JP7001384B2 - 電子写真用ベルトの製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、表層に含有させるフッ素樹脂としては、耐熱性に優れる、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好ましく用いられる。
フッ素樹脂中に、フッ素樹脂の強度を向上させる非フッ素系の添加剤(フィラー)を添加して強化する技術が知られている。
特許文献1では、フッ素樹脂に炭素繊維を添加することで複合材料としてフッ素樹脂を強化している。
特許文献2では、同じフッ素系のフィラーを添加してPFAを強化する技術として、PFAとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の複合材料とすることでPFAを強化する技術が示されている。
特許文献3では、PFA及びPTFE等のフッ素樹脂の分散体や粉体をフッ素樹脂の融点以上の温度で焼成してからフッ素樹脂の融点以下の温度で電子線を照射して架橋をすることでフッ素樹脂を強化している。
上記に示すような強化方法を用いることにより、それまでの技術と比較して高い耐摩耗性を有するフッ素樹脂表層材料が得られ、定着部材の耐久性向上を実現できている。
特許文献1では、表面エネルギーの大きい炭素繊維をフッ素樹脂に添加するため、本来持っているフッ素樹脂の化学的安定性が損なわれる場合がある。そのような化学的安定性が損なわれた樹脂材料を表層に用いた定着部材によるトナー像の定着では、オフセットや分離不良が発生しやすい。
特許文献2では、同じフッ素系の添加剤であるため化学的な安定性は問題ないが、PFAとPTFEの間の結合が弱いため、表層にクラックやフィラーの剥落などの破損が発生しやすくなる場合があり、耐摩耗性は向上するが他の要因で耐久性が低下する場合がある。
特許文献3に開示されるように、基材上、あるいは必要に応じて設けられ弾性層上に形成したフッ素樹脂分散体や粉体の層をフッ素樹脂の融点以上の温度で焼成する場合には、高温加熱に耐えることができる基材や弾性層等を用いる必要が有る。従って、特許文献3に開示される技術は、限られた条件でしか使用することができない。
本発明の一態様は、優れた耐久性を有する電子写真用部材の一形態としての電子写真用ベルトの製造方法を提供することにある。
エンドレスベルト形状の基材と、該基材の外周面を被覆している表層とを有する電子写真用ベルトの製造方法であって、
(i)テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含む樹脂材料の円筒押出成型品を用意する工程と、
(ii)前記基材の外周面を該円筒押出成型品で被覆する工程と、
(iii)前記基材の外周面を被覆する円筒押出成型品を、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体のガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)よりも低い温度に加熱した状態で、該円筒押出成型品の外表面に対して電離性放射線を照射して、該円筒押出成型品中のテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を架橋して表層を形成する工程と、
を有し、
該表層の200℃におけるユニバーサル硬度HUが18N/mm2≦HU≦40N/mm2であり、
該円筒押出成型品中の、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の、該基材の周方向に直交する方向の配向度をRiとし、
該表層中の、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の電離性放射線架橋物の、該基材の周方向に直交する方向の配向度をRfとしたとき、
RiおよびRfが、下記数式(1)で示される関係を満たす、電子写真用ベルトの製造方法が提供される:
数式(1)
Ri×0.8≦Rf≦Ri
[上記数式(1)中、
Riは、数式(2)で示され:
数式(2)
Ri=AR0/AR90
数式(2)中、
AR0は、該円筒押出成型品の赤外分光計測における、該基材の周方向に直交する方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640r0とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993r0としたとき、
数式(3)で示され:
数式(3)
AR0=(Abs640r0/Abs993r0);
AR90は、該円筒押出成型品の赤外分光計測における、該基材の周方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640r90とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993r90としたとき、
数式(4)で示され:
数式(4)
AR90=(Abs640r90/Abs993r90)、
Rfは、数式(5)で示され:
数式(5)
Rf=AS0/AS90
数式(5)中、
AS0は、該表層の赤外分光計測における、該基材の周方向に直交する方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640s0とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993s0としたとき、
数式(6)で示され:
数式(6)
AS0=(Abs640s0/Abs993s0);
AS90は、該表層の赤外分光計測における、該基材の周方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640s90とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993s90としたとき、
