JP3508486B2 - ローラ - Google Patents

ローラ

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JP3508486B2
JP3508486B2 JP19821097A JP19821097A JP3508486B2 JP 3508486 B2 JP3508486 B2 JP 3508486B2 JP 19821097 A JP19821097 A JP 19821097A JP 19821097 A JP19821097 A JP 19821097A JP 3508486 B2 JP3508486 B2 JP 3508486B2
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八洲男 伏木
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ーあるいはファクシミリの受信装置など、電子写真方式
を採用した装置に組み込まれるローラに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を採用する装置の感光体ま
わりには、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラなどの
各種ローラが使用される。これらの中で現像ローラは、
その表面のトナーを担持して搬送するという観点から、
表面層の特性が特に重要である。この現像ローラにおい
ては、トナーをマイナス帯電する目的でナイロン系樹
脂、ウレタン系樹脂等の材料が用いられるが、これらの
材料を表面層に用いると吸水してローラ抵抗が環境によ
って変動することが多い。また、これらの材料は誘電率
も大きく実用特性に問題が発生することが多い。一方、
吸水率の小さい材料としてフッ素系樹脂が選定されるこ
とが多いが、この場合にはトナーをプラスに帯電させる
ことが困難であり、良好な画像が得られないことが多
い。またフッ素系樹脂は体積抵抗率が高く、薄く塗布す
る必要に迫られ、塗布厚さのムラがローラ抵抗のバラツ
キに反映される場合が多い。尚、ここでは現像ローラに
関する課題について記載したが、帯電ローラ、転写ロー
ラ等、他のローラにおいても、トナー帯電性以外の特性
は、前記現像ローラの場合と同様の課題を抱えている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は上記のよう
な電子写真方式を採用した装置に使用されるローラとし
て、前記のような課題の解決された表面層を有するロー
ラを提供せんとするものであり、特に、ローラ主要部分
である弾性層が柔軟なローラにおいて、現像ローラに使
用した場合に、イ)トナーを良好に帯電させることがで
きる、ロ)吸湿等によるローラ抵抗の変動が小さい、
ハ)表面粗さが小さい、ニ)感光体と接触して使用する
場合に感光体を汚染しない、等の特性を満たしたローラ
を提供せんとするものである。さらに、ホ)弾性層が柔
軟で、現像ローラとして使用した場合にトナー割れなど
が少なく、上記イ)〜ニ)のような表面層の特徴をより
発揮しうるローラを提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究の結果、表面層を構成する
樹脂組成物として、アクリル酸エステルモノマーおよび
/またはメタアクリル酸エステルモノマーと、カルボン
酸ビニルモノマーとを主原料とする共重合体(以下、ア
クリル−カルボン酸ビニル系共重合体と記す。)を主成
分とするものを使用することによって、上記目的を達成
できるローラを得ることができることを見出し、さらに
研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明
は電子写真方式に使用されるローラであって、シャフト
のまわりに弾性層を設け、外周面を表面層で被覆してな
り、少なくとも前記表面層が、アクリル−カルボン酸ビ
ニル系共重合体を主成分とすることを特徴とするローラ
(請求項1)、シャフトのまわりに設けたローラの主要
部分である弾性層が、(A)分子中に少なくとも1個の
アルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位が主
にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位から
なる重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシ
リル基を有する硬化剤、および、(C)ヒドロシリル化
触媒を主成分とする硬化性組成物の反応硬化物からなる
ことを特徴とする請求項1記載のローラ(請求項2)、
前記硬化性組成物が(D)導電性付与剤を含み、現像ロ
ーラとして使用される請求項1または2に記載のローラ
(請求項3)、を内容とするものである。
【0005】上記のような本発明に係るローラは、抵抗
や膜厚を適宜設定することによって、現像ローラのみで
なく、帯電ローラ、転写ローラ等にも利用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係るローラは、直径1〜
