JP3705035B2 - 正帯電性磁性現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

正帯電性磁性現像剤及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録等における静電潜像を現像するために用いられる正帯電性磁性現像剤およびこの正帯電性磁性現像剤を用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、電子写真法を利用する電子写真複写機やレーザービームプリンター、静電記録法を利用する静電記録装置などを用いて、複写画像や記録画像を得ることは広く行われている。例えば、電子写真法を利用する電子写真複写機やレーザービームプリンターにおいては、画像形成は通常次のようにして行われている。すなわち、まず、感光ドラム等の静電潜像担持体を、帯電器により正または負に帯電させ、次いでこの帯電された静電潜像担持体をスリット露光またはビーム露光することにより、静電潜像担持体上に静電荷像として静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像剤によって現像され、現像後のトナー画像は転写紙に転写され、転写されたトナー画像は熱ロール、圧力ロールなどにより定着されて複写画像が形成される。一方、転写後の静電潜像担持体はクリーニングブレードによって該静電潜像担持体上に残留するトナー粒子が掻き取られ、再使用に供される。前記静電潜像を現像する方法としては、例えばキャリア粉体とトナー粒子を主体とする現像剤を用いる磁気ブラシ法やカスケード法等の二成分乾式現像法や、キャリア粉体を用いずトナー粒子のみを用いて現像を行う一成分現像法あるいは絶縁性キャリヤ液体を用いる液体現像法などがある。これらの現像法のうち、キャリア粉体とトナー粒子を主成分とする現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法は、比較的安定に良画像が得られる優れた方法であるが、反面キャリア粉体の劣化、トナー粒子とキャリア粉体の混合比の変動という二成分現像剤にまつわる共通の欠点を有している。この欠点を回避するものがキャリアを用いない一成分現像法である。
【0003】
一成分現像法では、現像剤としてトナー中に磁性粉体を有する絶縁性磁性トナーを用いる一成分磁性現像法が一般的である(例えば、米国特許第4,336,318号明細書)。この方法では、磁性トナー粒子の帯電は、トナー相互の摩擦、あるいはトナーと現像剤担持体としてのスリーブとの摩擦、更には外添剤との摩擦、ドクターブレードとの摩擦などにより行われる。キャリア粉体含有の二成分現像剤を用いる方法においては、トナー粒子は量的に格段に多いキャリア粉体との頻度の高い摩擦接触およびキャリア粉体による攪拌作用によって充分なトリボ電荷を得ることが可能であるが、一成分磁性現像剤では二成分現像剤ほどにはトリボ電荷を得ることが困難であり、このため通常電荷制御剤がトナー粒子中に含有される。そして、一成分磁性現像法においては、磁性トナーは前記スリーブ上にきわめて薄く塗布されて、静電潜像担持体とスリーブで形成される現像領域に搬送され、現像領域においてスリーブ内に固着された磁石による磁界の作用下、必要であれば更に直流、交流あるいはパルスバイアスを印加することにより磁性トナーを飛翔させて静電潜像担持体上の静電潜像を顕像化する方法がとられている。これら一成分磁性現像剤は、キャリア粉体を用いないため上記した二成分現像剤における欠点はないものの、二成分現像剤のようにトナーを攪拌する役割をはたすキャリア粉体が存在しないため現像器内で凝集し易く、また現像剤は流動性も悪く、スリーブ上にきわめて薄いトナー層を形成することが難しい。また、二成分現像法に比べ、トナーの帯電性は、現像環境、トナー物性、スリーブ表面の状態等に依存する度合いが大きく、トナーの十分かつ安定した帯電性の確保が難しいという欠点を有する。
【0004】
従来、このような一成分磁性現像剤のトナー粒子の流動性を改善するため、磁性現像剤に流動化剤が添加されている。この流動化剤としては、疎水化処理されたあるいは疎水化処理されていないシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシアなどの微粉末あるいはこれら微粉末の2種以上の混合物、例えば1〜30mμの微粉末被処理シリカと150mμ〜5μの無機酸化物(特開昭57−179866号公報)、疎水化処理されたシリカ微粉末と疎水化処理されたアルミナ微粉末との混合物(特開平6−19190号公報)など種々の微粉末が添加されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、流動化剤としてシリカ微粉末を用いる場合、本来シリカが負帯電性であることから、特に正帯電性の磁性トナーと混合した際には、現像初期においてトナーの帯電量が不足し、現像開始当初においては良質の画像を形成することが難しいという欠点がある。また、アルミナ微粉末を用いた場合には、アルミナは本来正帯電性であるため、正帯電性の磁性トナーと混合した場合トナーの帯電量の低下はほとんど無く、現像初期のトナーの帯電量は大きいが、現像がすすむにしたがってトナーが過帯電となり、徐々に画像濃度が低下するという欠点がある。また、チタニア微粉末を用いる場合には、チタニアがほとんど無帯電性であるためトナーの帯電電荷量は低く、良好な画像が得られにくいという問題がある。このような問題は、現像スリーブとして、導電性微粒子を含有する樹脂で被覆されていない平均表面粗さが0.5〜3.0μmであるようなアルミ製などの現像スリーブを用いる現像装置において特に現れやすい。これらシリカ微粉末、アルミナ微粉末の欠点を解決すべくこれらを併用したとしても、アルミナの量が多くなれば初期帯電性は高くなるものの、過帯電の問題が起こり、またアルミナの量が少ないと初期帯電性が劣り、必ずしもシリカ微粉末とアルミナ微粉末との長所がでるというわけではない。また仮に両者の長所がたまたま発揮されたとしても、併用する量の調整、維持が難しく、微妙な帯電量の調整は望むべくもない。
