JP5569143B2 - 定着ベルト、定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

定着ベルト、定着装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる、定着ベルト、その定着ベルトを有する定着装置、及び、その定着装置を有する画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置は、公知となっている。かかる公知の画像形成装置の画像形成プロセスは、像担持体である感光ドラムの表面に静電潜像を形成する工程、前記感光ドラム上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーによって現像して可視像化する工程、前記現像剤で現像された画像を転写装置により記録紙に転写して該記録紙に画像を担持させる工程、前記記録紙に担持させた画像を圧力や熱等を用いる定着装置で定着する工程、を順次有している。前記定着装置には、対向するローラ、ベルト、又は、それらの組み合わせにより構成された定着回転体が配置されてる。前記定着回転体は、記録紙を挟みこんで、該記録紙に熱および圧力を加えることにより、前記トナー等の現像剤で現像された画像を該記録紙上に定着する。
前記定着装置は、例えば、図3に示される。図3において、120は、定着装置である。定着装置120においては、表層にゴム層を有する定着回転体(定着ローラ)104、熱源体である加熱ヒータ109を有した加熱ローラ107と、前記定着ローラ104を内包した定着ベルト106と、前記定着ベルト106に当接する加圧ローラ101と、で構成されている。前記定着装置120に到達したトナー転写済みの記録紙102には、定着ベルト106と加圧ローラ101との間のニップに入って、該記録紙102がニップを通過する過程で、転写されたトナー像が加熱、加圧されて定着される。図3において、103は、分離版であり、105は、スプリングであり、108は、テンションローラであり、そして、サーミスタ110である。
前記画像形成装置に用いられる定着装置には、定着回転体の内面に摺接する固定部材を有する定着装置がある。この定着装置には、フィルム加熱方式のもの(特許文献1を参照。)と加圧ベルト方式のもの(特許文献2を参照。)とがある。
前記フィルム加熱方式の定着装置においては、発熱体としてのセラミックヒータと加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(定着フィルム)を挟ませて定着ニップ部を形成させ、この定着ニップ部における定着フィルムと前記加圧ローラとの間に未定着トナー画像を担持させた被記録材を導入して該定着フィルムと一緒に挟持し搬送させると、前記セラミックヒータの熱が定着フィルムを介して前記被記録材に与えられるので、前記未定着トナー画像が前記定着ニップ部の加圧力によって前記被記録材面に熱圧定着される。
このフィルム加熱方式の定着装置によれば、セラミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができる。そして、このフィルム加熱方式の定着装置によれば、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態にすることができるので、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間を短くすることができ、しかも、スタンバイ時の消費電力を大幅に小さすることができる。
前記加圧ベルト方式の定着装置としては、表面が弾性変形する回転可能な加熱定着ローラと前記加熱定着ローラに接触したまま走行可能なエンドレスベルトとを前記エンドレスベルトの内側に非回転状態で配置させて、前記エンドレスベルトを前記加熱定着ローラに圧接させることにより、前記エンドレスベルトと前記加熱定着ローラとの間に記録紙を通過させるベルトニップを設けると共に、前記加熱定着ローラの表面を弾性変形させる加圧パッドを設けたベルトニップ方式の画像定着装置が提案されている。
前記定着方式の定着装置によれば、下のローラをベルトにして、用紙とローラとの接触面積を広げることができるので、熱伝導効率を大幅に向上させてエネルギー消費を抑制すると同時に小型化を実現することが可能となる。
しかしながら、前記特許文献1に記載されたフィルム加熱方式の定着装置には、耐久性の問題と温度安定性の問題とがあった。即ち、熱源であるセラミックヒータと定着ベルト内面との摺動による定着ベルトの耐磨耗性が不十分であるので、前記定着ベルトを長時間運転すると該定着ベルトの連続摩擦を繰り返す面が荒れて摩擦抵抗が増大し、そのために、前記定着ベルトの走行が不安定になるか、又は、定着装置の駆動トルクが増大し、よって、画像を形成する転写紙のスリップが生じて画像のずれが生じるか、又は、駆動ギヤに係る応力が増大してギヤの破損を引き起こすという、問題があった。また、前記フィルム加熱方式の定着装置では、前記定着フィルムで構成されたベルトをニップ部で局所的に加熱しているので、回転するベルトがニップの入り口に戻ってくる際に、ベルトの温度が最も冷えた状態になり、特に、高速回転を行うと、定着不良が出やすいという問題があった。
