JP2016029462A - 定着用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】小サイズの記録材の連続導入時の非通過部昇温を抑制し、且つ、立ち上がり時間を短縮できる定着用部材を提供する。【解決手段】記録材上のトナー像を定着するために用いられる定着用部材であって、基層と、基層の上に設けられ、針状フィラーを含有する多孔質の弾性層と、を有し、定着用部材の記録材と接触し得る第1の領域において、弾性層の長手方向の熱伝導率は、厚さ方向の熱伝導率の6〜900倍であり、定着用部材の第1の領域よりも長手方向外側の第2の領域における弾性層の厚さ方向の熱伝導率は、第1の領域における弾性層の厚さ方向の熱伝導率よりも大きい。【選択図】図3

Description

本発明は、定着用部材に関する。この定着用部材は、例えば、複写機、プリンタ、FAX、及びこれの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置において用いられ得る。
電子写真式の画像形成装置に搭載される定着装置には、一対の定着用部材を有している。この一対の定着用部材としては、定着ローラと加圧ローラを例として挙げることができる。
このような定着装置において、小サイズの記録材に対し連続して定着処理を施す場合、定着ローラや加圧ローラの記録材と接触しない領域(以下、非通過領域)が過昇温してしまう恐れがある。
そこで、特許文献1に記載の装置では、加圧ローラの弾性層に針状フィラーを含有させ、軸線方向(長手方向)の高熱伝導化を図っている。
特開2002−351243公報
しかしながら、加圧ローラの軸線方向の熱伝導が大きいため「瞬間的な温度上昇の緩和」には有利だが、厚さ方向の熱伝導が小さいため、加圧ローラの芯金に熱を逃がしにくい。
本発明は上記に鑑みて提案されたものである。その目的とするところは、小サイズの記録材の連続導入時の非通過部昇温を抑制し、且つ、立ち上がり時間を短縮できる定着用部材を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る定着用部材の代表的な構成は、記録材上のトナー像を定着するために用いられる定着用部材であって、基層と、前記基層の上に設けられ、針状フィラーを含有する多孔質の弾性層と、を有し、前記定着用部材の記録材と接触し得る第1の領域において、前記弾性層の長手方向の熱伝導率は、厚さ方向の熱伝導率の6〜900倍であり、前記定着用部材の前記第1の領域よりも長手方向外側の第2の領域における前記弾性層の厚さ方向の熱伝導率は、前記第1の領域における前記弾性層の厚さ方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明に係る定着用部材の他の代表的な構成は、記録材上のトナー像を定着するために用いられる定着用部材であって、基層と、前記基層の上に設けられ、針状フィラーを含有する多孔質の弾性層と、を有し、前記定着用部材の記録材と接触し得る第1の領域における前記弾性層の厚さよりも、前記定着用部材の前記第1の領域よりも長手方向外側の第2の領域における前記弾性層の厚さの方が厚いことを特徴とする。
本発明によれば、小サイズの記録材の連続導入時の非通過部昇温を抑制し、且つ、立ち上がり時間を短縮できる定着用部材を提供することができる。
実施形態における定着装置の概略構成を示す横断面模式図 加圧ローラの斜視図 (a)は図2の切り出しサンプル4beの断面の拡大図、(b)は図2の切り出しサンプル4bsの断面の拡大図 針状フィラーの概略図 弾性層の切り出しサンプルの熱伝導率測定の説明図 画像形成装置の一例の概略構成図 金型の構成説明図 一端側駒型に具備させた注入孔の形態図 金型に対するローラ基体の配設要領の説明図 注型工程の説明図 予めフッ素樹脂チューブを金型の内面(形成面)に配置した状態の模式図 他の注型工程の説明図 実施例5の加圧ローラの縦断面模式図 実施例6の加圧ローラの縦断面模式図 実施例7の加圧ローラの縦断面模式図 実施例5〜7の評価実験結果図 (a)〜(c)はそれぞれ非回転型のニップ部形成部材の構成模式図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
(1)画像形成部
図6は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置Aとして搭載した画像形成装置の一例の概略構成を示す断面模式図である。
この画像形成装置21は電子写真方式レーザープリンタであり、潜像を担持する像担持体としての感光体ドラム22を備えている。感光体ドラム22は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動され、その外面が帯電器23によって所定の極性・電位に一様に帯電される。その一様帯電面に対してレーザースキャナ(光学装置)24により画像情報のレーザー走査露光25がなされる。これにより、感光体ドラム22の面には走査露光した画像情報の静電潜像が形成される。
その静電潜像が現像器26によってトナー画像として現像される。そのトナー画像が、感光体ドラム22と転写ローラ27との当接部である転写部35において、該転写部35に導入されたシート状の記録材(以下、用紙または紙と記す)Pに対して順次に転写される。
用紙Pは画像形成装置本体内の下部の給紙カセット29内に積載収納されている。所定の給紙タイミングで給紙ローラ30が駆動されると、給紙カセット29内の用紙Pが1枚分離給紙されて、搬送路31aを通ってレジストローラ対32に至る。レジストローラ対32は用紙Pの先端部を受け止めて用紙Pの斜行修正をする。また、感光体ドラム22上のトナー画像の先端部が転写部35に到達したときに用紙Pの先端部も転写部35に丁度到達するタイミングとなるように、感光体ドラム22上のトナー画像と同期をとって、用紙Pを転写部35に給送する。
転写部35を通った用紙Pは感光体ドラム22の面から分離されて、定着装置Aへと搬送される。この定着装置Aにより用紙P上の未定着トナー画像が加熱・加圧により固着画像として用紙面に定着される。そして、その用紙Pが搬送路31bを通って排出ローラ対33によって画像形成装置本体の上面の排出トレイ34へと排出、積載される。また、用紙分離後の感光体ドラム22の面はクリーニング装置28によって転写残トナー等の残留付着物が除去されて清掃され、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置A
図1は定着装置Aの概略断面図である。この定着装置Aは、フィルム(ベルト)加熱方式の装置であり、以下にその概略構成について説明する。以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、軸線方向とは用紙の面において用紙搬送方向と直交する方向である。長さとは軸方向の寸法である。
1は横断面略半円弧状・樋型で、図面に垂直方向を長手方向とする横長のフィルムガイド部材であり、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイト)や液晶ポリマー等の耐熱性樹脂で構成されている。2は、フィルムガイド部材1の下面の略中央に長手方向に沿って形成した溝1a内に収容保持させた、加熱体としての細長い板状のヒータである。3は定着用部材としてのエンドレス(筒状)の定着フィルム(定着ベルト:以下、フィルムとも記す)である。定着フィルム3は、ヒータ2を装着したフィルムガイド部材1にルーズに外嵌させてある。
ヒータ2は、セラミック基板上に発熱抵抗体を設けた構成を有する。図1に示すヒータ2は、アルミナ等の細長い薄板状のヒータ基板2aと、その表面側(フィルム摺動面側)に長手に沿って形成具備させた線状あるいは細帯状のAg/Pdなどの通電発熱体(発熱抵抗体)2bと、を有する。また、ヒータ2は、通電発熱体2bを覆って保護するガラス層等の薄い表面保護層2cを有する。そしてヒータ基板2aの裏面側にサーミスタ等の検温素子2dが接触している。