【0006】
本発明は、上述のごとくの問題を解消し、トナー粒子をスリーブ表面上に薄く均一に担持させることができるとともに、いずれの現像装置を用いた場合においても、トナー粒子が現像開始直後から高い帯電量を有し、多数枚現像した場合においても帯電量が変わることがなく、したがって常に安定した良品質の画像を形成することのできる流動性の優れた絶縁性の正帯電性磁性現像剤を簡単に得ること及びこの良好な特性を有する磁性現像剤を用いての画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、少なくとも、(a)結着樹脂および磁性粉末を含有する絶縁性磁性トナー粒子と、(b)Al2385〜55重量%、SiO215〜45重量%からなり、かつBET比表面積が20〜200m2/gである疎水化処理されたまたは疎水化処理されていない火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末との混合物からなることを特徴とする正帯電性磁性現像剤に関する。
さらに、本発明は、現像剤を保有している現像剤収納室及び現像剤を担持し且つ搬送するための現像剤担持体を有する現像装置を使用して静電潜像担持体に担持されている静電潜像を現像する画像形成方法において、現像剤として、少なくとも、(a)結着樹脂および磁性粉末を含有する絶縁性磁性トナー粒子と、(b)Al2385〜55重量%、SiO215〜45重量%からなり、かつBET比表面積が20〜200m2/gである疎水化処理されたまたは疎水化処理されていない火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末との混合物からなる正帯電性磁性現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に用いる現像装置について説明する。図1は、本発明に使用する現像装置の一例の断面図である。
【0009】
図中1は、静電潜像を担持し、矢印Aの方向に回転する、静電潜像担持体としての感光ドラムであり、表面に絶縁層を有するものあるいは有しないもの、いずれの使用も可能である。また静電潜像担持体の形状はドラム状に限られず、シート状あるいはベルト状のものでもよい。4は、磁性現像剤2を表面に担持して矢印Bの方向に回転する現像剤担持体としてのスリーブであり、スリーブ4の内部にはマグネットロール5が回転しないように固定されている。3は、現像剤2を収納し、スリーブ4の表面に該現像剤2を接触させる現像剤収納室である。6は、現像剤収納室4で担持されたスリーブ4表面上の現像剤の層を所定の厚さに規制する部材としてのドクターブレードであり、スリーブ4の表面とドクターブレード6との間隙が約50μm〜500μmになるように配設されている。
【0010】
上記のように構成された現像装置が起動してスリーブ4が矢印Bの方向に回転すると、現像剤収納室3内ではトナー同士あるいはスリーブ4の表面とトナーの接触摩擦などによって、感光ドラム1上の静電潜像と逆極性の正電荷がトナーに与えられ、スリーブ4表面に塗布される。スリーブ表面に塗布、形成された現像剤層は、さらに、マグネットロール5の一つの磁極(図中ではS極)位置に対向して配設されたドクターブレード6により均一かつ薄い層(層厚は約30μm〜300μm)になるように規制され、感光ドラム1とスリーブ4とで形成される現像領域に搬送される。また、スリーブ4と感光ドラム1面との間で交流バイアス7を印加することにより、現像領域においてスリーブ4上のトナーは感光ドラムの方向に飛翔される。
【0011】
次に、本発明に係る正帯電性磁性現像剤について説明する。
上記したように、本発明の正帯電性磁性現像剤は、構成成分として、少なくとも、(a)結着樹脂および磁性粉末を含有する絶縁性磁性トナー粒子と、(b)Al2385〜55重量%、SiO215〜45重量%からなり、かつBET比表面積が20〜200m2/gである疎水化処理されたまたは疎水化処理されていない火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末とを含有するものである。
【0012】
まず、本発明の磁性現像剤で用いられる上記組成および特性を有する火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末自体は、例えば特開平6−199516号公報に記載されるような火炎加水分解法によって製造される。火炎加水分解法においては、塩化アルミニウムと珪素ハロゲン化物とを共に炎中で蒸気相酸化させて、珪素−アルミニウム共酸化物が製造される。このとき塩化アルミニウムと珪素ハロゲン化物との供給比率を変えることにより、任意の割合の珪素−アルミニウム共酸化物が得られる。本発明において用いられる疎水化処理されたまたは疎水化処理されていない火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末は、Al23とSiO2の割合が、Al2385〜55重量%、SiO215〜45重量%であるものが好ましく、より好ましくはAl2375〜55重量%、SiO225〜45重量%、さらに好ましくはAl2370〜60重量%、SiO230〜40重量%である。また、微粉末のBET比表面積は20〜200m2/gのものが好ましく、更には50〜150m2/gであるものがより好ましい。これら微粉末は、そのままでも用いることもできるし、更に疎水化処理が施されたものでもよい。
【0013】
疎水化処理剤としては、例えば特開平8−253321号公報に記載されるような珪素を含有する多数の化合物が知られている。これら珪素含有化合物の例としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、オルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサンあるいはジメチルシリコーンオイル、トリメトキシオクチルシラン、トリメトキシプロピルシラン等がある。これらの中では、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルポリシロキサン等が好ましく用いられる。処理の方法としては公知技術が使用できる。例えば微粉体と疎水化剤とを混合機を用い混合する、微粉体中に疎水化剤を噴霧器を用い噴霧する、或いは溶剤中に疎水化剤を溶解させた後微粉体を混合する方法等が挙げられるが、本発明における疎水化処理法および疎水化処理剤がこれら例示されたものに限定されるわけではない。
