JP3576760B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体、例えば転写材上に転写された現像剤画像を加熱・加圧して定着させる定着装置、及び該定着装置を備えた電子写真プロセスを利用して画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを利用した画像形成装置は、画像形成時には、像担時体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)の表面を帯電装置によって一様に帯電処理し、帯電された感光ドラム表面を露光装置によって露光して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像装置で現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を転写装置によって記録媒体である紙などの転写材に転写して、定着装置によりトナー画像が転写材上に永久固着画像として定着される。
【0003】
前記定着装置として、最近では、固定支持された加熱体(サーマルヒータ、以下ヒータという)と、該ヒータに対向圧接しつつ搬送される耐熱性フィルム(定着フィルム)と、該定着フィルムを介して転写材をヒータに密着させる加圧部材を有し、ヒータの熱を定着フィルムを介して転写材へ付与することで転写材上に形成担持されている未定着トナー画像を転写材上に加熱定着させる方式、構成の定着装置(フィルム加熱方式)が考案されている。
【0004】
このようなフィルム加熱方式の定着装置は、熱ローラ方式、熱板方式、ベルト方式、フラッシュ定着方式、オープン定着方式等の他の熱定着式装置との対比において、ヒータとして低熱容量加熱体を用いることができ、また、加熱体であるヒータの温度を比較的低くできるため、省電力化、及び電源投入から画像出力までの時間短縮化(クイックスタート性)が可能である。
【0005】
加熱体としてのヒータは、セラミック等の耐熱性、良熱伝導性の低熱容量の絶縁基板(ベース材)に低熱容量の通電発熱抵抗体を線状もしくは帯状に塗工するなどして形成具備された態様の低熱容量のものが使用され、抵抗体への通電よりヒータは抵抗体及び基板の熱容量が小さいので、その表面が所要の定着温度(例えば約200℃前後)まで急速に温度上昇する。
【0006】
そして、このヒータに接する定着フィルムも熱容量が小さく、ヒータ側の熱エネルギーが定着フィルムを介して、この定着フィルムに圧接状態の転写材側に効果的に伝達されてトナー画像の加熱定着が実行される。
【0007】
また、ヒータの温度制御は、ヒータ温度を検温素子で検知させ、その温度検知情報により通電発熱抵抗体への通電を制御して、ヒータの温度を所定の定着温度に温調管理する通電制御構成がとられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のフィルム加熱方式の定着装置では、表面がガラス等のセラミックからなる加熱体に定着フィルムを高い圧で加圧しつつ摺擦させていたので、定着フィルムが摩耗し、寿命が短くなるという問題点があった。特に、フルカラー画像のように多層のトナー層からなる画像においては、トナーが溶融軟化状態にあるときに高い加圧を与え十分に混色させる必要があり、寿命向上が難しかった。
【0009】
また、未定着トナー像にトナー層厚が高い部分と低い部分がある場合に、加熱体表面が剛体であると、トナー層厚が低い部分のトナーに十分な圧が与えられずに定着性が不十分になったり、オフセットを生じたりすることがあった。
【0010】
さらに、OHP用のトランスペアレンシーシートにカラー画像を形成する場合には、トナー厚が低い部分のトナーが十分に溶融しないと、投影時に光透過性が悪く、黒ぽくなってしまうという問題点があった。一般には、トナー像の輪郭部分でこのような現象が生じやすい。
【0011】
これらの問題点を解決する方法として、加熱体表面または定着フィルムにゴム弾性層を設ける等の方法も提案されているが、これらの方法は、弾性層を介して熱を伝えるために、この弾性層を厚くすると加熱効率が低下するのであまり厚くできず、十分な効果が得られなかった。
【0012】
また、加熱体によりトナー画像を加熱溶融した後に、加圧用回転体等により定着フィルムと転写材を相互加圧する手段を設けた装置が提案されているが、加熱定着ニップを通過した後に別の加圧用回転体で加圧する方式では、加圧工程と加熱工程とが離れており、また、加圧用回転体の熱容量が大きく加圧用回転体が温まりにくい。
【0013】
