JP6141026B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート上のトナー像を加熱する画像加熱装置に関する。この画像加熱装置は、例えば、複写機、プリンタ、FAX、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置において用いられ得る。
電子写真方式の画像形成装置では、帯電、露光、現像、転写、定着の各工程を介してトナー像を記録紙(シート)に定着させる電子写真プロセスを有している。このうち定着工程を担う定着装置(画像加熱装置)として、特許文献1では薄肉の定着ベルト(エンドレスベルト)を用いて低熱容量化が図られた定着ベルト方式の定着装置が提案されている。
特許文献1に記載の定着装置では、定着ベルトと加圧ローラによりニップ部を形成しており、定着ベルトをその内面から加圧ローラに向けて加圧する加圧パッドが設けられている。
このような定着装置においては、定着ベルトの回転に伴い定着ベルトの内面と加圧パッドが摺動する関係となることから、定着ベルトの内面と加圧パッドが磨耗してしまう傾向がある。
そこで、特許文献1に記載の定着装置では、定着ベルトの内面と加圧パッドの間に潤滑剤(フッ素系グリス)を塗布するとともに、定着ベルトの内面と加圧パッドのそれぞれにフッ素系樹脂による層を設けている。
しかしながら、近年では定着装置の高速化や高画質化の要求が高まりから、ニップ部の圧力を従来に比して高めることが求められており、特許文献1に記載の定着装置の構成の場合、以下に説明するような懸念がある。
つまり、定着ベルトの内面と加圧パッドにコートされたフッ素系樹脂層が、ニップ部の圧力を高めたことに伴い急激に摩耗してしまい、定着ベルトを回転駆動するのに要するトルクが上昇してしまう恐れがある。その結果、定着ベルトと加圧パッドが摺動する部位においてスティックスリップと呼ばれる自励振動が発生し、これが無視できなくなると、それによる異音が使用者に不快感を与えてしまうことにつながる(本例では、このような現象を「鳴き」と呼ぶ)。
これは、フッ素系樹脂層自身が摺動に伴い削れることにより生じたその削れ粉が摩耗低減効果に寄与している為であり、このような特性に鑑み長期使用を考慮した場合、フッ素系樹脂層を相当程度厚くせざるを得ず、現実的な対策とは言えない。
また、定着ベルトと加圧パッドが摺動する部位に存在する潤滑剤が、コートされたフッ素系樹脂の特性によりはじかれてしまい、潤滑剤による潤滑効果が毀損されてしまう。
以上のように、定着ベルトや加圧パッドにフッ素系樹脂をコートすることにより、定着ベルトと加圧パッドの摺動による摩耗を抑制しようとしても、不十分な対応策であると言わざるを得ない。
特開2010−26489号公報
本発明の目的は、エンドレスベルトと加圧パッドの摺動による摩耗を適切に抑制することができる画像加熱装置を提供することである。
本発明の他の目的は、添付図面を参照しつつ、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、シート上のトナー像をニップ部にて加熱するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトに対向配置され前記エンドレスベルトとの間で前記ニップ部を形成する対向部材と、前記エンドレスベルトを前記対向部材に向けて加圧する加圧パッドと、を有する画像加熱装置であって、前記加圧パッドは前記エンドレスベルトの内面と摺動する金属製の摺動部を有し、前記摺動部には潤滑剤が塗布されており、前記摺動部の前記エンドレスベルトの移動方向における表面粗さをRzp、前記エンドレスベルトの内面の前記移動方向における表面粗さをRzb、としたとき、Rzp<Rzb、1.3μm≦Rzb、Rzp≦0.29μm、の関係を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、エンドレスベルトと加圧パッドの摺動による摩耗を適切に抑制することができる画像加熱装置を提供することができる。
実施例1における画像形成装置の構成模型図 (a)は実施例1における定着装置の正面模式図、(b)は同定着装置の縦断正面模式図 同定着装置の要部の拡大横断面模式図 ベルトユニットの分解斜視図 定着ベルトの層構成模式図 実施例2における定着装置の構成模式図 実施例3における定着装置の構成模式図
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の構成を他の公知の構成に置き換えることは可能である。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真方式を用いたカラー画像形成装置(カラープリンタ)である。Y・C・M・Kはそれぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー画像を形成する4つの電子写真画像形成部であり、下から上に順に配列してある。各画像形成部Y・C・M・Kは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23、クリーニング装置24等を有している。
画像形成部Yの現像装置23にはイエロートナーが、画像形成部Cの現像装置23にはシアントナーが、画像形成部Mの現像装置23にはマゼンタトナーが、画像形成部Kの現像装置23にはブラックトナーが、それぞれ収容されている。
感光体ドラム21に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系25が上記4つの画像形成部Y・C・M・Kに対応して設けられている。光学系としては、レーザー走査露光光学系を用いている。各画像形成部Y・C・M・Kにおいて、帯電装置22により一様に帯電された感光体ドラム21に対して光学系25より画像データに基づいた走査露光がなされることにより、感光体ドラム表面に走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。
それらの静電潜像が現像装置23によりトナー画像として現像される。すなわち、画像形成部Yの感光体ドラム21にはイエロートナー画像が形成される。画像形成部Cの感光体ドラム21にはシアントナー画像が形成される。画像形成部Mの感光体ドラム21にはマゼンタトナー画像が形成される。そして、画像形成部Kの感光体ドラム21にはブラックトナー画像が形成される。
各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上に形成された上記の色トナー画像は各感光体ドラム21の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体26上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより中間転写体26上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。本実施例においては、中間転写体26として、エンドレスの中間転写ベルトを用いている。中間転写ベルト26は、駆動ローラ27、二次転写ローラ対向ローラ28、テンションローラ29の3本のローラに巻きかけて張架してあり、駆動ローラ27によって駆動される。
