JP2017219662A - 定着部材、および加熱定着装置 - Google Patents

定着部材、および加熱定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017219662A
JP2017219662A JP2016113127A JP2016113127A JP2017219662A JP 2017219662 A JP2017219662 A JP 2017219662A JP 2016113127 A JP2016113127 A JP 2016113127A JP 2016113127 A JP2016113127 A JP 2016113127A JP 2017219662 A JP2017219662 A JP 2017219662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
heating
film body
layer
regulating member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016113127A
Other languages
English (en)
Inventor
康弘 宮原
Yasuhiro Miyahara
康弘 宮原
弘紀 村松
Hiroki Muramatsu
弘紀 村松
傑 竹内
Suguru Takeuchi
傑 竹内
直紀 秋山
Naoki Akiyama
直紀 秋山
凡人 杉本
Tsuneto Sugimoto
凡人 杉本
田中 茂
Shigeru Tanaka
茂 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016113127A priority Critical patent/JP2017219662A/ja
Publication of JP2017219662A publication Critical patent/JP2017219662A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着部材の端部破損を防止すること。特に、基材端部の内面が削れることを発端として発生する端部破損を防止すること。【解決手段】少なくとも表層、基層、内面層からなるフィルム体と、フィルム体の内面と接してフィルム体の周回軌道を規制する規制部材と、加熱体と、加熱体を保持する加熱体保持部材と、フィルム体を介して加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、加圧ローラを回転させる駆動手段、とを有し、加圧ローラを回転させることによってフィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、内面層の規制部材と摺擦しない領域の周方向の十点平均表面粗さが2.5以上6.5μm未満、内面層の規制部材と摺擦する領域の周方向の十点平均表面粗さが0.1以上2.5μm未満であることを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、複合機、複写機、プリンタ、ファックス等の記録材上に画像形成可能な電子写真方式の加熱定着装置、および画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム上に形成された潜像を現像して可視画像化し、この可視画像(トナー像)を記録材に静電気力を用いて転写させ、次いで転写画像を熱により定着させることによって、前記記録材上に画像が記録形成されるようになっている。
これらの電子写真装置における定着装置においては、シート上にトナー画像を形成し、これを加熱、加圧して定着させることにより画像を形成している。このような定着装置として、熱伝達効率が高く、装置の立ち上がりが速く、加熱加圧時間を長くすることができる無端状のフィルムを定着部材に用いたフィルム式定着装置が提案されている(特許文献1〜3参照)。
近年、ランニングコストの低減や省エネルギーの観点から定着部材の長寿命化が求められている。定着部材の寿命低下の要因としては、回転による繰り返し曲げ応力の印加に伴う基材の破壊、張架ローラの無い自由回動のフィルムが端部の規制部材と強く接触することによって発生する基材端部の破壊、加熱冷却サイクルによる弾性層の劣化、および通過する記録媒体の端部に起因する表層の削れによる摩耗が挙げられる。この中でも特に、フィルムが端部の規制部材と強く接触することによって発生する基材端部の破壊は、定着部材の寿命低下に大きな影響を与える。
これらの対策として、特許文献4〜6に記載されるような技術を用い、基材端部の破壊を防止する提案がなされている。たとえば、特許文献4では、フランジにテーパー形状を設けてフランジ方向に寄らないようにする方法、特許文献5では、フランジがバイメタル状の構造になっていて、熱によって寄らないようにする方法、特許文献6では、フランジに自由回動するリングを敷設し、割れる方向の力が掛からないようにする方法等である。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開2004−341346号公報 特開2013−161029号公報 特開2006−65250号公報 特開2013−182110号公報
しかしながら、上記の発明には以下のような課題が挙げられる。例えば、特許文献4に記載される技術においては、加圧ローラの左右の圧力差や温度差等でアライメントが変化した場合、いつかは片側に寄ってしまう可能性がある。特許文献5に記載される技術においては、ある程度の押し付け力は緩和することができるが、押し付け力が所定以上になると基材の破壊が発生してしまう可能性がある。また、規制部材とフィルム基材端部の間での摩耗は止めることはできないため、端部削れが発生して破壊が発生する可能性がある。
