JP2009109952A - 加圧部材、及びその加圧部材を有する像加熱装置 - Google Patents

加圧部材、及びその加圧部材を有する像加熱装置 Download PDF

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宏明 酒井
Norio Hashimoto
典夫 橋本
Yuko Sekihara
祐子 関原
Kazuo Kishino
一夫 岸野
Masaaki Takahashi
正明 高橋
Katsuhisa Matsunaka
勝久 松中
Atsushi Iwasaki
岩崎  敦志
Hiroyuki Sakakibara
啓之 榊原
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Abstract

【課題】加熱部材と接触してニップ部を形成する加圧部材であって、ニップ部の中央のニップ幅と端部のニップ幅との差を低減できる加圧部材の提供。
【解決手段】加熱部材23と接触して記録材Pを挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部Nを形成する加圧部材24であって、第1の弾性層24aと、前記第1の弾性層よりも高い熱伝導性を有する第2の弾性層24bと、を有する加圧部材において、前記第2の弾性層の記録材搬送方向と直交する長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように前記第1の弾性層と前記第2の弾性層を組み合わせて弾性層が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する加熱定着装置に用いれば好適な加圧部材、及びその加圧部材を有する像加熱装置に関する。
電子写真式のプリンタや複写機に搭載する加熱定着装置として、ハロゲンヒータと、このハロゲンヒータにより加熱される定着ローラと、その定着ローラと接触してニップ部を形成する加圧ローラと、を有する熱ローラ方式のものがある。また、加熱定着装置として、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有するヒータと、このヒータに接触しつつ移動する定着フィルムと、その定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するフィルム加熱方式のものがある。熱ローラ方式或いはフィルム加熱方式の定着装置は、何れも未定着トナー画像を担持する記録材をニップ部で挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着するものである。
上記熱ローラ方式の定着装置を搭載するプリンタで小サイズの記録材を大サイズの記録材と同じプリント間隔で連続プリントすると、定着ローラにおいて記録材が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温することが知られている。また、上記フィルム加熱方式の定着装置を搭載するプリンタで小サイズの記録材を大サイズの記録材と同じプリント間隔で連続プリントすると、ヒータにおいて記録材が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温することが知られている。定着ローラの非通紙領域、或いはヒータの非通紙領域が過昇温すると、定着装置を構成している各パーツにダメージを与える可能性がある。また、非通紙領域が過昇温している状態で大サイズの記録材にプリントすると、その記録材において非通紙領域と対応する部分でトナーが溶け過ぎ高温オフセットが発生してしまう。
特に、フィルム加熱方式の定着装置の場合、ヒータの熱容量が熱ローラ方式の定着装置に比べて小さいので、ヒータの非通紙領域の昇温も大きい。そのため、加圧ローラの耐久性能が低下したり、高温オフセットが発生しやすくなったりする。また、フィルムの回転駆動が不安定になったり、フィルムが捻れてフィルムにシワなどが発生しやすくなったりする。
また、プリンタの処理速度(プロセススピード)が速くなるほど非通紙領域の昇温は発生しやすい。なぜなら、高速化に伴い記録材がニップ部を通過する時間が短くなるので、トナー画像を記録材に加熱定着するために必要な定着温度を高くせざるを得ないからである。また、連続プリント工程中はニップ部に記録材が介在しない時間(所謂、紙間時間)がプリンタの高速化に伴い減少するので、紙間時間中に温度分布ムラを均すことが難しくなるからである。
上記のように非通紙領域が過昇温する非通紙部昇温を低減させる手段の一つとして、加圧ローラの熱伝導率を高くするという手法が一般的に知られている。これは、加圧ローラの有する弾性層の伝熱性を積極的に良化させる事で非通紙部昇温の温度の低下、つまり加圧ローラの長手方向の熱の高低差が減少するという効果を得る事ができるというものである。
特許文献1、特許文献2、特許文献3には、定着ローラや加圧ローラの弾性層の熱伝導率を良化させるためにアルミナ、酸化亜鉛、炭化珪素などの高熱伝導性フィラーをベースゴムに添加することが開示されている。
特許文献4には、弾性層を有する回転体(加圧ローラではなく定着ベルト)の熱伝導を良化させるために、弾性層にカーボンファイバーを含有させる方法が開示されている。
特許文献5には、エラストマー層にグラファイトのような異方性充填材(anisotropic filler)を含有させ、ローラ厚み方向に熱伝導率を良化させる発明が開示されている。
特許文献6には、ピッチ系炭素繊維(pitch based carbon fiber)を用いた織物の層を加圧ローラの弾性層中に設ける発明が開示されている。この加圧ローラは、熱伝導率が非常に優れる高熱伝導層と、弾性層と、を有する。しかしながら、織物或いはそれに準ずる構成であるので高熱伝導ゴム複合体層は硬度が高くなってしまう。そこで、加圧ローラ全体としての硬度を下げる場合は、下層の弾性層に発泡スポンジゴムを用いる対策がとられている。しかしながら、弾性層が発泡スポンジで構成されているため加圧ローラの耐久性はさほど有していないため、その加圧ローラは低速機の画像形成装置に搭載される定着装置の加圧部材として用いれば好適であった。
特開平11−116806号公報 特開平11−158377号公報 特開2003−208052号公報 特開2002−268423号公報 特開2000−39789号公報 特開2002−351243号公報
上記の特許文献1から特許文献5に記載されているようなアルミナ、酸化亜鉛、炭化珪素、カーボンファイバー、グラファイト等のフィラーを熱伝導率アップのために弾性層に添加しても、少量添加の場合は所望の熱伝導率を得る事が出来ない。一方、多量に添加した場合は加圧ローラの硬度が高くなる傾向にあり、2層化した弾性層を用いた場合においても加圧ローラの長手方向におけるニップ部の中央のニップ幅が端部のニップ幅に比べて細くなる傾向が強くなる。これにより、記録材に未定着トナー画像を加熱定着するとき、ニップ部の中央の定着性が不十分になったり、若しくは、ニップ部の端部の定着性が過剰になったりする場合がある。
