JPH05181380A - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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JPH05181380A
JPH05181380A JP1832292A JP1832292A JPH05181380A JP H05181380 A JPH05181380 A JP H05181380A JP 1832292 A JP1832292 A JP 1832292A JP 1832292 A JP1832292 A JP 1832292A JP H05181380 A JPH05181380 A JP H05181380A
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JP
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film
roller
drive roller
heating
heating device
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JP1832292A
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English (en)
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Masashi Ohashi
将志 大橋
Atsushi Hosoi
細井  敦
Hidekazu Maruta
秀和 丸田
Atsushi Asai
淳 浅井
Shigeo Kimura
木村  茂雄
Katsuaki Kobayashi
克彰 小林
Kensaku Kusaka
健作 草加
Osamu Watanabe
督 渡辺
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム材としてエンドレスフィルム1を用
いたフィルム加熱方式の加熱装置について、フィルム1
と回転駆動ローラ2との間のスリップの発生を防止して
常に安定した所定速度のフィルム回転移動を実行させて
装置の耐久性・信頼性等を向上させること。 【構成】 フィルム材1の一面側に加熱体4を配置し、
他面側に被加熱材Pを密着させフィルム材1と一緒に加
熱体4位置を移動通過させることで加熱体4の熱エネル
ギーをフィルム材1を介して被加熱材Pに付与するフィ
ルム加熱方式の加熱装置であり、前記フィルム材1は、
少なくとも加熱体4と回転駆動ローラ2との間に懸回張
設され回転駆動ローラとの摩擦力で回転移動されるエン
ドレスフィルムであり、該フィルム1を回転駆動ローラ
2へ押圧するフィルム押圧手段8を有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム材の一面側に
加熱体を配置し、他面側に被加熱材を密着させフィルム
材と一緒に加熱体位置を移動通過させることで加熱体の
熱エネルギーをフィルム材を介して被加熱材に付与する
フィルム加熱方式の加熱装置、に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなフィルム加熱方式の加熱装
置は特開昭63−313182号公報・特開平2−15
7878号公報等で知られており、電子写真複写機・プ
リンタ・ファックス等の画像形成装置における画像加熱
定着装置、例えば、電子写真・静電記録・磁気記録等の
画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等より成
るトナーを用いて記録材(エレクトロファックスシート
・静電記録シート・転写材シート・印刷紙など)の面に
直接方式もしくは間接(転写)方式で形成した、目的の
画像情報に対応した未定着顕画像(トナー像)を該画像
を担持している記録材に固着画像として加熱定着処理す
る画像加熱定着装置として活用できる。
【0003】また、例えば、画像を担持した記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する装置や仮定着処理する
装置等として使用できる。
【0004】画像加熱定着装置についていえば、フィル
ム加熱方式のものは、熱ローラ式・熱板方式・フラッシ
ュ定着方式・オーブン定着方式等の他の加熱定着式装置
との対比において .加熱体として低熱容量線状加熱体を、またフィルム
材として厚さ例えば40μm程度の薄膜耐熱フィルム材
を用いることができるため、所定の定着温度への立上り
時間の短縮化(クイックスタート性)、省電力化ができ
る、 .定着点と、フィルム材と記録材との分離点が別に設
定できるため、トナーオフセットも防止できる、光沢制
御もできる、その他、他の方式装置の種々の欠点を解決
できるなどの利点を有し、効果的なものである。
【0005】フィルム材はエンドレス(無端、シームレ
ス)のフィルム(ベルト)タイプにして回転移動させて
繰り返して使用する装置構成とすることもできるし、ロ
ール巻の長尺の有端フィルム材を繰り出し走行させて使
用する装置構成とすることもできる。
【0006】図14にエンドレスフィルムタイプのフィ
ルム材を用いたフィルム加熱方式の加熱装置の一例の概
略構成を示した。
【0007】1はエンドレスフィルムタイプの、薄膜で
耐熱性のフィルム材(以下、単にフィルムとも記す)、
2はフィルム駆動ローラ、3はフィルムテンションロー
ラを兼ねる従動ローラ、4は加熱体(サーマルヒータ
ー)であり、駆動ローラ2・従動ローラ3・加熱体4は
互いに略平行に配置され、エンドレスフィルム1はこの
3部材2・3・4間に懸回張設されている。
【0008】駆動ローラ2・従動ローラ3はそれぞれそ
の両端軸部を不図示の軸受部材間に回転自由に軸受支持
