JP6665665B2 - 定着装置と画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材に画像を定着する定着装置、及び該定着装置を搭載した画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの少なくとも2つの機能を有する複合機等の電子写真方式画像形成装置において、記録材(用紙、転写紙、記録紙ともいう)に転写されたトナー画像を定着する定着装置として、ベルト方式の定着装置が用いられている。
ベルト方式の定着装置としては、熱源を備え回転可能な無端状のベルトと、このベルトに外側から圧接し回転するローラと、ベルトの内周側に固定配置され、ローラに圧接されるベルトを支持してベルトとローラとの間に定着ニップ部を形成する押圧部材(ニップ形成部材)とを備え、この定着ニップ部に記録材を通過させることで、記録材上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着する構成が知られている。そして、昨今の省エネの観点から、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間を短くし(クイックスタート性)、あるいはスタンバイ時の消費電力を小さくする(省電力)ため、特に定着装置では、低熱容量化、高熱伝導化、小型化の要請が大きく、無端状のベルトも薄肉化し、「フィルム」とも称される熱容量の小さいベルトが用いられるようになってきている。
一方、ベルト方式の定着装置において、無端状のベルトと押圧部材の間の摩擦係数が大きいと、ベルト駆動のためのトルクが増大し、ベルトを駆動させるためローラに働く駆動トルクも大きくなり、駆動ギヤ列への負荷が大きくなってギヤ破損となることもあった。また、駆動モータの負荷も大きくなり、モータが大型化し、より多くの電力が必要になってしまうことにもなった。更に、ベルト内周側や押圧部材の摺擦部分の磨耗が激しく、部品寿命が著しく短くなった。ローラによるベルトの駆動力に比べて、ベルトと押圧部材の間の摩擦力が無視できないほど大きくなると、ローラとベルトとの間でスリップが生じ、このような条件下で未定着トナー像を保持した記録材を定着ニップ部に通すと、記録材にしわが発生したり、記録材上の未定着トナー像に画像のずれを発生させたりすることもあった。
このため、ベルト方式定着装置においては、ベルトと、ベルト内周側に配置された押圧部材の摺動抵抗を小さくすることが要求され、ベルト内周側と押圧部材の間に低摩擦の摺擦シートを固定配置したり、ベルト内周側と押圧部材の間に例えばオイルやシリコーングリース、フッ素グリース等の耐熱性潤滑剤を塗布したりして、両者の摺動抵抗を低減するように構成されている。
しかしながら、ベルト内周側と押圧部材の間に低摩擦の摺擦シートを固定して設けるやり方では、初期的に両者の摺動抵抗を低減させることはできるが、経時的な耐久性が十分であるとは言えない。また、潤滑剤を塗布するやり方では、固定配置された押圧部材とベルト内周側の間で磨耗粉が発生して、経時的に磨耗粉が潤滑剤に混じって潤滑剤の粘性が上昇したり、それら凝集体自身が定着ニップ部内での異物となって、結果的にトルク上昇を避けることができない。
そこで、特許文献1では、ベルトの内周側に配置されベルトを押圧する押圧部材の外周面に配されベルト内周面に摺擦する摺擦部材が押圧部材と共に回動可能であるような、定着装置が提案された。特許文献1によれば、摺擦部材とベルト内周面との間のトルク変動が予め設定されたトルク値以上になったことを検知した場合、あるいはベルトの回転時間の経過に伴って、押圧部材を回動して、ベルト内周面と実際に摺擦する摺擦部材の面領域を移して、摺擦部材のフレッシュ部分をベルト内周面と摺擦するようにして、経時的なトルク上昇を回避し、常に摺動抵抗が良好な状態を維持できるようにする。
一方、定着ニップ部では、円筒形/円柱形の部材を加圧当接させる構成が大半を占めるため、ニップ中心部において面圧が高くなることが多い。その結果、定着ニップ部入口においてはベルト内周の潤滑剤が掻き取られるような現象になり、定着ニップ部出口においては潤滑剤流れの剥離域で過剰に潤滑剤が余る現象が生じる。いずれも各種設計パラメータにより定着ニップ部出入口の発生比率を変更することは可能であるが、現象の発生を無くすことはできない。
