JP3352891B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP3352891B2
JP3352891B2 JP28712096A JP28712096A JP3352891B2 JP 3352891 B2 JP3352891 B2 JP 3352891B2 JP 28712096 A JP28712096 A JP 28712096A JP 28712096 A JP28712096 A JP 28712096A JP 3352891 B2 JP3352891 B2 JP 3352891B2
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    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2039Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の電子写真プロセスを利用した電子写
真機器に使用する定着装置に関し、特に、フルカラー印
刷が可能な電子写真機器に使用する定着装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機、ファクシミリ、プリ
ンタ等の電子写真プロセスを利用した電子写真機器に使
用されている定着装置は、例えば図9に示すように、定
着ローラ101と、この定着ローラ101を圧接する加
圧ローラ102とを有している。上記定着ローラ101
の内部には、加熱源としてのヒータランプ103が配設
されており、定着ローラ101の表面を内部から加熱す
るようになっている。
【0003】上記構成の定着装置は、表面が所定の温度
に加熱された定着ローラ101と加圧ローラ102との
圧接部分(定着部分)に、未定着のトナーTで形成され
た画像を担持した用紙(記録材)Pを搬入することで、
トナーTを熱溶融してトナーTを用紙Pに定着させるよ
うになっている。このように、定着ローラ101の表面
を加熱するために、ヒータランプ103等の加熱源を該
定着ローラ101内部に設けたものを内部加熱方式の定
着装置と称する。
【0004】また、用紙P上に担持されたトナーがカラ
ートナー等の離型性の悪いトナーであれば、定着の際に
定着ローラ101表面へのトナーの付着、所謂オフセッ
ト現象が生じる。このため、上記定着装置には、定着ロ
ーラ101表面にオイルを塗布するためのオイル塗布機
構105が設けられている。このオイル塗布機構105
は、オフセット防止用のオイル104を、一対の塗布用
ローラ107・107を介して定着ローラ101表面に
塗布するようになっている。
【0005】ところで、上記内部加熱方式の定着装置で
は、熱容量の大きい定着ローラ101をヒータランプ1
03によって内部から加熱しているため、定着ローラ1
01の表面が所定の温度(トナーの定着可能温度)に達
するまでに長い時間(以下、ウォームアップ時間と称す
る)が必要である。
【0006】このウォームアップ時間を短縮させるため
に、特開昭50−62448号公報、特開昭51−70
648号公報、特開昭52−131731号公報には、
定着ローラ表面に接触配置された熱ローラ(加熱源)に
よって、該定着ローラ表面を加熱する外部加熱方式の定
着装置が開示されている。この外部加熱方式では、定着
ローラの表面に加熱源が接触しているので、熱効率に優
れ、定着に必要な温度まで昇温するウォームアップ時間
を大幅に短縮できる。
【0007】また、近年、特開昭63−313182号
公報、特開平4−358186号公報、特開平5−23
49号公報に開示されているように、用紙と同期して移
動する薄いエンドレスフィルム(エンドレスベルト)を
介して、未定着トナー画像を担持した用紙を加熱して該
トナーを定着する方式(以下、フィルム加熱方式と称す
る)の定着装置が提案されている。
【0008】このフィルム加熱方式の定着装置は、例え
ば図10に示すように、記録材の搬送方向に張設された
エンドレスフィルム状の定着ベルト201と加圧ローラ
203との圧接部に、未定着のトナーTで形成された画
像を担持した用紙Pを搬入することで、未定着のトナー
Tで形成された画像を用紙Pに定着させるようになって
いる。
【0009】上記定着ベルト201の加圧ローラ203
側の内面側には、発熱体202が配置され、上記定着ベ
ルト201と加圧ローラ203との間に形成される定着
部を加熱するようになっている。従って、上記定着部を
通過する用紙Pは、発熱体202からの熱エネルギーに
よって加熱され、用紙Pに担持されたトナーが熱溶融さ
れて定着される。
【0010】上記の定着装置では、トナー定着済みの用
紙Pを、定着ベルト201の下流側で冷却(以下、自己
冷却と称する)させて該定着ベルト201と用紙Pとを
分離させるようになっている。従って、このフィルム加
熱方式の定着装置では、定着ベルト201の下流側では
自己冷却されているので、トナーが定着ベルト201に
付着することがなくなる。これにより、オフセット防止
用のオイルを塗布する必要がなくなる。また、定着ベル
ト201は、通常ポリイミド等の耐熱性樹脂にフッ素樹
脂等の離型性材料を被覆したものが使用される。
【0011】また、上記のフィルム加熱方式によれば、
定着ベルト201として熱容量の小さいものを用いるこ
とができ、加熱部を通過後直ちに放熱による冷却がなさ
れるため、トナーTが冷却して凝集力が増加し、相対的
に定着ベルト201との付着力が弱まるので、原理的に
オフセットを防止することが可能である。
【0012】また、特開平6−318001号公報に開
示されているフィルム加熱方式の定着装置は、熱容量の
小さいフィルム(ベルト)の加熱を定着ニップ部の上流
側で行われている。このため、定着ニップ部においてト
ナー及び用紙に熱が奪われることでフィルム自ら冷却を
し(自己冷却作用)、この結果、溶融トナーの温度が必
要異常に高くならないため、オフセットを防止すること
ができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
各加熱方式の定着装置では、以下に示すような問題が生
じる。
【0014】(I)内部加熱方式の定着装置の問題点: 十分な定着性を得るためには、定着熱量を多くする必要
がある。特に、フルカラー印刷においては多層トナー定
着であるので、熱エネルギーを多量に必要とする。定着
熱量を多くするためには、定着ローラの温度を高くする
か、定着ローラと加圧ローラとの圧接部に形成される定
着ニップ部のニップ幅を広くするかの2つの方法があ
る。
【0015】しかしながら、定着ローラの温度を高くす
ると、オフセット現象が生じ易くなると共に、定着ロー
ラの寿命を低下させるという問題が生じる。
【0016】一方、定着ニップ部のニップ幅を広くする
ためには、(a)定着ローラ101に被覆するゴム層1
01bを厚くする方法、(b)加圧ローラ102の加圧
力を高くする方法、(c)加圧ローラ102に被覆する
ゴム層102bを厚くする方法等が考えられる。
【0017】(a)の方法の場合、ゴム層101bが厚
くなることで熱伝達が悪化する。これにより、定着装置
が定着可能温度に達するまでの時間、即ちウォームアッ
プ時間が長くなるという問題が生じる。また、定着ロー
ラ101の定着ローラ芯材101aとゴム層101bと
の界面の温度が上昇し、ゴム層101bが劣化剥離し易
くなるという問題も生じる。
【0018】(b)の方法の場合、加圧ローラ102の
加圧力により定着ローラ101の変形を防止するため
に、定着ローラ101の定着ローラ芯材101aの厚み
を厚くする必要がある。この場合も、熱伝達が悪化しウ
ォームアップ時間が長くなるという問題が生じる。
【0019】(c)の方法の場合、加圧ローラ102に
よって用紙Pが定着ローラ101側に該定着ローラ10
1の形状に沿って押し付けられることになり、用紙Pが
定着ローラ101に巻き付き、該定着ローラ101から
剥離しづらくなるという問題が生じる。
【0020】また、(c)の方法の場合に、用紙Pの定
着ローラ101への巻き付きを防止し、確実に定着ロー
ラ101から用紙Pを剥離するためには、剥離爪106
を定着ローラ101に当接して設ける必要がある。しか
しながら、この場合には、以下に示すような問題が生じ
る。
【0021】 装置が複雑となりコスト高となる。
【0022】 剥離爪106により定着ローラ101
の表面が傷つけられる。
【0023】 用紙画像面に剥離爪106の接触によ
る画像乱れが生じる。特に、カラープリントの場合に顕
著となる。
【0024】 剥離爪106により用紙Pがカールす
る。
【0025】また、定着装置においては、サーモスタッ
トや温度ヒューズ等の温度検知手段を定着ローラ近傍に
配置し、温度制御手段等にトラブルが生じ、定着ローラ
が異常昇温した場合の安全装置としている。しかしなが
ら、上記トラブルの早期発見のために、温度検知手段を
定着ローラに接触して配置した場合、定着ローラ表面が
傷つけられるという問題が生じる。また、定着ローラの
表面が傷つかないように、温度検知手段を定着ローラに
非接触で配置した場合、温度検知手段の応答遅れにより
異常時の定着ローラの温度上昇を抑制するのが遅くな
り、機器に対するダメージを大きくするという問題が生
じる。
【0026】さらに、オフセット防止用のオイル104
を定着ローラ101表面に塗布する場合には、以下に示
すような問題が生じる。
【0027】 オイル104を均一に定着ローラ10
1に塗布するには複雑な機構が必要となり装置のコスト
アップを招来する。
【0028】 オイル104により定着ローラ101
のゴム層101bが劣化、膨潤し定着ローラ101の寿
命が短くなる。
【0029】 オイル104がこぼれて、装置が汚れ
たり、他の機器に悪影響を与える。
【0030】 オイル104が用紙Pに付着し、ユー
ザーの手を汚したり不快感を与える。
【0031】 用紙PにOHPを使用した場合、オイ
ル104がOHP表面に付着することによりOHPの透
