JP2008275859A - 像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱回転体表面の加熱を開始する加熱回転体立ち上げの高速化と加熱回転体立ち上げ時の回転トルクの低減を可能とする像加熱装置の提供
【解決手段】少なくとも空泡を含有する断熱弾性層12と最表層に熱伝導性の離型性層11とを有する加熱回転体10と、前記加熱回転体表面を外側から加熱する加熱源31と、前記加熱回転体表面に対し加圧され、前記加熱回転体表面と接触してニップ部Fを形成する加圧部材20と、を有し、前記ニップ部で記録材Pを挟持搬送しつつ前記加熱回転体の熱により記録材上の像tを加熱する像加熱装置において、前記加熱回転体表面に対する前記加圧部材の加圧力を可変する圧調整手段50を有し、前記圧調整手段によって、少なくとも前記加熱回転体表面の加熱を開始するときは前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときよりも加圧力が低減されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンターなどの画像形成装置に搭載する加熱定着装置(定着器)として用いれば好適は像加熱装置に関する。
電子写真式の複写機、プリンターなどの画像形成装置に搭載する加熱定着装置として、定着ローラと、定着ローラと接触してニップ部を形成する加圧部材と、定着ローラを外部から加熱する加熱源と、を有するものがある(特許文献1)。この定着装置は、ニップ部で記録材を搬送挟持しつつ記録材上に未定着トナー画像を加熱定着する。このように定着ローラを外部から加熱する接触外部加熱方式の定着装置は、消費電力の低減、ウエイトタイムとファーストプリントアウトタイムの短縮、プロセススピードの高速化、高画質化を同時に実現することができる。
図17に従来の接触外部加熱方式の定着装置の一例を示す。
定着ローラ10は、アルミニウムやステンレス製の芯金13の外部に断熱弾性層12を形成し、その弾性層12の外周面にはトナーのオフセットを防止するためのフッ素樹脂等に熱伝導フィラーを混入させ熱伝導率を高めた離型性層11が形成されている。弾性層12としては、オルガノポリシロキサン組成物に中空フィラーを配合した配合物、あるいは、オルガノポリシロキサン組成物に吸水性ポリマーおよび水を配合した配合物を形成後に焼成および硬化して形成される弾性層が用いられる。あるいはシリコーンゴムを発泡してなるスポンジ弾性層が用いられる。
加圧部材は、定着ローラ10と同様の加圧ローラ20を用いている。その加圧ローラ20は、定着ローラ10の外周面(表面)と加圧された状態に接触してニップ部(定着ニップ部)Fを形成している。
加熱源30は、低熱容量の平板形状の加熱用ヒータ31である。そのヒータ31は、定着ローラ10の外周面(表面)と加圧された状態に接触して加熱ニップ部Hを形成し、該加熱ニップ部Hで定着ローラ10表面を加熱する。定着ローラ10表面の温度は、サーミスタ等の温度検知手段34を用いて検知され、不図示の通電制御回路により温度検知手段34で検知される定着ローラ10表面温度が一定になるように加熱ヒータ31への通電を制御している。
上記のような接触外部加熱方式の定着装置では、弾性層12を有する定着ローラ10を用いている。そのため、定着ローラ10表面で未定着トナー画像tを包み込むことで記録材P及び未定着トナー画像tへの熱の伝達効率が高く、高速の画像形成装置や、カラートナーを用いた画像形成装置でも充分な定着性を得ることができる。また、ハーフトーン画像などでのガサツキも抑えることができる。
定着ローラ10は、弾性層12の外側に高熱伝導の離型性層11を有しているために、ヒータ31との組み合わせにより、熱を定着ローラ10内部に逃がすことなく定着ローラ10表面のみを急速加熱することができる。そのため、定着ローラ10表面を迅速に所要の温度に加熱して立ち上げることが可能であり、また立ち上げ時に必要な電力の削減も可能となる。また、定着ローラ10表面の温度をモニターし温調制御することで、迅速な温調制御が可能である。そのため、記録材Pを定着ニップ部Fに導入すること(以下、通紙と記す)によって奪われた熱エネルギー分のみを素早く供給することができ、通紙中の消費電力も低減することが可能である。
以上のように、接触外部加熱方式の定着装置では、消費電力の低減、ファーストプリントアウトタイムの短縮(クイックスタート性)、プロセススピードの高速化、高画質化を同時に達成することが可能である。
特開2003−287978号公報
接触外部加熱方式の定着装置においては、定着ローラ表面の加熱を開始する定着ローラ立ち上げ時に、加圧ローラは定着ニップ部において定着ローラ表面に所定の加圧力がかけられたままになっているために、定着ローラの弾性層による効果が低下する恐れがある。その場合、熱が定着ローラの内部に逃げてしまい、定着ローラ表面の立ち上げ速度を低下させてしまうといった課題がある。また、定着ローラは加熱ニップ部でヒータから、定着ニップ部で加圧ローラから、それぞれ加圧力を受けるために、特に定着ローラ立ち上げ時に、定着ローラを回転させるトルクが高くなってしまうといった課題がある。
定着ローラ表面の立ち上げ速度を低下させてしまう課題について詳しく述べる。
接触外部加熱方式では、定着ローラは、無数の空泡を有する断熱弾性層と、熱伝導性を有する離型性層と、を有し、その定着ローラ表面を平板状の加熱用ヒータで接触加熱する。これにより、ヒータからの熱は弾性層の断熱効果により定着ローラの芯金に逃げることなく定着ローラ表面のみを加熱できることから、高速立ち上げ、低消費電力を実現している。
ところが、定着ローラ立ち上げ時にも定着ニップ部に所定の加圧力がかけられているために、定着ローラの弾性層は定着ニップ部で強く圧縮され、これによって断熱効果を発揮する弾性体内の空泡が潰されてしまう。その結果、図18に示すように定着ニップ部付近で弾性層の断熱効果は低下し、定着ローラ表層の熱が定着ローラ内部の芯金に流れ込んでしまう経路を生じさせてしまう。そのため、熱を定着ローラの立ち上げのみに使うことができなくなってしまい、定着ローラの立ち上げの速度を低下させてしまっていた。また、定着ローラ立ち上げ時にも加圧ローラとは十分な定着ニップ幅を有してしまうために、ヒータからの熱が加圧ローラに流出してしまい、効率的に定着ローラの立ち上げを行うことができてはいなかった。
もう一つの課題である定着ローラ立ち上げ時の定着ローラ回転トルクの上昇について詳しく述べる。
接触外部加熱方式で省電力化を実現するためには平板状の加熱用ヒータから定着ローラへの熱伝達効率を高め、かつ定着ニップ部において記録材上の未定着トナー像を効果的に加熱定着する必要がある。そのためには十分な加熱ニップ幅と定着ニップ幅が必要であることから、加熱用ヒータ/定着ローラ間と定着ローラ/加圧ローラ間にはそれぞれ所定の加圧力がかけられている。ここで画像形成装置が長時間休止していて定着ローラが冷却された状態にある場合には、定着ローラの加熱ニップ部と定着ニップ部に所定の加圧力がかけられたまま静止しているため、弾性層はそのニップ部と対応する箇所で変形を生じたまま収縮してしまう。このような状態から画像形成を開始し、定着ローラを加熱しながら回転させようとした場合、定着ローラは変形を有した状態で加熱用ヒータと加圧ローラに押さえつけられながら回転するために、定着ローラの変形に応じてトルクは大きく変動をしてしまう。
図19に定着ローラの弾性層が収縮した状態で定着ローラを回転させた場合の駆動トルク推移のイメージ図を示す。
定着ローラが加熱されると、弾性層が膨張することで変形は徐々に緩和し、立ち上げ後所定の温度に達する頃には定着ローラの変形はほぼ解消するようになるため、トルクは徐々に安定して推移するようになる。トルクが大きく振れてしまうのは定着ローラ立ち上げ開始直後で、定着ローラが十分に加熱されていない時である。
上記の大きなトルク変動によって定着ローラ或いは加圧ローラの駆動モータには大きな負担がかかってしまう。そのため、定着ローラの回転駆動に必要な電力が大きくなってしまったり、大型のモータが必要になってしまっていた。
本発明は、上記の従来技術を更に発展させたものである。そこで、本発明の目的は、クイックスタート性や低消費電力、高速、高画質といった優れた性能を維持しつつ、加熱回転体表面の加熱を開始する加熱回転体立ち上げの高速化と加熱回転体立ち上げ時の回転トルクの低減を可能とする像加熱装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための構成は、少なくとも空泡を含有する断熱弾性層と最表層に熱伝導性の離型性層とを有する加熱回転体と、前記加熱回転体表面を外側から加熱する加熱源と、前記加熱回転体表面に対し加圧され、前記加熱回転体表面と接触してニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ前記加熱回転体の熱により記録材上の像を加熱する像加熱装置において、