特許文献2には、定着ニップ部出入口に蓄積し、ニップ形成部材に付着してしまった潤滑剤を強制的にベルト内周面に押し付けるべく、ニップの入口又は出口に生じるベルトとニップ形成部材のギャップを縮めることが提案されており、このようにすることでニップ部から掃き出された潤滑材をベルト内面に付着させて、ニップ部に戻す、となっている。
特許文献2に開示された構成によれば、掃き出された潤滑剤の一部を戻すことができるかもしれないが、前記ギャップを縮める際に、定着ニップ部のより端部側で掃き出される潤滑剤が幾らか生じることは必然である。ギャップを縮めるモードを繰り返して実施すれば、ギャップを縮めてもベルト内周面と接触しない端部側に前記余剰な潤滑剤が蓄積してしまい、更なる経時的な使用においては、かかる問題を本質的に改善できない。
更に、特許文献1に開示された構成であっても、摺擦部に潤滑剤を介在させる系においては、押圧部材や摺擦部材を回動しても、定着ニップ部前後に蓄積された磨耗粉を含んだ潤滑剤がそのまま残存することが避けられない。摺動抵抗においては表面性状よりも、潤滑剤の寄与率が高いことは検証の結果から明らかになっており、回転トルクを維持し、摺擦部材の耐久性を高めることは本方式では難しい。
そこで本発明は、定着ニップ部である摺擦領域に偏在し劣化した潤滑剤を定着ニップ部外に移動させて、摺擦部材の表面形状をフレッシュにするだけでなく、摺動抵抗を良好な状態に維持し、摺擦部材の耐久性を高めることを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、無端状のベルトと、該ベルトを加熱する熱源と、前記ベルトの内部に配設されたニップ形成部材と、前記ベルトを挟んで前記ニップ形成部材と相対的な加圧状態となって定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材とを備える定着装置において、前記ニップ形成部材が円筒形状であり、かつ前記ベルトの内周面と接離可能で、回転可能であり、前記加圧部材が、所定の走行距離に達する度に、定着動作以外の状態で前記ニップ形成部材を前記ベルトから離間して回転させる
本発明によれば、無端状のベルトの内部に配設されたニップ形成部材が円筒形状であり、かつベルトの内周面と接離可能で、回転可能であるので、定着ニップ部である摺擦領域に偏在し劣化した潤滑剤を定着ニップ部外に移動させて、摺擦部材の表面形状をフレッシュにするだけでなく、摺動抵抗を良好な状態に維持し、摺擦部材の耐久性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の概略図である。 図2の定着装置の模式的な斜視図である。 定着ベルト断面の模式図である。 ニップ形成部材のための接離構成の一例を示す模式図である。 ニップ部の拡大模式図である。 ニップ形成部材の軸方向くびれの例を示す斜視図である。 定着装置を制御する制御系の要部の一例を示すブロック図である。 ニップ形成部材の接離動作を説明するフローチャートである。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。ちなみに画像形成装置全体の機構としては、従来と基本的に同じであり、当業者であれば、基本的な構成と動作については直ちに理解できるものである。
画像形成装置1はカラープリンタであり、装置本体の下部に給紙部38が設けられ、その上方に画像形成部30を配置した構成となっている。装置上面には排紙トレイ43が形成されている。
画像形成部30には、複数のローラに巻回張架された無端ループ状の中間転写ベルト36が配設され、この中間転写ベルト36の下部走行辺に沿って、上流側から順にイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(Bk)用の感光体ドラム31Y,31C,31M,31Bkを夫々有する作像ユニットが並んで配置されている。各作像ユニットの構成は同じであり、以下では各トナー色を示すアルファベット(Y,C,M,Bk)を省いて説明する。各作像ユニットの感光体ドラム31の周りには、周知のように帯電ロール,現像装置,クリーニング装置等が設けられている。帯電ロールと現像装置の間から、光学系ユニット35からのレーザ光が感光体ドラム31に照射される。中間転写ベルト36の下部走行辺の内側で、各感光体ドラム31に夫々対向する位置に、転写装置32が中間転写ベルト36に接触するように配置されている。