このヒータ2は、通電発熱体2bに対する電力供給により迅速に昇温した後、検温素子2dを含む電力制御系(不図示)により所定の定着温度(目標温度)を維持するように制御される。
定着フィルム3は、熱容量を小さくして、定着装置Aのクイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚100μm以下、好ましくは20μm以上60μm以下としたベースフィルムの表面に表面層をコーティングした複合層フィルムなどである。
ベースフィルムの材料としては、PI(ポリイミド)・PAI(ポリアミドイミド)・PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)・PES(ポリエーテルスルホン)等の樹脂材料や、SUS、Niなどの金属材料が用いられる。表面層の材料としては、PTFEポリテトラフルオロエチレン)・PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)・FEP(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)等のフッ素樹脂材料が用いられる。
4は定着用部材としての弾性を有する加圧ローラであり、加熱部材である定着フィルム3との圧接で弾性変形することによりトナー画像(トナー像とも記す)Tを担持した用紙Pを挟持搬送するニップ部(定着ニップ部)Nを形成する。図1に示す定着装置Aにおいては、ヒータ2と加圧ローラ4は長手方向を平行にして定着フィルム3を挟んで所定の加圧力で圧接している。これにより、定着フィルム3と加圧ローラ4との間に用紙搬送方向(記録材搬送方向)Qにおいて、トナー像Tの加熱定着に必要な所定幅のニップ部Nが形成される。
定着フィルム3と加圧ローラ4が共に用紙上(記録材上)のトナー像を定着するために用いられる定着用部材である。加圧ローラ4が用紙Pのトナー像Tが形成された面とは反対側の面に当接可能である。定着フィルム3と加圧ローラ4の両者の圧接は、加圧機構(不図示)により加圧ローラ4を定着フィルム3側に所定の加圧力で圧接させる構成でも、定着フィルム3側を加圧ローラ4に圧接させる構成でもよい。また定着フィルム3側と加圧ローラ4の両方を互いに所定の加圧力で圧接させる構成でもよい。
図1に示す定着装置Aにおいては、加圧ローラ4に対して駆動源(モータ)Mの駆動力が不図示のギア等の動力伝達機構を介して伝達されて、加圧ローラ4が所定の周速度で矢印r2の反時計方向に回転駆動される。加圧ローラ4が回転駆動されると、定着フィルム3は、その内面がニップ部Nにおいてヒータ2の表面保護層2cの面に密着して摺動しながらフィルムガイド部材1の外周りを矢印r1の時計方向に加圧ローラ4の回転に従動して回転する。
加圧ローラ4が回転駆動され、これに伴い定着フィルム3が従動回転し、またヒータ2が通電により昇温して所定の温度に温調された状態において、ニップ部Nに未定着のトナー像Tを担持している用紙Pが導入される。用紙Pのトナー像担持面側(用紙表面側)に定着フィルム3が対面し、その反対面側(用紙裏面側)に加圧ローラ4が対面する。用紙Pはニップ部Nで挟持搬送されることでニップ部Nを通過する間に、ヒータ2によって加熱された定着フィルム3から熱を供給され、ニップ部Nの加圧力を受ける。この加熱と加圧により、未定着のトナー像Tが用紙P面に固着像として定着される。
(3)加圧ローラ4
図2は図1に示す加圧ローラ4の俯瞰模型図(外観斜視模型図)である。図1と図2に示す加圧ローラ4は、鉄やアルミニウム等の材質の基体(基層、芯金)4aと、以下で詳述する材料、製造法にて得られるシリコーンゴムからなる弾性層4bと、フッ素樹脂チューブなどの離形層4cを有する。
基体4aの外径は、例えば、4mm〜80mmである。4a−1と4a−2は基体4aの長手方向の一端側と他端側とにそれぞれ基体4aと同心一体に配設された小径軸部である。この小径軸部4a−1と4a−2はそれぞれ定着装置Aのフレームなどの不図示の固定部分に回転自在に軸受されて支持される部分である。
ここで、図2に示すように、以下では加圧ローラ4の周方向(用紙搬送方向)を「x」方向、加圧ローラ4の長手方向(軸方向)を「y」方向、加圧ローラ4の構成層の厚み方向(層厚方向)を「z」方向と表す。L4は加圧ローラ4の長さ(幅)寸法である。本例では加圧ローラ4の長さL4は313mmにしてある。
Wmaxはニップ部N(定着装置A)に導入可能な最大幅サイズの用紙の幅である。本例ではこの最大幅サイズ用紙の幅Wmaxは所謂中央基準で横送り搬送されるA4用紙の幅:297mmである。加圧ローラ4の長手方向において上記の幅Wmaxに対応する部分を通紙部領域(通過部領域(記録材と接触し得る第1の領域):以下、通紙部と記す)Sとする。また、この通紙部Sの外側のローラ部分を非通紙部領域(非通過部領域(加圧ローラ4の第1の領域よりも長手方向外側の第2の領域):以下、非通紙部と記す)Eとする。
本例においては、加圧ローラ4の長手方向yにおいて、上記の幅Wmaxに対応する297mmの幅部分が通紙部Sであり、この通紙部Sの両外側の幅8mmずつの部分がそれぞれ非通紙部Eである。
そして、弾性層4bは次のような構成を特徴とするものである。即ち、弾性層4bは、図3の模式図に示すように、針状フィラー4b1と空隙部4b2とを含む多孔質弾性層(発泡体層)である。また、非通紙部Eにおける弾性層4be(図3の(a))の厚み方向zの熱伝導率λ3が通紙部Sにおける弾性層4be厚み方向zの熱伝導率λ2より高い。また、通紙部Sにおける弾性層4bs(図3の(b))の面方向(軸方向y及び周方向x)の熱伝導率λ1が厚み方向zの熱伝導率λ2に対して6倍以上、900倍以下(6〜900倍)であることを特徴とする。
即ち、本例では、弾性層4bは熱容量と熱伝導性を下げることに有利であるためスポンジ状の空隙4b2を持つシリコーンゴムを使用した。さらに、弾性層4bは、熱伝導異方性を持たせるために基体4aの軸方向と周方向に配向している針状フィラー(熱伝導フィラー)4b1を有する。弾性層4bの厚みは、定着フィルム3と加圧ローラ4との間で用紙搬送方向Qに関して所望の幅のニップ部Nを形成できれば特に限定されないが、2〜10mmが好ましい。
離型層4cの厚さは加圧ローラ4に充分な離型性を付与することができ、加圧ローラ4のその他の要求性能が維持される限りは任意に設定することができる。一般的には20〜50μmである。
上記のような構成の加圧ローラ4により、定着装置Aに使用可能な最大幅サイズの大サイズ用紙よりも幅が小さい小サイズ用紙の連続通紙時の非通紙昇温(非通過昇温)を抑制しつつ、定着装置Aの立ち上がり時間短縮効果を得ることができる。以下、このような加圧ローラ4を構成する材料、製造方法等を詳述する。
(4)加圧ローラ4の製造方法
(4−1)液体組成物配合工程
未架橋付加硬化型液状シリコーンゴムに針状フィラー4b1と吸水性ポリマーに水を含ませた含水材料を配合する。配合は、未架橋付加硬化型液状シリコーンゴムと針状フィラー4b1と含水材料を所定の量を秤量し、遊星式の万能混合攪拌機など、公知のフィラー混合撹拌手段により分散させることが可能である。
(4−2)液体組成物を用いた弾性層4bの成形
(4−2−1)金型
図7の(a)は本実施形態において加圧ローラ4の注型製造に用いる金型11の分解斜視図である。(b)は金型11を構成している中空金型5と一端側駒型6および他端側駒型7の縦断面図である。金型11は、円柱状の成形空間(以下、キャビティと記す)53を有する中空金型(中空円筒状金型、パイプ状筒型)5と、この中空金型5の一端側開口部51と他端側開口部52に対してそれぞれ装着される一端側駒型6および他端側駒型7とを有する。
一端側駒型6は中空金型5のキャビティ53内に液状ゴムを注入するための駒型である。他端側駒型7はキャビティ53内への液状ゴムの注入に伴ってキャビティ53内から押し出される空気を排出させるための駒型である。
