JP6658151B2 - 定着装置、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は複写機やファクシミリ、プリンタなどの静電記録式画像形成装置に使用される定着装置、及びそのような定着装置を搭載した画像形成装置に関する。
上述の定着装置、より具体的には無端状の定着部材と加圧部材間にニップを形成し、該ニップを通る被定着材に対し定着処理を行う定着装置では、定着部材と加圧部材によって形成された定着ニップを記録媒体が通過することによって、記録媒体上に担持されたトナーが溶融・加圧されて、記録媒体上にトナー画像が定着される。このようなプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化・高速化についての市場要求が強くなってきている。
上述のような画像形成装置では、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により未定着トナー画像が記録材シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙などの記録材に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
このような定着装置の一例として、ベルト方式の定着装置(例えば特許文献1参照)やセラミックヒータを用いたサーフ定着(フィルム定着)の定着装置(例えば特許文献2参照)が知られている。
ベルト方式の定着装置では、近年、さらなるウォームアップ時間(電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定の温度(リロード温度)までに要する時間)や、ファーストプリント時間(印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間)の短縮化が望まれている(課題1と言う)。また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷のはじめに熱量が不足する(所謂、温度落ち込み)が問題となっている(課題2という)。
前記課題1の問題を解決する方法として、セラミックヒータを用いたサーフ定着が提案されており、この方式により、ベルト方式の定着装置に比べ、低熱容量化、小型化が可能となった。しかし、ニップ部のみを局所加熱しているため、その他の部分では加熱されておらず、ニップの用紙などの入口においてベルトは最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。特に、高速機においては(ベルトの回転が速く、ニップ部以外でのベルトの放熱が多くなるため)、より定着不良が発生しやすくなるという問題がある(課題3と言う)。
以上のような課題1〜3を解決するために、無端ベルトを用いる構成において、そのベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消して、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができるようにした定着装置が提案されている。(例えば特許文献3)。
図1は特許文献3に記載の定着装置の概略図である。無端ベルト10の内部にパイプ状の金属熱伝導体20を、無端ベルト10の移動をガイドすることが可能に固定し、金属熱伝導体20内の熱源30により金属熱伝導体20を介して無端ベルト10を加熱する。さらに無端ベルト10を介して金属熱伝導体20に接してニップ部Nを形成する加圧ローラ40を備え、該加圧ローラ40の回転に連れ回りするようにして無端ベルト10を周方向に移動させる。この構成により、定着装置を構成する無端ベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。加圧ローラ40は、金属ローラ50の外周に弾性層60を備えたものである。
さらなる省エネ性及びファーストプリントタイム向上のために無端ベルトを金属熱伝導体を介して間接的に加熱する構成から、無端ベルトを(金属熱伝導体を介さずに)直接加熱する構成が提案されている。この構成では伝熱効率が大幅に向上させることにより消費電力を低減すると共に、加熱待機時からのファーストプリントタイムを更に短縮することが実現できることになった。
また、省エネルギー性及びファーストプリントタイム向上のために熱効率を更に向上させる方法として、無端ベルトを金属熱伝導体を介して間接的に加熱する構成から、無端ベルトを(金属熱伝導体を介さずに)直接加熱する構成が提案されている。しかし、連続通紙時に定着ヒータのから発する熱が定着装置内に蓄熱され、無端ベルト上はトナー定着温度に制御されているが無端ベルト内部の部材はトナーのように熱を吸収する部材もなく、また放熱させる構成もとっていないため高温になる問題が発生した。通常高温になることを考慮して定着部材は耐熱温度の高い樹脂(PEEK、LCPなど)で構成されている。例えば特許文献4、特許文献5などでは、耐熱性の樹脂に摺動性のあるコーティングを施してステーとしての高温下での剛性確保の役割と低トルクとなる摩擦構成の役割を持たせている。また特許文献6ではステー部材にSUS系金属シートを巻きつける構成が提案されており、いずれの場合も剛性確保と低トルクになるような摩擦構成の役割を持たせている。
ただし、連続通紙枚数が多く要求される場合、ステー周辺は300℃以上の高温にさらされ、例えば後述する図2に示す支持部材7が300℃以上となり、樹脂で形成されているニップ形成部材6の耐熱温度を超えてしまう。すると、支持部材7とニップ形成部材6の接触している部分で熱変形や溶融などが起こってしまうことがある。
