JP4672850B2 - 定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに圧接回転する定着体及び加圧体によって形成されるニップ領域で、未定着像を担持する記録材を挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより上記未定着像を上記記録材に定着させる定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式等を採用する複写機やプリンター、FAX等の画像形成装置においては、近年重要性を増してきた課題として、省エネ対応という問題が挙げられる。
【0003】
かかる画像形成装置に備えられる定着装置は、トナー等からなる未定着像を融解して用紙等の記録材に定着させるために電力を直接熱エネルギーとして消費しており、画像形成装置全体で使用される電力消費の大きな要因を占めている。
【0004】
この電力を低減するための一つの方向性として、かかる定着装置にはオンデマンド化が図られている。つまり、かかる定着装置は、定着体を薄肉ローラ或は薄いベルト状若しくはフィルム状にすることで、熱容量を小さくして立ち上がりを早くすると同時に、その間の消費電力を抑えるようになっている。
【0005】
定着装置のオンデマンド化を図ることで、画像形成装置は、プリント信号を受け取ると待ち時間もほとんどなく、すぐにプリント開始がなされるため、非プリント時には定着体をプリント温度近辺の高温で保温しておく必要がなく、常温かせいぜい適度に低温に保てばよい。定着装置の保温時の放熱は、環境温度と定着体の設定温度との温度差に比例して大きくなり、これらはプリントしていない状態でも常時電力を消費する。したがって、間欠的にプリントを繰り返すような状況下では、オンデマンド化が非常に大きな節電効果をもたらす。
【0006】
さて、一般的には定着体の内部からヒータ等の加熱手段によって加熱を行う方法が主である。加熱手段としてハロゲンランプ、定着体として定着ローラを用いるローラ定着方式の場合では、ハロゲンランプのガラス表面が200℃をはるかに越える高温に達するが、実際の温調は定着ローラの表面温度を検知して180℃前後で行っている。又、近年製品化されている構成として、加熱手段としてセラミックヒータ、定着体として定着フィルムを用いるベルト定着方式の場合では、セラミックヒータの温度が190〜200℃程度の低温で前者と同等の定着性を得ていることから、トップ温度をほぼ定着温度まで下げることができる後者のシステムはより放熱ロスが少なく、効率的であると言える。
【0007】
同様に、定着体自体が自己発熱する方式、例えば自己発熱体や磁気誘導加熱を用いる方式は、トップ温度を下げることができ、高効率なシステムである。又、定着体の表面近傍を直接加熱することが可能であることから熱応答性が向上し、通常のローラ定着方式と比べてリップルの小さい安定した温調が可能であり、高温オフセット領域と低温オフセット領域との間のラチチュードを有効にとることができる。結果として光沢ムラのない定着性の高い安定した画像を得るものである。
【0008】
但し、ローラ定着方式には、ベルト定着方式と比べてニップ領域の圧を高めても、定着体と記録材等とのスリップ等の問題がなく機械的に安定しているというそれなりの利点がある。又、ニップ領域に高い圧がかけられるということがOHT透過性向上のための大きな要因となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来のローラ定着方式を採用する定着装置にあっては、プリント時には定着ローラの表面が最も低温、該定着ローラの芯金が最も高温となるような温度勾配となっている。効率化の観点から着目すると、定着のためには定着ローラの表面近傍のみが常にある適当な温度になっていればよく、芯金の温度をそれより高温にするのに無駄なエネルギーを要している。この余分な熱は、プリント後のオーバーシュートをもたらすことになり、結局は有効に利用されずに外部に放熱されてしまうこととなる。
【0010】
