JP2004178888A - 加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱用回転体外部加熱構成の加熱装置について、温度検知手段の汚染による温度検知精度の劣化、磨耗、傷付き等の問題なしに、より精度の高い加熱用回転体温調制御を行わせる。
【解決手段】回転体対1・3で加熱ニップN1を形成し、該加熱ニップN1に被加熱材Pを挿通して加熱する加熱装置であって、前記回転体対1・3を成す少なくとも一方の回転体1に外接するフィルム2aと、該フィルム2aを介して前記回転体1を加熱する加熱手段2とを具備し、前記フィルム2aが前記回転体1に接触する部位C1において、前記回転体1が接触する面の逆側の前記フィルム面に接触する温度検知手段5を具備することを特徴とする加熱装置。
【選択図】図1
【解決手段】回転体対1・3で加熱ニップN1を形成し、該加熱ニップN1に被加熱材Pを挿通して加熱する加熱装置であって、前記回転体対1・3を成す少なくとも一方の回転体1に外接するフィルム2aと、該フィルム2aを介して前記回転体1を加熱する加熱手段2とを具備し、前記フィルム2aが前記回転体1に接触する部位C1において、前記回転体1が接触する面の逆側の前記フィルム面に接触する温度検知手段5を具備することを特徴とする加熱装置。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複写機・プリンタ等の画像形成装置において、熱軟化樹脂トナー画像を形成担持させた記録材を加熱して、記録材上に永久固着像を形成する画像加熱定着装置として用いて好適な加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、電子写真複写機・プリンタ・ファックス等の画像形成装置を例にして説明する。
【0003】
画像形成装置における画像加熱定着装置は、画像形成装置の作像部に於いて電子写真・静電記録・磁気記録などの適宜の画像形成プロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナー(顕画剤)を用いて記録材の面に直接方式若しくは間接(転写)方式で形成した未定着トナー画像を記録材面に永久固着画像として加熱定着処理をする装置である。
【0004】
従来、そのような画像加熱定着装置としては、熱ローラ方式やフィルム加熱方式をあげることができる。
【0005】
熱ローラ方式は、定着ローラ(熱ローラ)と加圧ローラとの回転ローラ対を形成して、定着ローラ内にハロゲンランプ等の熱源を内蔵させて所定の定着温度に加熱・温調し、ローラ対の圧接ニップ部(定着ニップ部)に被加熱材としての、未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して挟持搬送させることで未定着のトナー画像を記録材面に加熱定着させる加熱装置である。
【0006】
フィルム加熱方式は、上記熱ローラの代わりに小熱容量のフィルムを用いて、フィルムと加圧ローラとで記録材を挟持・搬送するとともに、フィルム内面に配されたヒータにより記録材を加熱する加熱装置である。
【0007】
通常、これらの装置ではヒータの点灯を制御して、記録材に与える熱量が適切になるようにする。
【0008】
熱ローラ方式の場合であれば、熱ローラ表面にサーミスタ等の温度測定手段を接触させて温度検出し、ローラ表面の温度を制御するのが一般的である。
【0009】
また、フィルム加熱方式ではヒータにサーミスタを当接させて温度検出を行って、ヒータの温度を直接制御する。
【0010】
しかしながら、ローラ表面にサーミスタを接触させる場合には、ローラ表面に当接傷を作ったり、サーミスタに付着した汚れなどが画像を汚したりするという問題(ボタ落ち)が発生する。また、画像域外の熱ローラ部分にサーミスタを当接させる場合や、フィルム加熱方式においてヒータ温度を制御したりする場合には、記録材に与える熱量を正確に制御することが難しく、ホットオフセットや定着不良などが発生するという問題があった。
【0011】
特に、熱ローラやフィルムの表面に弾性層を設ける場合には、弾性層が断熱層として働いて、ヒータからの熱応答性を悪くするために、温度制御をより一層難しくしていた。
【0012】
表面に弾性層や離型層等の断熱的な被覆を設ける場合には、表面側から加熱する方式(表面加熱方式)も考案されている(例えば、特許文献1参照)。この方式によれば、熱を表面から供給できるためにヒータ点灯に対する応答がよく、立ち上げ時間の短縮を図ることができる。
【特許文献1】
特開平10−133505号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの方式においても、温度検知手段を表面に当接させた場合には熱ローラ方式と同様にローラ傷や汚れ等の問題が発生する。
【0014】
したがって、立ち上げ時間を短縮し、ホットオフセットや定着不良が発生しない、紙粉汚れやボタ落ちなどの画像不良が発生しない、加熱装置としての定着装置を具備した画像形成装置が要望されている。
【0015】
本発明はこのような要望に応え得る加熱装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱装置は、回転体対で加熱ニップを形成し、該加熱ニップに被加熱材を挿通して加熱する加熱装置であって、前記回転体対を成す少なくとも一方の回転体に外接するフィルムと、該フィルムを介して前記回転体を加熱する加熱手段とを具備し、前記フィルムが前記回転体に接触する部位において、前記回転体が接触する面の逆側の前記フィルム面に接触する温度検知手段を具備することを特徴とする加熱装置、である。
【0017】
<作 用>
回転体に接触するフィルムに、その逆側から温度検知部材を接触させることによって、温度検知部材は回転体の表面に摩擦する事無く表面温度を検知できる構成となり、ローラ表面の摩擦傷や汚れの発生を防ぐことができる。また、加熱手段の発熱状態を温度検知手段が検知しやすく、フィードバック制御により温度制御を安定させることができる。
【0018】
フィルムを介して加熱される回転体が弾性層で被覆されることにより、加熱部材との接触を確保しやすく、効率の良い熱伝達を可能にするとともに、温度検知手段との接触を確実なものとし、温度制御の精度を高めることができる。
【0019】
上記の加熱装置を画像加熱定着装置として具備させた画像形成装置においては、記録材が加熱装置を通過する時間よりも長い時間、非通紙状態で加熱装置を動作させる状態を設ける画像形成モードを有することにより、加熱に必要な熱を回転体に蓄えることができる。
【0020】
上記作用により、ホットオフセットや定着不良が発生しない、紙粉汚れやボタ落ちなどの画像不良が発生しない、不均一な画像を発生しない、加熱装置及び、これを具備した画像形成装置を提供できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
<実施形態例1>(図1〜7)
(1)画像形成装置例
図2は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真フルカラープリンタであり、記録材の幅中央を装置長手方向の中央に揃えて通紙する中央基準の装置である。
【0022】
11は有機感光体でできた電子写真感光体ドラム(像担持体)であり、矢印の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)120mm/sで回転駆動される。
【0023】
感光ドラム11はその回転過程で帯電ローラなどの帯電装置12で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
【0024】