本発明の目的は、加熱部材と接触してニップ部を形成する加圧部材であって、ニップ部の中央のニップ幅と端部のニップ幅との差を低減できるようにした加圧部材、及びその加圧部材を有する像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するための構成は、加熱部材と接触して記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧部材であって、第1の弾性層と、前記第1の弾性層よりも高い熱伝導性を有する第2の弾性層と、を有する加圧部材において、前記第2の弾性層の記録材搬送方向と直交する長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように前記第1の弾性層と前記第2の弾性層を組み合わせて弾性層が形成されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための構成は、加熱部材と、前記加熱部材と接触してニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ記録材が担持している像を加熱する像加熱装置において、前記加圧部材は、第1の弾性層と、前記第1の弾性層よりも高い熱伝導性を有する第2の弾性層と、を有し、前記第2の弾性層の記録材搬送方向と直交する長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように前記第1の弾性層と前記第2の弾性層を組み合わせて弾性層が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、加熱部材と接触してニップ部を形成する加圧部材であって、ニップ部の中央のニップ幅と端部のニップ幅との差を低減できる加圧部材、及びその加圧部材を有する像加熱装置を提供することができる。
本発明を図面に基づいて説明する。
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る像加熱装置を加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の概略構成模型図である。この画像形成装置は電子写真式のレーザービームプリンタである。
本実施例に示すプリンタは、像担持体として回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)1を有する。感光ドラム1は、OPC・アモルファスSe・アモルファスSi等の感光材料層を、アルミニウムやニッケルなどのシリンダ(ドラム)状の導電性基体の外周面に形成した構成から成る。
感光ドラム1は、矢印aの時計方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動され、その回転過程で感光ドラム1の外周面(表面)が帯電手段としての帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。その感光ドラム1表面の一様帯電面に対してレーザービームスキャナ3から出力される、画像情報に応じて変調制御(ON/OFF制御)されたレーザービームLBによる走査露光がなされる。これによって、感光ドラム1表面に目的の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
その潜像が現像手段としての現像装置4によりトナーTを用いることによって現像され可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。
一方、給送ローラ8の駆動により給送カセット9内に積載収納されている記録材Pが一枚づつ繰り出されガイド10・レジストローラ11を有するシートパスを通ってレジストローラ11に搬送される。レジストローラ11は、その記録材Pを感光ドラム1表面と転写ローラ5の外周面(表面)との間の転写ニップ部Tに所定の制御タイミングにて給送する。その記録材Pは転写ニップ部Tで挟持搬送され、その搬送過程において転写ローラ5に印加される転写バイアスによって感光ドラム1表面のトナー画像が順次に記録材Pの面に転写されていく。これによって記録材Pは未定着のトナー画像を担持する。
未定着トナー画像を担持した記録材Pは感光ドラム1表面から順次に分離して転写ニップ部Tから排出され、搬送ガイド12を通じて加熱定着装置6のニップ部Nに導入される。その記録材Pは定着装置6のニップ部Nにより熱と圧力を受けることによってトナー画像が記録材Pの面に加熱定着される。
定着装置6を出た記録材Pは搬送ローラ13とガイド14と排出ローラ15とを有するシートパスを通って、排出トレイ16にプリントアウトされる。
また、記録材分離後の感光ドラム1表面はクリーニング手段としてのクリーニング装置7により転写残りトナー等の付着汚染物の除去処理を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。
本実施例のプリンタは、A3サイズ紙対応のプリンタであって、プリントスピードが50枚/分(A4横)である。またトナーとしては、スチレンアクリル樹脂を主材とし、これに必要に応じて荷電制御剤、磁性体、シリカ等を内添、外添したガラス転移点55〜65℃のものを使用した。
(2)定着装置6
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材について、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。
図2は定着装置6の概略構成模型図である。この定着装置6は、フィルム加熱方式の定着装置である。
21は横断面略半円弧状・樋型で、図面に垂直方向を長手方向とする横長のフィルムガイド部材(ステイ)である。22はこのフィルムガイド部材21の下面の略中央に長手方向に沿って形成した溝内に収容保持させた横長の加熱体(ヒータ)である。23は加熱部材としての可撓性部材である。可撓性部材23は、加熱体付きのフィルムガイド部材21にルーズに外嵌させたエンドレスベルト状(円筒状)の耐熱性フィルム(可撓性スリーブ)である。
24はフィルム23を挟ませて加熱体22の下面に圧接させた加圧部材としての横長の弾性加圧ローラである。Nはフィルム23を挟ませて加熱体22に接触させた加圧ローラ24の弾性層24aと高熱伝導弾性層24bの弾性変形によって加熱体22との間に形成されたニップ部(定着ニップ部)である。加圧ローラ24は駆動源Mの駆動力が不図示のギア等の動力伝達機構を介して伝達されて所定の周速度で矢印bの反時計方向に回転駆動される。
フィルムガイド部材21は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイト)や液晶ポリマー等の耐熱性樹脂の成形品である。
加熱体22は、全体に低熱容量のセラミックス製のヒータである。本実施例に示すヒータ22は、アルミナ等の横長・薄板状のヒータ基板22aと、その表面側(フィルム摺動面側)に長手に沿って形成具備させた線状あるいは細帯状のAg/Pdなどの通電発熱体(抵抗発熱体)22bと、を有する。また、ヒータ22は、通電発熱体22bを覆って保護するガラス層等の薄い表面保護層22cを有する。そしてヒータ基板22aの裏面側にサーミスタ等の検温素子25などが設けられている。このヒータ22は、通電発熱体22bに対する電力供給により迅速に昇温した後、検温素子25を含む電力制御系(不図示)により所定の定着温度(目標温度)を維持するように制御される。