そこで、本発明は、定着体の内部側からの熱が表面側へと伝達されることによる該定着体の表面のオーバーシュートを防止すると共に、定着体の内部の無駄な加熱を抑えて加熱手段による熱エネルギーを有効利用して省エネ化を図ることができる定着装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための本発明は、内部に発熱源を有しておらず、低熱伝導率の弾性層と前記低熱伝導率の弾性層よりも外側に高熱伝導率の弾性層を有する定着ローラと、前記定着ローラと共にトナー像が形成された記録材を挟持搬送するニップ領域を形成する加圧ローラと、前記定着ローラの表面に接触し前記定着ローラを加熱する加熱手段と、を有し、前記加熱手段の熱を利用して前記定着ローラを加熱し前記ニップ領域で記録材上のトナー像を記録材に加熱定着する定着装置において、前記加熱手段は、外面が前記定着ローラに接触するエンドレスフィルムと、前記エンドレスフィルムの内面に接触し前記エンドレスフィルムを介して前記定着ローラに圧接するセラミックヒータを有し、前記セラミックヒータが板状のセラミック基板上に導電発熱層を設けた回転しない構成であり、前記エンドレスフィルムは前記定着ローラの回転に伴い前記セラミックヒータと摺動しつつ従動回転することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に関して、添付図面に基づき説明する。
【0013】
(実施形態及び参考例)
先ず、本発明の実施形態及び参考例について説明する。
【0014】
図1は、画像形成装置を好適に示す一例たる電子写真レーザビームプリンタ101(以下、プリンタ101と略称する。)の概略構成を示す模式的断面図である。
【0015】
プリンタ101は、プリンタ101の本体の外部に設けられたホストコンピュータ等の画像情報提供装置(図示せず)から提供された画像情報に応じた画像をシート状の記録材Pに形成し記録するという一連の画像形成プロセスを公知の電子写真方式に沿って行う形態の画像形成装置である。
【0016】
プリンタ101は、図1に示すように、潜像担持体たるドラム状の回転自在な感光体102と、現像装置103と、画像情報提供装置からの画像情報に応じた露光処理工程により感光体102の外周面に上記画像情報に応じた静電潜像を形成するためのレーザスキャナユニット105(以下、スキャナ105と略称する。)と、記録材Pに転写処理工程を施すためのロール状の回転自在な転写体106と、転写処理済みの記録材Pに加熱及び加圧により定着処理を施すようになっている定着装置107とを備えている。
【0017】
プリンタ101にあっては、先ず、プリンタ101への一連の画像形成プロセスの開始指示のためにプリンタ101の本体に設けられたスタートボタン等(図示せず)が押されるなどにより、感光体102が所定方向に規定周速度にて回転駆動を開始されると共に、規定バイアスが印加されている帯電ローラ104と感光体102とが互いに摺接し合うことにより感光体102の外周面が規定電位分布に帯電せしめられる。
【0018】
次に、画像情報提供装置からの画像情報に応じて感光体102の外周面の帯電処理済みの部位がスキャナ105により走査及び露光されることにより上記画像情報に応じた静電潜像が上記部位に形成されたのち、現像装置103の現像剤により上記静電潜像が顕像に可視像化され、所定枚数の記録材Pを収容可能であると共にプリンタ101の本体にて取り外し自在に支持されたカセット111から回転自在な給紙ローラ112等により感光体102と転写体106との間に形成された空間へと所定のタイミング等にて搬送されてきた記録材Pに転写体106により上記顕像が転写される。
【0019】
そして、転写処理済みの記録材Pは、定着装置107により定着処理が施されたのちプリンタ101の本体にて回転自在に支持された排紙ローラ113により機外へと排紙され上記本体の一側面に取り付けられたトレイ114上に積層されることにより、一連の画像形成プロセスが終了することとなる。
【0020】
従来のローラ定着方式を採用する定着装置にあっては、上述したように、定着ローラの芯金内部から該定着ローラをハロゲンヒータ等の加熱手段によって加熱する構成であったため、無駄なエネルギーを要していた。
【0021】
そこで、本発明者等は、定着ローラの表面側より最小限必要な加熱を行うことで、定着ローラの表面は高温で芯金側はむしろ低温となるような熱勾配で定着を行うことで熱効率を向上させ、省エネ化を図ることができると考えた。
【0022】
つまり、立ち上がりの早い薄肉小径の金属ローラに表面離型層を形成しハロゲンヒータを内蔵した熱ローラをニップ領域より上流側の位置で定着ローラの表面に当接して回転させながら、定着ローラ表面を加熱するようにした。その結果として、一応の定着性を得ることは可能であった。
【0023】
又、セラミックヒータのような発熱体を加熱手段として定着ローラの表面に当接させても同様の結果が得られた。しかし、この場合、セラミックヒータと定着ローラの表面との間にトナーが蓄積されたものがすり抜けて、画像に筋状の画像不良をもたらしたり、或は冷えたときに両者が貼り付いてしまうといった問題がしばしばあった。
