JP2016024216A - ニップ部形成部材、画像加熱装置、及びニップ部形成部材の製造方法 - Google Patents

ニップ部形成部材、画像加熱装置、及びニップ部形成部材の製造方法 Download PDF

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Shigeaki Takada
高田  成明
中山 敏則
Toshinori Nakayama
敏則 中山
政行 玉木
Masayuki Tamaki
政行 玉木
直紀 秋山
Naoki Akiyama
直紀 秋山
明志 浅香
Akishi Asaka
明志 浅香
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Yoshitaka Arai
由高 荒井
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【課題】画像加熱装置に用いられるニップ部形成部材について、非通紙部昇温抑制と立ち上がり時間の短縮を両立できるようにする。【解決手段】基体4aと基体4aの上に形成された弾性層4bを有し加熱部材3との圧接で弾性層4bが弾性変形することによりトナー像Tを担持したシート状の記録材Pを挟持搬送して加熱するニップ部Nを形成するニップ部形成部材4であって、加熱部材3に対向する外形形状が長手中央部に対して端部が大きくなる中凹形状であり、弾性層4bは、針状フィラー4b1を含み、針状フィラー4b1は、弾性層4bの長手方向yの熱伝導率λ1が厚み方向zの熱伝導率λ2に対して6倍以上、900倍以下となるように弾性層4bの層中において配向しており、厚みtが長手方向において一定であることを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、画像形成装置に搭載される画像加熱装置に用いられるニップ部形成部材、該ニップ部形成部材を用いた画像加熱装置、及びニップ部形成部材の製造方法に関する
一般に、電子写真方式のプリンタや複写機等の画像形成装置に搭載される画像加熱装置(以下、定着装置と記す)として、フィルム(ベルト)加熱方式の装置がある。この装置は、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有する加熱体(加熱源)としてのヒータを有する。このヒータを内包接触しつつ移動する加熱部材としての定着フィルムを有する。その定着フィルムと圧接してニップ部を形成するニップ部形成部材としての加圧ローラ(加圧用回転体)を有する。
また、他の定着装置の形態として、加熱源と、該加熱源を内包しない加熱部材としての定着ローラと、その定着ローラと圧接してニップ部を形成するニップ部形成部材としての加圧ローラと、を有する外部加熱源方式の装置などがある。
これら定着装置は、未定着のトナーによる画像を保持したシート状の記録材(以下、用紙或いは紙と記す)を、定着フィルム、定着ローラ、及び加圧ローラといった定着用部材間に形成されたニップ部に導入し加熱する。これにより、トナーを溶融し画像を用紙上に固着像として定着させる。
このような定着装置では、装置に使用可能な最大幅サイズの用紙よりも幅が小さい用紙を連続してニップ部に導入して加熱定着を実行した際に、ニップ部の幅方向(長手方向)においてニップ部内の用紙が接しない領域の温度が上昇する。以下、これを非通紙部昇温(非通過部昇温)と記す。用紙の幅とは用紙面において用紙搬送方向に直交する方向の寸法である。
非通紙部昇温は、ニップ部の幅方向においてニップ部内の小サイズ幅用紙が接しない領域においては、加熱部材である定着フィルムや定着ローラからの熱が用紙や用紙上のトナーによって奪われることがない。そのため、非通紙部分のニップ部の温度が上昇する現象である。
また、非通紙部昇温は、画像形成装置の処理速度(プロセススピード)が速くなるほど発生しやすい。これは、高速化に伴い用紙がニップ部を通過する時間が短くなるため、短い時間でトナー像に十分な熱を伝える必要があり、そのために、加熱部材である定着フィルムや定着ローラの温度をさらに高温にするからである。