特許文献6に記載される技術においては、固定されておらず自由回動するフランジを用いた定着装置であるが、この場合フィルム軌道の立ち上げ等の構造を作ることができず、基材に対しては効果があるが、画質や分離性等の弊害が発生する懸念がある。
また、本発明者が鋭意検討した結果、基材端部の割れが発生するまでには、
Step1:フランジ部でフィルム内面が削れる、
Step2:基材が削れる、
Step3:基材が割れる、
という複数の段階を経ていることが確認された。従って、Step1〜2のいずれかの段階で対応をすれば、Step3の基材割れを防ぐことができることを確認した。
上記の課題を解決するために、本発明者らが検討を重ねた結果、定着フィルム内面層の規制部材と摺動する領域と規制部材と摺動しない領域の形状、材質をそれぞれ制御することでトルクアップやスティックスリップを抑止し、また、基材割れを防ぐことができることを見出し、本発明に至った。要約すれば、本発明は以下の特徴を有する定着装置となる。
(特徴1)
少なくとも表層41a、基層41c、内面層41d、41eからなるフィルム体41と、前記フィルム体の内面と接して前記フィルム体の周回軌道を規制する規制部材47と、加熱体43と、加熱体を保持する加熱体保持部材46と、前記フィルム体41を介して前記加熱体43と圧接してニップ部を形成する加圧ローラ44と、加圧ローラ44を回転させる駆動手段、とを有し、加圧ローラ44を回転させることによって前記フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、
前記内面層の前記規制部材と摺擦しない領域41dの
周方向の十点平均表面粗さをRz 1が2.5以上6.5μm未満、
前記内面層の前記規制部材と摺擦する領域41eの
周方向の十点平均表面粗さをRz 2が0.1以上2.5μm未満、
であることを特徴とする定着装置。
(特徴2)
少なくとも表層41a、基層41c、内面層41d、41eからなるフィルム体41と、前記フィルム体の内面と接して前記フィルム体の周回軌道を規制する規制部材47と、加熱体43と、加熱体を保持する加熱体保持部材46と、前記フィルム体41を介して前記加熱体43と圧接してニップ部を形成する加圧ローラ44と、加圧ローラ44を回転させる駆動手段を有し、加圧ローラ44を回転させることによって前記フィルム体41を従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、
前記規制部材と摺擦しない領域41dは第一ポリイミド前駆体の硬化物を用い、前記フィルム体41の前記規制部材47と摺動する前記内面層41eは前記第一ポリイミド前駆体の硬化物よりも損失弾性率が大きい第二ポリイミド前駆体の硬化物を用いることを特徴とする。
(特徴3)
所定の焼成温度でのイミド化率が前記第一ポリイミド前駆体の硬化物>前記第二ポリイミド前駆体の硬化物であることを特徴とする特徴2に記載の定着装置。
(特徴4)
前記第一ポリイミド前駆体の硬化物は、前記第二ポリイミド前駆体の硬化物よりもガラス転移点が高いことを特徴とする特徴2、3に記載の定着装置。
(特徴5)
少なくとも表層41a、基層41c、内面層41d、41eからなるフィルム体41と、前記フィルム体の内面と接して前記フィルム体の周回軌道を規制する規制部材47と、加熱体43と、加熱体を保持する加熱体保持部材と、フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラ44と、加圧ローラを回転させる駆動手段を有し、加圧ローラを回転させることによって前記フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、
前記フィルム体で前記規制部材47と摺動しない部分にポリイミド層を、前記フィルム体で前記規制部材47と摺動する部分にダイヤモンドライクカーボン層を、設けることを特徴とする定着装置。
本発明に係る定着装置によれば、規制部材と定着フィルム内面の接触による削れを低減することにより、簡便で、かつ効果的に基材割れを抑制することが可能となる。
第一の実施例における画像形成装置の模式図である。 第一の実施例における定着装置の模式図である。 第一の実施例における定着フィルムの模式図である。 定着フィルムの端部基材割れのメカニズムを示す模式図である。 第一の実施例における定着フィルム内面層の塗工時に用いた塗工装置の模式図である。 第一の実施例における定着フィルム内面層の粗し工程の模式図である。 第三の実施例における定着フィルムの内面からみた模式図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1は本実施形態の画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、シートの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