【0024】
そこで本実施形態では、セラミックヒータをエンドレスの薄い離型性表面のフィルムでくるみ、フィルムを定着ローラに押しつけて定着ローラと同速でセラミックヒータに摺動させることにより、トナーの溜まりを防止することができた。上述の熱ローラに比べ熱容量が小さいため、より急速な定着ローラの表面温度の立ち上がりが得られた。
【0025】
本発明者等は、定着体を加熱手段によって表面側から加熱する上述の方式を表面加熱方式と名付け、さらなる効率化と定着性向上の検討を行った。この方式において定着性を向上させるためには、ヒータから定着ローラ表面に送りこむ熱量と、定着ローラがニップ領域で用紙に送り込む熱量とを定着に充分な必要量まで増やすことが重要であることが判明した。これらの熱量は、定着ローラの表面温度が同一温度で、ニップ領域の圧力が同一圧力のときには定着ローラの表面近傍の熱伝導率λに比例すると考えられる。
【0026】
熱伝導率が低い定着ローラでは、加熱により表面温度は急速に立ち上がるが、定着ローラの表面のみ温度が上がってもそれより内部側の部分の温度は立ち上げ初期には冷えているため、画像を定着するために必要な熱流を用紙に送り込むには熱量が足りず、高い定着性を得るためには1分以上の待ち時間をとり、表面から内部側の部分もある程度加熱する必要があった。
【0027】
そこで、表面離型層と該表面離型層の下層に設けられたシリコーンゴム層との2層からなるローラにおいて、シリコーンゴム層の熱伝導率の異なるものを各種作成した。尚、シリコーンゴム層の熱伝導率は、フィラーであるシリカ添加量により調整した。その結果は、シリコーンゴム層の熱伝導率が大きくなるにつれ、ローラの硬度はアップしていくため、ニップは小さくなった。又、シリコーンゴム層の熱伝導率が大きくなる程、ローラ内部への熱の逃げが多くなるため、ローラ表面の最高到達温度は低下した。この2つの要因により普通紙定着性はかえって悪化してしまった。
【0028】
そこで、本実施形態では、この矛盾を解決する方法として、定着ローラが、表面離型層と、該表面離型層の下層に設けられた高熱伝導率層と、更に該高熱伝導率層の下層に設けられた低熱伝導率層とを有する層構成をなしている。
【0029】
つまり、定着ローラの表面から用紙を定着させるのに充分な熱流を生み出すだけの熱容量をもつように、ある程度の厚みまでは熱伝導率を高くして表面での熱交換を向上させた方が良い。それより内部側ではむしろ低い熱伝導率で断熱効果を持たせた方が下への熱の逃げがなくなり、表面到達温度を高くすることができて定着効率が良くなる。又、低熱伝導率層は、熱伝導が低くてもよいため柔らかくできて、用紙を定着するように必要なニップ量をとることができる。この結果、普通紙定着性を満足する実用レベルの画像を得ることができた。
【0030】
図2は、参考例における定着装置107の概略構成を示す模式的断面図である。
【0031】
かかる定着装置107にあっては、回転駆動される定着体たる定着ローラ1に対して加圧体たる加圧ローラ2が圧接され従動回転する。定着ローラ1は、加圧ローラ2とのニップ領域より上流側で当接配設される加熱手段たる熱ローラ3によって表面が加熱されるようになっている。又、定着ローラ1の表面の温度制御にあっては、熱ローラ3に当接配設されたサーミスタ5の温度検知信号に基づき、熱ローラ3のハロゲンヒータ4の加熱制御を行うようになっている。
【0032】
この表面加熱方式においては、熱ローラ3による定着ローラ1の表面加熱によりニップ領域の上流側で定着ローラ1の上層の高熱伝導率層に充分に熱をため込み、ニップ領域に入るまでの間に低熱伝導率層でその熱が拡散することなく断熱されつつ移動し、ニップ領域において用紙に対して蓄積された熱を放出する。このプロセスは定着処理の間連続的に行われる。
【0033】
定着ローラ1は、直径30φに形成され、必要なニップ領域を確保しつつ熱容量を減らすように、本実施形態では芯金が中空筒体となっている。
【0034】
定着ローラ1の層構成を図3に示す。
【0035】
定着ローラ1にあっては、表面離型層7が厚さ10〜30μm程度のFEP若しくはPTFE、CPTFE、PFA等のフッ素樹脂チューブ又はコート層として形成されている。その下層に熱伝導率1.4×10−3cal/cm/s/KHTVシリコーンゴム弾性層である高熱伝導率層8が厚さ0.5tで形成されている。この厚みは0.5t前後であれば、定着に必要な熱を充分に蓄積しておくことが可能であった。0.2〜0.8t程度の範囲においては定着性向上の効果が認められた。さらにその下層に熱伝導率0.8×10−3cal/cm/s/KのHTVシリコーンゴム弾性層である低熱伝導率層9が厚さ1.5tで形成されている。芯金10はアルミ6063で厚さ2.0tのものを使用している。