数式(7)で示されるものである:
数式(7)
AS90=(Abs640s90/Abs993s90)。
該表層は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、「PFA」という)の電離性放射線照射による架橋物、すなわち電離性放射線架橋物を含む。
該表層は、該基材の外表面上に設けてなる、PFAを含む樹脂層に対して電離性放射線を照射することによって形成されてなるものである。
また、該表層の、温度200℃におけるユニバーサル硬度HUが18N/mm2≦HU≦40N/mm2である。
さらに、該樹脂層中の、PFAの、該基材の周方向に直交する方向の配向度をRiとし、
該表層中の、PFAの電離性放射線架橋物の、該基材の周方向に直交する方向の配向度をRfとしたとき、
RiおよびRfが、下記数式(1)で示される関係を満たす:
数式(1)
Ri×0.8≦Rf≦Ri。
数式(1)中、
Riは、数式(2)で示される値である:
数式(2)
Ri=AR0/AR90。
数式(2)中、
AR0は、該樹脂層の赤外分光計測における、該基材の周方向に直交する方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640r0とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993r0としたとき、
数式(3)で示される値である:
数式(3)
AR0=(Abs640r0/Abs993r0)。
AR90は、該樹脂層の赤外分光計測における、該基材の周方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640r90とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993r90としたとき、
数式(4)で示される値である:
数式(4)
AR90=(Abs640r90/Abs993r90)。
また、数式(1)中、
Rfは、数式(5)で示される値である:
数式(5)
Rf=AS0/AS90。
数式(5)中、
AS0は、該表層の赤外分光計測における、該基材の周方向に直交する方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640s0とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993s0としたとき、
数式(6)で示される値である:
数式(6)
AS0=(Abs640s0/Abs993s0)。
AS90は、該表層の赤外分光計測における、該基材の周方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640s90とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993s90としたとき、
数式(7)で示される値である:
数式(7)
AS90=(Abs640s90/Abs993s90)。
PFAの赤外吸収スペクトルにおいて、640cm-1においては、PFAの主鎖を構成しているCF2結合の変角振動に起因する吸収ピークが観察される。
また、993cm-1においては、PFAの側鎖部分の構造(例えば-OCF2CF2CF3)に起因する吸収ピークが観察される。ここで、640cm-1における吸収は、PFAの主鎖に起因する吸収であるため、PFA分子の配向方向によって吸収強度が変化する。一方、993cm-1における吸収は、PFA分子の側鎖部分に起因する吸収であるため、吸収強度は、PFA分子の配向方向の影響を受けない。
従って、PFA分子が配向している膜中の当該PFA分子の配向度は、以下のようにして求めることができる。
まず、赤外光の進行方向を、PFA分子の配向方向と一致させた場合に得られる偏光スペクトルにおける640cm-1における吸収強度を、993cm-1における吸収強度で除した値をA0とする。
次いで、赤外光の進行方向を、PFA分子の配向方向と直交する方向に一致させた場合に得られる偏光スペクトルにおける640cm-1における吸収強度を、993cm-1における吸収強度で除した値をA90とする。
A0を、A90で除した値、すなわち、「A0/A90」の値が、当該膜中におけるPFA分子の配向度となる。
そして、数式(1)に係る、RiとRfの関係は、電離性放射線でPFAを架橋させる前の樹脂層中のPFA分子の配向が、電離性放射線(例えば電子線)の照射による架橋PFAを含む表面層中においても実質的に維持されていることを表しているものである。
前記Riとしては、樹脂層および該樹脂層に電離性放射線を照射することによって得られる表層の機械的強度の観点から、1.5以上、2.5以下が好ましい。
このような物性を有する表層を備えた電子写真用部材は、該表層の耐久性が高く、長期の使用によっても削れや破れを防止することができる。更に、表層の記録材への追従性が向上し、定着画像の光沢むらの発生を抑制することができる。
表層は基材と直接接触して積層されていてもよく、基材と表層の間に弾性層等の他の層の1種以上が設けられていてもよい。
電子写真用部材の一形態として、エンドレスベルト形状の電子写真用部材である電子写真用ベルトを挙げることができる。この電子写真用ベルトでは、表層の外表面が、電子写真用部材の外周面を構成している。
本態様にかかる電子写真用ベルトの製造方法は、以下の工程を有する。
(A)PFAを含む樹脂材料の円筒押出成型品を用意する工程。
(B)エンドレスベルト形状の基材の外周面を該円筒押出成型品で被覆する工程。
(C)基材の外周面を被覆している該円筒押出成型品を、PFAのガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)よりも低い温度に加熱した状態で、該円筒押出成型品の外表面に対して電離性放射線を照射して、該円筒押出成型品中のPFAを架橋して表層を形成する工程。