図1に示すプリンタは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。感光ドラム11は、帯電器12によってあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって、潜像を形成されている。潜像は、現像器14によってトナー像になる。感光ドラム11のトナー像は、一次転写ブレード17によって、像担持体である例えば中間転写フィルム31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、シートPは、給紙カセット20、又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。レジストローラ対23は、シートPを一旦受け止めて、シートが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写フィルム31上のトナー像と同期を取って、シートを中間転写フィルム31と二次転写ローラ35との間に送り込む。中間転写フィルム上のカラーのトナー像は、転写体である例えば二次転写ローラ35によってシートPに転写される。その後、シートのトナー像は、シートが定着器40によって、加熱加圧されることでシートに定着される。
次に、本実施例で用いた定着装置について説明する。
図2は定着装置40の概略構成図で示されるようなフィルム加熱方式の加熱装置(テンションレスタイプ)を用いた。本実施例ではこのような加熱装置を用いたが、ローラ対方式ややフィルム方式の加熱装置でも実施可能である。
43は加熱体としてのとしてのセラミックヒーター(以下、ヒーターと記す)である。このヒータ43は図面に垂直方向を長手とする細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とするもので、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータである。また、記録材の長手幅サイズに応じて、通電領域を切り替える構成となっている。
41は熱を伝達する加熱部材としての円筒状(エンドレス)の耐熱性の定着フィルムであり、上記のヒータ43を含む支持部材にルーズに外嵌させてある。本実施例における定着フィルム41は図3に示すとおりであり、表層、弾性層、基層、内面層の4層複合構造を有した定着フィルムである。
なお、本実施例では弾性層有する定着フィルムに関する実施形態について説明するが、弾性層を有さない定着フィルムに関しても利用することは可能である。
離型層41aは厚さ100μm以下、好ましくは20〜70μmのフッ素樹脂材料を使用できる。たとえば、例えばフッ素樹脂層としては、例えばPTFE、FEP、PFAなどが挙げられる。本実施例では、厚さ30μmのPFAチューブを用いた。
弾性層41bは、熱容量を小さくしてクイックスタート製を向上させるために、厚さとしては1000μm以下、好ましくは500μm以下のゴム材料を使用できる。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率1.3W/m・K、厚さ300μmのシリコーンゴムを用いた。
基層41cも弾性層と同様にクイックスタート性を向上させるために、厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性材料を使用できる。例えば、SUS、ニッケルなどの金属フィルムを使用できる。ポリイミド等の耐熱樹脂を使用することもできる。本実施例では、厚さが30μm、直径が25mm、長手長さが330mmの円筒状ニッケル金属フィルムを用いた。
内面層41dは、ヒータと接しているため耐熱性を持つ樹脂層を使用できる。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)、四フッ化エチレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)などのエンジニアリングプラスティックなどが挙げられる。
本実施例では、ポリイミド樹脂を用いるが、ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体と、芳香族ジアミンとの略等モルを有機極性溶媒中で反応させて得られるポリイミド前駆体溶液を、基層41cの内周面に塗布、乾燥、加熱し、脱水閉環反応により形成される。
次に、上述のようなポリイミド樹脂についてより詳しく説明する。
第一ポリイミド前駆体及び第二ポリイミド前駆体は、それぞれ芳香族ポリイミド前駆体とすることが好ましい。このために、それぞれのポリイミド前駆体は、例えば、芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミンとからなる。
芳香族テトラカルボン酸の代表例としては次のようなものが上げられる。ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4‘−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4‘−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、などが挙げられる。これら芳香族テトラカルボン酸は、単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
塗工方法はリングコート法等の方法が可能である。
図5はリングコート法の塗工装置の概略図である。
基盤21上に支柱201、202が形成されている。塗工ヘッド22は、支柱201上に塗工ヘッド22が固定されており、塗工液供給装置が接続(不図示)されている。
支柱202には、円筒状基体24を保持するワークハンド25がワーク移動装置26形成されている。支柱202上に設けられたモータによりワーク移動装置26は、上下に移動することができ、ワーク移動装置の形成されたワークハンド25もワーク移動装置26の移動により上下に移動することができる。
塗工ヘッド22の外周囲に円柱の軸と直行するスリット(不図示)が形成されており、該スリット部から均等に異方性フィラーを配合したポリイミド前駆体溶液23が供給され、基層41cを塗工ヘッド22の外周に沿って移動させ、基層41cの内面の塗工を行なう。この装置において、摺動層の厚みは塗布量によって決定し、クリアランス、ポリイミド前駆体溶液23の供給速度、ワーク移動装置26の移動速度を変更することで任意の塗布量を得ることができる。