フィルム23は、熱容量を小さくして装置のクイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚100μm以下、好ましくは60μm以下20μm以上とした単層フィルム、或いはベースフィルムの表面に離型層をコーティングした複合層フィルムである。単層フィルムの材料としては、耐熱性・離型性・強度・耐久性等のあるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)・PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)・PPS等が用いられる。ベースフィルムの材料としては、ポリイミド・ポリアミドイミド・PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)・PES(ポリエーテルスルホン)等が用いられる。離型層の材料としては、PTFE・PFA・FEP(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)等が用いられる。
加圧ローラ24は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金24dと、次の(3)項で詳述する材料、製造法にて得られるソリッドゴム弾性層24aと、高熱伝導弾性層24bと、離型層24cなどを有する。この加圧ローラ24は、加圧ローラ24表面がフィルム23を介して加熱体22の表面保護層22cに所定の加圧機構(不図示)により所定の加圧力で加圧されている。その加圧力に応じて加圧ローラ24の高熱伝導弾性層24bが弾性変形し、加圧ローラ24表面とフィルム23表面との間に所定幅のニップ部Nが形成される。
フィルム23は、少なくとも画像形成実行時に加圧ローラ24が矢印bの反時計方向に回転駆動されることにより、加圧ローラ24の回転に従動する。つまり、加圧ローラ24を回転駆動するとニップ部Nにおいて加圧ローラ24の外周面(表面)とフィルム23の外周面(表面)との摩擦力でフィルム23に回転力が作用する。フィルム23が回転している際には、フィルム23の内周面(内面)がニップ部Nにおいてヒータ22の表面保護層22cに接触して摺動する。この場合、フィルム23内面とヒータ22の表面保護層22cとの摺動抵抗を低減するために両者間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させるとよい。
而して、加圧ローラ24の回転駆動によりフィルム23が回転され、かつヒータ22が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー画像tを担持した記録材Pがニップ部Nに導入される。その記録材Pはニップ部Nでフィルム23表面と加圧ローラ24表面とにより挟持搬送される。その搬送過程においてトナー画像tにはヒータ22の熱がフィルム23を介して付与されるとともにニップ部Nのニップ圧が付与される。これによって、トナー画像tは記録材Pの面に加熱定着される。ニップ部Nを出た記録材Pはフィルム23表面から分離されて搬送され、定着装置6から排出される。
本実施例のようなフィルム加熱方式の定着装置6は、熱容量が小さく昇温の速いヒータ22を用いているために、ヒータ22が所定の定着温度に達するまでの時間を大幅に短縮できる。そのため、常温からでも容易に高温の定着温度に立ち上げることができる。従って、非プリント時において定着装置6が待機状態にあるときにスタンバイ温調をする必要がなく省電力化できる。
また、回転するフィルム23にはニップ部N以外には実質的にテンションが作用しないこと、定着装置6の簡略化等の理由で、フィルム寄り移動規制手段としてフィルム23の端部を受け止めるだけのフランジ部材(不図示)のみを配設している。
(3)加圧ローラ24
上記の加圧ローラ24について、それを構成する材料、成型方法等を以下に詳細に説明する。
3−1)加圧ローラ24の層構成
図3は加圧ローラ24の層構成模型図である。
本実施例に示す加圧ローラ24は、丸軸の芯金24dの外周に第1の弾性層として熱伝導性を有するソリッドゴム弾性層(耐熱性ゴム層)24aを有する。そしてそのソリッドゴム弾性層24aの外周に第2の弾性層としてソリッドゴム弾性層24aよりも高い熱伝導性を有する弾性層24bを有する。以下、弾性層24bを高熱伝導弾性層と記す。また、高熱伝導弾性層24bの外周に離型層24cを有する。つまり、加圧ローラ24は、少なくとも、第1の弾性層であるソリッドゴム弾性層24aと、第2の弾性層である高熱伝導弾性層24bと、を有する。
ソリッドゴム弾性層24aは、シリコーンゴムに代表されるような柔軟で耐熱性のある材料からなる。
高熱伝導弾性層24bは、シリコーンゴムに代表されるような柔軟で耐熱性のある材料からなるゴムに熱伝導性フィラーを含有させたものである。これにより、加圧ローラ24において、記録材搬送方向(図2)と直交する長手方向の熱の流れがその長手方向以外の他の方向への熱の流れよりも大きくなるように、加圧ローラ24表面の熱の流れを向上させることができる。
離型層24cは、フッ素樹脂又はフッ素ゴムに代表されるような加圧ローラ表面に好適な材料からなる。
ソリッドゴム弾性層24a、高熱伝導弾性層24b、及び離型層24cについて詳しく説明する。
3−1−1)ソリッドゴム弾性層24a
加圧ローラ24に用いられるソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bの厚みを合計した弾性層全体の厚さは、所望の幅のニップ部Nを形成することができる厚さであれば特に限定されないが、2〜10mmであることが好ましい。その中でソリッドゴム弾性層24aの厚みは特に限定されるものではなく、次項で詳しく述べる高熱伝導弾性層24bの硬度に応じて適宜必要な厚みで調整すれば良い。ここで、厚み或いは厚さとは加圧ローラ24の径方向の寸法をいう。
ソリッドゴム弾性層24aは、シリコーンゴム或いはフッ素ゴムなど一般的な耐熱性ソリッドゴム弾性材料を用いる事が出来る。どちらの材料も、定着装置6で使用した場合に充分な耐熱性・耐久性を有し、かつ、好ましい弾性(軟らかさ)を有している。従って、シリコーンゴム或いはフッ素ゴムはソリッドゴム弾性層24aの主たる材料として好適である。
また、シリコーンゴム或いはフッ素ゴムには、高熱伝導弾性層24bの作用を大きく変化させない程度に配合剤が配合されても構わない。シリコーンゴムとしては、例えば、ジメチルポリシロキサンを、ビニル基とケイ素結合水素基との付加反応によりゴム架橋化して得る付加反応型ジメチルシリコーンゴムが代表的な例として例示できる。フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンの二元共重合体をベースポリマーとし、パーオキサイドによるラジカル反応によりゴム架橋化して得る二元のラジカル反応型フッ素ゴムが代表的な例として例示できる。その他、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンの三元共重合体をベースポリマーとし、パーオキサイドによるラジカル反応によりゴム架橋化して得る三元のラジカル反応型フッ素ゴムが代表的な例として例示できる。
ソリッドゴム弾性層24aの形成方法としては特に限定されないが、一般的な型成型が好適に用いる事ができる。
3−1−2)高熱伝導弾性層24b
