JP2007256439A - 画像加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトを用いてニップ幅を長くする構成とした画像加熱装置において、ベルト張架ローラに逆または正クラウン形状のローラを用いた場合でも、長期に渡りベルトの磨耗を防ぎ、画像不良や光沢ムラ等が発生しない装置を提供する。
【解決手段】記録材Sをニップ部Nにて挟持搬送して記録材上の画像tを加熱する加熱回転体23と、加熱回転体を駆動する駆動手段M1と、少なくとも2本以上のローラ28・29により張架され、加熱回転体との間でニップ部を形成して回転するエンドレスベルト27と、を有する画像加熱装置において、前記ローラのうちの少なくとも1つのローラ28は、軸線方向中央部と端部の径の差が1%以上あって、周方向に関する表面粗さRzが0.8μm以下の逆または正クラウン形状のローラである。
【選択図】図1
【解決手段】記録材Sをニップ部Nにて挟持搬送して記録材上の画像tを加熱する加熱回転体23と、加熱回転体を駆動する駆動手段M1と、少なくとも2本以上のローラ28・29により張架され、加熱回転体との間でニップ部を形成して回転するエンドレスベルト27と、を有する画像加熱装置において、前記ローラのうちの少なくとも1つのローラ28は、軸線方向中央部と端部の径の差が1%以上あって、周方向に関する表面粗さRzが0.8μm以下の逆または正クラウン形状のローラである。
【選択図】図1
Description
本発明は、記録材上の画像をニップ部にて加熱するためのエンドレスベルトと、このベルトを懸架する複数のローラと、を有する画像加熱装置に関する。
この画像加熱装置としては、記録材上の未定着画像を定着する定着装置、記録材上の未定着画像を仮定着する装置、記録材上に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢度付与装置が挙げられる。
電子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置においては、記録材(シート)上に未定着トナー画像を形成し、これを定着装置により加熱・加圧して定着させることにより画像を形成している。
このような定着装置としては、内部にヒータを有する定着ローラに加圧ローラを圧接して定着ニップを形成し、その定着ニップに、未定着トナー画像を形成した記録材を導入して挟持搬送させることで定着を行うローラ定着方式が従来より採用されている。
ところで、画像の高光沢化や画像形成の高速化を図るためには、記録材の定着ニップ通過時間を長くし、トナーを充分に溶融するのが好ましい。ローラ定着方式の場合、これを達成するためには、ローラ径を大きくしなければならず、定着装置が大型化してしまう。
そこで、ローラ定着方式に比して、装置の小型化、高速化対応を達成しつつ、充分な定着ニップ幅(記録材搬送方向の長さ)を得ることができるベルト定着方式が提案されている(特許文献1〜4)。
特許文献1〜3のベルト定着装置には、定着ローラに圧接するように加圧ベルトがもうけられており、加圧ベルト内面から定着ローラに向けて加圧パッドを押し当てる構成とされている。その結果、加圧パッドから、ベルト懸架ローラに至る十分に長い定着ニップを形成することが可能となっている。
特許文献4のベルト定着装置においては、互いに対向する定着ベルトと加圧ベルトを設け、これら両ベルト間でシートを挟持搬送しながら定着を行う構成とされている。
ベルト定着装置においては、ベルト走行時におけるベルト幅方向端部のばたつきに起因するベルト端部の座屈破損を防止するために、ベルトを張架させている複数のローラの少なくとも1つを逆または正クラウン形状のローラにするとよい。これにより、ベルト端部の走行が安定する。
ここで、正クラウン形状のローラとは、ローラの外径をローラ軸線方向中央部から端部に向につれて小さくした形状のローラである。逆クラウン形状のローラとは、ローラの外径をローラ軸線方向中央部から端部に向につれて大きくした形状のローラである。
また、ベルト定着装置においては、記録材上の未定着トナー画像のパターンや記録材の種類、使用環境などの条件によっては、加圧ベルトによる記録材搬送速度が不安定になってしまうことがある。そのため、定着ニップにおいて、定着ローラあるいは定着ベルトと記録材間で速度差が生じて画像ズレを発生させることがある。特に、カラー画像など記録材上の未定着トナー量が多い条件においては、加圧ベルトによる記録材搬送速度が不安定になってしまい画像ズレが発生しやすい。その防止策として、加圧ベルト内面と加圧ベルト駆動ローラとの間の摩擦力を小さくして加圧ベルトと駆動ローラとの間で滑りを生じるようにして、加圧ベルト内面と駆動ローラに周速差を付与する構成にするとよい。これにより、加圧ベルトの記録材搬送力の低下に起因する画像ズレを防止することができる。
特開平8−166734号公報
特開平10−319772号公報
特開平2−222980号公報
特開2004−341346号公報
しかし、逆または正クラウン形状のローラは、軸線方向中央部と端部に外径差があるために、ベルト内面と周速差を発生する。そして、装置耐久において、その周速差によりベルト内面を削り、ベルト内面の削り傷によりスジ上の画像不良が発生が発生しやすい。
また、加圧ベルト内面と駆動ローラに周速差を付与する構成の場合も同様である。すなわち、駆動ローラと加圧ベルトに周速差を設けているため、駆動ローラにより加圧ベルト内面を削り、そのベルトの内面の傷によりスジ状の画像不良が発生してしまう。
本発明の目的は、ベルトを用いてニップ幅を長くする構成とした画像加熱装置において、ベルト張架ローラに逆または正クラウン形状のローラを用いた場合でも、長期に渡りベルトの磨耗を防ぎ、画像不良や光沢ムラ等が発生しない装置を提供することである。