25mm程度のSUS(ステンレス鋼)やアルミニウム
などの金属製シャフトのまわりに、JIS A 硬度で
5〜40°程度、好ましくは10〜30°程度で厚さが
0.3〜15mm程度の弾性層を設け、外周面を表面層
で被覆したものであり、前記表面層と弾性層との間に他
の層を含んでもかまわない。
【0007】このローラは、ローラ全体としての抵抗
が、シャフトの両端に500gの荷重を加え100Vの
直流電圧を印加して測定した値が103 〜109 Ω程
度、さらには104 〜107 Ω程度が好ましい。
【0008】前記、弾性層を構成する材料としては、E
P系ゴム、ポリエーテル系化合物などが挙げられる。こ
れらの化合物の中でも、請求項2に係るローラの硬化性
組成物は、可塑剤を添加しなくとも低硬度で圧縮永久歪
が小さい。
【0009】前記硬化性組成物における(A)成分であ
る重合体の主鎖がオキシアルキレン系の場合には、材料
自体の体積固有抵抗が小さく導電性を付与しやすい。ま
た、(A)成分の重合体の主鎖が飽和炭化水素系の場合
には吸水率が小さく環境変動に対して電気特性等の変化
が小さい。
【0010】本発明に係るローラにおける表面層を構成
する樹脂組成物について説明する。本発明では、表面層
をアクリル−カルボン酸ビニル系共重合体を主成分とす
る樹脂組成物で構成する。このアクリル−カルボン酸ビ
ニル系共重合体とは、アクリル酸エステルモノマー、メ
タアクリル酸エステルモノマー、カルボン酸ビニルモノ
マー成分が樹脂成分中に50重量%以上、好ましくは8
0重量%以上含有される共重合体であり、かつ、カルボ
ン酸ビニルモノマー成分が、樹脂成分中に3重量%以
上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量
%以上含有される共重合体である。
【0011】カルボン酸ビニルモノマー成分としては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、吉草酸ビニル、イソ
吉草酸ビニル等が挙げられるが、この中でも、入手のし
やすさ等から酢酸ビニルを用いることが好ましく、ま
た、現像ローラとして用いた場合は、トナーをマイナス
帯電させる点でも酢酸ビニルは好ましい。このように、
カルボン酸ビニルモノマー成分としては、酢酸ビニルが
好ましいが重合が良好に進行する限り、特に制限はな
い。
【0012】アクリル酸エステルモノマー成分として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる
がこの限りではない。また、メタアクリル酸エステルモ
ノマー成分としては、メタアクリル酸メチル、メタアク
リル酸エチル、メタアクリル酸ブチル等が挙げられるが
特に制限はない。これらの中でも、入手のしやすさから
メタアクリル酸メチルが好ましい。
【0013】本発明に係るローラの表面層の形成方法の
1例としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル等の溶
剤で上記のような樹脂組成物を希釈した後、スプレー、
ディップ等の方法で塗布する方法が挙げられる。又、表
面層を構成する前記樹脂組成物には、カーボンブラック
等の導電性付与剤、その他の無機フィラー等を含んでい
てもかまわない。前記塗布溶液の固形分は、3〜10重
量%、好ましくは5重量%程度であるが、導電性付与剤
等を加える場合も想定され、特に制限はない。塗布液の
粘度が高い場合には、ロールコータでの塗布等が挙げら
れる。塗布層の乾燥、硬化方法としては、熱(例えば8
0℃×30分)による方法が挙げられるが、特に制限は
ない。本発明に係るローラの表面層は、前記アクリル−
カルボン酸ビニル系共重合体が50重量%以上、好まし
くは80重量%以上であれば、他の添加剤を含有してい
ても構わない。
【0014】次に、請求項2に係るローラにおける弾性
層を構成する硬化性組成物について説明する。この硬化
性組成物における(A)成分の重合体は、(B)成分と
ヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子中に
少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシ
リル化反応が起こって高分子状になり硬化する。(A)
成分に含まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒド
ロシリル化反応するという点から少なくとも1個必要で
あるが、ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合は、分
子の両末端に2個のアルケニル基が存在し、分岐のある
分子の場合には、分子末端に2個以上のアルケニル基が
存在することが望ましい。(A)成分の主鎖を構成する
主な繰り返し単位はオキシアルキレン単位または飽和炭
化水素単位である。
【0015】主鎖を構成する主な繰り返し単位がオキシ
アルキレン単位からなる重合体の場合、少量の導電性付