このため、トナーが溶融軟化状態にあるときに加圧するのが困難であり、加圧部材に別の加熱手段を設ける必要があった。また、加熱ニップ通過後に、定着フィルムと転写材が離れたりずれたりすることがあった。
【0014】
そこで本発明は、装置の寿命向上及び良好な定着を行うことができる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、加熱体と、該加熱体と一方側の面に接触摺動し他方側の面で被加熱体と接する回転自在な無端状の耐熱性の定着フィルムと、該定着フィルムを介して前記被加熱体を前記加熱体に当接させる回転自在な加圧部材とを備え、前記加熱体と前記加圧部材により形成される圧接ニップ部に前記定着フィルムと前記被加熱体が一緒に挟持搬送されることによって前記被加熱体を加熱する定着装置において、前記加熱体の前記被加熱体の搬送方向下流側に近接または接触して、前記定着フィルムを介して前記加圧部材と当接される弾性部材を設け、前記加熱体と前記弾性部材とを支持する共通の支持体を設けたことを特徴としている。
【0016】
また、前記加熱体と前記加圧部材間の加圧力よりも前記弾性部材と前記加圧部材間の加圧力の方が大きくなるように設定されていることを特徴としている。
また、前記弾性部材は、前記加熱体よりも前記加圧部材側に突出するように配置されていることを特徴としている。
【0017】
また、前記弾性部材の前記定着フィルムとの摺動面近傍の温度を検知する温度検知手段を有し、該温度検知手段で検知される前記弾性部材の温度情報に基づいて前記加熱体の温度制御を行うことを特徴としている。
【0018】
また、前記弾性部材の少なくとも前記定着フィルムとの摺動面に摺動性のよい薄膜層を有することを特徴としている。
【0019】
また、本発明に係る画像形成装置は、像を担持する像担持体と、該像担持体上に形成されたトナー画像を転写材へ転写する転写手段と、前記転写材上に転写されたトナー画像を加熱・加圧して定着させる請求項1乃至のいずれか1項記載の定着装置とを備えたことを特徴としている。
【0020】
(作用)
本発明の構成によれば、加熱体の被加熱体の搬送方向下流側に近接または接触して、定着フィルムを介して加圧部材と当接される弾性部材を設けたことにより、加熱体と加圧部材間に定着フィルムと一緒に挟持搬送される被加熱体、例えば未定着トナー画像を担持した転写材は加熱体によって加熱・加圧され、トナー画像が溶融軟化状態にされる。そして、この溶融軟化状態にあるトナー画像を、弾性部材と加圧部材間で加熱・加圧することにより、弾性部材はトナー画像の形状にならうので、トナー厚みの低いトナー画像等においても良好な定着を行うことができる。
【0021】
また、加熱体と加圧部材間の加圧力を弾性部材と加圧部材間の加圧力よりも小さくすることによって、加熱体と摺動する定着フィルムの傷の発生や摩耗を低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る定着装置を備えた画像形成装置(本実施の形態ではレーザービームプリンタ)を示す概略構成図である。
【0024】
この画像形成装置は、像担持体としての感光ドラム1、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、転写ローラ5、定着装置6を備えている。
【0025】
感光ドラム1は、負帯電のOPC感光ドラムであり、アルミニウム製のドラム基体上に感光層などを有し、所定のプロセススピードで矢印a方向に回転駆動される。
【0026】
帯電ローラ2は、感光ドラム1表面に所定の押圧力で当接されて感光ドラム1の回転駆動に伴い従動回転し、帯電バイアス電源(不図示)から帯電ローラ2に対して所定の帯電バイアスを印加して、感光ドラム1を所定の極性、電位に帯電処理する。
【0027】
露光装置3は、入力される画像情報に応じてレーザー光による露光を反射ミラー3aを介して帯電処理された感光ドラム1上に行って静電潜像を形成する。
【0028】
現像装置4は、本実施の形態では現像スリーブ4aを有する反転現像装置であり、現像スリーブ4aには現像バイアス電源(不図示)から所定の現像バイアスが印加される。
【0029】
転写ローラ5は、感光ドラム1表面に所定の押圧力で当接され、転写バイアス電源(不図示)から所定の現像バイアスが印加される。
【0030】
定着装置6は、定着フィルム10と加圧ローラ11を有しており、定着フィルム10を介して加圧ローラ11と対向する定着フィルム10内には、定着フィルム10の長手方向に沿って加熱体12が保持されている(定着装置6の詳細な構成、動作については後述する)。