次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レーザスキャナ)13から出力されるレーザ光Lによる、目的画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱13は不図示のコンピュータ等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光Lを出力して感光体ドラム面を走査露光するもので、この走査露光により感光体ドラム11面に走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。13aはレーザ光学箱13からの出力レーザ光を感光体ドラム11の露光位置に反射させるミラーである。
【0025】
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜像が4色画像形成装置14のうちイエロー現像器14Yの作動でイエロートナー像として現像される。そのイエロートナー像は感光体ドラム11と中間転写ドラム16との接触部(或いは近接部)である一次転写部T1において中間転写ドラム16の面に転写される。中間転写ドラム16面に対するトナー像転写後の感光体ドラム11面はクリーナ17により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0026】
上記のような帯電・走査露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の、第2(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器14Mが作動)、第3(例えばシアン成分画像、シアン現像器14Cが作動)、第4(例えば黒成分画像、黒現像器14BKが作動)の各色分解成分画像について順次に実行され、中間転写ドラム16面にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、黒トナー像の都合4色のトナー像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラー画像が合成形成される。
【0027】
中間転写ドラム16は金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光体ドラム11に接触して或いは近接して感光体ドラム11と略同じ周速度で矢印の反時計方向に回転駆動され、金属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ドラム11との電位差で感光体ドラム11側のトナー像を該中間転写体ドラム16面側に転写させる。
【0028】
上記の中間転写ドラム16面に合成されたカラートナー画像は、該中間転写ドラム16と転写ローラ15との接触ニップ部である二次転写部T2において、該二次転写部T2に不図示の給紙部から所定のタイミングで送り出された記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ15は記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写ドラム16面側から記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
【0029】
二次転写部T2を通過した記録材Pは中間転写ドラム16の面から分離されて定着装置10へと導入され、未定着トナー像の加熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出される。
【0030】
定着装置10は本発明に従う加熱装置である。定着装置10については次の(2)項で詳述する。
【0031】
記録材Pに対するカラートナー像転写後の中間転写ドラム16はクリーナ18により転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。このクリーナ18は常時は中間転写ドラム16に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム16から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写ドラム16に接触状態に保持される。
【0032】
また、転写ローラ15も第4の色(BK)が画像形成される前は中間転写ドラム16に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム16から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写ドラム16に接触状態に保持される。
【0033】
上記フルカラー画像形成動作に対して、モノカラー画像形成動作では黒現像器14BKのみを動作させて、現像器を切り替えることをしない。中間転写ドラム16上には引き続けて次ページの画像を形成可能であり、転写ローラ15及びクリーナ18は中間転写ドラム14に対して当接状態のまま一連の画像形成動作を行う。したがって、モノカラー画像形成時にはフルカラー画像形成の約4倍の速度で画像形成可能になり、本例ではフルカラーで毎分4ページ(A4サイズ)、モノカラーで毎分16ページの記録速度となる。
【0034】
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行なうことができる。図10にこの画像形成装置の動作工程図を示した。
【0035】
1)前多回転工程
画像形成装置の始動(起動)動作期間(ウォーミング期間)である。画像形成装置のメイン電源スイッチのONにより、画像形成装置のメインモータを起動させて、所要のプロセス機器の準備動作を実行する。
【0036】
2)スタンバイ
所定の始動動作期間終了後、メインモータの駆動が停止し、プリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
【0037】
3)前回転工程
プリントジョブ開始信号の入力に基づいて、メインモータを再駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ前動作を実行する期間である。
【0038】
より実際的は、▲1▼画像形成装置がプリントジョブ開始信号を受信、▲2▼フォーマッタで画像を展開(画像のデータ量やフォーマッタの処理速度により展開時間は変わる)、▲3▼前回転工程開始、という順序になる。
【0039】
なお、前記1)の前多回転工程中にプリントジョブ開始信号が入力している場合は、前多回転工程の終了後、前記2)のスタンバイ無しに、引き続き前回転工程に移行する。
【0040】
4)プリントジョブ実行
所定の前回転工程が終了すると、引き続いて前記の画像形成プロセスが実行されて、画像形成済みの記録材が出力される。
【0041】
連続プリントジョブの場合は前記の画像形成プロセスが繰返されて所定枚数分の画像形成済みの記録材が順次に出力される。
【0042】
5)紙間工程
連続プリントジョブの場合において、一の記録材Pの後端と次の記録材Pの先端との間隔工程であり、転写部や定着装置においては非通紙状態期間である。
【0043】
5)後回転工程
1枚だけのプリントジョブの場合その画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)、あるいは連続プリントジョブの場合その連続プリントジョブの最後の画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)もメインモータを引き続き駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ後動作を実行する期間である。
【0044】
6)スタンバイ
所定の後回転工程終了後、メインモータの駆動が停止し、次のプリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
【0045】
(2)定着装置10
図1は定着装置10の一部切り欠き側面模型図である。
この定着装置10は回転体対を成す定着ローラ1と加圧ローラ3及び、定着ローラ1に対する表面加熱ユニット2を主体とする。
【0046】
定着ローラ1は、芯金1aと、該芯金の外周を被覆させた3mm厚のシリコーンゴム層1b、さらにその外周を被覆させた50μm厚のPFA樹脂1cからなる外径20mmの弾性ローラである。