本発明は、叙上の諸点に鑑み、低摩擦、高耐熱構成で連続通紙枚数の向上、経時でのスリップ防止を同時に狙った構成の定着装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る定着装置は、加圧ローラと対向する定着スリーブの内部に熱源とニップ形成部材とを備え、前記ニップ形成部材がニップ部で潤滑剤を介して前記定着スリーブの内面と接触し、前記加圧ローラからの摩擦力により前記定着スリーブが当該加圧ローラと前記ニップ形成部材との間で回転する構成とし、低温環境下での立ち上げ動作の時、前記潤滑剤の粘性を低く抑えるため、もしくは経時での常温環境下の場合、前記潤滑剤の劣化による粘性の増加を抑えるために前記ニップ部の予熱温度により通紙可能判断を行い、予熱状態に移行する定着装置であって、前記定着スリーブの走行距離が増加するにつれて前記潤滑剤の劣化が起こることに基づいて、前記ニップ部の温度を前記予熱状態まで上げる予熱時間は前記定着スリーブへの熱量過多が発生しない程度の、前記熱源へ供給する電力を制限した状態で、前記走行距離の増加に伴い長くするよう設定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、潤滑剤の粘性を下げることで、低温環境下、経時での常温環境下での定着スリーブのスリップ防止を図ることができる。
従来構成の定着装置の構成を示す概念的な断面図である。 本発明の実施対象となる定着装置の一例を示す断面図である。 本発明による定着装置を用いる画像形成装置の構成を説明するための模式図である。 ベース部材に潤滑剤を塗布した状態での摩擦負荷と温度の関係を表したグラフを示す図である。 ニップ部温度と定着スリーブのスリップ率、低温で固化している潤滑剤の状態を示した図である。 定着スリーブへの熱量過多により熱応力が大きくなって凹みが発生した状態の一例を示す図である。 走行距離により電力制限を行い、ヒータ加熱時間を設定して通紙するフローチャートである。 従来樹脂で作製していたニップ形成部材周辺構成でネジ、ネジ留め部品などが不要になる例を示す斜視図である。 フッ素グリス蒸発量の表を示す図である。 Fluon(登録商標)各樹脂の融点と連続使用可能温度の表(A)と、想定通紙枚数とNi+PTFEコート厚さの関係を示す表(B)とを示す図である。 走行距離別の加熱時間Tの設定を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図2は本発明の実施対象となる定着装置の一例の構成を示す断面図である。図示の定着装置内には、加圧回転体(図2の場合は加圧ローラ3)と定着スリーブ1を有し、熱源2(図2では、例えばハロゲンヒータ)により定着スリーブ1が内周側から直接加熱される。
このとき、定着スリーブ1内には、定着スリーブ1を介して対向する加圧ローラ3とニップを形成するニップ形成部材6が支持部材7とともに配してある。そして、ニップ形成部材6が無端ベルト状の定着スリーブ1の内面と直接に(もしくは、図示しない摺動シートを介して間接的に)摺動するようになっている。なお図2の例ではニップ部Nの形状が平坦状であるが、凹形状やその他の形状であっても良い。ニップ部Nの形状は凹形状の方が、記録紙先端の排出方向が加圧ローラ寄りになり、分離性が向上するのでジャムの発生が抑制され得る。
定着スリーブ1はニッケルやSUSなどの金属ベルトやポリイミドなどの樹脂材料を用いた無端ベルト(もしくはフィルム)とする。ベルトの表層はPFAまたはPTFE層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。ベルトの基材とPFAまたはPTFE層の間にはシリコーンゴムの層などで形成する弾性層があっても良い。シリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、未定着画像を押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じる。これを改善するにはシリコーンゴム層を100[μm]以上設ける必要がある。シリコーンゴム層の変形により、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
定着スリーブ1の内部にはニップ部Nを支持するためのベース部材である支持部材7(図示の例ではステー状の部材)を設け、加圧ローラ3により圧力を受けるニップ形成部材6の撓みを防止し、軸方向で均一なニップ幅を得られるようにしている。この支持部材7は両端部で保持部材8(フランジ)に保持固定され位置決めされている。また、熱源2と支持部材7の間に反射部材9を備え、熱源2からの輻射熱などにより支持部材7が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制している。ここで反射部材9を備える代わりに支持部材7表面に断熱もしくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることか可能となる。
熱源2は、上述したハロゲンヒータでも良いが、IHであっても良いし、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であっても良い。
加圧ローラ3は芯金5に弾性ゴム層4があり、離型性を得るために表面に離型層(PFAまたはPTFE層)が設けてある。加圧ローラ3は画像形成装置に設けられたモータなどの駆動源からギヤを介して駆動力が伝達され回転する。また、加圧ローラ3はスプリングなどにより定着スリーブ1側に押し付けられており、弾性ゴム層4が押し潰されて変形することにより、所定のニップ幅を有している。加圧ローラ3は中空のローラであっても良く、加圧ローラ3にハロゲンヒータなどの加熱源を有していても良い。弾性ゴム層4はソリッドゴムでも良いが、加圧ローラ3内部にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いても良い。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルトの熱が奪われにくくなるので、より望ましい。