該円筒押出成型品は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の、該基材の周方向に直交する方向の配向度をRiとし、
該表層中の、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の電離性放射線架橋物の、該基材の周方向に直交する方向の配向度をRfとしたとき、
RiおよびRfが、下記数式(1)で示される関係を満たす:
数式(1)
Ri×0.8≦Rf≦Ri。
上記数式(1)中、
Riは、数式(2)で示され:
数式(2)
Ri=AR0/AR90
数式(2)中、
AR0は、該円筒押出成型品の赤外分光計測における、該基材の周方向に直交する方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640r0とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993r0としたとき、
数式(3)で示され:
数式(3)
AR0=(Abs640r0/Abs993r0);
AR90は、該円筒押出成型品の赤外分光計測における、該基材の周方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640r90とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993r90としたとき、
数式(4)で示される:
数式(4)
AR90=(Abs640r90/Abs993r90)。
また、上記数式(1)中、Rfは、数式(5)で示され:
数式(5)
Rf=AS0/AS90
数式(5)中、
AS0は、該表層の赤外分光計測における、該基材の周方向に直交する方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640s0とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993s0としたとき、
数式(6)で示される:
数式(6)
AS0=(Abs640s0/Abs993s0)。
また、S90は、該表層の赤外分光計測における、該基材の周方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640s90とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993s90としたとき、
数式(7)で示されるものである:
数式(7)
AS90=(Abs640s90/Abs993s90)。
工程(B)においては、エンドレスベルト状の基材の幅方向と円筒押出成型品の押出し方向が一致するように、基材の外周面への円筒押出成型品の被覆が行われる。
必要に応じて、円筒押出成型品を被覆する前に基材の外周面に弾性層を設けて、弾性層上に円筒押出成型品を被覆する工程を追加することができる。
PFAを含む樹脂材料における樹脂成分は架橋性のPFAからなり、樹脂材料には樹脂成分以外に種々の添加剤を含むことができる。PFAを含む樹脂材料としては、本発明で目的とする電子写真用ベルトを得ることができるものであればよく特に制限されない。市販のあるいは公知のPFAを含む樹脂材料から選択して用いることができる。
基材は、定着部材等として用いる場合における機械的強度や取扱い性等に応じて選択された材料から形成することができる。基材形成用の材料としては、金属材料を用いることができる。
本発明にかかる電子写真用ベルトは、トナー像の加熱定着用の定着部材として用いることができる。定着部材として利用する場合において、表層は定着表層として機能する。この定着部材は、トナー画像の定着装置及びこれを用いた画像形成装置の構成部品として使用することができる。これらの定着装置及び画像形成装置は、その製造において、架橋PFAを含む表層を有する電子写真用ベルトを定着部材として用いることによって、耐久性のよい加熱定着の機能を発揮できる。
図1は、本実施形態に係る定着装置を具備した電子写真画像形成装置であるカラー電子写真プリンタの構成を示す図であり、記録材としてのシート状の印刷用紙の搬送方向に沿った模式的断面図である。
なお、本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
図1に示すプリンタ1は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。電子写真感光体としての感光ドラム11は、帯電器12によってあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11には、レーザスキャナ13によって、潜像が形成されている。潜像は、現像器14によってトナー像になる。感光ドラム11のトナー像は、一次転写ブレード17によって、像担持体である例えば中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、シート状の印刷用紙Pは、給紙カセット20、又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。レジストローラ対23は、印刷用紙Pを一旦受け止めて、印刷用紙Pが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナー像と同期を取って、印刷用紙Pを無端の中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。中間転写ベルト31上のカラーのトナー像は、転写部材である例えば二次転写ローラ35によって印刷用紙Pに転写される。その後、印刷用紙Pに転写されたトナー像は、印刷用紙Pが定着装置40によって、加熱加圧されることで印刷用紙Pに定着される。なお、ローラ34、中間転写ベルト31、二次転写ローラ35から転写ユニットが形成されている。ローラ34と二次転写ローラ35により形成されたニップ部に転写ベルト31と印刷用紙Pが挿入されることで転写ベルト上のトナー像が印刷用紙Pに転写される。
