WO2011039975A1

WO2011039975A1 - エンドレス金属ベルト、電子写真用エンドレスベルト、定着装置および電子写真画像形成装置

Info

Publication number: WO2011039975A1
Application number: PCT/JP2010/005734
Authority: WO
Inventors: 祐介馬場
Original assignee: キヤノン株式会社
Priority date: 2009-09-30
Filing date: 2010-09-22
Publication date: 2011-04-07
Also published as: EP2453313B1; JP4701316B2; KR20120056881A; CN102576206A; JP2011095735A; EP2453313A1; EP2453313A4; CN102576206B; KR101427492B1

Abstract

　繰り返しの屈曲及び当接部材との摺擦による亀裂の発生及び進行が抑制され、耐久性が向上した電子写真用エンドレス金属ベルトを提供する。金属ベルト端面を、該金属ベルトの外表面のエッジ部と内表面のエッジ部の間に尾根を有する形状にする。それにより、金属ベルトは、当接部材との摺擦部分において、屈曲により発生する内部応力が小さい部分で接触することになる。

Description

エンドレス金属ベルト、電子写真用エンドレスベルト、定着装置および電子写真画像形成装置

　本発明は、エンドレス金属ベルト、電子写真用エンドレスベルト、熱定着装置および電子写真画像形成装置に関するものである。

　電子写真画像形成装置において、紙等の被記録材の表面に転写された未定着のトナー像を熱及び圧力で定着させる定着装置としてエンドレスベルトが用いられている。このようなエンドレスベルトとして、熱伝導性及び強度に優れた金属、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、銅等のエンドレス金属ベルトを基層として用いる電子写真用エンドレスベルトが知られている。このような定着装置に用いられる電子写真用のエンドレスベルト（以降「定着ベルト」）は、電子写真画像形成装置内においては、一般的には、複数本のローラを用いて回転駆動させられている。このとき、回転中の定着ベルトには該定着ベルトをスラスト方向に片寄らせる力（以降「寄り移動力」ともいう）が生じることがある。このような力による定着ベルトの片寄りを規制するために、定着ベルトの幅方向の片寄りを規制する部材を設けたり、定着ベルトの片寄りの検知部材を用いて片寄りを検知し、当該片寄りを修正する機構を設けることが提案されている。この場合、定着ベルトは、その端面において上記規制部材や検知部材と接することとなる。このとき、定着ベルトの端面において亀裂が発生してしまうことがあった。そのため、特許文献１では、金属ベルト端面と端部規制部材との摺動性を向上させるために、潤滑性グリースあるいは固体潤滑層を設けることが提案されている。

特開2004-144833号公報

　本発明者らは、上記特許文献１に記載の発明について検討した。その結果、例え、端部規制部材との潤滑性を向上させ、摺動性を向上させても、繰り返しの屈曲及び端部規制部材との摺擦によって亀裂が生じることがあった。そこで、本発明者は、画像形成装置の更なる高速化・高耐久化を図る上では、定着ベルト端部での亀裂の発生をより確実に防止することが重要であるとの認識を得た。

　本発明は、繰返しの屈曲、及び端部規制部材との摺擦によっても端部に亀裂が生じにくいエンドレス金属ベルトを提供することを目的とする。また、本発明は、定着装置および画像形成装置の耐久性をより一層向上させる電子写真用エンドレスベルトを提供することを目的とする。更にまた、本発明は、耐久性がより一層向上した定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。

　本発明の一態様によれば、エンドレス金属ベルトであって、該エンドレス金属ベルトの外表面のエッジと内表面のエッジとで囲まれる端部領域を有し、該端部領域は、該エッジに沿って延びる尾根を有しているエンドレスベルトが提供される。

　本発明の別の態様によれば、上記のエンドレス金属ベルトと、その表面に形成されたトナー離型層とを有する電子写真用エンドレスベルトが提供される。

　本発明の更に別の態様によれば、加熱部材と、該加熱部材と対向配置されている加圧部材とを有する電子写真用の定着装置であって、該加熱部材及び該加圧部材のいずれか一方または両方が、上記の電子写真用エンドレスベルトを有し、該定着装置は、該電子写真用エンドレスベルトのエンドレス金属ベルトの端部領域の尾根と当接可能に配置されている端部規制部材を更に有していることを特徴とする。