中間転写ベルト36は、カラープリントの場合には4色の作像ユニット(の感光体ドラム)に接触する状態に保持され、モノクロプリントの場合には黒用作像ユニット(の感光体ドラム)のみに接触する状態を保持するように構成されている。
次に、プリント動作について説明する。本例では、外部から入力された画像データに基づいて、光学系ユニット35にて各色に対応して夫々の感光体ドラム31を露光して潜像を形成し、それぞれ現像装置で顕像化し、各トナー像を中間転写ベルト36に順次転写することでカラートナー画像として、転写部37に送られる。
一方、給紙部38から給紙ローラ39にて記録材たる用紙が給紙され、レジストローラ40に一旦突き当てられた上でタイミングが計られ、転写部37においてカラートナー画像が転写され、定着装置41に送られる。定着ベルト22、熱源たるハロゲンヒータ21、加圧ローラ23等からなる定着装置41で用紙は加熱加圧されてトナー像の定着処理を受ける。定着後の用紙は、排紙ローラ42にて装置上面の排紙トレイ43へ排出される。
図2に定着装置41の模式的な断面を、図3に定着装置41の模式的な斜視図を示す。可撓性を有する無端状の定着ベルト22と、該ベルトに外側から接する加圧ローラ23と、定着ベルト22の内周領域に配されたハロゲンヒータ21と、定着ベルト22に内側から接して加圧ローラ23との相対的な押圧により定着ニップ部を形成する円筒状あるいは円柱状のニップ形成部材24とから定着装置41の主要部が構成される。ハロゲンヒータ21の熱をより効率的に定着ベルト22に伝えるために、ヒータ21からの熱を定着ベルト22の内周面に反射するヒータ反射板26も定着ベルト22の内周側に配設されている。ヒータ反射板26は、厚み0.3mmのSUS304製板金部材から形成されている。
定着ベルト22は、図3に示すように、その幅方向両端部に位置し固定されたフランジ27にのみ保持される態様である。定着ベルト22の断面を図4に示す。定着ベルト22の最表面はテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE)等、フッ素樹脂で形成された離型層53となっていて、トナーが付着し難いように離型性をもたせている。ベルトの基材層51と離型層53の間にはシリコーンゴム等で形成する弾性層52があってもよい。未定着画像を定着する際に画像のベタ部にユズ肌状の跡が出ないように、また温度ムラの発生を避けるために、弾性層を200μm以上設けることが好ましい。定着ベルト22の最内周側にPTFE等、フッ素樹脂の内面層が設けられており、定着ベルト22に対する熱源としてハロゲンヒータ21を用いる場合、例えばカーボンブラックを分散させたポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEK)膜をスプレー塗工して黒色塗膜の内面層54としておくと、遠赤外線による輻射熱を定着ベルトに効率良く伝熱させることができる。定着ベルト22の内周面側に配置する熱源は、セラミックヒータやカーボンヒータ等でもよい。
加圧部材たる加圧ローラ23は中空の金属ローラ上にシリコーンゴムの弾性層があり、離型性を得るため最表面にPTFE等、フッ素樹脂の離型層が設けられている。また加圧ローラ23は、スプリング50によりベルト側へ押されて、その弾性層が押し潰されて変形することで、所定のニップ幅を確保するようになっている。加圧ローラ23は中実のローラであってもよいが、中空のほうが熱容量が少なくて済む。加圧ローラ23の内部に熱源を有していてもよいが、ない場合には弾性層にスポンジゴムを用いることができ、断熱性を高めて定着ベルト22の熱が奪われ難くすることができる。