前記加熱回転体表面に対する前記加圧部材の加圧力を可変する圧調整手段を有し、前記圧調整手段によって、少なくとも前記加熱回転体表面の加熱を開始するときは前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときよりも加圧力が低減されていることを特徴とする。
また、導電性を有する可撓性部材と、少なくとも空泡を含有する断熱弾性層と最表層に熱伝導性の離型性層とを有する加熱回転体と、前記可撓性部材を挟んで前記加熱回転体表面を外側から加熱する加熱源と、前記加熱回転体表面に対し加圧され、前記加熱回転体表面と接触してニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ前記加熱回転体の熱により記録材上の像を加熱する像加熱装置において、
前記加熱回転体表面に対する前記加圧部材の加圧力を可変する圧調整手段を有し、前記圧調整手段によって、少なくとも前記加熱回転体表面の加熱を開始するときは前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときよりも加圧力が低減されていることを特徴とする。
本発明によれば、クイックスタート性や低消費電力、高速、高画質といった優れた性能を維持しつつ、加熱回転体表面の加熱を開始する加熱回転体立ち上げの高速化と加熱回転体立ち上げ時の回転トルクの低減を可能とする像加熱装置を提供することができる。
本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
(1)画像形成装置例
図10は本発明に係る像加熱装置を加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真プロセスを用いたレーザープリンタであり、ホストコンピュータ等の不図示の外部機器より入力する画像情報に応じた画像を記録材上に形成して出力する。
本実施例に示すプリンタは、外部機器から出力されるプリントスタート信号に基づいて像担持体であるドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)101が矢印方向に所定の速度で回転駆動される。回転する感光ドラム101はその外周面(表面)が帯電器102により所定の極性・電位に一様に帯電される。その一様帯電面に対して、多面体ミラー103a、多面体ミラー回転用モータ(不図示)、レーザーユニット(不図示)等がユニット化されて構成されているレーザースキャナユニット103により画像情報の書き込みがなされる。レーザースキャナユニット103は、外部機器からプリンタに入力した画像情報の時系列電気デジタル画素信号に応じて変調されたレーザー光Lを出力して、該レーザー光Lにより感光ドラム1の帯電処理面を走査露光する。これにより、感光ドラム101表面に画像情報の静電潜像が形成される。その静電潜像は現像器104により現像剤(トナー)を用いてトナー画像として現像される。そして、そのトナー画像が感光ドラム101表面と転写ローラ105の外周面(表面)との圧接部である転写ニップ部において記録材(転写用紙、OHPシートなど)Pの面上に順次に転写されていく。記録材分離後の感光ドラム表面はクリーナー106により転写残留トナー等の残存付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。以上が画像形成部の構成である。本実施例のプリンタは、感光ドラム101と、帯電器102と、現像器104と、クリーナー106と、を一体化してプロセスカートリッジ107としている。そしてそのカートリッジ107はプリンタの筐体を構成するプリンタ本体100に対して着脱可能である。
記録材Pは給送トレイ108のシート積載台108a上に積載して載置されている。その記録材Pは、所定の制御タイミングで駆動される給送ローラ109により最上位の記録材Pから一枚ずつピックアップされ、搬送ローラ110と搬送コロ110aによってレジスト部へと送られる。レジスト部は、レジストローラ111と、レジストコロ111aと、を有する。そしてレジスト部は、記録材Pの先端をレジストローラ111とレジストコロ111a間のニップ部で一旦受け止めて記録材Pの斜行矯正を行い、所定の制御タイミングでその記録材Pを転写ニップ部へ給送する。
転写ニップ部でトナー画像の転写を受けた記録材Pは感光ドラム101表面から分離されて、定着装置112へ搬送される。記録材分離後の感光ドラム表面はクリーナー106により転写残留トナー等の残存付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
定着装置112は記録材P上の未定着トナー画像を永久固着画像として加熱定着する。定着装置112を出た記録材Pは、中間排出ローラ113、排出ローラ114などを有する排出ユニットにより排出トレイ115上に排出される。
また、プリンタ本体100には冷却ファン116が設けられている。このファン116は、適宜回転され、外気をプリンタ本体100内に取り込んで画像形成部、電装基板等の昇温箇所を冷却する。冷却ファン116の近傍には、サーミスタ等の温度検知手段117が設けられ、ファン116によって機外の空気を取り込んだ際に、プリンタが設置されている環境の温度を検知する。そして、その検知結果を定着装置112の温度制御シーケンスにフィードバックしている。
(2)定着装置
図1は定着装置112の一例の横断側面模型図である。図2は図1の定着装置112の縦断側面模型図である。図3は図1の定着装置112を記録材 Pの導入側から見た正面図である。
定着装置112は、定着ローラ(加熱回転体)10と、定着ローラ10と接触してニップ部(定着ニップ部)Nを形成する加圧ローラ(加圧部材、加圧回転体)と、定着ローラ10の外周面(表面)を外側から加熱する加熱部材(加熱手段)30と、を有する。また、定着装置112は、定着ローラ10表面(加熱回転体表面)に対する加圧ローラ20の加圧力を可変する圧調整機構(圧調整手段)50と、定着ローラ10表面の温度を検知するサーミスタ等の温度検知素子(温度検知手段)34と、を有する。
a)定着ローラ
定着ローラ10は、丸軸状の芯軸部13を有する。芯軸部13は、アルミ、鉄、或いは高強度、低熱容量で断熱効果の高いセラミック多孔質体等の材料により形成されている。
芯軸部13の外周には断熱弾性層12を有する。弾性層12は、シリコーンゴム組成物である、オルガノポリシロキサン組成物100重量部に平均粒径が300μm以下の中空フィラーを0.1〜200重量部、白金化合物触媒のような硬化触媒を配合した配合物を形成後に加熱成形されたものである。ここで、中空フィラーとしては、硬化物内に気体部分(空泡)を持つことでスポンジゴムのように熱伝導率を低下させるもので、マイクロバルーン材等がある。このような材料としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーン、フェノールバルーン、アクリロニトリルバルーン、塩化ビニリデンバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンなど、いかなるものでもかまわない。
弾性層12を形成するシリコーンゴム組成物としては、上記の中空フィラーを添加する他に吸水性ポリマーおよび水を添加する方法がある。シリコーンゴム組成物は、オルガノポリシロキサン組成物100重量部に吸水性ポリマーを0.1〜50重量部、水を10〜200重量部、白金化合物触媒のような硬化触媒、SiHポリマーのような架橋剤を添加した組成物を形成後、加熱成形したものである。ここで、シリコーンゴム組成物は、その硬化物(シリコーンゴム)の熱伝導度が0.2W/m・K以下、特に0.15W/m・K以下であることが好ましく、かかる熱伝導度を達成するように配合組成を調整することが好ましい。