過率を低下させる。
【0032】 オイル104の補強等の定期的なメン
テナンスが必要となり、ユーザーフレンドリーでない。
【0033】(II)外部加熱方式の定着装置の問題点:
定着ニップ部において熱の供給がなされないため、定着
ニップ部において定着ローラの表面は、用紙やトナーに
熱が奪われて温度が低下し、定着ニップ部入口側と出口
側とで温度勾配が生じる。この現象を、以下自己冷却作
用と称する。
【0034】この自己冷却作用により温度勾配は、用紙
の種類、環境温度、通紙枚数といった定着条件によって
大きく異なる。例えば、用紙の厚みが厚い程温度勾配は
大きくなり、環境温度が低い程温度勾配は大きくなる。
【0035】従って、従来の外部加熱方式では、定着ロ
ーラが外部加熱ローラによって加熱された直後の温度、
即ち定着ローラの回転方向に対して定着ニップ部上流側
の定着ローラ表面温度を温度検知手段により検知し、こ
の検知温度が所定の温度となるように外部加熱ローラを
加熱制御する必要がある。しかしながら、前述のよう
に、外部加熱方式では、自己冷却作用のため定着条件に
より定着ニップ部での温度勾配が異なるので、常に安定
した定着性を確保することが困難であるという問題が生
じる。
【0036】また、はがきや封筒等の定着ローラの幅に
対して狭い幅の用紙を連続して、定着ニップ部に通紙し
た場合、定着ローラ長手方向の非通紙部分では熱が用紙
により奪われないので、表面温度が異常に上昇してしま
う。このため、定着装置を備えた機器の機内温度上昇や
定着ローラへのトナーの付着、即ちオフセット現象(い
わゆる高温オフセット現象)が発生するとうい問題が生
じる。
【0037】さらに、上記の外部加熱方式の定着装置に
おいても、内部加熱方式の定着装置と同様に、離型性の
悪いトナーを使用した場合には、定着ローラ表面にトナ
ーが付着するオフセットが生じるので、定着ローラ表面
にオイルを塗布するオイル塗布機構が必要となる。この
ため、内部加熱方式の定着装置の場合と同様に、オフセ
ット防止用オイルを定着ローラに塗布することによる種
々の問題が生じる。
【0038】(III)フィルム加熱方式の定着装置: フィルム加熱方式の定着装置では、オフセット防止のた
めにオイルを塗布する必要がないという利点がある。他
に、定着手段として用いるフィルムの熱容量が定着ロー
ラに比べて小さいので、ウォームアップ時間が短縮でき
るという利点もある。
【0039】しかしながら、図10に示すように、定着
ベルト201はエンドレスベルト状であるので、該定着
ベルト201に加えるテンションの制御、定着ベルト2
01の蛇行防止、定着ベルト201の熱膨張によるしわ
防止等の機構が必要となるので、定着ベルト201の駆
動機構が非常に複雑なものとなり、装置のコストアップ
を招来するという問題が生じる。
【0040】また、定着ベルト201は、熱容量を小さ
くするために厚みを薄くしているので、ローラ状の定着
ローラに比べて寿命が短い。特に、定着ベルト201は
発熱体202に摺動するようになるので、磨耗してその
寿命が短くなる。しかも、印刷速度を向上させるため
に、定着ベルト201の回転速度を速めた場合、定着ベ
ルト201の寿命はさらに短くなる。このため、印刷速
度の速い電子写真機器に対応させることができないとい
う問題が生じる。
【0041】上記定着ベルト201の厚みを厚くするこ
とで、上記の各問題点をある程度解決することができ
る。しかしながら、定着ベルト201の厚みを厚くする
ことで定着ベルト201の熱容量が大きくなる。これに
よって、ウォームアップ時間が長くなり、フィルム加熱
方式の定着装置のウォームアップ時間を短縮させるとい
う利点が薄れる。
【0042】また、定着ベルト201の熱容量が大きく
なれば、定着後の用紙上のトナーを固体状態になるまで
十分に冷却することができず、オフセット現象が生じる
虞がある。このため、オフセット現象を防止するために
は、定着後の用紙上のトナーを固体状態になるまで十分
に冷却するために、定着ベルト201の移動方向下流側
に送風手段等の強制冷却手段が必要となる。この場合、
熱効率が悪くなり、装置が複雑化、大型化するという問
題が生じる。
【0043】本発明は、上記の各問題点を解決するため
になされたもので、その目的は、ウォームアップ時間が
短く、熱効率、温度均一性に優れ、オイルを塗布せずに
カラートナーの定着が可能で、且つ耐久性、安全性に優
れ、構成が簡単で低コスト、定着後の用紙のカールがな
く、しかも、高速プリントにも対応することができる定
着装置を提供することにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】請求項1の定着装置は、
上記の課題を解決するために、定着ローラと、該定着ロ
ーラの外周面を押圧する加圧手段とを含み、上記定着ロ
ーラと加圧手段との圧接により形成された圧接部に、未
定着トナー像の形成された記録材を搬送することにより
該記録材にトナーを熱溶融して定着させる定着装置にお
いて、上記圧接部上流側の上記定着ローラの外部に配置
され、該定着ローラの表面を加熱する加熱手段と、上記
圧接部下流側に配置され、上記圧接部出口近傍の定着ロ
ーラの表面温度を検出する表面温度検出手段と、上記記
録材の上記圧接部搬送中、該圧接部出口近傍の定着ロー
ラの表面温度が所定温度で維持されるように、上記表面
温度検出手段の出力に基づいて上記加熱手段を制御する
加熱制御手段とを有し、上記定着ローラは、上記加圧手
段に押圧されることで上記圧接部が弾性変形する耐熱弾
性部材からなり、上記加圧手段は、上記加熱手段による
定着ローラ表面のウォームアップ動作時に該定着ローラ
から離脱するように、該定着ローラに対して離接可能に
支持され、上記加熱制御手段は、上記圧接部出口近傍の
定着ローラの表面温度をTo、上記トナーの融点をTm
とした時に、To≦Tmの関係となるように、上記加熱
手段を制御することを特徴としている。
【0045】上記の構成によれば、外部からの加熱手段
によって定着に必要な定着ローラ表面だけが加熱される
ので、熱効率に優れ、ウォームアップ時間を短縮するこ
とができる。また、定着ローラとして芯材上に弾性層と
してのゴム層を形成したものを使用した場合、従来の内
部方式の定着装置のゴム層を有する定着ローラに比べ
て、ゴム層と芯材との界面温度を低く抑えることができ
るので、芯材からゴム層の剥離が生じにくく、定着ロー
ラの寿命を大幅に向上させることができる。
【0046】また、定着ローラ表面が、定着ローラと加
圧手段との圧接部の上流側で外部から加熱されているの
で、該圧接部は直接熱の供給がなされない。このため、
圧接部において、未定着トナー像が形成された記録材を
加熱して加熱してトナーの定着を行う際には、定着ロー
ラ表面は記録材及びトナーにより熱が奪われ(自己冷却
作用)温度が低下する。
【0047】これにより、圧接部で一旦溶融し記録材に
定着されたトナーは、定着ローラ表面の自己冷却作用に
より冷却され凝集力が増加し、定着ローラへの付着力が
低下し、この後記録材が定着ローラから離脱するように
なるので、定着ローラへのトナーの付着、即ちオフセッ
トは発生しないようになる。
【0048】この結果、上記オフセット防止のために、
定着ローラにオイルを塗布する必要がなくなるので、複
雑なオイル塗布機構が不要となり、装置の低コスト化を
図ることができ、定着ローラの延命化を図ることができ
る。
【0049】また、定着ローラ表面温度は、表面温度検
出手段により圧接部出口近傍で検出され、この検出温度
に基づいて上記圧接部ローラ表面の圧接部出口近傍の温
度が所定の温度で維持されるように制御されるので、定
着ローラ表面温度の圧接部入口から出口に至る温度勾配
の安定化が図れる。これにより、従来の外部加熱方式の
問題点であった定着条件、即ち環境条件、通紙枚数、記
録材種類等の条件によって上記温度勾配の不安定さを解
消でき、常に安定した定着性及びトナー離型性を確保す
ることができる。また、加熱制御手段は、上記圧接部出
口近傍の定着ローラの表面温度をTo、上記トナーの融
点をTmとした時に、To≦Tmの関係となるように、
上記加熱手段を制御することで以下のような作用・効果
を奏する。
【0050】上記の構成によれば、圧接部出口近傍の定
着ローラの表面温度Toがトナーの融点Tmより常に低
くなるように制御されているので、環境条件、通紙枚
数、記録材種類等に関係なく常に安定したトナー離型性
を得ることができ、オフセットを防止することができ
る。また、加圧手段は、上記加熱手段による定着ローラ
表面のウォームアップ動作時に該定着ローラから離脱す
るように、該定着ローラに対して離接可能に支持されて
いることを特徴としている。上記の構成により、ウォー
ムアップ時に加圧手段が定着ローラから離脱するように
なっているので、ウォームアップ時の定着ローラから加
圧手段に熱が逃げることがなくなり、加圧手段への熱逃
げによるウォームアップ時間の延長を無くすこ とができ
る。また、加圧手段は、定着ローラに対して離接自在に
支持されていることから、必要なときだけ定着ローラを
加圧するようになるので、加圧による定着ローラの永久
変形を防止することができる。
【0051】請求項の定着装置は、上記の課題を解決
するために、請求項の構成に加えて、定着ローラは、
回転の中心軸上に設けられた芯材と、該芯材表面に設け
られた弾性を有する断熱層と、該断熱層の外周面に設け
られたトナー離型性を有する被覆層とからなることを特
徴としている。
【0052】上記の構成によれば、請求項の作用に加
えて、上記定着ローラは表面にトナー離型性を有する被
覆層が形成されているので、この被覆層の熱容量を小さ
くすれば、定着ローラ表面の自己冷却作用による温度勾
配を大きくすることができ、トナー定着性とトナー離型
性の両方を容易に向上させることができる。
【0053】また、断熱層が弾性を有しているので、低
圧力で十分な圧接部の幅、即ち定着ニップ幅を確保する
ことができる。しかも、被覆層からの熱が断熱層から逃
げにくいので、定着ローラのウォームアップ時間を短縮