図2は、定着装置40の模式的断面図である。この定着装置は、フィルム加熱方式の定着装置(テンションレスタイプ)である。
図示した定着装置は、定着部材41、加熱体43、加圧ローラ44、接触式サーミスタ45、ヒーターホルダ46を有する。これらの部材の内、定着部材41、加熱体43、加圧ローラ44は必須の部材である。
加熱体43としては種々の発熱体を用いることができ、本実施形態では加熱体43としてとしてのセラミックヒーター(以下、ヒーターと記す)を用いた。
このヒータ43は図面に垂直方向を長手とする細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とするもので、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータである。また、印刷用紙の長手幅サイズに応じて、通電領域を切り替える構成となっている。
定着部材41は、無端の円筒状(エンドレス形状)の回転体からなり、熱を伝達する加熱定着部材としての耐熱性を有する。定着部材41は、ヒータ43を含む支持部材にルーズに外嵌させてある。
表層41aの厚さは目的とする定着機能を得ることができる厚さであればよく、100μm以下から、好ましくは10~70μmの範囲から選択することができる。
基材41bも表層と同様にクイックスタート性を向上させるという観点から、100μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下の厚さの熱伝導性のよい耐熱性材料を用いて形成することができる。基材形成用の材料としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)、ニッケルなどの金属材料からなる金属フィルムを使用できる。
弾性層41cは、熱容量を小さくしてクイックスタート製を向上させるために、厚さとしては1000μm以下、好ましくは500μm以下のゴム材料を使用できる。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
定着部材41に対向配置される加圧ローラ44は、加圧部材としての耐熱性及び弾性を有する。加圧ローラ44は、芯金と、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、あるいはシリコーンゴムの発泡体からなる弾性層から形成することができ、芯金の両端部を回転自由に軸受け支持させて加熱定着装置内に配設してある。この加圧ローラ44の上側に、定着部材41、ヒータ43が、加圧ローラ44に対して、これらの長手方向に平行に配置されている。
不図示の押付部材で加熱体43に加圧ローラ44を押圧させることで、定着部材41を介してヒータ43の下面を加圧ローラ44の上面に加圧ローラ44の有する弾性層の弾性に抗して圧接させて加熱部としての所定幅の定着ニップ部を形成させてある。
加圧ローラ44が回転駆動され、それに伴って定着部材41が矢印方向に従動回転状態になり、またヒータ43に通電がなされてヒータ43が迅速に昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態となる。この温調された状態において、定着ニップ部の定着部材41と加圧ローラ44との間に未定着トナー像T1を担持した印刷用紙Pが導入される。定着ニップ部内において、印刷用紙Pのトナー像担持側面が定着部材41の外面に密着して定着部材41と一緒に定着ニップ部を挟持搬送されていく。この挟持搬送過程においてヒータ43で加熱された定着部材41の熱により印刷用紙Pが加熱され、印刷用紙P上の未定着トナー像T1が加熱・加圧されて印刷用紙P上に溶融定着され、定着トナー像T2が形成される。定着ニップ部を通過した印刷用紙Pは定着部材41の面から曲率分離して排出搬送されていく。
サーミスタ(接触式温度計)によって、ヒータ43により加熱された定着部材41の温度を計測し、その検出結果を不図示の温度制御手段に渡す構成となっている。ヒーターホルダ46は、高温に発熱したヒータ43を保持する部材である。
[印刷用紙の先端部による表層の削れのメカニズムについての説明]
シート状の印刷用紙が定着装置へ搬送される際に、印刷用紙の端部によって定着部材の表層が削られていく機構について、図4を用いて説明する。
図4は、印刷用紙Pの端部にある裁断による返し部(以下、紙バリと呼ぶ)と、加圧ローラ44とニップ部を形成している定着部材41の表層41aとの接触部分の模式的平面図である。図4において、加圧ローラ44は省略されている。印刷用紙Pは、サイズに応じて裁断機によって端部が裁断されており、この裁断時に発生する紙バリ部分が印刷用紙Pの先端部に発生している。印刷用紙Pの先端部が表層41aに荷重Wを伴って押込まれることによって表層41aの表面が変形し、表層41aの表面の変形した部分が削られていく。すなわち、紙バリ部分での摩耗が発生する(以下、コバ削れと呼ぶ)。
摺動し合う物質が摩耗によって被摩耗体が削り取られる速度は、以下の数式(A)によって表わされる。
ΔV=K・L・(W/H) (A)
ΔV:摩耗体積
K:係数
L:摩耗距離
W:荷重
H:硬度
このように変形した表層41aに対し、印刷用紙における摩耗距離Lが進行した場合、摩耗によって除去される体積は、上記の変形量と摩耗距離の積で表現される。その結果、数式(A)に示されるような関係となり、摩耗体積ΔVは、摩耗距離と荷重に比例し、硬度に反比例する。
また、摩耗体積ΔVは、以下の数式(B)によって表される。
ΔV=Δx・Δy・Δz (B)
ΔV:摩耗体積