【0031】
次に、上述した画像形成装置の画像形成動作について説明する。
【0032】
画像形成時には、感光ドラム1は駆動手段(不図示)により矢印a方向に所定のプロセススピードで回転駆動され、帯電バイアスが印加された帯電ローラ2により負極性の一様な帯電処理を受ける。
【0033】
そして、帯電処理された感光ドラム1表面に露光装置3から反射ミラー3aを介してレーザー光による露光が与えられ、入力される画像情報に応じた静電潜像が形成される。そして、現像バイアスが印加された現像スリーブ4aによって静電潜像が現像され、トナー像として可視化される。
【0034】
そして、感光ドラム1表面のトナー像が転写ローラ5と感光ドラム1間の転写ニップに到達すると、このタイミングに合わせて転写材Pがこの転写ニップに搬送され、転写バイアスが印加された転写ローラ5によりトナー像が転写される。トナー像が転写された転写材Pは定着装置6の定着フィルム10と加圧ローラ11間に搬送され、転写材P上にトナー像を加熱溶着して出力される。
【0035】
次に、定着装置6の構成について説明する。
【0036】
図2は、定着装置6の拡大断面図である。
【0037】
定着装置6は、加熱体12と弾性体13を有するヒータユニット14と、ヒータユニット14と片面で接触摺動するエンドレスフィルム状の耐熱性の定着フィルム10と、定着フィルム10を介して転写材Pをヒータユニット14の加熱体12と弾性体13に当接させるゴム弾性層を有する加圧ローラ11を備えている。
【0038】
定着フィルム10は、駆動ローラ15、テンションローラ16、及びヒータユニット14によって懸回張設されている。PPS等の耐熱樹脂からなる断熱ホルダ17に接着された加熱体12と、シリコーンゴムからなる弾性体13は、SUSからなる支持体18に固定されている。加熱体12表面には温度検知素子19が設置されている。弾性体13は、加熱体12の転写材P搬送方向下流側に接触して設置されている。
【0039】
加圧ローラ11は、付勢手段(不図示)によって総圧5〜50Kgの当接圧を持ってヒータユニット14に対向当接させてあるが、弾性体13の方が加熱体12よりもやや下方(加圧ローラ11側)に突出するように配置されており、弾性体13と加圧ローラ11間の加圧力の方が、加熱体12と加圧ローラ11間の加圧力よりも大きくなるように構成されている。
【0040】
定着フィルム10は、駆動ローラ15の時計回り方向の回転駆動に伴い矢印b方向に所定の周速度を持ってしわや蛇行、速度むらなく回動駆動される。加圧ローラ11は、定着フィルム10の走行に従動して矢印c方向に回転する。
【0041】
回動駆動される定着フィルム10は繰り返してトナー画像の加熱定着に供されるから、耐熱性、離型性、耐久性に優れ、一般的には総厚100μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉のものを使用する。例えばポリイミド(PI)・ポリエーテルイミド(PEI)・PES・PFA(4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)などの耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム、例えば20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAE・FEP等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどである。
【0042】
加熱体12は、定着フィルム10の面移動方向と交差する方向を長手とする低熱容量線状加熱体であり、ヒータ基板12a、通電発熱抵抗体(発熱体)12b、保護層12cからなる。ヒータ基板12aは、耐熱性・絶縁性・低熱容量の部材であり、一例として厚み1mm・幅10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。
【0043】
発熱体12bは、ヒータ基板12aの下面(定着フィルム10との対面側)の弾性体13に近い部分に長手に沿って、例えば、Ag/Pd(銀/パラジウム)、Ta N等の電気抵抗材料を厚み約10μm・幅1〜3mmにスクリーン印刷等により塗工し、その上に保護層12cとして耐熱ガラスを約10μmコートしたものである。
【0044】
弾性体13として、アスカーC硬度で40〜50°の厚み2.5mmのシリコーンゴムを用いた。また、トナー画像の高低により追随させるには、アスカーC硬度で20〜40°のシリコーンスポンジや、ノーメックス(商品名)等の耐熱性不織布やフェルトがよい。