高熱伝導弾性層24bは、ソリッドゴム弾性層24aの外周に所定の厚みで形成されている。高熱伝導弾性層24bの厚みは、上記の3−1−1)の項で述べた範囲内であれば加圧ローラ24として有用な任意の厚みで用いることができる。この高熱伝導弾性層24bは、耐熱性弾性材料24e中に熱伝導性フィラーとしてアルミナ、AlN、カーボンファイバー等のフィラーが熱伝導率アップのために分散されて形成されている。
耐熱性弾性材料24eとしては、ソリッドゴム弾性層24aと同様、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴム材料を用いることができる。シリコーンゴムを耐熱性弾性材料24eとして用いる場合には、入手のしやすさ、加工しやすさの観点から、付加型シリコーンゴムが好まれる。なお、原料ゴムの硬化前にはその粘度が低すぎると加工時に液ダレが生じ、高すぎると混合・分散が困難になるため、0.1〜1000Pa・s程度の原料ゴムが好まれる。
カーボンファイバー24fは高熱伝導弾性層24bの熱伝導性を確保するための充填剤としての役割を有している。カーボンファイバー24fを耐熱性弾性材料24e中に分散することで熱流路を形成することができる。これにより、ヒータ22の非通紙部などの高温側から通紙部への効率的な熱分散が可能となる。また、カーボンファイバー24fは細長い繊維形状(針状)をしているため、硬化前の液状の耐熱性弾性材料24eと混練すると、成型する際に流れの方向、即ちソリッドゴム弾性層24aの長手方向に配向し易い。そのため、高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導性を高めることができる。
次に、高熱伝導弾性層24bの中でカーボンファイバー24fが配向している様子について詳しく説明する。
図4の(a)は芯金24d上のソリッドゴム弾性層24aの外周に高熱伝導弾性層24bを成型した弾性層形成物2の全体斜視図、(b)は(a)の弾性層形成物2の右側面図である。図5は図4の(a)の弾性層形成物2の高熱伝導弾性層24bの切り出しサンプル24b1の拡大斜視図である。図6の(a)は図5の切り出しサンプル24b1のa断面の拡大図、(b)は図5の切り出しサンプル24b1のb断面の拡大図である。図7はカーボンファイバー24fの繊維直径部分Dと繊維長部分Lを表わす説明図である。
図4の(a)に示すように、芯金24d上のソリッドゴム弾性層24aの外周に高熱伝導弾性層24bを成型した弾性層形成物2において、高熱伝導弾性層24bをx方向(周方向)、y方向(長手方向)にてカットして切り出す。そしてその高熱伝導弾性層24bの切り出しサンプル24b1において、図5のようにx方向のa断面及びy方向のb断面をそれぞれ観察する。すると、x方向のa断面では図6の(a)のようにカーボンファイバー24fの繊維直径部分D(図7参照)が主に観察されるのに対し、y方向のb断面では図6の(b)のようにカーボンファイバー24fの繊維長部分L(図7参照)が多く観察される。
一方、アルミナやAlNなどの球形の充填剤については、x方向のa断面、y方向のb断面で同様な分散状態となる。従って、アルミナやAlNなど充填剤は熱伝導率の異方性も持たない。
ここで、カーボンファイバー24fにおいて、繊維長部分Lの平均値が10μmより短いと、高熱伝導弾性層24b中の熱伝導率異方性効果が現れ難い。つまり、高熱伝導弾性層24bの長手方向に熱伝導率が高く周方向に熱伝導率が低いと、高熱伝導弾性層24bの長手方向において熱量を中央に供給できるので、記録材Pが担持するトナー画像tに対し同じ定着性を得るのにも省エネが図れる。また、加圧ローラ24の長手方向の非通紙領域の昇温を緩和することも可能となる。繊維長部分Lの平均値が1mmより長いと、カーボンファイバー24fの高熱伝導弾性層24b中への分散加工成型が難しい。従って、カーボンファイバー24fの長さは0.01mm以上1mm以下、好ましくは0.05mm以上1mm以下がよい。
このようなカーボンファイバー24fとして、その熱伝導性能から、石油ピッチや石炭ピッチを原料として製造されたピッチ系カーボンファイバー、つまりピッチ系炭素繊維が好ましい。
3−1−3)離型層24c
離型層24cは高熱伝導弾性層24b上にPFAチューブを被せることにより形成しても良いし、フッ素ゴムまたは、PTFE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂を高熱伝導弾性層24b上にコーティングすることによって形成しても良い。なお、離型層24cの厚さは加圧ローラ24に充分な離型性を付与することができる厚さであれば特に限定されないが、好ましくは20〜100μmである。
さらに、ソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bの間、及び高熱伝導弾性層24bと離型層24cの間には接着、通電等の目的によりプライマー層や接着層が形成されていても良い。また、各々の層は本発明の範囲内において多層構成となっても良い。また、加圧ローラ24において、摺動性、発熱性、離型性等の目的でここに示した層以外の層が形成されていても良い。これらの層を形成する順序は特に限定されず、それぞれの工程等の都合により適宜入れ替えて行っても良い。
3−2)加圧ローラ24の実施例
[実施例1]
図8は実施例1に係る加圧ローラ24の一例の縦断面模型図である。図9は図8の加圧ローラ24の成型手順を表す説明図である。
実施例1に係る加圧ローラ24は、加圧ローラ24の外形が逆クラウン形状であって、高熱伝導弾性層24bの長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるようにソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bを組み合わせて弾性層を形成したものである。
実施例1の加圧ローラ24のソリッドゴム弾性層24a、高熱伝導弾性層24b、及び成型法を説明する。
<ソリッドゴム弾性層24a>
ソリッドゴム弾性層24aとして、密度が1.20g/cmである付加反応硬化型のシリコーンゴムを用いている。
<高熱伝導弾性層24b>
次に高熱伝導弾性層24bについて説明する。
まず、
重量平均分子量Mw=65000
数平均分子量 Mn=15000
A液‥ビニル基濃度(0.863mol%)、SiH濃度(無し)
粘度(7.8Pa・s)
B液‥ビニル基濃度(0.955mol%)、SiH濃度(0.780mol%
粘度(6.2Pa・s)
A/B=1/1のときH/Vi=0.43
となるA、B両液を1:1の割合になるように配合し、触媒の白金化合物を加えて付加硬化型シリコーンゴム原液を得る。
この付加硬化型シリコーンゴム原液に対し、アルミナ、AlN、ピッチ系カーボンファイバーを所定の体積比率で均一に配合・混練して、シリコーンゴム組成物(不図示)を得た。このシリコーンゴム組成物を高熱伝導弾性層24bとして用いる。
<加圧ローラ24の成型法>
φ22のAl製芯金24dの外周に上記のシリコーンゴムを用いて型成型法により厚さ3mmのソリッドゴム弾性層24aを形成することにより、図9に示すような弾性層形成物1を得た。弾性層形成物1の外形はφ28である。ここで温度条件としては150℃×30分にて加熱硬化させた。このソリッドゴム弾性層24aの熱伝導率λは0.2W/(m・K)であり、テストピース硬度はASKER−C硬度で32度であった。その熱伝導率0.2W/(m・K)は、後述する比較例ローラ1〜6の高熱伝導弾性層24bの熱伝導率よりも低い。