図8の(a)は一端側駒型6の内面図(キャビティ側の端面図)、(b)は外面図(キャビティ側とは反対側の端面図)である。一端側駒型6の内面側中央部には基体4aの一端側の小径軸部4a−1が差し込まれる基体保持部としての中央穴6cが設けられている。また、外面側には円周孔(洞、凹部)6aが設けられている。そして、円周孔6aには外面側から内面側に至る液状組成物注入孔6bが円周に沿って複数個穿設されている。
また、他端側駒型7の内面中央部(キャビティ側の端面中央部)には基体4aの他端側の小径軸部4a−2が差し込まれる基体保持部としての中央穴7cが設けられている。そして、内面側から外面側に至る排気孔7bが複数個穿設されている。
一端側駒型6は中空金型5の一端側開口部51に対して内面側を先にして嵌入し、内面側の円周縁部が開口部内周面の環状段部51aに突き当って受け止められるまで十分に挿入することで中空金型5の一端側に装着される。また、他端側駒型7は中空金型5の他端側開口部52に対して内面側を先にして嵌入し、内面側の円周縁部が開口部内周面の環状段部52aに突き当って受け止められるまで十分に挿入することで中空金型5の他端側に装着される。
(4−2−2)金型に対する基体の設置
基体4aは、弾性層4bが形成される部分に予め公知のプライマー処理を行った。プライマー処理を行わずに弾性層4bと基体4aが層間接着する場合は、プライマーを用いなくても良い。
図9の(a)のように、中空金型5の一端側開口部51に対して一端側駒型6を装着する。次に、(b)のように、中空金型5の他端側開口部52から上記の基体4aを、一端側の小径軸部4a−1の側を先にして挿入し、一端側駒型6の内面側の中央穴6cに対して小径軸部4a−1を差し込んで支持させる。次に、(c)のように、中空金型5の他端側開口部52に対して他端側駒型7を、内面側の中央穴7cに基体4aの他端側の小径軸部4a−2を差し込んで支持させた状態にして装着する。
これにより、基体4aが、その一端側と他端側の小径軸部4a−1と4a−2がそれぞれ一端側駒型6と他端側駒型7の中央穴6cと7cに支持されて金型5の円柱状のキャビティ53の円柱中央部に同心に位置が決められて保持される。そして、円柱状のキャビティ53の円柱成形面(内周面)53aと基体4aの外面(外周面)4a−3との間には基体4aの外周りに所定の厚さのゴム弾性層4bを注型成形するための間隙8が形成される。
なお、金型11のキャビティ53に対する基体4aの設置は上記の手順に限られない。中空金型5、基体4a、一端側駒型6、他端側駒型7が最終的に図8の(c)のように組み立てられればよい。
(4−2−3)液体組成物層成形工程
上記のようにキャビティ53内に基体4aを設置した金型11を、図10のように、一端側駒型6側を下側とし他端側駒型7を上側として、対向する下側治具12と上側治具13との間に縦姿勢の状態で押さえ込ませて固定して保持させる。金型11の一端側駒型(以下、下部駒型と記す)6側は下側治具12の受け穴12aに嵌入して受け止められている。金型11の他端側駒型(以下、上部駒型と記す)7側は上側治具13の受け穴13aに嵌入して受け止められている。
即ち、金型11は、円柱状のキャビティ53の円柱軸線を縦向きとし、かつ注入孔6bが配設されている側を下側とした縦姿勢状態で下側治具12と上側治具13との間に固定保持されて注型工程が行われる。下側治具12の受け穴12aの中央部には液体組成物注入口12bが穿設されている。注入口12bには外部の液体組成物供給装置14の液体組成物供給管14aが接続されている。上側治具13の受け穴13aの中央部には排気口13bが穿設されている。
供給装置14が駆動されることで、前記(1)項の液体組成物が供給管14aを通して下側治具12の注入口12bから受け穴12aに入り、受け穴12aと下部駒型6の外面側の円周孔6aとで構成される空間部に充填される。引き続く液体組成物の供給に伴ってその充填液体組成物が円周孔6aの円周に沿って複数個穿設されている注入孔6bを通って下部駒型6の外面側から内面側に流れる。そして、キャビティ53の円柱成形面53aと基体4aの外面4a−3との間に形成される隙間8に対して注入される。
更に引き続く液体組成物の供給に伴って間隙8に対する液体組成物の注入が下から上に進行していく。間隙8に存在している空気は間隙8に対する液体組成物の下から上への注入に伴って間隙8内を下から上へ押し上げられて間隙8内から上部駒型7の排気孔7bおよび上側治具13の排気口13bを通って金型11の外に出ていく。
下部駒型6の各注入孔6bから隙間8への液体組成物の注入は隙間8の円周方向において平均的になされる。かつ、基体4aが上下駒型6、7によりキャビティ53の円柱中央部に同心に固定された状態であって、基体4aが液体組成物が注入されることにより移動することがなく、偏肉を生ぜず間隙8を過不足なく液体組成物で充填させることができる。
上記のようにして、基体4aを配置した金型に、液体組成物を軸方向と周方向に流動を与えながら注型する。この液体組成物の注型の流動により、液体組成物に含まれる針状フィラー4b1の多くは液体組成物の流れに従って基体4aの軸方向つまり加圧ローラ4の長手方向(y方向)に配向される。
図3の(b)は、図2の加圧ローラ4の弾性層4bの長手方向中央部付近を切り出した弾性層部分4bsと芯金である基体4aとの拡大模式図である。液体組成物の注型の流動により、針状フィラー4b1が表面側において図3の(b)に示した加圧ローラ4の表面法線方向に対して平均角度が80度以上100度以下に配向する。これにより、加圧ローラ4の軸方向yと周方向x(以降、軸方向yと周方向xを合わせて加圧ローラ4の面方向xyと記す)の熱伝導率が効果的に高まる。
また、加圧ローラ4の端部は、注型するときに液体組成物の入り口側(下部駒型6側)と、反対側の液体組成物が型の端に当たる側(上部駒型7側)であり、注型の型で言えば端にあたる部分である。この部分は液体組成物が複雑に流動する。そのため、針状フィラー4b1は面方向xyに配向せず、針状フィラー4b1はランダムに配向する。図3の(a)は、図2の加圧ローラ4の弾性層4bの長手方向端部付近を切り出した弾性層部分4beと芯金である基体4aとの拡大模式図である。針状フィラー4b1がランダムに配向している。このことにより、加圧ローラ4の端部にあたる部分の厚み方向zの熱伝導率は、加圧ローラ4の長手方向中央部付近の厚み方向zの熱伝導率よりも高くなる。
金型11に対する液体組成物の注入は、少なくとも、隙間8が液体組成物で十分に満たされるまで行う。上部駒型7の排気孔7bは液体組成物で十分に充満させる必要はない。
(4−2−4)シリコーンゴム成分架橋硬化工程
液体組成物注型後(注型工程の終了後)、金型11を上下の治具12、13から外す。このとき、金型11内の液体組成物が下部駒型6や上部駒型7の外側開口部から流出しないように下部駒型6と上部駒型7の外側開口部を盲板などの取り付けにより密閉する。そして、金型11を密閉した状態で、水の沸点以下の温度で5分〜120分熱処理し、シリコーンゴム成分を架橋硬化する。熱処理温度としては、60〜90℃が望ましい。密閉下であるので、含水材料中の水分を保持したまま、シリコーンゴム成分を架橋硬化させることができる。
(4−2−5)脱型工程
金型11を適宜、水冷や空冷を行った後、架橋硬化後の液体組成物層が積層された基体4aを脱型する。
脱型は、中空金型5の一端側開口部51と他端側開口部52から下部駒型6と上部駒型7をそれぞれ取り外す。この取り外しは、中空金型5内の架橋硬化後の液体組成物層の端面と下部駒型6と上部駒型7側の孔6bと7b内の架橋硬化後の液体組成物層との会合部(連接部)の結合強度に抗してなされる。そして、中空金型5内から架橋硬化後の液体組成物層が積層された基体4aを抜き出すことでなされる。
必要に応じて、架橋硬化後の液体組成物層の一端側端面と他端側端面に残存するバリや不整部を除去する整形処理をする。
(4−2−6)脱水工程