与剤を添加するだけで体積抵抗が108 〜109 Ωcm
となるため好ましい。また、硬化物の低硬度化の観点か
らも、前記繰り返し単位がオキシアルキレン単位である
オキシアルキレン系重合体、さらには、前記繰り返し単
位がオキシプロピレン単位であるオキシプロピレン系重
合体が好ましい。
【0016】ここで、前記オキシアルキレン系重合体と
は、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは
50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をい
い、オキシアルキレン単位以外に含有される単位として
は、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水
素を2個以上有する化合物、例えば、エチレングリコー
ル、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が
挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の場合に
は、エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる
単位との共重合体(グラフト共重合体も含む)であって
もよい。
【0017】上記のような(A)成分のオキシアルキレ
ン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化の
バランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)で
500〜50,000、さらには1,000〜40,0
00であることが好ましい。特に、数平均分子量5,0
00以上のもの、さらには5,000〜40,000で
あるものが好ましい。数平均分子量が500未満の場
合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的
特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一
方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中
に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくな
ったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が
不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて
加工性が悪くなる傾向にある。
【0018】前記オキシアルキレン系重合体が有するア
ルケニル基に特に制限はないが、下記一般式
【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基)で示されるア
ルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。
【0019】また、この硬化性組成物の特徴の1つは、
低硬度化に設定しやすいことであり、この特徴を発揮さ
せるにはアルケニル基の数は分子末端に2個以上が好ま
しく、(A)成分の分子量に比してアルケニル基の数が
多くなりすぎると剛直になり、良好なゴム弾性が得られ
にくくなる。
【0020】また、(A)成分が、主鎖を構成する主な
繰り返し単位が飽和炭化水素単位である重合体の場合
は、低吸水率であり、電気抵抗の環境変動が小さく好ま
しい。この重合体の場合も、前記オキシアルキレン系重
合体の場合と同様に、(B)成分とヒドロシリル化反応
して硬化する成分であり、分子中に少なくとも1個のア
ルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こっ
て高分子状になり硬化するものであり、(A)成分に含
まれるアルケニル基の数は、(B)成分とヒドロシリル
化反応するという点から少なくとも1個必要であるが、
ゴム弾性の点からは、直鎖状分子の場合、分子の両末端
に2個存在することが好ましく、分岐を有する分子の場
合には、分子末端に2個以上存在することが好ましい。
【0021】前記主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽
和炭化水素単位である重合体の代表的な例としては、イ
ソブチレン系重合体、水添イソプレン系重合体、水添ブ
タジエン系重合体が挙げられる。これら重合体は、共重
合体などの他成分の繰り返し単位を含むものであっても
かまわないが、少なくとも飽和炭化水素単位を50%以
上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上
含有することが、飽和炭化水素系の、吸水率が低いとい
う特徴を損なわないようにするうえで重要である。
【0022】この主鎖を構成する主な繰り返し単位が飽
和炭化水素単位である(A)成分の重合体の分子量とし
ては、取り扱いやすさなどの点から、数平均分子量(M