【0014】
上記、疎水化処理されたあるいは疎水化処理されていない微粉末は、磁性トナー粒子100重量部に対し0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.7重量部の量で用いられる。
【0015】
また、本発明において用いられる絶縁性磁性トナー粒子は、少なくとも結着樹脂および磁性粉末を含有するものである。
上記磁性トナーの結着樹脂としては、従来磁性トナーの結着樹脂として公知のものがいずれも使用可能である。具体的には、スチレン系重合体、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体、架橋したスチレン系樹脂など;ポリエステル樹脂、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、架橋したポリエステル樹脂など;その他ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジン変成マレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。
【0016】
上記スチレン−アクリル系共重合体に使用されるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれらと共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げることができる。
【0017】
また、上記の架橋したスチレン系樹脂を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等の不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;および不飽和結合を3個以上有する化合物を、単独で或いは混合してして使用することができる。上記架橋剤は、結着剤樹脂に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
【0018】
これらの樹脂は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これら樹脂のうち、スチレン系重合体、ポリエステル樹脂は、本発明の共酸化物微粉末とともに用いるときに、とくに優れた帯電特性を示すため好ましいものである。また、GPC(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)により測定される分子量分布で3×103 〜5×104 の領域に少なくとも一つのピークを有し、かつ105 以上の領域にも少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体、更には2種以上の樹脂、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などによりこのような分子量分布を有するようにされた樹脂組成物が、トナーの粉砕性、定着性などの点から好ましいものである。
【0019】
更に、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナー用結着剤樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンおよび他のワックス類を挙げることができる。
【0020】
本発明の磁性トナーに含有される磁性粉末としては、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどの強磁性金属や強磁性金属の合金の粉末、γ−酸化鉄、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなど鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどを含む化合物が使用できる。これらの磁性微粒子は窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜20m2 /g、特に2.5〜12m2 /g、さらにモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。また、その粒度は100〜800mμ、好ましくは300〜500mμであり、この磁性粉の含有量は、トナー量に対して10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%含有させるのが良い。
【0021】
また、本発明に係る現像剤に添加し得る着色材料としては、従来公知のカーボンブラツク、銅フタロシアニン、鉄黒などが必要に応じ使用できる。
【0022】
また、本発明のトナーには必要に応じて正荷電制御剤が含有される。正荷電制御剤としては、ニグロシン染料および脂肪酸金属誘導体、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩(例えば、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルベンジルアンモニウムテトラフルオロボレート)、ジオルガノスズオキサイド(例えば、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド)、ジオルガノスズボレート(ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート)等を単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩が好ましい。
【0023】