各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上から中間転写ベルト26上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ30を用いている。一次転写ローラ30に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上から中間転写ベルト26に対してトナー画像が一次転写される。各画像形成部Y・C・M・Kにおいて感光体ドラム21上から中間転写ベルト26への一次転写後、感光体ドラム21上に転写残として残留したトナーはクリーニング装置24により除去される。
上記工程を中間転写ベルト26の回転に同調して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対して行い、中間転写ベルト6上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
一方、カセット31内の記録紙(記録材、シート)Pは、所定の制御タイミングにて給送ローラ32により一枚分離給送される。そして、レジストローラ33により所定のタイミングで、二次転写ローラ対向ローラ28に巻きかけられている中間転写ベルト26部分と二次転写ローラ34との圧接部であるに二次転写ニップ部に搬送される。
中間転写ベルト26上に形成された一次転写合成トナー画像は二次転写ニップ部を挟持搬送される記録紙Pに対して順次に一括して二次転写される。この転写は二次転写ローラ34に対して不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより静電的に行われる。二次転写ニップ部を出た記録紙Pは中間転写ベルト26から分離されて画像加熱装置である定着装置Aへ導入される。定着装置Aへ導入された記録紙Pは二次転写された未定着トナー画像の溶融混色定着処理を受けて、フルカラープリントとして排紙パス36を通って排紙トレイ37に送り出される。
また、二次転写後に中間転写ベルト26上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置35により除去される。
(2)定着装置A
以下の説明において、シート上のトナー像を加熱する画像加熱装置として機能する定着装置またはこれを構成している部材の長手方向とはニップ部Nにおける記録紙搬送方向に直交する方向に平行な方向であり、後述するように、定着ベルトの幅方向とも呼ぶ。また短手方向とは記録紙搬送方向に平行な方向であり、定着ベルトの移動方向(周方向)とも呼ぶ。定着装置に関し、正面とは装置を記録紙入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録紙出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは記録紙搬送方向に関して上流側と下流側である。
図2の(a)は定着装置Aの正面模式図、(b)は同装置の縦断正面模式図である。図3は要部の拡大横断面模式図である。本実施例における定着装置Aは、外部加熱型の電磁誘導加熱方式、ベルト方式の画像加熱装置である。
この定着装置Aは、大別して、回転可能な無端状のベルト部材を有するベルトユニット10と、対向部材(ニップ形成部材)としての弾性を有する加圧ローラ(加圧部材)2と、加熱機構(磁場発生手段)としてのコイルユニット11と、を有する。そして、これらのベルトユニット10、加圧ローラ2、コイルユニット11が装置シャーシ(装置フレーム)12に対して組み付けられている。
(2−1)ベルトユニット10
図4はベルトユニット10の分解斜視図である。ベルトユニット10は、後述するコイルユニット11から発生される磁界が存在する領域を通過したときに電磁誘導発熱する磁性部材(金属層、導電部材)で構成される回転可能な無端状のベルト部材(以下、定着ベルトと記す)1を有する。また、定着ベルト1の内側に挿入された金属製のステー4を有する。ステー4は定着ニップ部Nに圧力を加えるために剛性が求められるため、本実施例では鉄製であり、横断面矩形の剛性を有する中空型材を用いている。
ステー4の下面にはステー4の長手方向に沿って加圧パッド(圧力付与部材)3が固定されている。加圧パッド3は、定着時(定着ベルトが回転しているとき)、実質非回転となるように設置されており、定着ベルト1と加圧ローラ2との間に押圧力を作用させて定着ニップ部Nを形成するための部材である。
加圧パッド3は、定着ベルト1の内面側の摺動層1d(図5)と摺擦する金属製の固定部材(摺動部)3aと、固定部材を保持するとともにステー4への熱の逃げを防止するための保持部材(断熱体)3bからなる。固定部材3a(定着ベルトの内面)には潤滑剤gが塗布されている。この加圧パッド3の更なる詳細については後述する。
なお、本例では、金属製の摺動部3aを用いていることから、先に説明した特開2010−26489号に記載の装置のように、摺動部3aにはフッ素系樹脂がコートされておらず、また、低摺動性シートのようなものも被覆されていない。
また、ステー4の上面側にはコイルユニット11から発生される磁場(磁界)の作用でステー4が誘導加熱して温度上昇するのを防止するための磁気遮蔽部材としての横断面ほぼ半円弧状の磁気遮蔽コア5がステー長手にわたって配設されている。
ステー4の左右両端部にはそれぞれ延長腕部4aが設けられていて、その延長腕部4aがそれぞれ定着ベルト1の左右両端部から外方に突出している。そして、その左右の延長腕部4aに対してそれぞれ左右対称形状のフランジ部材8L・8Rが嵌着されている。定着ベルト1は上記のステー4・加圧パッド3・コア5のアセンブリに対してルーズに外嵌されている。左右のフランジ部材8L・8Rはフランジ部8aにより定着ベルト1の長手方向移動および周方向の形状を規制する。
加圧パッド3の長手中央部には定着ベルト1の温度を検知する温度検知手段(温度検出素子)としてのサーミスタ等の温度センサTHが弾性支持部材9を介して配設されている。温度センサTHは定着ベルト1の内面に対して弾性支持部材9により弾性的に当接している。これにより、定着ベルト1のセンサ当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしても温度センサTHがこれに追従して良好な接触状態が維持される。
上記のベルトユニット10は装置シャーシ12の左右の側板12L・12R間に左右のフランジ部材8L・8Rの受圧部8bをそれぞれ側板12L・12Rに配設されている縦ガイドスリット部12a(図2の(b))に係合させて配設されている。したがって、ベルトユニット10は左右の側板12L・12R間において縦ガイドスリット部12aに沿って上下方向に移動自由度を有する。