【0045】
温度検知素子19は、一例としてヒータ基板12aの上面(発熱体12bを設けた面とは反対側の面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。温度検知素子19としては、他に低熱容量のサーミスタなどをヒータ基板12aに当接配置する構成にしてもよい。
【0046】
加熱体12は発熱体12bに対する通電による発熱で加熱され、温度検知素子19を含む温調回路(不図示)により所定の定着温度に温調制御される。
【0047】
次に、定着装置6による定着動作について説明する。
【0048】
上述した画像形成動作によって定着装置6へ搬送された未定着のトナー画像Taを上面に担持した転写材Pは、加熱体12と加圧ローラ11との圧接部N1の、定着フィルム10と加圧ローラ11との間に進入する。
【0049】
加熱体2は、画像形成スタート信号により所定のタイミングで通電加熱されるので、トナー画像Taは圧接部N1において、加熱体12で定着フィルム10を介して加熱を受けて加熱溶融化する。
【0050】
圧接部N1を通過した転写材Pは、引き続き定着フィルム10と密着したまま弾性体13と加圧ローラ11との圧接部N2を通過する。
【0051】
圧接部N2においては、圧接部N1で加熱溶融された転写材P上のトナー画像Taが、圧接部N1で熱せられた定着フィルム10と共に弾性体13により大きな加圧力を受けることにより、多層のトナー画像からなるカラー画像でも十分に混色が行われる。このとき、弾性体13は、トナー像による高低に追随し変形することで、薄肉の定着フィルム10がトナー像の高低部に密着し加圧されるので、トナー像輪郭部も十分に溶融し、混色される。
【0052】
また、OHPシート上にカラー画像を形成しても、透過画像において黒く疑似輪郭が生じることを防止することができる。
【0053】
圧接部N2を通過した後、定着フィルム10と転写材Pは順次に曲率分離されて、トナー像が定着された転写材Pが排出される。
【0054】
このように、本実施の形態では、圧接部N1における加圧力を小さくすることでガラス等からなる保護層12cと定着フィルム10の摺動により生じる定着フィルム10内面の摩耗を低減し、装置の寿命向上ができた。
【0055】
さらに、圧接部N2における加圧力を圧接部N1よりも大きくすることができるので、上述したように多層のトナー画像からなるカラー画像やOHPシート上にカラー画像を形成した場合でも良好な定着を行うことができる。
【0056】
また、加圧工程を行う圧接部N2において、支持体18側へ弾性体13から熱が逃げない方が加熱体12の温度を低くすることができるので、省エネの観点から弾性体13は断熱性の高い材料で、例えば発泡体やフェルトのように気泡を有するものがよい。
【0057】
(第2の実施の形態)
図3は本実施の形態に係る画像形成装置の定着装置を示す拡大断面図である。
【0058】
本実施の形態における定着装置は、ヒータユニット14の弾性体13としてフェルト(本実施の形態ではノーメックス(商品名))13を用い、弾性体13の定着フィルム10との摺動面側の内側に長手方向略中央部に第2温度検知素子20を配置し、かつ弾性体13の定着フィルム10との摺動面を、長手全域に渡ってテフロンからなる厚み20μmのシート21で覆った構成である。他の構成及び動作は第1の実施の形態と同様である。
【0059】
上述した画像形成動作時に、連続で定着処理を続けると弾性体13の温度が高くなりすぎ、定着フィルム10と転写材Pが剥離するときのトナー画像の溶融粘度が低すぎて、いわゆる高温オフセットを生じることがある。
【0060】
また、定着装置6が十分に冷えた状態から定着処理をスタートすると、1枚目の転写材Pの定着処理を行うときに、弾性体13の温度が十分に上がっていないので、弾性体13と加圧ローラ11との圧接部N2において加圧しても瞬時にトナー画像が冷却し、定着不足になることがある。
【0061】
このため、本実施の形態例においては、定着動作時に、第2温度検知素子20により定着工程中の弾性体13の温度を検知して、弾性体13の温度が高くなりすぎたとき、例えば150℃を超えたときは温度検知素子19で検知される加熱体12の温度が160℃になるように、制御装置(不図示)の制御によって発熱体2bに対して通電制御を行う。
【0062】
また、弾性体13の温度が低いとき、例えば100℃以下のときは加熱体12の温度が200℃程度になるように、制御装置(不図示)の制御によって発熱体2bに対して通電制御を行う。
【0063】
