JP3794111B2 - 現像ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式による複写機、プリンターあるいはファクシミリの受信装置等に使用される現像ローラに関するものであり、特に、表面に担持したトナーを静電気的に感光体に搬送する非磁性現像方式に用いる現像ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
現像ローラは、一般に金属製シャフト等の導電性支持体の周りに導電性ゴム弾性体層が形成され、その表面に表面層が形成されている。前記、現像ローラの表面層として、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂を主成分をすることは、トナーの帯電性が良好となることから、特公昭50−13661号公報に開示されて以降、多数出願されている。しかしながら、これらの材料は、1)フィルミングが発生するものが多い、2)環境依存性が大きい等の問題を抱えている。
【0003】
非磁性現像方式には、感光体と接触する方式と、非接触方式とがあるが、上記のように、現像ローラの表面層にトナー帯電性の優れたポリアミド系樹脂やポリウレタン系樹脂等の−NHCO−結合含有樹脂を使用した場合、感光体と接触方式であると非接触であるとに関わらず、吸水によって抵抗等の電気特性が変化し画像を悪化させることが多い。さらに、感光体と非接触方式の場合には、温度変化によってローラ外径が変化し、感光体と現像ローラとのギャップ幅が変動することにより、画像に悪影響を与えることが多い。
【0004】
吸水率が小さく、環境変動の小さい表面層材料としては、フッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が検討されているが、トナー帯電性等の点の問題を抱えることが多い。また、これらの樹脂では、柔軟なゴム弾性体層に被覆するには剛直すぎることが多く、トナー割れの問題が発生することがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような現像ローラにおける問題点に鑑み、トナー帯電性に優れるとともに、吸水率が小さく、抵抗等の電気特性の変化による画像の悪化の問題がなく、また、温度による寸法変化も許容できる電気特性を有し、非接触方式における画像の悪化という問題もなく、さらには、適度な柔軟性を有し、トナー割れの問題もない現像ローラを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため、吸水率が小さく、誘電率が小さいポリカーボネートのような−ROCO2 −の繰り返し単位と、アミド結合やウレタン結合等のような−NHCO−結合との表面層中での共存に着眼し、−ROCO2 −の繰り返し単位を有するポリカーボネート等と、−NHCO−結合を有するポリアミドやポリウレタンとの両者のブレンド、比較的低分子量ポリカーボネートとポリイソシアネートの硬化物、あるいは、1分子中に両者が存在する熱可塑カーボネートウレタン等を使用することが、接触方式、非接触方式にかかわらず、高温高湿環境化での現像ローラの電気抵抗の変化や、非接触現像方式に使用する際の現像ローラ外径変化による感光体とのギャップ幅の変動による画質の低下を抑えられることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は電子写真方式に使用される現像ローラであって、最外層がポリカーボネートウレタンを主成分とする多孔質でない樹脂組成物からなり、導電性支持体と前記最外層の間の少なくとも一層に、導電性ゴム層を設けてなり、非磁性非接触現像方式に使用されることを特徴とする現像ローラ(請求項1)、導電性支持体と最外層の間の少なくとも一層に、(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位である重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する硬化剤、(C)ヒドロシリル化触媒、および、(D)導電性付与剤を主成分とする硬化性組成物からなる導電性ゴム層を設けてなる請求項1に記載の現像ローラ(請求項2)、を内容とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る現像ローラは、直径lmm〜25mm程度のSUS(ステンレス鋼)やアルミニウム等の金属製シャフトからなる導電性支持体のまわりに導電性ゴム層が設けられ、外周面を表面層で被覆したものであり、前記導電性ゴム層と表面層との間に他の層を含む場合もある。
【0009】
前記現像ローラのローラ抵抗は、シャフトの両端に500gの荷重を加えたDC100V印加時に104 〜109 Ω、好ましくは105 〜108 Ω程度のものである。
【0010】
前記表面層は、トナー帯電性を考慮して、少なくとも、アミド結合やウレタン結合等の−NHCO−結合を含有し、また、環境安定性、低誘電率等の点から、ポリカーボネート骨格のような−ROCO2 −の繰り返し単位を有する樹脂を主な組成とする樹脂組成物からなっていればよく、ポリアミドやポリウレタンと、ポリカーボネートとのブレンド樹脂であっても、1分子中に−NHCO−結合と−ROCO2 −の繰り返し単位との両方の単位を有するポリカーボネートウレタン等であってもよい。
【0011】
前記RとしてはビスフェノールAタイプが一般的であるが、これに限定されず、ビスフェノールAの変性体、脂環式の基、アルキル基等であっても構わない。低硬度と低吸水率のバランスの点では、アルキル基であることが好ましい。
【0012】
前記ブレンド樹脂の一例としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)等に希釈したポリアミドやポリウレタンとポリカーボネートとのブレンドが挙げられる。
【0013】
また、1分子中に両方の単位を有したポリカーボネートウレタンは、入手し易いうえに、溶剤で希釈後、ディップ塗布、スプレー塗布等の塗布が可能であることから好ましい。
【0014】
前記ポリカーボネートウレタンは、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られる化合物である。ポリカーボネートポリオールは、多価アルコールとホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとの縮合によって得られる公知の材料である。ポリカーボネートポリオールの好ましいものとしては、多価アルコールとして1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等を使用したものであり、その数平均分子量Mnは約300〜15000が望ましい。ポリカーボネートポリオールは、単独で使用することが好ましいが、ポリウレタン製造用の公知の材料であるポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールあるいはポリエステル−ポリエーテルポリオールと併用することも可能である。なお、上記では、ローラの低硬度、低吸水率のバランスで好ましい例としてジアルキルジオールを挙げたが、芳香族系または脂環族系のポリオール(主にジオール)であっても構わない。