次に、内径φ30の金型(不図示)にφ28の弾性層形成物1を金型の芯軸(軸線)と弾性層形成物1の芯金24dの芯軸(軸線)とが等しくなるようセットする。そしてその金型と弾性層形成物1との間にシリコーンゴム組成物1を注入し、150℃×60分の加熱硬化を経て外径φ30の高熱伝導弾性層24bを備えた弾性層形成物2(図9)を得る。この高熱伝導弾性層24bの成型工程において、型成型法により高熱伝導弾性層24bを長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように逆クラウン量200μmに設定した逆クラウン形状に形成する。つまり、第2の弾性層である高熱伝導弾性層24bの厚さを高熱伝導弾性層24bの長手方向の中央から端部にかけて変化させている。
さらにその弾性層形成物2の高熱伝導弾性層24bの外周に離型層24cとしてPFAチューブ(厚み30μm)を被覆し、両端部を切断して、長手方向の長さ320mmの加圧ローラ24を得た。ここで、PFAとはテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体である。
実施例1の加圧ローラ24は、高熱伝導弾性層24bを逆クラウン量200μmの逆クラウン形状に形成することによって、加圧ローラ24外形に200μmの逆クラウン形状を施している。ここで、逆クラウン量は、加圧ローラ24の長手方向の端部の外径D2と中央の外径D1との差(D2−D1)で規定する。従って逆クラウン量200μmはD2とD1との差である。図8、図9では、加圧ローラ24外形の逆クラウン形状を容易に理解できるように、加圧ローラ24の外形形状は強調して表してある。
従って、実施例1の加圧ローラ24は、第2の弾性層である高熱伝導弾性層24bの長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように第1の弾性層であるソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bを組み合わせて弾性層が形成されている。
[実施例2]
図10は実施例2に係る加圧ローラ24の一例の縦断面模型図である。図11は図10の加圧ローラ24の成型手順を表す説明図である。
実施例2に係る加圧ローラ24は、加圧ローラ24の外形がストレート形状であって、高熱伝導弾性層24bの長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるようにソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bを組み合わせて弾性層を形成したものである。
<加圧ローラ24の成型法>
芯金24dの外周に上記のシリコーンゴムを用いて型成型法によりソリッドゴム弾性層24aを形成することによって、図11に示すような弾性層形成物1を得る。ソリッドゴム弾性層24aの材料、厚さ、温度条件などは実施例1の加圧ローラ24のソリッドゴム弾性層24aと同じである。
次に、弾性層形成物1のソリッドゴム弾性層24aの外周において、ソリッドゴム弾性層24aの長手方向の両側端部のTa領域に研磨加工を施すことにより、そのTa領域をテーパ量1mmのテーパ形状に形成した弾性層形成物2を得る。テーパ量としては、ソリッドゴム弾性層24aの長手方向の中央の外形D4と端部の外形D3との差(D4−D3)で規定する。従ってクラウン量1mmはD4とD3との差である。弾性層形成物1のソリッドゴム弾性層24aの外周において、ソリッドゴム弾性層24aの長手方向のTa領域間の中央のS領域は芯金24dの芯軸と平行なストレート形状となっている。従って、ソリッドゴム弾性層24aは、ソリッドゴム弾性層24aの長手方向の端部よりも中央の厚さが厚くなるクラウン形状に形成されている。つまり、第1の弾性層であるソリッドゴム弾性層24aの厚さをソリッドゴム弾性層24aの長手方向の中央から端部にかけて変化させている。図10、図11では、ソリッドゴム弾性層24aのテーパ形状を容易に理解できるように、ソリッドゴム弾性層24a外形形状は強調して表してある。
そしてその弾性層形成物2のソリッドゴム弾性層24aの外周に型成型法により高熱伝導弾性層24bを形成することにより、芯金24dの芯軸と平行なストレート形状の弾性層形成物3を得る。
さらにその弾性層形成物3の高熱伝導弾性層24bの外周に離型層24cとしてPFAチューブ(厚み30μm)を被覆し、両端部を切断して、長手方向の長さ320mmの加圧ローラ24を得た。
従って、実施例2の加圧ローラ24も、第2の弾性層である高熱伝導弾性層24bの長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように第1の弾性層であるソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bを組み合わせて弾性層が形成されている。
3−3)加圧ローラ24の評価
加圧ローラ24について、以下に説明する比較例ローラ1〜6を作製し、この比較例ローラ1〜6と後述する実施例ローラ1〜6との性能比較評価を行った。ここで、実施例ローラ1〜6と比較例ローラ1〜6は、それぞれ同じ番号同士で対応し、同じ物性の弾性層を有するものである。
3−3−1)比較例ローラ1〜6の説明
図12は比較例ローラ1〜6の縦断面模型図である。
比較例ローラ1〜6は、φ22の鉄材からなる芯金24dを用い、ソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bの合計の厚さは4mmとすることで、加圧ローラ24の外径としてφ30のものを使用した。高熱伝導弾性層24bの厚さは1mmである。離型層24cとしては、厚さが30μmのPFAチューブを用いた。また、ソリッドゴム弾性層24a、高熱伝導弾性層24bは長手方向において均一な厚さであり、外形はストレート形状とした。
また、本実施例では、6種類の高熱伝導弾性層24bを作成し、その高熱伝導弾性層24bを用いて作製した実施例ローラ1〜6と比較例ローラ1〜6の比較評価を行った。
以下に、比較例ローラ1〜6の高熱伝導弾性層24bについて説明する。
比較例ローラ1
付加反応型液状シリコーンゴム原液(S成分)に、フィラー(F成分)として、熱伝導率が36W/(m・K)である球形アルミナ(平均粒子径=11μm)を、混合後の割合がF成分として40vol%となるように混合してシリコーンゴム組成物を得た。そしてそのシリコーンゴム組成物によりソリッドゴム弾性層24a上の高熱伝導弾性層24bを形成した。
この比較例ローラ1の高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率λは0.84W/(m・K)であり、高熱伝導弾性層24bのテストピース硬度はASKER−C硬度で40度であった。
比較例ローラ2
付加反応型液状シリコーンゴム原液(S成分)に、フィラー(F成分)として、熱伝導率が200W/(m・K)である球形AlN(平均粒子径=8.4μm)を、混合後の割合がF成分として35vol%となるように混合してシリコーンゴム組成物を得た。そしてそのシリコーンゴム組成物によりソリッドゴム弾性層24a上の高熱伝導弾性層24bを形成した。