図5は定着ベルト1の層構成模型図である。定着ベルト1は内径が30mmで電気鋳造法によって製造したニッケル基層(金属層)1aを有している。この基層1aの厚みは40μmである。定着ベルト1の基層1aにはニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などを適宜選択可能である。基層1aの厚みは、後述するコイルユニット11の励磁コイル6に流す高周波電流の周波数と基層1aの透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。このとき、金属層が薄くなる場合は、樹脂基材に金属層を積層させて、基層1aとして用いることもできる。
基層1aの外周には弾性層1bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。シリコーンゴム層の厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。本実施例では、定着ベルト1の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、シリコーンゴム層の厚みは300μmとされている。このシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。更に弾性層1bの外周には、表面離型層1cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
基層1aの内面側には、摺動層1dが設けられている。後述するように摺動性と耐摩耗性の観点から、摺動層1dは2〜50μm程度の耐熱性樹脂が望ましい。また、加圧パッド3の固定部材(摺動部)3aに塗布したフッ素系グリスである潤滑剤gを弾いてしまい、潤滑剤gの保持性を満足することができないため、フッ素系樹脂をコートする構成は望ましくない。
そこで、本例では、摺動層1dとしては、耐熱性及び耐摩耗性を満足する、厚さ15μmのポリイミド樹脂層(ポリイミド樹脂製の表層)となっている。摺動層1dのビッカース硬度は、12HVとなっている。単位面積あたりの摺動距離(摩耗距離)が長くなり易い固定部材3aよりも摺動層1dを柔らくする。これにより、潤滑剤gをニップ(加圧パッド3の固定部材3aと摺動層1dとの押圧接触部)に供給するために十点平均粗さRzを大きくしても相手側の部材を摩耗しにくくすることができる。
つまり、摺動層1dのビッカース硬度を固定部材3aのビッカース硬度よりも小さくするのが好ましい。なお、本例では、ビッカース硬度は、フィッシャー製のFISHER SCOPE HM2000 により測定している。
また、本例では、定着ベルト1の内面(摺動層1d)の表面粗さRzを大きくすることにより定着ベルト1の内面によるニップ部への潤滑剤の搬送性能(供給能力)を高めている。一方、このような定着ベルト1の内面の表面粗さRz(潤滑剤のニップ部への供給能力)を長期に亘り維持させるのが好ましい。
具体的には、加圧パッド3の摺動面(定着ベルトとの摺動面)の短手方向(定着ベルトの移動方向)における表面粗さRz(Rzp)を、定着ベルト1の内面(摺動層1d)の短手方向(定着ベルトの移動方向)におけるRz(Rzb)よりも小さくしている。その際、定着ベルト1の内面(摺動層1d)の短手方向における表面粗さRz(Rzb)は、1.3μm以上にするのが好ましい。そして、加圧パッド3の摺動面の短手方向における表面粗さRz(Rzp)は、0.29μm以下にするのが好ましい。
さらに、定着ベルト1の摺動層1dの表面粗さRzの異方性について、説明する。定着ベルト1の摺動層1dの表面粗さについて、短手方向(定着ベルトの移動方向)の表面粗さRz↓(Rzb)を大きくすると、潤滑剤gを摺動層1dに保持し易くなり、ニップ部内への潤滑剤供給能力が向上できることから好ましい。
また、定着ベルト1の摺動層1dの長手方向(定着ベルトの幅方向)の表面粗さRz(Rzp’)を小さくすると、長手方向に形成された凹部から潤滑剤がすり抜け難くなり、ニップ部内に潤滑剤を保持する能力を向上させることができることから好ましい。
そこで、定着ベルト1の摺動層1dについて、長手方向(定着ベルトの移動方向と直交する方向)よりも短手方向(定着ベルトの移動方向(周方向))の表面粗さRzを大きくするのが好ましい。その結果、定着ベルト1が回転した際、短手方向の深い溝に潤滑剤gが保持され、ニップ外の潤滑剤gを効率よくニップに供給することができる。
よって、本実施例の構成では、定着ベルト1の内面層である摺動層1dの内面の十点平均粗さRzは、短手方向で1.3〜13μm(1.3μm以上)になるように設定している。そして、短手方向のRz↓(Rzb)と長手方向のRz→(Rzb’)の関係が、Rz↓>Rz→、になるように設定している。
本実施例では、摺動層1dの内面のポリイミドを成型後に、ブラスト処理された研磨棒により長手方向に内面研磨を行うことで、上記の十点平均粗さRzになるように加工した。なお、基層1aとして、樹脂基材に銅などの金属を積層させる場合は、樹脂基材成型時の内型を粗面化して構成することも可能である。
(2−2)加圧ローラ2
定着ベルトを回転駆動する駆動機構として機能する加圧ローラ2は、上記のベルトユニット10側のベルト部材である定着ベルト1に対向配置され定着ベルト1の外面との間でニップ部を形成する対向部材である。加圧ローラ2は、ベルトユニット10の下側において、軸線方向をベルトユニット10の長手方向にほぼ並行にして、装置シャーシ12の左右の側板12L・12R間に軸受13を介して回転可能に配設されている。
本実施例において、加圧ローラ2は、長手方向中央部の径が20mmで両端部の径が19mmである鉄合金製の芯金2aに、弾性層2bとしてシリコーンゴム層が設けてある、外径が30mmの弾性ローラである。表面は離型層2cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。加圧ローラ2の長手方向中央部における硬度は、ASK−C70℃である。
ベルトユニット10側の左右のフランジ部材8L・8Rの各受圧部8bと装置シャーシ側のバネ受け部材12bとの間にはそれぞれ加圧バネ14L・14Rが縮設されている。この加圧バネ14L・14Rの圧縮反力によりステー4の左右両端部側にそれぞれ押し下げ力が作用する。これにより、加圧パッド3の下面と加圧ローラ2の上面とが定着ベルト1を挟んで加圧ローラ2の弾性に抗して圧接して定着ベルト1と加圧ローラ2との間に記録紙搬送方向aにおいて所定幅の定着ニップ部(ニップ部)Nが形成される。
加圧ローラ2の芯金2aにテーパー形状をつけているのは、加圧した時に加圧パッド3が撓んでも定着ベルト1と加圧ローラ2との圧接で形成される定着ニップ部N内の圧力が長手方向にわたって均一になるようにするためである。本実施例における定着ニップ部Nの幅は、ニップ圧が600Nにおいては、長手方向両端部で約9mm、中央部では約8.5mmである。これは記録紙Pの両端部での搬送速度が中央部と比べて速くなるので紙しわが発生しにくくなるという利点がある。
芯金2aの右側の端部にはドライブギアGが固定して配設されている。このギアGに対して制御回路部100で制御される定着モータMの駆動力がギア列を介して伝達されて、加圧ローラ2が図3において矢印R2の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