また、ベルト内面と駆動ローラに周速差を付与する構成の場合も、長期に渡りベルトの磨耗を防ぎ、画像不良や光沢ムラ等が発生しない装置を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、記録材上の画像をニップ部にて加熱するためのエンドレスベルトと、このベルトを懸架する複数のローラと、を有する画像加熱装置において、前記複数のローラのうち前記ベルトと接触し得る回転軸線方向端部と中央部との径の差が1%以上あるローラの周方向における表面粗さRzを0.8μm以下としたことを特徴とする。
本発明によれば、ベルト張架ローラに逆または正クラウン形状のローラを用いた場合でも、長期に渡りベルトの磨耗を防ぎ、画像不良や光沢ムラ等の発生を抑制できる。
また、ベルト内面と駆動ローラに周速差を付与する構成の場合も、長期に渡りベルトの磨耗を防ぎ、画像不良や光沢ムラ等の発生を抑制できる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、実施例は、本発明を適用できる実施形態の一例ではあるものの、本発明は実施例にのみ限定されるものではなく本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
<第1の実施形態>
(1)画像形成部
図2は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置Aとして搭載した画像形成装置1の一例の概略構成を示す断面模式図である。
(1)画像形成部
図2は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置Aとして搭載した画像形成装置1の一例の概略構成を示す断面模式図である。
この画像形成装置1は電子写真レーザープリンタであり、潜像を担持する像担持体として感光体ドラム(以下、ドラムと記す)2を備えている。ドラム2は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動され、その外面が帯電器3によって所定の極性・電位に一様に帯電される。その一様帯電面に対してレーザースキャナ(露光装置)4により画像情報のレーザー走査露光5がなされる。これにより、ドラム2の面には走査露光した画像情報の静電潜像が形成される。その静電潜像が現像器6によってトナー画像として現像される。そのトナー画像が、ドラム2と転写ローラ7との当接部である転写部において、該転写部に導入された記録材(シート)Sに対して順次に静電転写される。
記録材Sは装置下部の給紙カセット9内に積載収納されている。所定の給紙タイミングで給紙ローラ10が駆動されると、給紙カセット9内の記録材が1枚分離給紙されて、搬送路10aを通ってレジストローラ対11に至る。レジストローラ対11は記録材Sの先端部を受け止めて記録材の斜行修正をする。また、ドラム2上のトナー画像の先端部が転写部に到達したときに記録材の先端部も転写部に丁度到達するタイミングとなるように、ドラム2上のトナー画像と同期をとって、記録材Sを転写部に給送する。
転写部を通った記録材Sはドラム2の面から分離されて、定着装置Aへと搬送される。この定着装置Aにより記録材S上の未定着トナー画像が加熱・加圧により永久固着画像として記録材面に定着される。そして、その記録材が搬送路10bを通って排出ローラ対12によって装置上部の排出トレイ13へ搬送排出される。
また、記録材分離後のドラム2の面はクリーニング装置8によって転写残トナー等の残留付着物が除去されて清掃され、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置A
図1は本実施例に係わる定着装置Aの要部の断面模式図である。この定着装置Aは、上下に配設した、定着ベルトユニット21と、加圧ベルトユニット22と、を備えている。そして、この両ユニット21・22の定着ベルト23と加圧ベルト27とを圧接させて定着ニップ部Nを形成させている。その定着ニップ部Nで、未定着トナー画像tを担持した記録材Sを挟持搬送して、加熱されている定着ベルト23の熱と、定着ニップ部Nの圧力とで、未定着トナー画像tを記録材Sの面に永久固着画像として熱圧定着するものである。
図1は本実施例に係わる定着装置Aの要部の断面模式図である。この定着装置Aは、上下に配設した、定着ベルトユニット21と、加圧ベルトユニット22と、を備えている。そして、この両ユニット21・22の定着ベルト23と加圧ベルト27とを圧接させて定着ニップ部Nを形成させている。その定着ニップ部Nで、未定着トナー画像tを担持した記録材Sを挟持搬送して、加熱されている定着ベルト23の熱と、定着ニップ部Nの圧力とで、未定着トナー画像tを記録材Sの面に永久固着画像として熱圧定着するものである。
定着ベルトユニット21は、加熱回転体としての、可撓性を有するエンドレスの定着ベルト23、この定着ベルト23を張架させた加熱ローラ24および定着ローラ25、定着ベルト圧力部材(第1の固定部材)としての定着パッド26等を有している。
加圧ベルトユニット22は、加圧回転体としての、可撓性を有するエンドレスの加圧ベルト27、この加圧ベルト27を張架させたテンションローラ28および加圧ローラ29、加圧ベルト圧力部材(第2の固定部材)としての加圧パッド30を有している。また、このユニット22は、加圧ベルト27の内面に対して潤滑剤としてのシリコーンオイルを塗布するオイル塗布部材31等を有している。
1)定着ベルト23
定着ベルト23は、内径が40mmで、厚みが75μmのポリイミド製のエンドレスベルトを基層とし、この基層の外周には弾性層が300μmの厚みで設けられている。弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。本例では、シリコーンゴムを用いた。シリコーンゴムの硬度はJIS−A20度、熱伝導率は0.8W/mKである。また、弾性層の外周には、表面離型層としてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