【0047】
同様に加圧ローラ3は、芯金3aと、該芯金の外周を被覆させた3mm厚のシリコーンゴム層3b、さらにその外周を被覆させた50μm厚のPFA樹脂3cからなる外径20mmの弾性ローラであり、所定の加圧力(100N)で定着ローラ1に加圧されて定着ニップN1を形成する。
【0048】
表面加熱ユニット2は、加熱手段としてのセラミックヒータ2bを支持するヒータホルダ2cの周囲に回転自在にエンドレスベルト状(円筒状)の加熱フィルム2aを外嵌したもので、加圧ステー2dによりヒータホルダ2cを定着ローラ1に対し定着ローラ1の弾性層3bの弾性に抗して加圧して、ヒータ2bを定着ローラ1に対し加熱フィルム2aを介して圧接させることで、加熱ニップN2を形成させてある。
【0049】
また、ヒータ2b(加熱ニップN2)よりも定着ローラ回転方向上流側においても加熱フィルム2aが定着ローラ面に接触するフィルム延長接触部C1が形成されるようにヒータホルダ2cのフィルムガイド面形状を構成してある。
【0050】
すなわち、加熱フィルム2aはヒータホルダ2cにガイドされて加熱ニップN2及びその上流の接触部C1で定着ローラ1に接触する。
【0051】
そして、本実施例においては、上記表面加熱ユニット2のフィルム延長接触部C1において、加熱フィルム2aの定着ローラ1が接触する面の逆側のフィルム面、すなわちフィルム内面(裏面)に、温度検知手段であるところのサーミスタ5を押圧バネ等により常時加圧当接させて具備させてある。
【0052】
加熱フィルム2aは厚み40μmのPI(ポリイミド)樹脂の表面に10μmのPFA樹脂を被覆したもので、周長は56.5mmのものを用いた。セラミックヒータ2bは幅8mm、厚み1mmのアルミナの上に抵抗体を印刷により形成し、その上をガラスで保護した出力700Wのものを用いた。
【0053】
定着ローラ1は駆動手段Mにより図1において矢印の時計方向に回転駆動される。この定着ローラ1の回転駆動に伴い加圧ローラ3が定着ニップN1内の摩擦により矢印の反時計方向に従動回転する。また表面加熱ユニット2の加熱フィルム2aが加熱ニップN2内およびフィルム延長接触部C1内の摩擦によりその内面側がヒータ2bの面およびサーミスタ5に密着摺動しながらヒータホルダ2cの外回りを矢印の反時計方向に従動回転する。
【0054】
また、表面加熱ユニット2は、加熱手段としてのセラミックヒータ2bは給電回路101から通電発熱抵抗層に対して通電がなされることで迅速に昇温する。このヒータ2bの発熱により加熱ニップ部N2において回転定着ローラ1の表面が加熱フィルム2aを介して加熱される。
【0055】
サーミスタ5は加熱フィルム2aを介して定着ローラ1の表面温度を検知しており、このサーミスタ5による検知温度を基に、制御回路100は給電回路101からセラミックヒータ2bへの給電状態を制御して定着ローラ1の表面温度が所定の定着温度に保たれるように温調制御している。
【0056】
定着ローラ1が回転駆動され、これに伴い加圧ローラ3および表面加熱ユニット2の加熱フィルム2aが従動回転し、表面加熱ユニット2のセラミックヒータ2bに通電がなされて定着ローラ1の表面温度が所定の定着温度に加熱温調された状態において、定着ローラ1と加圧ローラ3との間の定着ニップ部N1に被加熱材としての、未定着トナー像tを担持した記録材Pが導入されることで、記録材Pは定着ローラ1の外面に密着して該定着ローラ1と一緒に定着ニップ部Nを通過していき、該定着ニップ部通過過程で、定着ローラ1からの熱伝導によってトナー像tが加熱されてトナー像の加熱定着がなされる。定着ニップ部N1を通った記録材Pは定着ニップ部N1の記録材出口側で定着ローラ1の外面から分離されて搬送される。
【0057】
(3)温度制御
本例では、定着ローラ1に対して表面加熱ユニット2により定着ローラ表面から熱を供給しており、この定着ローラ1に与えられた熱で記録材Pを加熱する。定着ローラ表面の温度変化に追従するために、PID(過去の温度の時間変化を基に比例・積分・微分処理して次の状態を決定する)制御によってセラミックヒータ2の給電状態を制御する。
【0058】
実験的に定着ローラ1の表面を一定の温度(200℃)に維持した後セラミックヒータ2bの給電を止めて、記録材Pを定着ニップN1に挿通すると、定着ニップN1の記録材出口側(排紙側)のO点で測定した定着ローラ1の表面温度は図3に示すように変化する。階段状に低下するのは、定着ローラ1の表面から周回を追うごとに記録材に熱が奪われるためである。均一な定着性能を得るためには、記録材に奪われた熱をセラミックヒータ2bから定着ローラ1に供給し、記録材への熱供給能力を一定に維持する必要がある。
【0059】
記録材が通紙されて、定着ローラ1が1周する間は、記録材が通紙される前(紙間や前回転)の加熱により表面のみならず、ローラ深部及び表面近傍で蓄熱しており熱供給能力は高い。2周目はローラ表面近傍からの熱供給が間に合わなくなるため熱供給能力が下がると考えられる。また、周回を繰り返すうちにローラ深部から表面近傍へ熱供給が得られるために、熱供給能力がやや回復する傾向が見られる。
【0060】
サーミスタ5は加熱フィルム2aを介して定着ローラ1の表面温度を検知しており、両者の間に熱抵抗による温度勾配が存在する。特に、記録材が通紙される時は、随時熱が奪われていく典型的な非定常状態となり、温度勾配は拡大する。
【0061】
したがって本例では、通紙時の目標温度は上記傾向を考慮して高く設定する。具体的には非通紙時(紙間)180℃に対して、通紙時は200℃に設定した。
【0062】
これによって、この排紙側の定着ローラ表面温度が図4に示すようにほぼ一定(160℃)になるようにセラミックヒータ2bに給電されて制御される。
【0063】
本例ではトナー量が多く、定着のためにより多くの熱を必要とするフルカラー画像形成時には、紙間を通紙時間の約5倍確保できる。このため紙間で定着装置10の回転・加熱動作を維持することにより、定着ローラ1への蓄熱を十分行って熱供給能力を高めることができる利点がある。
【0064】
(4)比較例
図5、図6は従来の温度検知手段の設置例を示す一部切り欠き側面図で、図5は定着ローラ1の表面にサーミスタ5を長手中央に当接したもの(比較例1)であり、図6はセラミックヒータ2bに当接させたもの(比較例2)である。
【0065】
上記温度制御によって比較例1及び比較例2に記録材を通した場合の、排紙側(図中O点)の定着ローラ温度変化はそれぞれ図7(a)及び図7(b)のように観測される。
【0066】
比較例1によれば、2周目の温度は1周目と同じに制御されているものの、3周目からは温度が上昇しており、記録材の後半でホットオフセットが発生した。これは記録材に奪われた直後の定着ローラ1の表面のみを温度検知しているので、定着ローラ1の深部の蓄熱状態が温度制御に反映されず過昇温状態となったためと考えられる。
【0067】
一方、比較例2によれば、2周目の温度は1周目と同じ状態で制御されているものの、3周目以降は温度が低下して後半では定着不良が発生した。これは、サーミスタ5がセラミックヒータ2自身の昇温を検知するために、定着ローラ1の表面温度低下に対して鈍感になって出力を上げられないことが原因と考えられる。
【0068】
これら比較例に対して本例では、サーミスタ5が定着ローラ1の表面温度を検知しつつ、フィルムを介してセラミックヒータ2の発熱状態がフィードバックされるため、2周目以降の熱供給能力の回復分を差し引いて制御して、定着ローラ1の過昇温或いは温度低下が発生しない。
【0069】
また、比較例1においては定着ローラ1の表面にサーミスタ5による摩擦傷を発生させたり、サーミスタ5の定着ローラ1との当接部にトナーや紙粉等の汚れが溜まって、記録材上の画像不良や汚れ等の問題が発生するのに対して、本例ではサーミスタ5は加熱フィルム2a内に当接しており、そのような問題は発生しない。
【0070】