この加圧ローラ2の回転により、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ2の表面と定着ベルト1の表面との摩擦力で定着ベルト1に回転力が作用する。定着ベルト1はその内面が加圧パッド3の下面(摺動部)に密着して摺動しながらステー4・加圧パッド3・コア5の外周りを図3の矢印R1の時計方向に加圧ローラ2の回転速度とほぼ同じ速度で従動回転する。
(2−3)コイルユニット11
コイルユニット11は定着ベルト1を誘導加熱する加熱源(誘導加熱装置)であり、ベルトユニット10の上面側において、装置シャーシ12の左右の側板12L・12Rに対して位置が固定されて配設されている。コイルユニット11は定着ベルト1に沿って長いハウジング15の内部に励磁コイル6、磁性体コア7等を組み付けたものである。
ハウジング15は左右方向を長手とする横長箱型の耐熱樹脂成型品(電気絶縁性樹脂のモールド部材)である。ハウジング15の底板15a側が定着ベルト1に対する対向面である。底板15aは横断面において定着ベルト1の外周面の略半周範囲に沿うようにハウジング15の内側に湾曲している。ハウジング15は底板15a側を定着ベルト1の上面に対して所定のギャップ(隙間)αを存して対面させて、左右両端部をそれぞれ左右の側板12L・12Rに対してブラケット16で固定して配設される。
コイル6は、電線として例えばリッツ線を用い、これを、横長・船底状にして定着ベルト1の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。そして、ハウジング内側に湾曲しているハウジング底板15aの内面に当てがわれてハウジング内部に収められている。コイル6には、制御回路部100で制御される電源装置(励磁回路)101から20〜50kHzの高周波電流が印加される。コア7は、コイル6によって発生した磁界が定着ベルト1の金属層(導電層)以外に実質漏れないようにコイル6を覆わせた外側磁性体コアである。
(2−4)定着シーケンス
画像形成装置のスタンバイ状態においては、定着装置Aは、定着モータMがOFFにされていて加圧ローラ2の回転は停止している。従って、定着ベルト1も回転停止されている。制御回路部100は、画像形成スタート信号の入力に基づいて定着モータMをONする。これにより、加圧ローラ2が図3において矢印R2の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。この加圧ローラ2の回転により定着ベルト1が矢印R1の時計方向に加圧ローラ2の回転速度とほぼ同じ速度で従動回転する。定着ベルト1の回転に伴うスラスト方向への移動は左右のフランジ部材8L・8Rのフランジ部8aにより規制される。
定着ベルト1は、少なくとも画像形成実行時には、制御回路部100で制御される定着モータMによって加圧ローラ2が回転駆動されることで上記のように従動回転する。この回転は、二次転写ニップ部側から搬送されてくる、未定着のトナー画像tを担持した記録紙Pの搬送速度とほぼ同一の周速度でなされる。
制御回路部100は電源装置101からコイル6に対して、例えば20kHz〜500kHzの交番電流(高周波電流)を供給する。コイル6は交番電流の供給により交番磁束(磁場)を発生する。その交番磁束がコア6により回転している定着ベルト1の上面側において定着ベルト1の金属層1aに導かれる。そうすると、金属層1aに渦電流が発生して、その渦電流によるジュール熱により金属層1aが自己発熱(電磁誘導発熱)してベルト1が昇温していく。
即ち、回転する定着ベルト1はコイルユニット11から発生される磁界が存在する領域を通過したときに金属層1aが電磁誘導発熱して全周的に加熱されて昇温する。本実施例において、定着ベルト1とコイルユニット11のコイル6は厚さ0.5mmのハウジング底板(モールド)15aにより電気絶縁の状態を保つ。そして、定着ベルト1とコイル6との間隔は1.5mm(ハウジング底板15aの表面とベルト表面の距離(隙間α)は1.0mm)で一定であり、定着ベルト1は均一に加熱される。
この定着ベルト1の温度が温度センサTHにより検知される。温度センサTHはベルト1の通紙域になる部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御回路部100にフィードバックされる。制御回路部(温度制御手段)100はこの温度センサTHから入力する検知温度(検知される温度に関する情報)が所定の目標温度(定着温度:所定の温度に対応する情報)に維持されるように電源装置101からコイル6に対する供給電力を制御している。
すなわち、定着ベルト1の検出温度が所定温度に昇温した場合、コイル6への通電が遮断される。本実施例では、定着ベルト1の目標温度である180℃で一定になるように、温度センサTHの検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させてコイル6に入力する電力を制御して温度調節を行っている。
加圧ローラ2が駆動され、定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、定着ニップ部Nに未定着のトナー画像tを有する記録紙Pがそのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けて記録紙搬送ガイドで案内されて導入される。記録紙Pは定着ニップ部Nにおいて定着ベルト1の外周面に密着しつつ搬送される。
これにより、主に定着ベルト1から熱が付与され、また定着ニップ部Nにおいて圧力を受けて未定着トナー画像tが記録紙Pの表面に加熱加圧されて固着画像として定着される。定着ニップ部Nを通った記録紙Pは定着ベルト1の外周面から定着ベルト1の表面が定着ニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離(曲率分離)して定着装置外へ搬送される。
(2−5)スティックスリップに起因する異音対策
定着ベルト1と加圧ローラ2との間に押圧力を作用させて定着ニップ部Nを形成する加圧パッド3は、加圧バネ(付勢部材)14L・14Rにより長手端部から加圧ローラ2の方向に加圧されている。加圧パッド3の固定部材3aは定着ベルト1の回転に伴い定着ベルト1の摺動層1dと摺動する摺動部であり、この摺動部には潤滑性を付与するための潤滑剤(フッ素系グリス)gが塗布されている。
潤滑剤gは、固体成分(コンパウンド)と基油成分(オイル)からなる半固体状潤滑剤(以下、グリス)であり、固定部材3aと定着ベルト1の摺動層1dとの摺動性を確保している。
半固形状潤滑剤のコンパウンドとしては、グラファイトや二硫化モリブデンなど固体潤滑剤、酸化亜鉛やシリカなど金属酸化物、PFPEやPTFEなどフッ素樹脂などが挙げられる。これらの材料は全て、粒径が3μm程度の粉体としてグリスに添加されている。また、基油成分としては、シリコーンオイルやフルオロシリコーンオイルなど、耐熱性のある高分子樹脂オイルが挙げられる。本実施例では、グリスを構成するコンパウンドとしてPTFE粉体微粒子(粒径3μm)、オイルとしてフルオロシリコーンオイルを用いたグリスを使用した。