定着スリーブ1は加圧ローラ3により連れ回り回転する。図2の場合は加圧ローラ3が図示しない駆動源により回転し、ニップ部Nでベルトに駆動力が伝達されることにより定着スリーブ1が回転する。定着スリーブ1はニップ部Nで挟み込まれて回転し、ニップ部以外では両端部で保持部材8(フランジ)にガイドされ、走行する。
以上のような構成により安価で、ウォームアップが速い定着装置を実現することが可能となる。
次に、上述した構成を用いる画像形成装置の構成を図3により説明する。
図3に示した画像形成装置は、複数の色画像を形成する作像部がベルトの展張方向に沿って並置されたタンデム方式を用いるカラープリンタある。ただし、本発明はこの方式による画像形成装置に限られることはなく、またプリンタだけではなく複写機やファクシミリ装置などを対象とすることも可能である。
図3の画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkを並設したタンデム構造が採用されている。各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに可視像が形成される。各感光体ドラム20Y〜20Bkに対峙しながら矢印A1方向に移動可能な無端ベルトが用いられる中間転写体(以下、転写ベルトという)11に対して1次転写行程を実行する。すると、各感光体ドラム20Y〜20Bkそれぞれの画像が重畳転写される。その後、記録シートなどが用いられる記録紙Sに対して2次転写行程を実行することで一括転写されるようになっている。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの周囲には、感光体ドラムの回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。いま、ブラック画像形成を行う感光体ドラム20Bkを対象として説明すると、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30Bk、現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bk及びクリーニング装置50Bkが配置されている。帯電後に行われる書き込みは、光書込装置80が用いられる。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成された可視像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写される。そのように、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに対向して配設された1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkは、A1方向の上流側からこの順で並んでいる。各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
画像形成装置1000は、色毎の画像形成処理を行う4つの画像ステーションと、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの上方に対向して配設されている。そして、転写ベルト11及び1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkを備えた転写ベルトユニット110と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11に従動し、連れ回りする転写部材としての転写ローラである2次転写ローラ51を備える。また、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上をクリーニングするクリーニング装置13と、これら4つの画像ステーションの下方に対向して配設された光書き込み装置としての光書込装置80とを有している。
光書込装置80は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラー及び偏向手段としての回転多面鏡などを装備している。そして各感光体ドラム20Y〜20Bkに対して色毎に対応した書き込み光Lbを射出して感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに静電潜像を形成する構成とされている。なお図3では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として符号Lbが付けてあるが、その他の画像ステーションも同様である。
画像形成装置1000には、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkと転写ベルト11との間に向けて搬送される記録紙Sを積載した給紙カセットとしてのシート給送装置61とを備える。また、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙Sを、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、各感光体ドラム20Y〜20Bkと転写ベルト11との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対41を備える。また、記録紙Sの先端がレジストローラ対41に到達したことを検知する図示しないセンサが設けてある。