塗工後は、内面塗工された基層41cを、例えば60℃の熱風循環炉に30min放置乾燥後、基層41cの疲労強度を下げない温度範囲で熱風循環炉内に10〜60min放置焼成することにより、脱水閉環反応によりポリイミド内面層41dを形成することができる。上記の疲労強度を下げない温度範囲とは、基層41cの材料に寄っても異なるが、例えばニッケルであれば250℃程度となるし、SUSであれば400℃以上の温度で焼成してもよい。
基層41c自体にポリイミド樹脂を用いる場合に関しても、基本的には同様で、従来から知られた製造方法、すなわち、円筒状芯体の外面若しくは内面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、ポリイミド前駆体溶液の塗布層を乾燥後、芯体表面に付着した状態で加熱硬化(イミド化)するか、あるいは管状物としての構造を保持し得る強度まで固化した時点で、芯体表面から塗布層を取り外し、次の工程で加熱硬化する方法で作製可能である。
44は加圧部材としての耐熱性弾性加圧ローラであり、芯金と、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、あるいはシリコーンゴムの発泡体からなる弾性層からなり、芯金の両端部を回転自由に軸受け支持させて配設してある。この加圧ローラ44の上側に上記の定着フィルム41・ヒータ43を、ヒータ43側に対して加圧ローラ44に並行に配置し、不図示の押付部材で押圧させることで、定着フィルム41を介してヒータ43の下面と加圧ローラ44の上面にローラ弾性層の弾性に抗して圧接させて加熱部としての所定幅の定着ニップ部Tを形成させてある。
加圧ローラ44は不図示の駆動手段により矢印の反時計方向に所定の回転周速度にて回転駆動される。この加圧ローラ44の回転駆動による加圧ローラ44と定着フィルム41との、定着ニップ部Tにおける圧接摩擦力により円筒状の定着フィルム41に回転力が作用して該定着フィルム41がヒータ43の下向き面に密着して摺動しながら矢印の時計方向に従動回転状態になる。支持部材は円筒状定着フィルム41の回転ガイド部材でもある。
加圧ローラ44が回転駆動され、それに伴って円筒状定着フィルム41が従動回転状態になり、またヒータ43に通電がなされて該ヒータが迅速に昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Tの定着フィルム41と加圧ローラ44との間に未定着トナー像Tを担持した記録材Pが導入され、定着ニップ部Nおいて記録材Pのトナー像担持側面が定着フィルム41の外面に密着して定着フィルム41と一緒に定着ニップ部Tを挟持搬送されていく。
この挟持搬送過程においてヒータ43で加熱された定着フィルム41の熱により記録材Pが加熱され、記録材P上の未定着トナー像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Tを通過した記録材Pは定着フィルム41の面から曲率分離して排出搬送されていく。
45は接触式温度計(サーミスタ)であり、ヒータ43によって加熱された定着フィルム41の温度を計測し、その検出結果を不図示の温度制御手段に渡す構成となっている。46はヒーターホルダであり、高温に発熱したヒータ43を保持する部材である。
[定着フィルムの端部割れ発生のメカニズム]
次に、定着フィルムの端部割れ発生のメカニズムについて説明する。
図4は定着フィルム41と、定着フィルムの軌道を規制するフィルム規制部材47との関係を示した図である。
規制部材47は、定着フィルム内部に凸形状となっており、その形状によってフィルムの軌道を規制している。画質や分離性向上の観点からフィルム軌道を立ち上げ曲率制御を実施する場合は、特に規制部材に局所的な圧がかかってしまうことがある。
本発明者が、基材端部の割れ発生について詳細に検討した結果を以下に示す。
(Step1)
フィルム規制部材47が定着フィルム41の最内面の内面層41eを削る。
(Step2)
定着フィルム41の最内面の内面層41eが削れ切られると、次に基層41cを削る。
(Step3)
定着フィルム41の基層41cが削られて、ある厚み以下になると基材割れが発生する。
このように、定着フィルム端部が削れることを発端として、最終的な基材割れが発生していることが確認できた。
[実施例1]
本発明の第一の実施例について説明を行う。本実施例では、図3に示されるような定着フィルムを用いた。ここで、定着フィルム41の内面層の形状について図7を用いて説明する。図7は、定着フィルム41の内面から見た図である。
本実施例で用いた定着フィルムの内面層は、定着フィルムのスラスト方向中央部であり、フィルム規制部材と摺擦しない部分に対応する領域の内面層41dの周方向の十点平均表面粗さRz 1が2.5以上6.5μm未満、定着フィルムのスラスト方向端部でありのフィルム規制部材と摺擦する部分に対応する領域の内面層41eの周方向の十点平均表面粗さRz 2が0.1以上2.5μm未満であることを特徴としている。ここでいうフィルム規制部材と摺擦する部分に対応する領域とは、フィルムの寄りを考慮されており、おおよそ規制部材幅±5mm程度の範囲である。
このような関係とすることで、ニップ部に相当するスラスト方向中央部では、セラミックヒータ43などの摺擦部材との接触面積を減少させることができると共に、潤滑剤が凹凸の凹部に保持されるため、耐摩耗性を向上することができ、長期に渡ってトルクアップやスティックスリップを抑制できる。規制部材と摺動するスラスト方向端部では、局所的に圧力が高くなっている箇所も存在するため、表面は平滑であることが肝要である。表面に凹凸構造があると、微小な突起部などが起点となって、逆に削れが促進されてしまうため、基材割れに繋がる可能性がある。