することができる。
【0054】請求項の定着装置は、上記の課題を解決
するために、請求項の構成に加えて、断熱層は、発泡
シリコンゴムからなることを特徴としている。
【0055】上記の構成により、請求項の作用に加え
て、発泡シリコンゴムは、内部に気泡を有していること
で、気泡のないソリッドシリコンゴムに比べて断熱性が
高くなる。それゆえ、断熱層を発泡シリコンゴムで構成
することで、断熱性を向上させ、ウォームアップ時間の
短縮を図ることができる。しかも、発泡シリコンゴムは
低硬度であるので、低圧力でより広い定着ニップ幅を得
ることができる。
【0056】請求項の定着装置は、上記の課題を解決
するために、請求項の構成に加えて、発泡シリコンゴ
ムは連続気泡で構成されると共に、上記芯材は表面に複
数の貫通孔が設けられた中空円筒で構成されていること
を特徴としている。
【0057】上記の構成によれば、請求項の作用に加
えて、定着ローラが加熱手段により加熱され、断熱層の
発泡シリコンゴム内の気泡が体積膨張しても、連続気泡
から芯材の貫通孔を通じて膨張した空気が逃げるように
なる。これにより、定着ローラの断熱層に発泡シリコン
ゴムを用いた場合に懸念される気泡の膨張による定着ロ
ーラ外径の膨らみを無くし、定着ローラの外径を常に一
定に保持することができる。
【0058】請求項の定着装置は、上記の課題を解決
するために、請求項ないしの何れかの構成に加え
て、被覆層は、四フッ化エチレン−パーフロロアルキル
ビニルエーテル共重合樹脂からなることを特徴としてい
る。
【0059】上記の構成によれば、請求項ないし
何れかの作用に加えて、被覆層が四フッ化エチレン−パ
ーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂からなるこ
とで、トナーとの離型性に優れたものにすることがで
き、オフセットの防止効果をさらに向上させることがで
きる。
【0060】請求項の定着装置は、上記の課題を解決
するために、請求項ないしの何れかの構成に加え
て、加熱手段は、上記定着ローラに接触して回転する加
熱ローラからなることを特徴としている。
【0061】上記の構成により、請求項ないしの何
れかの作用に加えて、定着ローラの回転に従動して加熱
手段である加熱ローラが回動するようになるので、加熱
手段による定着ローラの磨耗が少なくなる。これによ
り、定着ローラの延命化を図ることができる。
【0062】請求項の定着装置は、上記の課題を解決
するために、請求項の構成に加えて、加熱ローラ表面
は、粘着性を有していることを特徴としている。
【0063】上記の構成によれば、請求項の作用に加
えて、加熱ローラ表面が粘性を有しているので、定着ロ
ーラ表面に付着するトナーや紙粉等を吸着することがで
きる。これにより、加熱ローラは、定着ローラを加熱す
る加熱手段と、定着ローラをクリーニングするクリーニ
ング手段とを兼ねたものとなる。従って、クリーニング
手段を別に設ける必要がないので、装置の小型化および
低価格化を図ることができる。
【0064】請求項の定着装置は、上記の課題を解決
するために、請求項ないしの何れかの構成に加え
て、加圧手段は、上記記録材が上記圧接部を通過しない
ときの上記定着ローラから該加圧手段に伝達する単位長
さ当たりの熱量をQ1、前記記録材が上記圧接部を通過
するときの上記定着ローラから該記録材に伝達する単位
長さ当たりの熱量をQ2としたとき、Q1≧Q2となる
ように構成されていることを特徴としている。
【0065】上記の構成によれば、請求項ないし
何れかの作用に加えて、ハガキや封筒等の定着ローラの
幅に比べて幅の狭い記録材を、圧接部に連続して通紙し
ても、記録材やトナー等により熱が奪われない定着ロー
ラの非通紙部の熱が加圧手段側に逃げるようになる。こ
れにより、定着ローラの非通紙部の温度上昇を抑えるこ
とができ、機内温度上昇や高温オフセットの発生、定着
ローラ内部の温度上昇による自己冷却作用の低下等を防
止することができる。
【0066】請求項9の定着装置は、上記の課題を解決
するために、請求項ないしの何れかの構成に加え
て、加圧手段は、回転の中心軸に設けられた金属芯材
と、該金属芯材の表面に被覆されたフッ素樹脂からなる
耐熱性離型層とを有する加圧ローラからなることを特徴
としている。
【0067】上記の構成によれば、請求項ないし
何れかの作用に加えて、加圧手段が金属芯材表面にフッ
素樹脂からなる耐熱性離型層を被覆したローラであるた
め、定着ローラから加圧手段への伝熱量が多く、上述し
たQ1≧Q2という条件を満足させることができると共
に、構成が簡単であり、低価格を図ることができる。
【0068】また、加圧ローラは、金属芯材からなるの
で、弾性を有する定着ローラに比べて硬い。このため、
加圧ローラと定着ローラとの圧接部(定着ニップ部)
は、定着ローラ側に凸となる断面形状となり、定着後の
記録材は加圧ローラ表面に沿って定着ローラから剥離さ
れる。しかしながら、記録材の画像形成面(定着ローラ
側の面)に剥離爪等の剥離手段によって記録材の画像形
成面を傷付けることがない。
【0069】さらに、定着後の記録材が加圧ローラに沿
って定着ローラから剥離されるので、定着ローラ表面の
定着ニップ部出口と記録材との間に適度な空間を形成す
ることができ、この空間に上記定着ローラ表面の定着ニ
ップ部出口温度を検出する温度検出手段を配置すれば良
いので、上記温度検出手段の配置が容易になる。
【0070】請求項1の定着装置は、上記の課題を解
決するために、請求項の構成に加えて、加圧ローラと
定着ローラとの圧接部出口近傍に、該圧接部出口から排
出される記録材を該加圧ローラから剥離するための剥離
手段が設けられ、上記剥離手段は、その剥離面が加圧ロ
ーラ側に凸となるように形成されていることを特徴とし
ている。
【0071】上記の構成によれば、請求項の作用に加
えて、加圧ローラに対して、定着後の記録材の巻き付き
を防止するために剥離爪等の剥離手段を設けているの
で、記録材の加圧ローラへの巻き付きを確実に防止する
ことができる。しかも、加圧ローラは金属芯材で構成さ
れているので、上記の剥離手段によってその表面が傷付
く虞はない。さらに、剥離手段が、その剥離面が加圧ロ
ーラ側に凸となるように形成されていることで、定着ロ
ーラ側に凸にカールした定着後の記録材を、加圧ローラ
から剥離する際に、加圧ローラ側に凸にカールさせるこ
とができる。これ により、定着ニップ部からの排出され
る記録材のカールを補正することができる。
【0072】請求項1の定着装置は、上記の課題を解
決するために、請求項の構成に加えて、加圧手段は、
上記定着ローラに同期して回転するエンドレスベルトか
らなることを特徴としている。
【0073】上記の構成によれば、請求項の構成に加
えて、加圧手段が、上記定着ローラに同期して回転する
エンドレスベルトからなることで、加圧手段がローラ上
のものよりも低圧力で広い定着ニップ幅を確保すること
ができ、定着性を向上させることができる。しかも、定
着ニップ幅を広くすることで、定着ローラと加圧手段と
の接触面が広くなり、定着ローラの自己冷却作用による
オフセット効果を更に向上させることができる。
【0074】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕 本発明の実施の一形態について図1ないし図7に基づい
て説明すれば、以下の通りである。尚、本実施の形態で
は、定着装置を電子写真機器としてモノクロ用のレーザ
プリンタに適用した場合について説明する。
【0075】本実施の形態に係るレーザプリンタは、図
2に示すように、給紙部10、画像形成装置20、レー
ザ走査部30、定着装置50を有している。
【0076】上記構成のレーザプリンタは、給紙部10
から用紙Pを画像形成装置20に搬送する。この画像形
成装置20では、レーザ走査部30によるレーザ光34
に基づいてトナー像が形成されており、このトナー像
を、搬送された記録材としての用紙Pに転写するように
なっている。そして、トナー像の転写された用紙Pを、
定着装置50に搬送して、トナー像を用紙Pに固定す
る。最後に、トナー像が定着された用紙Pは、定着装置
50の用紙搬送下流側に設けられた用紙排紙ローラ41
・42によって装置外部に排出される。つまり、用紙P
は、図に示す矢印Eの経路に沿って、給紙トレイ11、
画像形成装置20、定着装置50の順に搬送され、装置
外部に排出される。
【0077】上記給紙部10は、給紙トレイ11、給紙
ローラ12、用紙分離摩擦板13、加圧バネ14、用紙
検知アクチュエータ15、用紙検知センサ16、及び制
御回路17を備えている。
【0078】上記給紙トレイ11は、複数の用紙Pが装
着可能となっている。給紙ローラ12は、矢印方向に回
転することで、上記給紙トレイ11に装着された用紙P
を画像形成装置20側に給送するようになっている。こ
のとき、用紙分離摩擦板13は、加圧バネ14によって
給紙ローラ12に圧接され、給紙トレイ11に装着され
た複数の用紙Pを一枚ずつ分離するようになっている。
【0079】上記用紙検知センサ16は、例えば光セン
サからなり、また、上記用紙検知アクチュエータ15
は、給紙ローラ12によって給送される用紙Pによって
用紙搬送方向に傾倒自在な部材からなる。つまり、用紙
検知センサ16は、用紙検知アクチュエータ15が傾倒
されていない状態では、光路が遮断され、OFF状態を
示し、用紙検知アクチュエータ15が傾倒した状態で
は、光路が通じて、ON状態を示す。
【0080】従って、用紙検知センサ16は、用紙検知
アクチュエータ15が傾倒することで、センサがON状
態となり、用紙Pが画像形成装置20側に給送されたこ
とを検知し、この検知信号を制御回路17に出力するよ
うになっている。
【0081】上記制御回路17は、用紙検知センサ16
からの検知信号に基づいて、画像信号をレーザ走査部3
0のレーザダイオード発光ユニット31に送り、発光ダ
イオードード31aの点灯/非点灯を制御するようにな
っている。尚、制御回路17は、後述する定着装置50