　本発明の更に別の態様によれば、上記の定着装置を具備している電子写真画像形成装置が提供される。

　本発明によれば、エンドレス金属ベルトは、屈曲により発生する内部応力が小さい尾根で端部規制部材と接する。そのため、繰り返しの屈曲及び端部規制部材との摺擦による亀裂の発生及び進行を抑制でき、耐久性が向上する。

本発明の定着ベルトの層構成の一例を示す概略図である。金属ベルトの片側端部と端部規制部材との当接状態の説明図である。図２Ａは従来の金属ベルトの片側端部と端部規制部材との当接状態の説明図である。金属ベルトの片側端部と端部規制部材との当接状態の説明図である。図２Ｂは本発明に係る金属ベルトの片側端部と端部規制部材との当接状態の説明図である。金属ベルト端面における内部応力を示すグラフである。本発明における金属ベルトの端面形状の例を示す図である。本発明における金属ベルトの端面形状の例を示す図である。本発明における金属ベルトの端面形状の例を示す図である。本発明による金属ベルト１を利用する定着装置の概略構成図である。加熱定着方式の像加熱装置の構成の一例を示す概略図である。定着ベルトの端部規制部分の詳細図である。実施例１における金属ベルトの端面を示す図である。金属ベルトの切断手段を示す概略図である。比較例１における金属ベルトの端面を示す図である。

　以下、図を参照しつつ、本発明に係るエンドレス金属ベルトについて詳細に説明する。本発明に係るエンドレス金属ベルトは、外表面のエッジと内表面のエッジとで囲まれる端部領域に、該エッジに沿う方向に尾根を有しているものである。

　図２Ａは、従来のエンドレス金属ベルト１の片側端部と端部規制部材４との接触部の拡大断面図である。図２Ｂは、本発明に係るエンドレス金属ベルト１の片側端部と端部規制部材４との接触部の拡大断面図である。ここでいう端部規制部材４とはフランジ、コロ等の、エンドレス金属ベルトが端部への寄りを規制する部材のことである。エンドレス金属ベルト１にはスラスト方向に「寄り移動力」が生じる。そのため屈曲しながら端部規制部材４に当接して回転する。それによりエンドレス金属ベルト１は端部規制部材４からの摺動抵抗を受ける。また、定着ニップ部における屈曲によりエンドレス金属ベルト１に内部応力が発生する。図３は、エンドレス金属ベルト１を屈曲させたときの当該エンドレスベルトの厚み方向の内部応力の状態を示したグラフである。図３に示すように、エンドレス金属ベルトの外周側に引張応力、エンドレス金属ベルトの内周側に圧縮応力が発生する。また、エンドレス金属ベルトの厚み方向の中央付近で、内部応力が最小となる。エンドレス金属ベルトの厚み方向の中央付近より外周方向へいくほど、また内周方向へいくほど内部応力は増加する。そのため、引張応力はエンドレス金属ベルトの外表面のエッジ部で最大となり、圧縮応力はエンドレス金属ベルトの内表面のエッジ部で最大となる。