非通紙部の過度な温度上昇は、定着用部材の熱による変質、変形を招来することがあり、そのため、各種対策が講じられている。特許文献1では、加熱部材とニップ部を形成するニップ部形成部材としての加圧部材の弾性層の炭素繊維により、部材回転軸方向(長手方向:以下、幅方向と記す)に高熱伝導化することで、非通紙部昇温の抑制を図る例を開示している。
特許第4508692号公報
特許文献1に記載の加圧部材は、弾性層に炭素繊維が分散されており、幅方向だけでなく、弾性層の厚み方向にも高熱伝導化してしまう。そのため、加熱部材としての定着フィルムや定着ローラがトナー画像を加熱定着するのに十分な温度に達するまでの時間(以下、立ち上がり時間と記す)が長くなる場合があった。
プリンタや複写機等の画像形成装置において、ファーストプリントアウトタイムの高速化、省エネルギー化が進む中で、非通紙部昇温を抑制しつつ、立ち上がり時間の短縮を実現するニップ部形成部材、及びこれを用いた画像加熱装置が望まれている。
本発明は、上記の従来技術を更に発展させたものであり、上記の要望に十分に応え得るニップ部形成部材、及びこれを用いた画像加熱装置を提供することを目的とする。また、製造工程を簡略化した、当該ニップ部形成部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係るニップ部形成部材の代表的な構成は、基体と前記基体の上に形成された弾性層を有し加熱部材との圧接で前記弾性層が弾性変形することによりトナー像を担持したシート状の記録材を挟持搬送して加熱するニップ部を形成するニップ部形成部材であって、前記加熱部材に対向する外形形状が長手中央部に対して端部が大きくなる中凹形状であり、前記弾性層は、針状フィラーを含み、前記針状フィラーは、前記弾性層の長手方向の熱伝導率が厚み方向の熱伝導率に対して6倍以上、900倍以下となるように前記弾性層の層中において配向しており、厚みが長手方向において一定であることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、加熱部材と、前記加熱部材との圧接で弾性変形してトナー像を担持した記録材を挟持搬送して加熱するニップ部を形成するニップ部形成部材と、を備えた画像加熱装置であって、前記ニップ部形成部材が上記のニップ部形成部材であることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明に係るニップ部形成部材の製造方法の代表的な構成は、上記のニップ部形成部材の製造方法であって、
(1)未架橋のゴムおよび前記ゴムに分散されてなる針状フィラー並びに含水材料を含む弾性層形成用の液体組成物を前記基体の長手に沿う方向に流動させて、前記液体組成物の層を前記基体の上に形成する工程と、
(2)含水材料中の水分を保持した状態で前記液体組成物の層中のゴムを架橋させる工程と、
(3)前記ゴムが架橋してなる層から含水材料中の水分を蒸発させ、多孔質の弾性層を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明のニップ部形成部材および画像加熱装置によれば、非通過部昇温抑制と立ち上がり時間の短縮を両立できる。また、本発明のニップ部形成部材の製造方法によれば製造工程を簡略化することができる。
実施形態における定着装置の概略構成を示す横断面模式図 加圧ローラの斜視図(俯瞰模型図) 針状フィラーの概略模型図 図2の加圧ローラの弾性層の切り出しサンプルの拡大斜視模型図 (a)は図4の切り出しサンプルのa断面の拡大図、(b)は図4の切り出しサンプルのb断面の拡大図 弾性層の切り出しサンプルの熱伝導率測定の説明図 実施例1の加圧ローラの形状と構成を示す縦断面模型図 弾性層が厚い場合の棒状フィラーの配向と弾性層が薄い場合の棒状フィラーの配向の説明図 比較例1、2、3の加圧ローラの形状と構成を示す縦断面模型図 実施例2の加圧ローラの形状と構成を示す縦断面模型図 実施例3の加圧ローラの形状と構成を示す縦断面模型図 比較例4の加圧ローラの形状と構成を示す縦断面模型図 実施例2の加圧ローラの斜視図(俯瞰模型図) 画像形成装置の一例の概略構成図 金型の構成説明図 一端側駒型に具備させた注入孔の形態図 金型に対するローラ基体の配設要領の説明図 注型工程の説明図 予めフッ素樹脂チューブを金型の内面(形成面)に配置した状態の模式図 非回転型のニップ部形成部材の構成模式図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