ニップ形成部材24は、表面をPTFE等、フッ素樹脂で被覆された金属製の基層を有し回転可能に構成された円筒形状であり、その回転は、軸方向端部のモータ28から駆動がとられている。モータ28はニップ形成部材24を回転させる専用でもよいが、加圧ローラ23の回転用であってもよく、その場合には、ニップ形成部材24の回転はギヤ伝達機構により適宜モータ28と接離される。図5に示すように、ニップ形成部材24の軸方向両端部にはベアリング63が備えられ、このベアリング63が固定されたロボシリンダ61付属のロッド62と共に鉛直方向に変位可能で、このような機構によって、ニップ形成部材24はモータ28による回転だけでなく、定着ベルト22の内面層(内周面)から離間し、若しくは脱圧することが可能となる。
なお、ニップ形成部材24は鉛直方向に変位する構成をとり、加圧ローラ側のスプリング50によりベルト側へ押される加圧ローラ23との間で相対的に加圧状態をとって定着ニップ部を形成するが、その作動位置(定着動作時)において定着ベルト22を張架するのでなく、定着ベルト22の内面層に接して加圧ローラ23の駆動によって定着ベルト22が連れ回りするのを支えている。定着ベルト22の内周面の幅方向両端部や端部内周面はフランジ27と直接摺擦しており、ベルト寄りが生じないように規制されるだけでなく、ベルトの外形変位も規制され、定着ベルト22がハロゲンヒータ21から必要以上に離れることがないようになっている。フランジ27はPTFE製で、定着ベルト22との摺擦の際に摩擦を抑えるようになっている。これにより、定着ベルト内周面側の空間が高温となっても物性変化の少ない耐久性の高い部材とすることができる。
金属製で円筒形状のニップ形成部材24は加圧ローラ23の押圧に対して変形することがないため、加圧ローラ23との間で定着ニップ部が凹凸を含むような形状になる。図6にニップ部を拡大して示す。加圧ローラ23とニップ形成部材24により、基本となるニップ部71を作り出しているが、フランジ27で保持される部分を除いて、幅方向/軸方向の大半で定着ベルト22は規制されないため、その剛性により、定着ベルト22には真円形状に戻ろうとする力が働き、図6に示すように加圧ローラ/ニップ形成部材によるニップ圧が加わらない範囲では加圧ローラ23と定着ベルト22でサブニップ72が形成される。このようなサブニップ72の形成によっても用紙上のトナーを溶かすのに必要な熱量(ニップ時間)を稼ぐことができる。
更に、金属製のニップ形成部材24と弾性層を有する加圧ローラ23とは、ニップ形成時に、軸方向/長手方向において加圧ローラ23に撓みが生じるので、図7に示すように、予め、ニップ形成部材24を軸方向中央部がくびれた形状に形成しておくのが好ましい。図7(a)では、軸方向中央部に向かって非直線的に緩やかに傾斜してくびれ形状を構成している。図7(b)では、軸方向中央部に向かって直線的にまっすぐ傾斜してくびれ形状を構成している。図7(c)では、軸方向端部に同径のストレート部を有した上で、軸方向中央部に向かって直線的にまっすぐ傾斜してくびれ形状を構成している。図7(a)のように緩やかにくびれた形状とすると急峻な圧力偏差が軸方向に亘って生じることなく、安定した画像品質を得ることができ、好ましい。図7(b)や(c)のように直線的になるよう加工しても良いが、その際には画像品質に影響を与えないように、軸方向で径の偏差を一定値内に留めることが好ましい。
図8に、本実施形態に係る定着装置41を制御する制御系の要部の一例を示す。制御手段としての制御部100は、コントローラ部102とエンジン制御部103と記憶部104を備えている。
コントローラ部102は、CPU、ROM、RAM等を備え、エンジン制御部103、操作部101、外部通信インターフェース105等と接続されている。コントローラ部102は、予め組み込まれている制御プログラムを実行することにより、画像形成装置1全体の制御や、外部通信インターフェース105及び操作部101からの入力の制御等を行う。例えば、コントローラ部102は、操作部101を介して入力されたユーザからの指示入力を受け付け、その指示入力に従って各種処理を行う。また、コントローラ部102は、外部通信インターフェース105を介して外部のホストコンピュータ装置等から印刷ジョブ(画像形成ジョブ)の指令や画像データを受信し、エンジン制御部103を制御し、用紙にカラー画像やモノクロ画像を形成して出力する画像形成動作を制御する。