本実施例では、上記したように内面層41dはスティックスリップ抑制のために粗面化されており、内面層41eは摩耗抑制のために粗面化されておらず平滑になっている定着フィルムを用いた。この時の表面粗さはRz1が4.5μmでRz2が1.0μmであった。
ここで、図6を用いて定着フィルム41の内面に粗面化領域41dを形成する手順の一例を説明する。
まず、定着フィルム41の規制部材当接する箇所よりも長手中央側の位置の内面に、表面に研摩紙50を張り付けた丸棒を当接させる。ここで、定着フィルム41は上端が爪(不図示)によって固定されており、定着フィルム41と研摩紙30を張り付けた丸棒は、当接した状態のまま、相対的に回転および上下移動可能となっている。
本実施例においては、図6のように、定着フィルム41に研摩紙50を当接させた後、研磨紙50を上下に往復させることで、長手方向に溝形状の粗面化領域41dが形成される。その後、定着フィルム41の位相を変え、同様の工程を行っていき、最終的に周方向全体の、粗面化領域が形成される。なお、定着フィルム41と、研摩紙50を張り付けた丸棒の当接圧、移動回数、研摩紙50の番手、などによって表面粗さを制御することも可能である。次に、本実施例と従来例の比較実験を行った。
本実施例の比較例1としては、中央部および端部の内面全体に粗面化領域を形成し、Rzが4.5μmとなっている定着フィルムを、比較例2としては粗面化領域を形成せずポリイミド塗布後の平滑な状態のままにし、Rzが1.0μmとなっている定着フィルムを用いた。
次に、実験条件について説明する。
本実験では、図2に示される定着装置を用いた。また実験条件としては、加圧力を総圧で250N、加圧ローラの回転速度を200mm/sとし、記録材と接触する領域の定着フィルム外周温度が150℃となるように制御した。記録材としてCS−814(日本製紙(株)社製)を用いた。その際に、端部摩耗による基材割れまでの耐久枚数を耐久寿命とした。また、本実験中に加圧ローラの回転駆動トルクの計測、および端部摩耗以外の要因による基材破損(ねじれ等)も確認した。その結果をまとめると、以下の通りとなる。
比較例1では、35万枚で基材割れが発生した。これは、ポリイミド層とフィルム規制部材とが摺動することによってポリイミド層が削れて基材が露出し、さらに基材が削られることにより発生したと考えられる。すなわち、図4のSTEP1〜2を防ぐことができなかったため、基材割れが発生したといえる。
また、比較例2では、STEP1、2の現象は軽微であったが、ニップ部においてスティックスリップ現象を起こし、20万枚通紙したところで異音を発生させてしまった。
これに対し、本実施例では、60万枚までフィルム規制部材と接する部分での基層の割れ発生が見られず、その時点においては異音の発生も観測されなかった。従って、本発明によって、規制部材と定着フィルム内面の接触による削れの低減と異音の低減を両立することが可能となった。
[実施例2]
次に、本発明の第二の実施例について説明を行う。
本実施例では、図3に示されるような定着フィルムを用いた。ここで、定着フィルム41の内面層の形状について図7を用いて説明する。
図7は定着フィルム41の内面から見た図である。
本実施例で用いた定着フィルムの内面層は、定着フィルムのスラスト方向中央部でありヒータと接している内面層41dと、定着フィルムのスラスト方向端部でありフィルム規制部材と接している内面層41eが、異なる物性を有するポリイミドで構成されている。本実施例では、内面層41dとして第一ポリイミド前駆体を用い、内面層41eとして第二ポリイミド前駆体を用いている。
[第一ポリイミド前駆体]
第一ポリイミド前駆体としては、低い焼成温度でもイミド化率が高くなる構造のポリイミドが適している。このようなポリイミド樹脂としては、芳香族ジアミンのベンゼン環の間にエーテル結合やカルボニル結合などをはさみ、流動性を持たせるとともにイミド基の濃度を下げることが有効である。本実施形態では、上述の芳香族テトラカルボン酸として3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとして4,4‘−ジアミノジフェニルエーテルとからなるポリイミド前駆体溶液を第一ポリイミド前駆体として扱う。この構成からなるポリイミド前駆体は250℃で焼成した場合、イミド化率は95〜100%の値を示す。
[第二ポリイミド前駆体]
第二ポリイミド前駆体としては、低い焼成温度ではイミド化率が低いままでいることが要求される。このようなポリイミド樹脂としては、結晶性が高く、イミド基の濃度が高いものが適しているので、芳香族ジアミンのベンゼン環の間には脂肪族のC−H基などは出来るだけ少ない方がよい。
本実施形態では、上述の芳香族テトラカルボン酸として3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン又はベンジジンなどからなるポリイミド前駆体溶液を第二ポリイミド前駆体として扱う。これらの構成からなるポリイミド前駆体は250℃で焼成した場合、イミド化率は70〜93%の値を示す。これら芳香族ジアミンは、単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
ポリイミドのような粘弾性物質は、ガラス転移点を超える温度領域において貯蔵弾性率(E’)が減少し、損失弾性率(E”)が増加する。一般的にイミド化率が上昇するとガラス転移点(tg)が上昇することが知られている。例えば、U−ワニスS(宇部興産株式会社製)を前駆体として用いて、イミド化率を95〜100%の状態になるように作製したポリイミドのTg1は359℃となっている。これに対して、イミド化率が70〜93%の状態になるように作製したポリイミドのTg2は210℃となっている。
