JP2008152153A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プリント動作後に、プリント動作時の目標温度(プリント時目標温度)よりも低い温度を駆動停止後の目標温度(待機時目標温度)として定着部材の温度が調整制御される。このような待機モード(待機時)において、プリント動作後に定着部材の駆動速度が減速されて、その後に定着部材が駆動停止するように制御される。
【選択図】図3
Description
特許文献1等において、ベルト定着方式の定着装置は、ヒータ(加熱手段)が内設された加熱ローラ、加熱ローラ等の複数のローラ部材に張架・支持された定着ベルト、定着ベルトを介してローラ部材に圧接してニップ部を形成する加圧ローラ、等で構成される。そして、定着ベルトと加圧ローラとの間(ニップ部である。)に記録媒体が搬送されて、記録媒体上のトナー像が定着される。このようなベルト定着方式の定着装置は、ローラ定着方式のものに比べて定着部材を低熱容量化できるために、装置の立ち上がり時間を短縮化できるものとして知られている。
定着ベルトは、熱容量が小さいために、加熱位置(加熱ローラに巻装された位置である。)の温度が最も高く、それ以外の位置の温度は低下しやすい。すなわち、定着ベルトは、加熱位置を頂点とする周方向(駆動方向)の温度分布(温度差)を有している。
さらに、ヒータ(加熱手段)に対向する加熱ローラの内周面と、定着ベルト表面と、には比較的大きな温度勾配(温度差)が生じてしまう。
これらの温度分布や温度勾配は、プリント動作中には定着ベルトの熱が記録媒体に奪われるために、さらに大きなものになる。そして、このような状態で、プリント動作後に定着ベルトを駆動停止して待機モード(プリント動作時の目標温度よりも低い目標温度にて定着ベルトの温度調整をおこなう制御である。)に入ると、熱平衡により加熱ローラの熱が定着ベルトに移動する。また、駆動停止時に定着ベルトの温度が待機時目標温度より低くなっている場合には、さらにヒータが点灯するのでその加熱分も加わり、定着ベルトの温度は目標温度よりも大幅に高くなってしまう(オーバーシュートしてしまう)。
また、上述した特許文献2等の技術は、非接触型の温度検知手段を用いた定着装置に特有の問題を解決するものであって、上述した問題を直接的に解決するものではない。
図1〜図5にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着部材としての定着ベルト、31は定着装置20に設置された加圧部材としての加圧ローラ、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、転写部7で、レジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置20は、定着ベルト21、定着補助ローラ22、加熱ローラ23、加圧ローラ31、温度センサ40(温度検知手段)、ガイド板35、等で構成される。
定着部材として熱容量の低い定着ベルト21を用いることで、装置の昇温特性が向上する。
なお、本実施の形態1における駆動部は、定着補助ローラ22の回転速度を可変できるように構成されている。すなわち、定着ベルト21、定着補助ローラ22、加熱ローラ23、加圧ローラ31の駆動速度を可変できるように構成されている。
加熱ローラ23のヒータ25は、ハロゲンヒータやカーボンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板に固定されている。そして、装置本体1の交流電源(不図示である。)により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって加熱ローラ23が加熱されて、さらに加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向する温度検知手段としての温度センサ40によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ40の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の目標温度(定着目標温度)に調整制御することができる。
なお、本実施の形態1では、温度センサ40(温度検知手段)として接触型のサーミスタを用いたが、温度センサ40として非接触型のサーモパイルを用いることもできる。
そして、加圧ローラ31は、不図示の加圧機構によって定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に、所望のニップ部が形成される。
なお、装置の立ち上がり時間をさらに短縮化するために、加圧ローラ31の内部にヒータを設置することもできる。
また、図示は省略するが、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板が配設されている。分離板は、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21の走行に沿って定着ベルト21に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、交流電源からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、定着ベルト21(定着補助ローラ22、加熱ローラ23)及び加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動(通常の駆動速度による回転駆動である。)が開始される(ウォーミングアップである。)。
その後、制御部がプリント要求を受けると、プリント動作が実行される。すなわち、給紙部12〜14から記録媒体Pが給送されて、作像部4にて記録媒体P上に未定着画像が担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
そして、プリント動作が終了すると、定着装置20は待機モードに入って、次のプリント動作に備えることになる(待機状態になる。)。すなわち、温度センサ40の検知温度に基いたヒータ25(交流電源)の制御によって、定着ベルト21の温度が、プリント動作時の目標温度(プリント時目標温度)よりも低い目標温度(待機時目標温度)になるように調整制御される。
本実施の形態1では、図3を参照して、プリント動作が終了して上述した待機モードに入ったときに、まず、定着ベルト21(定着補助ローラ22)の駆動速度が減速される。なお、本実施の形態1では、このときの定着ベルト21の駆動速度が、プリント動作時の駆動速度(通常速度)の1/3に設定されている。
そして、定着ベルト21の低速度での駆動(装置の空駆動)が所定時間おこなわれた後に、定着ベルト21の駆動を停止する。
このような制御をおこなうことで、加熱ローラ23の内周面から定着ベルト21表面にかけての温度勾配が低減されるとともに、定着ベルト21の周方向の温度分布も温度差が小さくなって、オーバーシュートの発生が抑止される。
これは、図5に示すように、ヒータ25に対向する加熱ローラ23の内周面と定着ベルト21表面とに比較的大きな温度勾配(温度差)が生じてしまうためである。すなわち、プリント動作直後に定着ベルト21を駆動停止して待機モードに入ると、定着ベルト21は熱容量が小さいために、熱平衡により加熱ローラ31の熱が定着ベルト21に移動して(図5中のW部の熱が矢印方向に移動して)、定着ベルト21の温度が加熱位置で局所的に過昇温してしまう。