エンジン制御部103は、CPU、ROM、RAM等を備え、コントローラ部102、ROM、RAM等を備えた記憶部104、各種の検知部材等と接続され、予め組み込まれている制御プログラムを実行することにより、コントローラ部102からの指令に基づいて、画像形成処理を行うプリンタエンジン(複数の作像ユニット、光学系ユニット35、定着装置41等)の制御を行う。例えば、エンジン制御部103は、画像形成動作モードにおいて、温度センサ107で検出した定着ベルト22の温度が記憶部104に記録された所定の目標温度となるように、ハロゲンヒータ21への通電を制御したり、加圧ローラ23を回転駆動する加圧ローラ駆動部109を制御したり、回転検知センサ106で定着ベルト22あるいは加圧ローラ23の回転数を検知して記憶部104に記録された所定の走行距離に相当する総回転数に達すると、シリンダ駆動部110を駆動してニップ形成部材24を定着ベルト内周面から離したりする。
このような制御系のもと、ニップ形成部材24の接離動作を図9のフローチャートにしたがって説明する。定着の定常動作においてはニップ形成部材24が定着ベルト22に内側から接して加圧ローラ23との相対的な押圧により所定の定着ニップを形成している。回転検知センサ106から得られ記憶部104にて定着ベルト22(あるいは加圧ローラ23)の総回転数が100k枚相当の走行距離に達するか否かが検知される(Step 1)。達していない場合には、定着動作終了後、即ち、定着動作以外である通紙終了後にエンジン制御部103の指示によるシリンダ駆動部110の動作によってニップ形成部材24を脱圧する(Step 2)。100k枚相当の走行距離に達した場合も、通紙終了後にいったんニップ形成部材24を脱圧する(Step 3)。更にシリンダ駆動部110の動作によってニップ形成部材24を定着ベルト内周面から例えば0.01mm離間させる(Step 4)。シリンダ駆動完了後にエンジン制御部103がモータ駆動部111へ回転動作命令を出して、ニップ形成部材24を例えば周長7mm分回転させ(Step 5)、定着ベルト22の内周面に摺擦していなかった部分(フレッシュ部分)をベルト内周面と摺擦する位置へ移動させる。しかる後に、エンジン制御部103の指示によるシリンダ駆動部110の動作によって、ニップ形成部材24は定着ベルト内周面に近接し(Step 6)、その後に定常動作に移り得るようにした。
最後に、定着ベルト内周面とニップ形成部材が摺擦する際の摩擦程度を調べるために、ニップ形成部材24と定着ベルト22の各構成、特にニップ形成部材24の最表層と定着ベルト22の内面層の構成を変更して耐久性や定着性について評価を行った。
比較例1では、定着ベルト22の基材材料にSUS304を用いた。基材層51の寸法形状を厚み50μm、内径φ30mm、長さ360mmとし、母型からの脱型後、弾性層52にはシリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製)をスプレー塗工にて200μm形成し、その上から、プライマー(東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、離型層53にはPFAチューブ(クラボウ社製)を30μm被覆し、200℃30分乾燥させたものを用いた。基材内面には、カーボンブラックを分散させたPTFE膜をスプレー塗工にて、15μm形成しておくことで、黒色の内面層54を形成した。表面粗さを触診式の表面粗さ計にて計測したところ、十点平均粗さRz 1=1.5μmであった。一方、ニップ形成部材には厚み2mm、幅8mm、長さ400mmのガラス板を用いた。表面粗さを同様に計測したところ、十点平均粗さRz 2=0.2μmであった。
比較例2では、比較例1と同様の定着ベルトを用いた。ニップ形成部材には厚み2mm、幅8mm、長さ400mmのアルミ板を用いて、表面を厚み1μmのダイヤモンドライクカーボン(以下、DLC)コーティングを行った。表面粗さを前記同様に計測したところ、Rz 2=1.8μmであった。