させてある。加熱体4は不動部材としてのヒーター支持
体4Aに固定支持させた定置部材である。駆動ローラ2
は不図示の駆動系により図面上時計方向に回転駆動さ
れ、エンドレスフィルム1はこの駆動ローラ2の回転駆
動に伴い駆動ローラ2の外周面とフィルム内面との摩擦
力により搬送力が与えられて、フィルム内面が加熱体4
の下面を摺動しながら駆動ローラ2・従動ローラ3・加
熱体4の3者間を図面上矢示aの時計方向に回転移動さ
れる。
【0009】5はシリコンゴム等の離型性の良いゴム弾
性層を有する加圧ローラであり、加熱体4の下面との間
にフィルム1を挾ませて不図示の付勢手段により例えば
総圧4〜8kgの当接圧をもって加熱体下面に圧接させ
てあり、エンドレスフィルム1の回転移動と共にフィル
ムの回転移動速度と略同一の周速度をもってフィルム回
転移動方向に順方向に回転する。
【0010】エンドレスフィルム1は総厚100μm、
より好ましくは40μm未満の耐熱性・良熱伝導性・低
熱容量・離形性・機械的強度・耐久性等を有する単層或
いは複合層フィルム材である。
【0011】図15は複合層フィルムの一例の層構成模
型図であり、本例は2層構成フィルムである。1aはフ
ィルムの基層(ベースフィルム)としての耐熱層、1b
は該耐熱層1aの外面(トナー画像に対面する側の面)
に積層した離形層である。
【0012】耐熱層1aは例えばポリイミド(PI)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテ
ルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PE
I)、ポリパラバン酸(PPA)などの高耐熱性樹脂フ
ィルムや、Ni・SUS・Al等の金属など、強度・耐
熱性に優れたものが使用できる。
【0013】離形層1bは例えばPTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)・PFA・FEP等のフッ素樹脂、
シリコン樹脂等が好ましい(本例はPTFE)。この離
形層1bにカーボンブラック・グラファイト・導電性ウ
ィスカ等の導電剤を混入する等の方法により、フィルム
1の表面の抵抗値を下げることもできる。これによりフ
ィルム1のトナー画像当接面の帯電を防止できる。
【0014】耐熱層1aに対する離形層1bの積層形成
は離形層フィルムの接着ラミネート、離形層材料の静電
塗装(コーティング)・蒸着・CVD等の成膜技術によ
る積層、耐熱層材料と離形層材料の共押し出しによる2
層フィルム化などで行うことができる。
【0015】駆動ローラ2は、例えば、鋼製芯金2aの
外周にシリコンゴム2bを被覆したものである。ゴム硬
度は15°〜60°(JIS A、以下同じ)、好まし
くは30°である。ローラ2の軸方向断面(縦断面)形
状はストレートである。
【0016】従動ローラ3は、例えば、表面をニッケル
メッキした鋼製であり、エンドレスフィルム内面との摩
擦係数μが小さい(0.5以下)。エンドレスフィルム
と接触する部分の断面形状はストレートである。
【0017】加熱体4はエンドレスフィルム1の軸方向
(エンドレスフィルムの回転移動方向aに直交する方
向、以下、フィルム幅方向と記す)を長手とする、通電
により発熱する低熱容量線状加熱体である。本例のもの
は、ヒーター基板4aと、該基板の下面の略中央部に長
手に沿って細帯状又は線状に形成具備させた通電発熱体
層4bと、この通電発熱体層4bを含む基板下面を約1
0μm厚で被覆させた表面保護層としての耐熱ガラス層
4cと、基板4aの上面に設けた検温素子4d等から成
る。
【0018】ヒーター基板4aは耐熱性・絶縁性・低熱
容量の部材であり、一例として、厚さ1mm・巾5〜1
6mm・長さ240〜340mmのアルミナ基板であ
る。
【0019】発熱体層4bは例えばAg/Pd(銀パラ
ジウム)・Ta2 N等の電気抵抗材料の厚さ約10μm
・巾1〜3mmのスクリーン印刷等による塗工層であ
る。
【0020】検温素子4dは例えば、基板上面にスクリ
ーン印刷等により塗工したPt膜等の低熱容量の測温抵
抗体、基板上面の略中央部に熱伝導性の良いシリコン系
接着剤等により接着した低熱容量のNTCサーミスタ等
である。
【0021】ヒーター支持体4Aは断熱性・高耐熱性・
剛性を有する、例えばポリフェニレンサルファイド(P
PS)・ポリアミドイミド(PAI)・ポリイミド(P
I)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・液晶
ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これ等の樹脂とセラミッ
クス・金属・ガラス等との複合材料等である。
【0022】発熱体層4bに通電がなされることにより
該発熱体層が発熱してヒーター基板4aが昇温する。こ
のヒーター基板4aの温度が検温素子4dにより検温さ
れて制御回路20へフィードバックされ、発熱体層4b
に対する通電制御がなされて加熱体の温度が所定の温度
に温調管理される。
【0023】通電は、例えば、DC100Vの周期20
msのパルス状波形で、検温素子4dによりコントロー
ルされた所望の温度、エネルギー放出量に応じたパルス
を、そのパルス幅を変化させて与える。概略パルス幅は
0.5〜5msecとなる。或いはAC100Vで、検
温素子4dのヒーター基板検知温度に応じてトライアッ
クを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を
制御することにより通電電力を制御する。
【0024】Pは被加熱体としての例えば、未定着のト
ナー画像Ta(加熱溶融性トナー)を上面に担持した記
録材である。記録材Pは不図示の画像形成機構部から、
フィルム1を挟んで加熱体4と加圧ローラ5とで形成さ
れる圧接部(定着ニップ部)Nのフィルム1と加圧ロー