また、前記特許文献2に記載された加圧ベルト方式の定着装置においては、ベルト内面と固定部材との摺動性の問題を改善する手段として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含浸させたガラス繊維シート(PTFE含浸ガラスクロス)で構成された低摩擦シート(シート状摺動材)が、圧力パッドの表層に設けられているので、摺動性が向上する。しかし、このような加圧ベルト方式の定着装置では、定着ローラの熱容量が大きく、昇温が遅いので、ウォームアップにかかる時間が長くなる、という問題があった。
そこで、これらの問題を同時に解決する技術として、『可撓性の無端ベルトと、該無端ベルトの内部に設けられる金属熱伝導体と、熱源と、前記無端ベルトを介して前記金属熱伝導体に接してニップを形成する加圧部材とを具備し、前記ニップを通る被定着材に対し加熱加圧して定着処理を行う定着装置であって、前記金属熱伝導体を前記熱源により加熱されるパイプ状とし、前記金属熱伝導体を固定し、かつ該金属熱伝導体に対して前記無端ベルトを移動可能に設け、前記金属熱伝導体と前記加圧部材とを前記無端ベルトを介して圧接させて前記ニップを形成すると共に前記無端ベルトの移動を案内することを特徴とする定着装置。』(特許文3を参照。)が提案された。
しかしながら、この技術では、定着ベルト基体として、ステンレススチール(SUS)、ニッケル等の金属材料又はポリイミド等の樹脂材料で構成された無端ベルト(又はフィルム)が用いられているが、これらの材料で構成される無端ベルト(又はフィルム)は、硬いので、摺動させる金属パイプと擦れて磨耗し、そのために、磨耗が進むことでトルクが上がってしまい、定着ベルの回転を妨げたり、また、摺動相手部材を破壊してしまう、という問題があった。
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、摺動相手部材を破壊することなく円滑に回転させることができる耐久性の高い定着ベルト、その定着ベルトを有する定着装置、及び、その定着装置を有する画像形成装置を提供することを目的としている。
即ち、請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、ニップ形成部材と、前記ニップ形成部材の外表面を覆うように回転可能に設けられた定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材に当接させて該定着ベルトを回転させるように設けられた加圧ローラと、前記定着ベルトを加熱するように設けられた加熱手段と、を有する定着装置用の定着ベルトにおいて、
少なくとも金属又は耐熱性樹脂で構成された円筒状の基体と、前記基体の外周面に設けられた耐熱性の樹脂で構成さた離型層と、を有する定着ベルトであって、
前記基体の内周面に、ポリアミドイミド、及び、ポリテトラルオロエチレンとからなる樹脂混合物により構成された摺動層が設けられており、かつ、
前記樹脂混合物のポリアミドイミド配合量が30重量%以上70重量%以下であることを特徴とする定着ベルトである。
請求項に記載された発明は、請求項に記載された発明において、前記基体と前記離型層との間に耐熱性の樹脂で構成された弾性層が設けられていることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載の定着ベルトを有することを特徴とする定着装置である。
請求項に記載された発明は、請求項に記載された発明において、前記ニップ形成部材が、断面凹形状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明は、請求項に記載された発明において、前記断面凹形状に形成されたニップ形成部材の内側部分を覆うように断熱部材が設けられていることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明は、請求項に記載された発明において、前記断熱部材で覆われた断面凹形状に形成されたニップ形成部材が、前記中空金属体の外側部分に軸方向に設けられた断面コの字状に形成された溝部に保持されていることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明は、請求項3〜6のいずれか1項に記載の定着装置を有していることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1〜2に記載された発明によれば、ニップ形成部材と、前記ニップ形成部材の外表面を覆うように回転可能に設けられた定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材に当接させて該定着ベルトを回転させるように設けられた加圧ローラと、前記定着ベルトを加熱するように設けられた加熱手段と、を有する定着装置用の定着ベルトにおいて、