(1)画像形成部
図14は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置Aとして搭載した画像形成装置の一例の概略構成を示す断面模式図である。
この画像形成装置21は電子写真方式レーザープリンタであり、潜像を担持する像担持体としての感光体ドラム22を備えている。感光体ドラム22は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動され、その外面が帯電器23によって所定の極性・電位に一様に帯電される。その一様帯電面に対してレーザースキャナ(光学装置)24により画像情報のレーザー走査露光25がなされる。これにより、感光体ドラム22の面には走査露光した画像情報の静電潜像が形成される。
その静電潜像が現像器26によってトナー画像(トナー像とも記す)として現像される。そのトナー画像が、感光体ドラム22と転写ローラ27との当接部である転写部35において、該転写部35に導入されたシート状の記録材(以下、用紙または紙と記す)Pに対して順次に転写される。
用紙Pは画像形成装置本体内の下部の給紙カセット29内に積載収納されている。所定の給紙タイミングで給紙ローラ30が駆動されると、給紙カセット29内の用紙Pが1枚分離給紙されて、搬送路31aを通ってレジストローラ対32に至る。レジストローラ対32は用紙Pの先端部を受け止めて用紙Pの斜行修正をする。また、感光体ドラム22上のトナー画像の先端部が転写部35に到達したときに用紙Pの先端部も転写部35に丁度到達するタイミングとなるように、感光体ドラム22上のトナー画像と同期をとって、用紙Pを転写部35に給送する。
転写部35を通った用紙Pは感光体ドラム22の面から分離されて、定着装置Aへと搬送される。この定着装置Aにより用紙P上の未定着トナー画像が加熱・加圧により固着画像として用紙面に定着される。そして、その用紙Pが搬送路31bを通って排出ローラ対33によって画像形成装置本体の上面の排出トレイ34へと排出、積載される。また、用紙分離後の感光体ドラム22の面はクリーニング装置28によって転写残トナー等の残留付着物が除去されて清掃され、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置A
図1は定着装置Aの概略構成を示す断面図である。この定着装置Aは、フィルム(ベルト)加熱方式の画像加熱装置であり、以下にその概略構成について説明する。
1は横断面略半円弧状・樋型で、図面に垂直方向を幅方向(長手方向)とする横長のフィルムガイド部材である。2はフィルムガイド部材1の下面の略中央に幅方向に沿って形成した溝1a内に収容保持させた加熱体(加熱源)としての細長い横長のヒータである。3は加熱部材としてのエンドレス(筒状)の定着フィルム(定着ベルト:以下、フィルムとも記載する)である。定着フィルム3は、ヒータ2を装着したフィルムガイド部材1にルーズに外嵌させてある。フィルムガイド部材1は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイト)や液晶ポリマー等の耐熱性樹脂からなる成形品である。
ヒータ2は、セラミック基板上に発熱抵抗体を設けた構成を有する。図1に示すヒータ2は、アルミナ等の横長・薄板状のヒータ基板2aと、その表面側(フィルム摺動面側)に長手に沿って形成具備させた線状あるいは細帯状のAg/Pdなどの通電発熱体(発熱抵抗体)2bと、を有する。また、ヒータ2は、通電発熱体2bを覆って保護するガラス層等の薄い表面保護層2cを有する。そしてヒータ基板2aの裏面側にサーミスタ等の検温素子2dが接触している。