ラ5との間に進入して未定着トナー画像面が記録材Pの
搬送速度と略同一速度で同方向に回転移動状態のフィル
ム外面に密着して該フィルム1と一緒の重なり状態で定
着ニップ部Nを挟圧力を受けつつ通過していく。これに
より、トナー画像Taは圧接部Nにおいて、加熱・加圧
を受けて軟化溶融トナー画像Tbとなる。
【0025】フィルム1は圧接部Nを通過するとヒータ
ー支持体4Aの曲率の大きい(曲率半径約2mm)エッ
ジ部Sにおいて、急角度(屈曲角度θが約45°〜50
°)で走行方向が転向される。これによりフィルム1と
重なった状態で圧接部Nを通過して搬送された記録材P
は該エッジ部Sにおいてフィルム1から曲率分離し排出
されていく。記録材Pが排出されるまでには軟化溶融ト
ナー画像Tbは十分冷却固化し、記録材P面に完全に定
着Tcした状態となる。
【0026】本例で用いているトナーは加熱溶融時の粘
度が十分高いので、フィルム1と分離する際の温度がト
ナーの融点以上であってもトナー同士の固着力がフィル
ム1に対するトナーの粘着力よりも極めて大きい。従っ
てフィルム1と記録材Pの分離に際し、フィルム1に対
するトナーのオフセットは実質的に発生しない。
【0027】加熱体4はヒーター基板4a・発熱体層4
b・表面保護層4c・検温素子4dの熱容量が小さく、
これが支持体4Aにより断熱されているので、圧接部N
におけるヒーター基板4aの温度は短時間にトナーの記
録材Pへの定着可能温度に達するので(クイックスター
ト性)、加熱体4をあらかじめ通電発熱(スタンバイ温
調)させておく必要がなく省エネルギーが実現でき、し
かも機内昇温が防止できる。
【0028】エンドレスフィルム1はその回転移動過程
で該フィルムを懸回張設させた駆動ローラ2・従動ロー
ラ3・加熱体4の長手(軸方向)に沿って全体的にフィ
ルム幅方向の一方側又は他方側に寄り移動したり、蛇行
移動しやすい。
【0029】エンドレスフィルム1が回転移動過程で寄
り移動したり、蛇行する原因としてはフィルム懸回張設
部材2・3・4相互の平行度やねじれ、これ等の部材の
長手に沿う温度分布差等があげられ、平行度や温度分布
等の精度を高めるには限界があり、精度を高めるだけで
はエンドレスフィルム1の回転移動過程での寄り移動や
蛇行を防止することは困難であった。
【0030】エンドレスフィルム1の回転移動過程での
フィルムの寄り移動や蛇行を制御する手段として、エン
ドレスフィルムの寄り移動位置を検知する手段21・2
2(例えば、フォトセンサ)を設け、フィルム幅方向の
一方側へのフィルム寄り移動位置が所定の限界位置にな
ったことが検知されたら、制御回路23によりフィルム
の寄り移動をその戻り方向であるフィルム幅方向の他方
側へ切り替えるようにフィルム搬送経路部材を変位させ
る手段、例えば、従動ローラ3の一端側を上下動変位U
・Dさせる手段24(電磁ソレノイド−プランジャ装置
等)を作動させ、逆にフィルム幅方向の他方側へのフィ
ルム寄り移動位置が所定の限界位置になったことが検知
されたら、フィルムの寄り移動をその戻り方向であるフ
ィルム幅方向の一方側へ切り替えるように変位手段24
を作動させるエンドレスフィルム寄り移動制御機構を設
けることで、フィルムの回転移動過程でのフィルム幅方
向への寄り移動や蛇行運動を所定の許容一定範囲内での
無限往復動運動に納める制御手段が知られている(特願
昭63−159721号等、フィルム無限往復動制御方
式のフィルム寄り移動・蛇行規制手段)。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
(A)フィルム材としてエンドレスフィルム1を用いる
フィルム加熱方式の加熱装置においては、フィルムの回
転移動は、前述のようにフィルム1の内面と回転駆動ロ
ーラ2との摺擦摩擦力よりフィルム1に、加熱体4の表
面とフィルム1内面との摺動抵抗や、ヒーター支持体4
Aとフィルム1内面との摺動抵抗等のフィルム回転負荷
力に抗して搬送力が与えられることでなされる。
【0032】ところが、フィルム回転負荷力である、加
熱体4の表面とフィルム1内面との摺動抵抗や、ヒータ
ー支持体4Aとフィルム1内面との摺動抵抗等は温度変
化に依存することが実験的に確認されており、また装置
の耐久が進むにつれて上記の摺動抵抗が変化することか
ら、往々にして、フィルム1の内面と回転駆動ローラ2
との摺擦摩擦力によるフィルム回転搬送力よりも上記の
フィルム回転負荷力の方が打ち勝ってフィルム1と駆動
ローラ2との間にスリップを生じ、フィルム1の回転移
動速度が低下したり、停止する事態を発生することがあ
った。
【0033】また、装置の耐久の進行につれて、フィル
ム1の内面と加熱体4やのヒーター支持体4Aの面との
摺擦によりそれ等の摺擦面が摩耗していき、発生摩耗粉
が駆動ローラ2の表面やエンドレスフィルム1の内面に
付着して両者の摩擦係数μを低下させる。そのため駆動
ローラ2の回転駆動力がエンドレスフィルム1にうまく
伝達されなくなり、両者1・2の摺擦摩擦力によるフィ
ルム回転移動力が低下して上記のフィルム回転負荷力が
打ち勝った状態になることで、フィルム1と駆動ローラ
2との間にスリップを生じやすくなり、フィルム1の回
転移動速度が低下したり、停止する事態を発生すること
があった。
【0034】エンドレスフィルム1が駆動ローラ2に対
してスリップすると、フィルム1の回転速度が記録材P
の搬送速度に対して遅くなり、定着ニップ部Nよりも記
録材搬送方向上流側の記録材部分にループを生じて該記
録材ループ部分の未定着トナー画像面が他物に接触干渉
してこすられて画像が乱される事態を生じたり、フィル
ム1の回転が停止して記録材搬送ができなくなる事態を
生じることになる。
【0035】(B)この種の装置では定着時に記録材P
側の未定着画像のトナーの一部が、装置の長時間の使
用、環境、記録材Pの材質等が原因となってフィルム1