また、上記以外の弾性層12としては発泡シリコーンゴムを用いても良い。この場合、画像形成装置としては低速のプロセススピードが適している。発泡シリコーンゴムは、微小かつ均一なセル(空泡)の形成が困難なため、発泡シリコーンゴム中のセル径は不均一に成形されやすく、セルの壁厚も不均一で強度のバラツキが大きい。そのため、定着ニップ部、加熱ニップ部における強い加圧力での圧縮とそれ以外の部分での開放を高速で繰り返し続けられると強度の弱いセル壁が破れ、破泡に至る可能性がある。破泡を防止するために、加圧力を低減させ、回転速度を低下させることが必要であるため、高速のプロセススピードよりも低速のプロセススピードでの使用が好ましい。高速のプロセススピードに使用される定着ローラ10の弾性層12としては、前記オルガノポリシロキサン組成物に中空フィラーを配合した配合物を形成後に焼成および硬化して形成された断熱弾性層が適している。或いは、前記オルガノポリシロキサン組成物に吸水性ポリマーおよび水を配合した配合物を形成後に焼成および硬化して形成された断熱弾性層が適している。これらは微小かつ均一なセルの形成が可能であり、セルの壁厚が均一で十分な強度を有しているため、強い加圧力をかけ、高速で回転させ続ける高速エンジンで使用してもセルの破泡に至らない耐久性を有している。
弾性層12の肉厚に関しては、薄すぎれば芯軸部13に熱が逃げるので適度な厚みが必要である。
以上を考慮して本実施例では、未定着トナー像tの加熱定着に適正な幅の定着ニップ部Fが形成でき、かつ熱容量を抑えるために、肉厚が3mmの気泡ゴムを用いて弾性層12を形成し、外径がφ20mmの定着ローラ10を使用した。
弾性層12の外周には最表層として熱伝導性を有する離型性層11が設けてある。離型性層11として高熱伝導率のものを用いている。本実施例では、パープルアロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂離型性層11を弾性層12の外周に形成した。離型性層11はチューブを被覆させたものでも表面を塗料でコートしたものであってもよいが、チューブの方が耐久性に優れる。
上記の定着ローラ10は、芯軸部13の両端部が軸受61を介して一対の装置側板対71に回転自在に保持されている(図2、図3)。
b)加圧ローラ
加圧ローラ20は、上記の定着ローラ10と同じ構成のものである。即ち、加圧ローラ20は、芯軸部23と、芯軸部23の外周に設けられた断熱弾性層22と、弾性層22の外周に設けられた離型性層21と、を有する。芯軸部23、弾性層22、及び離型性層21の材料は、定着ローラ10のそれと同じである。この加圧ローラ20に代えて、板状の加圧プレート等を加圧部材として用いることもできる。この場合にも、加圧部材は、断熱性を有する部材にすることが望ましく、上記定着ローラ10との間で所定の圧力を付与させた場合に強度的に十分な強度を有するものであれば良い。例えば、アルミ、鉄等により板状に形成された基板面上にガラスビーズを含有する液晶ポリマー等により弾性層を形成し、その弾性層の定着ローラ10側の面にフッ素樹脂を被覆させて離型性層(摺動層)を形成したものを加圧部材として用いても構わない。
上記の加圧ローラ20は、定着ローラ10の下方に並列に配置され、芯軸部23の両端部が装置側板対71に設けられた長孔71aに回転自在に、かつ上下移動自在に保持されている(図2、図3)。
c)圧調整機構
圧調整機構50は、加圧ローラ20の芯軸部23の下方に圧調整レバー(圧調整部材)52を有する。圧調整レバー52は、記録材搬送方向において加圧ローラ20よりも下流側の端部が装置側板対71に設けられた支軸(軸部材)51に揺動自在に連結されている。
また、圧調整機構50は、圧調整レバー52の自由端を加圧ローラ20の芯軸部23の周面に加圧する加圧バネ(加圧手段)53と、その加圧ローラ20の芯軸部23に対する圧調整レバー52の加圧力を調整する圧調整カム54と、を有する。圧調整レバー52の自由端内側の上方に配設された加圧バネ53は、一端が装置側板対71に設けられたピン74に、他端が圧調整レバー52の自由端内側に、それぞれ結合されている。そしてその加圧バネ53は、圧調整レバー52の自由端側を上方に引き上げて加圧ローラ20の芯軸部23の周面に加圧状態に接触させている。圧調整レバー52の自由端内側の上方に加圧バネ53と並列に配設された圧調整カム54は、装置側板対71に軸受62を介して回転自在に保持させたカム軸55(図3)に固定してある。圧調整カム54は、カム軸55の周方向において、半円形状の非圧調整部54aと、この非圧調整部54aの反対側に設けられた半楕円形状の圧調整部54bと、を有する。カム軸55の端部には駆動ギアG2が設けられる。そしてカム軸55は駆動ギアG2がカムモータ(第2駆動源)M2によって回転駆動されることにより圧調整カム54を回転する。その圧調整カム54は、カム軸55の回転に応じて非圧調整部54aの周面が圧調整レバー52と対向する位置(図1)、或いは圧調整部54bの周面が圧調整レバー52と対向する位置(図4)に回転される。
圧調整カム54の非圧調整部54a周面が圧調整レバー52と対向する位置にあるとき、非圧調整部54a周面は圧調整レバー52と接触しないように、或いは圧調整レバー52と接触しても圧調整レバー52に押し下げ力を作用させることはない。従って圧調整レバー52の自由端側は加圧バネ53により加圧ローラ20の芯軸部23の周面に加圧状態に接触される。これにより加圧ローラ20表面は定着ローラ10表面と加圧状態に接触され、加圧ローラ20表面と定着ローラ10表面間に所定幅のニップ部(定着ニップ部)Fが形成される(図1)。
圧調整カム54の圧調整部54b周面が圧調整レバー52と対向する位置にあるとき、圧調整部54b周面は圧調整レバー52と接触して圧調整レバー52に押し下げ力を作用させる。従って圧調整レバー52の自由端側が加圧バネ53の加圧力に抗して押し下げられ、加圧ローラ20は芯軸部23の周面がその圧調整レバー52に接触した状態で圧調整レバー52の押し下げ量に応じた分だけ下方に移動する。これにより加圧ローラ20表面と定着ローラ10表面間に、定着ニップ部Fよりも幅狭で、かつ定着ニップ部Fよりもニップ圧の弱い幅狭ニップ部F1が形成される。図4は幅狭ニップ部F1を形成するときの圧調整機構50の動作説明図である。圧調整部54b周面の中央は圧解除部54b1となっている。その圧解除部54b1を圧調整レバー52に接触させることにより圧調整レバー52を更に押し下げ、これに伴い加圧ローラ20を下方に移動させることによって定着ローラ10表面に対する加圧力を完全に解除することができる。つまり加圧力を0(零)にすることができる。
従って、圧調整機構50は、カムモータM2の回転位相に応じて圧調整カム54を回転させ圧調整レバー52の自由端側を上下に揺動させることによって加圧ローラ20を加圧状態から圧解除状態に至るまで自在に調整するものである。
本実施例の圧調整機構50は、上記の構成に限られず定着ローラ10表面に対する加圧ローラ20の加圧力を可変できれば、他の構成・方法を採用してもよい。
c)加熱部材
加熱部材30は、加熱用ヒータ(加熱源)31と、そのヒータ31を保持する断熱ステイホルダー(保持部材)32と、を有する。
ヒータ31は、定着ローラ10表面と接触しながら該定着ローラ10表面を急速加熱する板状のヒータである。図5はヒータ31を表わす図であって、(a)はヒータ31の裏面側の平面図、(b)はヒータ31の表面側の平面図、(c)は(b)のc−c線拡大断面図である。
ヒータ31は、記録材搬送方向と直交する方向を長手とする細長い基板31aを有する。基板31aは、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性のセラミックス、或いはポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂等により形成されている。基板31aの表面(定着ローラ10側の面)には、長手方向に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等の通電発熱抵抗層31bをスクリーン印刷等により線状もしくは細帯状に塗工して形成してある。その抵抗層31bは、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度である。またその抵抗層31bの長さは定着ニップ部Fの記録材最大搬送領域幅W(図3)よりも大きい。この抵抗層31bは、基板31a表面の一方の端部に設けられた導電部31dにより接続されるとともに、基板31a表面の他方の端部に設けられた電極部31eに導電部31dを介して接続されている。また、基板31a表面には、長手方向に沿って、熱効率を損なわない範囲で抵抗層31bを保護する保護摺動層31cを設けてあっても良い。この摺動層31cは、抵抗層31d及び導電層31dを覆うように設けてある。摺動層31cの厚みは十分薄く、表面性を良好にする程度が好ましい。その摺動層31cの例としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂層を単独、或いは混合して被覆することが考えられる。或いは、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(CTEF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等のフッ素樹脂層を単独、或いは混合して被覆することが考えられる。或いは、摺動層31cとして、グラファイト、ダイアモンド・ライク・カーボン(DLC)、二硫化モリブデン等からなる乾性被膜潤滑剤の保護摺動層や、ガラスコート等の保護摺動層が考えられる。また、基板31aの材料として熱伝導性の良好な窒化アルミ等を使用する場合には、抵抗層31bは基板31aの裏面(定着ローラ10と反対側の面)に形成してあっても良い。