の加熱制御手段を兼ねている。
【0082】上記レーザ走査部30は、上記レーザダイ
オード発光ユニット31、走査ミラー32、走査ミラー
モータ33、及び反射ミラー35、36、37を備えて
いる。
【0083】上記走査ミラーモータ33は、走査ミラー
32の下部に設けられ、該走査ミラー32を高速且つ定
速に回転させるようになっている。また、上記レーザダ
イオード発光ユニット31は、走査ミラー32に設けら
れており、該走査ミラー32と共に回転するようになっ
ている。つまり、レーザダイオード発光ユニット31
は、高速且つ定速に回転しながら、発光ダイオードード
31aからレーザ光34を反射ミラー36に照射するよ
うになっている。照射されたレーザ光34は、反射ミラ
ー36、35、37の順で反射され、画像形成装置20
の露光ポイントXに導かれる。
【0084】上記レーザダイオード発光ユニット31
は、上述した制御回路17からの点灯/非点灯の情報に
基づいて、画像形成装置20の感光体21を選択的に露
光するようになっている。
【0085】上記画像形成装置20は、感光体21、転
写ローラ22、帯電部材23、現像ローラ24、現像ユ
ニット25、及びクリーニングユニット26を備えてい
る。
【0086】感光体21は、帯電部材23によって表面
に予め帯電された電荷が、レーザ走査部30からのレー
ザ光34により選択的に放電され、表面に静電潜像が形
成される。
【0087】現像ユニット25は、感光体21にトナー
を供給するための現像ローラ24を有し、内部に蓄積し
たトナーを攪拌することで、該トナーに電荷を付与し、
上記現像ローラ24表面にトナーを付着させる。そし
て、現像ローラ24に与えられた現像バイアス電圧およ
び感光体21表面の電位により形成される電界の作用に
よって、感光体21表面に形成された静電潜像に応じた
トナー像を感光体21上に形成するようになっている。
【0088】また、画像形成装置20では、転写ローラ
22が、印加された転写電圧の与える電界の作用により
感光体21表面に形成されたトナー像を、感光体21と
転写ローラ22との間に給送された用紙Pに吸引し、転
写する。このとき、感光体21上のトナーは転写ローラ
22により用紙Pに転写されると共に、未転写トナーは
クリーニングユニット26によって回収される。
【0089】画像形成装置20にてトナー像の転写され
た用紙Pは、定着装置50に搬送され、トナー像が定着
される。即ち、定着装置50では、加圧ローラ52と表
面温度が180℃に保たれた定着ローラ51とによって
適度な温度と加圧力が用紙Pに付与される。そして、ト
ナーが熱溶融して用紙Pに固定され、堅牢な画像とな
る。
【0090】定着装置50にて、トナー像の定着された
用紙Pは、用紙搬送ローラ41・42によって装置外部
に搬送される。
【0091】尚、上記の定着装置50は、上記定着ロー
ラ51に接触配置された加熱ローラ53によって定着ロ
ーラ51を加熱する外部加熱方式である。
【0092】ここから、上記定着装置50について詳細
に述べるが、その前に、外部加熱方式による定着ローラ
51の自己冷却作用を用いたオフセット防止原理につい
て、図4および図5を参照しながら以下に説明する。
【0093】本願発明者等は、以下に説明する原理的な
実験を通じて定着ローラの自己冷却作用によるオフセッ
ト防止効果について確認を行った。
【0094】上記実験は、図4に示すような状態で行っ
た。即ち、先ず、加熱源であるホットプレート上に、テ
ストピースを乗せて、上記ホットプレートの電源をON
して該テストピースの表面温度が所定の温度(180
℃)になるまで加熱する。このときの温度測定には、熱
電対を用いる。また、上記のテストピースには、シリコ
ンゴム単体のもの(テストピース(I))と、シリコン
ゴムにPFAを塗布したもの(テストピース(II) )と
の2種類とした。但し、図4では、テストピース(I)
を図示している。
【0095】次いで、テストピースの表面温度が180
℃に達したら、ホットプレートの電源をOFFして、未
定着トナー像を転写した用紙をテストピース表面に圧接
する。上記用紙は、75g紙であり、トナーが100%
印字されたものである。そして、用紙に対する圧接力
は、200gf/cm2 の荷重とする。
【0096】そして、送風手段(図示せず)によりテス
トピース及び用紙を強制冷却し、テストピース表面温度
が所定温度(以下、剥離温度と称する)まで冷却した
時、用紙をテストピースから剥離する。
【0097】次いで、用紙が剥離された後のテストピー
ス上に残ったトナー(オフセットしたトナー)の濃度を
測定する。そして、全くオフセットしていないテストピ
ースのトナー濃度(基準濃度)を100として、オフセ
ット率を次式で算出した。
【0098】
【数1】
【0099】尚、上記実験で使用したトナーは、ガラス
転移点50℃、融点105℃のカラートナーである。
【0100】上記の実験により剥離温度とオフセット率
との関係を調べた結果を図5に示す。この結果から、剥
離温度が低下すると、オフセット率が急激に低下し、ト
ナーのテストピースへの付着が減少していることが分か
る。これは、トナー温度が融点以下に低下することによ
りトナー間での凝集力が増加し、トナー・テストピース
間の付着力を上回るためと考えられる。従って、一度用
紙に定着したトナーを定着ローラから剥離する前に、定
着ローラの温度を融点以下に降下させることで、オイル
を使用することなく原理的にオフセットを防止すること
が可能となる。
【0101】そこで、本願発明者らは、従来から提案さ
れていた外部加熱方式において問題点とされていた定着
ニップ部における温度効果(自己冷却作用)を利用し、
剥離温度を下げることでオフセットを防止できる定着装
置を発明するに至った。即ち、外部加熱方式において
は、内部加熱方式に比べ定着ニップ部における熱の供給
が少ないため、用紙及びトナーに熱を奪われ、定着ニッ
プ部出口の定着ローラ表面温度に降下する。従って、こ
の降下した温度を検知し、定着ニップ部出口の定着ロー
ラ表面温度を所定の温度に制御することで、定着ローラ
へのトナーのオフセット防止と、従来の外部加熱方式の
課題であった安定した定着性を両立することが可能とな
った。
【0102】しかも、図5に示す結果から、シリコンゴ
ム単体のもの(テストピース(I))よりもシリコンゴ
ムにPFAを塗布したもの(テストピース(II) )の方
が高温でオフセット率が低いことが分かる。上記テスト
ピース(II) の場合、オフセット率は、剥離温度が12
0℃までほとんど変わらず、トナーの溶融点よりも高く
なっても低いままとなっているので、定着ローラに使用
するには、テストピース(I)よりも好ましいことが分
かった。
【0103】ここで、定着装置50について、図1を参
照しながら以下に説明する。
【0104】上記定着装置50は、図1に示すように、
定着ローラ51、加圧手段としての加圧ローラ52、加
熱手段としての加熱ローラ53を有している。定着ロー
ラ51と加圧ローラ52とは上下に配置されている。
【0105】上記定着ローラ51は、耐熱弾性部材から
なり、加圧ローラ52に圧接されることで圧接部が弾性
変形すると共に、加熱ローラ53に圧接されることで圧
接部が弾性変形するようになっている。
【0106】上記加圧ローラ52は、図示しない離接機
構により定着ローラ51に対して、一定間隔(本実施の
形態では3mm)を隔てて離脱した状態と、所定の押圧
力をもって圧接された状態との2つの状態をとるように
構成されている。図1では、加圧ローラ52は、定着ロ
ーラ51に圧接した状態を示しており、定着ローラ51
の弾性変形で定着ローラ51と加圧ローラ52との間に
形成された圧接部を定着ニップ部Yとし、その幅(定着
ニップ幅)をWfとする。
【0107】また、定着ローラ51は、図示しない駆動
手段により矢印A方向に回転駆動され、該定着ローラ5
1を圧接している加圧ローラ52は上記定着ローラ51
の回転駆動に従動して矢印B方向に回転するようになっ
ている。
【0108】加熱ローラ53は、内部に加熱源としての
ヒータランプ54を有し、定着ローラ51の回転方向に
対し、定着ニップ部の上流側に設けられている。このと
き、加熱ローラ53は、その中心が定着ローラ51の中
心とほぼ水平となる位置に配置され、該定着ローラ51
に所定の押圧力をもって圧接するようになっている。
【0109】図1では、加熱ローラ53は、定着ローラ
51に圧接した状態を示しており、定着ローラ51の弾
性変形で定着ローラ51と加熱ローラ53との間に形成
された圧接部を加熱ニップ部Zとし、その幅(加熱ニッ
プ幅)をWhとする。本実施の形態では、加熱ニップ幅
Whは5mmである。また、上記加熱ローラ53は、定
着ローラ51に圧接することで、加圧ローラ52と同様
に定着ローラ51の回転に従動して矢印C方向に回転す
る。
【0110】上記加熱ローラ53の周面には、温度検知
手段としてのサーミスタ55bが配設され、加熱ローラ
53の表面温度を検知するようになっている。また、上
記定着ローラ51の回転方向に対し、定着ニップ部Yの
下流側近傍には、温度検知手段としてのサーミスタ55
aが配置され、定着後の定着ローラ51の表面温度を検
出するようになっている。また、上記加圧ローラ52の
回転方向に対し、定着ニップ部Yの下流側近傍には、剥
離爪57が加圧ローラ52に接触配置され、定着後の用
紙Pの加圧ローラ52への巻き付きを防止するようにな
っている。
【0111】尚、上記定着ローラ51、加圧ローラ5
2、加熱ローラ53の構造の詳細については、後述す
る。
【0112】上記の構成の定着装置50において、プリ
ント動作時には、先ず加圧ローラ52が離脱状態とな
り、定着ローラ51は矢印A方向に周速85mm/se
cで回転し、加熱ローラ53がヒータランプ54により
加熱される。
【0113】加熱ローラ53は、表面温度Thがサーミ
スタ55bによって検出され、この検出信号に基づいて
制御回路17によってヒータランプ54が点灯制御さ
れ、Thが所定の温度(本実施の形態では220℃)ま