面側へ転移する現象、即ちトナーオフセットが生じる場
合があった。トナーオフセットを生じると回転駆動され
て繰り返し使用されるエンドレスフィルム1の外面が徐
々に汚れ、やがては記録材Pの面にトナーが再オフセッ
トし、不良画像を生ずるし、フィルム1も短寿命とな
る。
【0036】そこで、フィルム面のオフセットトナーを
除去するために、板状ゴムブレードでフィルム1面のオ
フセットトナーをクリーニングする方式、あるいは不織
布にシリコンオイルを含浸させてフィルムに圧接させト
ナーをクリーニングするウェブ方式などがあるが、いず
れの場合も薄いフィルム1にクリーニング部材を圧接及
び摺擦させるためにフィルムに寄りがでてしわになり、
一部定着不良を引き起こし、やがてはしわが進んでつい
にはフィルムがやぶれてしまい、破損する結果にもな
る。
【0037】或はフィルム1の表面にコーティングされ
た離形層1bに摺擦キズ及び離形層1bの一部剥離等に
よりフィルム及び画像上に恒常的なオフセットを引き起
こすという不都合を生じた。
【0038】本発明はフィルム材としてエンドレスフィ
ルム1を用いたフィルム加熱方式の加熱装置について、
フィルム1と回転駆動ローラ2との間のスリップの発生
を防止して常に安定した所定速度のフィルム回転移動を
実行させて前記(A)の問題を解消し、またフィルム1
の外面に対するトナーオフセットを簡便・安価な手段構
成で長期にわたって防止して前記(B)の問題を解消し
て、この種の加熱装置の耐久性・信頼性を向上させるこ
とを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置である。
【0040】(1)フィルム材の一面側に加熱体を配置
し、他面側に被加熱材を密着させフィルム材と一緒に加
熱体位置を移動通過させることで加熱体の熱エネルギー
をフィルム材を介して被加熱材に付与するフィルム加熱
方式の加熱装置であり、前記フィルム材は、少なくとも
加熱体と回転駆動ローラとの間に懸回張設され回転駆動
ローラとの摩擦力で回転移動されるエンドレスフィルム
であり、該フィルムを回転駆動ローラへ押圧するフィル
ム押圧手段を有することを特徴とする加熱装置。
【0041】(2)フィルム押圧手段が回転自在のロー
ラであることを特徴とする(1)記載の加熱装置。
【0042】(3)フィルム押圧手段のフィルムに接触
する表層がフェルト層であることを特徴とする(1)記
載の加熱装置。
【0043】(4)フィルム押圧手段のフィルムに接触
する表層が離形剤含浸層であることを特徴とする(1)
記載の加熱装置。
【0044】(5)フィルム押圧手段と回転駆動ローラ
とがフィルムを挟んで形成するニップ部の長手方向の向
きをフィルムの回転移動方向に対して変更するニップ方
向可変手段を有することを特徴とする(1)記載の加熱
装置。
【0045】(6)回転駆動ローラの軸線方向へのフィ
ルムの寄り移動位置を検知する手段を有し、その検知位
置情報によりニップ方向可変手段を動作させてフィルム
押圧手段と回転駆動ローラとがフィルムを挟んで形成す
るニップ部の長手方向の向きをフィルムの回転移動方向
に対して制御することを特徴とする(5)記載の加熱装
置。
【0046】(7)フィルム押圧手段が回転駆動ローラ
の軸線方向に少なくとも2つ配置されており、その個々
のフィルム押圧手段の押圧力を可変としたことを特徴と
する(1)記載の加熱装置。
【0047】(8)回転駆動ローラの軸線方向へのフィ
ルムの寄り移動位置を検知する手段を有し、その検知位
置情報により個々のフィルム押圧手段の押圧力を制御す
ることを特徴とする(7)記載の加熱装置。
【0048】
【作用】 .エンドレスフィルムは駆動ローラとフィルム押圧手
段との間に押圧挟持されて駆動ローラの回転により回転
移動され、駆動ローラとフィルムがスリップを生じ始め
る限界のスリップトルク(負荷トルク)が、フィルム押
圧手段による駆動ローラに対するフィルム押し付け圧に
よる摩擦力の増加分に応じて増加する。つまり、同じフ
ィルムのテンション力に対し駆動力を向上させることが
可能になるためフィルム回転負荷に対する余裕度を増加
させることが可能になる。
【0049】そのため、加熱体の表面とフィルム内面と
の摺動抵抗や、加熱体支持体とフィルム内面との摺動抵
抗等のフィルム回転負荷力が温度変化や装置耐久により
変動しても、またフィルム内面や駆動ローラの外面に摩
耗粉が付着しても、フィルムの内面と回転駆動ローラと
の摺擦摩擦力によるフィルム回転搬送力の方を上記のフ
ィルム回転負荷力よりも常に上回った状態に維持させる
ことができる。
【0050】従って、フィルムと回転駆動ローラとの間
のスリップの発生を防止して常に安定した所定速度のフ
ィルム回転駆動を実行させることができる。また同じ駆
動力を得る時のフィルムテンション力を低減することが
可能になり、装置の低剛性化・軽量化・小型化が可能に
なる。
【0051】.フィルム押圧手段を回転自在のローラ
とすることにより、該ローラの表面の摩擦係数が大きく
てもフィルムの回転移動の妨げにならず材料選択の自由
度が高い、回動自在のローラにすると該フィルム押圧手
段とフィルムとの当接部におけるゴミの蓄積がないので
フィルムにダメージを与えずフィルムの寿命を長くする
ことが可能である、回転ローラはフィルムに対する摺擦
力が小さいから、フィルムに寄りしわや摺擦キズを発生
させる恐れが小さい、等の効果がある。
【0052】.フィルム押圧手段のフィルムに接触す
る表層をフェルト層とすることで、該フェルト層がフィ
ルム外面のオフセットトナー等を捕集除去するフィルム
クリーニング作用をする。
【0053】.フィルム押圧手段のフィルムに接触す
る表層を離形剤含浸層とすることで、フィルムの回転移
動過程でフィルム外周面に対する離形剤の塗布がなされ
てフィルムの外面に対するトナーオフセットの発生が防
止される。
【0054】.フィルム押圧手段と回転駆動ローラと