以上を整理すると、本発明の構成では表面加熱方式を採用することにより、立ち上がり時間を短縮できる(約15秒)という利点に加え、表1に示すように、比較例に対してホットオフセットや定着不良を防止するとともに、画像汚れが発生しない定着装置及び画像形成装置を構成することができる。
【0071】
【表1】
【0072】
<実施形態例2>(図8)
図8は本実施形態例2における定着装置10の一部切り欠き側面模型図である。
【0073】
本例の装置は前述図1〜図7の装置との対比において、図1に示すサーミスタ5の配置が異なる点を除いて同じである。
【0074】
すなわち、本例の装置は、ヒータ2b(加熱ニップN2)よりも定着ローラ回転方向下流側において加熱フィルム2aが定着ローラ面に接触するフィルム延長接触部C2が形成されるようにヒータホルダ2cのフィルムガイド面形状を構成してあり、加熱フィルム2aはヒータホルダ2cにガイドされて加熱ニップN2及びその下流の接触部C2で定着ローラ1に接触する。そして、上記表面加熱ユニット2のフィルム延長接触部C2において、加熱フィルム2aの定着ローラ1が接触する面の逆側のフィルム面、すなわちフィルム内面(裏面)に、温度検知手段であるところのサーミスタ5を押圧バネ等により常時加圧当接させて具備させてある。
【0075】
サーミスタ5は加熱ニップN2通過後の定着ローラ温度を加熱フィルム2aを介して検知しているため、加熱結果が反映された制御となるため、制御を安定させることができる。
【0076】
また定着ニップN1よりも定着ローラ回転方向上流側の定着ローラ1の表面温度を監視・制御しており、セラミックヒータ2bや、電源電圧のばらつきによる加熱ニップN2内での熱供給状態の差を補正して温度を制御できるという利点がある。
【0077】
本例において加熱フィルム2aとして金属フィルム、例えばステンレスやニッケル、銅等の金属フィルムをPI樹脂フィルムの代わりに用いれば、一層応答性に優れた負帰還制御が可能となり、均一な定着性能を得ることができる。
【0078】
<実施形態例3>(図9)
図9は本実施形態例3の画像加熱定着装置10の一部切り欠き側面模型図である。
【0079】
本例の装置は前述図1〜図7の装置との対比において、図9に示す表面加熱ユニット2´の構成を除いて同じである。
【0080】
本例では表面加熱ユニット2´を、加熱ローラ2fと、加熱ローラ2fに内包されるハロゲンヒータ2eと、加熱ローラ2fの周囲を回転自在に嵌合させた加熱フィルム2aと、加熱フィルム2aにテンションを付勢する張架ローラ2gとで構成してある。
【0081】
加熱ローラ2fは厚さ1mm、直径30mmのアルミニュームからなる中空円筒で、ハロゲンヒータ2eは出力700Wのものを用いた。加熱ローラ2fは加熱フィルム2aを介して定着ローラ1に圧接していて加熱ニップN2を形成している。加熱フィルム2a、加熱ローラ2f、張架ローラ2gは定着ローラ1の回転に従動回転する。
【0082】
加熱フィルム2aは厚み50μmのPI樹脂の表面に10μmのフッ素樹脂を被覆したもので、周長は120mmのものを用いた。
【0083】
張架ローラ2gは厚み1mm、直径15mmのステンレスローラで、20Nの張力を定着フィルム2aに与えると同時に、加熱ローラ2f(加熱ニップN2)よりも定着ローラ回転方向上流側においても加熱フィルム2aが定着ローラ面に接触するフィルム延長接触部C1が形成されるように定着フィルム2aを定着ローラ1の面に沿わせている。サーミスタ5はこのフィルム延長接触部C1のフィルム内面に接触させてある。
【0084】
本例では比較的熱容量の大きい加熱ローラ2fを加熱源に用いるために、立ち上げ時間は若干長くなるものの(約30秒)、ハロゲンヒータ2eの点消灯による温度ムラが発生しにくく、定着性能の均一性を保つことができるという利点がある。
【0085】
また、加熱ローラ2fが回転体であり、低いトルクでフィルムを従動回転させることができるために、安定したフィルム走行性を得ることができるという利点がある。
【0086】
<その他>
a)実施形態例1〜3において加圧用回転体3は、加圧ローラの代わりに、特開2001−228731公報に開示されているエンドレスベルトと加圧部材からなる加圧フィルムユニットを用いて小熱容量化を図ってもよい。
【0087】
b)また、加熱用回転体としての定着ローラ1は中空構造とし、この中空部にハロゲンヒータ等を補助加熱手段として内包させて用いてもよい。
【0088】
c)また、加熱用回転体1はローラ体に限られず、回動ベルト体にすることもできる。
【0089】
d)本発明の加熱装置は実施形態例の画像加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0090】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0091】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0092】
〔実施態様1〕 回転体対で加熱ニップを形成し、該加熱ニップに被加熱材を挿通して加熱する加熱装置であって、
前記回転体対を成す少なくとも一方の回転体に外接するフィルムと、該フィルムを介して前記回転体を加熱する加熱手段とを具備し、
前記フィルムが前記回転体に接触する部位において、前記回転体が接触する面の逆側の前記フィルム面に接触する温度検知手段を具備することを特徴とする加熱装置。
【0093】
〔実施態様2〕 温度検知手段を加熱手段より回転体の回転上流に配したことを特徴とする実施態様1に記載の加熱装置。
【0094】
〔実施態様3〕 温度検知手段を加熱手段より回転体の回転下流に配したことを特徴とする実施態様1に記載の加熱装置。
【0095】
〔実施態様4〕 被加熱材がトナー像を担持した記録材であって、フィルムを介して加熱される回転体は、トナー像に接する側に配置されていることを特徴とする実施態様1乃至3の何れか一つに記載の加熱装置。
【0096】
〔実施態様5〕 フィルムを介して加熱される回転体は弾性層が被覆されていることを特徴とする実施態様1乃至4の何れか一つに記載の加熱装置。
【0097】
〔実施態様6〕 温度検知手段の検知温度に基づき加熱手段を制御することを特徴とする実施態様1乃至5の何れか一つに記載の加熱装置。
【0098】
〔実施態様7〕 記録材上に未定着トナー画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させる定着手段を有し、該定着手段が実施態様1乃至6の何れか一つに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0099】
〔実施態様8〕 記録材が加熱装置を通過する時間よりも長い時間、非通紙状態で加熱装置を動作させる状態を設ける画像形成モードを有することを特徴とする実施態様7に記載の画像形成装置。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加熱用回転体外部加熱構成の加熱装置について、温度検知手段の汚染による温度検知精度の劣化、磨耗、傷付き等の問題なしに、より精度の高い加熱用回転体温調制御を行わせることが可能となる。
【0101】
画像加熱定着装置や該装置を搭載した画像形成装置にあっては、ホットオフセットや定着不良が発生しない、紙粉汚れやボタ落ちなどの画像不良が発生しない、不均一な画像を発生しない加熱装置及び、これを具備する画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図2】実施形態例1における画像形成装置の概略構成図
【図3】実施形態例1における温度変化を示す図
【図4】実施形態例1における温度変化を示す図
【図5】比較例1のおける定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図6】比較例2における定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図7】比較例における温度変化を示す図