で加熱される。
【0114】定着ローラ51は、加熱された加熱ローラ
53との加熱ニップ部Zにて表面が加熱され、サーミス
タ55aによって上記定着ローラ51の表面温度が検知
される。定着ローラ51の表面温度が所定の第1の温度
(本実施の形態では180℃)に達したときの検出信号
に基づいて、加圧ローラ52が定着ローラ51に圧接状
態となるように駆動される。そして、定着ローラ51と
加圧ローラ52との間の定着ニップ部Yに、画像形成装
置20から未定着のトナーTで形成された画像を担持し
た用紙Pを矢印D方向から搬送される。
【0115】上記定着ニップ部Yに搬送された用紙P
は、定着ローラ51の熱および定着ニップ部Yの圧力に
より、用紙P上に静電付着しているトナーTが熱圧定着
される。このとき、制御回路17は、サーミスタ55a
の検出信号に基づいて、定着ニップ部Yを用紙Pが通過
している間、定着ニップ部Yの出口近傍の定着ローラ5
1の表面温度Toが上記第1の温度よりも低い第2の温
度(本実施の形態では80℃)となるようにヒータラン
プ54への通電を制御するようになっている。
【0116】定着後、用紙Pは加圧ローラ52の表面に
沿って定着ローラ51から剥離し、その後剥離爪57に
よって加圧ローラ52から剥離される。
【0117】以上のように、上記構成の定着装置50で
は、図3に示すように、制御回路17にサーミスタ55
bによって検出された定着ローラ表面温度の検出信号が
入力されると共に、サーミスタ55aによって検出され
た定着ニップ部出口温度の検出信号が入力される。そし
て、制御回路17は、入力された検出信号に基づいてヒ
ータランプ54を駆動制御することで、加熱ローラ53
の温度を制御し、定着ローラ51の表面温度および定着
ニップ部出口温度を所定の温度に維持するように制御す
るようになっている。従って、上記制御回路17は、加
熱ローラ53の動作を制御する加熱制御手段をも兼ね
る。
【0118】つまり、上記制御回路17が、上記表面温
度Toがトナーの融点Tmに対して、To≦Tmとなる
ような関係になるように、加熱ローラ53を加熱制御す
ることで、環境条件、通紙枚数、用紙Pの種類等に関係
なく常に安定したトナー離型性を得ることができ、オフ
セットを防止することができる。
【0119】ここで、定着ローラ51について詳細に述
べる。
【0120】定着ローラ51は、直径30mmであり、
図1に示すように、芯材51a上に耐熱性弾性材からな
る断熱層51bを形成し、この断熱層51b上に耐熱離
型材からなる被覆層51cを被覆した構成となってい
る。
【0121】芯材51aは、定着ローラ51の強度を得
るものでアルミニウムやステンレス等を円筒状または中
空円筒状に加工したもの等を用いる。尚、本実施の形態
では、芯材51aとして直径15mm、肉厚2mmのス
テンレス製中空円筒シャフトを用いる。
【0122】断熱層51bは、加熱ローラ53によって
加熱された被覆層51cの熱を定着ローラ51内部に逃
がさない目的と、加圧ローラ52との圧接により弾性変
形して定着ニップ部Yを所定の定着ニップ幅Wfにする
ために設けられたものである。
【0123】断熱層51bを構成する耐熱性弾性材とし
ては、フッ素ゴム、シリコンゴム等の耐熱性に優れたゴ
ム材がある。以下の表1には、断熱層として内部に気泡
を有していないソリッドシリコンゴム及び発泡シリコン
ゴムを用いた場合の定着ローラ表面の温度上昇率を比較
した結果を示す。尚、上記温度上昇率は、発泡シリコン
ゴム、ソリッドシリコンゴム共に同じゴム硬度で加熱ニ
ップ幅を等しくして測定するものとする。
【0124】
【表1】
【0125】表1から、発泡シリコンゴム、ソリッドシ
リコンゴム共に同じゴム硬度で加熱ニップ幅を等しくし
たにも関わらず、発泡シリコンゴムの温度上昇率がソリ
ッドシリコンゴムの温度上昇率の約4倍となった。これ
は、発泡シリコンゴムの場合、内部に気泡が存在し、そ
の気泡内に熱伝導率の小さい空気を含んでおり、内部に
気泡の無いソリッドシリコンゴムに比べて断熱性に優れ
ているためである。これにより、発泡シリコンゴムの方
がソリッドシリコンゴムに比べて非常に温度上昇が速
く、断熱性に優れていることが分かった。本実施の形態
では、断熱層51bとして発泡シリコンゴムを厚さ7.
5mmに成型して用いる。
【0126】ところで、発泡シリコンゴムには、各気泡
が独立して形成された独立気泡のものと、各気泡が相互
に繋がり連続した連続気泡のものとがある。従って、断
熱層51bに用いられる発泡シリコンゴムが独立気泡の
ものの場合、加熱により気泡内の空気の体積膨張により
定着ローラが膨らみ、定着時に用紙にしわが生じる等の
問題が発生する。
【0127】そこで、本実施の形態では、発泡シリコン
ゴムとして連続気泡のものを用い、且つ芯材51aに、
図6に示すような直径1mmの貫通穴56を複数設けた
ものを用いる。これにより、加熱により発泡シリコンゴ
ム内の気泡が体積膨張した場合の空気を、連続した気泡
から上記の芯材51aの貫通穴56を通じて外部に逃が
すことができる。従って、加熱状態でも定着ローラの外
径を常に一定に保つことができる。
【0128】被覆層51cは、加熱ニップ部Zで加熱ロ
ーラ53から熱を受け取り、定着ニップ部Yでその熱を
用紙P上のトナーTに与えることで、トナーTの定着を
行う目的と、定着ローラ51表面へのトナー等の付着に
よる汚染を防止する目的とのために設けられたものであ
る。
【0129】被覆層51cを構成する耐熱離型材として
は、PFA(四フッ化エチレン=パーフルオロアルキル
ビニールエーテル共重合樹脂)、PTFE(四フッ化エ
チレン樹脂)等のフッ素樹脂を用いる。特に、PFA
は、前述した図5に示すように、シリコンゴムに比べて
トナーに対する離型性が優れているばかりでなく、PT
FEに比べ薄膜化が可能である。このため、本実施の形
態では、被覆層51cとして、厚さ50μmのPFAチ
ューブを用いる。
【0130】また、被覆層51cの他の目的は、断熱層
に発泡シリコンゴムを用いた場合の気泡に起因する定着
むらを低減する作用もある。
【0131】ここで、加熱ローラ53について、さらに
詳細に述べる。
【0132】加熱ローラ53は、図1に示すように、ア
ルミニウムやステンレス等からなる中空円筒状の芯材5
3aの上に、耐熱離型層53bとして耐熱性と離型性に
優れた合成樹脂材料、例えばシリコンゴムやフッ素ゴム
等の高分子材料、またはPFA、PTFE等のフッ素樹
脂やフッ素樹脂とフッ素ゴムを混合したものをコーディ
ングしたものを用いる。
【0133】尚、本実施の形態では、上記芯材53aと
して、直径15mm、肉厚0.5mmアルミニウム製円
筒シャフトを用いる。また、耐熱離型層53bを構成す
る耐熱離型材としては、PTFEを10μmの厚さに芯
材53a上に塗布焼成したものを用いる。
【0134】また、加熱ローラ53の内部には、加熱源
としてのヒータランプ54が配設されている。本実施の
形態では、ヒータランプ54の定格出力は400Wとす
る。
【0135】上記加熱ローラ53の上部には、制御回路
17の故障等で加熱ローラ53自身が異常昇温したとき
の安全装置(加熱停止手段)として、サーモスタット5
8が接触配置されている。このサーモスタット58は、
電源(図示しない)とヒータランプ54との間に直列に
配置されており、加熱ローラ53が異常昇温した時に作
動し、ヒータランプ54への電源からの電力を遮断し、
それ以上の昇温を防止するようになっている。
【0136】また、加熱ローラ53は定着ニップ部Yの
上流側に配置されているため、加熱ニップ部Zから定着
ニップ部Yまでの距離が最短となる。このため、加熱ロ
ーラ53により所定温度(180℃)に加熱された定着
ローラ51表面からの空気及び断熱層への放熱を最小限
に抑えることができ、熱効率を向上させることができ
る。また、加熱ローラ53と、定着ニップ部Yに進入す
る用紙Pとが近接するようになるので、加熱ローラ53
からの輻射や空気を介した熱伝達等による用紙Pの予熱
効果により定着性を更に向上させることができる。
【0137】また、加熱ローラ53は、表面に多少の傷
が生じても、定着ローラ51の表面に傷が生じた場合の
ように定着画像に影響を及ぼす虞はない。このため、上
述したように加熱ローラ53にサーモスタット58を接
触配置することができるので、サーモスタット58によ
る加熱ローラ53表面の温度検知がより正確なものとな
る。この結果、加熱ローラ53の異常昇温等の異常時の
検知を迅速に行うことができるので、異常時の定着ロー
ラ51の温度上昇を確実に防止でき、定着装置およびこ
れを備えた機器へのダメージを最小限に抑えることがで
きる。
【0138】上記の定着装置50では、定着ニップ部Y
での自己冷却作用により定着ローラ51へのトナーのオ
フセットを防止できる構成となっている。しかしなが
ら、用紙がジャムしたとき等の異常動作時には、定着ロ
ーラ51にトナーが付着する虞がある。また、トナー以
外にも紙粉等も付着する虞がある。このように、定着ロ
ーラ51にトナーや紙粉等が付着すれば、定着画像に悪
影響を及ぼすという問題が生じる。
【0139】従って、上記のような事態を回避するため
に、定着ローラ51には、表面に付着したトナーや紙粉
等を除去するためのクリーニング手段を設ける必要があ
る。
【0140】ところで、上記構成の定着装置50では、
定着ローラ51の表面に加熱ローラ53が接触配置され
ている。この加熱ローラ53に、定着ローラ51の表面
のクリーニングを行うクリーニング手段を兼ねさせるこ
とができる。具体的には、加熱ローラ53の耐熱離型層
53bを廃止したり、若しくは耐熱離型層53bの代わ
りに粘着性を有するシリコンゴム等を被覆することで、
定着ローラ51表面に比べてトナーや紙粉等に対する接
触性を向上させれば良い。これにより、加熱ローラ53
を用いて定着ローラ51表面のクリーニングを行うこと
ができる。
【0141】上記のように加熱ローラ53をクリーニン
グ手段として用いる場合には、加熱ローラ53の下面側
に、加熱ローラ53と接触するようにクリーニングパッ