がフィルムを挟んで形成するニップ部の長手方向の向き
をフィルムの回転移動方向に対して変更するニップ方向
可変手段を有すること、更には回転駆動ローラの軸線方
向へのフィルムの寄り移動位置を検知する手段を有し、
その検知位置情報によりニップ方向可変手段を動作させ
てフィルム押圧手段と回転駆動ローラとがフィルムを挟
んで形成するニップ部の長手方向の向きをフィルムの回
転移動方向に対して制御することにより、フィルムの駆
動ローラ長手に沿う位置を自由に変更することが可能で
あり、フィルムの回転移動過程でのフィルム幅方向への
寄り移動や蛇行運動を所定の許容一定範囲内での無限往
復動運動に納めることができる。
【0055】.フィルム押圧手段が回転駆動ローラの
軸線方向に少なくとも2つ配置されており、その個々の
フィルム押圧手段の押圧力を可変としたこと、更には回
転駆動ローラの軸線方向へのフィルムの寄り移動位置を
検知する手段を有し、その検知位置情報により個々のフ
ィルム押圧手段の押圧力を制御することにより、この場
合も、フィルムの駆動ローラ長手に沿う位置を自由に変
更することが可能であり、フィルムの回転移動過程での
フィルム幅方向への寄り移動や蛇行運動を所定の許容一
定範囲内での無限往復動運動に納めることができる。
【0056】
【実施例】
〈実施例1〉(図1・図2) 図1は第1の実施例装置の側面図、図2は平面図であ
り、前述図14の装置と共通する部材・部分には同一の
符号を付して再度の説明を省略する。
【0057】6はフィルム回転駆動ローラ2との間にフ
ィルム1を挟んでフィルム1を駆動ローラ2に押圧する
フィルム押圧部材である。本実施例のフィルム押圧部材
6は駆動ローラ2との間にフィルム1の幅領域の略全長
を挟む長さ寸法を有する横長板部材であり、加圧付勢手
段としてのばね部材7・7により加圧されてフィルム1
を駆動ローラ2に対して押し付けている。7a・7aは
ばね部材7・7の固定支持体である。
【0058】フィルム押圧板部材6はフィルム1に当接
する表面が摩擦係数の小さい材質のもの、例えば、金属
板や耐熱樹脂板の表面にPTFE(テフロン)等の滑性
層6aをコーティングしたものであり、フィルム1の内
面と駆動ローラ2との間の摩擦係数よりもフィルム押圧
板部材6とフィルム1の外面との間の摩擦係数を小さく
している。
【0059】フィルム1は駆動ローラ2とフィルム押圧
手段としての板部材6との間に挟持されて駆動ローラ2
の回転により回転駆動され、駆動ローラ2とフィルム1
がスリップを生じ始める限界のスリップトルク(負荷ト
ルク)が、フィルム押圧板部材6による駆動ローラ2に
対するフィルム押し付け圧Fによる摩擦力の増加分に応
じて増加する。
【0060】そのため、加熱体4の表面とフィルム1内
面との摺動抵抗や、ヒーター支持体4Aとフィルム1内
面との摺動抵抗等のフィルム回転負荷力が温度変化や装
置耐久により変動しても、またフィルム1内面や駆動ロ
ーラ2の外面に前述の摩耗粉が付着しても、フィルム1
の内面と回転駆動ローラ2との摺擦摩擦力によるフィル
ム回転搬送力の方を上記のフィルム回転負荷力よりも常
に上回った状態に維持させることができる。
【0061】従って、フィルム1と回転駆動ローラ2と
の間のスリップの発生を防止して常に安定した所定速度
のフィルム回転駆動を実行させることができる。
【0062】本実施例装置を画像加熱定着装置としてキ
ヤノン(株)製複写機FC−2に組み込んで画像形成を
行ったところ、10万枚にわたりフィルムのスリップに
起因する画像の乱れ、紙(記録材)の搬送不良は発生せ
ず、良好な結果を得ることができた。
【0063】フィルム押圧部材6を弾性体としその弾性
力によりフィルム1を駆動ローラ1に押圧するようにし
て加圧付勢手段としてのばね部材7・7を不用とするこ
ともできる。
【0064】〈実施例2〉(図3・図4) 本実施例はフィルム押圧部材を回転自由な金属或は耐熱
樹脂製のローラ8としたものである。該ローラ8は手前
側と奥側の軸受け9a・9b間に支承されて加圧付勢手
段としてのばね部材7・7により加圧されてフィルム1
を駆動ローラ2に対して押し付けており、駆動ローラ2
・フィルム1の回転に伴い従動回転する。この押圧ロー
ラ8の場合も前記実施例1の板部材6と同様にフィルム
1の駆動ローラ2に対するスリップ発生を防止できる。
【0065】回転押圧ローラ8の場合は前記実施例1の
固定部材である押圧板部材6の場合と比較して、 .表面の摩擦係数が大きくてもフィルム1の回転移動
の妨げにならず、材料選択の自由度が高い、 .固定部材6ではフィルム1との摺擦部分にゴミ等が
蓄積してフィルム1にダメージを与える恐れがあるが、
回動自在のローラ8にするとゴミの蓄積がないのでフィ
ルム1にダメージを与えず、フィルム1の寿命を長くす
ることが可能である。
【0066】.回転ローラ8はフィルム1に対する摺
擦力が小さいから、フィルム1に寄りしわや、摺擦キズ
を発生させる恐れが小さい、等の効果がある。
【0067】本実施例装置を画像加熱定着装置としてキ
ヤノン(株)製複写機FC−2に組み込んで画像形成を
行ったところ、20万枚にわたりフィルムのスリップに
起因する画像の乱れ、紙の搬送不良は発生せず、またフ
ィルム面に摺擦キズを生じさせず、良好な結果を得るこ
とができた。
【0068】〈実施例3〉(図5) 本実施例の装置において、エンドレスフィルム1は加熱
体4とその上方に配置したテンションローラを兼ねる駆
動ローラ2との2部材間に懸回張設してある。そして駆
動ローラ2の外側に該駆動ローラ2に対してフィルム押
圧ローラ8をフィルム1を挾ませて並行に圧接させてあ
る。
【0069】本実施例の場合も、実施例2のものと同様
にフィルム押圧ローラ8によってフィルム1と回転駆動
ローラ2との間のスリップの発生を防止して常に安定し
た所定速度のフィルム回転駆動を実行させることができ
る。