この比較例ローラ2の高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率λは1.02W/(m・K)であり、高熱伝導弾性層24bのテストピース硬度はASKER−C硬度で51度であった。
比較例ローラ3
付加反応型液状シリコーンゴム原液(S成分)に、フィラー(F成分)として、熱伝導率が36W/(m・K)である球形アルミナ(平均粒子径=11μm)を、混合後の割合がF成分として50vol%となるように混合してシリコーンゴム組成物を得た。そしてそのシリコーンゴム組成物によりソリッドゴム弾性層24a上の高熱伝導弾性層24bを形成した。
この比較例ローラ3の高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率λは1.20W/(m・K)であり、高熱伝導弾性層24bのテストピース硬度はASKER−C硬度で58度であった。
比較例ローラ4
付加反応型液状シリコーンゴム原液(S成分)に、フィラー(F成分)として、熱伝導率が200W/(m・K)である球形AlN(平均粒子径=8.4μm)を、混合後の割合がF成分として40vol%となるように混合してシリコーンゴム組成物を得た。そしてそのシリコーンゴム組成物によりソリッドゴム弾性層24a上の高熱伝導弾性層24bを形成した。
この比較例ローラ4の高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率λは1.24W/(m・K)であり、高熱伝導弾性層24bのテストピース硬度はASKER−C硬度で63度であった。
比較例ローラ5
付加反応型液状シリコーンゴム原液(S成分)に、フィラー(F成分)として、熱伝導率が900W/(m・K)であるピッチ系カーボンファイバ100−05Mを、混合後の割合がF成分として35vol%となるように混合してシリコーンゴム組成物を得た。ピッチ系カーボンファイバ100−05Mについては追って説明する。そしてそのシリコーンゴム組成物によりソリッドゴム弾性層24a上の高熱伝導弾性層24bを形成した。
この比較例ローラ5の高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率λは39.22W/(m・K)であり、高熱伝導弾性層24bのテストピース硬度はASKER−C硬度で39度であった。
比較例ローラ6
付加反応型液状シリコーンゴム原液(S成分)に、フィラー(F成分)として、熱伝導率が900W/(m・K)であるピッチ系カーボンファイバ100−15Mを、混合後の割合がF成分として30vol%となるように混合してシリコーンゴム組成物を得た。ピッチ系カーボンファイバ100−15Mについては追って説明する。そしてそのシリコーンゴム組成物によりソリッドゴム弾性層24a上の高熱伝導弾性層24bを形成した。
この比較例ローラ6の高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率λは65.78W/(m・K)であり、高熱伝導弾性層24bのテストピース硬度はASKER−C硬度で35度であった。
以下に比較例ローラ5、6で使用したピッチ系カーボンファイバーを説明する。
・100−05M:ピッチ系カーボンファイバー、商品名:XN−100−05M、日本グラファイトファイバー(株)製、平均繊維直径:9μm、平均繊維長L:50μm、熱伝導率900W/(m・k)。
・100−15M:ピッチ系カーボンファイバー、商品名:XN−100−15M、日本グラファイトファイバー(株)製、平均繊維直径:9μm、平均繊維長L:150μm、熱伝導率900W/(m・k)。
3−3−2)実施例ローラと比較例ローラとの比較評価
比較評価例1
図13は本比較評価例の比較対象となる実施例ローラ1と比較例ローラ1の縦断面模型図である。
実施例ローラ1のソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bのシリコーンゴムの物性は、比較例ローラ1のそれと同じである。従って、実施例ローラ1の高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率は0.84W/(m・K)であり、高熱伝導弾性層24bのASKER−C硬度(以下、ゴム硬度と記す)は40度である。これらの実施例ローラ1と比較例ローラ1は、高熱伝導弾性層24bとして、付加硬化型シリコーンゴム原液に充填材としてアルミナを40vol%配合したシリコーンゴム組成物を用いている。比較例ローラ1の外形がストレート形状であるのに対し、実施例ローラ1の外形は200μmの逆クラウン形状を施した。図13においては、説明の分かり易さの観点から、実施例ローラ1の外形形状を強調して示している。ここで、実施例ローラ1と比較例ローラ1は、それぞれ型成型法によりソリッドゴム弾性層24aをストレート形状に成型後、そのソリッドゴム弾性層24a上に型成型法により高熱伝導弾性層24bを形成したものである。
よって、実施例ローラ1と比較例ローラ1では、ソリッドゴム弾性層24a、高熱伝導弾性層24bの厚さは表1のようになった。
また、図2で示した定着装置6において、加圧ローラ24として実施例ローラ1、比較例ローラ1をそれぞれ用い、その実施例ローラ1、比較例ローラ1それぞれに加圧力196Nを作用させたときに形成されたニップ幅は、表1のようになった。比較例ローラ1では、比較例ローラ1の長手方向の端部と中央とのニップ幅の差が0.3mmある。これに対し、実施例ローラ1では、高熱伝導弾性層24bの長手方向の端部を中央よりも0.1mm厚くすることにより実施例ローラ1の長手方向の中央のニップ幅と端部のニップ幅をほぼ同じ値にすることができた。
比較評価例2
比較評価例1と同様、図13に示す形状で実施例ローラ2と比較例ローラ2をそれぞれ作製した。実施例ローラ2のソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bのシリコーンゴムの物性は、比較例ローラ2のそれと同じである。ただし、高熱伝導弾性層24bの充填材を実施例ローラ1の高熱伝導弾性層24bより熱伝導率の高いAlNに変更した。AlNの場合、配合量をアルミナより少ない35vol%としても、熱伝導率については実施例ローラ1の0.84W/(m・K)よりも高い1.02W/(m・K)にすることができた。一方、高熱伝導弾性層24bのゴム硬度は40度から51度へと硬くなった。図2に示す定着装置6において、これらの実施例ローラ2、比較例ローラ2それぞれに加圧力196Nを作用させたときに形成されたニップ幅を表2に示す。実施例ローラ2は全体的に実施例ローラ1よりもニップ幅が細くなったが、実施例ローラ2の長手方向の中央のニップ幅と端部のニップ幅との差については、ほぼ同じ値にすることができた。
比較評価例3
図14は本比較評価例の比較対象となる実施例ローラ3と比較例ローラ3の縦断面模型図である。