定着ベルト23は、内径が40mmで、厚みが75μmのポリイミド製のエンドレスベルトを基層とし、この基層の外周には弾性層が300μmの厚みで設けられている。弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。本例では、シリコーンゴムを用いた。シリコーンゴムの硬度はJIS−A20度、熱伝導率は0.8W/mKである。また、弾性層の外周には、表面離型層としてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
2)加熱ローラ24
加熱ローラ24は、定着ローラ25との間に定着ベルト23を張架支持するとともに、定着ベルト23を加熱する加熱手段である。この加熱ローラ24は、外径が20mmで、内径が18mmである、厚さ1mmの鉄製の中空ローラであり、ローラ内部には発熱源としてのハロゲンヒータ24aを配置している。加熱ローラ24は、ローラ両端部を装置フレーム(不図示)の側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させるとともに、定着ベルト23のテンションローラとしても機能するように、定着ローラ25から離間する方向に移動付勢して配設してある。
加熱ローラ24は、定着ローラ25との間に定着ベルト23を張架支持するとともに、定着ベルト23を加熱する加熱手段である。この加熱ローラ24は、外径が20mmで、内径が18mmである、厚さ1mmの鉄製の中空ローラであり、ローラ内部には発熱源としてのハロゲンヒータ24aを配置している。加熱ローラ24は、ローラ両端部を装置フレーム(不図示)の側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させるとともに、定着ベルト23のテンションローラとしても機能するように、定着ローラ25から離間する方向に移動付勢して配設してある。
3)定着ローラ25
定着ローラ25は、加熱ローラ24との間に定着ベルト23を張架支持するとともに、定着ベルト23を回転させる駆動ローラである。この定着ローラ25は、径が18mmである鉄合金ローラを芯金25aとし、この芯金の周面に、弾性層25bとして厚さ1mmのシリコーンゴム層を設けた、外径20mmの弾性ローラである。シリコーンゴムの硬度はJIS−A15度、熱伝導率は0.8W/mKである。定着ローラ25は、加熱ローラ24よりも記録材搬送方向下流側において加熱ローラ24に並行に配列して、両端部を装置フレームの側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させて配設してある。
定着ローラ25は、加熱ローラ24との間に定着ベルト23を張架支持するとともに、定着ベルト23を回転させる駆動ローラである。この定着ローラ25は、径が18mmである鉄合金ローラを芯金25aとし、この芯金の周面に、弾性層25bとして厚さ1mmのシリコーンゴム層を設けた、外径20mmの弾性ローラである。シリコーンゴムの硬度はJIS−A15度、熱伝導率は0.8W/mKである。定着ローラ25は、加熱ローラ24よりも記録材搬送方向下流側において加熱ローラ24に並行に配列して、両端部を装置フレームの側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させて配設してある。
4)定着パッド26
定着パッド26は、定着ベルト23を加圧ベルト27に向けて加圧する部材であり、加熱ローラ24と定着ローラ25との間に張架された定着ベルト23の下行側ベルト部分の内面に接触させて配設してある。定着パッド26は、定着ベルト幅方向を長手とする横長部材であり、厚さ3mm、幅12mm(記録材搬送方向に関して)の弾性体としての耐熱性シリコーンゴムパッド部と、バックアップ部材としての支持板から構成されている。また、定着パッド26の表面には、これに接して摺動する定着ベルト内面との摩擦力を減らすために、ガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバーが設けられている。定着パッド26は、長手両端部を装置フレームの側板間に非回転に支持させて配設してある。
定着パッド26は、定着ベルト23を加圧ベルト27に向けて加圧する部材であり、加熱ローラ24と定着ローラ25との間に張架された定着ベルト23の下行側ベルト部分の内面に接触させて配設してある。定着パッド26は、定着ベルト幅方向を長手とする横長部材であり、厚さ3mm、幅12mm(記録材搬送方向に関して)の弾性体としての耐熱性シリコーンゴムパッド部と、バックアップ部材としての支持板から構成されている。また、定着パッド26の表面には、これに接して摺動する定着ベルト内面との摩擦力を減らすために、ガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバーが設けられている。定着パッド26は、長手両端部を装置フレームの側板間に非回転に支持させて配設してある。
5)加圧ベルト27
加圧ベルト27は、内径が40mmで、厚みが50μmの、ニッケル製のエンドレスベルトを基層とし、その内面に、摺動性を上げるための滑性層として、厚み15μmのポリイミドコートが設けられている。表面には、離型層として、フッ素樹脂であるPFAチューブを30μmの厚みで設けられている。
加圧ベルト27は、内径が40mmで、厚みが50μmの、ニッケル製のエンドレスベルトを基層とし、その内面に、摺動性を上げるための滑性層として、厚み15μmのポリイミドコートが設けられている。表面には、離型層として、フッ素樹脂であるPFAチューブを30μmの厚みで設けられている。
6)テンションローラ28
テンションローラ28は、加圧ローラ29との間に懸回した加圧ベルト27に張りを付与するローラであり、内径が16mm、ローラ軸線方向中央部の外径d2が21mm、端部の外径d1が21.4mmの逆クラウン形状の鉄合金製の剛性ローラである。この逆クラウン形状のローラのローラ軸線方向中央部の外径d2と端部の外径d1の定義については後述する。