【0070】〈実施例4〉(図6) 本実施例はフィルム押圧部材を前記実施例2と同様にロ
ーラ8とし、このローラ8に駆動ローラ2の回転駆動力
をギア10・11で伝達してローラ8をフィルム1の回
転周速と略同じ速度で回転駆動させたものである。
【0071】このように押圧ローラ8を回転駆動させる
ことによりローラ8の軸8aと軸受け9a・9bとの摺
動抵抗による、フィルム1をスリップさせる方向の負荷
を零にすることができるので、前述のスリップトルクの
増加をさらに大きくすることが可能になる。
【0072】〈実施例5〉(図7) 本実施例は前記実施例2或は同3のフィルム押圧部材と
してのローラ8を、芯金である回転軸8aと、この軸に
同心一体にローラ状に形成した弾性層、例えばシリコン
スポンジ層8bと、この弾性層8bの外周に形成した厚
さ約1.5mmの耐熱フェルト層8cからなるローラと
してある。
【0073】また本実施例では該耐熱フェルト層8cに
離形剤としてシリコンオイルをほぼ均一に含浸させてあ
る。
【0074】ローラ8の中間層である弾性層8bはロー
ラ8をフィルム1を挟んで駆動ローラ2に圧接させた状
態において十分な幅のニップ部Aを形成する作用をす
る。
【0075】このローラ8も前記の各実施例の場合と同
様にフィルム1の駆動ローラ2に対するスリップ発生を
防止する作用をする。
【0076】またローラ表面のフェルト層8cはフィル
ム外面のオフセットトナーを捕集除去するフィルムクリ
ーニング作用をする。
【0077】該フェルト層8cに離形剤を含浸させるこ
とで、フィルム1の回転移動過程でフィルム外周面に対
する離形剤の塗布がなされてフィルム1の外面に対する
トナーオフセットの発生が防止される。
【0078】回転ローラ8はフィルム1に対する摺擦力
が小さいからフィルム1に寄りしわを発生させる恐れが
少なく、フィルム寄りしわに起因する前述の問題を生じ
させない。またフィルムに摺擦キズを発生させる恐れが
少なく、フィルム1の耐久性が向上する。
【0079】〈実施例6〉(図8〜図10) 本実施例は、フィルム押圧手段と回転駆動ローラとがフ
ィルムを挟んで形成するニップ部の長手方向の向きをフ
ィルムの回転移動方向に対して変更するニップ方向可変
手段を有する装置である。
【0080】本実施例においてフィルム押圧手段はロー
ラ8である。このローラ8もばね部材7・7により加圧
されてフィルム1を駆動ローラ2に対して押し付けてフ
ィルム1と駆動ローラ2との間のスリップの発生を防止
し常に安定した所定速度のフィルム回転移動を実行させ
る作用をしている。
【0081】また該ローラ8の手前端側の軸部に電磁ソ
レノイド−プランジャ装置(以下、SL装置と記す)1
2を連結させてあり、このSL装置12により、ローラ
8をばね部材7・7でフィルム1を介して駆動ローラ2
に圧接させた状態を保たせたままで、ローラ奥端側の軸
受け部9bを中心にローラ手前端側をフィルム回転移動
方向aの下流側へ引き移動させた図10の実線示の第1
姿勢と、フィルム回転移動方向aの上流側へ押し移動さ
せた2点鎖線示の第2姿勢とに切り換えられるようにし
てある。
【0082】ローラ8が第1姿勢又は第2姿勢に切り換
えられることで、ローラ8と駆動ローラ2とがフィルム
1を挟んで形成するニップ部Aの長手方向の向きがフィ
ルム回転移動方向aに対してそれぞれ図10のA1 又は
2 のように変更される。
【0083】フィルム1にはニップ線に対して垂直な方
向に搬送力が働くために、 .ローラ8が第1姿勢に切り換えられてニップ部Aの
向きがA1 の場合にはフィルム1に働く搬送力は駆動ロ
ーラ2の周方向の搬送力と軸方向の奥端側への搬送力に
分割され、フィルム1は駆動ローラ2の回転による回転
移動に伴って、徐々に駆動ローラ2の長手に沿って駆動
ローラ2の奥端側へ寄り移動していく。
【0084】.またローラ8が第2姿勢に切り換えら
れてニップ部Aの向きがA2 の場合にはフィルム1に働
く搬送力は駆動ローラ2の周方向の搬送力と軸方向の手
前端側への搬送力に分割され、フィルム1は駆動ローラ
2の回転による回転移動に伴って、徐々に駆動ローラ2
の長手に沿って駆動ローラ2の手前端側へ寄り移動して
いく。
【0085】このようにフィルム押圧手段としての押圧
ローラ8と回転駆動ローラ2とがフィルム1を挟んで形
成するニップ部Aの長手方向の向きをフィルム1の回転
移動方向に対して変更A1 ・A2 することにより、フィ
ルム1の駆動ローラ長手に沿う位置を自由に変更するこ
とが可能である。
【0086】そしてエンドレスフィルム1の回転移動過
程における駆動ローラ2の長手に沿うフィルム寄り移動
位置を検知する手段21・22を設け、フィルム幅方向
の手前端側へのフィルム寄り移動位置が所定の限界位置
になったことが検知されたら、制御回路23によりフィ
ルムの寄り移動をその戻り方向であるフィルム幅方向の
奥端側へ切り替えるようにSL装置12を作動させて加
圧ローラ8を第1姿勢に変位させ、逆にフィルム幅方向
の奥端側へのフィルム寄り移動位置が所定の限界位置に
なったことが検知されたら、フィルムの寄り移動をその
戻り方向であるフィルム幅方向の手前端側へ切り替える
ようにSL装置12を作動させて加圧ローラ8を第2姿
勢に変位させることで、フィルムの回転移動過程でのフ
ィルム幅方向への寄り移動や蛇行運動を所定の許容一定
範囲内での無限往復動運動に納めることができる。
【0087】〈実施例7〉(図11・図12) 本実施例は、フィルム押圧手段を回転駆動ローラの軸線
方向に少なくとも2つ配置し、その個々のフィルム押圧
手段の押圧力を可変とした装置である。
【0088】本実施例において、フィルム押圧手段はフ
ィルム1の幅方向の手前端側と奥端側とにおいてそれぞ
れフィルム端部を駆動ローラ2との間に挟んで駆動ロー
ラ2に押圧した手前端側と奥端側の2つのローラ8A・
8Bである。
【0089】各ローラ8A・8Bもそれぞればね部材7