n)で500〜50,000程度、さらには1,000
〜15,000程度であって、常温において液状物で流
動性を有するものが加工性の点で好ましい。
【0023】この飽和炭化水素系重合体に導入されるア
ルケニル基については、前記オキシアルキレン系重合体
の場合と同様である。
【0024】したがって、(A)成分としての、分子中
に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成す
る主な繰り返し単位が飽和炭化水素系である重合体の好
ましい具体例としては、両端末にアルケニル基を2個有
する直鎖状の数平均分子量(Mn)が2,000〜1
5,000でMw/Mnが1.1〜1.2のポリイソブ
チレン系、水添ポリブタジエン系、水添ポリイソプレン
系重合体などが挙げられる。
【0025】また、硬化性組成物中の(B)成分は、分
子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
であるかぎり特に制限はないが、分子中に含まれるヒド
ロシリル基の数が多すぎると硬化後も多量のヒドロシリ
ル基が硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラック
の原因になるため、分子中に含まれるヒドロシリル基の
数は50個以下がよい。さらには2〜30個、より好ま
しくは2〜20個であることが、硬化物のゴム弾性のコ
ントロールや貯蔵安定性の点から好ましく、さらに、硬
化時の発泡を容易に防ぐ点では、20個以下、ヒドロシ
リル基が失活しても硬化不良が発生しにくい点では3個
が好ましく、最も好ましい範囲は3〜20個である。
【0026】なお、本発明で、前記ヒドロシリル基を1
個有するとは、Siに結合するHを1個有することをい
い、SiH2 の場合にはヒドロシリル基を2個有するこ
とになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する
方が硬化性が良く、ゴム弾性の点からも好ましい。
【0027】(B)成分の分子量は、後述する導電性付
与剤((D)成分)を添加する場合の分散性やローラー
加工性などの点から数平均分子量(Mn)で30,00
0以下であるのが好ましく、さらには20,000以
下、特には15,000以下が好ましい。(A)成分と
の反応性や相溶性まで考慮すると300〜10,000
が好ましい。
【0028】この(B)成分に関しては、(A)成分の
凝集力が(B)成分の凝集力に比べて大きいために、相
溶性の点でフェニル基含有変性が重要であり、(A)成
分との相溶性、入手のしやすさの点でスチレン変性体な
どが好ましく、貯蔵安定性の点からα−メチルスチレン
変性体が好ましい。
【0029】(C)成分であるヒドロシリル化触媒とし
ては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである
限り特に制限はない。白金単体、アルミナなどの単体に
固体白金を担持させたもの、塩化白金酸(アルコールな
どの錯体も含む)、白金の各種錯体、ロジウム、ルテニ
ウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属の塩化物な
どが挙げられる。これらの中でも、触媒活性の点から塩
化白金酸、白金−オレフイン錯体、白金−ビニルシロキ
サン錯体が望ましい。これらの触媒は単独で使用しても
良く、また2種以上併用してもよい。
【0030】以上のような硬化性組成物中の(A)成分
および(B)成分の使用割合は、(A)成分中のアルケ
ニル基1モル当たり(B)成分中のヒドロシリル基が
0.2〜5.0モル、さらには0.4〜2.5モルがゴ
ム弾性の点から好ましい。
【0031】また、(C)成分の使用量としては、
(A)成分中のアルケニル基1モルに対して10-1〜1
-8モル、さらには10-1〜10-6モル、特には10-3
〜10-6モルの範囲で用いるのが好ましい。(C)成分
の使用量が10-8モルに満たないと反応が進行しない。
その一方で、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で、ま
た腐食性を有し、しかも水素ガスが大量に発生して硬化
物が発泡してしまう性質を有しているので、10-1モル
を超えて用いない方が好ましい。
【0032】さらに、上記のような硬化性組成物に、
(D)成分として導電性付与剤を添加して導電性組成物
とすれば、現像ローラとして好適である。この(D)成
分の導電性付与剤としては、カーボンブラックや、金属
微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボン酸
基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基
などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエス
テルアミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレン
オキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリ
エチレングリコールアクリレートなどで代表される導電
性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの
帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などが挙
げられる。これらの導電性付与剤は、単独で使用して
も、また、2種以上を併用してもかまわない。
【0033】(D)成分である導電性付与剤の添加量
は、(A)〜(C)成分の合計量に対して30重量%以
下とすることが、ゴム硬度を上げない点から好ましい。
一方、均一な抵抗を得る点からは10重量%以上が好ま
しく、必要なゴム硬度と、硬化物の体積抵抗が103
1010Ωcmになるように、その物性バランスから添加
量を決めればよい。
【0034】さらに、上記硬化性組成物には、上記
(A)〜(D)成分の他、貯蔵安定性改良剤、例えば、
脂肪族不飽和結合を有する化合物、有機リン化合物、有
機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機
過酸化物などを加えてもよい。その具体例としては、例
えば、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレー
ト、ジメチルアセチレンカルボシキレート、2−ペンテ
ンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、キノリン等が
挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これ
らの中では、ポットライフおよび速硬化性の両立という
点から、チアゾール、ジメチルマレートが特に好まし
い。なお、前記貯蔵安定性改良剤は、単独で用いてもよ
く、また、2種以上併用してもよい。
【0035】また、上記硬化性組成物には、加工性やコ
ストを改善するための充填剤、保存安定剤、可塑剤、紫
外線吸収剤、滑剤、顔料等を添加してもよい。
【0036】本発明に係るローラは、上記のような硬化
性組成物、その他、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、
EP系ゴム等の弾性材料を、例えば、中心にSUS製等
の金属シャフト等からなる導電性シャフトを設置した金
型に注型、射出、押出成形等し、適当な温度、時間で加
熱硬化させることによって、支持体のまわりに弾性層を
形成する。この場合、半硬化後、後硬化させてもよい。
該弾性層の上から、表面層を構成する樹脂をスプレー塗
布、ディップ塗布等により所定の厚みに塗布し、所定の
温度で乾燥、硬化させることにより、本発明のローラが
得られる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに挙げ
るが、本発明はこれらの実施例により、なんら限定され
るものではない。
【0038】(実施例1〜4及び比較例1、2)以下に
列記する3種類の導電性弾性層と、4種類の表面層を組
み合わせて、直径10mmのSUS製シャフトのまわり
りに、厚さ7.5mmの導電性弾性層を設け、その外周
面を表面層で被覆して、表1に示す実施例1〜4及び比
較例1、2のローラを作製した。
【0039】(導電性弾性層1) (A−1)数平均分子量(Mn)8,000、分子量分
布2の末端アリル化ポリオキシプロピレン系重合体:1
00重量部、 (B−1)ポリシロキサン系硬化剤(SiH価0.36
モル/100g):6.6重量部、 (C−1)塩化白金酸の10%イソプロピルアルコール
溶液:0.06重量部、 (D) カーボンブラック3030B(三菱化学株式会
社製):7重量部、 を混合し、減圧(10mmHg以下、120分)脱泡し
た。得られた組成物を前記シャフトの周りに被覆し、金
型内120℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚
さ7.5mmのゴム弾性層を作製した。JIS K 6
301 A法に記載された方法に準じて測定した弾性層
のみのJIS A 硬度は15°であった。
【0040】(導電性弾性層2) (A−2)数平均分子量(Mn)10,000で末端に
ビニル基を2個有するポリイソブチレン重合体:100
重量部、 (B−2)式:
【化2】 で表される硬化剤(SiH価0.97モル/100g、
硬化剤100g中には貯蔵安定剤としてジメチルマレー
ト1gが加えられている):2.5重量部、 (C−2)塩化白金酸(H2 PtCl6 )の10%イソ
プロピルアルコール溶液:0.06重量部、 (D−2)ケッチェンブラックEC:3重量部、 (その他)可塑剤PS−32(出光興産株式会社製):
75重量部、 からなる組成物を用いて導電性弾性層1と同様にして、
シャフトのまわりに厚さ7.5mmのゴム弾性層を作製
した。弾性層のみのJIS A 硬度は15°であっ
た。
【0041】(導電性弾性層3)日本ポリウレタン株式
会社製のC−4190(主鎖がポリエーテルでNCO含
量4.5%、粘度700cps/75℃)が100重量