【図8】実施形態例2における定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図9】実施形態例3における定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図10】画像形成装置の動作工程図
【符号の説明】
1‥‥定着ローラ、2a‥‥加熱フィルム、2b‥‥セラミックヒータ、2c‥‥ヒータホルダ、3‥‥加圧ローラ、5‥‥温度検知手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複写機・プリンタ等の画像形成装置において、熱軟化樹脂トナー画像を形成担持させた記録材を加熱して、記録材上に永久固着像を形成する画像加熱定着装置として用いて好適な加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、電子写真複写機・プリンタ・ファックス等の画像形成装置を例にして説明する。
【0003】
画像形成装置における画像加熱定着装置は、画像形成装置の作像部に於いて電子写真・静電記録・磁気記録などの適宜の画像形成プロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナー(顕画剤)を用いて記録材の面に直接方式若しくは間接(転写)方式で形成した未定着トナー画像を記録材面に永久固着画像として加熱定着処理をする装置である。
【0004】
従来、そのような画像加熱定着装置としては、熱ローラ方式やフィルム加熱方式をあげることができる。
【0005】
熱ローラ方式は、定着ローラ(熱ローラ)と加圧ローラとの回転ローラ対を形成して、定着ローラ内にハロゲンランプ等の熱源を内蔵させて所定の定着温度に加熱・温調し、ローラ対の圧接ニップ部(定着ニップ部)に被加熱材としての、未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して挟持搬送させることで未定着のトナー画像を記録材面に加熱定着させる加熱装置である。
【0006】
フィルム加熱方式は、上記熱ローラの代わりに小熱容量のフィルムを用いて、フィルムと加圧ローラとで記録材を挟持・搬送するとともに、フィルム内面に配されたヒータにより記録材を加熱する加熱装置である。
【0007】
通常、これらの装置ではヒータの点灯を制御して、記録材に与える熱量が適切になるようにする。
【0008】
熱ローラ方式の場合であれば、熱ローラ表面にサーミスタ等の温度測定手段を接触させて温度検出し、ローラ表面の温度を制御するのが一般的である。
【0009】
また、フィルム加熱方式ではヒータにサーミスタを当接させて温度検出を行って、ヒータの温度を直接制御する。
【0010】
しかしながら、ローラ表面にサーミスタを接触させる場合には、ローラ表面に当接傷を作ったり、サーミスタに付着した汚れなどが画像を汚したりするという問題(ボタ落ち)が発生する。また、画像域外の熱ローラ部分にサーミスタを当接させる場合や、フィルム加熱方式においてヒータ温度を制御したりする場合には、記録材に与える熱量を正確に制御することが難しく、ホットオフセットや定着不良などが発生するという問題があった。
【0011】
特に、熱ローラやフィルムの表面に弾性層を設ける場合には、弾性層が断熱層として働いて、ヒータからの熱応答性を悪くするために、温度制御をより一層難しくしていた。
【0012】
表面に弾性層や離型層等の断熱的な被覆を設ける場合には、表面側から加熱する方式(表面加熱方式)も考案されている(例えば、特許文献1参照)。この方式によれば、熱を表面から供給できるためにヒータ点灯に対する応答がよく、立ち上げ時間の短縮を図ることができる。
【特許文献1】
特開平10−133505号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの方式においても、温度検知手段を表面に当接させた場合には熱ローラ方式と同様にローラ傷や汚れ等の問題が発生する。
【0014】
したがって、立ち上げ時間を短縮し、ホットオフセットや定着不良が発生しない、紙粉汚れやボタ落ちなどの画像不良が発生しない、加熱装置としての定着装置を具備した画像形成装置が要望されている。
【0015】
本発明はこのような要望に応え得る加熱装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱装置は、回転体対で加熱ニップを形成し、該加熱ニップに被加熱材を挿通して加熱する加熱装置であって、前記回転体対を成す少なくとも一方の回転体に外接するフィルムと、該フィルムを介して前記回転体を加熱する加熱手段とを具備し、前記フィルムが前記回転体に接触する部位において、前記回転体が接触する面の逆側の前記フィルム面に接触する温度検知手段を具備することを特徴とする加熱装置、である。
【0017】
<作 用>
回転体に接触するフィルムに、その逆側から温度検知部材を接触させることによって、温度検知部材は回転体の表面に摩擦する事無く表面温度を検知できる構成となり、ローラ表面の摩擦傷や汚れの発生を防ぐことができる。また、加熱手段の発熱状態を温度検知手段が検知しやすく、フィードバック制御により温度制御を安定させることができる。
【0018】
フィルムを介して加熱される回転体が弾性層で被覆されることにより、加熱部材との接触を確保しやすく、効率の良い熱伝達を可能にするとともに、温度検知手段との接触を確実なものとし、温度制御の精度を高めることができる。
【0019】
上記の加熱装置を画像加熱定着装置として具備させた画像形成装置においては、記録材が加熱装置を通過する時間よりも長い時間、非通紙状態で加熱装置を動作させる状態を設ける画像形成モードを有することにより、加熱に必要な熱を回転体に蓄えることができる。
【0020】
上記作用により、ホットオフセットや定着不良が発生しない、紙粉汚れやボタ落ちなどの画像不良が発生しない、不均一な画像を発生しない、加熱装置及び、これを具備した画像形成装置を提供できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
<実施形態例1>(図1〜7)
(1)画像形成装置例
図2は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真フルカラープリンタであり、記録材の幅中央を装置長手方向の中央に揃えて通紙する中央基準の装置である。
【0022】
11は有機感光体でできた電子写真感光体ドラム(像担持体)であり、矢印の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)120mm/sで回転駆動される。
【0023】
感光ドラム11はその回転過程で帯電ローラなどの帯電装置12で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
【0024】
次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レーザスキャナ)13から出力されるレーザ光Lによる、目的画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱13は不図示のコンピュータ等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光Lを出力して感光体ドラム面を走査露光するもので、この走査露光により感光体ドラム11面に走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。13aはレーザ光学箱13からの出力レーザ光を感光体ドラム11の露光位置に反射させるミラーである。
【0025】
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜像が4色画像形成装置14のうちイエロー現像器14Yの作動でイエロートナー像として現像される。そのイエロートナー像は感光体ドラム11と中間転写ドラム16との接触部(或いは近接部)である一次転写部T1において中間転写ドラム16の面に転写される。中間転写ドラム16面に対するトナー像転写後の感光体ドラム11面はクリーナ17により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0026】