【0036】
加圧ローラ2は、直径30φに形成され、定着ローラ1と同様な表面離型層の下にHTVシリコーンゴム2.0tを形成した2層構成である。
【0037】
熱ローラ3は、直径16φ、アルミ1.0tの中空円筒状であり、内部にハロゲンヒータ4を内蔵している。表面にはフッ素樹脂離型層チューブ50μm厚を有している。定着ローラ1に対して加圧ローラ2が圧接して両者間にニップ領域を形成した状態で駆動回転され、静止時のニップ幅は中央部8.6mmであった。
【0038】
立ち上がり時のオンデマンド化を図るためには、数十s程度の時間に1000W程度の電力を送ることが必要である。いったんプリント温度に達した後は、その保温のために80〜100W程度、用紙定着中には400〜500W程度の電力を送ることが必要である。
【0039】
本参考例では、室内常温状態よりプリント温度190℃までの立上がりにほぼ90s要した。これは、定着ローラ1の表面温度自体の立ち上がりはかなり早いが、加圧ローラ2に熱源を持たない構成では加圧ローラ2が冷えた状態では定着性が低めとなるため、前多回転により加熱させるために1分程度以上の立ち上がり時間を要するためである。定着ローラ1の表面温度のリップルは±4℃程度であった。定着ローラ1の周速度を30〜120mm/s、定着ローラ1及び加圧ローラ2による加圧力を392N(40kgf)とした。
【0040】
(参考例2)
次に、参考例2について説明する。尚、前述の実施形態と同様の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略する本実施形態の定着体たる定着ローラの構成としては、前述の実施形態とほぼ同様の3層ローラであるが、定着ローラの低熱伝導率層が弾性のシリコーンスポンジで形成されていることにより、断熱効果を高めると同時に、柔らかい材料であるためニップ領域を大きく確保することができ、定着性向上と省エネ化をもたらすものである。
【0041】
(参考例3)
次に、参考例3について説明する。尚、参考例2と同様の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略する。本参考例では、図4に示すように、加圧ローラ2側にも定着ローラ1同様に、加熱手段として、ハロゲンヒータ4´を内蔵したサーミスタ5´により温度制御される熱ローラ3´が配設され、加圧ローラ2表面の加熱を行い、定着性を高めたものである。
【0042】
本参考例によれば、立ち上げ初期に熱ローラ3による定着ローラ1のみの表面加熱では熱流の足りない分を、熱ローラ3´による加圧ローラ2の加熱によって、用紙の裏面から背面加熱することで補って定着性を向上するとともに、通常時でも表面温度を下げることで高温オフセットを防止する等の効果がある。
【0043】
本参考例でも、加圧ローラ2は定着ローラ1と同様に、表面離型層の下層に高熱伝導率の材質からなる層を設け、更にその下層に低熱伝導率の材質からなる層を設けた3層構成となっている。よって、本実施形態では、プリント中にも用紙の両面から一定温度で熱流を送ることができ、より安定化した定着が可能である。
【0044】
(参考例4)
次に、参考例4について説明する。尚、前述の参考例と同様の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略する。前述の参考例はオイルレス定着系への応用であったが、同様にオイル定着系への応用も可能である。
【0045】
本参考例では、定着体たる定着ローラの層構成は、図5に示すように、表面離型層が高熱伝導のRTV若しくはLTVシリコーンゴムで形成され、既存のオイル塗布ローラ等のオイル塗布機構より表面にオイルを塗布することで離型性をもたせるようにする。このオイル塗布ローラは熱ローラ3にその作用をもたせるようにしても構成が簡略化できて良い。又、定着ローラの低熱伝導率層は低熱伝導のLTV若しくはHTVシリコーンゴムで形成されている。
【0046】
従来のローラ定着とした場合、通常、芯金と低熱伝導率層との界面温度が高くなるため、オイルが低熱伝導率層まで滲み込んだ場合に両者の接着性が低下して低熱伝導率層の剥離をもたらすことがある。このため、従来では、最下層までオイルが滲み込まないように表層とその低熱伝導率層との間に別にフッ素ゴム等の中間バリヤー層を設けたりしている。
【0047】