テンションローラ28は、加圧ローラ29との間に懸回した加圧ベルト27に張りを付与するローラであり、内径が16mm、ローラ軸線方向中央部の外径d2が21mm、端部の外径d1が21.4mmの逆クラウン形状の鉄合金製の剛性ローラである。この逆クラウン形状のローラのローラ軸線方向中央部の外径d2と端部の外径d1の定義については後述する。
テンションローラ28は、ローラ両端部を装置フレームの側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させるとともに、加圧ベルト27のテンションローラとして加圧ローラ29から離間する方向に移動付勢して配設してある。
7)加圧ローラ29
加圧ローラ29は、テンションローラ28との間に加圧ベルト27を張架支持するとともに、加圧ベルト27を回転させる駆動ローラである。加圧ローラ29は、外径が23.5mmで、内径が19.5mmである厚さ2mmの鉄合金製の剛性ローラである。
加圧ローラ29は、テンションローラ28との間に加圧ベルト27を張架支持するとともに、加圧ベルト27を回転させる駆動ローラである。加圧ローラ29は、外径が23.5mmで、内径が19.5mmである厚さ2mmの鉄合金製の剛性ローラである。
加圧ローラ26は、後述するように、加圧ベルト内面に塗布した潤滑剤としてのシリコーンオイルが加圧ベルト内面との間に介在してとの間の摩擦力が小さい。したがって、加圧ベルト27と加圧ローラ26との間で滑りを生じる。そして、加圧ローラ26は、加圧ベルト27と周速差を持って回転駆動される。そのために、加圧ローラ26は充分な表面硬度が必要となるため金属表面が露出している。
8)加圧パッド30
加圧パッド30は、加圧ベルト27を定着ベルト23に向けて加圧する部材であり、テンションローラ28と加圧ローラ29との間に張架された加圧ベルト27の上行側ベルト部分の内面に接触させて配設してある。この加圧パッド30は、加圧ベルト幅方向を長手とする横長部材であり、前記の定着パッド26と同様のものである。すなわち、厚さ3mm、幅12mm(記録材搬送方向に関して)の弾性体としての耐熱性シリコーンゴムパッド部と、バックアップ部材としての支持板から構成されている。この加圧パッド30は、長手両端部を装置フレームの側板間に非回転に支持させて配設してある。加圧パッド30の表面には、これに接して摺動する加圧ベルト内面との摩擦力を減らすために、ガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバーが設けられている。
加圧パッド30は、加圧ベルト27を定着ベルト23に向けて加圧する部材であり、テンションローラ28と加圧ローラ29との間に張架された加圧ベルト27の上行側ベルト部分の内面に接触させて配設してある。この加圧パッド30は、加圧ベルト幅方向を長手とする横長部材であり、前記の定着パッド26と同様のものである。すなわち、厚さ3mm、幅12mm(記録材搬送方向に関して)の弾性体としての耐熱性シリコーンゴムパッド部と、バックアップ部材としての支持板から構成されている。この加圧パッド30は、長手両端部を装置フレームの側板間に非回転に支持させて配設してある。加圧パッド30の表面には、これに接して摺動する加圧ベルト内面との摩擦力を減らすために、ガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバーが設けられている。
9)オイル塗布部材31
オイル塗布部材31は、加圧ベルト幅方向を長手とする横長部材であり、テンションローラ28と加圧パッド30との間位置において、上行側加圧ベルト部分の内面に接触させて配設してあり、加圧ベルト内面に対して潤滑剤としてのシリコーンオイルを塗布する。
オイル塗布部材31は、加圧ベルト幅方向を長手とする横長部材であり、テンションローラ28と加圧パッド30との間位置において、上行側加圧ベルト部分の内面に接触させて配設してあり、加圧ベルト内面に対して潤滑剤としてのシリコーンオイルを塗布する。
本例においては、このオイル塗布部材31はローラ形状であり、芯金に、オイルを含浸したアラミド繊維などからなるオイル保持層を設け、表層にはオイル供給するための多孔質フッ素樹脂層が被せられている。このオイル塗布ローラは、芯金両端部を装置フレームの側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させて配設してあり、接触させている加圧ベルト27の回転に従動回転して加圧ベルト内面にオイルを塗布する。
オイル塗布部材31によるシリコーンオイルの加圧ベルト内面への供給量は、オイル保持層のオイル含浸量と、オイル供給層の孔径/孔密度、及びオイル塗布部材31の加圧ベルト内面への当接圧/周速差などを調整すれば良い。
また、オイル塗布部材31はローラ形状以外にパッド形状などでも良く、加圧ベルト内面のオイルが減量しにくい構成であれば初期に所定のオイル量を加圧ベルト内面に塗布することでオイル塗布部材を設ける必要は無い。
シリコーンオイルの粘度は、粘度が小さすぎると、加圧ベルト内面から漏れ出してしまい、粘度が高すぎると、定着ニップ部Nにおける加圧ベルト27と加圧パッド30間の粘性抵抗が大きくなりすぎてしまう。そのため、シリコーンオイルの粘度は、25℃における動粘度が100〜10000mm2/s(100cSt〜10000cSt)が望ましい。本例においては、加圧ベルト21へのオイル塗布量は0.015mg/mm2としている。
加圧ローラ29は、そのローラ両端側を押し上げる加圧機構(不図示)により定着ローラ25に向けて343N(35kgf)の加圧力Fで加圧されている。これにより、定着ローラ25と加圧ローラ29との間に定着ベルト23と加圧ベルト27が挟み込まれて圧接し、両ベルト23・27間に定着ニップ部が形成される。また、加圧パッド30は、支持板を押し上げる加圧機構(不図示)により定着パッド26に向けて343N(35kgf)の加圧力Fで加圧されている。これにより、定着パッド26と加圧パッド30との間に定着ベルト23と加圧ベルト27が挟み込まれて圧接し、両ベルト23・27間に定着ニップ部が形成される。本例においては、上記の定着ローラ25と加圧ローラ29の加圧と、定着パッド26と加圧パッド30の加圧とにより、定着ベルト23と加圧ベルト27との間に、記録材搬送方向に関して幅約18mmの広いニップ幅の定着ニップ部Nを形成させている。なお、定着ニップ部Nにおいて、定着ニップの圧が、定着ローラ25と加圧ローラ29との圧接部領域において最大となるように設定されている。