Δx:摩耗幅
Δy:摩耗長さ
Δz:摩耗深さ
Δz=K・L・(W/H) (C)
Δz:摩耗深さ
K:係数
L:摩耗距離
W:荷重
H:硬度
従って、オフセットを防止して定着部材の寿命を向上するためには、Δzを小さくする必要がある。
次に、シート状の印刷用紙が定着装置へ連続的に搬送される際に、定着部材の表層が破れるメカニズムについて、図5を用いて説明する。
図5は、定着部材41と加圧ローラ44によって形成される定着ニップ部に印刷用紙Pが搬送された際の変形状態の模式的断面図である。
図5の点線部分で囲われた部分において、印刷用紙Pが侵入することによって表層41aが変形し、引張り方向への応力が加わっていることが分かる。ここで発生する引張り変形に対して表層41aの降伏応力が十分大きい場合、塑性変形が発生しなくなるため表層41aは破れにくくなる。また、発生する引張り変形に対して降伏応力が小さい場合は、印刷用紙Pの搬送によって塑性変形が起こり、その蓄積によって定着部材の表層41aに破れが発生してしまう。
本発明者らの検討によって、この降伏応力と破れの寿命には強い相関が有ることが確認されており、定着表層の降伏応力と破れには、非常に強い関係が有ると言える。
[電離性放射線照射を含む表層の製造方法]
本実施形態にかかる方法は、以下の工程(i)及び(ii)を有する。
(i)押出成型によって円筒形状に成型した、円筒押出成型品としてのPFAチューブを、エンドレスベルト形状の基材の外周面に被覆する第一の工程。
(ii)PFAのガラス転移点(Tg)以上、融点(Tm)よりも低い温度、好ましくは融点(Tm)より40℃低い温度(Tm-40℃)以下の温度に加熱した状態で、基材の外周面に被覆したPFAチューブの外表面に対して電離性放射線を照射する第二の工程。
第一の工程においては、PFAチューブの押出し方向が、該基材の周方向に直交する方向と一致するように、基材の外周面を円筒押出成型品で被覆する。
第二の工程における電離性放射線の照射によって、PFAチューブ中のPFAに下記構造式(1)で示される部分構造が形成される。
このようにして新たに形成されてなる、構造式(1)で示される部分構造の三級炭素の隣の炭素上のフッ素は、19F-NMRスペクトルにおいて、-103ppm付近にピークを持つ。従って、19F-NMRスペクトルにおける、-103ppm付近への新たなこのピーク(架橋点ピーク)の出現をもって、上記構造式(1)で示される部分構造がPFA中に存在することを確認することができ、架橋構造の有無を判別できる。また、このときの測定温度は250℃で、ピーク値は外部標準として六フッ化ベンゼン(ヘキサフルオロベンゼン)を用いて決定されている。
PFA樹脂材料、押出し成型方法及び電離性放射線照射の条件は、先に記載したユニバーサル硬度(HU)と、数式(1)の関係を満たす表層が得られるように設定することができる。その結果、表層の耐久性が向上し、上述した表層の削れ及びや破れを防止することができ、更に、記録材への押圧時の追従性が向上し、定着画像の光沢むらの発生を抑制することができる。
(第一の工程)
まず、PFAチューブを用意する。PFAチューブは、樹脂成分としてPFAを含むPFA樹脂材料を円筒状に押出し成型することにより得ることができる。
PFA樹脂材料の押出し成型方法は、目的とする物性及び形状のPFAチューブが得られる方法であれば特に限定されない。
ここで、本発明において表層の主たる材料として用いるフッ素樹脂であるPFAは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と同等の耐熱性を持ちながら、PTFEと比べ、溶融粘度が低い。そのため、加工性や平滑性に優れる。
次に、円筒状の基材の外周面に押出成型で得られた未架橋のPFAチューブを被覆する。このとき、PFAチューブの押出し方向が、該基材の周方向に直交する方向と一致するように、基材の外周面を円筒押出成型品で被覆する。基材の外周面へのPFAチューブの被覆方法は、目的とする被覆状態を得ることができる方法であれば特に限定されない。
また、該PFAチューブは、PFA分子の押出し方向への配向度Riが、好ましくは、1.5以上、2.5以下である。
(第二の工程)
PFAの融点(Tm)は、パーフルオロアルキルビニルエーテルの重合比、PFAの重合度などによっても多少変化するものの、一般的には、PFAの融点(Tm)は300℃~310℃の範囲内である。
PFAを含む多くのフッ素樹脂は、常温下での電離性放射線照射では分解反応しか起こらない分解型の樹脂である。しかし、融点近傍まで加熱した状態で電離性放射線を照射すると、分解反応よりも架橋反応が主反応となり分子鎖が架橋し、耐摩耗性が向上することが、特にPTFEで良く知られている。
本発明者らの検討によると、PFAでは融点近傍までの加熱をしなくても、ガラス転移点以上の加熱で十分架橋反応が起こり、耐摩耗性が向上することがわかった。PTFEの場合、剛直で一本鎖に近い分子構造のPTFEを架橋させるためには、融点近傍加熱により、結晶を溶融させ、分子鎖が動きやすい状態で電離性放射線の照射を行う必要がある。しかしPTFEとは異なり、側鎖を持つことで柔軟な非晶部分を有するPFAは、ガラス転移点(Tg)以上で非晶部分が柔軟に動くことができる。そのため、ガラス転移点(Tg)以上で電離性放射線の照射による架橋が可能となると考えられる。そこで、後述する第二の工程としての電離性放射線を照射する工程においては、電離性放射線の照射時の未架橋のPFAの温度は、PFAのガラス転移点(Tg)以上とする。
一方、未架橋のPFAの温度を、未架橋のPFAの融点(Tm)以上に高くすると、PFAの分解反応が支配的となる。
また、ここでガラス転移点(Tg)とは、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて、周波数10Hz、昇温速度5℃/分で測定したときのtanδの変曲点ピークをガラス転移点と定義する。