基板31aの裏面には、サーモスイッチ、温度ヒューズ等のサーモプロテクタ(安全素子)33が配置されている。サーモプロテクタ33は、ヒータ31の抵抗層31bと該抵抗層31bに通電する通電制御回路(通電制御手段)81に直列接続され、ヒータ31の熱に反応して作動し抵抗層31baへの通電を遮断する。即ち、ヒータ31が温度検知素子34の故障等により暴走状態になったときに、ヒータ31の異常昇温をサーモプロテクタ33が検出し、抵抗層31bへの通電をシャットダウンする構成となっている。
ホルダー32は、ヒータ31と同様、記録材搬送方向と直交する方向を長手とする細長い部材であり、ホルダー32の下面(定着ローラ20側の面)には長手方向に沿って溝32aが形成してある。ホルダー32はその溝32aによりヒータ21を摺動層31cを下向きにして固定保持している。このホルダー32は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成され、熱伝導率が低いほど定着ローラ10表面の加熱に際する熱効率が高くなる。よって樹脂層の中に中空のフィラー、例えばガラスバルーン、シリカバルーン等を内包してあっても良い。
上記の加熱部材30において、ホルダー32は両端部が装置側板対71に設けられた長孔71bに上下移動自在に保持されている。そしてそのホルダー32の両端部を加圧バネ(加圧手段)72により定着ローラ10側に加圧しヒータ31摺動層31cを定着ローラ10表面に接触させることによって、ヒータ31と定着ローラ10表面間に所定幅の加熱ニップ部Hを形成している。
g)加熱定着動作
MPU(マイクロプロセッサユニット)などの制御回路(制御手段)80は、プリント信号(画像形成信号)S1を取り込むと、定着モータ(第1駆動源)M1を回転駆動して駆動ギアG1を回転させる。これにより定着ローラ10が矢印方向に所定の速度で回転される。加圧ローラ20はその定着ローラ10から定着ニップ部Fを通じて回転力を受け、定着ローラ10の回転に伴い矢印方向に従動回転する。また、制御回路80は、プリント信号(画像形成信号)S1を取り込むと、通電制御回路81をオンする。これにより電源82から安全素子33を介してヒータ31の抵抗層31bに通電され、その抵抗層31bが発熱してヒータ31は昇温する。ヒータ31の有効発熱領域幅、つまり抵抗層31bの長さ寸法Hwは定着ニップ部Fの記録材最大通過幅Fwよりも大きい(Hw>Fw)。定着ローラ10表面はヒータ31の昇温によって加熱され、その定着ローラ10表面の加熱温度は温度検知素子34により検知される。温度検知素子34は定着ローラ10表面の温度検知信号を制御回路80に出力する。そしてその制御回路80は、温度検知素子34からの検知信号に基づいて、定着ローラ10表面の温度が記録材P上の未定着トナー画像を加熱するための所定の温度(目標温度)になるように通電制御回路81をオン・オフする。これによって定着ローラ10表面は所定の温度(以下、所定の温度を定着温度と記す)に維持される。この状態で未定着トナー画像tが形成された記録材Pが定着ニップ部Fに導入される。その記録材Pは定着ローラ10表面と加圧ローラ20表面とにより定着ニップ部Fを挟持搬送される。その搬送過程において、未定着トナー画像tが定着ローラ10表面から熱を受けると共に定着ローラ10表面に対する加圧ローラ20の加圧力に応じたニップ圧を受けることによって、未定着トナー画像tは記録材P面上に加熱定着される。定着ニップ部Fを出た記録材Pは定着ローラ10表面から分離して排出ローラ113へと搬送される。
h)圧調整シーケンス
圧調整機構50により定着ローラ10表面に対する加圧ローラ20の加圧力を可変する圧調整シーケンスについて説明する。この圧調整シーケンスは制御回路80によって実行される。即ち制御回路80は、複数枚の記録材Pに対してプリントを行う1ジョブ毎に、定着ニップ部Fにおける加圧力を解除する圧調整シーケンスを実行する。図6に圧調整シーケンスの一例を表わす。
制御回路80は、加熱定着処理終了後定着ローラ10の回転を停止してから定着ニップ部Fにおける加圧力を低減している。そして次のプリント開始時に温度検知素子34により検知される定着ローラ10の表面温度が定着温度(180℃)に達すると再び元の加圧力に設定するようにしている。つまり、少なくとも定着ローラ10表面の加熱を開始するときは定着ローラ10の熱により記録材P上の未定着トナー画像tの加熱を行うときよりも加圧力を低減させている。
図6に示すように、電源ON時では、定着ニップ部Fの加圧力は、圧調整機構50により図4に示す幅狭ニップ部F1に応じた圧低減状態(以下、軽圧状態と記す)の19.6N(2kgf)に設定されている。制御回路80は、前述のようにプリント信号S1を入力すると、通電制御回路81をオンしヒータ31の抵抗層31bに通電して定着ローラ10の立ち上げ(定着ローラ10表面の加熱)を開始するが、圧調整機構50を動作させることはない。従って定着ニップ部Fの加圧力は19.6Nのままである。
その後、制御回路80は、温度検知素子34からの検知信号により定着ローラ10の表面温度が定着温度(180℃)に到達したと判断すると、圧調整機構50を図1に示す加圧状態に動作させ定着ニップFに所定の加圧力である196N(20kgf)をかける。つまり、制御回路80は、定着ローラ10の表面温度が定着温度に到達したこと(定着ローラ10立ち上げ完了(加熱定着処理開始))に応じてカムモータM2を回転駆動し、圧調整カム54を図1に示す位置に回転させて加圧力を加圧状態の196Nに設定する。
そして、制御回路80は、加熱定着処理終了までは加圧力を196Nに維持するが、加熱定着処理終了後には再び圧調整機構50により加圧力を軽圧状態の19.6Nに低減する。つまり、制御回路80は、例えば定着ニップ部Fの記録材出口側に設けられた記録材センサ(記録材検知手段)Sa(図1)から出力される記録材検知信号S2に応じて定着モータM1の駆動を停止し加圧ローラ20及び定着ローラ10の回転を停止させる。そして、定着モータM1の駆動停止と同時に、或いは定着モータM1の駆動停止後に、カムモータM2を回転駆動し圧調整カム54を図4に示す位置に回転させて加圧力を19.6Nに設定する。
1ジョブ目の記録材Pの圧調整シーケンスは上記の通りであるが、2ジョブ目以降の記録材Pの圧調整シーケンスも1ジョブ目の記録材Pの圧調整シーケンスと同じである。
本実施例では、軽圧状態の定着ニップ部Fの加圧力、即ち幅狭ニップ部F1の加圧力を19.6Nとしたが、加圧力を低減する度合いとしては、若干の低減から完全な解除までがある。加圧力を完全に解除してしまうと、定着ローラ10表面により加圧ローラ20表面を効率良く温めることができなくなる。そのために、加圧ローラ20表面を定着ローラ10表面に加圧状態に接触させるときには定着ローラ10表面が急激に冷却されてしまうことや、記録材Pの排出時に記録材Pがカールすることなどの可能性がある。そのため、諸々の状況に応じて加圧力の低減度合いを考慮する必要がある。
また、本実施例では、プリントする記録材Pの材質や、その記録材Pの材質と対応する定着モードに応じて、定着ニップ部Fの加圧力を圧調整機構50により調整することも可能となっている。
また、本実施例では、温度検知素子34が定着ローラ10表面温度を検知しているために、定着ローラ10表面温度が定着温度に達したときに加圧力を増加させている。しかしながら、ヒータ31の基板31a裏面に温度検知素子34を設ける場合があり、その場合にはヒータ31の基板31a温度が定着温度に達したときに加圧力を増加させるようにしても良い。
i)定着ニップ部の加圧力を低減することによる作用・効果