イミド化率が95〜100%の状態で作製したポリイミドのTg1は画像形成装置稼働時の定着装置の定着フィルムの表面温度(所定温度)と比較すると高い数値である。このため、第一ポリイミドで内面層41dを形成した場合には、定着装置の実使用条件下の温度では、内面層41dはガラス転移点に達しない。従って、貯蔵弾性率が高い状態を保ち、剛直であるため、耐摩耗性に富むが、損失弾性率が低いので、スティックスリップのような自励振動を抑制する効果が小さくなってしまう。
一方、イミド化率が70〜93%の状態で作製したポリイミドのTg2は、上述の所定温度と近郊する温度となるため、第二ポリイミドで内面層41dを形成した場合には、実使用条件下で摺擦層はガラス転移点付近の温度領域となっている。従って、貯蔵弾性率が低い状態であるので、耐摩耗性には乏しいが、損失弾性率が高くなるため、スティックスリップを抑制する効果が大きくなる。したがって、内面層41dとしては第二ポリイミド前駆体を用いることが望ましい。
逆に、フィルム規制部材47に対向する位置では、摩耗からの割れを抑制するための耐摩耗性がより求められることから、内面層41eとしては第一ポリイミド前駆体を用いることが望ましい。なお、上述のポリイミド樹脂層は、二硫化モリブデンなどの無機フィラーを含有してもよい。このように無機フィラーを含有させることで、表面が粗くなり、セラミックヒータ43などの摺擦部材との接触面積を減少させることができると共に、無機フィラーが個体潤滑剤として作用する。この結果、耐摩耗性を向上させられ、また、スティックスリップをより抑制できる。
本実施例では、上記したように内面層41dはスティックスリップ抑制のために第二ポリイミド前駆体を用い、内面層41eは摩耗抑制のために第一ポリイミド前駆体を用いて、リングコート法を用いて基層41cの内面にポリイミド樹脂層を形成した。
まず、ヒータと接している内面層41dに対応する領域(本実施例では310mm幅)にリングコート法を用いて第二ポリイミド前駆体を塗布し、60℃の熱風循環炉に30min放置乾燥する。さらに、規制部材47に対応する領域(本実施例では両端部10mm幅)にリングコート法を用いて第一ポリイミド前駆体を塗布し、60℃の熱風循環炉に30min放置乾燥する。その後、ニッケル金属の疲労強度が低下しない温度である250℃で焼成することで、内面層41dと41e両方の加熱硬化(イミド化)を促進する。
これ以外にも、第二ポリイミド前駆体を全域に塗工・乾燥した後に、端部領域にのみ第一ポリイミド前駆体を塗工・乾燥し、その後加熱硬化する手法も挙げられる。
次に、本実施例と従来例の比較実験を行った。本実施例の比較例1としては、中央部および端部の内面全体に第二ポリイミド前駆体を形成した定着フィルムを、比較例2としては中央部および端部の内面全体に第一ポリイミド前駆体を形成した定着フィルムを用いた。
次に、実験条件について説明する。
本実験では、図2に示される定着装置を用いた。また実験条件としては、加圧力を総圧で250N、加圧ローラの回転速度を200mm/sとし、記録材と接触する領域の定着フィルム外周温度が150℃となるように制御した。記録材としてCS−814(日本製紙(株)社製)を用いた。その際に、端部摩耗による基材割れまでの耐久枚数を耐久寿命とした。また、本実験中に加圧ローラの回転駆動トルクの計測、および端部摩耗以外の要因による基材破損(ねじれ等)も確認した。その結果をまとめると、以下の通りとなる。
比較例1では、30万枚で基材割れが発生した。これは、ポリイミド層とフィルム規制部材とが摺動することによってポリイミド層が削れて基材が露出し、さらに基材が削られることにより発生したと考えられる。すなわち、図4のSTEP1〜2を防ぐことができなかったため、基材割れが発生したといえる。また、比較例2では、STEP1、2の現象は軽微であったが、ニップ部において第一ポリイミド前駆体からなる内面摺動層がヒータと摺動することで、スティックスリップ現象を起こし、35万枚通紙したところで異音を発生させてしまった。
これに対し、本実施例では、60万枚までフィルム規制部材と接する部分での基層の割れ発生が見られず、その時点においては異音の発生も観測されなかった。
従って、本発明によって、規制部材と定着フィルム内面の接触による削れの低減と異音の低減を両立することが可能となった。
[実施例3]
次に、本発明の第三の実施例について説明を行う。
本実施例では、図3に示されるような定着フィルムを用いた。ここで、定着フィルム41の内面層の形状について図7を用いて説明する。
図7は定着フィルム41の内面から見た図である。
本実施例で用いた定着フィルムの内面層は、定着フィルムのスラスト方向中央部でありヒータと接している内面層41dと、定着フィルムのスラスト方向端部でありフィルム規制部材と接している内面層41eが、異なる材料で構成されている。
具体的には、内面層41dはポリイミド、内面層41eはダイヤモンドライクカーボン(以下DLCと呼ぶ)から構成されている。DLCとしては、水素化アモルファスカーボン(a-CH)、テトラヘドラルアモルファス カーボン(ta-C)、ta-Cを様々な原子で修飾したDLC材料が用いられるが、本実施例では、耐摩耗性と摺動性に優れているta-Cを用いた。製膜法としては、黒鉛を原料としてアークイオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、物理蒸着法等が用いられるが、本実施例では、物理蒸着法を採用し、膜厚は4μmとした。