保持部材3bは、摺動部である固定部材3aが摺動層1dとの摩擦力により動かないように凹み部3cに固定部材3aを保持する構成になっている。即ち、保持部材3bの下面には長手に沿って凹み部3cが形成していいて、この凹み部3cに対して細長い他板状の固定部材3aを嵌め込んで保持する構成になっている。保持部材3bには、記録紙Pを効率よく加熱し、定着ニップ部Nからステー4への熱の逃げを防ぐため、PPSや液晶ポリマーのような熱伝導率の低い耐熱性樹脂材料を用いることが望ましい。
摺動部である固定部材3aは金属により構成されている。本実施例においては、固定部材3aは厚さ2mmの金属板であり、定着ベルト1の摺動層1dとの摺動性を確保するために、保持部材3aの凹み部3cに固定されている。本実施例では、潤滑剤(グリス)gとの濡れ性を確保し、摺動部にグリスgを保持するために、表面エネルギーの高いSUS304を用いている。
固定部材3aのビッカース硬度を測定したところ195HVであった。単位面積あたりの摺動距離(摩耗距離)が長くなりやすい固定部材3aを摺動層1dよりも硬くすることで、摩耗しにくくすることができる。
ここで、加圧パッド3の摺動部(固定部材3a)の表面粗さRz(十点平均粗さ)の異方性について、説明する。
固定部材3aの短手方向(定着ベルトの移動方向)のRz(Rzp)について、ニップ部への潤滑剤供給能力を高める為に粗面化された定着ベルト1の内面(摺動層1d)を摩耗させてしまうのを抑制するため、小さくすることが好ましい。一方、固定部材3aの長手方向(定着ベルトの幅方向)のRz(Rzp’)について、潤滑剤gが固定部材3aの長手方向へ濡れ広がり難くなるようにして潤滑剤gをニップ部内に十分に保持させるため、大きくすることが好ましい。
そこで、固定部材3aの短手方向のRz(Rzp)よりも長手方向(定着ベルトの幅方向、定着ベルトの移動方向に直交する方向)のRz(Rzp’)を大きくするのが好ましい。その結果、固定部材3aの凹部の部分に潤滑剤gが十分に保持され、定着ベルト1の回転に要する駆動トルクを低減させることが可能となる。
よって本実施例の構成では、固定部材3aの摺動層1dとの摺動面側は、十点平均粗さ(Rz)が短手方向で0.01〜0.29μm(0.29μm以下)に設定されている。また、短手方向のRz↓(Rzp)と長手方向のRz→(Rzp’)の関係が、Rz↓(Rzp)<Rz→(Rzp’)となるように設定されている。
本実施例では、加圧パッド3の摺動部(固定部材3a)を構成するSUS板304の圧延方向が長手方向(定着ベルトの幅方向)とほぼ平行となるように設置することで、表面粗さRzの異方性を満足させている。
(2−6)表面粗さRzの測定方法
上述した定着ベルト1(摺動層1d)と加圧パッド3(固定部材3a)の表面粗さRz(十点平均粗さ)は以下の方法により測定することができる。
なお、本例では、十点平均粗さは、RzJIS(‘94JIS)と呼ばれるものであるが、上述のように、本例では単にRzと呼んでいる。測定は、Surfcorder SE3500(小坂研究所製)用いた(JIS B0601に準拠)。測定条件としては、基準長さ(カットオフ長さ)は0.8mm、評価長さは4mm、送り速度は0.2mm/secとなっている。また、測定は、粗さ計の触針が摺動層1dや固定部材3aの表面形状に追従し難くなることから、潤滑剤gが塗布されていない状態で行った。
具体的には、定着ベルト1の場合、円筒状の定着ベルト1を切断して切り開いて測定する。そして、Rz(Rzb)は、粗さ計の触針を定着ベルト1の内面に当接させた状態で短手方向(定着ベルトの移動方向)へ移動させて測定する。一方、Rz(Rzb’)は、粗さ計の触針を定着ベルト1の内面に当接させた状態で長手方向(定着ベルトの幅方向)へ移動させて測定する。
そして、測定部位は、長手方向中央の位置、長手方向中央から長手方向両端側へそれぞれ150mmオフセットした位置の3か所、この条件で定着ベルト1の移動方向(周方向)へ120°間隔で3箇所、計9箇所測定した。これらの測定値を平均化処理することにより、定着ベルトの長手方向のRz(Rzb)と短手方向のRz(Rzb’)をそれぞれ求めた。
一方、加圧パッド3の場合、粗さ計の触針の移動のさせ方は上記と同様である。測定部位は、定着ベルト1と接触する領域の短手方向中央で且つ長手方向中央の位置の1箇所、この長手方向中央位置から長手方向両端側へそれぞれ150mmオフセットした位置の2箇所、計3箇所測定した。そして、これらの測定値を平均化処理することにより、加圧パッドの短手方向のRz(Rzp)と長手方向のRz(Rzp’)をそれぞれ求めた。
(2−7)通紙による耐久評価
1)実験例1〜4
本実施例の構成における性能を評価するため、固定部材3aおよび摺動層1dの対向する表面粗さを調整し、表1の実験例1〜4になるように調整し作成した。
これらの性能を確認するため、キヤノン株式会社製カラー複合機image RUNNER ADVANCE C7065(image RUNNERは登録商標)に本例の定着装置Aが搭載できるように改造し評価を行った。このとき、固定部材3aには潤滑剤(グリス)gを1.5g塗布されている。
また、この複合機は、記録紙として、普通紙、厚紙、OHTシート(オーバーヘッドプロジェクター用の透明樹脂シート)に少なくとも画像形成が可能となっている。そして、プロセススピード(定着スピード)は、普通紙を1とすると、厚紙では1/2、OHTシートでは1/3となるように構成して評価を行った。
それぞれの実験例1〜4の条件下で、100枚のOHTシートに連続してベタ黒画像を形成し、その間に、スティックスリップに起因する異音の発生の有無について検証したところ、実験例1〜4において、このような問題は確認されなかった。
更に、30万枚の普通紙を連続して通紙させた後、続けて、100枚のOHTシートにベタ黒画像を連続して形成したところ、その間に、スティックスリップに起因する異音の発生は認められなかった。結果を表1に示す。
また、本例の定着装置Aの駆動モータMのトルク上限は、20kgf・cmであるが、このトルクを上回り駆動モータMが過負荷により停止してしまうようなことはなかった。
2)比較例1
比較例1では、実験例3の摺動層1dを有する定着ベルト1と固定部材3aを用いるとともに、この固定部材3aをフッ素系樹脂であるPTFEをコートしている。通紙耐久試験は、実験例1〜4と同様の条件で行った。
比較例1の構成では、固定部材3aに低摩擦係数のPTFEをコートした為に、トルクの上限を上回り、モータMが停止してしまうようなことはなかった。しかし、普通紙を30万枚通紙させた後の100枚のOHTシートへのプリント時において、上述した「鳴き」現象が発生してしまった。
これは、PTFEによるコートにより、固定部材3aに保持されるべき潤滑剤gを弾いてしまうため、プロセススピードの遅いOHTシートへのプリント時にスティックスリップを引き起こした為であると考えられる。通紙耐久試験終了後に固定部材3aを観察してみると、PTFE樹脂のコート層が削りとられて、SUS304がむき出しになってしまっていた。