定着ローラ25は、制御回路部100でオン・オフ制御される第1の駆動モータM1(駆動源)から駆動ギア列(不図示)を介して入力される駆動力により矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。定着ベルト23は、定着ローラ25の外面により摩擦駆動されて定着ローラ25の回転に従動して回転する。加熱ローラ24は、定着ベルト23の内面により摩擦駆動されて定着ベルト23の回転に従動して回転する。
定着ベルト23の周速度は、定着ローラ25の表面にシリコーンゴム層25bの面が露出していて定着ベルト23の内面の滑りが抑えられることで、定着ローラ25の周速度と略同一の速度となっている。すなわち、定着ローラ23の外周面には弾性層25bを設けることで、定着ローラ25の回転駆動力を定着ベルト23に良好に伝達することができる。
定着パッド26には、前記のように、定着ベルト内面との摩擦力を減らすパッドカバーが設けらているので、定着ローラ25の駆動トルクが抑えられる。これにより、駆動モータM1の大型化を伴うことなく安定して定着ベルト23を回転させることができる。また、本例においては、定着ローラ25の回転駆動による定着ベルト23の周速は、画像形成部側から定着装置Aに搬送される記録材Sに適度なループを形成するために、画像形成部側から搬送されてくる記録材Sの搬送速度に比して僅かに遅い周速とされている。
加圧ローラ29は、制御回路部100でオン・オフ制御される第2の駆動モータM2(駆動源)から駆動ギア列(不図示)を介して入力される駆動力により矢印の時計方向に、定着ローラ25即ち定着ベルト23よりも速い周速度で回転駆動される。
この場合、加圧ベルト27の内面には、潤滑剤としてのシリコーンオイルが塗布されていて、加圧ローラ29の表面と加圧ベルト27の内面との間にはオイルが介在している。そのために、加圧ローラ29の表面と加圧ベルト27の内面との間の摩擦力が小さくて、加圧ローラ29の表面と加圧ベルト27の内面は滑り易い状態にある。これにより、加圧ローラ29の表面による加圧ベルト27の摩擦駆動力よりも、定着ベルト23の表面による加圧ベルト27の摩擦駆動力の方が大きい関係となり、加圧ベルト27は、定着ベルト23の周速度と略同一の周速度で回転する。すなわち、加圧ローラ29と加圧ベルト27は滑りを生じて、加圧ローラ29は加圧ベルト27と周速差を持って回転駆動され、加圧ローラ25と加圧ベルト27には周速差が付与される。
加圧ローラ26と加圧ベルト27に周速差を持たせる方法としては、本例のように、定着ローラ25と加圧ローラ29に各々のローラを駆動する駆動モータM1とM2を設ける方法に限られない。その他、例えば、1つのモータでも、各ローラに駆動力を伝えるギア列のギア比を異ならせたり、各々のローラ径を異ならせたりすることで実現できる。
テンションローラ28は、加圧ベルト27の内面により摩擦駆動されて加圧ベルト27の回転に従動して回転する。
加熱ローラ24は、定着ベルト23が回転されている状態において、ハロゲンヒータ24aの発熱により加熱される。ハロゲンヒータ24aは、制御回路部100で制御される給電回路101から電力が供給されて発熱する。この加熱された加熱ローラ24により、回転状態の定着ベルト23が加熱される。定着ベルト23の表面温度が温度センサTHにより検出されて、定着ベルト表面温度に関する電気的情報が制御回路部100に入力する。制御回路部100はこの入力温度データを基に、給電回路101からハロゲンヒータ24aへの供給電力を加減して、温度センサTHで検出される定着ベルト表面温度が所定の定着温度(本例では190℃)に維持されるように温調制御する。
制御回路部100は、少なくとも画像形成実行時には、第1と第2の駆動モータM1とM2をオンにして、定着ローラ25と加圧ローラ29をそれぞれ所定の周速度で回転駆動状態にする。これにより、定着ベルト23および加圧ローラ27が上記のように回転状態になる。また、制御回路部100は、ハロゲンヒータ24aへ電力供給して加熱ローラ24を加熱し、定着ベルト23の表面温度を所定の定着温度に立ち上げて温調する。
この定着装置状態において、画像形成部から定着装置Aに、未定着トナー画像tを有する記録材Sが搬送導入され、ガイド部材32に案内されて、定着ベルト23と加圧ベルト27間の定着ニップ部Nに進入する。記録材Sの未定着トナー画像担持面側が定着ベルト23の面に対面する。記録材Sは未定着トナー画像担持面が定着ベルト20の外周面に密着して定着ニップ部Nを挟持搬送されていくことにより、主に定着ベルト23から熱が付与され、また加圧力を受けて、未定着トナー画像tが記録材Sの表面に熱圧定着される。
定着ニップ部Nを挟持搬送された記録材Sは、定着ベルト23の外周面から自己分離して定着装置外に搬送される。すなわち、定着ベルト23の内側の定着ローラ25がゴム層25bを有する弾性ローラであり、加圧ベルト27の内側の加圧ローラ29は鉄合金製の剛性ローラである。そのため、定着ベルト23と加圧ベルト27との定着ニップ部出口では定着ローラ25の変形が大きくなっている。その結果、定着ベルト25も定着ニップ部出口では大きく変形し、トナー画像を担持した記録材Sは定着ベルト23の面から自らのこしにより曲率分離される。このように、定着ローラ25に弾性層25bを設けることで、定着ベルト23からの記録材Sの分離性を確保するための定着ニップを形成できる。また、定着ベルト23にも弾性層を設けることで、その弾性層の弾性変形によって、定着ベルト23への記録材Sの巻きつきを防止し、定着ベルト23からの記録材Sの良好な分離性能を得ることができる。