ド59を設ける。このクリーニングパッド59により、
加熱ローラ53表面に付着したトナーや紙粉等が回収さ
れる。
【0142】以上のように、加熱ローラ53に、定着ロ
ーラ51表面をクリーニングするクリーニング手段とし
ての働きを持たせることで、別にクリーニング手段を設
ける必要がなくなり、装置の小型化および低価格化を図
ることができる。
【0143】ここで、加圧ローラ52について詳細に述
べる。
【0144】上記加圧ローラ52は、図1に示すよう
に、芯材52aの上に、トナーの付着を防ぐために耐熱
離型層52bを形成した構成となっている。
【0145】上記芯材52aは、アルミニウムやステン
レス等からなる円筒または中空円筒からなる。尚、本実
施の形態では、芯材52aとして、直径30mmのアル
ミニウム製円筒シャフトを用いる。
【0146】上記耐熱離型層52bは、シリコンゴム等
の高分子材料、またはPFA、PTFE等のフッ素樹脂
やフッ素樹脂とフッ素ゴムを混合したものを用いる。こ
の場合、上記混合物を、芯材52aの表面にコーディン
グして耐熱離型層52bとしている。尚、本実施の形態
では、耐熱離型層52bを構成する耐熱離型材として、
PTFEを10μmの厚みに芯材52a上に塗布焼成し
たものを用いる。
【0147】ところで、上述した定着ローラ51は、弾
性を有する断熱層51bを有しているので、ローラ硬度
が非常に低い(ASKER C 40°)ため、低圧力で弾性変
形させることができる。これにより、定着ローラ51側
の弾性変形だけで十分に広い定着ニップ幅Wfを得るこ
とができる。従って、加圧ローラ52は、弾性変形する
必要がないので、従来必要だった弾性材としてのシリコ
ンゴム等の高価なゴム材料を用いる必要がなくなり、構
成が簡単で、低コストを図ることができる。
【0148】また、加圧ローラ52表面に、熱伝導率の
低いゴム材料がないため、定着ローラ51からの熱が加
圧ローラ52に伝わり易い。従って、加圧ローラ52
は、定着ローラ51からの熱量を考慮して以下のように
して構成される。
【0149】つまり、ハガキや封筒等の幅の狭い用紙
(以下、小サイズ紙と称する)を、定着ニップ部Yに通
紙した時に、定着ニップ部Yの小サイズ紙が通過した通
紙部において定着ローラ51から小サイズ紙に伝わる熱
量(単位長さ当たり)をQ2、定着ニップ部Yの小サイ
ズ紙が通過していない非通紙部において定着ローラ51
から加圧ローラ52に伝わる熱量(単位長さ当たり)を
Q1とすると、以下の式(1)を満たすようにして加圧
ローラ52の構成が決定される。
【0150】 Q1≧Q2 ・・・・・・・・(1) このように加圧ローラ52を構成することで、定着ロー
ラ51の熱が加圧ローラ52を介して逃げやすくなるの
で、小サイズ紙を定着ニップ部Yに連続通紙した場合で
も、定着ローラ51の非通紙部が異常昇温することな
く、通紙部とほぼ同じ温度に維持されるので、機内温度
上昇や高温オフセットの発生、定着ローラ51内部の温
度上昇における自己冷却作用の低下等を防止することが
できる。
【0151】ところで、加圧ローラ52をこのように伝
熱性に優れた構成にすれば、定着ローラ51のウォーム
アップ時に定着ローラ51から加圧ローラ52に熱が逃
げてしまい、ウォームアップ時間が長くなる虞がある。
しかしながら、定着装置50の構成の説明でしたよう
に、加圧ローラ52は、定着ローラ51に対して離接可
能に配置されているので、上記のように定着ローラ51
のウォームアップ時には加圧ローラ52を定着ローラ5
1から離脱した状態にすれば良い。このように、必要な
ときに加圧ローラ52を定着ローラ51に圧接するよう
にすれば、定着ローラ51の加圧ローラ52の圧接によ
る永久変形を防止する効果も奏する。
【0152】また、加圧ローラ52は、定着ローラ51
に比べてローラ硬度が高くなっているので、図1に示す
ように、定着ニップ部Yにおいて定着ローラ51側に食
い込んだ状態となる。即ち、定着ニップ部Yは、断面形
状が定着ローラ側(用紙の画像面側)に凸の形状とな
り、定着ニップ部Y出口での用紙Pの出紙方向が加圧ロ
ーラ52に沿った方向となる。これにより、定着ローラ
51側に、定着後の用紙Pを定着ローラ51から剥離す
るための剥離爪等の剥離手段を設けなくとも、用紙Pは
確実に定着ローラ51から剥離する。
【0153】従って、定着ローラ51から用紙Pを剥離
するために設けられた剥離爪により、定着ローラ51表
面が傷つく虞がないので、従来問題であった剥離爪によ
り定着ローラ表面の傷による画像面の乱れ等を防止する
ことができる。また、用紙Pが加圧ローラ52に沿って
剥離するようになるので、定着ニップ部Yの出口におい
てサーミスタ55aの配置も容易となる。
【0154】ところが、上述のように、定着後の用紙P
が加圧ローラ52に沿って定着ローラ51から剥離され
れば、用紙Pは加圧ローラ52に巻き付いたり、用紙P
が逆カール(上に凸のカール)したりする問題が生じ
る。しかしながら、本実施の形態では、図1に示すよう
に、加圧ローラ52の定着ニップ部Yの出口側に剥離爪
57が該加圧ローラ52に接触配置されている。これに
より、定着後の用紙Pは、加圧ローラ52に巻き付いた
り、逆カールしたりすることがなくなる。
【0155】また、加圧ローラ52は、ローラ硬度が高
く、表面にゴム材等を使用していないので、剥離爪57
によって加圧ローラ52表面に傷が付く虞がない。仮
に、加圧ローラ52表面に傷が付いても、加圧ローラ5
2は用紙Pに対して非画像形成面側で接触しているの
で、定着画像に悪影響を及ぼす虞はない。
【0156】さらに、剥離爪57の剥離面57aは、図
1に示すように、下に凸状に形成されている。これによ
り、定着ニップ部Yにおいて一端逆カールした用紙P
は、剥離爪57の剥離面57aに沿って正カール(下に
凸のカール)させられるため、最終的に用紙Pはカール
のないフラットな状態とすることができる。
【0157】本実施の形態における外部加熱方式の定着
装置と、従来の内部加熱方式の定着装置とにおけるそれ
ぞれの定着ニップ部での定着ローラ表面の温度変化をシ
ミュレーションモデルを用いて計算した結果を図7に示
す。ここで、内部加熱方式の定着装置の定着ローラの構
成は、直径30mmで断熱層にソリッドのシリコンゴム
(厚み1.5mm)、被覆層にPFAチューブ(厚み5
0μm)を用いると共に、芯材はアルミニウム製で厚み
2mmの中空円筒状のものを用いる。
【0158】図7から、外部加熱方式の定着ローラ表面
温度は、定着ニップ部入口から急激に低下し、その後は
上昇は見られないが、内部加熱方式の定着ローラ表面温
度は、定着ニップ部入口で一旦低下し、その後徐々に上
昇していることが分かる。これは、外部加熱方式では用
紙及びトナーに熱が奪われて、定着ローラ表面温度は次
第に低下する一方、内部加熱方式では定着ニップ部入口
で一旦トナーに熱が奪われて定着ローラ表面温度は低下
するが、その後定着ローラ内部から熱の供給がなされ、
外部加熱方式とは逆に定着ローラ表面温度が徐々に上昇
するためである。
【0159】また、両方式による定着性、オフセットの
発生の有無、およびウォームアップ時間について実験に
よって比較した結果を以下の表2に示す。尚、本実験で
使用した定着装置は、上述のシミュレーションモデルで
用いたものと同じものとする。ここで、内部加熱方式の
定着装置の定着ニップ幅を4.5mm、外部加熱方式の
定着装置の定着ニップ幅を8.0mmとし、定着ニップ
部入口の定着ローラ表面温度を両方式とも180℃とす
る。また、実験に使用したトナーは、前述のオフセット
防止の原理実験に使用したカラートナーと同じものを使
用する。
【0160】
【表2】
【0161】表2から、内部加熱方式では、定着ニップ
部出口の定着ローラ表面温度がトナーの融点(105
℃)以上の133℃となっており、オフセットが発生し
ている。一方、外部加熱方式では、自己冷却作用によ
り、定着ニップ部出口の定着ローラ表面温度がトナー融
点(105℃)以下の80℃となっており、オフセット
は発生していない。さらに、外部加熱方式では、内部加
熱方式に比べてウォームアップ時間も大幅に短縮されて
いることが分かる。
【0162】〔実施の形態2〕 本発明の他の実施の形態について図8に基づいて説明す
れば、以下の通りであある。尚、説明の便宜上、前記実
施の形態1と同じ機能を有する部材には、同一の符号を
付記し、その説明は省略する。
【0163】本実施の形態に係る定着装置は、図8に示
すように、前記実施の形態1における定着装置50の加
圧ローラ52の代わりに加圧手段としての加圧機構60
を備え、他の構成部材は前記実施の形態1と同じとす
る。
【0164】上記加圧機構60は、エンドレスベルト6
3が、2個のステンレス製のローラ61・62により5
kgfの張力で張架され、一方のローラ61が図示しな
い圧力手段により定着ローラ51の中心に向かって付勢
され、他方のローラ62は固定された構成となってい
る。これにより、エンドレスベルト63が定着ローラ5
1に圧接するようになり、定着ニップ部Yを形成するよ
うになっている。このときの定着ローラ51とエンドレ
スベルト63の巻付角は約60°であり、定着ニップ幅
Wfは15mmである。
【0165】上記エンドレスベルト63は、ポリイミド
フィルムからなる厚み100μmの基材の表面(定着ロ
ーラ51と接触する面)に厚さ10μmのフッ素樹脂コ
ーティングが施された構成となっている。エンドレスベ
ルト63およびローラ61・62は、定着ローラ51の
回転に従動して矢印B方向に回転するようになってい
る。
【0166】上記のようにエンドレスベルト63は、上
記のフッ素樹脂によって定着ローラ51側表面がコーテ
ィングされているので、耐熱性、離型性を確保すること
ができる。
【0167】上記構成の定着装置の動作について以下に
説明する。
【0168】先ず、プリント動作時には加熱ローラ53
はヒータランプ54により加熱され、その表面温度がサ
ーミスタ55bにより検出され、この検出信号に基づい
