JP2020106560A - 回転装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示す定着装置10は、加熱体としてのヒータ11と、加熱体支持部材としてのヒータホルダ12と、定着部材としての定着ベルト13と、ニップ部形成部材としての加圧ローラ14を備える。ヒータ11は、不図示の手段によって通電されることで発熱しかつ所定の制御温度に制御される例えば抵抗発熱体などの熱源である。ヒータ11は、剛性を有する耐熱性材料によって横断面略半円弧状の樋型に形成されるヒータホルダ12(以下、単にホルダと記す)に固定支持される。具体的には、ホルダ12の下面に長手方向(図1の紙面表裏方向)に沿って溝部が設けられており、この溝部にヒータ12が嵌入されている。ホルダ12はニップNを形成する際に、加圧機構で荷重をかけた際の剛性が不足するため、Tステイ15を嵌合し剛性を上げている。本構成では、Tステイ15をさらに保持部材2を通紙方向端部で嵌合し、加圧機構(不図示)で保持部材2を加圧しニップNを形成する。
定着ベルト13について説明する。
加圧ローラ14について説明する。
基体14aは、ニッケルやクロムをメッキしたSUM材(硫黄および硫黄複合快削鋼鋼材)等の鋼材を含むステンレススチール、リン青銅、アルミニウムなどを用いて形成されている軸芯体あるいは芯金である。基体14aの外径は、4mm〜80mmであればよい。
弾性層14bは、基体14aの外周を被覆するシリコーンゴム層である。図1に示すように、弾性層14bには、針状の高熱伝導性フィラーあるいは粒状の高熱伝導フィラーが混入、分散されている。針状の高熱伝導性フィラーあるいは粒状の高熱伝導性フィラーについて説明する。粒状の高熱伝導性フィラーとしては、定着ベルト13のベルト弾性層13bと同様に、炭化ケイ素(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化マグネシウム(MgO)、カーボン等が用いられる。粒状の高熱伝導性フィラーに関しては、弾性層の熱伝導率を上げるために混入させており場合によっては必ずしも必要ではない。
離型層14cは、フッ素樹脂層である。離型層14cは、弾性層14bの外周に例えば共重合体(PFA)チューブを被覆することにより形成される。もしくはPFA、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂からなる塗料を弾性層14b外周に塗布することにより形成してもよい。離型層14cの厚みは特に限定されないが、好ましくは15〜80μm程度であればよい。この離型層14dは、加圧ローラ14にトナーを付着しにくくするために設けられる。なお、複数の弾性層を持つ場合、弾性層の間や、弾性層14bと離型層14cの間には接着、通電等の目的によりプライマー層や接着層などが設けられていてもよい。
保持部材2は、定着ベルト規制面21と定着ベルト保持面22により構成されている。保持部材2は、長手方向の両端で定着ベルト13の内側に挿入する構成になっている。(図2以下の図では、片側の保持部材のみの図示をすることとする)定着ベルト規制面21は定着ベルト13と長手方向端部で接することで定着ベルト端部が、定着ベルト保持面22は、定着ベルト13の内部と接することで、加圧ローラ14が駆動し定着ベルト13が従動回転した際に、定着ベルト13の回転軌道を安定させる役割を担う。定着ベルト保持面22は、定着ベルト13に過剰な応力をかけないために、定着ベルト規制面21に対して垂直に配置されていることが望ましい。保持部材2は、材料としてエンジニアリングプラスティック(例えば、LCP/PET/PPS/PEEK樹脂等)を用いられることが多い。プラスティック樹脂を使うことで保持部材2は自在な形状に作成することができる。保持部材2において、定着ベルト規制面21と定着ベルト規制面22は別材料を用いてもよい。本実施例では、特に指定がなければLCPを主原料とするエンジニアリングプラスティックで構成されたものを利用した。
図3を用いて、寄り力発生の原理と保持部材による寄り力低減原理について説明する。
まずローラ駆動時に定着ベルト端部に寄り力が発生する原理を説明する。
次に、図3を用いて保持部材による寄り力低減の原理を説明する。
本案件の実施例と従来例1〜3を図4〜図6にて説明した後、従来例1/同2の保持部材における問題点、本実施例の特徴を述べる。
図4に本案件の実施例、図5に従来例1、図6に従来例2を示す(従来例3は不図示)。図4〜図6は各例において、図2のベルト端部を(a)はY軸方向から、(b)はX方向から、(c)はZ軸方向から見た図である。