少なくとも金属又は耐熱性樹脂で構成された円筒状の基体と、前記基体の外周面に設けられた耐熱性の樹脂で構成さた離型層と、を有する定着ベルトであって、前記基体の内周面に、ポリアミドイミド、及び、ポリテトラルオロエチレンとからなる樹脂混合物により構成された摺動層が設けられており、かつ、前記樹脂混合物のポリアミドイミド配合量が30重量%以上70重量%以下であるので、摺動性を向上させて初期でのトルクを低く抑えると共に経時でのトルクの上昇を低減させた定着ベルトとすることができ、そのために、摺動相手部材を破壊することなく円滑に回転させることができる耐久性が高い定着ベルトを提供することができる。
請求項に記載された発明によれば、請求項1または請求項2に記載の定着ベルトを有するので、耐久性の高い定着装置を提供することができる。
請求項に記載された発明によれば、前記ニップ形成部材が、断面凹形状に形成されているので、記録紙の先端の排出方向が加圧ローラよりになり、そのために、該記録紙の分離性が向上し、よって、該記録紙におけるジャムの発生が抑制される。
請求項に記載された発明によれば、前記断面凹形状に形成されたニップ形成部材の内側部分を覆うように断熱部材が設けられているので、ニップ形成部材の温度低下を防止することができる。
請求項に記載された発明によれば、前記断熱部材で覆われた断面凹形状に形成されたニップ形成部材が、前記中空金属体の外側部分に軸方向に設けられた断面コの字状に形成された溝部に保持されているので、前記断熱部材で覆われた断面凹形状に形成されたニップ形成部材のずれを防止することができる。
請求項に記載された発明によれば、請求項3〜6のいずれか1項に記載の定着装置を有しているので、耐久性の高い画像形成装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態を示す定着ベルトの概略説明図である。 本発明の一実施の形態を示す定着装置の概略説明図である。 本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の概略説明図である。 従来の定着装置の概略説明図である。
以下、図面を用いて、本発明について説明する。
図1において、10は、定着ベルトである。前記定着ベルト10は、少なくとも金属又は耐熱性樹脂で構成された円筒状の基体2と、前記基体2の外周面に設けられた耐熱性の樹脂で構成さた離型層4と、を有している。そして、前記定着ベルト10においては、前記基体2の内周面に、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、及び、ポリイミドから選択される少なくとも1種の樹脂で構成された摺動層1が設けられている。このような耐熱性の樹脂で構成された摺動層1は、その動摩擦係数が0.1以下であり、その引張弾性率が5000Mpa以下である。
このように、少なくとも金属又は耐熱性樹脂で構成された円筒状の基体2と、前記基体2の外周面に設けられた耐熱性の樹脂で構成さた離型層4と、を有する定着ベルト10において、少なくとも金属又は耐熱性樹脂で構成された円筒状の基体2と、前記基体2の外周面に設けられた耐熱性の樹脂で構成さた離型層4と、を有する定着ベルト10において、前記基体2の内周面に、ポリアミドイミド(PAI)、フッ素樹脂、及び、ポリイミドから選択される少なくとも1種の樹脂で構成された摺動層1が設けられていると、摺動性を向上させて初期でのトルクを低く抑えると共に経時でのトルクの上昇を低減させた定着ベルト10とすることができ、そのために、摺動相手部材を破壊することなく円滑に回転させることができる耐久性が高い定着ベルト10を提供することができる。
次に、前記定着ベルト10についてさらに詳しく説明する。
前記定着ベルト10は、ニッケル、ステンレススチール(SUS)で構成される金属ベルトやポリイミド等の耐熱性樹脂材料で構成される無端ベルト(又はフィルム)からなる基体2を有し、その内周面に摺動層1を有している。前記摺動層1には、耐熱性及び摺動性を有するポリアミドイミド(PAI)やフッ素樹脂が好ましい。前記フッ素樹脂には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン−ポリエチレンフルオロビニルエーテル共重合(PFA)が好ましい。また、前記摺動層1がフッ素樹脂とPAIとの混合塗料で形成されたものであると、その摺動層1の動摩擦係数が低くなるので、基体2との密着性がさらによくなる。