ところで、画像形成装置が長時間休止状態にある場合、ヒータ31と加圧ローラ20が定着ローラ10に接触しているために、定着ローラ10の弾性層12において加熱ニップ部Hと定着ニップ部Fに該当する箇所が変形を生じたまま収縮してしまう。このような状態から画像形成を開始し、定着ローラ10を加熱しながら回転させようとした場合、定着ローラ10はこの2箇所の変形を有した状態でヒータ31と加圧ローラ20に押さえつけられながら回転する。そのため、定着ローラ10の変形に応じてトルクは大きく変動をしてしまう。
上記の定着ローラ10の変形量は、加熱ニップ部H及び定着ニップ部Fにおけるそれぞれの加圧力の大きさに応じて増加し、変形量が多いほど駆動トルクの変動量は大きなものになってしまう。
駆動トルクの変動量を抑えるためには、それぞれのニップ部H,Fにおける加圧力を下げ、定着ローラ10の変形を小さくすることが必要であるが、加圧力を下げた場合ニップ幅が狭くなってしまい、熱効率が悪化することが懸念される。
加熱ニップ部Hにおいては、ヒータ31として定着ローラ10の外径に合わせた曲率を有する曲面ヒータを用いることにより、加圧力を下げても十分なニップ幅を得ることができる。
しかし、定着ニップ部Fにおいて、加圧ローラ20の加圧力を下げつつ、十分な定着ニップ幅を得るためには、定着ローラ10と加圧ローラ20のどちらかのゴム硬度を極端に下げる方法がある。ところが、その方法を採用すると、定着ニップ部Fの形状が記録材搬送方向では曲面となってしまうために、記録材Pがゴム硬度の高いローラ側へカールしやすくなり、また巻きつきも発生しやすくなるために効果的とはいえない。また加圧力を下げたまま定着ローラ10と加圧ローラ20の両方のローラのゴム硬度を下げた場合では、定着性が悪化してしまう。
定着ニップ部Fにおいて、未定着トナー画像tの十分な定着性と、記録材Pのカールや巻き付きなど無い安定した搬送性を得るためには、定着ローラ10と加圧ローラ20のゴム硬度を適正に設定し、十分な加圧力をかける必要がある。
そのため、一般的に、接触外部加熱方式においては、定着ニップ部Fにおける加圧力は強く設定されている。また、長期放置時の定着ニップ部Fにおける定着ローラ10の弾性層12の変形量は大きいために、定着ローラ10立ち上げ時に定着ニップ部Fでの加圧力を低減することが、駆動トルクの変動を抑えるためには必要となる。
また、長時間休止状態でニップを構成していた箇所の定着ローラ10の弾性層12は圧縮された状態で収縮してしまっているために、定着ローラ10立ち上げ時には定着ニップ部Fだけでなく加熱ニップ部Hにおいても弾性層12内の空砲が潰されている。これによって、熱が定着ローラ10表面から芯軸部13に流入する経路が形成されてしまうために、定着ローラ10表層(離型性層11)のみを効率的に加熱することができず、定着ローラ10の立ち上げ速度を低下させる原因となってしまっていた。
本実施例では、定着ローラ10立ち上げ後定着ローラ10の表面温度が定着温度(180℃)に達してから未定着トナー画像tの加熱定着処理が完了するまでの間以外は圧調整機構50により加圧ローラ20の加圧力が低減されている。そのため、画像形成装置が長時間休止状態にある場合では、ヒータ31のみ定着ローラ10表面に所定の加圧力で圧接しているため、定着ローラ10の弾性層12の形状が大きく変形した状態で収縮してしまう箇所は加熱ニップ部Hのみである。しかし、加熱ニップ部Hでの加圧力は定着ニップ部Fでの所定の加圧力よりも低いために、加熱ニップ部Hでの変形量は従来例の定着ニップ部Fでの変形量よりも小さく、発生させてしまうトルク変動量も小さい。よって、定着ローラ10立ち上げ時にトルクがより大きく振れる原因となる定着ニップ部Fでの弾性層12の変形を軽減することができる。そのため、定着ローラ10立ち上げ時に、定着ローラ10の変形による振幅変動を小さく抑えることが可能となり、また定着ローラ10立ち上げ中に定着ローラ10が接触するものはヒータ31のみであるために、全体的なトルク推移も低くなっている。
定着ローラ10表面が定着温度に達すると、圧調整機構50により定着ニップ部Fに所定の加圧力がかけられるが、長時間休止時加熱ニップ部Hで形成された定着ローラ10の弾性層12の変形は加熱されることにより膨張し、徐々に緩和されていく。そのため、定着ローラ10表面温度が定着温度に達する頃には、定着ローラ10の変形がほぼ解消されている。このため、定着ローラ10表面温度が定着温度に達した時に、定着ニップ部Fに加圧力がかけられても、トルクは極度に変動することは無く安定して推移することができる。
このように、定着ローラ10立ち上げ時、定着ローラ10の表面温度が定着温度に達してからトナー画像tの加熱定着処理が完了するまでの間以外は定着ニップ部Fのニップ圧を低減することで、定着ローラ10を回転させるトルクは安定的に推移する。よって、定着モータM1に大きな負荷がかかるようなことは無いため、定着モータM1での消費電力も低く抑えることができ、定着モータM1として小型の駆動モータを用いることが可能となる。
また、画像形成装置が長時間休止していても圧調整機構50により定着ニップ部Fにかかる加圧力を低減させていることで、定着ローラ10の弾性層12の定着ニップ部Fにおける変形は殆ど発生せず、加熱ニップ部Hにおける変形も小さい。そのため、定着ローラ10表面から芯軸部13に熱が流入する経路は形成されない。また、定着ローラ10立ち上げ時においても定着ニップ部Fでは軽圧状態であるために、定着ローラ10の弾性層12の空泡も潰れる事がない。そのため、定着ローラ10の弾性層12の断熱効果を低下させることなく、定着ローラ10表層を効率的に加熱することができる。
また、定着ローラ10立ち上げ開始から加熱定着処理開始までの間はニップ幅の狭い幅狭ニップ部F1となっているため、定着ローラ10から加圧ローラ20への熱の移動を減少することが可能となる。そのため、ヒータ31からの熱エネルギーを定着ローラ10の加熱に効率的に用いることができる。これにより、クイックスタート性は向上し、ファーストプリントタイムも短縮することができ、立ち上げ時の消費電力も低く抑えることが可能となる。
j)実験例
上記の効果を確かめるために、比較例として従来の接触外部加熱方式の定着装置を搭載した画像形成装置と、本実施例の接触外部加熱方式の定着装置112を搭載した画像形成装置について、次のような実験を行った。即ち、長時間停止している状態から画像形成を開始させ、1枚プリントを行うまでの定着ローラのトルク測定を行い、また1000W投入時のファーストプリントアウトタイム(FPOT)も比較する。使用した画像形成装置はプロセススピード94.2mm/secのレーザビームプリンターであり、1分間にLTRサイズの記録材Pがそれぞれ16枚プリントされる装置である。
実験に用いた本実施例の定着装置112の構成を説明する。
加熱源として、基板31aの材料に幅6mmのアルミナを用い、表面にAg/Pd(銀パラジウム)の通電発熱抵抗層31bをスクリーン印刷により、厚み10μm、幅4mm程度の細帯状に塗工したヒータ31を使用した。定着ローラ10としては、芯軸部13を外径14mmのアルミで形成し、その外周に断熱弾性層12として中空フィラー含有シリコーンゴム層を肉厚3mmで形成し、その外周に離型性層11としてPFAチューブを20μmの厚みで形成している。ここで定着ローラ10の芯軸部13の材料をアルミとしたが、セラミック多孔質体、鉄製部材等であっても構わない。加圧ローラ20は、上記定着ローラ10と同じのものを使用した。上記定着ローラ10と加圧ローラ20とで形成される定着ニップ部Fに付与する加圧力は196N(20kgf)となっている。定着ローラ10立ち上げ開始から加熱定着処理開始までの間、及び加熱定着処理終了後は圧調整機構50により19.6N(2kgf)まで加圧力を低減している。また、ヒータ31と定着ローラ10とで形成される加熱ニップ部Hに付与する加圧力は98N(10kgf)とした。軽圧状態の幅狭ニップ部F1の幅は2.4mm、加圧状態の定着ニップ部Fの幅は6.8mmとなっている。加熱ニップ部Hの幅は5.8mmであった。
実験に用いた比較例の定着装置の構成を説明する。共通する部材・部分には同じ符号を付す。
比較例の定着装置は、圧調整機構50が備え付けられていない点を除いて、本実施例の定着装置と同じ構成としてある。従って、定着ローラ10と加圧ローラ20とで形成される定着ニップ部Fに付与する加圧力は196N(20kgf)となっている。また定着ニップ部Fの幅も6.8mmとなっている。
本実施例の定着装置112と比較例の定着装置について、1枚プリントを完了するまでの定着ローラ10のトルクを測定した。ただし、本実施例の定着装置112と比較例の定着装置はそれぞれ連続500枚プリント後96時間放置したものであり、本実施例の定着装置112では500枚プリント終了後から圧調整機構50により加圧力が低減されている。