・7により加圧されてフィルム1を駆動ローラ2に対し
て押し付けてフィルム1と駆動ローラ2との間のスリッ
プの発生を防止し常に安定した所定速度のフィルム回転
移動を実行させる作用をしている。
【0090】この手前端側と奥端側の2つのローラ8A
・8Bはそれぞれ装置の最大通紙幅Wの外側に配するこ
とによりフィルム1の通紙幅W内の外面に生じるオフセ
ットトナー等でローラ8A・8Bの周面が汚れてしまう
ことが防止されるので好ましい。
【0091】また各ローラ8A・8Bにはそれぞればね
部材7・7を圧縮抗力に抗して圧迫する第1と第2のS
L装置12A・12Bを配設してあり、第1のSL装置
12Aがオン、第2のSL装置12Bがオフに制御され
ることで、手前端側のローラ8Aのフィルム押圧力が奥
端側のローラ8Bよりも増大する。
【0092】逆に第2のSL装置12Bがオン、第1の
SL装置12Aがオフに制御されることで、奥端側のロ
ーラ8Bのフィルム押圧力が手前端側のローラ8Aより
も増大する。
【0093】上記前者のように手前端側のローラ8Aの
押圧力を奥端側のローラ8Bよりも大の状態にすると、
押圧力−大のローラ8Aの方が駆動ローラ2の駆動力を
より有効にフィルム1に伝達させるためにフィルム1の
幅方向手前端側の搬送速度が奥端側よりも若干大きくな
る。そのためフィルム1はその回転移動過程で駆動ロー
ラ2の長手に沿って該ローラの手前端側へ寄り移動して
いく。
【0094】逆に、後者のように奥端側のローラ8Bの
押圧力を手前端側のローラ8Aよりも大の状態にする
と、フィルム1はその回転移動過程で駆動ローラ2の長
手に沿って該ローラ2の奥端側へ寄り移動していく。
【0095】このように手前端側と奥端側のローラ8A
・8Bのフィルム押圧力のバランスを変えることによ
り、フィルム1の駆動ローラ長手に沿う位置を自由に変
更することが可能である。
【0096】そして、エンドレスフィルム1の回転移動
過程における駆動ローラ2の長手に沿うフィルム寄り移
動位置を検知する手段21・22を設け、フィルム幅方
向の手前端側へのフィルム寄り移動位置が所定の限界位
置になったことが検知されたら、制御回路23によりフ
ィルムの寄り移動をその戻り方向であるフィルム幅方向
の奥端側へ切り替えるように第2のSL装置12Bをオ
ンに作動(第1のSL装置12Aはオフ)させて加圧ロ
ーラ8Bの押圧力を増大させ、逆にフィルム幅方向の奥
端側へのフィルム寄り移動位置が所定の限界位置になっ
たことが検知されたら、フィルムの寄り移動をその戻り
方向であるフィルム幅方向の手前側へ切り替えるように
第2のSL装置12Bはオフにし、第1のSL装置12
Aをオンにすることで、フィルム1の回転移動過程での
フィルム幅方向への寄り移動や蛇行運動を所定の許容一
定範囲内での無限往復運動に納めることができる。 〈実施例8〉(図13) 本実施例は例えば前述実施例2の加熱装置を画像加熱定
着装置60として用いた画像形成装置の一例の概略構成
を示している。
【0097】本例の画像形成装置は原稿台固定一光学系
移動型、回転ドラム型、転写式の電子写真複写装置であ
る。
【0098】固定の原稿台ガラス30上に原稿0を所要
に載置し、所要の複写条件を設定した後、コピースター
トキーを押すと、感光体ドラム40が矢示の時計方向に
所定の周速度で回転駆動される。
【0099】また光源31(32は反射笠)と第1ミラ
ー33が原稿台ガラス30の下面に沿ってガラス左辺側
のホームポジションからガラス右辺側へ所定の速度Vで
往動し、第2ミラー34・第3ミラー35が同方向にV
/2の速度で往動することで原稿台ガラス30上の載置
原稿0の下向き画像面が左辺側から右辺側に照明走査さ
れ、その照明走査光の原稿面反射光が結像レンズ36、
固定第4〜6ミラ37〜39を介して回転感光体ドラム
40面に結像露光(スリット露光)される。
【0100】回転感光体ドラム40の表面はこの露光前
に1次帯電器41により正または負の所定電位に一様に
帯電処理されており、この帯電面に対して上記の露光が
なされることで、ドラム40面に原稿画像に対応したパ
ターンの静電潜像が順次に形成されていく。感光体ドラ
ム40面の形成静電潜像は現像装置42の現像ローラ4
3でトナー像として顕画される。
【0101】一方、給紙カセット44から給紙ローラ4
5により記録材としての転写材シートPが給送され、レ
ジストローラ46で所定のタイミングでドラム40と転
写帯電器47との間の転写部へ導入されて転写コロナを
受けることでドラム40に接しドラム40面側のトナー
顕画像がシートP面に順次に転写されていく。
【0102】像転写部を通過したシートPは分離帯電器
48によってドラム40面から順次に分離され、搬送部
49・ガイド50で定着装置60へ導入され、トナー画
像定着を受け、画像形成物として機外へ排出される。
【0103】転写後のドラム40面はクリーニング器5
1のクリーニングブレード52で残トナー等の汚れが除
去されて清浄面化され、繰り返して像形成に供される。
【0104】往動移動した移動光学部材31〜35は所
定の往動終点に到達すると復動移動に転じられてはじめ
のホームポジションへ戻り、次のコピーサイクルの開始
まで待機する(光学系のバック行程)。
【0105】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フィルム
材としてエンドレスフィルム1を用いたフィルム加熱方
式の加熱装置について、フィルム1と回転駆動ローラ2
との間のスリップの発生を防止して常に安定した所定速
度のフィルム回転移動を実行させることができ、またフ
ィルム1の外面に対するトナーオフセット等を簡便・安
価な手段構成で長期にわたって防止することができ、こ
の種の加熱装置の耐久性・信頼性等を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例装置の側面図