次に、本実施例と従来例の比較実験を行った。本実施例で用いた定着フィルムの内面形成方法は、以下に示す通りである。まず、定着フィルムの端部をシールした状態で、定着フィルムのヒータと接触する中央部分の内面へポリイミドワニス(宇部興産製)を塗布し、280℃で焼成してポリイミド層を形成した。その後、端部のシール部分を外し、内面端部に物理蒸着法によってta-Cをコーティングした。また、本実施例の比較例1としては、中央部および端部の内面全体にポリイミド層を形成した定着フィルムを、比較例2としては中央部および端部の内面全体にta-Cコーティングを行った定着フィルムを用いた。
次に、実験条件について説明する。
本実験では、図2に示される定着装置を用いた。また実験条件としては、加圧力を総圧で250N、加圧ローラの回転速度を200mm/sとし、記録材と接触する領域の定着フィルム外周温度が150℃となるように制御した。記録材としてCS−814(日本製紙(株)社製)を用いた。その際に、端部摩耗による基材割れまでの耐久枚数を耐久寿命とした。また、本実験中に加圧ローラの回転駆動トルクの計測、および端部摩耗以外の要因による基材破損(ねじれ等)も確認した。その結果をまとめると、以下の通りとなる。
比較例1では、30万枚で基材割れが発生した。これは、定着フィルム内面のポリイミド層とフィルム規制部材が摺動することによってポリイミドの摩耗粉が生成し、その摩耗粉によって基材が削られることにより発生したと考えられる。すなわち、図4のSTEP1、2を防ぐことができなかったため、基材割れが発生したといえる。また、比較例2では、STEP1、2の現象は発生していなかったが、35万枚の時点で回転摺動トルクが上昇し、それにより基材がねじれて破損してしまった。この破損の要因としては、ta-Cコーティングがポリイミドと比較して潤滑剤の濡れ性が低いことが挙げられる。
これにより、フィルム内面全体がta-Cコーティングされているとヒータとフィルムの間へのグリスの搬送量が低下することで、摺動トルクが上昇してしまい、基材への負荷が大きくなることで破損が起きていることを示している。
これに対し、本実施例では、フィルム規制部材と接する部分でのポリイミド摩耗粉の発生もなく、また、ヒータと接触している部分での潤滑剤の濡れ性低下もなかった。これにより、長期に亘って基材破損が無く、回転摺動トルクに伴う破損も発生しないことが確認できた。従って、本発明によって、規制部材と定着フィルム内面の接触による削れを低減することにより、簡便で、かつ効果的に基材割れを抑制することが可能となった。
10 画像形成部、11 感光ドラム、12 帯電器、13 レーザスキャナ、
14 現像器、15 クリーナ、17 一次転写ブレード、20 給紙カセット、
25 マルチ給紙トレイ、23 レジストローラ対、31 中間転写フィルム、
35 二次転写ローラ、40 定着器、41 定着フィルム、41a 表層、
41b 弾性層、41c 基層、41d 内面層(規制部材と摺動しない領域)、
41e 内面層(規制部材と摺動する領域)、43 加熱体、44 加圧ローラ、
45 接触式サーミスタ、46 ヒーターホルダ、47 フィルム規制部材

Claims (5)

  1. 少なくとも表層41a、基層41c、内面層41d、41eからなるフィルム体41と、前記フィルム体の内面と接して前記フィルム体の周回軌道を規制する規制部材47と、加熱体43と、加熱体を保持する加熱体保持部材46と、前記フィルム体41を介して前記加熱体43と圧接してニップ部を形成する加圧ローラ44と、加圧ローラ44を回転させる駆動手段、とを有し、加圧ローラ44を回転させることによって前記フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、
    前記内面層の前記規制部材と摺擦しない領域41dの
    周方向の十点平均表面粗さをRz 1が2.5以上6.5μm未満、
    前記内面層の前記規制部材と摺擦する領域41eの
    周方向の十点平均表面粗さをRz 2が0.1以上2.5μm未満、
    であることを特徴とする定着装置。
  2. 少なくとも表層41a、基層41c、内面層41d、41eからなるフィルム体41と、前記フィルム体の内面と接して前記フィルム体の周回軌道を規制する規制部材47と、加熱体43と、加熱体を保持する加熱体保持部材46と、前記フィルム体41を介して前記加熱体43と圧接してニップ部を形成する加圧ローラ44と、加圧ローラ44を回転させる駆動手段を有し、加圧ローラ44を回転させることによって前記フィルム体41を従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、
    前記規制部材と摺擦しない領域41dは第一ポリイミド前駆体の硬化物を用い、前記フィルム体41の前記規制部材47と摺動する前記内面層41eは前記第一ポリイミド前駆体の硬化物よりも損失弾性率が大きい第二ポリイミド前駆体の硬化物を用いることを特徴とする定着装置。
  3. 所定の焼成温度でのイミド化率が前記第一ポリイミド前駆体の硬化物>前記第二ポリイミド前駆体の硬化物であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記第一ポリイミド前駆体の硬化物は、前記第二ポリイミド前駆体の硬化物よりもガラス転移点が高いことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の定着装置。