基体4aに積層した架橋硬化後の液体組成物層を加熱処理により脱水し、空隙4b2を形成する(ゴムが架橋してなる層から含水材料中の水分を蒸発させ、多孔質の他行弾性層を形成する工程)。熱処理条件としては、100℃〜250℃、1〜5時間が望ましい。
この脱水工程により、基体4aに積層した架橋硬化後の液体組成物層が、水分の蒸発にて、針状フィラー4b1と空隙部4b2とを含む多孔質弾性層4bとなる。弾性層4bに空隙4b2を形成することで、加圧ローラ4の厚み方向zの熱伝導率が低減する効果が得られる。また、熱容量も小さくすることができる。一方、長手方向x及び周方向yの熱伝導率については針状フィラー4b1が熱伝導パスとなり、厚み方向zに比較して、それぞれ熱伝導率が高く維持される。
以上により、長手方向x及び周方向yについては熱伝導率が高く、厚み方向zの熱伝導率については長手方向x及び周方向yの熱伝導率よりも低い弾性層4bを形成することが可能となる。
(4−2−7)離型層4cの積層工程
接着剤を用いて、弾性層4b上に離型層(フッ素系樹脂層)4cであるフッ素樹脂製チューブを被覆し、一体化する。接着剤を用いずに弾性層4bと離型層4cが層間接着する場合は、接着剤を用いなくても良い。
なお、離型層4cは工程の最後に形成することは必ずしも必要ではなく、図11のように、予め金型5の内面(成形面)53aに離型層となるべきチューブ4cを配置する。そしてこの金型5内に図9の要領で基体4aを配置する。この状態において金型11内に液体組成物を注型する方法によっても離型層4cを積層できる。また、弾性層4bを形成した後に、離型層4cをフッ素樹脂材のコーティング等の公知の方法によって形成することも可能である。
ここで、下部駒型6と上部駒型7は、それらの接液面に予め離型剤を塗布しておき、脱型後にそれらの駒型側に残る硬化ゴムを取り除く処理をして再使用する。離型剤を塗布しておけば、それらの駒型側に残る硬化ゴムの取り除き処理は容易である。中空金型5の成形面53aにも予め離型剤を塗布することで、ゴム硬化後の脱型が容易となる。また、注型工程において、金型11は横向き姿勢や上下逆向き姿勢でも構わない。ただし、横向き姿勢や上下逆向き姿勢では液体組成物注入時に空気を噛み込む恐れがあるため、注入側を下側に配置する形態が好ましい。
(5)加圧ローラ4の弾性層4b
図3と図4を用いて、弾性層4bについてさらに詳しく説明する。図4は、直径D及び長さLの針状フィラー4b1の拡大斜視図である。針状フィラー4b1は、弾性層4b中で基体4aの面方向に配向して存在している。なお、針状フィラー4b1の物性等については後述する。
図3の(a)は、図2の弾性層4bの非通紙部Eの付近を切り出したサンプル4beの拡大斜視図である。非通紙部付近とは通紙した際に紙が通過しない領域(通紙できる最大サイズの紙が通過しない領域)である。図3の(b)は、図2の弾性層4bの通紙部Sを切り出した4bsの拡大斜視図である。通紙部Sとは最大サイズの紙を通紙した際に紙が通過する領域である。切り出しサンプル4beおよび4bsは、図2に示したように、軸方向y及び周方向xに沿って切り出してある。
通紙部Sの切り出しサンプル4bsの軸方向断面および周方向断面を観察すれば、針状フィラー4b1が表面側と芯金側において図3の(b)に示した加圧ローラ4の表面法線方向に対して平均角度が80度以上100度以下に配向しているのが観察できる。
非通紙部Eの付近の切り出しサンプル4beの軸方向断面および周方向断面を観察すれば、針状フィラー4b1が表面側と芯金側は図3の(b)と同様に配向している。また非通紙部Eの弾性層中央部においては加圧ローラ4の表面法線方向に対して平均角度が80度未満または100度より大きく配向しているのが観察できる。
また、図3の(a)及び(b)いずれにも、均一に分布した空隙4b2を観察することができる。
次に、図2の弾性層4bを特徴的に表現するものとして、ベースポリマー、空隙4b2、針状フィラー4b1が挙げられる。以下順を追って説明する。
<ベースポリマー>
弾性層4bのベースポリマーは付加硬化型液状シリコーンゴムを架橋硬化することで得られる。付加硬化型液状シリコーンゴムはビニル基等の不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン(A)と、Si−H結合(ヒドリド)を有するオルガノポリシロキサン(B)とを有する未架橋シリコーンゴムである。加熱等によりビニル基等の不飽和結合に対してSi−Hが付加反応することで架橋硬化が進行する。反応を促進する触媒として(A)には白金化合物を含有するのが一般的である。この付加硬化型液状シリコーンゴムは、本発明の目的を損なわない範囲で流動性を調節できる。
<空隙4b2>
弾性層4b中には、配向した針状フィラー4b1と空隙4b2とが共存する。そのため、針状フィラー4b1と空隙4b2とが相互に干渉しない状態で配置できることが重要である。
本発明者らによる検討の結果、発泡剤による空隙形成や、中空粒子による空隙形成(特許文献2)等の空隙形成手段によっては空隙形成の際に針状フィラーの配向阻害を起こす場合があった。針状フィラーの配向状態は配向方向の熱伝導率を支配するため配向が阻害されると非通紙部昇温抑制と立ち上がり時間の短縮の効果が低減することとなり好ましくない。
一方、吸水性ポリマーに水を含ませた含水材料を用いて空隙を形成した場合には、共存する針状フィラーの配向阻害を低減できる。針状フィラーの軸方向への配向と、空隙形成を両立できるメカニズムについては、明らかではない。針状フィラーと含水材料が分散した未架橋付加硬化型液体シリコーンゴム(以下、この液体を液体組成物と記す)に発現するチクソトロピー性により、液体組成物の流動時に低粘度化するため、針状フィラーの配向が阻害されにくいのではないかと想定している。
弾性層4bの空隙率は10体積%以上、70体積%以下(10〜70体積%)が好適である。空隙率を上記範囲内とすることによって、立ち上がり時間のより一層の短縮を図ることができる。
<針状フィラー4b1>
針状(細長い繊維形状)のフィラー4b1は配向された向きに熱を伝えやすい熱伝導異方性(針状フィラーの長軸方向(長さ方向)の熱伝導がよりも高い特性)を有している。針状とは、一方向のみに他方向に比べて長さを有する形状を指し、主に、短軸径と長軸長さによってその形状を表すことができる。図4に示すように、直径Dに対する長さLの比が大きい、すなわちアスペクト比が高い材料が使用できる。フィラー底面の形状は円状でも角状でも構わず、前述した成形方法で配向する材料で有れば適用可能である。このような材料として、ピッチ系炭素繊維(炭素繊維)が挙げられる。
熱伝導率λが500W/(m・K)以上であるピッチ系炭素繊維を含有することにより、効果的な加圧ローラ4を得ることができる。更にこのピッチ系炭素繊維が針状であることにより、より好適な加圧ローラ4を得ることができる。
針状のピッチ系炭素繊維は、より具体的な形状として、図4において直径D(平均直径(短軸径):短手方向長さ)が5〜11μmでありかつ長さL(平均長さ(長軸長さ):長手方向長さ)が100〜1000μm程度のものが例示できる。これは、工業的に入手容易である。長軸長さ(平均)は0.05〜5mmのものが好ましい。より好ましくは、0.05〜1.0mmであることが望ましい。
ここで、針状フィラー4b1を弾性層4b中に5〜40体積%含有することが望ましい。針状フィラーの含有量を上記範囲内とすることで、本発明に係る弾性層の熱伝導率をより確実に改善することができる。また、針状フィラーの含有による弾性層の成形性にも大きな影響を与えにくい。
なお、本発明においては、発明の特徴の範囲を超えない限りは、弾性層4b中に、本発明に記載されていないフィラーや充填材や配合剤が、公知の課題の解決手段として含まれていても構わない。
《実施例》
実施例の加圧ローラ4では以下の材料を使用した。定着装置Aに導入可能な最大幅サイズの用紙の幅Wmaxは所謂中央基準で横送り搬送されるA4用紙の幅297mmである。即ち、図2のように、加圧ローラ4の通紙部Sの幅は297mmである。非通紙部Eは加圧ローラ4の両端部から約8mm幅の部分である。