てヒータランプ54への通電が制御回路17により制御
され、所定の温度(本実施の形態では220℃)に維持
される。
【0169】次いで、定着ローラ51は矢印A方向に回
転し、加熱ニップ部Zにおいて矢印C方向に従動回転す
る加熱ローラ53により表面が所定の温度(本実施の形
態では180℃)に加熱される。
【0170】その後、定着ニップ部Yに対して未定着の
トナーTで形成された画像を担持した用紙Pを矢印D方
向に搬送導入することで、定着ローラ51の熱及び定着
ニップ部Yの圧力により用紙P上に静電付着しているト
ナーTが用紙Pに熱圧定着される。
【0171】上記のように、定着ローラ51と定着ニッ
プ部Yを形成するための加圧手段を、エンドレスベルト
63で構成した加圧機構60を用いることで、加圧手段
も弾力性を有するようになる。これにより、低圧力で定
着ニップ部の幅を広くすることが可能となるので、上述
した定着ニップ部Yでの定着ローラ51の自己冷却作用
が更に大きくなり、オフセット防止効果の向上および定
着性の大幅な向上を奏することができる。
【0172】しかも、エンドレスベルト63と定着ロー
ラ51とで形成される定着ニップ部Yは、ニップ幅が広
く、低圧力であるので、該定着ニップ部Yに通紙される
用紙Pに逆カールあるいは正カール等の変形を生じさせ
る虞がない。これにより、定着ニップ部を通紙する用紙
Pは、ほぼフラットな状態で定着されることになるの
で、定着ローラ51に巻き付く虞がなくなる。この結
果、定着ローラ51から定着後の用紙Pを剥離するため
の剥離爪等の剥離手段を設ける必要がなくなるので、装
置の簡素化および小型化を図ることができる。
【0173】以上のように、各実施の形態では、定着ロ
ーラ51を加熱する加熱手段として、該定着ローラ51
の回転に従動する加熱ローラ53を用いているので、定
着ローラ51と加熱ローラ53との摺動による磨耗がな
く、安定して加熱することができる。これにより、高速
プリントにも対応することができる。
【0174】また、各実施の形態では、定着装置をトナ
ーが一種類のモノクロのレーザプリンタに適用した場合
について説明したが、トナーを複数種類使用するフルカ
ラーのレーザプリンタやフルカラー複写機等の電子写真
機器にも適用できることは言うまでもない。
【0175】
【発明の効果】請求項1の発明の定着装置は、以上のよ
うに、定着ローラと、該定着ローラの外周面を押圧する
加圧手段とを含み、上記定着ローラと加圧手段との圧接
により形成された圧接部に、未定着トナー像の形成され
た記録材を搬送することにより該記録材にトナーを熱溶
融して定着させる定着装置において、上記圧接部上流側
の上記定着ローラの外部に配置され、該定着ローラの表
面を加熱する加熱手段と、上記圧接部下流側に配置さ
れ、上記圧接部出口近傍の定着ローラの表面温度を検出
する表面温度検出手段と、上記記録材の上記圧接部搬送
中、該圧接部出口近傍の定着ローラの表面温度が所定温
度で維持されるように、上記表面温度検出手段の出力に
基づいて上記加熱手段を制御する加熱制御手段とを有
し、上記定着ローラは、上記加圧手段に押圧されること
で上記圧接部が弾性変形する耐熱弾性部材からなり、
記加圧手段は、上記加熱手段による定着ローラ表面のウ
ォームアップ動作時に該定着ローラから離脱するよう
に、該定着ローラに対して離接可能 に支持され、上記加
熱制御手段は、上記圧接部出口近傍の定着ローラの表面
温度をTo、上記トナーの融点をTmとした時に、 To≦Tm の関係となるように、上記加熱手段を制御す る構成であ
る。
【0176】それゆえ、定着ローラ表面が、定着ローラ
と加圧手段との圧接部の上流側で外部から加熱されてい
るので、該圧接部は直接熱の供給がなされない。このた
め、圧接部において、未定着トナー像が形成された記録
材を加熱して加熱してトナーの定着を行う際には、定着
ローラ表面は記録材及びトナーにより熱が奪われ(自己
冷却作用)温度が低下する。
【0177】これにより、圧接部で一旦溶融し記録材に
定着されたトナーは、定着ローラ表面の自己冷却作用に
より冷却され凝集力が増加し、定着ローラへの付着力が
低下し、この後記録材が定着ローラから離脱するように
なるので、定着ローラへのトナーの付着、即ちオフセッ
トは発生しないようになる。
【0178】この結果、上記オフセット防止のために、
定着ローラにオイルを塗布する必要がなくなるので、複
雑なオイル塗布機構が不要となり、装置の低コスト化を
図ることができ、定着ローラの寿命を向上させることが
できる。
【0179】また、定着ローラ表面温度は、表面温度検
出手段により圧接部出口近傍で検出され、この検出温度
に基づいて上記圧接部ローラ表面の圧接部出口近傍の温
度が所定の温度で維持されるように制御されるので、定
着ローラ表面温度の圧接部入口から出口に至る温度勾配
の安定化が図れる。これにより、従来の外部加熱方式の
問題点であった定着条件、即ち環境条件、通紙枚数、記
録材種類等の条件によって上記温度勾配の不安定さを解
消でき、常に安定した定着性及びトナー離型性を確保す
ることができるという効果を奏する。
【0180】また、圧接部出口近傍の定着ローラの表面
温度Toがトナーの融点Tmより常に低くなるように制
御されているので、環境条件、通紙枚数、記録材種類等
に関係なく常に安定したトナー離型性を得ることがで
き、オフセットを防止することができる。また、ウォー
ムアップ時に加圧手段が定着ローラから離脱するように
なっているので、ウォームアップ時の定着ローラから加
圧手段に熱が逃げることがなくなり、加圧手段への熱逃
げによるウォームアップ時間の延長を無くすことができ
る。さらに、加圧手段は、定着ローラに対して離接自在
に支持されていることから、必要なときだけ定着ローラ
を加圧するようになるので、加圧による定着ローラの永
久変形を防止することができるという効果を奏する。
【0181】請求項の発明の定着装置は、以上のよう
に、請求項の構成に加えて、定着ローラは、回転の中
心軸上に設けられた芯材と、該芯材表面に設けられた弾
性を有する断熱層と、該断熱層の外周面に設けられたト
ナー離型性を有する被覆層とからなる構成である。
【0182】それゆえ、請求項の構成による効果に加
えて、上記定着ローラは表面にトナー離型性を有する被
覆層が形成されているので、この被覆層の熱容量を小さ
くすれば、定着ローラ表面の自己冷却作用による温度勾
配を大きくすることができ、トナー定着性とトナー離型
性の両方を容易に向上させることができる。
【0183】また、断熱層が弾性を有しているので、低
圧力で十分な圧接部の幅、即ち定着ニップ幅を確保する
ことができる。しかも、被覆層からの熱が断熱層から逃
げにくいので、定着ローラのウォームアップ時間を短縮
することができるという効果を奏する。
【0184】請求項の発明の定着装置は、以上のよう
に、請求項の構成に加えて、断熱層は、発泡シリコン
ゴムからなる構成である。
【0185】それゆえ、請求項の構成による効果に加
えて、発泡シリコンゴムは、内部に気泡を有しているこ
とで、気泡のないソリッドシリコンゴムに比べて断熱性
が高くなる。それゆえ、断熱層を発泡シリコンゴムで構
成することで、断熱性を向上させ、ウォームアップ時間
の短縮を図ることができる。しかも、発泡シリコンゴム
は低硬度であるので、低圧力でより広い定着ニップ幅を
得ることができるという効果を奏する。
【0186】請求項の発明の定着装置は、以上のよう
に、請求項の構成に加えて、発泡シリコンゴムは連続
気泡で構成されると共に、上記芯材は表面に複数の貫通
孔が設けられた中空円筒で構成されている構成である。
【0187】それゆえ、請求項の構成による効果に加
えて、定着ローラが加熱手段により加熱され、断熱層の
発泡シリコンゴム内の気泡が体積膨張しても、連続気泡
から芯材の貫通孔を通じて膨張した空気が逃げるように
なる。これにより、定着ローラの断熱層に発泡シリコン
ゴムを用いた場合に懸念される気泡の膨張による定着ロ
ーラ外径の膨らみを無くし、定着ローラの外径を常に一
定に保持することができるという効果を奏する。
【0188】請求項の発明の定着装置は、以上のよう
に、請求項ないしの何れかの構成に加えて、被覆層
は、四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエー
テル共重合樹脂からなる構成である。
【0189】それゆえ、請求項ないしの何れかの構
成による効果に加えて、被覆層が四フッ化エチレン−パ
ーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂からなるこ
とで、トナーとの離型性に優れたものにすることがで
き、オフセットの防止効果をさらに向上させることがで
きるという効果を奏する。
【0190】請求項の発明の定着装置は、以上のよう
に、請求項ないしの何れかの構成に加えて、加熱手
段は、上記定着ローラに接触して回転する加熱ローラか
らなる構成である。
【0191】それゆえ、請求項ないしの何れかの構
成による効果に加えて、定着ローラの回転に従動して加
熱手段である加熱ローラが回動するようになるので、加
熱手段による定着ローラの磨耗が少なくなる。これによ
り、定着ローラの寿命を向上させることができるという
効果を奏する。
【0192】請求項の発明の定着装置は、以上のよう
に、請求項の構成に加えて、加熱ローラ表面は、粘着
性を有している構成である。
【0193】それゆえ、請求項の構成による効果に加
えて、加熱ローラ表面が粘性を有しているので、定着ロ
ーラ表面に付着するトナーや紙粉等を吸着することがで
きる。これにより、加熱ローラは、定着ローラを加熱す
る加熱手段と、定着ローラをクリーニングするクリーニ
ング手段とを兼ねたものとなる。従って、クリーニング
手段を別に設ける必要がないので、装置の小型化および
低価格化を図ることができるという効果を奏する。
【0194】請求項の発明の定着装置は、以上のよう
に、請求項ないしの何れかの構成に加えて、加圧手
段は、上記記録材が上記圧接部を通過しないときの上記
定着ローラから該加圧手段に伝達する単位長さ当たりの