部、4,4′メチレン−ビス−2クロロアニリンが1
2.9重量部、ケッチェンブラックECが0.8重量部
よりなる組成物を、前記シャフトの周りに被覆し、80
℃、5時間硬化させて厚さ7.5mmのゴム弾性層を作
製した。弾性層のみのJIS A 硬度は78°であっ
た。
【0042】(表面層1)アクリル−酢酸ビニル系共重
合体(商品名:カネビラックL−DBF、鐘淵化学工業
株式会社製)を酢酸エチルで希釈し、固形分を5重量%
とした溶液を作製し、導電性弾性体の外周面にディップ
塗布した後、80℃で30分間乾燥(硬化)させた。
【0043】(表面層2)アクリル−酢酸ビニル系共重
合体(商品名:カネビラックL−MA、鐘淵化学工業株
式会社製)と前記カネビラックL−DBFを重量比率で
1:1の割合で用い、酢酸エチルで希釈して固形分の合
計が5重量%になる溶液を作製し、導電性弾性層の外周
面にディップ塗布した後、80℃で30分間乾燥(一部
硬化)させた。
【0044】(表面層3)N−メトキシルメチル化ナイ
ロン溶液(商品名:EM−20、鉛市株式会社製)を固
形分が10重量%になるようにメタノールで希釈した溶
液を作製し、導電性弾性層の外周面にディップ塗布した
後、80℃で30分間乾燥(硬化)させた。
【0045】(表面層4)フッ素系樹脂溶液(商品名:
セフラルソフトG180Y、セントラル硝子株式会社
製)を固形分が重量5%になるようにDMFで希釈した
溶液を作製し、導電性弾性層の外周面にディップ塗布し
た後、80℃で30分間乾燥(一部硬化)させた。
【0046】(評価)市販6枚機の現像ローラ部分にロ
ーラを取り付け、20℃、60%RH、および30℃、
85%RH環境で2000枚の画出し評価を黒ベタで実
施し、2000枚目でのマクベス濃度を測定した。結果
を表1に示す。尚、評価基準は下記のとおり。 ◎:均一でマクベス濃度が1.35以上。 ○:均一でマクベス濃度が1.30以上1.35未満。 △:均一であるがマクベス濃度が1.30未満。 △×:マクベス濃度が部分的に1.30以上あるが白抜
けもある。 ×:マクベス濃度が1.30以上の部分がなく白抜けも
ある。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、本発明のローラ
は、アクリル−カルボン酸エステル系共重合体からなる
表面層を採用したことで、このローラを現像ローラとし
て使用した場合、高温高湿環境下でも十分な画像濃度が
得られる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係る
ローラは、現像ローラに使用した場合には、トナーを良
好に帯電させることができ、かつ、吸湿等によるローラ
抵抗の変動が小さく、表面粗さも小さく、しかも感光体
と接触して使用する場合に感光体を汚染することがな
い。さらに、請求項2に係るローラは、弾性層が柔軟
で、現像ローラとして使用した場合にトナー割れなどが
少なく、前記表面層の特徴をより発揮しうる。なお、本
明細書では、本発明に係るローラとして、主に現像ロー
ラに関して記載したが、本発明に係るローラは現像ロー
ラに限定されるものではなく、帯電ローラ、転写ローラ
等の各種ローラにも適応可能である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−333915(JP,A) 特開 平7−310732(JP,A) 特開 平8−12870(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 501 F16C 13/00 G03G 15/02 101 G03G 15/16 103

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真方式に使用されるローラであっ
    て、シャフトのまわりに弾性層を設け、外周面を表面層
    で被覆してなり、少なくとも前記表面層が、アクリル酸
    エステルモノマーおよび/またはメタアクリル酸エステ
    ルモノマーと、カルボン酸ビニルモノマーとを主原料と
    する共重合体を主成分とすることを特徴とするローラ。
  2. 【請求項2】 シャフトのまわりに設けたローラの主要
    部分である弾性層が、(A)分子中に少なくとも1個の
    アルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位が主
    にオキシアルキレン単位または飽和炭化水素系単位から
    なる重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシ
    リル基を有する硬化剤、 および、(C)ヒドロシリル化触媒、 を主成分とする硬化性組成物の反応硬化物からなること
    を特徴とする請求項1記載のローラ。
  3. 【請求項3】 前記硬化性組成物が、(D)導電性付与
    剤を含み、現像ローラとして使用される請求項2記載の
    ローラ。
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