1)基体4aはφ22.8(mm)且つゴム積層部分の軸長さが313mmの鉄製芯金を使用した。
2)含水材料はレオジック250H(東亜合成株式会社製)に水を含水させたものである。レオジック250Hの量は含水材料に対して1wt%で調整した。
3)離型層4cには厚さ50μmのPFAフッ素樹脂チューブ(グンゼ株式会社製)を使用した。
4)針状フィラー4b1は以下に示したピッチ系炭素繊維を使用した。弾性層4bの通紙部Sの部分と非通紙部Eの部分で針状フィラーの種類と含有割合を変えているものもある。
<商品名:XN−100−05M(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径D:9μm
平均繊維長L:50μm
熱伝導率:900W/(m・K)
この針状フィラーを以下、100−05Mと記す。
<商品名:XN−100−15M(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径D:9μm
平均繊維長L:150μm
熱伝導率:900W/(m・K)
この針状フィラーを以下、100−15Mと記す。
<商品名:XN−100−01Z(日本グラファイトファイバー(株)製)>
平均繊維直径D:10μm
平均繊維長L:1mm
熱伝導率:900W/(m・K)
この針状フィラーを以下、100−01Zと記す。
なお、本実施例では、弾性層4bと基体4a間、弾性層4bと離型層4c間を以下の材料によって、接着を行っている。弾性層4bと基体4a間の接着には「DY39−051」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)のA液およびB液、弾性層4bと離型層4cの接着には「SE1819CV」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)のA液およびB液を使用した。
本実施例では以下のような工程を経た。液体組成物配合工程では、各種材料を上記したように液体組成物を得た。次いで、万能混合撹拌機により混合し、内部にプライマー処理済みの基体4aを設置したφ30パイプ状筒型に弾性層形成用の液体組成物を注型し、型を密閉した。
なお、通紙部Sと非通紙部Eで針状フィラーを変えているものは、通紙部用の液体組成物Aと、非通紙部用の液体組成物Bを用意する。そして、非通紙部Eにあたる初め部分は液体組成物Bを、図12にように、第1の供給装置14−1から供給管14aを介して注入する。通紙部Sにあたる中間部分は液体組成物Aを第2の供給装置14−2から供給管14bを介して注入した。そして、非通紙部Eにあたる終わりの部分は液体組成物Bを再び第1の供給装置14−1から供給管14aを介して注入した。
シリコーンゴム成分の硬化工程では熱風オーブン内90℃、1時間の条件で熱処理を行った。さらに、脱水工程では、予め水冷と脱型を行い、熱風オーブン内200℃、4時間の条件で熱処理を行った。最後に、離型層4cとして、弾性層4b上にPFAフッ素樹脂を上記した接着剤を用いて被覆した。
(実施例1)
未架橋付加硬化型液状シリコーンゴムに、針状フィラー「100−05M」を5体積%、含水材料を10体積%混合した。次に、内部に基体4aを設置済みのパイプ状筒型に弾性層形成用の液体組成物を注型し、架橋・脱型・脱水の工程を経て、弾性層4bを形成した。さらに、離型層4cは、接着剤を用いて弾性層4b上にPFAフッ素樹脂チューブを被覆した。このようにして、本実施例1の加圧ローラ4を得た。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、表1に示した処方により、本実施例2の加圧ローラ4を得た。
(実施例3)
未架橋付加硬化型液状シリコーンゴムに、針状フィラー「100−15M」を25体積%、含水材料を30体積%混合した液体組成物Aと、針状フィラー「100−05M」を3体積%、含水材料を30体積%混合した液体組成物Bを用意した。そして、図12で説明した要領で弾性層を注型成形した。
即ち、加圧ローラ4の両端部から8mmにあたる非通紙部Eに対応する部分は液体組成物Bを、それ以外の通紙部Sに対応する部分は液体組成物Aを、内部に基体4aを設置済みのパイプ状筒型に注型した(図12)。そして、前述した、架橋・脱型・脱水の工程を経て、弾性層4bを形成した。さらに、離型層4cは、接着剤を用いて弾性層4b上にPFAフッ素樹脂チューブを被覆した。このようにして、本実施例3の加圧ローラ4を得た。即ち、本実施例3の加圧ローラ4は、通紙部Sにおける弾性層4bには非通紙部Eにおける弾性層4bよりもアスペクト比(平均アスペクト比)が大きい針状フィラーを含む。
(実施例4)
実施例3と同様の方法で、表1に示した処方により、本実施例4の加圧ローラ4を得た。
(比較例1)
実施例1と同様な方法で、上記に挙げた液体組成物ではなく、弾性層4bに熱伝導率0.4W/(m・K)の付加硬化型シリコーンゴムを用いて、本比較例1の加圧ローラ4を得た。
(比較例2)
実施例1と同様な方法で、針状フィラー「100−01Z」を45体積%、含水材料を45体積%混合した液体組成物を使用した場合では、成形上困難であり、評価に適した本比較例2の加圧ローラを得ることができなかった。
(比較例3)
実施例1と同様な方法で、針状フィラー「100−05M」を5体積%、含水材料を80体積%混合した液体組成物を使用した場合では、成形上困難であり、評価に適した本比較例3の加圧ローラを得ることができなかった。
(評価方法)
<面方向及び厚み方向の熱伝導率>
加圧ローラ4の通紙部Sの弾性層4bの切り出しサンプル4bs(図3の(b))の熱伝導率測定を以下のように行った。
本測定例では、まず面方向として幅方向の熱伝導率測定を行った。図5を用いて、加圧ローラ4の弾性層4bの軸方向y及び厚み方向zの熱伝導率測定について説明する。図5は、周方向x(15mm)×軸方向y(15mm)×厚みz(設定厚み)に切り出したサンプル4bsを重ね合わせて、厚みが約15mmになるよう作成した熱伝導率評価用試料である。
熱伝導率を測定する際は図5に示すように厚さ0.07mm、幅10mmのテープTAで被測定試料を固定した。次に被測定面の平面度を揃えるために剃刀にて被測定面及び被測定面裏面をカットする。そして、この被測定試料を2セット用意して、センサSを被測定試料で挟み、測定を行う。測定はホットディスク法熱物性測定装置TPA−501(京都電子工業株式会社製)を使用した。
厚み方向zの熱伝導率の測定の際は、上記と同様の方法で被測定試料の向きを変えて測定した。なお、本測定例では面方向および、厚み方向の熱伝導測定5回の平均値を用い、面方向熱伝導率λ1と厚み方向熱伝導率λ2の比αを算出した。
加圧ローラ4の非通紙部Eの弾性層4bの切り出しサンプル4beの厚み方向の熱伝導率測定を行った。図5を用いて、加圧ローラ4の非通紙部Eの厚み方向zの熱伝導率測定について説明する。図5は、周方向x(5mm)×軸方向y(5mm)×厚みz(設定厚み)に切り出したサンプル4beを重ね合わせて、厚みが約5mmになるよう作成した熱伝導率評価用試料である。
熱伝導率を測定する際は図5に示すように厚さ0.07mm、幅3mmのテープTAで被測定試料を固定した。次に被測定面の平面度を揃えるために剃刀にて被測定面及び被測定面裏面をカットする。そして、この被測定試料を2セット用意して、センサSを被測定試料で挟み、測定を行う。測定はホットディスク法熱物性測定装置TPA−501(京都電子工業株式会社製)を使用した。
熱伝導測定5回の平均値を用い、非通紙部Eの弾性層4bの厚み方向zの熱伝導率λ3を算出した。また、通紙部Sの弾性層4bの切り出しサンプル4bsの厚み方向zの熱伝導率λ2と非通紙部Eの弾性層4bの切り出しサンプル4beの厚み方向zの熱伝導率λ3の比βを算出した。
<非通紙部昇温度>