3)実験例5
本実験例5では、実験例3と同様の摺動層1dを有する定着ベルト1を用いるとともに、固定部材3aとしては短手方向におけるRzが0.29μmよりも大きい0.5μmとなるように研磨調整したものを用いている。通紙耐久試験は、実験例1〜4と同様の条件で行った。
本実験例5の構成では、トルクの上限を上回ることはなかった。そして、30万枚の普通紙を連続通紙した後の100枚のOHTシートへの連続プリント時では、実用上問題になるレベルではない(△)ものの、「鳴き」が僅かに発生した。
これは、固定部材3aの定着ベルト1の短手方向(ベルトの移動方向)におけるRz(Rzp)が0.29μmよりも大きいため、固定部材3aの凹凸により、摺動層1dであるポリイミド樹脂層を研磨して(削り取って)しまったためと思われる。通紙耐久試験終了後に定着ベルト1を切り開いて内面を観察してみると、摺動層1dの一部が削りとられて、基層1aが部分的にむき出しになってしまっていた。
4)実験例6
本実験例6では、実験例1の固定部材3aを用いるとともに、摺動層1dとしては短手方向のRzのほうが長手方向のRzよりも小さくなるように研磨調整したものを上記と同様に通紙耐久試験を行った。
本実験例6の構成では、トルクの上限を上回り、モータが停止してしまうようなことはなかった。そして、30万枚の普通紙を連続通紙した後の100枚のOHTシートへの連続プリント時では、実用上問題になるレベルではない(△)ものの、「鳴き」が僅かに発生した。これは、摺動層1dの定着ベルト1の短手方向のRzより長手方向のRzが大きいため、摺動層1dの短手方向で潤滑剤gを保持する量にムラができてしまった為であると考えられる。
その結果、長手方向で局所的に潤滑剤gが不足する部分が発生し、固定部材3aと摺動層1dが潤滑剤gを介さずに摺動し軽微なスティックスリップが発生した為であると考えられる。
5)実験例7
本実験例7では、実験例3の摺動層1dを用いるとともに、固定部材3aとしては長手方向のRzのほうが短手方向のRzよりも小さくなるように研磨調整したものを上記と同様に通紙耐久試験を行った。
本実験例7の構成では、30万枚の普通紙を連続通紙した後の100枚のOHTシートへの連続プリント時では、実用上問題になるレベルではない(△)ものの、「鳴き」が僅かに発生した。これは、固定部材3aの長手方向のRzより短手方向のRzが大きいため、固定部材3aの長手方向で潤滑剤gを保持する量にムラができてしまったものと考えられる。その結果、長手方向で局所的に潤滑剤gが不足する部分が発生し、固定部材3aと摺動層1dが潤滑剤gを介さずに摺動し軽微なスティックスリップが発生した為であると考えられる。
6)比較例2
比較例2として、摺動層1d側にフッ素系樹脂(PTFE)コートを施し、固定部材3aは実験例1と同様のものを用いている。それぞれのRzが表1となるように研磨調整したものを上記と同様に通紙耐久試験を行った。
比較例2の構成では、30万枚の普通紙を連続通紙した後の100枚のOHTシートへの連続プリント時では、「鳴き」が発生した。
これは、PTFEによるコートにより、摺動層1dに保持されるべき潤滑剤gを弾いてしまうため、プロセススピードの遅いOHTシートへのプリント時にスティックスリップを引き起こした為であると考えられる。通紙耐久試験終了後に摺動層1dを観察してみると、PTFE樹脂のコート層が削りとられて、一部基層1aがむき出しになってしまっていた。
[実施例2]
図6は本実施例における定着装置Aの要部の断面模式図である。この定着装置Aは、上下に配設した、回転可能な無端状の第1のベルト部材43を有する第1のベルトユニット41と、回転可能な無端状の第2のベルト部材47を有する第2のベルトユニット42と、を備えている。第2のベルトユニット42が第1のベルトユニット41のベルト部材43の外面とニップ部を形成する対向部材である。この両ユニット41・42の第1のベルト部材としての定着ベルト43と第2のベルト部材としての加圧ベルト47とを圧接させて定着ニップ部Nを形成させている。
そして、その定着ニップ部Nで、未定着のトナー画像tを担持した記録紙Pを挟持搬送して、加熱されている定着ベルト43の熱と、定着ニップ部Nの圧力とで、未定着トナー画像tを記録紙Pの面に固着画像として加熱加圧定着するものである。
第1のベルトユニット41は、上記の定着ベルト43、この定着ベルト43を懸架させた加熱ローラ44および定着ローラ45、非回転の圧力付与部材(第1の固定部材)としての定着パッド46等を有している。
第2のベルトユニット42は、上記の加圧ベルト47、この加圧ベルト47を懸架させたテンションローラ48および加圧ローラ49、非回転の圧力付与部材(第2の固定部材)としての加圧パッド50等を有している。
1)定着ベルト43
定着ベルト43は、内径が40mmで、厚みが50μmのNiを基層とし、基層の外周には弾性層が300μmの厚みで設けられている。基層の材料としては、Niの代わりにSUSやポリイミド等の樹脂を使用することができる。
また、弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。本実施例では、シリコーンゴムを用い、硬度はJIS−A20度、熱伝導率は0.8W/mKである。この弾性層の変形によって、定着ベルト43への記録紙の巻きつきを防止し、定着ベルト43からの記録紙の良好な分離性能を得ることができる。
更に弾性層の外周には、表面離型層としてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。また、基層の内面には、実験例3と同様に摺動層として15μm厚のポリイミドコートが施され、Rzは短手方向/長手方向で4.0/0.5μmとなっている。
2)加熱ローラ44
加熱ローラ44は、定着ローラ45との間に定着ベルト23を張架支持するとともに、定着ベルト43を加熱する加熱手段である。この加熱ローラ44は、外径が20mmで、内径が18mmである、厚さ1mmの鉄製の中空ローラである。ローラ内部には加熱源(加熱手段)としてのハロゲンヒータ44aを配置している。加熱ローラ44は、ローラ両端部を装置フレーム(不図示)の側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させるとともに、定着ベルト43のテンションローラとしても機能するように、定着ローラ45から離間する方向に移動付勢して配設してある。
3)定着ローラ45
定着ローラ45は、加熱ローラ44との間に定着ベルト43を張架支持するとともに、定着ベルト43を回転させる駆動ローラである。定着ローラ45は、加熱ローラ44よりも記録紙搬送方向下流側において加熱ローラ44に並行に配列して、両端部を装置フレームの側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させて配設してある。定着ベルト43の回転は、定着ローラ45をモータ(駆動源)Mによって駆動し、定着ローラ45のシリコーンゴム表面と定着ベルト45の内面Ni層との摩擦によって回転する。