k)評価
図7に比較例の定着装置における定着ローラ10のトルク推移を示す。図8に本実施例の定着装置112における定着ローラ10のトルク推移を示す。図9には比較例の定着装置と本実施例の定着装置112において、定着ローラ10の最大トルク、定着ローラ10立ち上げ時間、FPOTをそれぞれ示している。
比較例の定着装置においては、図7に示すように、定着ローラ10立ち上げ開始直後トルクは非常に大きな振幅を有しており、時間と共に振幅は減衰していくのがわかる。定着ローラ10は加圧ローラ20とヒータ31に圧接されたまま96時間放置された状態であり、定着ローラ10の弾性層12は変形したまま収縮してしまっている。このような状態から画像形成が開始されると、定着ローラ10は加熱されながら回転するが、定着ローラ10の弾性層12が変形したまま収縮している。そのため、平板状のヒータ31の接触摺動と加圧ローラ10の接触従動により定着ローラ10がスムーズに回転することができずに、トルクは弾性層12の変形に応じて大きく振れてしまう。しかし、定着ローラ10が加熱されるにつれ、定着ローラ10の弾性層12は膨張し、変形は解消されていくために、徐々にトルクの振り幅が小さくなっていく。
これに対し、本実施例の定着装置112では、放置前の500枚プリント完了時から圧調整機構50により定着ニップ部Fに付与される加圧力が大幅に低減19.6N(2kgf)されている。本実施例の定着装置においては、定着ローラ10の弾性層12で大きな変形を有したまま収縮しているのは加熱ニップ部Hのみである。定着ローラ10を立ち上げるときに定着ローラ10の回転を妨げるものはヒータ31の接触摺動のみで、加圧ローラ20は軽い加圧力で従動回転している。そのために立ち上げ中の定着ローラ10のトルクは、図8に示すように比較例に比べ振幅は半減しており、また振幅の中心値も0.196N・m(2kgf・cm)程度下がった。また本実施例の定着装置112においても定着ローラ10が加熱されることによりトルクの振幅は徐々に小さくなっている。その後定着ローラ10が定着温度の180℃に達すると、圧調整機構50により定着ニップ部Fに所定の加圧力である196N(20kgf)がかけられるために、トルクの値は上昇し従来例と同等に推移している。
最大トルクで比較すると、比較例の定着装置では立ち上げ開始直後の0.778N・m(7.94kgf・cm)であった。これに対し、本実施例の定着装置112では立ち上げ開始直後ではなく、立ち上げ終了後圧調整機構により加圧力が196N(20kgf)かけられた瞬間の0.488N・m(4.98kgf・cm)である。従って、本実施例の定着装置112によって最大トルクは37.5%減の効果を得ることができた。
また、定着ローラ10の立ち上げ時間を比較すると、比較例の定着装置が4.9秒かかっているのに対して、本実施例の定着装置112では3.7秒である。従ってクイックスタート性も向上していた。これは、比較例の定着装置では、96時間放置している間に定着ローラ10の弾性層12において定着ニップ部Fに該当する箇所が圧縮された状態で収縮されているため、その該当箇所の空泡は潰されてしまう。また定着ローラ10を立ち上げるときに定着ローラ10の弾性層12は定着ニップ部Fに付与された加圧力により圧縮されてしまうため、定着ニップ部Fの該当箇所の空泡は潰されてしまう。このように弾性層12の定着ニップ部Fの該当箇所の空泡は潰されてしまうことから、定着ローラ10の立ち上げを開始する時は定着ローラ10表面の熱が芯軸部13に流入する経路が2つ形成されてしまっている。また加圧ローラ20と定着に十分な定着ニップ部Fを形成しているために、定着ローラ10表面の熱が加圧ローラ20にも逃げてしまっていた。
これに対し、本実施例の定着装置112では、長時間放置時から定着ローラ10の立ち上げが完了するまで圧調整機構50により加圧ローラ20の加圧力が低減されている。そのため、定着ローラ10立ち上げ中に定着ローラ10表面から芯軸部13に熱が流入する経路は形成されず、かつ定着ローラ10立ち上げ中、定着ニップ幅が6.8mmから2.4mmに細められている。そのため、定着ローラ10から加圧ローラ20への熱の移動も抑制することができ、加熱ヒータ31の熱を定着ローラ10の立ち上げに効率的に用いることができる。これにより、本実施例の定着装置112は比較例の定着装置よりもクイックスタート性が向上し、ファーストプリントアウトタイム(FPOT)が9.1秒から7.9秒まで13.2%の短縮が可能となった。
即ち、本実施例の定着装置112によれば、電源ONから定着ローラ10が所定の定着温度に達する加熱定着処理開始まで間、定着ニップ部Fにかかる加圧力を低減させている。つまり、少なくとも定着ローラ10表面の加熱を開始するときは定着ローラ10表面の熱により記録材P上のトナー画像tの加熱を行うときよりも定着ニップ部Fにかかる加圧力が低減されている。そのため定着ローラ10立ち上げ時、定着ニップ部F付近での定着ローラ10の弾性層13内の空泡が潰されることがないため、ヒータ31からの熱を定着ローラ10内部に逃がしづらくなる。また定着ニップ幅が狭くなることで、定着ローラ10から加圧ローラ20への熱の移動も抑制することが可能となっている。そのためヒータ31からの熱エネルギーを定着ローラ10表層の加熱にのみ効率的に用いることができ、クイックスタート性の向上、ファーストプリントタイムの短縮が可能となる。
また、定着ニップ部Fにかかる加圧力を低減することにより変形を有したまま収縮した状態の定着ローラ10でも比較的滑らかに回転可能である。そのため、定着ローラ10立ち上げ時に大きく変動しがちだった定着モータM1にかかるトルクを軽減させ安定させることが可能となる。そのため従来立ち上げ時にモータ駆動に必要であった電力を低減でき、また大型のモータを用意する必要もなくなる。
ここで、本実験で用いた画像形成装置は制御上プリント終了後も2秒間定着ローラ10を回転させているために、図8に示すグラフ中、トルクはFPOTよりも2秒程度長く観測されている。
以上のように、本実施例では、定着ローラ10立ち上げ完了後(加熱定着処理開始)から加熱定着処理終了の間のみ圧調整機構50により定着ニップ部Fに所定の加圧力をかけ、それ以外の時は加圧力を低減させるような制御を行っている。これにより、接触外部加熱方式の定着装置において定着ローラ10立ち上げ時に大きくなりがちな定着ローラ10の駆動トルクを軽減かつ安定させることができる。そのため、比較的小さな電力で定着ローラ10を駆動させることができ、大型のモータを用意することも必要ではなくなる。
また、長期放置による定着ローラ10の弾性層13の変形を抑え、定着ローラ10立ち上げ中の定着ニップ部Fでの加圧力を軽減し、定着ニップFを細めている。そのため、定着ローラ10内部の芯軸部13や、加圧ローラ20へヒータ31の熱が移動するのを抑制することができる。これによって、ヒータ31の熱を効率的に定着ローラ10表面の立ち上げに利用することが可能となり、クイックスタート性が向上し、FPOTを短縮することができた。
定着装置の他の例を説明する。
図11は本実施例の定着装置の一例の横断側面模型図である。図12は図11の定着装置の縦断側面模型図である。図13は図11の定着装置を記録材の導入側から見た正面図である。図14はフィルムユニットの潤滑剤によるトルクの温度特性を表わす図である。図15は圧調整シーケンスの一例を表わす図である。図16は幅狭ニップ部を形成するときの圧調整機構の動作説明図である。
本実施例では、実施例1の定着装置112と同じ部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
実施例1の定着装置112においては、定着ニップ部Fで記録材P上の未定着トナー画像tを加熱定着した際、定着ローラ10表面に未定着トナーがわずかに付着することがある。定着ローラ10表面にわずかに付着したオフセットトナーは、定着ローラ10の回転方向において一度加熱ニップ部Hの上流側にヒータ31との摺擦により掻きとられて溜まる。そしてそのトナーは、定着ローラ10の加熱ニップ部F下流側への回転駆動力とヒータ31による加熱により溶融されて移動可能となり、定着ローラ10の回転に伴い加熱ニップ部Hの下流側に移動する。プロセススピードが低速であるならば、ヒータ31の温調温度もそれほど高くないことから、トナーは加熱ニップ部H内で比較的低温で加熱される。そのため、トナーはヒータ31と定着ローラ10表面とに付着する泣き分かれ現象を起こさずに定着ローラ10表面に付着し記録材P上に吐き出される。記録材P上に吐き出されるトナーは非常に微量であるために実用上問題にならない。しかし、プロセススピードが高速になると、ヒータ31の温調温度はより高温となる。そのため、加熱ニップ部H内で過剰に加熱された定着ローラ10表面上のオフセットトナーは、加熱ニップ部Hの下流側端部でヒータ31と急激に離型することとなり、泣き別れ現象を起こしてしまい、ヒータ31側にオフセットし蓄積してトナー塊となってしまう。これは、トナーが過剰に溶融されることで粘性が小さくなるために発生してしまう現象である。このヒータ31の下流部に蓄積したトナー魂が許容量を超えた時、そのトナー塊は定着ローラ10の回転駆動力により掻き取られ、記録材Pにブロッブスとして吐き出されてしまう可能性があった。