　従来は、切断したエンドレス金属ベルト端面を、バリ及びクラックを除去する目的で研磨していた。そのため、図２Ａに示すように、エンドレス金属ベルトの外表面のエッジ５と内表面のエッジ６とで囲まれる端部領域２１は、平坦となっている。この場合、エンドレス金属ベルトの端面は端部規制部材４と面接触するため、屈曲により発生する内部応力の大きい外表面のエッジ部５及び内表面のエッジ部６で摺動抵抗を受ける。そのため、エンドレス金属ベルト１は繰り返しの屈曲及び端部規制部材４との摺擦により内部応力が最も大きくなっているエンドレス金属ベルトの外表面のエッジ部５及びエンドレス金属ベルト１の内表面のエッジ部６とで亀裂が生じやすくなる。
一方、図２Ｂに示すように、エンドレス金属ベルト１の端面、すなわち、エンドレス金属ベルトの外表面のエッジ５と内表面のエッジとで囲まれる領域２１が尾根２３を有するような形状とした場合、エンドレス金属ベルトはその尾根２３で端部規制部材４と接触することになる。ここで、「尾根」とは、エンドレス金属ベルトの外表面のエッジ部と内表面のエッジ部の間のベルトの幅方向外側への切れ目なく続く凸部をいう。そして、当該尾根は前記したように圧縮応力と引張応力とが打ち消し合って内部応力が小さい。また、内部応力が大きい部分であるエンドレス金属ベルトの外表面のエッジ部５及び内表面のエッジ部６は端部規制部材４からの摺動抵抗を受けることがない。そのため、エンドレス金属ベルトの端部が端部規制部材と接触したときの、当該エンドレス金属ベルトの端部への亀裂の発生を良く抑えることができる。これにより例えばエンドレス金属ベルト端面が外表面のエッジ部５と内表面のエッジ部６の間に尾根を有する定着ベルト７を使用した画像形成装置では、高速化・高耐久化を実現することが可能となる。
図４Ａ～４Ｃに、本発明に係るエンドレス金属ベルトの３つの態様を示す。即ち、エンドレス金属ベルト１の、外表面のエッジ部５と内表面のエッジ部６とで囲まれる領域４１に各々異なる形状の尾根４３を有している。

　図１は、本発明に係るエンドレス金属ベルトを用いた定着ベルト（電子写真用エンドレスベルト）７の、加圧ローラに面している側の部分の幅方向の断面図である。定着ベルト７は、本発明に係るエンドレス金属ベルト１と、弾性層２と、トナー離型層３との積層体からなる。

　エンドレス金属ベルト１は耐熱性、高熱伝導性に優れたステンレス鋼（ＳＵＳ）、あるいはニッケル、アルミニウム、銅等またはそれらの合金を含んでいる。エンドレス金属ベルト１の総厚としては２０μｍ以上２００μｍ以下が好ましい。

　弾性層２は設けても設けなくても良い。弾性層２を設ける事により、ニップ部において被加熱像を覆って熱の伝達を確実にするとともに、エンドレス金属ベルト１の復元力を補って回転及び屈曲による疲労を緩和することが出来る。また、弾性層２を付与することにより、定着ベルト離型層表面の未定着トナー像表面への密着性が増し、熱を効率よく伝達させることが可能になる。弾性層２を設けた定着ベルト７は、特に、未定着トナーのり量が多いカラー画像の加熱定着に適している。

　弾性層２の材質としては、特に限定されず、耐熱性が良く、熱伝導率の良い材料を選べば良い。弾性層２としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム及びフルオロシリコーンゴムからなる群より選択された少なくとも一種を含むことが好ましく、特にシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムを形成する材料の具体例を以下に示す。ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリトリフルオロプロピルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらポリシロキサンの共重合体等。

　弾性層２には、必要に応じて、弾性層２にはシリカ、炭酸カルシウム、石英粉、珪酸ジルコニウム、クレー（珪酸アルミニウム）、タルク（含水珪酸マグネシウム）、アルミナ（酸化アルミニウム）、ベンガラ（酸化鉄）等を含有させても良い。

　弾性層２の厚みは、良好な定着画像品質が得られるので、１０μｍ以上１０００μｍ以下が好ましく、５０μｍ以上５００μｍ以下がより好ましい。カラー画像、特に、写真画像を印刷する場合、記録材Ｐ上で大きな面積に渡ってベタ画像が形成される。この場合、記録材の凹凸或いはトナー層の凹凸面に沿って加熱面（離型層３）が変形できないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分とで画像に光沢ムラが発生する。つまり、伝熱量が多い部分は光沢度が高くなり、伝熱量が少ない部分では光沢度が低くなる。弾性層２があまりに薄いと、記録材或いはトナー層の凹凸形状に、加熱面が変形できず画像光沢ムラが発生してしまうことがある。また、弾性層２があまりに厚いと、弾性層２の熱抵抗および熱容量が大きくなりクイックスタートを実現するのが難しくなることがある。

　弾性層２の硬度（ＪＩＳＫ６３０１）は、画像光沢ムラの発生が十分抑制され、良好な定着画像品質が得られるので、３°以上６０°以下が好ましく、５°以上４５°以下がより好ましい。