画像形成装置1000には、トナー像が転写された記録紙Sにトナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置120と、定着済みの記録紙Sを画像形成装置1000の本体外部に排出する排紙ローラ75とを備える。また、画像形成装置1000の本体上部に配設されて排紙ローラ75により画像形成装置1000の本体外部に排出された記録紙Sを積載する排紙トレイ17を備える。そして、排紙トレイ17の下側に位置し、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9C、9M、9Bkも備える。
転写ベルトユニット110は、転写ベルト11、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkの他に、転写ベルト11が掛け回されている駆動ローラ72及び従動ローラ73を有している。
従動ローラ73は、転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、このため、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。このような転写ベルトユニット110と、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkと、2次転写ローラ51と、クリーニング装置13とで転写装置71が構成されている。
シート給送装置61は、画像形成装置1000の本体下部に配設されている。そして、最上位の記録紙Sの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ31を有しており、給送ローラ31が反時計回り方向に回転駆動される。これにより、最上位の記録紙Sをレジストローラ対41に向けて給送するようになっている。
転写装置71に装備されているクリーニング装置13は、詳細な図示を省略するが、転写ベルト11に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有している。そして、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングする。
クリーニング装置13はまた転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための図示しない排出手段を有している。
以下、定着装置内に加圧回転体(図2の場合は加圧ローラ3)と定着スリーブ1を有し、熱源2(図2では例えばハロゲンヒータ)により定着スリーブ1が内周側から輻射熱で直接加熱される構成について例示的に説明する。
<実施形態1>
加圧ローラ3と対向する定着スリーブ1とが、定着スリーブ1の内部のニップ形成部材6とニップ部Nで潤滑剤を介して接触し、モータで回転駆動される加圧ローラ3からの摩擦力により回転する。この構成は、定着スリーブ1が駆動源を持たないため、定着スリーブ1内部の摩擦負荷が大きいと定着スリーブ1が回転せず、紙がジャムしてしまうことがある。特に定着スリーブ1内面の摩擦負荷の原因となる潤滑剤の劣化度合いが大きく影響する。一般的に潤滑剤は低温では粘度が高くなり高温では粘度が低くなる。
図4にベース部材に潤滑剤を塗布した状態での摩擦負荷と温度の関係を表したグラフを示す。温度が上がると摩擦負荷が下がるような反比例の関係になっており、温度を上げることで摩擦負荷を軽減することが可能である。また潤滑剤の粘度は基油成分の蒸発、酸化や異物の混入により時間が経つにつれて潤滑性能が劣化する。特に高温環境では劣化の度合いが大きくなり、図9に示すようにフッ素グリスの場合200℃以上の高温環境だと200℃以下の高温の場合と比較して基油成分の蒸発が2倍以上になる。例えばトナーの融点が高い場合や連続して大量の印刷を行う場合、支持部材7やニップ形成部材6が高温にさらされる時間が長くなり、300℃以上に上昇し、マシン寿命に大きく影響する。そこで低温環境下での立ち上げ動作の時にはニップ部をある程度暖めて潤滑剤の粘性を低く抑え、定着スリーブ1がスリップしないような予熱状態まで移行して通紙すればスリップジャムの発生を抑制できる。
図5はニップ部温度と定着スリーブのスリップ率、低温で固化している潤滑剤の状態を示した図である。スリップ率は加圧ローラ3の回転速度に対して定着スリーブ1が何%で連れまわっているかを表している(スリップ率0%・・・定着スリーブ1と加圧ローラ3は同じ線速、スリップ率50%・・・定着スリーブ1は加圧ローラ3の線速の半分の線速)。スリップ率が大きいとジャムの発生やたるみによる周辺部材への接触により擦れ画像などが発生するため0%が好ましい。ただしジャムや異常画像が発生しない範囲であればスリップしても構わず低温で固化している潤滑剤を溶かしてスリップを抑える効果のある予熱状態温度は100〜150℃の範囲が適当であり、潤滑剤の種類や加圧力の状態により変更設定することが可能である。
また常温環境下でも経時においては上述したように潤滑剤劣化による粘性が増加するため予熱状態に移行して通紙することでスリップを防ぐことができる。
<実施形態2>
ニップ予熱状態への移行は通紙前にヒータを加熱するがその際、定着スリーブ1がスリップして回転が少ない状態だと図6のように定着スリーブ1への熱量過多により熱応力が大きくなり凹みが発生する。特に初期状態ではスリップが発生しなくても、経時で劣化した状態ではスリップが発生する。そのため、このような状態を防ぐために立ち上げ直後は定着スリーブ1がスリップしているような低速回転でも定着スリーブ1への熱量過多が発生しない程度の電力制限状態でニップ予熱状態に移行することが有効である。
走行距離により電力制限を行い、ヒータ加熱時間を設定して通紙するフローチャートを図7に示す。スリップの発生しない初期状態では、特に電力制限無しでニップ部Nを加熱させるが、走行距離が増加するにつれて潤滑剤の劣化が起こるため、定着スリーブ1がスリップし始める。スリップの度合いは走行距離が長いほど大きく、電力を制限した状態でニップ部Nを予熱状態まで上げる時間は長くなる。図11に示すように、走行初期は加熱時間0sで距離増加に伴い加熱時間も長くする。加熱時間はマシンの寿命設定、設定温度、潤滑剤の種類や加圧力の状態により変更設定することが可能であり、このような制御により経時においてもスリップの発生しない安定した搬送品質を保つことができる。