本発明のトナー粒子には、実質的な悪影響を与えない限りにおいて、従来添加剤として知られた他の添加剤を含有させることができる。これらの添加剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性を向上させる、ポリエチレン、ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス成分、導電性付与剤、滑剤などが挙げられる。
【0024】
本発明の現像剤で用いられるトナー粒子は、これらのトナー構成材料をボールミルなどで予備混合したのち、熱ロール、ニーダー、一軸または二軸エクストルーダー等の熱混練機によって良く溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕し、分級を行う方法、あるいは結着樹脂溶液中にトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、あるいは、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合させる方法等、従来公知の方法によって製造することができる。
【0025】
本願発明に使用することのできるトナーとしては、平均粒径が5〜30μmであることが好ましい。本発明に係る正帯電性絶縁性磁性トナーはトリボ電荷量を保持し、充分な現像性および静電転写性を有するためには、1010Ω・cm以上、好ましくは1013Ω・cm以上の電気抵抗を有することが好ましい。
【0026】
本発明の正帯電性磁性現像剤は、上記の如き絶縁性磁性トナー粒子と疎水化処理されたあるいは未処理の火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末とを混合することにより製造される。これら疎水化処理されたあるいは未処理の火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末をトナー粒子と混合するには、公知の混合機、例えばV型混合機、ターブラーミキサー等の回転容器型混合機やリボン型、スクリュー型、回転刃型、その他の固定容器型混合機を用いることができる。この時、疎水化処理されたあるいは未処理の火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末とともに、従来磁性現像剤を製造する際に用いられる研磨剤などの添加材を適宜加えることができる。このような添加材としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、チタン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの微粉末が挙げられる。その他、滑剤(例えばテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛など)、流動化剤(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン、酸化チタン、シリカなどの微粉末)あるいは導電性付与剤として酸化スズの如き金属酸化物等を加えることもできる。
【0027】
【実施例】
以下、製造例、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお、以下においては、部数は全て重量部を表す。
【0028】
製造例1(珪素−アルミニウム共酸化物微粉末の製造)
特開平6−199516号公報の例に記載された方法および装置により、気化されたSiCl4とAlCl3をバーナー中で燃焼させ、発生した粉末をフィルターで濾過し、その後得られた粉末を熱処理し、付着している塩酸残分を除去することにより、次の物性を有する珪素−アルミニウム共酸化物微粉末を得た。
【0029】
BET比表面積 :74m2 /g、
4%分散液のpH値:4.49
かさ密度 :46g/l
見掛け比重 :56g/l
粉末組成(重量) :Al2 3 65%、SiO2 35%
【0030】
製造例2(疎水化処理された共酸化物微粉末の製造)
製造例1で得られた共酸化物微粉末600gをヘンシェルミキサーに入れ、混合しながら先ず30gの蒸留水、続いて90gのHMDS(ヘキサメチルジシラザン)を吹きつけた。その後さらに15分間混合を続けてから、反応混合物を乾燥ボックスの中で3時間140℃で乾燥させた。生成物は次の物性を有するものであった。
【0031】
BET比表面積 :62m2 /g、
pH値 :7.4
見掛け比重 :56g/l
炭素含有量 :0.7重量%
乾燥減量(TV) :0.7%
強熱減量(GV) :1.4%
【0032】
実施例1
スチレン−アクリル酸メチル共重合体 100部
マグネタイト 70部
ニグロシン染料 2部
低分子量ポリプロピレン 3部
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約9μmの正帯電性トナーを得た。次に製造例1により得られた珪素−アルミニウム共酸化物微粉体(平均粒径;25mμ)を、上記トナー100部に対し、0.4部加え、混合して正帯電性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、現像剤担持体の表面が導電性樹脂で処理されていない市販の複写機NP−1215(キヤノン社製)により画出し評価を行った。
この結果、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)のいずれの環境下においても現像剤の流動性は良好であり、またいずれの環境下においても現像初期より良好な画像を得ることができた。
さらにトナーを補充しながら30,000枚の画出し評価を行ったが、問題のない良好な画像を得ることができた。
【0033】
比較例1
珪素−アルミニウム共酸化物微粉体に替えてシリカ微粉体を用いることを除き、実施例1を繰り返した。得られた磁性現像剤は、1,000枚を越えるまでは充分な濃度を有する画像を得ることはできなかった。
【0034】
比較例2