従来例1は通紙方向下流の定着ベルト13の曲率半径を小さくなるため分離性能は向上するが、定着ベルト13端部に発生する寄り力が低減できないため、定着ベルトの寿命は短くなる。従来例1の構成は、定着ベルト保持面22が搬送方向下流側(図3において点線で囲った部位)でつかえて邪魔をする。よってベルトが旋回できないため寄り力の低減ができない。寄り力を低減するには定着ベルトをある程度緩く固定し、定着ベルトの旋回を可能にする必要がある。また、従来例2は定着ベルトが旋回し寄り力低減できるため、定着ベルトの寿命は向上するが、通紙方向下流の定着ベルト13の曲率半径を大きいため分離性能が低下する。
本実施例は定着ベルト内周を規制する定着ベルト保持面の周長と定着ベルト内周長の比/定着ベルト規制面と定着ベルトの接触状態/定着ベルト周長に対するニップ垂直面に対する通紙方向上流のベルト周長の比を規定することで、ベルト端部にかかる応力を下げ長寿命化し、かつ定着ベルトの搬送方向下流の曲率半径を小さくし、トナーを定着後の紙の分離性能向上を達成する。
本実施例、従来例1、従来例2における定着ベルト保持面周長測定法/定着ベルト内周面測定法/定着ベルト接触部確認法/定着ベルト上流突出し量測定法を、前者の効果を評価するために行った定着ベルト寿命判定試験方法/定着分離性能試験方法について説明する。
定着ベルト保持面の内周長測定は、FIRSTEC社製 円周測定用パイテープを用いて測定する(テープ材質:1095スプリング鋼 品番PM000)。
定着ベルト内周長は定着ベルト内径の測定結果から算出する。ベルト内径を測定する際には、ミツトヨ製 デジタルノギス CD67−Sを用いて内径を測る。内径を測る際には、ノギスの測定部に軽く突き当っていることを確認する。測定はベルト端部で行い4点の平均値をとりその内径値に円周率をかけ求めた値をベルト内周長とする。測定時の温・湿度条件は23度30%とする。上記測定と合わせ、定着ベルト保持面内周長を定着ベルト内周長で割った値を保持面内周長/ベルト内周長の比として記録する。
定着ベルト接触部確認は、プリンター(商品名: キヤノン株式会社image RUNNER ADVANCE C355F)を用いて行った。定着ベルト保持部材の保持面/ヒータホルダ/ヒータ等の定着ベルト内面と当接しうる部材にゼブラ社の油性ペンハイマッキーで白く塗布した後、定着ベルトを再装着する。塗布する部材と異なる色油性ペンを使用し、両側の保持部材の保持部にハイマッキーを塗布する。定着装置に搭載された加圧ローラの周速度を200mm/secに設定し、ヒータ11の温調を190度に設定した。印字パターンを書いた用紙を100枚連続印刷したのち、一旦立ち下げ動作をし、再度100枚連続印刷するという手順を繰り返す。50K枚を通紙した後、塗布部を観察しヒータ11位置の中心を定着ニップ(N)垂直面としたときに、通紙方向上流側/下流側で塗布がはがれているか判定した。測定時の温・湿度条件は23度30%とした。本検討では、ポリイミドで形成された外径18mm厚さ60umの基層を持つ定着ベルト、加圧ローラは弾性層が、厚み3.5mmのシリコーンゴム、離型層がPFAで構成された厚み50μmチューブを被覆し利用したものを利用した。図3における交差角が0.15度になるように定着ベルトの角度を調整した。使用した用紙はCS−680(キヤノン社製)のA4サイズを使用した。
定着ベルト接触部確認は、プリンター(商品名:キヤノン株式会社image RUNNER ADVANCE C355F)を用いて行った。定着ベルト規制面が平滑になるようにジーシー社のエグザハイレックスを埋め込み、その上からゼブラ社の油性ペンハイマッキーで白く塗布した後、定着ベルトを再装着する。定着装置に搭載された加圧ローラの周速度を200mm/secに設定し、ヒータ11の温調を190度に設定した。印字パターンを書いた用紙を100枚連続印刷したのち、一旦立ち下げ動作をし、再度100枚連続印刷するという手順を繰り返す。
定着ベルトの寿命判定測定として、プリンター(商品名: キヤノン株式会社image RUNNER ADVANCE C355F)にて寿命について評価した。定着装置に搭載された加圧ローラの周速度を200mm/secに設定し、ヒータ11の温調を190度に設定した。寿命判定方法は以下の方法を用いて行った。印字パターンを書いた用紙を100枚連続印刷したのち、一旦立ち下げ動作をし、再度100枚連続印刷するという手順を繰り返した。定着ベルトにクラックが発生するまでの通紙枚数を寿命と定義した。端部ベルト破損が発生しないかはベルト端部にて目視確認で判定した。寿命が200Kを超えたものを目標達成と定義した。