【0015】
ポリカーボネートポリオールと反応させるポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添TDI、水添MDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等、公知の物が使用される。入手の容易さ、コスト等のバランスからは、水添MDI、IPDIが好ましい。
【0016】
前記のような、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリカーボネートウレタンを製造するには、必要に応じて鎖伸長剤を併用して、適当な溶剤の存在下、あるいは不存在下で反応させる。前記の場合の鎖伸長剤としては、多価アルコール、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン等の公知のものを用いることができる。
【0017】
次に、請求項2に係る現像ローラにおける導電性ゴム層を構成する硬化性組成物について説明する。この硬化性組成物における(A)成分の重合体は、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化する。(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある分子の場合には、分子末端に2個以上のアルケニル基が存在することが望ましい。(A)成分の主鎖を構成する主な繰り返し単位はオキシアルキレン単位または飽和炭化水素単位である。
【0018】
主鎖を構成する主な繰り返し単位がオキシアルキレン単位からなる重合体の場合、少量の導電性付与剤を添加するだけで体積抵抗が108 〜109 Ωcmとなるため好ましい。また、硬化物の低硬度化の観点からも、前記繰り返し単位がオキシアルキレン単位であるオキシアルキレン系重合体、さらには、前記繰り返し単位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重合体が好ましい。
【0019】
ここで、前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、例えば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合には、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる単位との共重合体(グラフト共重合体も含む)であってもよい。
【0020】
上記のような(A)成分のオキシアルキレン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化のバランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)で500〜50,000、さらには1,000〜40,000であることが好ましい。特に、数平均分子量5,000以上のもの、さらには5,000〜40,000であるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0021】
前記オキシアルキレン系重合体が有するアルケニル基に特に制限はないが 下記一般式(1)、
【0022】
H2 C=C(R1 )− (1)
(式中、R1 は水素原子またはメチル基)
【0023】
で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。
【0024】
また、この硬化性組成物の特徴の1つは、低硬度化に設定しやすいことであり、この特徴を発揮させるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ましく、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる。
【0025】
また、(A)成分が、主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の場合は、低吸水率であり、電気抵抗の環境変動が小さく好ましい。この重合体の場合も、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様に、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状になり硬化するものであり、(A)成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分子の両末端に2個存在することが好ましく、分岐を有する分子の場合には、分子末端に2個以上存在することが好ましい。
【0026】
前記主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の代表的な例としては、イソブチレン系重合体、水添イソプレン系重合体、水添ブタジエン系重合体が挙げられる。これら重合体は、共重合体などの他成分の繰り返し単位を含むものであってもかまわないが、少なくとも飽和炭化水素単位を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有することが、飽和炭化水素系の、吸水率が低いという特徴を損なわないようにするうえで重要である。
【0027】
この主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素単位である(A)成分の重合体の分子量としては、取扱やすさなどの点から、数平均分子両(Mn)で500〜50,000程度、さらには1,000〜15,000程度であって、常温において液状物で流動性を有するものが加工性の点で好ましい。
【0028】
この飽和炭化水素系重合体に導入されるアルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体の場合と同様である。
【0029】
したがって、(A)成分としての、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽和炭化水素系である重合体の好ましい具体例としては、両端末にアルケニル基を2個有する直鎖状の数平均分子量(Mn)が2,000〜15,000でMw/Mnが1.1〜1.2のポリイソブチレン系、水添ポリブタジエン系、水添ポリイソプレン系重合体などが挙げられる。