融点より低い温度としては、融点(Tm)より40℃低い温度(Tm-40℃)以下の温度が好ましい。
上記の温度に加熱したPFAチューブの外表面に、電離性放射線を照射して、PFAチューブに含まれるPFAに前記構造式(1)で示される部分構造を形成する。
電離性放射線としては、γ線、電子線、X線、中性子線、あるいは高エネルギーイオン等が挙げられる。中でも、装置の汎用性の観点から、電子線が好ましい。
電離性放射線の照射線量の目安としては、1~1000kGy、特には、200~600kGyの範囲内で、未架橋のPFAに前記構造式(1)で示される架橋構造を形成させるに必要な量を適宜選択すればよい。照射線量を上記の範囲内で設定することで、PFAの分子鎖が切断されることによって生成する低分子量成分の揮発によるPFAの重量減少を抑制することができる。
電離性放射線の照射は、低酸素雰囲気下、特に酸素が実質的に不在の雰囲気下で行うことが好ましい。具体的な雰囲気としては、酸素濃度が1000ppm以下である雰囲気が好ましい。酸素濃度が1000ppm以下であれば、真空下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なってもよい。コスト面から、窒素雰囲気下が好ましい。
(実施例1~3及び比較例1~3)
図3(a)に示す構造の電子写真用ベルトとしての形態の定着部材を作製した。
(第一の工程)
表層41aの形成用として、350-J(PFA樹脂組成物:三井・デュポンフロロケミカル株式会社製;ガラス転移温度(Tg)=80℃)の押出成型によって作製された、厚さ10μmの未架橋PFAチューブを用いた。また、基材41bとしては長さが350mm、厚さが30μm、直径が25mmの円筒状ニッケル金属フィルムを用いた。
基材41bの外周面上に、接着剤としての液状シリコーンゴム混合物(商品名:SE1819CV、東レ・ダウコーニング株式会社製)を、リング形状の塗工ヘッドを用いて塗布し、接着剤塗膜を形成した。表層41aの形成用としての未架橋のPFAチューブを、接着剤塗膜が形成された基材41bの外周面に被覆した。
本実施例では、PFAチューブの被覆方法として拡張法を用いた。拡張法は以下のようなステップで行われる。
(I)PFAチューブをその外周面側から真空吸着し、その内径を円筒状の基材の外径よりも大きくする。
(II)その状態で、PFAチューブの内側に円筒状の基材を挿入する。
(III)挿入後に真空吸着を解除し、PFAチューブの内径を減少させて、PFAチューブの内壁と基材の接着剤塗膜が形成された外周面とを密着させこれらを接着する。
真空吸着をする際に、周方向への拡張をPFAチューブの塑性変形領域以下にすることで、真空吸着を解除した後に円筒状の基材との密着性を高めることができる。
第一の工程により得られた、円筒状の基材と基材の外周面を被覆した未架橋のPFAチューブからなる円筒状の部材を、酸素濃度を1000ppm以下とした加熱炉に入れた。未架橋のPFAチューブの温度を150℃から320℃の所定の温度(実施例1:150℃、実施例2:270℃)とした。
上記の処理により、低酸素雰囲気内の所定の温度の状態にある未架橋PFAチューブの外表面に対して電子線を、照射線量が200kGyとなるように照射して、PFAチューブ中のPFAを架橋して表層を形成し、定着部材を得た。
第二の工程を経て得られた表層中のPFAの分子内に先に記載した構造式(1)で示される部分構造が形成されていることを確認するために、表層の一部を切り出し、19F-NMRで分析した。その結果、-103ppm近傍に新たなピークの発現が認められた。
次に、PFA樹脂の評価方法及びその結果について説明する。
(PFA樹脂の降伏応力の計測)
縦振動型動的粘弾性測定装置Rheogel-E4000(株式会社ユービーエム社製)を用いて、200℃におけるPFAチューブの成型方向(押出方向)の引張り歪みにおけるS-Sカーブから降伏応力を計測した。PFAチューブから取り出したサンプルの厚みは10~20μmとした。
(配向の計測方法)
本実施例では、電離性放射線照射前のPFAチューブおよび該PFAチューブに対して電離性放射線を照射したことによって得た表面層について、顕微-透過法で偏光FT-IR測定を行った。
測定サンプルとしては、PFAチューブおよび表面層の各々から切り出した、縦30mm、横30mm、厚み20mmの測定サンプルを用いた。
また、測定は、具体的には、FT-IR(商品名:FTIR8900;株式会社島津製作所製)を用いて、透過法にて偏光測定を行った。測定サンプルと、FT-IRの受光部との間に赤外用偏光板(商品名:グリッド偏光子GPR-8000;株式会社島津製作所製)を置いた。
PFAチューブから採取した測定サンプルの配向の計測は、FT-IRの試料ホルダに、PFAチューブから採取した測定サンプルを、該PFAチューブの周方向に直交する方向が、赤外用偏光板の偏光スリットと垂直になるようにセットした。そして、赤外用偏光板の角度を0度にセットして、ブランク測定の後、分解能4cm-1、積算回数64回に設定し、透過測定を行なった。次に、赤外用偏光板の角度を90度にセットしてブランク測定の後、同様の条件で透過測定を行った。
また、表面層から採取した測定サンプルの配向の計測は、FT-IRの試料ホルダに、表面層から採取した測定サンプルを、該表面層の周方向に直交する方向が、赤外用偏光板の偏光スリットと垂直になるようにセットした。そして、赤外用偏光板の角度を0度にセットして、ブランク測定の後、分解能4cm-1、積算回数64回に設定し、透過測定を行なった。次に、赤外用偏光板の角度を90度にセットしてブランク測定の後、同様の条件で透過測定を行った。
(ユニバーサル硬度HUの計測)
定着部材の表層から切り出したサンプル(30mm×30mmの正方形の試験片)を硬度測定用として用いた。硬度の測定には微小硬さ試験(商品名:HM500;ヘルムート フィッシャー社製)を用いた。圧子はヴィッカースタイプの圧子を用い、温度200℃、ステンレス製の試験テーブル上にサンプルを置き、押込み深さ1μmにおけるS-Sカーブを用いて硬度を計測した。