<実施形態3>
ヒータ近傍の高温環境下での摺動であることから潤滑剤は耐熱温度の高いフッ素グリスもしくはシリコーンオイルが適当である。フッ素グリスは基油となるフッ素オイルに増ちょう剤を分散させてゲル状にした潤滑剤であり、粘度がオイルより高いため、摺動部からの流出対策として有効であり、NOKクリューバー製バリエルタ、ノックスルーブなどがある。フッ素グリスは粘度が高いため粘性トルクが大きくなる特徴がある。定着スリーブ1のスリップなどの速度変動が生じない高精度の制御が求められる場合などはフッ素グリスと同様、耐熱温度が高く粘性の低いシリコーンオイルを用いることが適当である。そのために信越シリコーン製KF−968−100CSなどを使用する。高温環境での摩擦負荷上昇を抑制できる。
<実施形態4>
ニップ形成部材6には摺動性の良いフッ素系のシートを巻き、定着スリーブ1との内面での摺動負荷を減らすことが有効である。シート状の樹脂繊維としてフッ素系樹脂は摩擦摩耗特性に優れており、PTFE、PFA、ETFEが繊維状で商品化されている。繊維状のシートは潤滑剤を浸み込ますことができ流出防止にもなり、図8に示すように、ニップ形成部材6に摺動シート(図示せず)を巻きつけ(矢印A)、板金により摺動シートをニップ形成部材6にネジ留めで取り付けて(矢印B)、使用できるようにする。
シート状繊維は織り方によって表面に出てくる糸の面積が裏面と異なる。平織りは経糸、緯糸の表面での面積割合は同じであるが、綾織や朱子織りは横糸よりも経糸のほうが表面での面積が多くなる。2種類以上の繊維を編む場合、摩擦表面となる部分にはフッ素系樹脂の面積を多くして、裏面となる部分には強度の高い樹脂やオイル含有率の高い樹脂の面積を多くすることで摩擦磨耗特性が良く強度の強いシートとなる。東レ製トヨフロンはPTFEとPPSの2つの繊維を織り込んだ樹脂シートであり経時でのトルク上昇を抑制できる。
<実施形態5>
ベース部材はその材料では摺動性が良好でない場合もあり、セラミック系もしくはフッ素系のコーティングを施し表面の摩擦負荷を軽減することが適当である。フッ素系のPTFEやPFAコーティングは他材料との反応性が薄く高耐熱であることから、一般的に摺動性のあるフッ素コーティングとして用いられることが多い。例えば、図10のダイキン工業のフッ素塗料は温度、用途に応じてPFA、PTFEのグレードがある。
セラミック系のコーティングはフッ素コーティングよりも硬度が高く、摩耗しにくい特徴があり、コーティング削れによる潤滑剤の粘性増加を避けたい場合は有効である。またフッ素系のコーティングは樹脂よりも金属への密着性が優れており、例えば、樹脂の耐熱で不十分な場合や軸方向の伝熱性を上げたい場合などはSUSなどの金属にコーティングすることが最適である。
また、図8のように従来樹脂で作製していたニップ形成部材と、この周辺の部材とを固定するネジやネジ留め部品などが不要になり、部品点数を大幅に削減できコストダウンが可能となる。すなわちベース部材の表面削れ防止、低摩擦化により、ベース部材の表層摩擦の負荷低下によるトルク抑制が図れる。
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1 :定着スリーブ
2 :熱源
3 :加圧ローラ
4 :弾性ゴム層
5 :芯金
6 :ニップ形成部材
7 :支持部材
8 :保持部材
9 :反射部材
100 :画像形成装置
110 :転写ベルトユニット
120 :定着装置
1000 :画像形成装置
N :ニップ部
特開2004−286922号公報 特許第2861280号公報 特開2007−334205号公報 特開2006−317770号公報 特開2003−057978号公報 特許第4869440号公報

Claims (5)

  1. 加圧ローラと対向する定着スリーブ内部に熱源とニップ形成部材とを備え、
    前記ニップ形成部材がニップ部で潤滑剤を介して前記定着スリーブの内面と接触し、
    前記加圧ローラからの摩擦力により前記定着スリーブが当該加圧ローラと前記ニップ形成部材との間で回転する構成とし、
    低温環境下での立ち上げ動作の時、前記潤滑剤の粘性を低く抑えるため、もしくは経時での常温環境下の場合、前記潤滑剤の劣化による粘性の増加を抑えるために前記ニップ部の予熱温度により通紙可能判断を行い、予熱状態に移行する定着装置であって、
    前記定着スリーブの走行距離が増加するにつれて前記潤滑剤の劣化が起こることに基づいて、前記ニップ部の温度を前記予熱状態まで上げる予熱時間は前記定着スリーブへの熱量過多が発生しない程度の、前記熱源へ供給する電力を制限した状態で、前記走行距離の増加に伴い長くするよう設定する、
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記潤滑剤はフッ素グリス又はシリコーンオイルである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ニップ形成部材はフッ素系繊維樹脂を含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記ニップ形成部材はセラミック系又はフッ素系のコーティングが施されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の定着装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
JP2016052161A 2016-03-16 2016-03-16 定着装置、画像形成装置 Active JP6658151B2 (ja)

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