実施例ローラ3のソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bのシリコーンゴムの物性は、比較ローラ3のそれと同じである。これらの実施例ローラ3と比較例ローラ3は、高熱伝導弾性層24bとして、実施例ローラ1よりも更に高熱伝導なものにするため、付加硬化型シリコーンゴム原液に充填材としてアルミナを50vol%配合したシリコーンゴム組成物を用いている。また、本比較評価例においては、比較例ローラ3、実施例ローラ3の外形が共にストレート形状であるのに対し、ソリッドゴム弾性層24aの形状は、比較例ローラ3がストレート形状、実施例ローラ3はTa領域に1mmのテーパ形状を施した。テーパ量としては、実施例ローラ3の長手方向の中央のストレート部Sの外形D4と端部の外形D3との差で規定する。ソリッドゴム弾性層24aは、型成型法によりストレート形状で成型したあと、研磨によりテーパ形状を付与した。そして、ソリッドゴム弾性層24a上に型成型法により高熱伝導弾性層24bを形成した。
よって、ソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bとからなる弾性層の断面形状の違いにより、実施例ローラ3と比較例ローラ3において、ソリッドゴム弾性層24a、高熱伝導弾性層24bの厚さはそれぞれ表3のようになった。
また、図2に示す定着装置6において、これらの実施例ローラ3、比較例ローラ3それぞれに加圧力196Nを作用させたときに形成されたニップ幅は、表3のようになった。比較例ローラ3では、比較例ローラ3の長手方向の端部のニップ幅と中央のニップ幅との差が0.5mmある。これに対し、実施例ローラ3では、全体的にニップ幅が細くなってはいるものの、実施例ローラ3の長手方向の中央のニップ幅と端部のニップ幅をほぼ同じ値にすることができた。
比較評価例4
比較評価例3と同様、図14に示す形状で実施例ローラ4と比較例ローラ4をそれぞれ作製した。実施例ローラ4のソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bのシリコーンゴムの物性は、比較例ローラ4のそれと同じである。ただし、高熱伝導弾性層24bの充填材を実施例ローラ3より熱伝導率の高いAlNに変更した。AlNの場合、配合量を実施例ローラ3のアルミナより少ない40vol%としても、熱伝導率については実施例ローラ3の1.196W/(m・K)よりも高い1.24W/(m・K)にすることができた。一方、高熱伝導弾性層24bのゴム硬度は58度から63度へと硬くなった。図2に示す定着装置6において、これらの実施例ローラ4、比較例ローラ4それぞれに加圧力196Nを作用させたときに形成されたニップ幅を表4に示す。実施例ローラ4は全体的に実施例ローラ3よりもニップ幅が細くなったが、実施例ローラ4の長手方向の中央のニップ幅と端部のニップ幅との差については、ほぼ同じ値にすることができた。
また、図13に示す実施例ローラ1の高熱伝導弾性層24bの逆クラウン形状と、図14に示す実施例ローラ4のソリッドゴム弾性層24aのテーパ形状とを組み合わせて弾性層とする構成を採用してもよい。その弾性層の構成を採用することにより、高熱伝導弾性層24bの厚さやゴム硬度の違いに対応して長手方向の中央のニップ幅と端部のニップ幅との差を低減するように補正することができる。
比較評価例5
比較評価例1と同様、図13に示す形状で実施例ローラ2と比較例ローラ2をそれぞれ作製した。実施例ローラ5のソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bのシリコーンゴムの物性は、比較例ローラ5のそれと同じである。これらの実施例ローラ5と比較例ローラ5は、高熱伝導弾性層24bとして、ローラの長手方向の熱伝導率を更に高いものにするため、付加硬化型シリコーンゴム原液に充填材としてカーボンファイバーを35vol%配合したシリコーンゴム組成物を用いている。実施例ローラ5と比較例ローラ5の外形形状及び成型法は、それぞれ図13に示す実施例ローラ1と比較例ローラ1の外形形状と同じである。
よって、ソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bとからなる弾性層の断面形状の違いにより、実施例ローラ5と比較例ローラ5において、ソリッドゴム弾性層24a、高熱伝導弾性層24bの厚さはそれぞれ表5のようになった。
また、図2に示す定着装置6において、これらの実施例ローラ5、比較例ローラ5それぞれに加圧力196Nを作用させたときに形成されたニップ幅は、表5のようになった。比較例ローラ5では、比較例ローラ5の長手方向の端部のニップ幅と中央のニップ幅との差が0.3mmある。これに対し、実施例ローラ5では、実施例ローラ1、2に対して全体的にニップ幅が太くなるとともに、実施例ローラ5の長手方向の中央のニップ幅と端部のニップ幅をほぼ同じ値にすることができた。
これは、実施例ローラ5の高熱伝導弾性層24bのゴム硬度が、実施例ローラ1の高熱伝導弾性層24bのゴム硬度40度から35度へと低硬度化したため、ニップ幅についても実施例ローラ1、2より広くすることができた。一方、実施例ローラ5の高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率については、実施例ローラ1の0.84W/(m・K)から39.22W/(m・K)へと大幅に増加させることができた。
比較評価例6
比較評価例5と同様、図13に示す形状で実施例ローラ2と比較例ローラ2をそれぞれ作製した。実施例ローラ6のソリッドゴム弾性層24aと高熱伝導弾性層24bのシリコーンゴムの物性は、比較例ローラ5のそれと同じである。ただし、実施例ローラ6においては、高熱伝導弾性層24bの充填材であるカーボンファイバーの繊維長Lと入れ目量を実施例ローラ5のカーボンファイバーに対して変更した。具体的には、繊維長Lを50μmから150μmにアップさせ、配合量は逆に35vol%から30vol%に削減した。しかしながら、高熱伝導弾性層24bの長手方向の熱伝導率については、実施例ローラ5の39.22W/(m・K)よりも高い65.78W/(m・K)にすることができ、逆にゴム硬度は39度から35度へと軟らかくなった。図2に示す定着装置6において、これらの実施例ローラ5、比較例ローラ5それぞれに加圧力196Nを作用させたときに形成されたニップ幅を表6に示す。実施例ローラ6は全体的に実施例ローラ5よりもニップ幅が広くなり、かつ実施例ローラ6の長手方向の中央のニップ幅と端部のニップ幅を同じ値にすることができた。
比較評価例7
これまでの実施例1〜6に対する比較例として、加圧ローラの弾性層全層をソリッドゴム弾性層24aで成型した場合の例を示す。
図15は比較評価例7の比較対象となる比較例ローラ7を表す図であって、(a)は外形形状がストレート形状の比較例ローラの縦断面模型図、(b)は外形形状が逆クラウン形状した比較例ローラの縦断面模型図である。
図15の(a)と(b)に示す2種類の比較例ローラ7は、それぞれ密度が1.20g/cmである付加反応硬化型のシリコーンゴムを用いて型成型法により芯金24d上に厚さ4mm(単層)のソリッドゴム弾性層24aを形成した。この比較例ローラ7のソリッドゴム弾性層24gの長手方向の熱伝導率λは0.2W/(m・K)であり、ソリッドゴム弾性層24gのテストピース硬度はASKER−C硬度で32度であった。
また、図2に示す定着装置6において、これらの2種類の比較例ローラ7それぞれに加圧力196Nを作用させたときに形成されたニップ幅は、表7のようになった。外形形状がストレート形状の比較例ローラ7では、比較例ローラ7の長手方向の端部のニップ幅と中央のニップ幅との差が0.3mmある。これに対し、外形形状が200μmの逆クラウン形状の比較例ローラ7では、比較例ローラ7の長手方向の端部のニップ幅と中央のニップ幅との差が0.5mmとなった。