上記のような帯電・走査露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の、第2(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器14Mが作動)、第3(例えばシアン成分画像、シアン現像器14Cが作動)、第4(例えば黒成分画像、黒現像器14BKが作動)の各色分解成分画像について順次に実行され、中間転写ドラム16面にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、黒トナー像の都合4色のトナー像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラー画像が合成形成される。
【0027】
中間転写ドラム16は金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光体ドラム11に接触して或いは近接して感光体ドラム11と略同じ周速度で矢印の反時計方向に回転駆動され、金属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ドラム11との電位差で感光体ドラム11側のトナー像を該中間転写体ドラム16面側に転写させる。
【0028】
上記の中間転写ドラム16面に合成されたカラートナー画像は、該中間転写ドラム16と転写ローラ15との接触ニップ部である二次転写部T2において、該二次転写部T2に不図示の給紙部から所定のタイミングで送り出された記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ15は記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写ドラム16面側から記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
【0029】
二次転写部T2を通過した記録材Pは中間転写ドラム16の面から分離されて定着装置10へと導入され、未定着トナー像の加熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出される。
【0030】
定着装置10は本発明に従う加熱装置である。定着装置10については次の(2)項で詳述する。
【0031】
記録材Pに対するカラートナー像転写後の中間転写ドラム16はクリーナ18により転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。このクリーナ18は常時は中間転写ドラム16に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム16から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写ドラム16に接触状態に保持される。
【0032】
また、転写ローラ15も第4の色(BK)が画像形成される前は中間転写ドラム16に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム16から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写ドラム16に接触状態に保持される。
【0033】
上記フルカラー画像形成動作に対して、モノカラー画像形成動作では黒現像器14BKのみを動作させて、現像器を切り替えることをしない。中間転写ドラム16上には引き続けて次ページの画像を形成可能であり、転写ローラ15及びクリーナ18は中間転写ドラム14に対して当接状態のまま一連の画像形成動作を行う。したがって、モノカラー画像形成時にはフルカラー画像形成の約4倍の速度で画像形成可能になり、本例ではフルカラーで毎分4ページ(A4サイズ)、モノカラーで毎分16ページの記録速度となる。
【0034】
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行なうことができる。図10にこの画像形成装置の動作工程図を示した。
【0035】
1)前多回転工程
画像形成装置の始動(起動)動作期間(ウォーミング期間)である。画像形成装置のメイン電源スイッチのONにより、画像形成装置のメインモータを起動させて、所要のプロセス機器の準備動作を実行する。
【0036】
2)スタンバイ
所定の始動動作期間終了後、メインモータの駆動が停止し、プリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
【0037】
3)前回転工程
プリントジョブ開始信号の入力に基づいて、メインモータを再駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ前動作を実行する期間である。
【0038】
より実際的は、▲1▼画像形成装置がプリントジョブ開始信号を受信、▲2▼フォーマッタで画像を展開(画像のデータ量やフォーマッタの処理速度により展開時間は変わる)、▲3▼前回転工程開始、という順序になる。
【0039】
なお、前記1)の前多回転工程中にプリントジョブ開始信号が入力している場合は、前多回転工程の終了後、前記2)のスタンバイ無しに、引き続き前回転工程に移行する。
【0040】
4)プリントジョブ実行
所定の前回転工程が終了すると、引き続いて前記の画像形成プロセスが実行されて、画像形成済みの記録材が出力される。
【0041】
連続プリントジョブの場合は前記の画像形成プロセスが繰返されて所定枚数分の画像形成済みの記録材が順次に出力される。
【0042】
5)紙間工程
連続プリントジョブの場合において、一の記録材Pの後端と次の記録材Pの先端との間隔工程であり、転写部や定着装置においては非通紙状態期間である。
【0043】
5)後回転工程
1枚だけのプリントジョブの場合その画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)、あるいは連続プリントジョブの場合その連続プリントジョブの最後の画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)もメインモータを引き続き駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ後動作を実行する期間である。
【0044】
6)スタンバイ
所定の後回転工程終了後、メインモータの駆動が停止し、次のプリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
【0045】
(2)定着装置10
図1は定着装置10の一部切り欠き側面模型図である。
この定着装置10は回転体対を成す定着ローラ1と加圧ローラ3及び、定着ローラ1に対する表面加熱ユニット2を主体とする。
【0046】
定着ローラ1は、芯金1aと、該芯金の外周を被覆させた3mm厚のシリコーンゴム層1b、さらにその外周を被覆させた50μm厚のPFA樹脂1cからなる外径20mmの弾性ローラである。
【0047】
同様に加圧ローラ3は、芯金3aと、該芯金の外周を被覆させた3mm厚のシリコーンゴム層3b、さらにその外周を被覆させた50μm厚のPFA樹脂3cからなる外径20mmの弾性ローラであり、所定の加圧力(100N)で定着ローラ1に加圧されて定着ニップN1を形成する。
【0048】
表面加熱ユニット2は、加熱手段としてのセラミックヒータ2bを支持するヒータホルダ2cの周囲に回転自在にエンドレスベルト状(円筒状)の加熱フィルム2aを外嵌したもので、加圧ステー2dによりヒータホルダ2cを定着ローラ1に対し定着ローラ1の弾性層3bの弾性に抗して加圧して、ヒータ2bを定着ローラ1に対し加熱フィルム2aを介して圧接させることで、加熱ニップN2を形成させてある。
【0049】