しかし、本参考例においては、表面加熱方式により上記界面温度が定着ローラの表面温度より低く保たれるために中間層は不要であり、上述の低熱伝導率層の剥がれは防止されローラ構成はより簡単化される。又、低熱伝導率層の内部温度が低いことからオイルミストの発生もその分低減され、定着ローラのオイル膨潤によるローラ径の変動も防止される。
【0048】
(実施形態)
次に、本発明の実施形態について説明する。尚、参考例と同様の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略する。本実施形態の定着装置は、図6に示すように、参考例における熱ローラ3の代わりに加熱手段としてセラミックヒータ11をエンドレスフィルム13を介して定着ローラ1に圧接させて定着ローラ1の表面加熱を行うものである。
【0049】
セラミックヒータ11は、0.6〜0.8t程度のアルミナや窒化アルミ等の表面に導電発熱層の帯を設け、その上にシリカやガラスの絶縁保護層を設けた構造である。セラミックヒータ11の裏面にはサーミスタ12が押圧されており、この温度検知信号に基づき、セラミックヒータ11の温調が行われる。セラミックヒータ11はエンドレスフィルム13を介して定着ローラ1の表面に当接されて表面加熱を行う。
【0050】
エンドレスフィルム13は、25〜50μm程度の薄いポリイミド等の耐熱樹脂フィルムの表面にフッ素樹脂等の離型層をコーティングしたものであり、定着ローラ1の回転に伴い摩擦力でフィルムガイド14の周囲を従動し、セラミックヒータ11に対しては接触しつつ摺動する。
【0051】
本実施形態によれば、エンドレスフィルム13及びセラミックヒータ11により、付加的な熱容量を最小限に抑えて立ち上がりをより早く、しかも熱効率を高めるものである。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エネルギーを有効利用できると共に画像不良も抑えられる定着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 定着装置を搭載する画像形成装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】 図1の画像形成装置に備えられた定着装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図3】 図2の定着装置に備えられた定着体の層構成を示す部分断面図である。
【図4】 参考例3における定着装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図5】 参考例4における定着装置に備えられた定着体の層構成を示す部分断面図である。
【図6】 本発明の実施形態における定着装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ(定着体)
2 加圧ローラ(加圧体)
3 熱ローラ(加熱手段)
3´ 熱ローラ(加熱手段)
8 高熱伝導率層
9 低熱伝導率層
11 セラミックヒータ(加熱手段)
101 電子写真レーザビームプリンタ(画像形成装置)
107 定着装置
P 記録材
Claims (3)
- 内部に発熱源を有しておらず、低熱伝導率の弾性層と前記低熱伝導率の弾性層よりも外側に高熱伝導率の弾性層を有する定着ローラと、前記定着ローラと共にトナー像が形成された記録材を挟持搬送するニップ領域を形成する加圧ローラと、前記定着ローラの表面に接触し前記定着ローラを加熱する加熱手段と、を有し、前記加熱手段の熱を利用して前記定着ローラを加熱し前記ニップ領域で記録材上のトナー像を記録材に加熱定着する定着装置において、
前記加熱手段は、外面が前記定着ローラに接触するエンドレスフィルムと、前記エンドレスフィルムの内面に接触し前記エンドレスフィルムを介して前記定着ローラに圧接するセラミックヒータを有し、前記セラミックヒータが板状のセラミック基板上に導電発熱層を設けた回転しない構成であり、前記エンドレスフィルムは前記定着ローラの回転に伴い前記セラミックヒータと摺動しつつ従動回転することを特徴とする定着装置。 - 前記高熱伝導率の弾性層は前記低熱伝導率の弾性層よりも厚みが小さいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記低熱伝導率の弾性層はシリコーンスポンジで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
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