定着ローラ45は、径が18mmである鉄合金ローラを芯金45aとし、この芯金の周面に、弾性層45bとして厚さ1mmのシリコーンゴム層を設けた、外径20mmの高摩擦の弾性ローラである。シリコーンゴムの硬度はJIS−A15度、熱伝導率は0.8W/mKである。
このように弾性層45bを設けることで、モータMから駆動ギア列を介して定着ローラ45に入力された駆動力を定着ベルト43へ良好に伝達することができるとともに、定着ベルト43からの記録紙の分離性を確保するための定着ニップ部を形成できる。シリコーンゴム層によって、内部への熱伝導も少なくなるためウォーミングアップタイムの短縮にも効果がある。なお、後述するが、定着ニップの圧がこの定着ローラ43により懸架されている領域において最大値となるように設定されている。
4)定着パッド46
定着パッド46は、定着ベルト43を加圧ベルト47に向けて加圧する部材であり、加熱ローラ44と定着ローラ45との間に張架された定着ベルト43の下行側ベルト部分の内面に接触させて配設してある。定着パッド46は定着ローラ45に対しては非接触に近接配置されている。本実施例では定着ローラ45と定着パッド46間の最近接部での離間距離(ギャップ)が5mmに設定されている。
このように、定着ローラ45は駆動ローラとしての機能を満足するため摩擦係数の大きい弾性ローラとする。そして、この定着ローラ45に対しては定着パッド46を非接触に近接配置する。これにより、定着ローラ45の駆動に要する搬送トルクが大きくなり過ぎてしまうのを防止し、定着ベルト43の搬送性を安定化させることができる。
また、定着ローラ45と定着パッド46は、不図示の側板で位置決めされている。そして、加圧ローラ49の軸中心と定着ローラ45の軸中心とを結ぶ方向に対して、定着ローラ45の下面に対する定着パッド46の下面が0.2mm高くなるように構成されている。
本実施例において、定着パッド46は、幅12mm程度(記録紙搬送方向に関して)のSUS304製の部材で構成(金属により構成)されている。そして実験例1と同様にRzは短手方向/長手方向で0.2/0.4μmとなっており、実施例1と同じ潤滑剤gが同量塗布されている。
5)加圧ベルト47
加圧ベルト47は、内径が40mmで、厚みが50μmの、ニッケル製のエンドレスベルトを基層とし、その内面に、摺動性を上げるための滑性層として、厚み15μmのポリイミドコートが設けられている。表面には、離型層として、フッ素樹脂であるPFAチューブを30μmの厚みで設けられている。
6)テンションローラ48
テンションローラ48は、加圧ローラ49との間に懸回した加圧ベルト47に張りを付与するローラである。このテンションローラ48は、径が16mmである鉄合金製の芯金48aの外周面に、熱伝導率を小さくして加圧ベルト47からの熱伝導を小さくするためにシリコーンスポンジ層48bを設けてある、外径が20mmの断熱ローラである。テンションローラ48は、ローラ両端部を装置フレームの側板間に軸受部材を介して回転可能に支持させるとともに、加圧ベルト47のテンションローラとして加圧ローラ49から離間する方向に移動付勢して配設してある。
7)加圧ローラ49
加圧ローラ49は、テンションローラ48との間に加圧ベルト47を張架支持するローラである。加圧ローラ9は、外径が23.5mmで、内径が19.5mmである厚さ2mmの鉄合金製の低摩擦の剛性ローラである。加圧ローラ26は、回転軸の両端側が定着ローラ45に向けて加圧機構により所定の加圧力にて加圧されている。これにより、定着ローラ45と加圧ローラ49は定着ベルト43と加圧ベルト47を介して挟んで弾性層45bの弾性に抗して圧接してローラニップ面を形成している。
8)加圧パッド50
加圧パッド50は、加圧ベルト47を定着ベルト43に向けて加圧する部材であり、テンションローラ48と加圧ローラ49との間に張架された加圧ベルト47の上行側ベルト部分の内面に接触させて配設してある。加圧パッド50は剛性ローラである加圧ローラ49とは非接触に配置されている。加圧パッド50は実験例1と同様にSUS304製であり、Rzは短手方向/長手方向で0.2/0.4μmとなっており、実施例1と同じ潤滑剤gが同量塗布されている。
定着パッド46と加圧パッド50との間に定着ベルト43と加圧ベルト47が挟み込まれて圧接し、両ベルト43・47間に定着ニップ部が形成される。本実施例においては、定着ローラ45と加圧ローラ49との加圧と、定着パッド46と加圧パッド50との加圧とにより、定着ベルト43と加圧ベルト47との間に、記録紙搬送方向に関して幅約18mmの広いニップ幅の定着ニップ部Nを形成させている。また、定着ニップ部Nにおいて、定着ニップの圧が、定着ローラ45と加圧ローラ49との圧接部領域において最大となるように設定されている。
このようにニップ幅が広いので、画像形成の高速化を図ったとしても充分に定着を行うことが可能になる。また、定着に関係する部材として定着側、加圧側共にエンドレスベルト43・47を採用したことで、従来よりも低熱容量化を図ることが可能となった。その結果、ウォームアップ時間(画像形成装置のハードスイッチである主電源オン時から定着可能な状態となるまでに要する時間)の短縮化に貢献している。
9)定着シーケンス
定着ベルト43は、少なくとも画像形成実行時には、モータMによって定着ローラ45が回転駆動されることで、矢印R43の時計方向に回転駆動される。定着ベルト43の周速度は、記録紙にループを形成するため画像形成部側から搬送されてくる記録紙Pの搬送速度に比して僅かに遅い周速とされている。
加圧ベルト47は、定着ベルト43に従動して矢印R47の反時計方向に回転する。ここで、定着ニップ最下流の部分(定着ニップでの圧分布(シート搬送方向)が最大となる部分)をローラ対45・49により定着ベルト43と加圧ベルト47を挟んで搬送する構成としたことで、ベルトのスリップを防止することができる。本実施例の場合、定着ベルト43の周速は300mm/secとされ、A4サイズのフルカラー画像を1分間に70枚定着することが可能である。
一方、加熱ローラ44は、定着ベルト43が回転されている状態において、ハロゲンヒータ44aの発熱により加熱される。ハロゲンヒータ44aは、制御回路部(不図示)で制御される給電回路(不図示)から電力が供給されて発熱する。この加熱された加熱ローラ44により、回転状態の定着ベルト43が加熱される。
定着ベルト43の表面温度が温度センサ(不図示)により検出されて、定着ベルト表面温度に関する電気的情報が制御回路部に入力する。制御回路部はこの入力温度データを基に、給電回路からハロゲンヒータ44aへの供給電力を加減して、温度センサで検出される定着ベルト表面温度が所定の定着温度に維持されるように温調制御する。
定着ベルト43が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、定着ベルト43と加圧ベルト47間の定着ニップ部Nに、未定着のトナー画像tを担持した記録紙Pが搬送される。記録紙Pは、未定着トナー画像tを担持した面を、定着ベルト43側に向けて導入される。そして、記録紙Pの未定着トナー画像tが定着ベルト43の外周面に密着したまま挟持搬送されていくことにより、主に定着ベルト43から熱が付与され、また加圧力を受けて未定着トナー画像tが記録紙Pの表面に定着される。