前記定着ベルト10の表面には、好ましくは、PFA又はPTFEで構成される離型層が設けられる。このように前記定着ベルト10の表面層にPFA又はPTFEで構成される離型層を有していると、トナーが付着し難くなる。前記定着ベルト10と前記PFA又はPTFEで構成される離型層4との間には、シリコーンゴム等の耐熱性樹脂で構成される弾性層3があってもよい。前記弾性層3がない場合には定着ベルト10の熱容量が小さくなるので、定着性が向上するが、未定着画像を押しつぶして定着するときに、定着ベルト10の表面の微妙な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の跡が残るという不具合が生じる。これを改善するには、前記弾性層3の厚みを100μm以上にする必要がある。このようにすると、弾性層3の変形によりにより、定着ベルトにおける微妙な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善される。
図2において、20は、定着ベルトである。前記定着装置20は、中空金属体14と、前記中空金属体14の外側部分に軸方向に設けられたニップ形成部材12と、前記中空金属体14及び前記ニップ形成部材12の外表面を覆うように回転可能に設けられた定着ベルト15と、前記定着ベルト15を介して前記ニップ形成部材12に当接させて該定着ベルト15を回転させるように設けられた加圧ローラ11と、前記中空金属体14の内部に該中空金属体14を加熱するように設けられた加熱手段16と、を有している。そして、前記定着装置20においては、前記定着ベルトは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着ベルトで構成されている。
このように、中空金属体14と、前記中空金属体14の外側部分に軸方向に設けられたニップ形成部材12と、前記中空金属体14及び前記ニップ形成部材12の外表面を覆うように回転可能に設けられた定着ベルト15と、前記定着ベルト15を介して前記ニップ形成部材12に当接させて該定着ベルト15を回転させるように設けられた加圧ローラ11と、前記中空金属体14の内部に該中空金属体14を加熱するように設けられた加熱手段16と、を有する定着装置20において、前記定着ベルト15が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着ベルトで構成されていると、耐久性の高い定着装置20を提供することができる。
次に、前記定着ベルト10についてさらに詳しく説明する。
図2に示されているように、本発明の定着装置20は、加圧ローラ11と、定着ベルト15と、該定着ベルト15の内摺面に近接させた中空金属体14とを有している。前記中空金属体14は、その内側に設けられた加熱手段(例えば、ハロゲンヒータ)により加熱される。そして、前記定着ベルト15内には、金属パイプに保持されたニップ形成部材12が設けられており、このニップ形成部材12は、定着ベルト15の内面と直接(もしくは、摺動シート12aを介して間接的に)摺動するように設けられている。
図2では、ニップ形成部材12の形状が凹形状であるが、平坦形状やその他の形状であってもよい。前記ニップ形成部材12の形状が凹形状の方が、記録紙の先端の排出方向が加圧ローラ11よりになるので、分離性が向上し、そのために、ジャムの発生が抑制される。前記ニップ形成部材12は、ゴム等の弾性体で構成されている。また、中空金属体14と定着ベルト15の径差によるクリアランスは、1mm以下となる。前記加圧ローラ11は、中空の金属ローラ11aと、その表面に設けられたシリコーンゴム等の耐熱性樹脂材料で構成された弾性層11bと、を有している。そして、離型性を得るために、前記弾性層11bの表面には、PFA、PTFE等のフッ素樹脂で構成される離型層(図示せず)が設けられている。前記加圧ローラ11は、画像形成装置に設けられたモータなどの駆動源からギヤを介して駆動力が伝達されて、回転される。また、前記加圧ローラ11は、スプリング等により定着ベルト15の側に押し付けられているので、前記弾性層11bが押しつぶされて変形され、所定のニップ幅を形成することとなる。前記加圧ローラ11は、中実のローラであっても良いが、中空のほうが熱容量は少なくて良い。また、前記加圧ローラ11にハロゲンヒータ等の加熱手段(図示せず)を有していてもよい。前記シリコーンゴム等の耐熱性樹脂材料は、ソリッドゴムでもよいが、前記加圧ローラ11の内部に加熱手段が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト15の熱が奪われにくくなるので、より好ましい。