比較例3では、比較例1と同様の定着ベルトを用いた。ニップ形成部材には厚み2mm、幅8mm、長さ400mmのアルミ板を用いて、表面を厚み15μmのPTFE膜をスプレー塗工にて形成した。表面粗さを前記同様に計測したところ、Rz 2=1.3μmであった。
比較例4では、比較例1と同様の定着ベルトを用いた。ニップ形成部材にはφ11、肉厚1mmとなるSUS304の円筒状の中空芯金を用いた。中空芯金に対しては表層にPTFE膜をスプレー塗工にて15μm形成した。表面粗さを前記同様に計測したところ、Rz 2=1.3μmであった。
比較例5では、比較例1と同様の定着ベルトを用いた。ニップ形成部材にはφ11、肉厚1mmとなるSUS304の円筒状の中空芯金を用いた。中空芯金に対しては表層に#800のサンドペーパーにて研磨加工を行い、研磨粉を除去した後に、PTFE膜をスプレー塗工にて15μm形成した。表面粗さを前記同様に計測したところ、Rz 2=2.2μmであった。加えて耐久性評価に際しては、図9に示し既述した制御動作を行った。
比較例6では、比較例1と同様の定着ベルトを用いた。但し、内面層54の形成後、サンドペーパー♯600にて内面層を研磨加工した。表面粗さを触診式の表面粗さ計にて計測したところ、Rz 1=6.9μmであった。ニップ形成部材には比較例4と同様の部材を用いた。加えて耐久性評価に際しては、比較例5と同様の制御を行った。
実施例1においては、比較例1と同様の定着ベルトを用いた。但し、内面層の形成後、サンドペーパー♯2000にて内面層を研磨加工した。表面粗さを触診式の表面粗さ計にて計測したところ、Rz 1=2.1μmであった。ニップ形成部材には比較例4と同様の部材を用いた。加えて耐久性評価に際しては、比較例5と同様の制御を行った。
また、実施例2では、比較例1と同様の定着ベルトを用いた。但し、内面層の形成後、サンドペーパー♯1500にて内面層を研磨加工した。表面粗さを触診式の表面粗さ計にて計測したところ、Rz 1=3.6μmであった。ニップ形成部材には比較例4と同様の部材を用いた。加えて耐久性評価に際しては、比較例5と同様の制御を行った。
また、実施例3では、カーボンブラックを分散させたPEEKで内面層を形成した点を除き比較例1と同様の定着ベルトを用いた。表面粗さを触診式の表面粗さ計にて計測したところ、Rz 1=1.4μmであった。ニップ形成部材には比較例4と同様の部材を用いた。加えて耐久性評価に際しては、比較例5と同様の制御を行った。
実施例1〜3及び比較例1〜6における各部材の構成及び評価結果を表1に示す。また、各種コーティングされたニップ形成部材表面にはシリコーングリースやフッ素グリース等の潤滑剤を塗布した。各構成における定着装置をリコー製複写機RICOH MPC4503にセットし、駆動時のユニットトルクを測定した。経過が良好なものについては、同時に定着性評価を実施し、定着装置としての総合評価を実施した。
Figure 0006665665
表1に示すように、比較例1、2、6については初期段階での駆動トルクが高く、異音や、駆動ギヤの磨耗が確認できたため、耐久性の評価を実施することができなかった。特に比較例6においては、初期起動の段階で駆動することができない結果となった。比較例3においては、駆動トルクの面では経時で安定していたが、ニップ形成部材24の周方向端部、即ち、ニップ出入口付近に大量の黒色の凝集体の付着を確認した。評価段階で駆動の妨げとはなっていなかったが、更なる経時での耐久性を担保できない状態と判断されたため、その後の評価は中断した。比較例4においても、比較例3と同様の黒色凝集体の付着を確認したが、付着量については改善の傾向を確認した。
比較例5においては、耐久性の問題は生じなかったが、定着性評価においてベタ画像でのゆず肌を確認した。但し、ゆず肌の現象においては、用紙の平滑性にも依存していることが分かった。特に外国産紙に代表される表面性が粗い用紙において、ゆず肌の現象を顕著に確認することができた。
実施例1においては、比較例1〜6での結果を踏まえ、定着ベルトの磨耗が少なくなるように定着ベルト内周面側に潤滑剤を多く持たせたい思惑から表面粗さを比較例1〜4と比較して若干粗くし、摩擦係数を悪化させないレベルとした。加えて、画質を悪化させたくない思惑からニップ形成部材については、極度に表面粗さを悪化させない水準、即ち、比較例4と同様のニップ形成部材を選択した。結果としては駆動トルクも問題なく、画像品質も問題のない定着装置とすることができた。