定着ベルトの分離性能判定測定は、プリンター(商品名: キヤノン株式会社image RUNNER ADVANCE C355F)にて評価した。定着装置に搭載された加圧ローラの周速度を200mm/secに設定し、ヒータ11の温調を190度に固定した。分離性能判定方法は以下の方法を用いて行った。通紙する画像は画像先端から3mmに余白が空いた設定にし、全面をブルーに印字したサンプルを通紙する。使用用紙は王子製紙社製のOKトップコート+を利用した。米坪は73.3/79.1/84.9/104.7/127.9g/m2の5種類を用意した。使用した紙の目方向はY目を選択した。通紙した画像が、定着ベルトに巻き付くもしくは、紙が折れたりした場合は分離性能未達と判断した。測定時の温・湿度条件は30度80%で行った。検討する用紙は、前記条件下にあらかじめ1日以上放置した。分離ができた最小の米坪を記録し、84.9g/m2の紙を正常に通紙できれば分離性能達成とした。
実施例にて(保持面内周長/ベルト内周長の比)を振った場合と、従来例1〜従来例3に対して上記寿命判定測定と分離性能評価を行った結果を示す。表1には破損状況も記入した。
11c 通電発熱体、11d 表面保護層、12 ヒータホルダ、
13 定着ベルト、131 初期位置の定着ベルト、
132 寄り力補正後の定着ベルト、13a ベルト基材、13b ベルト弾性層、
13c ベルト表層、131 初期位置の定着ベルト、
132 寄り力補正後の定着ベルト、14 加圧ローラ、14a ローラ基体、
14b ローラ弾性層、14c ローラ離型層、15 ホルダ押圧部材(Tステイ)、
2 保持部材、21 定着ベルト規制面、22 定着ベルト保持面、
41 定着ベルト規制面における最凸点、71 定着ベルト旋回点、
a 定着ベルトの回転方向、b 加圧ローラの回転方向、
P 記録材、T 未定着トナー、N 定着ニップ、M 駆動源、
L 定着ベルト―定着ベルト規制面間隙部、
Lmin 定着ベルト―定着ベルト規制面最小間隙部
Claims (1)
- 回転可能に支持された中空の回転体と、前記回転体に対向し、前記回転体との間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持搬送して前記画像を加圧する加圧部材と、前記回転体の内面と接触することで前記回転体を保持する保持面と、前記回転体の回転軸方向の端面と接触することで回転軸方向の移動を規制する規制面とを備える保持部材とを有する画像加熱装置であって、前記規制面と前記回転体のスラスト方向端部との間隙のうち、最小間隙部を、加圧部材のスラスト軸中心線を含む定着ニップの垂直面に対して記録材搬送方向上流側に設け、かつ、保前保持面周長/前記回転体内周長の比が0.99以下0.96以上、ニップ垂直面から通紙方向上流のみで保持面と前記回転体が接触し、ニップ垂直面から通紙方向上流にせり出している部分の定着ベルト長さが前記回転体周長の半分以上であることを特徴とする定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018241906A JP2020106560A (ja) | 2018-12-26 | 2018-12-26 | 回転装置、定着装置及び画像形成装置 |
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JP2018241906A JP2020106560A (ja) | 2018-12-26 | 2018-12-26 | 回転装置、定着装置及び画像形成装置 |
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Family
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JP2018241906A Pending JP2020106560A (ja) | 2018-12-26 | 2018-12-26 | 回転装置、定着装置及び画像形成装置 |
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JP2010217205A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Panasonic Corp | 定着装置 |
JP2012252186A (ja) * | 2011-06-03 | 2012-12-20 | Canon Inc | 画像加熱装置 |
JP2018112689A (ja) * | 2017-01-13 | 2018-07-19 | キヤノン株式会社 | 定着装置 |
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