　弾性層２の熱伝導率λは３．３×１０^-1［Ｗ／ｍ・Ｋ］以上、８．４×１０^-1［Ｗ／ｍ・Ｋ］以下が好ましい。

　この様な弾性層２は下記ア）～エ）に示したような方法により形成できる。
ア）液状のシリコーンゴム等の材料をブレードコート法等の手段によって金属層１上に塗布して加熱硬化する方法、
イ）液状のシリコーンゴム等の材料を成形型に注入し加硫硬化する方法、
ウ）押出成形後に加硫硬化する方法、
エ）射出成形後に加硫硬化する方法等。

　トナー離型層３の材料を以下に例示する。ＰＦＡ（テトラフルオロエチレン／パーフルオロアルキルエーテル共重合体）、ＰＴＦＥ（ポリテトラフルオロエチレン）、ＦＥＰ（テトラフルオロエチレン／ヘキサフルオロプロピレン共重合体）等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等。
特にＰＦＡは、トナー等が付着しにくいため好ましい。離型層には、必要に応じて、カーボン、酸化スズ等の導電剤等を含有させてもよい。トナー離型層３の厚さの目安としては１μｍ以上１００μｍ以下である。

　このようなトナー離型層３は公知の方法で形成することができる。例えば、フッ素樹脂系材料の場合、フッ素樹脂粉末を分散して調整した塗料を塗布・乾燥・焼成する方法により、あるいは予めチューブに形成した膜を被覆して接着する方法で形成すればよい。また、ゴム系材料の場合、液状の材料を成形型に注入し加硫硬化する方法、押出成形後に加硫硬化する方法、射出成形後に加硫硬化する方法等で形成すればよい。

　図５は、本発明に係るエンドレス金属ベルトを定着ベルトに用いた、電子写真画像形成装置用の定着装置の軸方向の断面図である。
加熱ヒータ（加熱部材）８は、アルミナや窒化アルミ等を基板に用いたセラミックヒータ等である。断熱ステイホルダー９は、加熱ヒータ８を下面側に保持し、定着ベルト７は左右両端部において断熱ステイホルダー９に嵌着され、端面尾根部において当接可能な、端部規制部材４が設けられている。
端部規制部材４は、該電子写真用エンドレスベルトが走行しているときに幅方向に片寄ることを規制する部材である。端部規制部材４は、外面側に一体に突出させて設けたバネ受け座部分４ａと、内面側に一体に突出させて設けた欠円環状ガード部４ｂとを有する外受け型である。１０は加圧部材としての耐熱性・弾性加圧ローラである。加圧ローラ１０は、芯金１１と弾性層２からなり、芯金１１の両端部を不図示の装置シャーシの左右側板間に回転自由に軸受保持されている。１２は、加圧ローラ芯金の一端部側に固着された加圧ローラ回転駆動ギアである。定着ベルト７は、上記の加圧ローラ１０の上側に加熱ヒータ８側を下向きにして加圧ローラ１０に対向配置されている。そして、定着ベルト７は、左右両端部側の端部規制部材４のバネ受け座部分４ａを加圧バネ１３で所定の圧力で押圧することによって、加圧ローラ１０に均等に圧接された状態にされている。これにより、加熱ヒータ８の下面が定着ベルト７を介して加圧ローラ１０の上面に圧接されて、定着ベルト７と加圧ローラ１０との間に所定幅の定着ニップ部Ｎが形成される。定着ベルト７は、部品精度のバラツキや、セラミックヒータ１４の長手方向の温度分布ムラ等により回転動作時にスラスト方向に寄り移動力を受け、左右の何れかの方向に移動する。このスラスト方向の寄りを規制するためには、定着ベルト７の端面をフランジ部材等の規制部材に突き当てて規制するような構成が必要となる。端部規制部材４はそのための規制部材である。ここで、定着ベルト７が、加圧ローラ１０の回転に伴って従動回転し、スラスト方向に寄ったとしても、その寄りは、定着ベルト７の左側端面または右側端面の尾根が端部規制部材４の端面に当接する。そして、内部応力が大きい外表面のエッジ部５及び内表面のエッジ部６は端部規制部材４に当接しないため、摺動抵抗を受けない。その結果として、定着ベルト７の端部に亀裂が発生することをより良く抑えることができる。