珪素−アルミニウム共酸化物微粉体に替えてAl2 3 5重量%、SiO2 95重量%、BET比表面積80m2 /gの非晶質珪素−アルミニウム共酸化物微粉体(粒径;33mμ)を用いることを除き、実施例1を繰り返した。得られた磁性現像剤は、700枚を越えるまでは充分な濃度を有する画像を得ることはできなかった。
【0035】
実施例2
ポリスチレン(Mw:4000) 70部
スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(Mw:75000) 30部
マグネタイト 70部
ニグロシン染料 2部
低分子量ポリプロピレン 3部
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約9μmの正帯電性トナーを得た。次に製造例2により得られたHMDS処理された火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉体を、前述のトナー100部に対し、0.3部添加、混合して正帯電性絶縁性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、現像剤担持体の表面が導電性樹脂で処理されていない市販の複写機NP−1215(キヤノン社製)により画出し評価を行った。
この結果、実施例1同様、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、85%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)のいずれの環境下においても現像剤の流動性は良好であり、またいずれの環境下においても現像初期から良好な画像を得ることができた。
さらにトナーを補充しながら、30,000枚の画出し評価を行ったが、問題のない良好な画像を得ることができた。
【0036】
比較例3
HMDS処理された火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉体に替えてアルミナ微粉体(平均粒径;20mμ)を用いることを除き、実施例2を繰り返した。得られた磁性現像剤は、現像開始当初は良好な画像を得ることができたが、現像を繰り返すうち徐々に画像濃度が低下し、100枚を越えると充分な濃度を有する画像を得ることはできなかった。
【0037】
実施例3
ポリエステル(ノンビスフェノール非線状ポリエステル) 100部
マグネタイト 70部
ニグロシン染料 2部
低分子量ポリプロピレン 2部
上記材料を均一混合した後、混練、粉砕、分級して、平均粒径約9μmの正帯電性トナーを得た。次に実施例1と同じく製造例1で得られた珪素−アルミニウム共酸化物微粉体を、前述のトナー100部に対し、0.3部添加、混合して正帯電性磁性現像剤を得た。この現像剤を用い、現像剤担持体の表面が導電性樹脂で処理されていない市販の複写機NP−1215(キヤノン社製)により画出し評価を行った。
この結果、実施例1同様、常温常湿(23℃、50%RH)、高温高湿(30℃、80%RH)、低温低湿(10℃、20%RH)のいずれの環境下においても現像剤の流動性は良好であり、またいずれの環境下においても現像初期から良好な画像を得ることができた。
さらに、トナーを補充しながら、30,000枚の画出し評価を行っても、問題のない良好な画像を得ることができた。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の正帯電性磁性現像剤は、流動性及び初期帯電特性に優れ、また本発明の正帯電性磁性現像剤を用いて現像することにより、表面に導電性微粒子を含有した膜を形成していない現像剤担持体を有する現像装置を用いて画像形成を行った場合においても現像開始当初から良好な画像を形成することができ、さらに引き続き現像を行っても現像剤の過帯電がなく、したがって画像濃度の低下が起きず、長期間安定して良好な現像を行うことができ、現像装置の特性に依存することなく常に良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法で用いられる現像装置の一具体例である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 磁性現像剤
3 現像剤収納室
4 現像スリーブ
5 マグネットロール
6 ドクターブレード
7 バイアス装置

Claims (5)

  1. 少なくとも、(a)結着樹脂および磁性粉末を含有する絶縁性磁性トナー粒子と、(b)Al2385〜55重量%、SiO215〜45重量%からなり、かつBET比表面積が20〜200m2/gである疎水化処理されたまたは疎水化処理されていない火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末との混合物からなることを特徴とする正帯電性磁性現像剤。
  2. 結着樹脂が、スチレン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の正帯電性磁性現像剤。
  3. 結着樹脂が、ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の正帯電性磁性現像剤。
  4. 素−アルミニウム共酸化物中のAl23とSiO2の割合が、Al2375〜55重量%、SiO225〜45重量%であることを特徴とする請求項1に記載の正帯電性磁性現像剤。
  5. 正帯電性現像剤を保有している現像剤収納室及び現像剤を担持し且つ搬送するための現像剤担持体を有する現像装置を使用して静電潜像担持体に担持されている静電潜像を現像する画像形成方法において、現像剤として、少なくとも、(a)結着樹脂および磁性粉末を含有する絶縁性磁性トナー粒子と、(b)Al2385〜55重量%、SiO215〜45重量%からなり、かつBET比表面積が20〜200m2/gである疎水化処理されたまたは疎水化処理されていない火炎加水分解法により製造された珪素−アルミニウム共酸化物微粉末との混合物からなる正帯電性磁性現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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