本例の定着装置では、定着ベルト23と加圧ベルト27との定着ニップ部Nの記録材搬送方向の幅は前記のように約18mmとされている。このように定着ニップ部幅が広いので、画像形成の高速化を図ったとしても充分に定着を行うことが可能になる。また、定着に関係する部材として定着側、加圧側共にエンドレスベルトを採用したことで、低熱容量化を図ることが可能となった。その結果、ウォームアップ時間(画像形成装置の電源オン時から定着可能な状態となるまでに要する時間)の短縮化に貢献している。
定着ローラ25は、外周面のシリコーンゴム層25bによってローラ内部への熱伝導も少なくなるため、ウォームミングアップタイムの短縮にも効果がある。
加圧ベルト27を張架させているテンションローラ28を逆クラウン形状のローラにしていることで、ベルト端部の走行が安定し、ベルト走行時におけるベルト幅方向端部のばたつきに起因するベルト端部の座屈破損を防止することができる。
また、加圧ベルト27の内面と加圧ベルト駆動ローラである加圧ローラ29との間の摩擦力を小さくして加圧ベルト27と加圧ローラ29との間で滑りを生じるようにして、加圧ベルト内面と駆動ローラに周速差を付与する構成にしている。これにより、加圧ベルトの記録材搬送力の低下に起因する画像ズレを、記録材上の未定着トナー画像のパターンや記録材の種類、使用環境などにかかわらず、防止することができる。
(3)画像ズレ、耐久後画像スジの検証
以下に、本発明のポイントである、駆動ローラとしての加圧ローラ29、およびテンションローラ28の表面性と、画像ズレ、耐久後画像スジ(耐久性)の関係について詳細に説明する。
以下に、本発明のポイントである、駆動ローラとしての加圧ローラ29、およびテンションローラ28の表面性と、画像ズレ、耐久後画像スジ(耐久性)の関係について詳細に説明する。
加圧ローラ29、テンションローラ28の表面性としての表面粗さRzの測定は、周方向、軸方向ともに、測定装置としては小坂研究所のSE−3300を用いた。そして、送りスピード:0.1mm/s、カットオフ:0.8mm、測定長:2.5mm、縦倍率:2000倍で測定を行った。
本定着装置Aにおいて画像ズレの検証を行った結果を以下に示す。すなわち、画像ズレに厳しい条件である高温高湿環境(温度30℃、湿度80%)で、定着ローラ25の周速を80mm/sに設定し、定着ベルト23の表面温度を190℃に設定した。この条件で、初期の画像ズレの発生有無と、10万枚通紙後に64g/m2の普通紙を通紙したときの画像スジの発生の有無を、さまざまな周速差αと加圧ローラ29の周方向表面粗さRzを確認した結果を表1に示す。
ここで、周速差αは、加圧ベルト27と加圧ローラ29の周速差である。周速差αは
α=(加圧ローラ29の周速−加圧ベルト27の周速)/加圧ローラ29の周速
で表される。
α=(加圧ローラ29の周速−加圧ベルト27の周速)/加圧ローラ29の周速
で表される。
1)実施例1〜3
加圧ベルト27と加圧ローラ29の周速差αを1.0%以上、加圧ローラ29の表面の周方向表面粗さRzを0.1以上0.8μm以下としたものであり、画像ズレ、耐久後の画像スジが良好である。定着ニップ内での圧力不足による画像ムラ・光沢不足を防止できる。
加圧ベルト27と加圧ローラ29の周速差αを1.0%以上、加圧ローラ29の表面の周方向表面粗さRzを0.1以上0.8μm以下としたものであり、画像ズレ、耐久後の画像スジが良好である。定着ニップ内での圧力不足による画像ムラ・光沢不足を防止できる。
2)比較例1、2
加圧ローラ29の表面の周方向表面粗さRzは0.8μm以下であるが、加圧ベルトと加圧ローラの周速差αが1.0%よりも小さい場合である。この場合は、加圧ローラ29の表面粗さRzが小さいため、耐久後の画像スジが良好であるものの、加圧ローラ29の周速が加圧ベルト27の周速よりも速く設定されていないため画像ズレが発生する。
加圧ローラ29の表面の周方向表面粗さRzは0.8μm以下であるが、加圧ベルトと加圧ローラの周速差αが1.0%よりも小さい場合である。この場合は、加圧ローラ29の表面粗さRzが小さいため、耐久後の画像スジが良好であるものの、加圧ローラ29の周速が加圧ベルト27の周速よりも速く設定されていないため画像ズレが発生する。
3)比較例3
加圧ベルト27と加圧ローラ29の周速差αは1.0%以上であるが、加圧ローラ29の表面の周方向表面粗さRzを1.0μmとしたものである。画像ズレは良好であるが、加圧ローラ表面粗さが1.0μmと大きいため、耐久後に加圧ベルト内面が摩耗により削れ、画像にスジが発生する。
加圧ベルト27と加圧ローラ29の周速差αは1.0%以上であるが、加圧ローラ29の表面の周方向表面粗さRzを1.0μmとしたものである。画像ズレは良好であるが、加圧ローラ表面粗さが1.0μmと大きいため、耐久後に加圧ベルト内面が摩耗により削れ、画像にスジが発生する。
4)比較例4
加圧ベルト27と加圧ローラ29の周速差αは1.0%以上であるが、加圧ローラ29の表面の周方向表面粗さRzを0.05μmと小さくしたものである。加圧ローラ表面の周方向Rzが0.8μm以下であり、耐久後の画像スジが良好であるものの、加圧ローラ表面粗さが小さすぎるため、加圧ベルトを充分に駆動することができずに画像ズレが発生してしまう。
加圧ベルト27と加圧ローラ29の周速差αは1.0%以上であるが、加圧ローラ29の表面の周方向表面粗さRzを0.05μmと小さくしたものである。加圧ローラ表面の周方向Rzが0.8μm以下であり、耐久後の画像スジが良好であるものの、加圧ローラ表面粗さが小さすぎるため、加圧ベルトを充分に駆動することができずに画像ズレが発生してしまう。
以上のように、表1の結果から、加圧ローラ周速を加圧ベルト内面の周速よりも1.0%以上速くすることで、画像ズレを防止できることが確認できた。加圧ローラ周速は定着ローラ周速より速ければ、周速差の大小に関わらず画像ズレを防止することができる。