【0030】
また、硬化性組成物中の(B)成分は、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であるかぎり特に制限はないが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因になるため、分子中に含まれるヒドロシリル基の数は50個以下がよい。さらには2〜30個、より好ましくは2〜20個であることが、硬化物のゴム弾性のコントロールや貯蔵安定性の点から好ましく、さらに、硬化時の発泡を容易に防ぐ点では、20個以下、ヒドロシリル基が失活しても硬化不良が発生しにくい点では3個が好ましく、最も好ましい範囲は3〜20個である。
【0031】
なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することをいい、SiH2 の場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が硬化性が良く、ゴム弾性の点からも好ましい。
【0032】
(B)成分の分子量は、後述する導電性付与剤((D)成分)を添加する場合の分散性やローラー加工性などの点から数平均分子量(Mn)で30,000以下であるのが好ましく、さらには20,000以下、特には15,000以下が好ましい。(A)成分との反応性や相溶性まで考慮すると300〜10,000が好ましい。
【0033】
この(B)成分に関しては、(A)成分の凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相溶性の点でフェニル基含有変性が重要であり、(A)成分との相溶性、入手のしやすさの点でスチレン変性体などが好ましく、貯蔵安定性の点からα−メチルスチレン変性体が好ましい。
【0034】
(C)成分であるヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである限り特に制限はない。白金単体、アルミナなどの単体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールなどの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物などが挙げられる。これらの中でも、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフイン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用しても良く、また2種以上併用してもよい。
【0035】
以上のような硬化性組成物中の(A)成分および(B)成分の使用割合は、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり(B)成分中のヒドロシリル基が0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モルがゴム弾性の点から好ましい。
【0036】
また、(C)成分の使用量としては、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して10-1〜10-8モル、さらには10-1〜10-6モル、特には10-3〜10-6モルの範囲で用いるのが好ましい。(C)成分の使用量が10-8モルに満たないと反応が進行しない。その一方で、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で、また腐食性を有し、しかも水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡してしまう性質を有しているので、10-1モルを超えて用いない方が好ましい。
【0037】
さらに、上記のような硬化性組成物に、(D)成分として導電性付与剤を添加して導電性組成物とすれば、現像ローラとして好適である。この(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや、金属微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルアミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などが挙げられる。これらの導電性付与剤は、単独で使用しても、また、2種以上を併用してもかまわない。
【0038】
(D)成分である導電性付与剤の添加量は、(A)〜(C)成分の合計量に対して30重量%以下とすることが、ゴム硬度を上げない点から好ましい。一方、均一な抵抗を得る点からは10重量%以上が好ましく、必要なゴム硬度と、硬化物の体積抵抗が103 〜1010Ωcmになるように、その物性バランスから添加量を決めればよい。
【0039】
さらに、上記硬化性組成物には、上記(A)〜(D)成分の他、貯蔵安定性改良剤、例えば、脂肪族不飽和結合を有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などを加えてもよい。その具体例としては、例えば、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、ジメチルアセチレンカルボシキレート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、キノリン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの中では、ポットライフ及び速硬化性の両立という点から、チアゾール、ジメチルマレートが特に好ましい。なお、前記貯蔵安定性改良剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0040】
また、上記硬化性組成物には、加工性やコストを改善するための充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料等を添加してもよい。
【0041】
本発明に係る現像ローラは、上記のような硬化性組成物、その他、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、EP系ゴム等の弾性材料を、例えば、中心にSUS製等の金属シャフト等からなる導電性支持体を設置した金型に注型、射出、押出成形等し、適当な温度、時間で加熱硬化させることによって、支持体のまわりにゴム層を形成する。この場合、半硬化後、後硬化させてもよい。該導電性ゴム層の上から、表面層を構成する樹脂をスプレー塗布、ディップ塗布等により所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、本発明の現像ローラが得られる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例とともに挙げるが、本発明はこれらの実施例により、なんら限定されるものではない。