前記中空金属体14は、アルミニウム、鉄、ステンレススチール等の金属で構成されている。図2に示した中空金属体14は、断面円形のパイプ形状をしたものであるが、断面角型であっても、その他の断面形状であってもよい。前記中空金属体14の内部には、ニップ形成部材部12を支持するための支持体18を設けてもよい。このとき、ハロゲンヒータ等の加熱手段16による輻射熱で支持体18が加熱されることとなる場合は、支持体18の表面に断熱もしくは鏡面処理を行っておくと、加熱されることを防止することができ、そのために、無駄なエネルギー消費を抑制することができる。
前記中空金属体14を昇温させる加熱手段16は、ハロゲンヒータでよいが、IHであってもよいし、また、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であってもよい。前記定着ベルト15は、加圧ローラ11により連れ回り回転される。前記加圧ローラ11が図示しない駆動源により回転し、ニップ形成部材12において、駆動力が定着ベルト15に伝達されて、前記定着ベルト15が回転されることとなる。前記定着ベルト15は、ニップ形成部材12によって挟み込まれて回転するが、ニップ形成部材12以外では中空金属体14によってガイドされているので、一定の距離以上に定着ベルト15の位置が熱伝導体から離れてしまわないよう案内されている。前記定着ベルト15と中空金属体14の界面は、シリコーンオイルやフッ素グリス等の潤滑剤を有している。
図3に示されているように、本発明の画像形成装置30は、請求項4〜7のいずれか1項に記載の定着装置20を有している。図3において、22は、紙搬送ローラであり、23は、現像ローラであり、24は、現像装置であり、25は、感光体であり、そして、Pは、記録紙である。
(実施例1)
ポリイミドで構成された0.07mm厚のエンドレスベルトからなる基体の表面にシリコーンゴムを塗布して0.2mm厚の弾性層8を形成した後、この弾性層8の表面にPTFEからなるフッ素樹脂を塗布して0.03mm厚の離型層を形成して定着ベルトとした。そして、この定着ベルト内摺面にPAIをスプレー塗布して15μm厚の摺動層を形成した。このようにして得た定着ベルトにおける摺動層の動摩擦係数をJISK7125に準じて測定したところ0.1であった。また、前記摺動層の引張弾性率をJISK7127に準じて測定したところ4900Mpaであった。
(実施例2)
定着ベルトの内摺面にPAI 70重量%とPTFE 30重量%との混合塗料をスプレー塗装して15μm厚の摺動層を形成した以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを得た。このようにして得た定着ベルトにおける摺動層の動摩擦係数をJISK7125に準じて測定したところ0.08あった。また、前記摺動層の引張弾性率をJISK7127に準じて測定したところ1140Mpaであった。
(実施例3)
定着ベルトの内摺面にPAI 30重量%とPTFE 70重量%との混合塗料をスプレー塗装して15μm厚の摺動層を形成した以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを得た。このようにして得た定着ベルトにおける摺動層の動摩擦係数をJISK7125に準じて測定したところ0.04あった。また、前記摺動層の引張弾性率をJISK7127に準じて測定したところ540Mpaであった。
(比較例1)
定着ベルトの内摺面にPAI 50重量%とグラファイト 50重量%との混合塗料をスプレー塗装して15μm厚の摺動層を形成した以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを得た。このようにして得た定着ベルトにおける摺動層の動摩擦係数をJISK7125に準じて測定したところ0.15あった。また、前記摺動層の引張弾性率をJISK7127に準じて測定したところ96000Mpaであった。
(比較例2)
ポリイミドで構成された0.07mm厚のエンドレスベルトからなる基体の表面にシリコーンゴムを塗布して0.2mm厚の弾性層8を形成した後、この弾性層8の表面にPTFEからなるフッ素樹脂を塗布して0.03mm厚の離型層を形成して定着ベルトを得た。このようにして得た定着ベルトの内周面における動摩擦係数をJISK7125に準じて測定したところ0.3であった。また、前記摺動層の引張弾性率をJISK7127に準じて測定したところ7500Mpaであった。
以上、実施例1〜3及び比較例1〜2で得た定着ベルトを定着装置(図2を参照)に搭載して、(1)ランニング初期における加圧ローラのトルク[初期トルク(Kgs)]の測定、(2)100K枚ランニングさせた後における加圧ローラのトルク[100K枚ランニング後トルク(Kgs)]の測定、及び、(3)ランニング中に自身又は相手部材を破壊していないかの目視による確認[耐久性検査]を行うことにより、前記定着ベルトの評価を行った。