  5. 少なくとも表層41a、基層41c、内面層41d、41eからなるフィルム体41と、前記フィルム体の内面と接して前記フィルム体の周回軌道を規制する規制部材47と、加熱体43と、加熱体を保持する加熱体保持部材と、フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラ44と、加圧ローラを回転させる駆動手段を有し、加圧ローラを回転させることによって前記フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、
    前記フィルム体で前記規制部材47と摺動しない部分にポリイミド層を、前記フィルム体で前記規制部材47と摺動する部分にダイヤモンドライクカーボン層を、設けることを特徴とする定着装置。
JP2016113127A 2016-06-07 2016-06-07 定着部材、および加熱定着装置 Pending JP2017219662A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016113127A JP2017219662A (ja) 2016-06-07 2016-06-07 定着部材、および加熱定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016113127A JP2017219662A (ja) 2016-06-07 2016-06-07 定着部材、および加熱定着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017219662A true JP2017219662A (ja) 2017-12-14

Family

ID=60656156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016113127A Pending JP2017219662A (ja) 2016-06-07 2016-06-07 定着部材、および加熱定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017219662A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11262680B2 (en) * 2020-04-21 2022-03-01 Canon Kabushiki Kaisha Heat fixing device, electrophotographic image forming apparatus, and laminated structural body

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11262680B2 (en) * 2020-04-21 2022-03-01 Canon Kabushiki Kaisha Heat fixing device, electrophotographic image forming apparatus, and laminated structural body

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5825545B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6173040B2 (ja) 定着ベルトおよび定着装置
JP5034478B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6214300B2 (ja) 定着用部材の製造方法及び製造装置
US20140105659A1 (en) Heating belt
JP2004144833A (ja) 加熱装置
JP2008275859A (ja) 像加熱装置
JP6684462B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2011075816A (ja) 無端定着ベルト及び加熱定着装置
JP2014191023A (ja) 無端ベルト、定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP2017219662A (ja) 定着部材、および加熱定着装置
JP2013161029A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2020134744A (ja) 像加熱装置および画像形成装置
JP7163220B2 (ja) 定着部材及び加圧部材の製造方法
JP6004893B2 (ja) 基材へのチューブ被覆方法
JP2005077847A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6071424B2 (ja) 基材へのチューブ被覆方法
US20230051709A1 (en) Fixing film
WO2011039975A1 (ja) エンドレス金属ベルト、電子写真用エンドレスベルト、定着装置および電子写真画像形成装置
US10859955B2 (en) Image heating member having a parting layer formed of a fluorine-containing resin tube, image heating apparatus and manufacturing method of the image heating member
JP2017161864A (ja) 画像加熱装置
JP2004170859A (ja) 弾性ローラ、定着部材及びその製造方法
JP2019028273A (ja) 定着装置
JP5041968B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2018054648A (ja) 定着部材、および加熱定着装置