熱量をQ1、前記記録材が上記圧接部を通過するときの
上記定着ローラから該記録材に伝達する単位長さ当たり
の熱量をQ2としたとき、Q1≧Q2となるように構成
されている構成である。
【0195】それゆえ、請求項ないしの何れかの構
成による効果に加えて、ハガキや封筒等の定着ローラの
幅に比べて幅の狭い記録材を、圧接部に連続して通紙し
ても、記録材やトナー等により熱が奪われない定着ロー
ラの非通紙部の熱が加圧手段側に逃げるようになる。こ
れにより、定着ローラの非通紙部の温度上昇を抑えるこ
とができ、機内温度上昇や高温オフセットの発生、定着
ローラ内部の温度上昇による自己冷却作用の低下等を防
止することができるという効果を奏する。
【0196】請求項の発明の定着装置は、以上のよう
に、請求項ないしの何れかの構成に加えて、加圧手
段は、回転の中心軸に設けられた金属芯材と、該金属芯
材の表面に被覆されたフッ素樹脂からなる耐熱性離型層
とを有する加圧ローラからなる構成である。
【0197】それゆえ、請求項ないしの何れかの構
成による効果に加えて、加圧手段が金属芯材表面にフッ
素樹脂からなる耐熱性離型層を被覆したローラであるた
め、定着ローラから加圧手段への伝熱量が多く、上述し
たQ1≧Q2という条件を満足させることができると共
に、構成が簡単であり、低価格を図ることができる。
【0198】また、定着後の記録材が加圧ローラに沿っ
て定着ローラから剥離されるので、定着ローラ表面の定
着ニップ部出口と記録材との間に適度な空間を形成する
ことができ、この空間に上記定着ローラ表面の定着ニッ
プ部出口温度を検出する温度検出手段を配置すれば良い
ので、上記温度検出手段の配置を容易にすることができ
るという効果を奏する。
【0199】請求項1の発明の定着装置は、以上のよ
うに、請求項の構成に加えて、加圧ローラと定着ロー
ラとの圧接部出口近傍に、該圧接部出口から排出される
記録材を該加圧ローラから剥離するための剥離手段が設
けられ、剥離手段は、その剥離面が加圧ローラ側に凸と
なるように形成されている構成である。
【0200】それゆえ、請求項の構成による効果に加
えて、加圧ローラに対して、定着後の記録材の巻き付き
を防止するために剥離爪等の剥離手段を設けているの
で、記録材の加圧ローラへの巻き付きを確実に防止する
ことができる。また、剥離手段が、その剥離面が加圧ロ
ーラ側に凸となるように形成されていることで、定着ロ
ーラ側に凸にカールした定着後の記録材を、加圧ローラ
から剥離する際に、加圧ローラ側に凸にカールさせるこ
とができる。これにより、定着ニップ部からの排出され
る記録材のカールを補正することができるという効果を
奏する。
【0201】請求項1の発明の定着装置は、以上のよ
うに、請求項の構成に加えて、加圧手段は、上記定着
ローラに同期して回転するエンドレスベルトからなる構
成である。
【0202】それゆえ、請求項の構成による効果に加
えて、加圧手段が、上記定着ローラに同期して回転する
エンドレスベルトからなることで、加圧手段がローラ上
のものよりも低圧力で広い定着ニップ幅を確保すること
ができ、定着性を向上させることができる。しかも、定
着ニップ幅を広くすることで、定着ローラと加圧手段と
の接触面が広くなり、定着ローラの自己冷却作用による
オフセット効果を更に向上させることができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る定着装置の概略構
成図である。
【図2】図1に示す定着装置を備えたレーザプリンタの
概略構成図である。
【図3】図1に示す定着装置の加熱制御回路を示す制御
ブロック図である。
【図4】オフセット防止効果を確認するための実験方法
を示す説明図である。
【図5】図4に示す実験方法により確認された剥離温度
とオフセット率との関係を示すグラフである。
【図6】図1に示す定着装置に備えられた定着ローラの
芯材の斜視図である。
【図7】外部加熱方式と内部加熱方式における定着ニッ
プ部の位置とこの位置に対応する定着ローラ表面の温度
との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る定着装置の概略
構成図である。
【図9】従来の内部加熱方式の定着装置の概略構成図で
ある。
【図10】従来のフィルム加熱方式の定着装置の概略構
成図である。
【符号の説明】
17 制御回路(加熱制御手段) 50 定着装置 51 定着ローラ 51a 芯材 51b 断熱層 51c 被覆層 52 加圧ローラ(加圧手段) 53 加熱ローラ(加熱手段) 55a サーミスタ(表面温度検知手段) 55b サーミスタ(表面温度検知手段) 57 剥離爪(剥離手段) 57a 剥離面 58 サーモスタット(加熱停止手段) 60 加圧機構(加圧手段) 61 ローラ(加圧手段) 62 ローラ(加圧手段) 63 エンドレスベルト P 用紙(記録材) Y 定着ニップ部(圧接部) Z 加熱ニップ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 昌吾 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−62434(JP,A) 特開 昭50−160042(JP,A) 特開 平4−199172(JP,A) 特開 昭62−283374(JP,A) 特開 昭51−70648(JP,A) 特開 平6−348171(JP,A) 特開 平6−274058(JP,A) 特開 昭60−22171(JP,A) 特開 昭50−62448(JP,A) 特開 平5−241464(JP,A) 特開 平6−318001(JP,A) 特開 平5−150679(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定着ローラと、該定着ローラの外周面を押
    圧する加圧手段とを含み、上記定着ローラと加圧手段と
    の圧接により形成された圧接部に、未定着トナー像の形
    成された記録材を搬送することにより該記録材にトナー
    を熱溶融して定着させる定着装置において、上記圧接部上流側の上記定着ローラの外部に配置され、
    該定着ローラの表面を加熱する加熱手段と、 上記圧接部下流側に配置され、上記圧接部出口近傍の定
    着ローラの表面温度を検出する表面温度検出手段と、 上記記録材の上記圧接部搬送中、該圧接部出口近傍の定
    着ローラの表面温度が所定温度で維持されるように、上
    記表面温度検出手段の出力に基づいて上記加熱手段を制
    御する加熱制御手段と、 を有し、 上記定着ローラは、上記加圧手段に押圧されることで上
    記圧接部が弾性変形する耐熱弾性部材からなり、上記加圧手段は、上記加熱手段による定着ローラ表面の
    ウォームアップ動作時に該定着ローラから離脱するよう
    に、該定着ローラに対して離接可能に支持され、 上記加熱制御手段は、上記圧接部出口近傍の定着ローラ
    の表面温度をTo、上記トナーの融点をTmとした時
    に、 To≦Tm の関係となるように、上記加熱手段を制御す ることを特
    徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】上記定着ローラは、回転の中心軸上に設け
    られた芯材と、該芯材表面に設けられた弾性を有する断
    熱層と、該断熱層の外周面に設けられたトナー離型性を
    有する被覆層とからなることを特徴とする請求項1記載
    定着装置。
  3. 【請求項3】上記断熱層は、発泡シリコンゴムからな
    ことを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 【請求項4】上記発泡シリコンゴムは連続気泡で構成さ
    れると共に、上記芯材は表面に複数の貫通孔が設けられ
    た中空円筒で構成されていることを特徴とする請求項
    記載の定着装置。
  5. 【請求項5】上記被覆層は、四フッ化エチレン−パーフ
    ロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂からなることを
    特徴とする請求項2ないしの何れかに記載の定着装
    置。
  6. 【請求項6】上記加熱手段は、上記定着ローラに接触し
    て回転する加熱ローラからなることを特徴とする請求項
    1ないしの何れかに記載の定着装置。
  7. 【請求項7】上記加熱ローラは、粘着性を有しているこ
    とを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  8. 【請求項8】上記加圧手段は、上記記録材が上記圧接部
    を通過しないときの上記定着ローラから該加圧手段に伝
    達する単位長さ当たりの熱量をQ1、前記記録材が上記
    圧接部を通過するときの上記定着ローラから該記録材に
    伝達する単位長さ当たりの熱量をQ2としたとき、 Q1≧Q2 となるように構成されてい ることを特徴とする請求項
    ないしの何れかに記載の定着装置。
  9. 【請求項9】上記加圧手段は、回転の中心軸に設けられ
    た金属芯材と、該金属芯材の表面に被覆されたフッ素樹
    脂からなる耐熱性離型層とを有する加圧ローラからな
    ことを特徴とする請求項ないしの何れかに記載の定
    着装置。
  10. 【請求項10】上記加圧ローラと定着ローラとの圧接部
    出口近傍に、該圧接部出口から排出される記録材を該加
    圧ローラから剥離するための剥離手段が設けられ、 上記剥離手段は、その剥離面が下に凸となるように形成
    れていることを特徴とする請求項記載の定着装置。
  11. 【請求項11】上記加圧手段は、上記定着ローラに同期
    して回転するエンドレスベルトからなることを特徴とす
    る請求項記載の定着装置。
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