JP5328235B2 - 加圧部材、及びこの加圧部材を有する像加熱装置 - Google Patents
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Description
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る像加熱装置を加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の概略構成模型図である。この画像形成装置は電子写真式のレーザービームプリンタである。
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材について、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。
上記の加圧ローラ24について、それを構成する材料、成型方法等を以下に詳細に説明する。
図3は加圧ローラ24の層構成模型図である。
加圧ローラ24に用いられるソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性ゴム層24bの厚みを加算した弾性層全体の厚さは、所望の幅のニップ部Nを形成することができる厚さであれば特に限定されないが、2〜10mmであることが好ましい。その中でソリッドゴム弾性層24aの厚みは特に限定されるものではなく、次項で詳しく述べる高熱伝導弾性ゴム層24bの硬度に応じて適宜必要な厚みで調整すれば良い。
高熱伝導弾性ゴム層24bは、ソリッドゴム弾性層24aの上に均一な厚みで形成されている。高熱伝導弾性ゴム層24bの厚みは、上記の3−1−1)の項で述べた範囲内であれば加圧ローラ24として有用な任意の厚みで用いることができる。この高熱伝導弾性ゴム層24bは、耐熱性弾性材料24e中に熱伝導性フィラーとしてカーボンファイバー24fが分散されて形成されていることが必須である(図6(a)、(b)参照)。
離型層24cは高熱伝導弾性ゴム層24b上にPFAチューブを被せることにより形成しても良いし、フッ素ゴムまたは、PTFE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂を弾性層上にコーティングすることによって形成しても良い。なお、離型層24cの厚さは加圧ローラ24に充分な離型性を付与することができる厚さであれば特に限定されないが、好ましくは20〜100μmである。
加圧ローラ24について、以下の各種の実施例ローラ1〜18、及び比較例ローラ19〜21を作製してそれぞれのローラの性能を評価した。
まず、φ22のAl製芯金24dの外周上に、密度が1.20g/cm3である付加反応硬化型のシリコーンゴムを用いて型成型法により肉厚3mmのソリッドゴム弾性層24aを形成したφ28の弾性層形成物1を得る。ここで温度条件としては150℃×30分にて加熱硬化させた。
重量平均分子量Mw=65000
数平均分子量 Mn=15000
A液‥ビニル基濃度(0.863mol%)、SiH濃度(無し)
粘度(7.8Pa・s)
B液‥ビニル基濃度(0.955mol%)、SiH濃度(0.780mol%)
粘度(6.2Pa・s)
A/B=1/1のときH/Vi=0.43
となるA、B両液を1:1の割合になるように配合し、触媒の白金化合物を加えて付加硬化型シリコーンゴム原液を得る。
カーボンファイバーとして表1に示したものを、表1に示す充填量で用いた。
重量平均分子量Mw=33000、
数平均分子量 Mn=16000、
A液‥ビニル基濃度(0.820mol%)、SiH濃度(無し)
粘度(1.1Pa・s)
B液‥ビニル基濃度(0.827mol%)、SiH濃度(0.741mol%)
粘度(1.1Pa・s)
A/B=1/1のときH/Vi=0.45
それ以外は、実施例ローラ1と同様にして実施例ローラ5、8、11、14を作製した。それ以外の実施例ローラ2、3、6、7、9、10、12、13、15〜18は、表1に示す充填量で用いた以外は実施例ローラ1と同様にして実施例ローラ2、3、6、7、9、10、12、13、15〜18を得た。そして高熱伝導弾性ゴム層24bのx方向、y方向の熱伝導率、及びASKER−C硬度を測定した。その結果を表1に示す。
比較例ローラ19は、ソリッドゴム弾性層24aにASKER−C硬度32°、熱伝導率0.4W/(m・k)からなるシリコーンゴムを肉厚4mmで構成した。比較例ローラ19に使用しているシリコーンゴムは熱伝導率が一般的な0.2W/(m・k)以下というものよりも熱伝導性フィラーを若干多く添加することで熱伝導率を高めに設定してある。熱伝導性フィラーは補強剤としても用いられているシリカを用いた。比較例ローラ19では、高熱伝導弾性ゴム層24bを設けず全てソリッドゴム弾性層でのみ構成し、それ以外は実施例ローラ1と同じ構成としてある。
比較例ローラ20は、ソリッドゴム弾性層24aの代わりに、ASKER−C硬度29°、熱伝導率0.11W/(m・k)の発砲スポンジゴムを用いた以外は実施例ローラ1と同じ構成としてある。この発泡スポンジの平均セル径は50μmであった。
比較例ローラ21は、芯金の外周上に形成される弾性層を、厚さ4mmの実施例ローラ6にて示されるカーボンファイバーを用いた高熱伝導弾性ゴム層24bのみで構成した。つまり比較例ローラ21は、ソリッドゴム弾性層を有していない構成である。それ以外は実施例ローラ1と同じ構成としてある。