一方で、加圧ローラ29と加圧ベルト27に周速差があると、加圧ベルト27と加圧ローラ29間の摺擦により加圧ベルト27が磨耗し、10万枚通紙後の画像にスジ状の画像不良が発生してしまった。しかし、加圧ローラ表面の周方向Rzを0.8μm以下とすることで、加圧ベルト内面削れによる画像スジの発生を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施例においては、周方向の表面粗さRzを規定した加圧ローラ29を用い、加圧ローラ周速を定着ローラ周速より速回わしするように構成した。その結果、画像パターンやシートの種類、使用環境に依らず画像ズレの発生を防ぎ、かつ長期にわたりベルトの磨耗を防ぎ、画像不良を発生させないようにすることができる。
次に、テンションローラ28は加圧ベルト27の回転に従動しているため、加圧ベルト27と周速差を持って駆動されている加圧ローラ29ほど、加圧ベルト27を磨耗させることはない。
しかしながら、ベルト端部の走行の安定性のために、テンションローラ28は逆クラウン形状で構成されている。そのため、テンションローラ28の軸線方向中央と端部に外径差があるため、加圧ベルト27の内面との周速差が発生してしまう。
装置耐久後に普通紙通紙では問題が発生しなかったが、坪量80g/m2の両面コート紙(ニューエイジ)を通紙したところ、加圧ベルト内面削れにより光沢スジが発生してしまった。
本定着装置Aにおいて画像ズレの検証を行った結果を以下に示す。すなわち、画像ズレに厳しい条件である高温高湿環境(温度30℃、湿度80%)で、定着ローラ25の周速を80mm/sに設定し、定着ベルト23の温調表面温度を190℃に設定した。この条件で、加圧ベルト端部のばたつきによるベルト寿命と、10万枚通紙後の両面コート紙の光沢スジの発生の有無を、さまざまなテンションローラ外径差βとテンションローラの周方向表面粗さRzにおいて確認した結果を表2に示す。
ここで、上記の外径差βについて、図3の模式図を参照して説明する。(a)はテンションローラ28が逆クラウン形状で構成されている場合、(b)は正クラウン形状で構成されている場合である。W28は加圧ローラ28の幅、W27は加圧ベルト27の幅、WSは画像形成に供される記録材Sの最大通紙幅(中央基準搬送、または片側基準搬送)、W27Aは加圧ベルト27の寄り移動制御幅である。W28>W27A>W27>WSの関係になっている。
加圧ベルト27の走行時に生じるベルト張架ローラ長手(軸線方向)に沿う寄り移動運動は不図示の制御機構により許容範囲幅内の移動に制御される。加圧ベルト27の寄り移動制御幅W27は、その許容範囲幅である。そして、寄り移動制御幅W27の一方側の端部aまたは他方側の端部bに略対応するローラ部分の外径D1を、ローラ28の軸線方向(ローラ長手方向)の端部外径とする。また、寄り移動制御幅W27の中央部に略対応するローラ部分の外径D2を、ローラ28の軸線方向(ローラ長手方向)の中央部外径とする。
上記のテンションローラ外径差βは、
β=|(D1−D2)|/D2
で表される。
β=|(D1−D2)|/D2
で表される。
なお、加圧ベルト内面と加圧ローラの周速差αは1.0%、加圧ローラ表面の周方向表面粗さRzは0.8μmに固定してある。また、比較例5として、実施例1の結果も記載してある。
5)実施例4・5
テンションローラ28の外径差βが1.0%以上、周方向表面粗さRzが0.8μm以下であり、ベルト端部ばたつきによるベルト座屈、耐久後のコートにおける光沢スジは良好である。
テンションローラ28の外径差βが1.0%以上、周方向表面粗さRzが0.8μm以下であり、ベルト端部ばたつきによるベルト座屈、耐久後のコートにおける光沢スジは良好である。
2)比較例5(実施例1)
テンションローラ外径差βが1.0%以上ではあるが、テンションローラ周方向表面粗さRzが0.8μmより大きい。ベルト端部ばたつきによるベルト座屈は問題ないが、耐久により加圧ベルト内面が摩耗に削れ、普通紙では問題ないレベルとであったが、コートにおける光沢スジが発生する。
テンションローラ外径差βが1.0%以上ではあるが、テンションローラ周方向表面粗さRzが0.8μmより大きい。ベルト端部ばたつきによるベルト座屈は問題ないが、耐久により加圧ベルト内面が摩耗に削れ、普通紙では問題ないレベルとであったが、コートにおける光沢スジが発生する。
3)比較例6
テンションローラ外径差βが1.0%より小さい0.5%であり、テンションローラ周方向表面粗さRzが0.8μm以下である。テンションローラ周方向粗さが小さいため、耐久後のコートにおける光沢スジは良好であるが、テンションローラの逆クラウン量が充分ではないため、ベルト端部ばたつきによりベルトが端部で座屈してしまった。
テンションローラ外径差βが1.0%より小さい0.5%であり、テンションローラ周方向表面粗さRzが0.8μm以下である。テンションローラ周方向粗さが小さいため、耐久後のコートにおける光沢スジは良好であるが、テンションローラの逆クラウン量が充分ではないため、ベルト端部ばたつきによりベルトが端部で座屈してしまった。
以上のように、表2の結果から、テンションローラ28の中央部と端部の外径差を1.0%以上とすることでベルト端部での破損を防止できることが確認できた。すなわち、テンションローラ28の回転軸線方向端部とベルト27との周速差が1%以上である。
一方で、テンションローラ28の中央部と端部の外径差があると、加圧ベルト27とテンションローラ28間の摺擦により加圧ベルト27が磨耗し、10万枚通紙後にコート紙を通紙すると画像にスジ状の光沢スジが発生してしまった。しかし、テンションローラ表面の周方向表面粗さRzを0.8μm以下とすることで、加圧ベルト内面削れによる光沢スジの発生を防ぐことができる。
以上説明したように、周方向表面粗さRzを規定したテンションローラを用い、テンションローラ外径差を設けて構成した。その結果、画像パターンやシートの種類、使用環境に依らず画像ズレの発生を防ぎ、かつ長期にわたりベルトの磨耗を防ぎ、光沢ムラなどの画像不良を発生させないようにすることができる。