また、ヒータ2b(加熱ニップN2)よりも定着ローラ回転方向上流側においても加熱フィルム2aが定着ローラ面に接触するフィルム延長接触部C1が形成されるようにヒータホルダ2cのフィルムガイド面形状を構成してある。
【0050】
すなわち、加熱フィルム2aはヒータホルダ2cにガイドされて加熱ニップN2及びその上流の接触部C1で定着ローラ1に接触する。
【0051】
そして、本実施例においては、上記表面加熱ユニット2のフィルム延長接触部C1において、加熱フィルム2aの定着ローラ1が接触する面の逆側のフィルム面、すなわちフィルム内面(裏面)に、温度検知手段であるところのサーミスタ5を押圧バネ等により常時加圧当接させて具備させてある。
【0052】
加熱フィルム2aは厚み40μmのPI(ポリイミド)樹脂の表面に10μmのPFA樹脂を被覆したもので、周長は56.5mmのものを用いた。セラミックヒータ2bは幅8mm、厚み1mmのアルミナの上に抵抗体を印刷により形成し、その上をガラスで保護した出力700Wのものを用いた。
【0053】
定着ローラ1は駆動手段Mにより図1において矢印の時計方向に回転駆動される。この定着ローラ1の回転駆動に伴い加圧ローラ3が定着ニップN1内の摩擦により矢印の反時計方向に従動回転する。また表面加熱ユニット2の加熱フィルム2aが加熱ニップN2内およびフィルム延長接触部C1内の摩擦によりその内面側がヒータ2bの面およびサーミスタ5に密着摺動しながらヒータホルダ2cの外回りを矢印の反時計方向に従動回転する。
【0054】
また、表面加熱ユニット2は、加熱手段としてのセラミックヒータ2bは給電回路101から通電発熱抵抗層に対して通電がなされることで迅速に昇温する。このヒータ2bの発熱により加熱ニップ部N2において回転定着ローラ1の表面が加熱フィルム2aを介して加熱される。
【0055】
サーミスタ5は加熱フィルム2aを介して定着ローラ1の表面温度を検知しており、このサーミスタ5による検知温度を基に、制御回路100は給電回路101からセラミックヒータ2bへの給電状態を制御して定着ローラ1の表面温度が所定の定着温度に保たれるように温調制御している。
【0056】
定着ローラ1が回転駆動され、これに伴い加圧ローラ3および表面加熱ユニット2の加熱フィルム2aが従動回転し、表面加熱ユニット2のセラミックヒータ2bに通電がなされて定着ローラ1の表面温度が所定の定着温度に加熱温調された状態において、定着ローラ1と加圧ローラ3との間の定着ニップ部N1に被加熱材としての、未定着トナー像tを担持した記録材Pが導入されることで、記録材Pは定着ローラ1の外面に密着して該定着ローラ1と一緒に定着ニップ部Nを通過していき、該定着ニップ部通過過程で、定着ローラ1からの熱伝導によってトナー像tが加熱されてトナー像の加熱定着がなされる。定着ニップ部N1を通った記録材Pは定着ニップ部N1の記録材出口側で定着ローラ1の外面から分離されて搬送される。
【0057】
(3)温度制御
本例では、定着ローラ1に対して表面加熱ユニット2により定着ローラ表面から熱を供給しており、この定着ローラ1に与えられた熱で記録材Pを加熱する。定着ローラ表面の温度変化に追従するために、PID(過去の温度の時間変化を基に比例・積分・微分処理して次の状態を決定する)制御によってセラミックヒータ2の給電状態を制御する。
【0058】
実験的に定着ローラ1の表面を一定の温度(200℃)に維持した後セラミックヒータ2bの給電を止めて、記録材Pを定着ニップN1に挿通すると、定着ニップN1の記録材出口側(排紙側)のO点で測定した定着ローラ1の表面温度は図3に示すように変化する。階段状に低下するのは、定着ローラ1の表面から周回を追うごとに記録材に熱が奪われるためである。均一な定着性能を得るためには、記録材に奪われた熱をセラミックヒータ2bから定着ローラ1に供給し、記録材への熱供給能力を一定に維持する必要がある。
【0059】
記録材が通紙されて、定着ローラ1が1周する間は、記録材が通紙される前(紙間や前回転)の加熱により表面のみならず、ローラ深部及び表面近傍で蓄熱しており熱供給能力は高い。2周目はローラ表面近傍からの熱供給が間に合わなくなるため熱供給能力が下がると考えられる。また、周回を繰り返すうちにローラ深部から表面近傍へ熱供給が得られるために、熱供給能力がやや回復する傾向が見られる。
【0060】
サーミスタ5は加熱フィルム2aを介して定着ローラ1の表面温度を検知しており、両者の間に熱抵抗による温度勾配が存在する。特に、記録材が通紙される時は、随時熱が奪われていく典型的な非定常状態となり、温度勾配は拡大する。
【0061】
したがって本例では、通紙時の目標温度は上記傾向を考慮して高く設定する。具体的には非通紙時(紙間)180℃に対して、通紙時は200℃に設定した。
【0062】
これによって、この排紙側の定着ローラ表面温度が図4に示すようにほぼ一定(160℃)になるようにセラミックヒータ2bに給電されて制御される。
【0063】
本例ではトナー量が多く、定着のためにより多くの熱を必要とするフルカラー画像形成時には、紙間を通紙時間の約5倍確保できる。このため紙間で定着装置10の回転・加熱動作を維持することにより、定着ローラ1への蓄熱を十分行って熱供給能力を高めることができる利点がある。
【0064】
(4)比較例
図5、図6は従来の温度検知手段の設置例を示す一部切り欠き側面図で、図5は定着ローラ1の表面にサーミスタ5を長手中央に当接したもの(比較例1)であり、図6はセラミックヒータ2bに当接させたもの(比較例2)である。
【0065】
上記温度制御によって比較例1及び比較例2に記録材を通した場合の、排紙側(図中O点)の定着ローラ温度変化はそれぞれ図7(a)及び図7(b)のように観測される。
【0066】
比較例1によれば、2周目の温度は1周目と同じに制御されているものの、3周目からは温度が上昇しており、記録材の後半でホットオフセットが発生した。これは記録材に奪われた直後の定着ローラ1の表面のみを温度検知しているので、定着ローラ1の深部の蓄熱状態が温度制御に反映されず過昇温状態となったためと考えられる。
【0067】
一方、比較例2によれば、2周目の温度は1周目と同じ状態で制御されているものの、3周目以降は温度が低下して後半では定着不良が発生した。これは、サーミスタ5がセラミックヒータ2自身の昇温を検知するために、定着ローラ1の表面温度低下に対して鈍感になって出力を上げられないことが原因と考えられる。
【0068】
これら比較例に対して本例では、サーミスタ5が定着ローラ1の表面温度を検知しつつ、フィルムを介してセラミックヒータ2の発熱状態がフィードバックされるため、2周目以降の熱供給能力の回復分を差し引いて制御して、定着ローラ1の過昇温或いは温度低下が発生しない。
【0069】
また、比較例1においては定着ローラ1の表面にサーミスタ5による摩擦傷を発生させたり、サーミスタ5の定着ローラ1との当接部にトナーや紙粉等の汚れが溜まって、記録材上の画像不良や汚れ等の問題が発生するのに対して、本例ではサーミスタ5は加熱フィルム2a内に当接しており、そのような問題は発生しない。
【0070】
以上を整理すると、本発明の構成では表面加熱方式を採用することにより、立ち上がり時間を短縮できる(約15秒)という利点に加え、表1に示すように、比較例に対してホットオフセットや定着不良を防止するとともに、画像汚れが発生しない定着装置及び画像形成装置を構成することができる。
【0071】
【表1】
【0072】
<実施形態例2>(図8)
図8は本実施形態例2における定着装置10の一部切り欠き側面模型図である。
【0073】
本例の装置は前述図1〜図7の装置との対比において、図1に示すサーミスタ5の配置が異なる点を除いて同じである。
【0074】
すなわち、本例の装置は、ヒータ2b(加熱ニップN2)よりも定着ローラ回転方向下流側において加熱フィルム2aが定着ローラ面に接触するフィルム延長接触部C2が形成されるようにヒータホルダ2cのフィルムガイド面形状を構成してあり、加熱フィルム2aはヒータホルダ2cにガイドされて加熱ニップN2及びその下流の接触部C2で定着ローラ1に接触する。そして、上記表面加熱ユニット2のフィルム延長接触部C2において、加熱フィルム2aの定着ローラ1が接触する面の逆側のフィルム面、すなわちフィルム内面(裏面)に、温度検知手段であるところのサーミスタ5を押圧バネ等により常時加圧当接させて具備させてある。