また、実施例1の定着装置112を高速の画像形成装置に採用した場合、高速なプロセススピードによって定着ローラ10とヒータ31が摺動するために、定着ローラ10表面の離型性層11が磨耗しやすくなる。また画像形成装置の使用が長くなると、耐久により定着ローラ10の離型性層11が削れてしまい、内側の弾性層12が露出してしまうことで、定着ローラ10の離型性が悪化し画像不良を発生してしまうことも考えられる。
そこで、本実施例では、回転可能な薄肉のエンドレスフィルム(可撓性部材)35をヒータ31と定着ローラ10とで挟み、そのフィルム35を介して定着ローラ10表面をヒータ31により加熱するフィルム加熱方式の定着装置としてある。つまり、加熱部材30は、ヒータ31と、ホルダー32と、フィルム35、フィルムガイド36などを一体化したフィルムユニットとして構成されている。このフィルムユニットにおいて、フィルム35の両端部に設けられたフィルムガイド36によりフィルム35端部を保持し、そのフィルムガイド36を装置側板対71に設けられた長孔71bに上下移動自在に保持させている。そしてホルダー32をフィルムガイド36を介して加圧バネ72により定着ローラ10側に加圧しフィルム35の外周面(表面)を定着ローラ10表面に接触させることによって、フィルム35表面と定着ローラ10表面間に所定幅の加熱ニップ部Hを形成している。このように加熱部材30をフィルムユニットとすることで、フィルム加熱方式で実績があるように、ヒータ31の汚れ防止と定着ローラ10の耐久性向上を同時に実現することが可能となる。
フィルム35は熱容量の小さなフィルム部材であり、クイックスタートを可能にするために層厚み100μm以下の耐熱性フィルムである。フィルム35において、基層としてポリイミド、ポリアミドイミド、PEEKなどの耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Ti、Znなどの金属部材を単独ないし複合して形成している。樹脂製の基層の場合には、高熱伝導性を向上するために、BN、アルミナ、Alなどの高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。また、長寿命のフィルム35を構成するために十分な強度を持ち、耐久性に優れた基層として、層厚み20μm以上が必要である。よってフィルム35の層厚みとしては20μm以上100μm以下が最適である。
さらにオフセットトナーや紙粉の付着・蓄積を防止するためにフィルム35の表層には、PFA、PTFE、FEP、ETFE、CTEF、PVDF等のフッ素樹脂層を離型層として単独ないしは混合して被覆してある。PFAはパーフルオロアルコキシ樹脂、PTFEはポリテトラフルオロエチレン樹脂、FEPはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂、ETFEはエチレンテトラフルオロエチレン樹脂である。CTEFはポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、PVDFはポリビニリデンフルオライド樹脂である。
フィルム35は、加熱ニップ部Hにおいて、定着ローラ10の回転に伴い、定着ローラ10表面とフィルム35表面との接触摩擦力によりフィルム35に回転力が作用する。これによってフィルム35は、フィルム35内面がヒータ31の表面(外面)に密着して摺動しながら矢印方向に定着ローラ10の回転周速度に略対応した周速度をもって回転する。
本実施例に示す定着装置112は、ヒータ31と定着ローラ10表面との間に回転可能なフィルム35を介在させるために、定着ローラ10表面に摺動する部材は存在しない。これによって定着ローラ10の耐久性を飛躍的に向上させることができる。またフィルム35の離型性を定着ローラ10の離型性よりも高めることで、定着ローラ10表面上のオフセットトナーがフィルム35側に移り難くなって蓄積し難くなる。そのため、オフセットトナーは記録材Pに吐き出される。
また、フィルム35の回転をより滑らかにし、ヒータ31とフィルム35の摺擦による削れを防止するために、ヒータ31とフィルム35内面との間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させている。しかし、上記潤滑材は高温使用を目的としており、低温使用時では潤滑材の粘度が高くなってしまい、そのため潤滑剤が温まっていない定着ローラ10立ち上げ初期は定着ローラ10の駆動トルクが高くなってしまっていた。
そこで、本実施例の定着装置112において潤滑剤によるトルクの温度特性を調べるために、本実施例の定着装置112を搭載した画像形成装置を用いて以下の実験を行った。この画像形成装置は、プロセススピードが311mm/secであり、一分間に55枚のプリントが可能な高速機である。
本実験において、定着装置112の圧調整機構50は動作させていない。従って定着ニップ部Fは所定の加圧力に設定されている。またヒータ31裏面には温度検知素子34を設けている。従って制御回路80は温度検知素子34からの検知信号に基づいてヒータ31裏面が一定温度になるように通電制御回路81をオン・オフして通電制御を行う。そのときのヒータ31裏面温度を横軸、ヒータ31裏面を一定温度のまま定着ローラ10の駆動トルクが定常に至る時の値を縦軸に表したものが図14である。
図14に示すように、ヒータ31裏面温度が低いほど潤滑剤粘度は高いため定着ローラ10の駆動トルクが高くなっていることがわかる。ヒータ31裏面温度50℃(室温程度(24℃))では1.167N・m(11.9kgf・cm)と非常に高いトルクを示している。
このようにフィルムユニットを用いた接触外部加熱方式では、潤滑剤の粘度の高い定着ローラ10立ち上げ初期にトルクが非常に高いという課題があった。
そこで、本実施例の定着装置112における圧調整シーケンスとしては、図15に示すように、定着ローラ10停止時(電源ONから立ち上げ開始まで間)から、定着ローラ10立ち上げ中における第一目標温度(150℃)まで加圧力は完全に解除する。この場合、圧調整機構50の圧調整カム54は、図16に一点鎖線にて示すように、圧調整部54b周面中央の圧解除部54b1により圧調整レバー52を押し下げる位置に回転される。これにより加圧ローラ20bが下方に移動し、定着ローラ10表面に対する加圧ローラ20の加圧力は完全に解除されて0(零)となる。上記の第一目標温度は、定着ローラ10立ち上げ中においてグリスの粘度が室温使用時の1.167N・m(11.9kgf・cm)から半分の0.588N・m(6kgf・cm)程度まで低下する温度である。
次に、その第一目標温度の150℃から第二目標温度である220℃までは、実施例1と同様、加圧力を軽圧状態の19.6N(2kgf)とする。この場合、圧調整カム54は、図16に実線にて示すように、圧解除部54b1以外の圧調整部54b周面により圧調整レバー52を押し下げる位置(図4)に回転される。上記の第二目標温度は、未定着トナー画像tの定着温度である。
次に、第二目標温度の220℃に到達後から加熱定着処理が終了するまでは、実施例1と同様、所定の加圧力196N(20kgf)とする。この場合、圧調整カム54は、図11に示すように、非圧調整部54a周面が圧調整レバー52と対向する位置に回転される。
つまり、圧調整機構50によって、少なくとも定着ローラ10立ち上げ時に低減されている加圧力は、温度検知素子35の検知温度が、制御回路80に複数設定されている第一目標温度、或いは第二目標温度に達するごとに段階的(三段階)に上昇される。即ち、図11に示すように、定着ローラ10表面に対する加圧ローラ20の加圧力は、圧調整機構50によって、定着ローラ10の熱により記録材P上のトナー画像tの加熱を行うときの加圧力がP0に設定されている。また圧調整機構50によって、定着ローラ10表面の加熱を開始するときの加圧力がP1に設定されている。また圧調整機構50によって、定着ローラ10表面の加熱を開始してから定着ローラ10の熱により記録材P上のトナー画像tの加熱を行うまでの間の加圧力がP2に設定されている。そして加圧力P0、P1、P2は0≦P1<P0かつ0<P2<P0の関係式を満たしている。