前記定着装置においては、加圧ローラは、外形30mm及び肉厚1mmの芯軸の表面にシリコーンゴムを被覆して0.5mm厚の弾性層を形成した後、その弾性層の表面に0.03mm厚のフッ素樹脂チューブを付けたものとした。中空金属体は、0.1mm厚のステンレス材で構成されたものとし、その内摺面には黒色塗料を塗布したものとした。そして、中空金属体の外径を29.5mmとすると共に、前記定着ベルトの外径を30mmとして、前記中空金属体と前記定着ベルトとの直径差を1mm以内になるようにした。前記定着ベルトのランニングは、160℃に加熱した状態において、連続運転とした。線速:160mm/secで前記加圧ローラを回転させると、前記定着ベルトは連れ回りする。加熱手段にはハロゲンヒータを用いた。
評価結果は、次の表1に示される。前記加圧ローラのトルクの判定基準は、2Kgf以下とした。表1における「判定」においては、◎:2Kgfをはるかに下回るもの、○:2Kgfを僅かに下回るもの、及び、×:2Kgfを上回るもの、とした。
Figure 0005569143
表1より次のことがわかる。即ち、実施例1では、初期トルクは、1.81Kgfと低トルクであり、また、耐久性検査は、100K枚ラン後も破壊なしと良好である。但し、100K枚ラン後のトルクは、3.08Kgf上昇している。実施例2では、初期のトルク及び100枚ラン後のトルクどちらも実施例1より低く、結果は良好である。このような結果は、摺動層にPTFEを構成材料として含有させたために、PAIのみを構成材料にしたものよりも摺動性が向上したことによるものである。実施例3では、実施例2よりも更にトルクが低くなっている。PTFEの含有割合をPTFEリッチにすることで摺動性を更に上げることができたためである。一方、比較例1では、PAIとグラファイトとを含有させた摺動層であるが、初期トルクが高く、ランニング中に32K枚で摺動相手部材を破壊してしまった。そのため、ランニングを続けることができず100K後のトルクは測定できなかった。また、比較例2では、摺動層を設けていないために、初期トルクは高く、ランニング中に10K枚で摺動相手部材を破壊してしまった。
1 摺動層
2 基体
3 弾性層
4 離型層
10 定着ベルト
11a 中空の金属ローラ
11b 弾性層
11加圧ローラ
12 ニップ形成部材
12a 摺動シート
13 断熱材
14 中空金属体
15 定着ベルト
16 加熱手段
17 サーミスタ
18 支持体
N ニップ部
20 定着装置
特開平4−44075号公報 特開平8−262903号公報 特開2007−334205号公報

Claims (7)

  1. ニップ形成部材と、前記ニップ形成部材の外表面を覆うように回転可能に設けられた定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材に当接させて該定着ベルトを回転させるように設けられた加圧ローラと、前記定着ベルトを加熱するように設けられた加熱手段と、を有する定着装置用の定着ベルトにおいて、
    少なくとも金属又は耐熱性樹脂で構成された円筒状の基体と、前記基体の外周面に設けられた耐熱性の樹脂で構成さた離型層と、を有する定着ベルトであって、
    前記基体の内周面に、ポリアミドイミド、及び、ポリテトラルオロエチレンとからなる樹脂混合物により構成された摺動層が設けられており、かつ、
    前記樹脂混合物のポリアミドイミド配合量が30重量%以上70重量%以下であることを特徴とする定着ベルト。
  2. 前記基体と前記離型層との間に耐熱性の樹脂で構成された弾性層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 請求項1または請求項2に記載の定着ベルトを有することを特徴とする定着装置。
  4. 前記ニップ形成部材が、断面凹形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記断面凹形状に形成されたニップ形成部材の内側部分を覆うように断熱部材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記断熱部材で覆われた断面凹形状に形成されたニップ形成部材が、前記中空金属体の外側部分に軸方向に設けられた断面コの字状に形成された溝部に保持されていることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の定着装置を有していることを特徴とする画像形成装置。
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