非通紙部昇温評価には、上記方法にて作製した実施例1〜4、比較例1の加圧ローラ4をそれぞれ搭載した図1に記載のフィルム加熱方式の定着装置Aを使用した。
定着装置Aに搭載された加圧ローラ4の周速度を234mm/secとなるように調整し、ヒータ温度を190℃に設定した。温度15℃、湿度15%の環境下において、キヤノン(株)製のGF−C104:A4サイズの用紙を縦送り(幅210mm)で500枚連続通紙した。このときの非通紙部領域(通紙部S(幅297mm)内においてA4縦サイズ紙が通過しない領域)の定着フィルム3の表面の温度を株式会社アピステ製 赤外線サーモグラフィFSV−7000Sを使用して測定した。
<立ち上がり時間>
定着装置Aの立ち上がり時間の評価には、上記の定着装置Aに、通紙を行わない空回転状態において、ヒータスイッチが入ってから、定着フィルム3の表面温度が180℃になるまでの時間を測定した。
<評価結果>
表1に、熱伝導フィラーである針状フィラー4b1の種類、含有割合、空隙割合を示した。また、通紙部Sの面方向熱伝導率λ1、厚み方向熱伝導率λ2、及び面方向と厚み方向の熱伝導率比α、非通紙部Eの厚み方向の熱伝導率λ3、λ3とλの熱伝導率比β、非通紙部温度、立ち上がり時間の評価結果を示した。
比較例1では非通紙部温度は286℃、立ち上がり時間は23.8秒であった。非通紙部温度は286℃と高温になり、耐久破壊温度である230℃を超えてしまい、所望の非通紙部昇温抑制の効果は得られなかった。立ち上がり時間は23.8秒となり、所望の立ち上がり時間の短縮効果は得られなかった。比較例1は熱伝導に異方性がないため、面方向熱伝導率λ1と厚み方向熱伝導率λ2の比αはほぼ1である。
実施例1では、非通紙部温度が222℃であり、非通紙部昇温抑制を確認した。また、立ち上がり時間は22.2秒であり、立ち上がり時間の短縮効果についても確認した。通紙部Sの熱伝導率比αは6.9、非通紙部Eと通紙部Sの厚み方向zの熱伝導率の比βは5.5である。
実施例2では、非通紙部温度が220℃であり、非通紙部昇温抑制を確認した。また、立ち上がり時間は21.1秒であり、立ち上がり時間の短縮効果がさらに向上したことについても確認した。通紙部Sの熱伝導率比αは30.6、非通紙部Eと通紙部Sの厚み方向zの熱伝導率の比βは8.0である。空隙割合を上げて弾性層4bが低熱容量になったため、立ち上がり時間の短縮にしたと考えられる。
実施例3と4についても、表1に示す結果の通り、非通紙部昇温抑制効果と立ち上がり時間の短縮効果を確認した。
加圧ローラ4の弾性層4bは空隙があるため、低熱容量であり、断熱性も良い。また、通紙部Sの弾性層4bは、面方向xyに針状フィラー4b1が配向しているため、厚み方向zの熱伝導は抑えられる。
面方向熱伝導率λ1と厚み方向熱伝導率λ2の比α=λ1/λ2が6以上900以下である。熱伝導率比αが6以下だと非通紙部昇温抑制の効果が十分に得られず、また900倍以上にするためには針状フィラー量や空隙が増え、加工成形が困難である。よって、定着フィルム3の熱が加圧ローラ4に流れ難くなっていると考えられる。このことにより立ち上がり時間の短縮が可能になる。
また、加圧ローラ4の非通紙部Sの弾性層4bは、厚み方向zにも針状フィラー4b1が配向している。そのため、小サイズ用紙を連続通紙した際に非通紙部Sにおいて非通紙部昇温により弾性層4bに蓄積された熱は非通紙部Eの弾性層4bを経由して加圧ローラ4の芯金(基体)4aに伝わる。芯金4aは熱容量が大きく、熱伝導性も良いため、加圧ローラ4の長手方向の温度むらを抑えることができる。
ここで、弾性層4bに含ませる針状フィラーは、アスペクト比(平均アスペクト比)が異なる複数種類の針状フィラーの混合物とすることもできる。
以上の加圧ローラ4の構成をまとめると次のとおりである。基体4aと基体4aの上に形成された弾性層4bとを有し加熱部材3との圧接で弾性層4bが弾性変形することによりトナー像Tを担持したシート状の記録材Pを挟持搬送して加熱するニップ部Nを形成するニップ部形成部材である。
弾性層4bは針状フィラー4b1と空隙部4b2とを含む多孔質弾性層である。ニップ部形成部材4の長手方向においてニップ部Nに導入可能な最大幅サイズWmaxの記録材Pの幅に対応する部分を通過部領域S、通過部領域Sの外側の部分を非通過部領域Eとする。非通過部領域Eにおける弾性層4bの厚み方向zの熱伝導率λ3が通過部領域Sにおける弾性層4bの厚み方向zの熱伝導率λ2より高い。通過部領域Sにおける弾性層4bの面方向x、yの熱伝導率λ1が厚み方向zの熱伝導率λ2に対して6倍以上、900倍以下であることを特徴とする。
この特徴構成により、小サイズ記録材を連続的に導入したときの非通過部昇温抑制と立ち上がり時間の短縮を両立できる。
(実施例5)
本実施例5及び後述する実施例6、7の加圧ローラは、実施例1乃至4の加圧ローラ4について、更に、ニップ部Nに導入された用紙(記録材)Pの所謂後端はねを抑制することができるものである。
実施例1乃至4の加圧ローラ4は、上述したように、低熱容量化のために弾性層4bは空隙部(空孔)4b2がある多孔質弾性層である。そのため、温度が上がった場合に、弾性層4bが厚み方向zに膨張しやすい。小サイズ用紙を連続通紙たとき、非通紙部となる加圧ローラ部分の径は非通紙部昇温のために小サイズ用紙の通紙部に対応する加圧ローラ部分の径よりも膨張で大きくなる。即ち、加圧ローラ4の長手端部側の膨張が長手中央部に比べて大きくなる。そのため、ニップ部Nの長手端部側の用紙搬送方向に関するニップ幅が長手中央部のニップ幅よりも大きくなる。
この状態において、それまで通紙していた小サイズ用紙よりも幅が大きい用紙が紙通紙されると、ニップ部Nにおいてその用紙の幅方向端部の搬送速度が幅方向中央部よりも速くなる。そのために、用紙の後端はねやそれに伴う画像不良(チリメンチ画像、用紙後端部の濃度班、グロス班)を発生させる場合がある。より具体的には、用紙がニップ部Nを挟持搬送されているときに幅方向の一方方向と他方方向が引っ張られることによりニップ部Nの用紙搬送方向上流側において用紙に負荷がかかって幅方向両端が持ち上がってします。
この状態になると、用紙後端が転写部35を通過した際に用紙後端部が跳ねて搬送部材にトナー像を擦ったり、ニップ部Nの手前で定着フィルム3にトナー像が接触したりすることによる画像乱れが発生しやすくなってしまう。
この後端はねによる画像不良を低減するために、本実施例5及び後述する実施例6、7の加圧ローラは、針状フィラー4b1と空隙部4b2とを含む多孔質弾性層である弾性層4bの厚さが加圧ローラの長手中央から端部にかけて厚くなっている。この特徴構成により、小サイズ記録材を連続的に導入したときの非通過部昇温抑制と立ち上がり時間の短縮を両立できると共に、後端はねによる画像不良を低減することができる。
図13は本実施例5における加圧ローラ4の縦断面模式図である。基体である芯金4aは長手端部に比べて長手中央が厚いクラウン形状(基体4aの軸方向厚さが端部より中央の方が厚い形状)となっている。芯金4aの外径は中心位置で24mmで、最も端(端部)で23mmである。使用した材質はSUSである。弾性層4bの厚さは長手中央と長手端部で異なり、中央で3mmの厚さ、端部は3.5mmとなっている。従って、加圧ローラ4は自由状態において、外径が長手に沿って30mmのストレート形状である。なお、図12は誇張図であり寸法比率やクラウン形状は上記の数値とは対応していない。
弾性層4bは実施例1乃至4と同様に針状フィラー4b1と空隙部4b2とを含む多孔質弾性層である。本実施例では、高熱伝導フィラーとして針状のカーボンフィラーを用いた。その分散含有率は約30体積%とした。実施例1乃至4と同様に、高熱伝導フィラー4b1を加圧ローラ4の軸方向に配向させることにより、加圧ローラ4の軸方向の熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率より高くなるように作られている。また、弾性層4bに空隙4b2を形成することによって低熱容量になっている。加圧ローラ4の製造方法は実施例1と同様である。
