように設定した。
【0093】
感光体は72mm/sで回転させた。トナー担持体も72mm/sで回転させた。
【0094】
トナー担持体には現像バイアスとして、直流電圧:−500V、交流電圧:1600V(ピーク トゥ ピーク)、交流周波数:2200Hzの矩形を印加した。
【0095】
トナーは、以下のようにして調製した。
Figure 0003630939
【0096】
上記材料を予備混合した後に、110℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練を行った。混練物を冷却後、粗粉砕をし、ジェット気流を用いた粉砕機によって微粉砕をし、さらにELBOW−JET 分級機(日鉄鉱業社製)を用い、各エッジ位置を微粉域と中粉域を分割するための分割エッジF:10mm及び中粉域と粗粉域を分割するための分割エッジM:18mmに設定し、各吸引風量を微粉域F:35m/min,中粉域M:35m/min,粗粉域G:65m/min,インジェクションエアーを290kPaに設定して分級を行った。粗粒を重点的に除き、重量平均粒径が5.4μmの黒色微粉体を得た。
【0097】
ヘキサメチルジシラザンで表面処理された乾式製法シリカ(BET比表面積:300m/g)にジメチルシリコーンオイルでさらに疎水化処理した疎水性シリカ1.8重量部と、上記トナー粗粒0.16重量部を、上記黒色微粉体100重量部に対してヘンシェルミキサーにて撹拌混合し、さらに150メッシュのスクリーンを装着した振動篩で篩い分けをし、トナーを得た。
【0098】
このトナーの重量平均粒径(D)を測定したところ、5.4μmであった。帯電量を測定したところ、−57mC/kgであった。また、吸引法による200メッシュ上に残る割合(A)は0.021重量%、500メッシュ上に残る割合(B)は0.155であった。また、トナーの示差熱分析による吸熱ピークは95℃にあった。
【0099】
上記現像装置本体に上記トナーを適用し、前期画像形成装置を用いて、15℃/10RH%の環境及び32℃/80RH%の環境で、間歇で20000枚画出しを行い、画像濃度及び画像の縦筋について評価を行った。
【0100】
画像濃度、1ドット/2スペースの横線で形成されるハーフトーン画像を「マクベス反射濃度計」(マクベス社)を用いて評価した。
【0101】
画像の縦筋は、上記ハーフトーン画像上に現れる縦筋の数を目視で数え評価した。
【0102】
その結果を表2に示す。
【0103】
感光体へのトナーの融着は、32℃/80RH%の環境で、連続で20000枚画出しを行い、感光体上に発生した融着の個数を目視で数えた。
【0104】
実施例2及び3
トナーの重量平均粒径を表1のようにすること以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。このトナーを実施例1と同様に評価し、結果を表2に示した。
【0105】
実施例4
トナーを篩うメッシュを280メッシュにすること以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。このトナーを実施例1と同様に評価し、結果を表2に示した。
【0106】
実施例5
トナーを篩うメッシュを100メッシュにすること以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。このトナーを実施例1と同様に評価し、結果を表2に示した。
【0107】
比較例1及び2
分級工程における分級回数/分級条件を変え、トナーを篩うメッシュを100メッシュにすること以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。このトナーを実施例1と同様に評価し、結果を表2に示した。
【0108】
比較例3
トナーを篩うメッシュを500メッシュにすること以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。このトナーを実施例1と同様に評価し、結果を表2に示した。
【0109】
実施例6〜11
トナー中に含有させる離型剤を変える以外は、実施例1と同様の現像装置で実施例1と同様に評価し、結果を表2に示した。
【0110】
実施例12
トナー規制部材としてウレタンブレードを用いる以外は、実施例1と同様の現像装置を用いて、実施例1と同様に評価を行い、結果を表2に示した。
【0111】
実施例13〜15
トナー担持体の中のアクリル樹脂粒子の量を変えて平均表面粗さ(Ra)を変える以外は、実施例1と同様の現像装置を用いて、実施例1と同様に評価を行い、結果を表2に示した。
【0112】
【表1】
Figure 0003630939
【0113】
【表2】
Figure 0003630939
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、高温高湿環境から低温低湿環境まで安定した画像濃度で高画質のハーフトーン画像が得られ、且つ、感光体へのトナー融着による品位低下のない高品位の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の概略説明図である。
【図2】本発明に好適な現像装置の概略説明図である。
【図3】トナー規制部材のトナー担持体への当接の一態様を示すための図である。
【図4】トナー規制部材のトナー担持体への当接の一態様を示すための図である。
【図5】トナーの帯電量の測定に用いる装置の概略図である。
【符号の説明】
21,32,42,102 トナー担持体
22 トナー容器
25,33,43 トナー規制部材
26,31,41,100 感光ドラム(潜像保持体)
114 転写ローラー
116 クリーナ
126 定着器

Claims (14)

  1. ▲1▼重量平均粒径(D)が3.5〜6.5μmであり且つ、
    ▲2▼吸引法でトナーを篩い分けしたときに200メッシュ上に残留する割合をA重量%、500メッシュ上に残留する割合をB重量%としたとき、Aが0.15重量%以下であり、B重量%−A重量%が0.02重量%〜0.3重量%であることを特徴とするトナー。
  2. 該トナーの示差熱分析における吸熱ピークが、60℃〜120℃の領域に少なくとも一つ以上有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナーの示差熱分析における吸熱ピークが、60℃〜100℃の領域に少なくとも一つ以上有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  4. 該トナー中に、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプッシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワックス及び高級脂肪族アルコールからなる群から選択される1種以上のワックス成分を含有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナー中に、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定における分子量分布において、Mw/Mnが1.0〜2.0の範囲内であるワックス成分を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  6. 該トナー中に磁性粉を含有し、且つ、該トナーの鉄粉キャリアに対する帯電量が絶対値で40mC/kg以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナー。
  7. 少なくとも潜像保持体と潜像を可視化する現像装置を有する画像形成装置において、
    現像装置にトナー規制部材として少なくとも表面の材質がシリコーンであるものを用い、且つ、トナー担持体として、その平均表面粗さ(Ra)が1.5μm以下であるものを用い、
    トナーとして▲1▼重量平均粒径(D)が3.5〜6.5μmであり且つ、▲2▼吸引法でトナーを篩い分けしたときに200メッシュ上に残留する割合をA重量%、500メッシュ上に残留する割合をB重量%としたとき、Aが0.15重量%以下であり、B重量%−A重量%が0.02重量%〜0.3重量%である負帯電性トナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 該画像形成装置が潜像保持体上のトナーを取り除くクリーニング装置を有することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  9. 該トナーの示差熱分析における吸熱ピークが、60℃〜120℃の領域に少なくとも一つ以上有することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 該トナーの示差熱分析における吸熱ピークが、60℃〜100℃の領域に少なくとも一つ以上有することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  11. 該トナー中に、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプッシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワックス及び高級脂肪族アルコールからなる群から選択される1種以上のワックス成分を含有していることを特徴とする請求項乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 該トナー中に、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定における分子量分布において、Mw/Mnが1.0〜2.0の範囲内であるワックス成分を含有することを特徴とする請求項乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 該トナー中に磁性粉を含有し、且つ、該トナーの鉄粉キャリアに対する帯電量が絶対値で40mC/kg以上であることを特徴とする請求項乃至12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 該トナー担持体の表面が、導電性微粒子を含有する樹脂被覆層でコートされていることを特徴とする請求項乃至13のいずれかに記載の画像形成装置。
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