また、定着ベルト43内の定着ローラ45がゴム層45bを有する弾性ローラであり、加圧ベルト47内の加圧ローラ49は鉄合金製の剛性ローラであるため、定着ベルト43と加圧ベルト47との定着ニップ出口では定着ローラ45の変形が大きくなっている。その結果、定着ベルト43も大きく変形し、トナー画像を担持した記録紙Pは定着ベルト43から自らのこしにより曲率分離される。
本実施例2の定着装置Aを、実験例1〜4と同様に、画像形成装置に搭載できるように改造し通紙耐久試験を行った。本実施例においても、トルクの上限を上回り、モータMが停止してしまうようなことはなく、鳴き現象が発生することはなかった。
[実施例3]
図7はベルト方式の定着装置の他の構成例を示すものである。この装置Aにおいては、定着部材をヒートローラ51とし、このヒートローラ51の外面に対して、回転可能な無端状のベルト部材としての加圧ベルト52を腹当てに接触させて記録紙搬送方向aにおいて幅広の定着ニップ部Nを形成させている。
加圧ベルト52は複数本の懸架ローラ53〜55に掛け回されて支持されている。加圧ベルト52の内側には加圧ベルト52の内面に接触して加圧ベルト52を介して対向部材としてのヒートローラ51に向けて加圧される非回転の圧力付与部材(固定部材)としての加圧パッド56が配設されている。加圧ベルト52は加圧パッド56によりヒートローラ51の外面に対して腹当てに接触されて記録紙搬送方向において幅広の定着ニップ部Nを形成している。
ヒートローラ51はモータMにより矢印R51の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。また、ハロゲンヒータ51aにより内部加熱されて表面温度が所定の温度に加熱温調される。加圧ベルト52はヒートローラ51の回転に従動して矢印R52の反時計方向に回転する。定着ニップ部Nに未定着トナー画像tを担持した記録紙Pが導入されて挟持搬送されることで、ヒートローラ51から熱が付与され、また加圧力を受けて未定着トナー画像tが記録紙Pの表面に定着される。
加圧パッド56は金属により構成され、加圧ベルト52の内面との摺動部におけるベルト部材移動方向の十点平均粗さRzが0.29μm以下であり、ベルト部材移動方向と直交する方向の十点平均粗さRzのほうが大きい。また、摺動部には潤滑性を付与するための潤滑剤gが塗布されている。また、加圧ベルト52の内面におけるベルト部材移動方向の十点平均粗さRzが1.3μm以上であり、ベルト部材回転移動方向と直交する方向の十点平均粗さRzのほうが小さい。
本実施例3の定着装置Aを、実験例1〜4と同様に、画像形成装置に搭載できるように改造し通紙耐久試験を行った。本実施例においても、トルクの上限を上回り、モータMが停止してしまうようなことはなく、鳴き現象が発生することはなかった。
[その他の事項]
1)本発明の画像加熱装置は、実施例のような定着装置としての使用に限られない。記録紙(シート)に一旦定着された或いは仮定着された画像(定着済み画像又は半定着画像)の光沢度などを改質する画像改質装置としても有効である。
2)エンドレスベルトの外面との間でニップ部を形成する対向部材は、エンドレスベルトが駆動手段により直接的に駆動されるものである場合においては、回転体でなくてもよい。表面(加熱部材や記録紙との当接面)の摩擦係数が小さいパッドや板部材などの非回転部材の形態にすることもできる。
3)エンドレスベルトや対向部材を加熱する加熱機構は、電磁誘導加熱方式に限らず、ハロゲンヒータ、固定式のセラミックヒータなど、他の公知の加熱機構を用いることもできる。
4)画像形成装置の画像形成方式について、電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式を採用してもよい。
A・・画像加熱装置(定着装置)、1・・エンドレスベルト(定着ベルト)、2・・対向部材(加圧ローラ)、N・・ニップ部(定着ニップ部)、3・・圧力付与部材(定着パッド)、3a・・摺動部(固定部材)、g・・潤滑剤、P・・記録材、t・・画像(未定着トナー画像)

Claims (10)

  1. シート上のトナー像をニップ部にて加熱するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトに対向配置され前記エンドレスベルトとの間で前記ニップ部を形成する対向部材と、前記エンドレスベルトを前記対向部材に向けて加圧する加圧パッドと、を有する画像加熱装置であって、
    前記加圧パッドは前記エンドレスベルトの内面と摺動する金属製の摺動部を有し、前記摺動部には潤滑剤が塗布されており、前記摺動部の前記エンドレスベルトの移動方向における表面粗さをRzp、前記エンドレスベルトの内面の前記移動方向における表面粗さをRzb、としたとき、Rzp<Rzb、1.3μm≦Rzb、Rzp≦0.29μm、の関係を満たすことを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記摺動部の前記エンドレスベルトの幅方向における表面粗さをRzp’、前記エンドレスベルトの内面の前記幅方向における表面粗さをRzb’としたとき、Rzp<Rzp’、Rzb’<Rzb、の関係を満たすことを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
  3. 前記エンドレスベルトの内面のビッカース硬度は前記摺動部のビッカース硬度よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記エンドレスベルトは、基層と、前記基層よりも内面側に設けられたポリイミド樹脂製の表層と、を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  5. 前記加圧パッドは、前記摺動部を保持する保持部を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記保持部は断熱体を有することを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記エンドレスベルトを回転駆動する駆動機構を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  8. 前記対向部材は前記駆動機構として機能するローラであることを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
  9. 前記エンドレスベルトを加熱する加熱機構を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  10. 前記加熱機構は前記エンドレスベルトを電磁誘導加熱するための励磁コイルを有することを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
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