なお、上記の針状フィラーの含有量、平均長さ、熱伝導率は以下のように求めることができる。弾性層4b中の針状フィラー4b1の含有量(体積%)の測定方法は、まず弾性層4bの任意の部分を切り出し、その25℃における体積を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)により測定する(以下、この体積をVallと記す)。次に、体積測定を行った評価サンプルを熱重量測定装置(商品名:TGA851e/SDTA、メトラートレド株式会社製)を用いて窒素ガス雰囲気下で700℃・1時間加熱することでシリコーンゴム成分を分解・除去する。
弾性層4b中に針状フィラー4b1以外に無機フィラーが入っていた場合、この分解後の残留物は、針状フィラーと無機フィラーが混在している状態である。この状態で25℃における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する(以下、この体積をVaと記す)。
その後、空気雰囲気下で700℃・1時間加熱することにより、針状フィラー4b1が熱分解除去される。残った無機フィラーの25℃における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)を測定する(以下、この体積をVbと記す)。これらの値を基に、次の式から針状フィラー4b1の重量が求めることができる。
針状フィラー4b1の体積(体積%)={(Va−Vb)/Vall}×100
針状フィラー4b1の平均長さは、上記シリコーンゴム成分加熱除去後の針状フィラー4b1の顕微鏡観察による一般的な方法により、求める事ができる。
針状フィラーの熱伝導率は、
・レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(商品名:TC−7000、アルバック理工株式会社製)による熱拡散率
・示差走査熱量測定装置(商品名:DSC、日立ハイテクサイエンス社製)による定圧比熱
・乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島つ製作所製)による密度
から求めることができる。計算式は以下のとおりである。
熱伝導率=熱拡散率×密度×比熱
このようなフィラーを入れた加圧ローラに対し、熱伝導率の測定を行った。
実施例では、比熱を先述の示差走査熱量計(DSC)で測定した。本測定では、試料の温度を30〜70℃に設定して比熱を測定し、試料の温度が50℃の時の値を資料の比熱として採用した。
密度は先述したアキュピック1330で測定を行った。密度は温度依存性が小さいため、室温で測定を行った。
熱拡散率は熱拡散率計(商品名ai-Phase Mobile 1u/2(以下アイフェイズ)、日立ハイテクサイエンス社)によって測定を行った。アイフェイズはレーザーフラッシュ法と比較して厚い(例えば4mm程度の)ものでも熱拡散率が測定できる。
アイフェイズでの熱拡散率測定では、任意の方向に対して測定が可能であり、本実施例で用いた加圧ローラのように熱伝導率に異方性があるものでもそれぞれの方向に対して熱拡散率が測定可能である。
熱拡散率測定にあたり、サンプルを取り出す必要がある。本実施例では、軸方向の厚さが2mm、周方向の厚さが2mm、厚さ方向の厚みが約2mmとなるようにサンプルを切り出し、熱拡散率の測定を行った。本測定は、サンプルの温度が50℃の状態で熱拡散率測定を5回行い、その平均値を加圧ローラの軸方向の熱拡散率とした。また、比熱および密度については、加圧ローラ全域に対してフィラーの分散性が良ければほとんど変わらない。したがって検証をする際は切り出し位置は任意でよい。本実施例では中心位置からサンプルを切り出して比熱および密度の測定を行った。
熱拡散率測定では、中心部と中心部から149mmの位置のサンプルを切り出した。中心から149mmの意味は最大紙サイズ(A4横)の外である。後端はねに関係するのは最大サイズ紙より外側の熱膨張であるから、中心部と中心から149mm位置のゴムサンプルの2つの軸方向熱伝導率を測定し、端部より中央の熱伝導率が高いことがわかった。
中心位置の軸方向熱伝導率は2W/m・Kであった。対して中心部から149mm位置での軸方向熱伝導率は0.4W/m・Kであった。これは、中心部と端部で高熱伝導フィラーの配向が変わっていることを示している。中心部は軸方向への配向性が高く、端部は配向性が小さい。
十分な非通紙部昇温抑制効果を得る上で、中心位置での軸方向熱伝導率は2W/m・K以上であることが望ましい。また、端部(本実施例では149mm位置)では軸方向熱伝導率が0.4W/m・K以下であることが望ましい。0.4W/m・K以下であると、フィラーは軸方向にはほとんど配向していないため、非通紙部昇温時の熱膨張を抑制しやすい。
中央位置の高熱伝導フィラーは軸方向に配向しており、中心から149mm位置では軸方向にあまり配向していない。これは、フィラーが芯金や表層の近くで軸方向に配向しやすいという特性によるものである。その効果はゴムが薄いほど現れやすいので、中央と端部でゴム厚みを変えることで加圧ローラの軸方向において、中央の配向が強く、端部が配向が弱い状態を作り出すことができる。
中央と端部でフィラーの配向が異なるため、中央と端部で熱膨張のしやすさが異なる。フィラーの配向が軸方向に配向している中央部ではフィラーの向きである軸方向に伸びにくくなり、逆に厚さ方向に熱膨張しやすい。それに対し、149mm位置ではフィラーの軸方向配向が弱いく、中央部に比べて厚み方向に熱膨張がしにくい。
本実施例の加圧ローラ4は、従来の高熱伝導多孔質加圧ローラと比べて非通紙部昇温抑制効果はそのままに端部はね対策になっていることが特徴である。端部はフィラー4b1の配向性が落ちているため、軸方向熱伝導率が低いが、最大サイズ紙より内側では従来の高熱伝導多孔質加圧ローラと軸方向の熱伝導率が同等の熱伝導率が得られている。
小サイズ紙を通紙した場合の非通紙部昇温抑制に効くのは最大サイズ紙の内側にある弾性層の熱伝導率がほとんどである。したがって、小サイズ紙を連続通紙したときには、非通紙部昇温が従来加圧ローラと同等になる。
先に説明した定着装置について、連続プリント時の後端はね評価実験を行った。評価の方法は、はじめにA4Rサイズ(A4縦送り:幅210mm)の用紙を30〜120枚通紙し、非通紙部昇温を起こす。その後、A3サイズ(A3縦送り:幅297mm)の用紙を1枚通紙し、後端はねの有無を判定した。後端はねが起こった場合、画像不良が生じるため、目視でOK/NGを判断した。
プロセススピードを250mm/secとし、A4R紙を30ppmで通紙した後、A3サイズの未定着画像を1枚通紙した。連続通紙枚数は30枚、60枚、90枚、120枚の4種類のパターンについて実験を行った。定着フィルム3の中央の表面温度は170℃、紙はGF−C081を用いた。
連続通紙枚数が30枚の時の非通紙部の温度は190℃、60枚の時の非通紙部の温度は210℃、90枚の時の非通紙部の温度は225℃、120枚の時の非通紙部の温度は230℃であった。
非通紙部の温度を変えて実験を行うことにより、後端はねの出やすさを変えることができる。一般に後端はねは非通紙部の温度が高い方が発生しやすい。これは、端部の温度が高くなると昇温部分の膨張が大きくなり、その部分の径が大きくなることによる。
このような後端はね評価実験を、本実施例5の加圧ローラ4と比較例として加圧ローラの弾性層4bの厚さが長手中央と長手端部で同じである高熱伝導多孔質加圧ローラを用いて同様の実験を行った。
図16に後端はねの評価結果を示した。比較例では非通紙部の温度が225℃以上で後端はねによる画像不良が生じているが、本実施例5の加圧ローラ4の場合は230℃であっても後端はねによる画像不良が起こらなかった。
(実施例6)