[実施例1、2と比較例1、2の表層の比較]
定着部材の製造に用いた未架橋のPFAチューブのRiの値、並びに実施例1及び2、比較例1において得られた表層のRfの値は以下の通りであった。
未架橋のPFAチューブ:Ri=2
実施例1の表層:Rf=2
実施例2の表層:Rf=2
比較例1の表層:Rf=1
従って、実施例1、2における定着部材の製造に用いた未架橋のPFAチューブのRi及び表層のRfは、先に示した数式(1)の関係を満たすものであった。
次に、実施例1、2における定着部材の表層と比較例1、2の定着部材の表層における、降伏力及び硬度の比較を行った。
比較例1では、実施例1で用いたPFA樹脂(350-J)の融点(Tm)である310℃以上の温度(320℃)で加熱した状態で電子線を照射した条件を選択した以外は実施例1と同様にして定着部材を得た。また、比較例2では、電子線照射処理をしない条件を選択した以外は実施例1と同様にして定着部材を得た。
実施例1、2、および比較例1、2における電子線照射条件、および硬度(ユニバーサル硬度HU)及び降伏応力の機械特性をまとめると以下の表1の通りとなる。
電子線照射を行ったPFAでは、未照射のPFAと比較して硬度が上昇していた。前述の19F-NMRにより、これらの樹脂では構造式(1)に示されるような架橋部分が生じていることが確認され、架橋によって硬度は上昇したことが確認された。
次に、降伏応力について比較する。
実施例1、2で示される150~270℃の温度範囲において電子線照射を行ったPFAに関しては、チューブの成型方向の降伏応力が未照射条件(比較例2)と同程度に保たれていることが確認された。
これに対し、PFAの融点以上に温度を上げた状態で電子線照射を行った条件(比較例1)では、未照射の表層と比較して降伏応力が低下していた。
定着部材の表層では成型の押出方向に分子が配向しているため、押出方向の機械強度が大きくなる。そのため、比較例2の表層は強い降伏応力を持っている。
しかし、融点以上に昇温した比較例1においては、表層に含まれるPFAが一度、完全に溶融するため、成型によって得られた配向が崩れ、樹脂としての強い降伏応力が失われる。これにより、比較例1では降伏応力が未照射のPFAと比較して低下したものと考えられる。
これに対し、実施例1、2では、PFAが溶融する温度より低い温度において電子線照射を行って架橋をしている。そのため、PFAの強い降伏応力を維持した状態で硬度を上昇させることができたものと考えられる。
このように、実施例1、2に示されるような条件で電子線照射を行うことで、PFAチューブの持つ高い降伏応力を維持し、かつ、高い硬度を持った表層を作製することができた。
(定着表層のコバ削れ耐久寿命、および破れ耐久寿命の比較実験)
本実験では、図2に示される定着装置を用いた。また実験条件としては、加圧力を総圧で320N、加圧ローラの回転速度を200mm/sとし、印刷用紙と接触する領域の定着部材の外周温度が150℃となるように制御した。印刷用紙としてシート状のCS-814(日本製紙(株)社製)を用いた。なお、この印刷用紙の紙バリは、25μm程度であった。
寿命の判定条件としては、定着表層が破断するまでの印刷用紙のプリント枚数を「破れ寿命」、オフセットが発生するまでの印刷用紙のプリント枚数を「コバ削れ寿命」とし、いずれか一方が発生するまでの枚数を比較した。
その結果をまとめると以下の通りとなる。
実施例1、2に示される条件で電子線照射を行った表層では、未照射の表層と比較してコバ削れ寿命が大きく向上した。これは、前述のコバ削れのメカニズムにより、硬度が上昇することによって摩耗深さの増加が抑制されたためである。
このように、実施例1、2に示される150~270℃という温度範囲においては、電子線照射により架橋をすることで、未照射の表層と比較して硬度が高く、コバ削れ寿命が長くなることが確認できた。
次に、破れ寿命について確認する。
比較例1では、コバ削れ寿命となる前に破れによる寿命を迎えてしまった。これは、PFAの融点以上に温度を上げた状態で電子線照射を行った条件では硬度が低く、また降伏応力が低下してしまい、コバ削よりも先に破れが発生してしまったためと考えられる。
以上の結果より、実施例1、2に示される条件で電子線照射を行うことにより、コバ削れ寿命を向上し、かつ、破れ寿命を延ばすことができた。
このように、実施例1、2に示される技術によって、柔軟性や加工性に富んだ架橋PFAを含む表層を得ることができ、定着装置への挿入方向における印刷用紙の紙バリを有する先端部による削れや破れを抑制し、長寿命化を実現することができた。
[実施例2~3、比較例3の定着部材の寿命の比較]
次に、実施例2~3と比較例3における、画質の比較を行った。
実施例3及び比較例3では、表3に示す加熱温度及び電子線の線量を用いる以外は実施例2と同様にして円筒状の定着部材を得た。
定着部材の製造に用いた未架橋のPFAチューブのRiの値、並びに実施例3及び比較例3において得られた表層のRfの値は以下の通りであった。
未架橋のPFAチューブ:Ri=2
実施例3の表層:Rf=2
比較例3の表層:Rf=2
一般に、表層の硬度が高くなると、表層の印刷用紙への追従性(接触面積)が低下し、トナー画像の光沢ムラ、濃度ムラが発生する要因となる可能性が有る。
そこで、トナー画像の光沢ムラの比較を行った。
トナー画像の光沢ムラの評価には、図2に示される定着装置を用いた。また評価に当たって、加圧力を総圧で320N、加圧ローラの回転速度を200mm/sとし、印刷用紙と接触する領域の定着部材の外周温度が150℃となるように制御した。印刷用紙としてシート状のCS-814(日本製紙(株)社製)を用い、トナーが1.2mg/cm2積載した画像を定着処理した。得られた定着画像の画質を、光沢ムラに関する以下の基準により評価した。