【0075】
サーミスタ5は加熱ニップN2通過後の定着ローラ温度を加熱フィルム2aを介して検知しているため、加熱結果が反映された制御となるため、制御を安定させることができる。
【0076】
また定着ニップN1よりも定着ローラ回転方向上流側の定着ローラ1の表面温度を監視・制御しており、セラミックヒータ2bや、電源電圧のばらつきによる加熱ニップN2内での熱供給状態の差を補正して温度を制御できるという利点がある。
【0077】
本例において加熱フィルム2aとして金属フィルム、例えばステンレスやニッケル、銅等の金属フィルムをPI樹脂フィルムの代わりに用いれば、一層応答性に優れた負帰還制御が可能となり、均一な定着性能を得ることができる。
【0078】
<実施形態例3>(図9)
図9は本実施形態例3の画像加熱定着装置10の一部切り欠き側面模型図である。
【0079】
本例の装置は前述図1〜図7の装置との対比において、図9に示す表面加熱ユニット2´の構成を除いて同じである。
【0080】
本例では表面加熱ユニット2´を、加熱ローラ2fと、加熱ローラ2fに内包されるハロゲンヒータ2eと、加熱ローラ2fの周囲を回転自在に嵌合させた加熱フィルム2aと、加熱フィルム2aにテンションを付勢する張架ローラ2gとで構成してある。
【0081】
加熱ローラ2fは厚さ1mm、直径30mmのアルミニュームからなる中空円筒で、ハロゲンヒータ2eは出力700Wのものを用いた。加熱ローラ2fは加熱フィルム2aを介して定着ローラ1に圧接していて加熱ニップN2を形成している。加熱フィルム2a、加熱ローラ2f、張架ローラ2gは定着ローラ1の回転に従動回転する。
【0082】
加熱フィルム2aは厚み50μmのPI樹脂の表面に10μmのフッ素樹脂を被覆したもので、周長は120mmのものを用いた。
【0083】
張架ローラ2gは厚み1mm、直径15mmのステンレスローラで、20Nの張力を定着フィルム2aに与えると同時に、加熱ローラ2f(加熱ニップN2)よりも定着ローラ回転方向上流側においても加熱フィルム2aが定着ローラ面に接触するフィルム延長接触部C1が形成されるように定着フィルム2aを定着ローラ1の面に沿わせている。サーミスタ5はこのフィルム延長接触部C1のフィルム内面に接触させてある。
【0084】
本例では比較的熱容量の大きい加熱ローラ2fを加熱源に用いるために、立ち上げ時間は若干長くなるものの(約30秒)、ハロゲンヒータ2eの点消灯による温度ムラが発生しにくく、定着性能の均一性を保つことができるという利点がある。
【0085】
また、加熱ローラ2fが回転体であり、低いトルクでフィルムを従動回転させることができるために、安定したフィルム走行性を得ることができるという利点がある。
【0086】
<その他>
a)実施形態例1〜3において加圧用回転体3は、加圧ローラの代わりに、特開2001−228731公報に開示されているエンドレスベルトと加圧部材からなる加圧フィルムユニットを用いて小熱容量化を図ってもよい。
【0087】
b)また、加熱用回転体としての定着ローラ1は中空構造とし、この中空部にハロゲンヒータ等を補助加熱手段として内包させて用いてもよい。
【0088】
c)また、加熱用回転体1はローラ体に限られず、回動ベルト体にすることもできる。
【0089】
d)本発明の加熱装置は実施形態例の画像加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0090】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0091】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0092】
〔実施態様1〕 回転体対で加熱ニップを形成し、該加熱ニップに被加熱材を挿通して加熱する加熱装置であって、
前記回転体対を成す少なくとも一方の回転体に外接するフィルムと、該フィルムを介して前記回転体を加熱する加熱手段とを具備し、
前記フィルムが前記回転体に接触する部位において、前記回転体が接触する面の逆側の前記フィルム面に接触する温度検知手段を具備することを特徴とする加熱装置。
【0093】
〔実施態様2〕 温度検知手段を加熱手段より回転体の回転上流に配したことを特徴とする実施態様1に記載の加熱装置。
【0094】
〔実施態様3〕 温度検知手段を加熱手段より回転体の回転下流に配したことを特徴とする実施態様1に記載の加熱装置。
【0095】
〔実施態様4〕 被加熱材がトナー像を担持した記録材であって、フィルムを介して加熱される回転体は、トナー像に接する側に配置されていることを特徴とする実施態様1乃至3の何れか一つに記載の加熱装置。
【0096】
〔実施態様5〕 フィルムを介して加熱される回転体は弾性層が被覆されていることを特徴とする実施態様1乃至4の何れか一つに記載の加熱装置。
【0097】
〔実施態様6〕 温度検知手段の検知温度に基づき加熱手段を制御することを特徴とする実施態様1乃至5の何れか一つに記載の加熱装置。
【0098】
〔実施態様7〕 記録材上に未定着トナー画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させる定着手段を有し、該定着手段が実施態様1乃至6の何れか一つに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0099】
〔実施態様8〕 記録材が加熱装置を通過する時間よりも長い時間、非通紙状態で加熱装置を動作させる状態を設ける画像形成モードを有することを特徴とする実施態様7に記載の画像形成装置。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加熱用回転体外部加熱構成の加熱装置について、温度検知手段の汚染による温度検知精度の劣化、磨耗、傷付き等の問題なしに、より精度の高い加熱用回転体温調制御を行わせることが可能となる。
【0101】
画像加熱定着装置や該装置を搭載した画像形成装置にあっては、ホットオフセットや定着不良が発生しない、紙粉汚れやボタ落ちなどの画像不良が発生しない、不均一な画像を発生しない加熱装置及び、これを具備する画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図2】実施形態例1における画像形成装置の概略構成図
【図3】実施形態例1における温度変化を示す図
【図4】実施形態例1における温度変化を示す図
【図5】比較例1のおける定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図6】比較例2における定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図7】比較例における温度変化を示す図
【図8】実施形態例2における定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図9】実施形態例3における定着装置の一部切り欠き側面模型図
【図10】画像形成装置の動作工程図
【符号の説明】
1‥‥定着ローラ、2a‥‥加熱フィルム、2b‥‥セラミックヒータ、2c‥‥ヒータホルダ、3‥‥加圧ローラ、5‥‥温度検知手段
Claims (1)
- 回転体対で加熱ニップを形成し、該加熱ニップに被加熱材を挿通して加熱する加熱装置であって、
前記回転体対を成す少なくとも一方の回転体に外接するフィルムと、該フィルムを介して前記回転体を加熱する加熱手段とを具備し、
前記フィルムが前記回転体に接触する部位において、前記回転体が接触する面の逆側の前記フィルム面に接触する温度検知手段を具備することを特徴とする加熱装置。
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