【0043】
(実施例1〜5及び比較例1〜4)
以下に列記する3種類の導電性ゴム層と、7種類の表面層を組み合わせて、直径10mmのSUS製シャフトのまわりりに、厚さ7.5mmの導電性ゴム層を設け、その外周面を表面層で被覆して、表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜4の現像ローラを作製した。
【0044】
(導電性ゴム層1)
(A−1)数平均分子量(Mn)8,000、分子量分布2の末端アリル化ポリオキシプロピレン系重合体:100重量部に対して、
(B−1)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.36モル/100g):6.6重量部、
(C−1)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶液:0.06重量部、
(D) カーボンブラック3030B(三菱化学製):7重量部、
を混合し、減圧(10mmHg以下、120分)脱泡した。得られた組成物を前記シャフトの周りに被覆し、金型内120℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚さ7.5mmのゴム弾性体を作製した。JIS K 6301 A法に記載された方法に準じて測定した弾性層のみのJIS A 硬度は15°であった。
【0045】
(導電性ゴム層2)
(A−2)数平均分子量(Mn)10,000の末端にビニル基を2個有するポリイソブチレン重合体:100重量部、
(B−2)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.97モル/100g):2.7重量部、
(C−2)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール溶液:0.06重量部、
(D−2)カーボンブラック3030B(三菱化学製):10重量部、
(その他)可塑剤PS−32(出光興産製):75重量部、
からなる組成物を、前記シャフトの周りに被覆し、金型内120℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚さ7.5mmのゴム弾性体を作製した。JIS K 6301 A法に記載された方法に準じて測定した弾性層のみのJIS A硬度は15°であった。
【0046】
(導電性ゴム層3)
日本ポリウレタン株式会社製のC−4190(主鎖がポリエーテルでNCO含量4.5%、粘度700cps/75℃)が100重量部、4,4′メチレン−ビス−2クロロアニリンが12.9重量部、ケッチェンブラックECが0.8重量部よりなる組成物を、前記シャフトの周りに被覆し、80℃、5時間硬化させて厚さ7.5mmのゴム弾性体を作製した。弾性層のみのJIS A 硬度は78°であった。
【0047】
(表面層1)
レザミンME8220LP(大日本精化株式会社製 カーボネートウレタン)をMEKで固形分が5重量%になるまで希釈した。
前記導電性ゴム層を被覆したローラに、この表面層溶液をディップ塗布し、80℃で1時間乾燥した。
【0048】
(表面層2)
E980(日本ミラクトラン株式会社製、カーボネートウレタン)をDMFで固形分が5重量%になるまで希釈した。これを表面層1と同様に塗布、乾燥した。
【0049】
(表面層3)
タフロンA2500(出光石油化学製、ポリカーボネート)とY−258(大日精化製ウレタン)を合計固形分が5重量%(両者の固形分比1:1)になるようにDMF中で希釈した。これを表面層1と同様に塗布、乾燥した。
【0050】
(表面層4)
HET1020(三菱化学製ウレタン、硬化剤G105含有)を固形分が5重量%になるまでトルエン:シクロヘキサノン=1:1の混合溶液で希釈した。これを表面層1と同様に塗布、乾燥(硬化)した。
【0051】
(表面層5)
タフロンA2500(出光石油化学製、ポリカーボネート)をTHFで固形分が5重量%となるように希釈した。これを表面層1と同様に塗布、乾燥した。
【0052】
(表面層6)
セララルソフトG180Y(セントラル硝子株式会社製、フッ素系)をDMFで固形分が5重量%になるまで希釈した。これを表面層1と同様に塗布、乾燥した。
【0053】
(表面層7)
EM−20(鉛市株式会社製、N−メトキシメチル化ナイロン溶液)を固形分が10重量%となるようにメタノールで希釈した。これを表面層1と同様に塗布、乾燥した。
【0054】
(評価)
市販6枚機プリンターのカートリッジを変更し、下記の条件下、上記実施例1〜5、及び比較例1〜4で作製した現像ローラを用いて黒ベタ画像をプリントし、マクベス濃度を測定した。結果を表1に示す。
(条件1)20℃、60%RHで感光体と接触。
(条件2)35℃、85%RHで感光体と接触。
(条件3)20℃、60%RHで感光体と非接触(20℃でギャップ300μm設定)。
(条件4)35℃、85%RHで感光体と非接触(20℃でギャップ300μm設定)。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明の現像ローラによれば、最外層がポリカーボネートウレタンを主成分とする多孔質でない樹脂組成物からなり、導電性支持体と前記最外層の間の少なくとも一層に、導電性ゴム層を設けてなり、非磁性非接触現像方式に使用されることを特徴とすることで、画像の環境依存性が少なくなる。さらに、上記のような最外層を有する現像ローラにおいて、請求項2記載の導電性ゴム層を組み合わせることによって、接触式である場合に良好なニップ幅を確保でき画像濃度が上がる。
Claims (2)
- 電子写真方式に使用される現像ローラであって、最外層がポリカーボネートウレタンを主成分とする多孔質でない樹脂組成物からなり、導電性支持体と前記最外層の間の少なくとも一層に、導電性ゴム層を設けてなり、非磁性非接触現像方式に使用されることを特徴とする現像ローラ。
- 導電性支持体と最外層の間の少なくとも一層に、(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位である重合体、(B)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する硬化剤、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)導電性付与剤、を主成分とする硬化性組成物からなる導電性ゴム層を設けてなる請求項1に記載の現像ローラ。
Priority Applications (7)
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