このヒータ2は、通電発熱体2bに対する電力供給により迅速に昇温した後、検温素子2dを含む電力制御系(不図示)により所定の定着温度(目標温度)を維持するように制御できる。
定着フィルム3は、熱容量を小さくして定着装置Aのクイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚100μm以下、好ましくは20μm以上60μm以下としたベースフィルムの表面に表面層をコーティングした複合層フィルムなどである。
ベースフィルムの材料としては、PI(ポリイミド)・PAI(ポリアミドイミド)・PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)・PES(ポリエーテルスルホン)等の樹脂材料や、SUS、Niなどの金属材料が用いられる。表面層の材料としては、PTFEポリテトラフルオロエチレン)・PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)・FEP(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)等のフッ素樹脂材料が用いられる。
4はニップ部形成部材としての弾性を有する加圧ローラであり、加熱部材である定着フィルム3との圧接で弾性変形することによりトナー画像Tを担持した用紙Pを挟持搬送するニップ部(定着ニップ部)Nを形成する。
図1に示す定着装置Aにおいては、ヒータ2と加圧ローラ4は平行に配列されて定着フィルム3を挟んで所定の加圧力で圧接している。これにより、定着フィルム3と加圧ローラ4との間に用紙搬送方向(記録材搬送方向)Qに関してトナー像Tの加熱定着に必要な所定幅のニップ部Nが形成される。
定着フィルム3と加圧ローラ4の両者の圧接は、加圧機構(不図示)により加圧ローラ4を定着フィルム3側に所定の加圧力で圧接させる構成でも、定着フィルム3側を加圧ローラ4に圧接させる構成でもよい。また定着フィルム3側と加圧ローラ4の両方を互いに所定の加圧力で圧接させる構成でもよい。
図1に示す定着装置Aにおいては、加圧ローラ4に対して駆動源(モータ)Mの駆動力が不図示のギア等の動力伝達機構を介して伝達されて、加圧ローラ4が所定の周速度で矢印bの反時計方向に回転駆動される。加圧ローラ4が回転駆動されると、定着フィルム3は、その内面がニップ部Nにおいてヒータ2の表面保護層2cの面に密着して摺動しながらフィルムガイド部材1の外周りを矢印aの時計方向に加圧ローラ4の回転に従動して回転する。ニップ部N内での定着フィルム3と加圧ローラ4の接触時間は一般的には20〜80msec程度である。
加圧ローラ4が回転駆動され、これに伴い定着フィルム3が従動回転し、またヒータ2が通電により昇温して所定の温度に温調された状態において、ニップ部Nに未定着のトナー像Tを担持している用紙Pが導入される。用紙Pのトナー像担持面側(用紙表面側)に定着フィルム3が対面し、その反対面側(用紙裏面側)に加圧ローラ4が対面する。用紙Pはニップ部Nで挟持搬送されることでニップ部Nを通過する間に、ヒータ2によって加熱された定着フィルム3から熱を供給され、ニップ部Nの加圧力を受ける。この加熱と加圧により、未定着のトナー像Tが用紙P面に固着像として定着される。
(3)加圧ローラ4
図2は図1に示す加圧ローラ4の俯瞰模型図(外観斜視模型図)である。加圧ローラ4は、鉄やアルミニウム等からなる基体(軸芯体、芯金)4aと、シリコーンゴムからなる弾性層4bと、フッ素樹脂等からなる離型層(樹脂表層)4cを有する。
以下では、加圧ローラ4の周方向(用紙搬送方向)を「x」方向、加圧ローラ4の幅方向(長手方向、軸方向)を「y」方向、加圧ローラ4の構成層の厚み方向(層厚方向)を「z」方向と表す。また、周方向xと幅方向yを合わせて加圧ローラ4の面方向とする。L1は加圧ローラ4の幅寸法(幅長さ)である。本例ではL1は320mmである。L2はニップ部N(定着装置A)に導入可能な最大幅サイズの用紙の幅(用紙面において用紙搬送方向に直交するわる行方向の寸法)である。本例ではこの最大幅サイズL2は304.8mm(12インチ)である。用紙の搬送は所謂中央基準でなされる。