評価基準
ランクA:比較例2の定着部材を用いて得られた定着画像の光沢ムラのレベルを許容できる基準レベルとし、この基準レベルと同等の光沢ムラレベルが得られている場合。
ランクB:比較例2の定着部材を用いて得られた定着画像の光沢ムラのレベルを許容できる基準レベルとし、この基準レベルよりも劣る光沢ムラレベルが得られている場合。
比較した定着表層の条件、および光沢ムラの評価結果は以下の通りである。
実施例4では、図3(b)に示されるような表層41aと基材層41bの間に、弾性層41cを設けた以外は実施例1と同様にして円筒状の定着部材を作製した。
弾性層41cの形成には、熱容量を小さくしてクイックスタート製を向上させるために、ゴム硬度10度(JIS-A)、熱伝導率1.3W/m・K、厚さ300μmのシリコーンゴムを用いた。
一般に、基材と表層の間に弾性層を配設することによって、トナーの溶融広がりを制御することでき、より印刷用紙の光沢の程度に合った画質を提供することができる。
このように、弾性層41cを設けることによって、表層の印刷用紙の端部に因る削れを防止し、さらなる画質向上を実現することができた。
41a 表層
41b 基材
41c 弾性層
Claims (5)
- エンドレスベルト形状の基材と、該基材の外周面を被覆している表層とを有する電子写真用ベルトの製造方法であって、
(i)テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含む樹脂材料の円筒押出成型品を用意する工程と、
(ii)前記基材の外周面を該円筒押出成型品で被覆する工程と、
(iii)前記基材の外周面を被覆する円筒押出成型品を、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体のガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)よりも低い温度に加熱した状態で、該円筒押出成型品の外表面に対して電離性放射線を照射して、該円筒押出成型品中のテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を架橋して表層を形成する工程と、
を有し、
該表層の200℃におけるユニバーサル硬度HUが18N/mm2≦HU≦40N/mm2であり、
該円筒押出成型品中の、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の、該基材の周方向に直交する方向の配向度をRiとし、
該表層中の、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の電離性放射線架橋物の、該基材の周方向に直交する方向の配向度をRfとしたとき、RiおよびRfが、下記数式(1)で示される関係を満たすことを特徴とする電子写真用ベルトの製造方法:
数式(1)
Ri×0.8≦Rf≦Ri
[上記数式(1)中、
Riは、数式(2)で示され:
数式(2)
Ri=AR0/AR90
数式(2)中、
AR0は、該円筒押出成型品の赤外分光計測における、該基材の周方向に直交する方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640r0とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993r0としたとき、
数式(3)で示され:
数式(3)
AR0=(Abs640r0/Abs993r0);
AR90は、該円筒押出成型品の赤外分光計測における、該基材の周方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640r90とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993r90としたとき、数式(4)で示され:
数式(4)
AR90=(Abs640r90/Abs993r90)、
Rfは、数式(5)で示され:
数式(5)
Rf=AS0/AS90
数式(5)中、
AS0は、該表層の赤外分光計測における、該基材の周方向に直交する方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640s0とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993s0としたとき、
数式(6)で示され:
数式(6)
AS0=(Abs640s0/Abs993s0);
AS90は、該表層の赤外分光計測における、該基材の周方向の偏光スペクトルにおいて、
640cm-1における吸収ピークを、Abs640s90とし、
993cm-1における吸収ピークを、Abs993s90としたとき、数式(7)で示されるものである:
数式(7)
AS90=(Abs640s90/Abs993s90)。 - 前記融点(Tm)よりも低い温度が、融点(Tm)より40℃低い温度(Tm-40℃)以下の温度である請求項1に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
- 前記電離性放射線が電子線である請求項1または2に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
- 前記工程(ii)が、前記基材が、表面に弾性層を有し、該弾性層の表面を前記円筒押出成型品で被覆する工程を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
- 前記Riが、1.5以上、2.5以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真用ベルトの製造方法。
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