画質を悪化させない範囲において、定着ベルト内周面側の表面粗さRz(十点平均粗さ)の寄与度を確認すべく、実施例2の構成を確認した。実施例1よりも若干粗い仕上げとしたが、結果として、本水準が各実施形態の構成の中では最も駆動トルクが経時に亘って安定した結果を示した。
実施例1、2共に、経時動作の途中で定着ベルト内周面の状態を確認したが、ニップ出入口での磨耗粉、凝集体の堆積を確認することができなかった。潤滑剤に関しても定着ベルト内周面に均一に保持されている様子を確認できた。以上のことが、駆動トルクを経時に亘って低減することができた理由と考察できる。
実施例3においては、定着ベルト内周面側のフッ素樹脂を変更したが、駆動トルク、定着性共に大きな問題はなかった。同一の表面粗さではないが、実施例1と比較して、駆動トルクの観点からは若干優位であった。フッ素樹脂の種類、グレードにより、表面粗さの成立範囲等が変わる可能性は高いが、それらの詳細な検証は割愛する。
21 ハロゲンヒータ
22 定着ベルト
23 加圧ベルト
24 ニップ形成部材
26 ヒータ反射板
50 スプリング
特許第5838615号公報 特開2015−166793号公報

Claims (6)

  1. 無端状のベルトと、該ベルトを加熱する熱源と、前記ベルトの内部に配設されたニップ形成部材と、前記ベルトを挟んで前記ニップ形成部材と相対的な加圧状態となって定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材とを備える定着装置において、
    前記ニップ形成部材が円筒形状であり、かつ前記ベルトの内周面と接離可能で、回転可能であり、
    前記加圧部材が、所定の走行距離に達する度に、定着動作以外の状態で前記ニップ形成部材を前記ベルトから離間して回転させることを特徴とする定着装置。
  2. 前記ベルトの内周面の十点平均粗さRz 1と前記ニップ形成部材の十点平均粗さRz 2がRz 1>Rz 2であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 無端状のベルトと、該ベルトを加熱する熱源と、前記ベルトの内部に配設されたニップ形成部材と、前記ベルトを挟んで前記ニップ形成部材と相対的な加圧状態となって定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材とを備える定着装置において、
    前記ニップ形成部材が円筒形状であり、かつ前記ベルトの内周面と接離可能で、回転可能であり、
    前記ベルトの内周面と前記ニップ形成部材の夫々の最表層がフッ素樹脂で形成されていることを特徴とする定着装置。
  4. 無端状のベルトと、該ベルトを加熱する熱源と、前記ベルトの内部に配設されたニップ形成部材と、前記ベルトを挟んで前記ニップ形成部材と相対的な加圧状態となって定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材とを備える定着装置において、
    前記ニップ形成部材が円筒形状であり、かつ前記ベルトの内周面と接離可能で、回転可能であり、
    前記ニップ形成部材は軸方向にくびれた形状であることを特徴とする定着装置。
  5. 無端状のベルトと、該ベルトを加熱する熱源と、前記ベルトの内部に配設されたニップ形成部材と、前記ベルトを挟んで前記ニップ形成部材と相対的な加圧状態となって定着ニップ部を形成する回転可能な加圧部材とを備える定着装置において、
    前記ニップ形成部材が円筒形状であり、かつ前記ベルトの内周面と接離可能で、回転可能であり、
    前記ニップ形成部材の基層が金属で形成され、その厚みが1mm以下であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
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