基体4aの外径は、例えば、4mm〜80mmである。4a−1と4a−2は基体4aの幅方向の一端側と他端側とにそれぞれ基体4aと同心一体に配設された小径軸部である。この小径軸部4a−1と4a−2はそれぞれ定着装置Aのフレームなどの不図示の固定部分に回転自在に軸受されて支持される部分である。
弾性層4bは、図5の(b)と(b)の模式図に示すように、基体4aの幅方向yに配向している針状フィラー4b1と、空隙(多孔質:空孔)4b2とを有する。弾性層4bの厚みは用紙搬送方向Qに関して所望の幅のニップ部Nを形成できれば特に限定されないが、2〜10mmが好ましい。離型層4cの厚さは加圧ローラ4に充分な離型性と耐久性等を付与することができれば任意に設定することができる。一般的には20〜50μmである。
図3〜図5を用いて、弾性層4bについてさらに詳しく説明する。図3は、弾性層4b中で幅方向yに配向して存在する直径D及び長さLの針状フィラー4b1の拡大斜視図である。なお、針状フィラー4b1の物性等については後述する。図4は、図2の弾性層4bを切り出した切り出しサンプル4bsの拡大斜視図である。切り出しサンプル4bsは、図2に示したように、幅方向y及び周方向xに沿って切り出してある。図5の(a)と(b)は切り出しサンプル4bsの周方向断面(a断面)および幅方向断面(b断面)である。
切り出しサンプル4bsの周方向断面(a断面)は、図5の(a)に示すように、針状フィラー4b1の直径Dの断面が主として観察できる。幅方向断面(b断面)は、図5の(b)に示すように、針状フィラー4b1の長さLの部分が主として観察できる。加圧ローラ4の弾性層4bにおいて幅方向yに配向した針状フィラー4b1は熱伝導パスとなり、加圧ローラ4の幅方向yの熱伝導率を高めることができる。また、図5の(a)及び(b)のいずれにも、均一に分布した空隙4b2を観察することができる。
このように幅方向yに配向した針状フィラー4b1と空隙4b2により、弾性層4bの幅方向yでは高熱伝導性であり、厚み方向zでは空隙4b2によって、低熱伝導性となっている。また、空隙4b2によって、見かけ密度が低下するため、容積比熱を低減できる。なお、見かけ密度は、空隙4b2を含んだ体積を基にした密度である。
弾性層4bを特徴的に表現するものとして、ベースポリマー、針状フィラー4b1、空隙4b2が挙げられる。以下順を追って説明する。
(ベースポリマー)
弾性層4bのベースポリマーは付加硬化型液状シリコーンゴムを架橋硬化することで得られる。付加硬化型液状シリコーンゴムはビニル基等の不飽和結合を有するオルガノポリシロキサン(A)と、Si‐H結合(ヒドリド)を有するオルガノポリシロキサン(B)とを有する未架橋シリコーンゴムである。加熱等によりビニル基等の不飽和結合に対してSi‐Hが付加反応することで架橋硬化が進行する。反応を促進する触媒として(A)には白金化合物を含有するのが一般的である。
この付加硬化型液状シリコーンゴムは、本発明の目的を損なわない範囲で流動性を調節できる。なお、本発明においては、発明の特徴の範囲を超えない限りは、弾性層4b中に、本発明に記載されていないフィラーや充填材や配合剤が、公知の課題の解決手段として含まれていても構わない。
(針状フィラー4b1)
針状(細長い繊維形状)のフィラー4b1は配向された向きに熱を伝えやすい熱伝導異方性(針状フィラーの長軸方向(長さ方向)の熱伝導がよりも高い特性)を有している。針状とは、一方向のみに他方向に比べて長さを有する形状を指し、主に、短軸径と長軸長さによってその形状を表すことができる。短軸径(平均)は特に限定されるものではないが、5〜15μmのものが比較的容易に利用可能である。また、長軸長さ(平均)は0.05〜5mmのものが好ましい。より好ましくは、0.05〜1.0mmであることが望ましい。