図14は本実施例6における加圧ローラ4の縦断面模式図である。基体である芯金4aは長手に沿ってストレート形状(基体4aの軸方向厚さがストレート形状)とし、その外径は24mmとした。弾性層4bは中心位置と中心から149mm位置で厚さが異なる逆クラウン形状となっており、中心位置では弾性層の厚さが3mm、中心から149mmの位置では弾性層の厚さを3.5mmとした。即ち、加圧ローラ4の外径は逆クラウン形状となっている。これは紙しわに対して良好な形状である。
なお、図14も誇張図であり寸法比率や逆クラウン形状は上記の数値とは対応していない。弾性層4bは実施例1乃至4と同様に針状フィラー4b1と空隙部4b2とを含む多孔質弾性層である。加圧ローラ4の製造方法は実施例1と同様である。
このような形状の加圧ローラであっても、中心位置に対して端部の弾性層4bが厚いため、ゴムの厚い端部よりも中心位置の方が高熱伝導フィラーの配向が大きくなる。
本実施例6の加圧ローラ4を用いた定着装置において、実施例5と同様に後端はねの評価実験を行った。図16に評価実験の結果を示す。実施例5と同様に、比較例の高熱伝導多孔質加圧ローラより後端はねが抑制された。
(実施例7)
基体である芯金4aは中空形状であってもよい。図15は図13(実施例5)の加圧ローラ4の芯金4aを中空の芯金としたものを示している。中空芯金であっても、実施例5および実施例6と同様に、弾性層4bの厚さを中心位置より端部位置において厚くすることにより、加圧ローラ4端部の膨張を抑制でき、後端はねを抑制することができる。従来例との比較実験の結果を図16に示した。
以上、実施例5〜実施例7で説明したように、非通紙部昇温を抑制でき、かつ立上時間が早い加圧ローラであって、後端はねを低減する加圧ローラを提供できる。
(その他の事項)
(1)上述した実施例1〜7では、定着用部材として回転体である加圧ローラ4を用いた例を説明したがこれに限らない。例えば、定着用部材4は、回転体である無端状の加圧ベルトの形態であってもよい。より具体的には、基体(基層)4aとして、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の薄肉耐熱性樹脂もしくはステンレス(SUS)やニッケル(Ni)等の薄肉金属からなる無端状(ベルト状)の部材を用いる。この基体の上に前記のような構成の弾性層4bを具備させた形態である。
また、定着用部材としては、記録材に形成されたトナー像と接触する側に配置される構成(上述の定着フィルム3に相当)でも構わない。
(2)定着用部材4は上記の回転体の形態に限られない。回転駆動される加熱部材3及び記録材Pよりも表面の摩擦係数が小さい、図17の(a)や(b)や(c)のように横長のパッド状部材などの非回転部材の形態のものにすることもできる。
ニップ部Nに導入された記録材Pは裏面側(非画像形成面側)が非回転部材の形態のニップ部形成部材4の摩擦係数が小さい表面に対して摺動しながら、加熱部材3の回転搬送力でニップ部Nを挟持搬送されていく。
(3)加熱方式としては、セラミックヒータに限られず、ハロゲンランプ等を用いた熱線照射方式、電磁誘導加熱方式、熱線照射方式などであってもよい。内部加熱方式に限られず、外部加熱方式であってもよい。
(4)記録材Pに対するトナー像の形成原理や作像プロセスは転写方式の電子写真プロセスに限られない。記録材として感光紙を用いる直接方式の電子写真プロセスでもよい。像担持体として誘電体を用いる転写方式あるいは直接方式の静電記録プロセス、磁性体を用いる中間転写方式あるいは直接方式の磁気記録プロセスなどであってもよい。
(5)画像加熱装置は実施例の未定着トナー画像を固着像として定着する定着装置の他に、記録材に仮定着されたトナー像あるいは一度加熱定着されたトナー像を再度加熱加圧して光沢度等を向上させる画質改質装置も包含される。
A・・画像加熱装置、3・・加熱部材、4・・ニップ部形成部材、4a・・基体、4b・・弾性層、4b1・・針状フィラー、4b2・・空隙部、N・・ニップ部、P・・記録材、S・・通過部領域、E・・非通過部領域

Claims (17)

  1. 記録材上のトナー像を定着するために用いられる定着用部材であって、
    基層と、
    前記基層の上に設けられ、針状フィラーを含有する多孔質の弾性層と、を有し、
    前記定着用部材の記録材と接触し得る第1の領域において、前記弾性層の長手方向の熱伝導率は、厚さ方向の熱伝導率の6〜900倍であり、前記定着用部材の前記第1の領域よりも長手方向外側の第2の領域における前記弾性層の厚さ方向の熱伝導率は、前記第1の領域における前記弾性層の厚さ方向の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする定着用部材。
  2. 前記弾性層の厚さは、前記第1の領域よりも前記第2の領域の方が厚いことを特徴とする請求項1に記載の定着用部材。
  3. 前記弾性層には前記針状フィラーが5〜40体積%含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着用部材。
  4. 前記針状フィラーの熱伝導率は、500W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の定着用部材。
  5. 前記針状フィラーは、炭素繊維を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の定着用部材。
  6. 前記針状フィラーは、その短手方向長さが5〜11μmであり、その長手方向長さが100〜1000μmであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の定着用部材。
  7. 前記弾性層の空隙率は、10〜70体積%であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着用部材。
  8. 前記弾性層の上に設けられたフッ素系樹脂層を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の定着用部材。
  9. 前記定着用部材は記録材のトナー像が形成された面とは反対側の面に当接可能であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の定着用部材。
  10. 記録材上のトナー像を定着するために用いられる定着用部材であって、
    基層と、
    前記基層の上に設けられ、針状フィラーを含有する多孔質の弾性層と、を有し、
    前記定着用部材の記録材と接触し得る第1の領域における前記弾性層の厚さよりも、前記定着用部材の前記第1の領域よりも長手方向外側の第2の領域における前記弾性層の厚さの方が厚いことを特徴とする定着用部材。
  11. 前記弾性層には前記針状フィラーが5〜40体積%含有されていることを特徴とする請求項10に記載の定着用部材。
  12. 前記針状フィラーの熱伝導率は、500W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項10又は11に記載の定着用部材。
  13. 前記針状フィラーは、炭素繊維を有することを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載の定着用部材。
  14. 前記針状フィラーは、その短手方向長さが5〜11μmであり、その長手方向長さが100〜1000μmであることを特徴とする請求項10乃至13の何れか一項に記載の定着用部材。
  15. 前記弾性層の空隙率は、10〜70体積%であることを特徴とする請求項10乃至14の何れか一項に記載の定着用部材。
  16. 前記弾性層の上に設けられたフッ素系樹脂層を有することを特徴とする請求項10乃至15の何れか一項に記載の定着用部材。
  17. 前記定着用部材は記録材のトナー像が形成された面とは反対側の面に当接可能であることを特徴とする請求項10乃至16の何れか一項に記載の定着用部材。
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