　（実施例１）
図８に実施例１で使用した定着ベルト７を示す。定着ベルト７は、エンドレス金属ベルト１及びその上に積層された弾性層２及び離型層３からなる。エンドレス金属ベルト１はステンレス鋼（ＳＵＳ）から製作され、内径２４ｍｍ、肉厚３０μｍ、長さ２４０ｍｍを有していた。図８に示すように、エンドレス金属ベルト端面は、切断手段により外表面のエッジ部５と内表面のエッジ部６の間に尾根を有する形状に加工され、肉厚の中心位置で長手方向に高さＨ＝１０μｍの凸型にした。この切断手段としては図９を参照しながら説明する。エンドレス金属ベルト１はエンドレス金属ベルト内部より不図示である保持機構により固定する。保持機構は回転可能であり、丸刃である内刃１８を有する。またエンドレス金属ベルト１外周方向側には回転丸刃である外刃１９がある。この一対の回転丸刃である内刃１８及び外刃１９は、刃面同士（内刃刃面２０、外刃刃面２１）が側面同士で接触するように微小間隔をもって配置されかつ外刃が内刃に対して傾斜角２２をもって配置されている。これら一対の回転丸刃によりエンドレス金属ベルト１の切断を実施した。

　弾性層２として３００μｍのシリコーンゴム層（ＧＥ東芝シリコーン社製）を、更にトナー離型層３として２０μｍのＰＦＡチューブ（グンゼ社製）を各々プライマー（東レダウコーニング社製）を介して積層し、図８に示すような定着ベルトを作製した。この定着ベルト７を２つ用意して、以下の耐久テストに供した。
すなわち、定着ベルト７を、図６に示すような像加熱定着装置に装着し、耐久テストを行なった。図６において、１５、１６および１７はそれぞれベルトガイド部材、摺動板及び加圧用剛性ステイを示し、ｔはトナーを示す。耐久テストにおいて、定着時のセラミックヒータ１４を１８０℃に設定した。セラミックヒータからの熱とニップに加えられた圧力とで、被記録材Ｐに未定着トナー画像を定着させた。定着は、２枚実施毎に１秒休止する間欠モードで行い、亀裂または破断が発生するまでの枚数を測定した。各定着ベルトの耐久テストの結果を表１に示す。

　（比較例１）
図１０に比較例１で使用した定着ベルト７を示す。エンドレス金属ベルト端面は、実施例１と同様に図９に示す切断手段により加工した後、サンドペーパー（＃６００）により研磨して平面形状にした。本比較例において、エンドレス金属ベルト端面の形状を平面とした以外は実施例１と同様にして２枚の定着ベルトを作製し、実施例１と同様な耐久テストを行なった。各定着ベルトの耐久テストの結果を表１に示す。

　以上の結果より、エンドレス金属ベルト端面が外表面のエッジ部と内表面のエッジ部の間に尾根を有する定着ベルトがより高い耐久性を有することがわかる。これは、ベルト端面が尾根を有することで、ベルト端面は、端部規制部材との摺擦部分において、屈曲により発生する内部応力が小さい部分で接触することになる。それにより、繰り返しの屈曲及び端部規制部材との摺擦による亀裂の発生及び進行が抑制され、耐久性が向上した定着ベルトが得られた、と考えられる。

この出願は２００９年９月３０日に出願された日本国特許出願第２００９－２２７３３３からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。

Claims

　エンドレス金属ベルトであって、該エンドレス金属ベルトの外表面のエッジと内表面のエッジとで囲まれる端部領域を有し、
該端部領域は、該エッジに沿って延びる尾根を有していることを特徴とするエンドレス金属ベルト。
　請求項１に記載のエンドレス金属ベルトと、トナー離型層とを有することを特徴とする電子写真用エンドレスベルト。
　加熱部材と、該加熱部材と対向配置されている加圧部材とを有する電子写真用の定着装置であって、
該加熱部材及び該加圧部材から選ばれる少なくとも一つの部材が、請求項２に記載の電子写真用エンドレスベルトを有し、
該定着装置は、該電子写真用エンドレスベルトのエンドレス金属ベルトの端部領域の尾根と当接可能に配置されている端部規制部材をさらに有していることを特徴とする電子写真用の定着装置。
　請求項３に記載の定着装置を具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。