<非通紙部昇温>
性能評価には、上記手法にて作製した加圧ローラを定着装置(図2)に用い、前述のとおりA3サイズ紙対応のプリントスピードが50枚/分(A4横)のレーザープリンタに組み込んだものを使用した。
◎‥非通紙部温度280℃未満
○‥非通紙部温度280℃以上300℃未満
×‥非通紙部温度300℃以上
本発明では、非通紙部温度が300℃以上の場合を、非通紙部が過昇温した状態と判断している。
非通紙部昇温が発生すると、非通紙部昇温が発生した領域の硬度は下がる傾向にある。また、非通紙部昇温が発生したまま15万枚通紙してしまうと、非通紙部の温度が過昇温してゴム層が破壊されてしまう、或いは液状化してしまう可能性がある。本発明による非通紙部昇温抑制効果を検証するために、ヒータ加熱温度を220°にして、LTR横サイズ紙(75g/mm2)を50枚/分にて15万枚通紙して、加圧ローラの非通紙部昇温発生部におけるASKER−C硬度を測定する。15万枚通紙した加圧ローラのASKER−C硬度の測定結果により、非通紙部昇温抑制効果を評価した。
◎‥硬度低下3°以内
○‥硬度低下3〜5°
×‥破壊或いは液状化
本発明では、硬度低下が5°以内の場合を非通紙部昇温抑制効果があると判断している。特に、硬度低下が3〜5°以内の場合を非通紙部昇温抑制が十分に達成されていると判断している。
高温高湿環境下(32℃/80%)にて充分に放置され、吸湿したLTR横サイズ紙(75g/m2)を定着装置が充分に冷えている状態からのプリント、つまり常温状態からヒータ加熱温度を220°にして20枚連続通紙させたときの搬送性評価。
○‥搬送性良好
×‥搬送不良JAM発生
実施例ローラ1では、y方向の熱伝導率は2.55W/(m・k)であり、非通紙部温度は290.5℃となって昇温抑制効果が見られる。そのため、耐久性(硬度)も良好である。なお、この時非通紙部ではないフィルム中央部表面温度は205度であった。以後いずれの実施例ローラの場合もフィルム中央部温度は実施例ローラ1と同じ205度であるため記載を省略する。一方、ASKER−C硬度は17°と十分な軟らかさを有している。また、芯金の外周上にソリッドゴム層を形成しているので搬送性も良好であった。
5vol%と増加させた。y方向の熱伝導率が38.3W/(m・k)と高く、ASKER−C硬度も55°と十分な軟らかさを有している。非通紙部昇温抑制効果は高く、耐久性(硬度)も良好である。また、搬送性も良好であった。
即ち、実施例ローラ1〜18全てにおいて非通紙部昇温抑制効果があり、そのため耐久性(硬度)も良好であり、尚且つ、搬送性も良好であった。また、芯金の外周上にソリッドゴム弾性層を形成しているため、耐久性を改善できた。
5−1)上記実施例におけるフィルム加熱方式の定着装置6において、ヒータ22はセラミックヒータに限られるものではない。例えば、ニクロム線等を用いた接触加熱体等や、鉄板片等の電磁誘導発熱性部材等であってもよい。ヒータ22は必ずしもニップ部Nに位置していなくてもよい。
23 耐熱性フィルム
24 加圧部材
24a ソリッドゴム弾性層
24b 高熱伝導弾性ゴム層
24f 熱伝導性フィラー
N ニップ部
P 記録材
Claims (8)
- 像加熱装置に用いられるローラであって、
芯金と、
平均長さが0.05mm以上1mm以下であって長さ方向における熱伝導率λ f がλ f ≧500W/(m・k)である熱伝導性フィラーが、5vol%以上40vol%以下分散しており、ローラ軸方向の熱伝導率λ y がλ y ≧2.5W/(m・k)である弾性層と、
前記芯金と前記弾性層の間に設けられており、厚み方向の熱伝導率λが0.16W/(m・k)以上0.40W/(m・k)以下のソリッドゴム層と、
を有することを特徴とするローラ。 - 前記弾性層には前記熱伝導性フィラーが15vol%以上40vol%以下分散しており、前記弾性層の前記軸方向の熱伝導率λ y がλ y ≧10W/(m・k)であることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
- 前記弾性層のASKER−C硬度は60°以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のローラ。
- 前記熱伝導性フィラーは、ピッチ系炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のローラ。
- 前記ローラは、表面に離型層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のローラ。
- 記録材に形成された画像を加熱する加熱部材と、前記加熱部材と共に記録材を挟持搬送するニップ部を形成するローラと、を有する像加熱装置において、
前記ローラが請求項1〜5のいずれか一項に記載のローラであることを特徴とする像加熱装置。 - 前記加熱部材は、前記ローラと接触する筒状のフィルムを有することを特徴とする請求項6に記載の像加熱装置。
- 前記加熱部材は、前記フィルムの内面に接触するヒータを有し、前記フィルムを介して前記ヒータと前記ローラで前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項7に記載の像加熱装置。
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