【図2】 その平面図
【図3】 第2の実施例装置の側面図
【図4】 その平面図
【図5】 第3の実施例装置の側面図
【図6】 第4の実施例装置の要部の平面図
【図7】 第5の実施例装置の要部の側面図
【図8】 第6の実施例装置の側面図
【図9】 その平面図
【図10】 押圧ローラの変位説明図
【図11】 第7の実施例装置の側面図
【図12】 その平面図
【図13】 第8の実施例としての画像形成装置の構成
略図
【図14】 エンドレスフィルムを用いた加熱装置例
(画像加熱定着装置)の構成略図
【図15】 フィルムの層構成模型図
【符号の説明】
1 エンドレスフィルム 2 駆動ローラ 3 従動ローラ 4 加熱体 5 加圧ローラ P 被加熱材としての記録材 6・8・8A・8B フィルム押圧部材としての板部
材またはローラ 7 加圧付勢手段としてのばね部材 12・12A・12B 電磁ソレノイド−プランジャ
装置(SL装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 木村 茂雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小林 克彰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 草加 健作 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 渡辺 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム材の一面側に加熱体を配置し、
    他面側に被加熱材を密着させフィルム材と一緒に加熱体
    位置を移動通過させることで加熱体の熱エネルギーをフ
    ィルム材を介して被加熱材に付与するフィルム加熱方式
    の加熱装置であり、 前記フィルム材は、少なくとも加熱体と回転駆動ローラ
    との間に懸回張設され回転駆動ローラとの摩擦力で回転
    移動されるエンドレスフィルムであり、該フィルムを回
    転駆動ローラへ押圧するフィルム押圧手段を有すること
    を特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 フィルム押圧手段が回転自在のローラで
    あることを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 フィルム押圧手段のフィルムに接触する
    表層がフェルト層であることを特徴とする請求項1記載
    の加熱装置。
  4. 【請求項4】 フィルム押圧手段のフィルムに接触する
    表層が離形剤含浸層であることを特徴とする請求項1記
    載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 フィルム押圧手段と回転駆動ローラとが
    フィルムを挟んで形成するニップ部の長手方向の向きを
    フィルムの回転移動方向に対して変更するニップ方向可
    変手段を有することを特徴とする請求項1記載の加熱装
    置。
  6. 【請求項6】 回転駆動ローラの軸線方向へのフィルム
    の寄り移動位置を検知する手段を有し、その検知位置情
    報によりニップ方向可変手段を動作させてフィルム押圧
    手段と回転駆動ローラとがフィルムを挟んで形成するニ
    ップ部の長手方向の向きをフィルムの回転移動方向に対
    して制御することを特徴とする請求項5記載の加熱装
    置。
  7. 【請求項7】 フィルム押圧手段が回転駆動ローラの軸
    線方向に少なくとも2つ配置されており、その個々のフ
    ィルム押圧手段の押圧力を可変としたことを特徴とする
    請求項1記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】 回転駆動ローラの軸線方向へのフィルム
    の寄り移動位置を検知する手段を有し、その検知位置情
    報により個々のフィルム押圧手段の押圧力を制御するこ
    とを特徴とする請求項7記載の加熱装置。
JP1832292A 1992-01-06 1992-01-06 加熱装置 Pending JPH05181380A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017003871A (ja) * 2015-06-12 2017-01-05 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置およびこれを備えた画像形成装置
JP2019184760A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2020052122A (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 富士ゼロックス株式会社 定着装置および画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017003871A (ja) * 2015-06-12 2017-01-05 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置およびこれを備えた画像形成装置
JP2019184760A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2020052122A (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 富士ゼロックス株式会社 定着装置および画像形成装置

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