また、通常は加熱体12の温度が180℃になるように、制御装置(不図示)の制御によって発熱体2bに対して通電制御することで、常に高温オフセットを生じることなく、十分な定着性を得られるようにすることができる。
【0064】
さらに、弾性体13の定着フィルム10との摺動面をテフロン等の摺動性の良いシート21で覆うことで、定着フィルム10を駆動するトルクを小さくすることが可能になり、かつ弾性体13の定着フィルム10との摺動面に摩耗粉等の異物が付着して、光沢ムラが生じたり、定着フィルム10に傷が生じるのを防ぐことができる。
【0065】
このように、本実施の形態においても、定着フィルム10の摩耗を低減して装置の寿命向上を図ることができ、かつ良好な定着を行うことができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加熱体の被加熱体の搬送方向下流側に近接または接触して、定着フィルムを介して加圧部材と当接される弾性部材を設けたことにより、加熱体と加圧部材間に定着フィルムと一緒に挟持搬送される被加熱体、例えば未定着トナー画像を担持した転写材は加熱体によって加熱・加圧され、トナー画像が溶融軟化状態にされる。そして、この溶融軟化状態にあるトナー画像を、弾性部材と加圧部材間で加熱・加圧することにより、弾性部材はトナー画像の形状にならうので、トナー厚みの薄いトナー画像や多色トナー画像のトナー厚みの薄い輪郭部においても良好な定着を行うことができ、さらに、OHPシート上にトナー画像を形成したときも透明性のむらが生じるのを防止することができる。
【0067】
また、加熱体と加圧部材間の加圧力を弾性部材と加圧部材間の加圧力よりも小さくすることによって、加熱体と摺動する定着フィルムの傷の発生や摩耗を低減して装置の寿命向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る定着装置を備えた画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における定着装置を示す拡大断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態における定着装置を示す拡大断面図。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 定着装置
10 定着フィルム
11 加圧ローラ(加圧部材)
12 加熱体
13 弾性体(弾性部材)
14 ヒータユニット
19 温度検知素子
20 第2温度検知素子
21 シート(薄膜層)

Claims (6)

  1. 加熱体と、該加熱体と一方側の面に接触摺動し他方側の面で被加熱体と接する回転自在な無端状の耐熱性の定着フィルムと、該定着フィルムを介して前記被加熱体を前記加熱体に当接させる回転自在な加圧部材とを備え、前記加熱体と前記加圧部材により形成される圧接ニップ部に前記定着フィルムと前記被加熱体が一緒に挟持搬送されることによって前記被加熱体を加熱する定着装置において、
    前記加熱体の前記被加熱体の搬送方向下流側に近接または接触して、前記定着フィルムを介して前記加圧部材と当接される弾性部材を設け、
    前記加熱体と前記弾性部材とを支持する共通の支持体を設けた、
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱体と前記加圧部材間の加圧力よりも前記弾性部材と前記加圧部材間の加圧力の方が大きくなるように設定されている、
    請求項1記載の定着装置。
  3. 前記弾性部材は、前記加熱体よりも前記加圧部材側に突出するように配置されている、
    請求項2記載の定着装置。
  4. 前記弾性部材の前記定着フィルムとの摺動面近傍の温度を検知する温度検知手段を有し、該温度検知手段で検知される前記弾性部材の温度情報に基づいて前記加熱体の温度制御を行う、
    請求項1乃至3のいずれか1項記載の定着装置。
  5. 前記弾性部材の少なくとも前記定着フィルムとの摺動面に摺動性のよい薄膜層を有する、
    請求項1乃至のいずれか1項記載の定着装置。
  6. 像を担持する像担持体と、該像担持体上に形成されたトナー画像を転写材へ転写する転写手段と、前記転写材上に転写されたトナー画像を加熱・加圧して定着させる、請求項1乃至のいずれか1項記載の定着装置と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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