このように、潤滑剤の粘度が高く初期トルクが非常に高くなりやすい定着ローラ10立ち上げ開始時に加圧力を完全に解除していることで、定着ローラ10表面に接触するものは回転可能なフィルム35のみであるため、駆動トルクを低く抑えることができる。またヒータ31からの熱が加圧ローラ20に逃げることなく効率的に潤滑剤を加熱することができるために、潤滑剤の粘度を素早く低減することができる。
潤滑剤の粘度がある程度低下する第一目標温度の150℃に到達すると、加圧ローラ20は圧調整機構50により軽圧の19.6N(2kgf)で定着ローラ10に接触され従動回転する。しかし画像形成休止時にも加圧ローラ20は加圧力が完全に解除されているために長時間待機していても加圧ローラ20の弾性層22が変形を有することは無い。また定着ローラ10はすでにある程度加熱されているためにヒータ31により加圧されているフィルム35による弾性層12の収縮もある程度緩和した状態になっている。そのため、定着ローラ10及び加圧ローラ20は比較的滑らかに回転可能であり、駆動トルクの大きな振幅も発生することはない。
定着ローラ10の表面温度が第二目標温度の220℃に到達すると、加圧ローラ20は圧調整機構50により所定の加圧力がかけられるようになる。しかしながら、この時には定着ローラ10の弾性層12の収縮もほぼ解消され非常に滑らかに回転することができ、弾性層12の収縮によるトルク変動も非常に小さくなっている。
以上のように、潤滑剤の粘度と定着ローラ10の弾性層12の収縮の緩和状態に応じて三段階の圧調整を行うことで、定着ローラ10の駆動トルクが高くなりやすい立ち上げ初期においても定着ローラ10の駆動トルクを低く安定的に推移させることが可能となる。
実施例1に係る定着装置の一例の横断側面模型図 実施例1に係る定着装置の縦断側面模型図 実施例1に係る定着装置を記録材の導入側から見た正面図 実施例1に係る定着装置において幅狭ニップ部を形成するときの圧調整機構の動作説明図 (a)はヒータの裏面側の平面図、(b)はヒータの表面側の平面図、(c)は(b)のc−c線拡大断面図 実施例1に係る定着装置の圧調整シーケンスの一例を表わす図 比較例の定着装置における定着ローラの駆動トルクの推移を表わす図 実施例1に係る定着装置における定着ローラの駆動トルクの推移を表わす図 比較例に係る定着装置と実施例1に係る定着装置の実験結果を表わす図 画像形成装置の一例の構成模型図 実施例2に係る定着装置の一例の横断側面模型図 実施例2に係る定着装置の縦断側面模型図 実施例2に係る定着装置を記録材の導入側から見た正面図 フィルムユニットの潤滑剤によるトルクの温度特性を表わす図 実施例2に係る定着装置の圧調整シーケンスの一例を表わす図 実施例2に係る定着装置において幅狭ニップ部を形成するときの圧調整機構の動作説明図 従来例に係る定着装置の横断側面模型図 従来例に係る定着装置の定着ローラ弾性層内の空泡イメージ図 従来例に係る定着装置における定着ローラの駆動トルクの振動イメージ図
符号の説明
10‥‥定着ローラ、12‥‥断熱弾性層、11‥‥離型性層、20‥‥加圧ローラ、31‥‥加熱源、34‥‥温度検知手段、35‥‥エンドレスフィルム、50‥‥圧調整機構、P‥‥記録材、t‥‥未定着トナー画像

Claims (10)

  1. 少なくとも空泡を含有する断熱弾性層と最表層に熱伝導性の離型性層とを有する加熱回転体と、前記加熱回転体表面を外側から加熱する加熱源と、前記加熱回転体表面に対し加圧され、前記加熱回転体表面と接触してニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ前記加熱回転体の熱により記録材上の像を加熱する像加熱装置において、
    前記加熱回転体表面に対する前記加圧部材の加圧力を可変する圧調整手段を有し、前記圧調整手段によって、少なくとも前記加熱回転体表面の加熱を開始するときは前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときよりも加圧力が低減されていることを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記加熱手段により加熱された前記加熱回転体表面の温度を検知する温度検知手段を有し、前記圧調整手段によって、少なくとも前記加熱回転体表面の加熱を開始するときに低減されている加圧力は、前記温度検手段の検知温度が記録材上の像の加熱を行うための温度に達するとき、前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときの加圧力に設定されることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 可撓性部材と、少なくとも空泡を含有する断熱弾性層と最表層に熱伝導性の離型性層とを有する加熱回転体と、前記可撓性部材を挟んで前記加熱回転体表面を外側から加熱する加熱源と、前記加熱回転体表面に対し加圧され、前記加熱回転体表面と接触してニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ前記加熱回転体の熱により記録材上の像を加熱する像加熱装置において、
    前記加熱回転体表面に対する前記加圧部材の加圧力を可変する圧調整手段を有し、前記圧調整手段によって、少なくとも前記加熱回転体表面の加熱を開始するときは前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときよりも加圧力が低減されていることを特徴とする像加熱装置。
  4. 前記加熱回転体表面に対する前記加圧部材の加圧力は、前記圧調整手段によって、前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときの加圧力がP0に、前記加熱回転体表面の加熱を開始するときの加圧力がP1に、前記加熱回転体表面の加熱を開始してから前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うまでの間の加圧力がP2に、それぞれ設定されており、前記P0、P1、P2が0≦P1<P0かつ0<P2<P0の関係式を満たしていることを特徴とする請求項3に記載の像加熱装置。
  5. 前記加熱手段の温度を検知する温度検知手段を有し、前記圧調整手段によって、少なくとも前記加熱回転体表面の加熱を開始するときに低減されている加圧力は、前記温度検手段の検知温度が記録材上の像の加熱を行うための温度に達するとき、前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときの加圧力に設定されることを特徴とする請求項3に記載の像加熱装置。
  6. 前記圧調整手段によって、少なくとも前記加熱回転体表面の加熱を開始するときに低減されている加圧力は、前記温度検知手段の検知温度が、複数設定された目標温度に達するごとに段階的に上昇されることによって、前記加熱回転体の熱により記録材上の像の加熱を行うときの加圧力に設定されることを特徴とする請求項5に記載の像加熱装置。
  7. 前記断熱弾性層は、オルガノポリシロキサン組成物に中空フィラーを配合した配合物、あるいは、オルガノポリシロキサン組成物に吸水性ポリマーおよび水を配合した配合物を形成後に焼成および硬化して形成されることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の像加熱装置。
  8. 前記断熱弾性層は、発泡シリコーンゴムからなることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の像加熱装置。
  9. 前記加熱源が、セラミックスを基板とする加熱用ヒータであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の像加熱装置。
  10. 前記加熱源が、耐熱性樹脂を基板とする加熱用ヒータであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の像加熱装置。
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