<その他の実施形態>
1)テンションローラ28は、図3の(b)のように、外径差βが1.0%以上の正クラウン形状のローラにしてもよい。正クラウン形状のローラでもベルト端部の走行安定性を確保することができる。
1)テンションローラ28は、図3の(b)のように、外径差βが1.0%以上の正クラウン形状のローラにしてもよい。正クラウン形状のローラでもベルト端部の走行安定性を確保することができる。
2)逆または正クラウン形状のローラは、図3の(a)や(b)ように、ローラ軸線方向に沿って滑らかに連続したローラ曲面を有するものに限られない。例えば、図4の(a)や(b)ように、ローラ軸線方向に沿っていくつかの円錐ローラ面が連なってローラ曲面が構成されているようなものも含まれる。
3)加圧ローラ29について、これを外径差βが1.0%以上の逆または正クラウン形状のローラにして、ベルト端部の走行安定性を確保する装置構成にすることもできる。
4)第1の実施形態では、加熱回転体(定着部材)を、定着ローラ25で駆動される定着ベルト23により構成したが、図5の例のように、加熱回転体をヒートローラ33により構成してもよい。この構成においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図5において、加熱回転体としてのヒートローラ33は、鉄製の中空ローラ33aの外周面に、弾性層33bとしてシリコーンゴム層を設けたもので、ローラ内部には加熱手段としてのハロゲンヒータ33cを配置している。ヒートローラ33は、ローラ両端部を装置フレーム(不図示)の側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させてある。そして、ヒートローラ33は、制御回路部100でオン・オフ制御される第1の駆動モータM1(駆動源)から駆動ギア列(不図示)を介して入力される駆動力により矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
ヒートローラ33は、ハロゲンヒータ33cの発熱により加熱される。ハロゲンヒータ33cは、制御回路部100で制御される給電回路101から電力が供給されて発熱する。ヒートローラ33の表面温度が温度センサTHにより検出される。この温度センサTHにより検出されるヒートローラ表面温度に関する電気的情報が制御回路部100に入力する。制御回路部100はこの入力温度データを基に、給電回路101からハロゲンヒータ33cへの供給電力を加減して、温度センサTHで検出されるヒートローラ表面温度が所定の定着温度に維持されるように温調制御する。
加圧ベルトユニット22の構成は第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態の装置と同様の効果が得られる。
5)また、第1の実施形態では、加圧ベルト27を加圧ローラ29とテンションローラ28の2本のローラで張架しているが、図6の例のように、3本以上のローラで張架する構成においても、第1の実施形態の装置と同様の効果を得ることができる。
図6の例においては、加圧ベルト27を、加圧ローラ29、インレットローラ34、ステアリングローラ35の3本のローラで張架している。そして、インレットローラ34またはステアリングローラ35をテンションローラとして機能させている。
6)加圧ベルト27も加熱する装置構成にすることもできる。図6の装置においては、インレットローラ34内に加熱手段としてハロゲンヒータ34aを配設してインレットローラ34を加熱し、その熱で加圧ベルト27を加熱する。そして、加圧ベルト27の表面温度が所定の温度に維持されるように、ハロゲンヒータ34aへの電力供給を加減して温調するようにしている。
7)定着ベルト23、ヒートローラ33、加圧ベルト27の加熱手段または発熱源は、ハロゲンヒータ34に限られない。電磁誘導加熱手段、高周波加熱手段、赤外線照射手段,セラミックヒータ接触加熱手段などにすることもできる。
8)実施形態では画像加熱装置として定着装置を説明したが、トナー画像を仮定着する装置や、記録材に既に定着されているトナー画像を再度加熱することにより画像の光沢度を向上(調整)する光沢度付与装置等にも本発明を適用することが可能である。
A・・定着装置(画像加熱装置)、S・・記録材(シート)、1・・画像形成装置、2・・感光体ドラム、3・・帯電器、4・・光学装置、5・・光、6・・現像器、7・・転写ローラ、8・・クリーニング装置、9・・給送カセット、10・・給送ローラ、11・・レジストローラ対、12・・排出ローラ対、13・・排出トレイ、21・・定着ベルトユニット、22・・加圧ベルトユニット、23・・定着ベルト、24・・加熱ローラ、24a・・ハロゲンヒータ、25・・定着ローラ、26・・定着パッド、27・・加圧ベルト、28・・テンションローラ、29・・加圧ローラ、30・・加圧パッド、31・・オイル塗布部材
Claims (3)
- 記録材上の画像をニップ部にて加熱するためのエンドレスベルトと、このベルトを懸架する複数のローラと、を有する画像加熱装置において、
前記複数のローラのうち前記ベルトと接触し得る回転軸線方向端部と中央部との径の差が1%以上あるローラの周方向における表面粗さRzを0.8μm以下としたことを特徴とする画像加熱装置。 - 前記ローラは正又は逆クラウン形状であることを特徴とする請求項1の画像加熱装置。
- 前記ローラの回転軸線方向端部もしくは中央部と前記ベルトとの周速差が1%以上であることを特徴とする請求項1又は2の画像加熱装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
- 2006-03-22 JP JP2006078526A patent/JP2007256439A/ja active Pending
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