また、定着ベルト21を駆動停止すると、加熱位置を頂点とする定着ベルト21の周方向の温度分布(温度差)も大きくなってしまう。
その後(低速駆動後)、定着ベルト21の駆動を停止したときに、図3中のA部に示すように、加熱ローラ23からの熱によって定着ベルト21の温度は若干上昇するものの、その上昇温度は待機時目標温度やプリント時目標温度に対してそれ程大きなものではない。
また、本実施の形態1では、加熱手段としてヒータ25を用いたヒータ加熱方式の定着装置に対して本発明を適用したが、加熱手段として励磁コイルによって電磁誘導加熱される加熱ローラ23を用いた電磁誘導加熱方式の定着装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、これらの場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
図6にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図6は、実施の形態2における制御をおこなったときの、定着部材21の温度変動を示すグラフであって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。
ここで、本実施の形態2では、プリント動作後の定着ベルト21の駆動速度の減速が多段階でおこなわれる。具体的に、プリント動作直後の定着ベルト21の駆動速度は、プリント動作時の駆動速度(通常速度)の1/2に設定している。その後、定着ベルト21の駆動速度は、プリント動作時の駆動速度(通常速度)の1/3、1/4と漸減されて、駆動停止される。
このような制御をおこなうことで、加熱ローラ23や定着ベルト21の熱伝導率が小さい場合等のように、定着ベル21表面の熱が奪われていても加熱ローラ23内周面の熱が定着ベルト21表面に伝わる速度が遅いときであっても、オーバーシュートの発生を確実に抑止することができる。
これに対して、本実施の形態2では、待機モードにおける低速駆動時にヒータ25を消灯しているために、加熱ローラ23は加熱されないので、加熱ローラ23内周面から定着ベルト21表面にかけて速やかに温度平衡状態となり、オーバーシュートを防止することができる(図6のA部を参照できる。)。
図7にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図7は、実施の形態3における制御をおこなったときの、定着部材21の温度変動を示すグラフであって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。
ここで、本実施の形態3では、図7を参照して、プリント動作後に定着ベルト21の駆動速度が減速されて、温度センサ40(温度検知手段)の検知温度が待機時目標温度(駆動停止後の目標温度)に達したときに定着ベルト21が駆動停止するように制御している。すなわち、定着ベルト21の温度が待機時目標温度に達するのをトリガーとして、待機モードにおいて低速駆動から駆動停止に切り替えられる。
すなわち、本実施の形態3では、待機モードにおける低速駆動は、定着ベルト21の温度が待機時目標温度に達するまでしかおこなわれないために、駆動停止時の定着ベルト21の温度と待機時目標温度とがほぼ等しくなって、上述した問題が解消される。
図8にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図8は、実施の形態4における制御をおこなったときの、定着部材21の温度変動を示すグラフであって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。
ここで、本実施の形態4では、図8を参照して、プリント動作後に定着ベルト21の駆動速度が減速されて、所定時間tが経過したときに定着ベルト21が駆動停止される。そして、駆動停止時の温度センサ40の検知温度を待機時目標温度(駆動停止後の目標温度)の初期値として、その後に待機時目標温度(駆動停止後の目標温度)が初期値から標準値に徐々に近づくように(漸減するように)制御する。すなわち、比較的短い時間だけ低速駆動をおこなった後に駆動停止して、その後の待機時目標温度を一時的に駆動停止時の実測温度と同一にして、その後に徐々に待機時目標温度を標準値(予め定められた目標温度である。)に近づけていく。
また、所定時間tの低速駆動後に駆動停止したときに、温度センサ40の検知温度が待機時目標温度(標準値)よりも大きく下回ってしまっても、駆動停止時の検知温度を暫定的な待機時目標温度(初期値)とすることにより見かけ上双方の温度差がなくなって、その直後の温度制御による急激な昇温によりオーバーシュートが発生してしまう不具合を抑止することができる。
そこで、本実施の形態4における制御では、待機時目標温度を初期値から標準値(狙いの待機時目標温度)にまで徐々に変化させて、目標温度と実温との差が大きくならないようにしている。したがって、装置の寿命を短くすることなく、プリント動作後のオーバーシュートを防止することができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 定着補助ローラ(ローラ部材)、
23 加熱ローラ(ローラ部材)、
25 ヒータ(加熱手段)、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
40 温度センサ(温度検知手段)、 P 記録媒体。
Claims (7)
- トナー像を溶融して記録媒体に定着する定着部材と、
前記定着部材の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段の検知温度に基いて前記定着部材を加熱する加熱手段と、
を備え、
プリント動作後に前記定着部材の駆動速度が減速されてその後に前記定着部材が駆動停止するように制御されるとともに、プリント動作時の目標温度よりも低い温度を駆動停止後の目標温度として前記定着部材の温度が調整制御されることを特徴とする定着装置。 - 前記プリント動作後の前記定着部材の駆動速度の減速が多段階でおこなわれるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記プリント動作後の前記定着部材の駆動速度の減速がおこなわれているときに、前記加熱手段による前記定着部材の加熱が停止するように制御されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- プリント動作後に前記定着部材の駆動速度が減速されて、前記温度検知手段の検知温度が前記駆動停止後の目標温度に達したときに前記定着部材が駆動停止するように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- プリント動作後に前記定着部材の駆動速度が減速されて、所定時間が経過したときに前記定着部材が駆動停止して、そのときの前記温度検知手段の検知温度を前記駆動停止後の目標温度の初期値として、その後に前記駆動停止後の目標温度が前記初期値から標準値に近づくように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着部材は、複数のローラ部材によって張架された定着ベルトであって、
前記加熱手段は、前記複数のローラ部材のうち少なくとも1つのローラ部材を加熱することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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