弾性層全層を単層のソリッドゴム弾性層24aにより構成したストレート形状の加圧ローラに対して、逆クラウン形状を付与した場合、比較評価例7で示したように逆クラウン形状の加圧ローラの長手方向の端部のニップ幅が増加する傾向となる。
一方、比較評価例1、2、5、6で示したように、加圧ローラの2層化した弾性層の上層側弾性層(高熱伝導弾性層24b)の長手方向の端部の厚さを中央の厚さに対して厚くしている。これにより、加圧ローラの長手方向において端部のニップ幅と中央のニップ幅との差を低減するように補正することができる。また、加圧ローラの中央から端部に向かって、上層側弾性層の厚さを徐々に厚くなるように変化させることにより、加圧ローラの長手方向のニップ幅形状も滑らかなものとなり、より安定した記録材の搬送性を確保することができる。
また、比較評価例3、4で示したように、加圧ローラの2層化した弾性層の下層側弾性層(ソリッドゴム弾性層24a)の長手方向の中央の厚さを端部の厚さに対して厚くしても、端部のニップ幅と中央のニップ幅との差を低減するように補正することができる。また、加圧ローラの端部から中央に向かって、下層側弾性層の厚さを徐々に厚くなるように変化させても、加圧ローラの長手方向のニップ幅形状も滑らかなものとなり、より安定した記録材の搬送性を確保することができる。
また、本実施例においては、加圧ローラの2層化した弾性層の下層側弾性層の材料としてソリッドゴムを使用したが、下層側弾性層の材料はソリッドゴムに限られない。高い耐久性能を要求されない低速のプリンタに搭載される定着装置においては、加圧ローラの下層側弾性層の材料として特公平4−77315号公報に開示されているような発泡シリコーンゴムを使用することもできる。これにより、下層側弾性層の熱伝導率は0.12W/(m・K)程度まで下げることができる。そのため、芯金24dへの放熱を抑制しつつ、高熱伝導弾性層24bにより加圧ローラの長手方向の温度ムラを抑制することができる高効率な定着装置を提供することができる。また、下層側弾性層は、特開平8−12888号公報、特開平5−209080号公報で開示されているような樹脂マイクロバルーンをシリコーンゴムの充填材として用いて断熱化を図ってもよい。
実施例1、2の加圧ローラ24は、2層化した弾性層において、上層側に熱伝導率の高い高熱伝導弾性層24bを有し、下層側に高熱伝導弾性層24bよりも熱伝導率の低い弾性層24aを有している。この高熱伝導弾性層24bは弾性層24aよりも硬度が高い。そして高熱伝導弾性層24bの長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように弾性層24aと高熱伝導弾性層24bを組み合わせて2層化した弾性層を形成している。従って、実施例1、2の加圧ローラ24は、加圧ローラ24の長手方向の中央のニップ幅の端部のニップ幅との差を低減できるので、加圧ローラ24の長手方向において均一な定着性と安定した搬送性を確保できる。
(4)その他
4−1)上記実施例におけるフィルム加熱方式の加熱定着装置6において、加熱体22はセラミックヒータに限られるものではない。例えば、加熱体22はニクロム線等を用いた接触加熱体等や、鉄板片等の電磁誘導発熱性部材等であってもよい。加熱体22は必ずしもニップ部に位置していなくてもよい。
フィルム23自体を電磁誘導発熱性の金属フィルムにした電磁誘導加熱方式の加熱定着装置にすることもできる。
フィルム23は複数本の懸架部材間に懸回張設して駆動ローラで回動駆動させる装置構成にすることもできる。またフィルム23は繰り出し軸にロール巻きにした有端の長尺部材にして巻取り軸側に走行移動させる装置構成にすることもできる。
4−2)加熱定着装置はフィルム加熱方式に限られず、熱ローラ方式であってもよい。
4−3)加熱定着装置は、実施例の加熱定着装置に限られず、その他、未定着画像を仮定着する像加熱装置、画像を担持した記録媒体を再加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置であってもよい。
画像形成装置の一例の概略構成模型図 定着装置の概略構成模型図 加圧ローラの層構成模型図 加圧ローラの弾性層形成物2の説明図 加圧ローラの弾性層形成物2の高熱伝導弾性層の切り出しサンプルの拡大斜視図 (a)は高熱伝導弾性層の切り出しサンプルのa断面の拡大図、(b)はb断面の拡大図 カーボンファイバーの説明図 実施例1に係る加圧ローラの一例の縦断面模型図 実施例1に係る加圧ローラの成型手順を表す説明図 実施例2に係る加圧ローラの一例の縦断面模型図である。図11は図10の加圧ローラ24の成型手順を表す説明図である。 実施例2に係る加圧ローラの成型手順を表す説明図 比較例ローラ1〜6の縦断面模型図 比較評価例1、2、5、6の比較対象となる実施例ローラ1、2、5、6と比較例ローラ1、2、5、6の縦断面模型図 比較評価例3、4の比較対象となる実施例ローラ3、4と比較例ローラ3、4の縦断面模型図 比較評価例7の比較対象となる比較例ローラ7の説明図
符号の説明
6‥加熱定着装置、23‥耐熱性フィルム、24‥加圧ローラ、24a‥ソリッドゴム弾性層、24b‥高熱伝導弾性層、P‥記録材、N‥ニップ部

Claims (6)

  1. 加熱部材と接触して記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧部材であって、第1の弾性層と、前記第1の弾性層よりも高い熱伝導性を有する第2の弾性層と、を有する加圧部材において、
    前記第2の弾性層の記録材搬送方向と直交する長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように前記第1の弾性層と前記第2の弾性層を組み合わせて弾性層が形成されていることを特徴とする加圧部材。
  2. 前記第1の弾性層より前記第2の弾性層の方が、少なくとも記録材搬送方向と直交する長手方向の熱伝導率が高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の加圧部材。
  3. 前記第2の弾性層は、前記第1の弾性層よりも硬度が高いことを特徴とする請求項1に記載の加圧部材。
  4. 前記第2の弾性層の厚さを前記第2の弾性層の記録材搬送方向と直交する長手方向の中央から端部にかけて変化させていることを特徴とする請求項1に記載の加圧部材。
  5. 前記第1の弾性層の厚さを前記第1の弾性層の記録材搬送方向と直交する長手方向の中央から端部にかけて変化させていることを特徴とする請求項1に記載の加圧部材。
  6. 加熱部材と、前記加熱部材と接触してニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ記録材が担持している像を加熱する像加熱装置において、
    前記加圧部材は、第1の弾性層と、前記第1の弾性層よりも高い熱伝導性を有する第2の弾性層と、を有し、前記第2の弾性層の記録材搬送方向と直交する長手方向の中央よりも端部の厚さが厚くなるように前記第1の弾性層と前記第2の弾性層を組み合わせて弾性層が形成されていることを特徴とする像加熱装置。
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