図3に示すように、針状フィラーの直径Dに対する長さLの比が大きい、すなわちアスペクト比が高い材料が使用できる。針状のピッチ系炭素繊維は、より具体的な形状として、図3において直径Dが5〜11μm(平均直径)でありかつ長さL(平均長さ)が50μm以上1000μm以下程度のものが例示でき、工業的に入手容易である。本実施例においてはアスペクト比が4.5〜200の範囲のフィラーを針状フィラーとしている。針状フィラー底面の形状は円状でも角状でも構わず、後述した成形方法で配向する材料で有れば適用可能である。
このような材料として、ピッチ系炭素繊維が挙げられる。ピッチ系炭素繊維は石油、石炭、コールタールなどの副生成物を原料に高温で炭化して作った繊維である。熱伝導率λが500W/(m・K)以上であるピッチ系炭素繊維を含有することにより、本発明のニップ部形成部材を好適に実施できる。更にこのピッチ系炭素繊維が針状であることにより、より好適に本発明のニップ部形成部材の特徴が現れる。
弾性層4b中に針形状フィラー4b1の含有量は、加圧ローラ4の幅方向の熱伝導率を低下させないで期待する非通紙部昇温緩和の効果を得るために、また弾性層4bの成形を困難にしないために、5体積%以上40体積%以下である事が好ましい。
上記の針状フィラーの含有量、平均長さ、熱伝導率は以下のように求めることができる。弾性層中の針状フィラーの含有量(体積%)の測定方法は、まず弾性層の任意の部分を切り出し、その25℃における体積を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)により測定する(以下、この体積をVallと記す)。
次に、体積測定を行った評価サンプルを熱重量測定装置(商品名:TGA851e/SDTA、メトラートレド株式会社製)を用いて窒素ガス雰囲気下で700℃・1時間加熱することでシリコーンゴム成分を分解・除去する。弾性層4b中に針状フィラー以外に無機フィラーが入っていた場合、この分解後の残留物は、針状フィラーと無機フィラーが混在している状態である。
この状態で25℃における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する(以下、この体積をVaと記す)。その後、空気雰囲気下で700℃・1時間加熱することにより、針状フィラーが熱分解除去される。残った無機フィラーの25℃における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)を測定する(以下、この体積をVbと記す)。これらの値を基に、次の式から針状フィラーの重量が求めることができる。
針状フィラーの体積(体積%)={(Va−Vb)/Vall}×100
針状フィラーの平均長さは、上記シリコーンゴム成分加熱除去後の針状フィラーの顕微鏡観察による一般的な方法により、求める事ができる。
針状フィラーの熱伝導率は、熱拡散率と、定圧比熱と、密度と、から次の式で求めることができる。
熱伝導率=熱拡散率×定圧比熱×密度
熱拡散率はレーザーフラッシュ法熱定数測定装置(商品名:TC−7000、アルバック理工株式会社製)による。定圧比熱は示差走査熱量測定装置(商品名:DSC823e、メトラートレド株式会社製)による。密度は乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)による。
なお、本実施例の針状フィラーの含有量、平均長さ、熱伝導率は計5個の切断サンプルについての平均値を採用している。
(空隙4b2)
弾性層4b中には、配向した針状フィラー4b1と空隙4b2とが共存する。発泡剤や、中空粒子等の空隙形成手段によっては針状フィラーの配向阻害を起こす場合がある。針状フィラー4b1の配向状態は幅方向yの熱伝導率を支配するため配向が阻害されると非通紙部昇温を抑制する効果が低減することとなり好ましくない。
一方、含水材料を用いて空隙を形成した場合には、共存する針状フィラーの配向阻害を低減できる。針状フィラー4b1の幅方向yへの配向と、空隙形成を両立できるメカニズムについては、明らかではない。しかし、上記中空粒子のような硬い殻もなく、含水ゲル分散状態の径を小さくできるので、流動時の針状フィラー4b1の配向阻害への影響が少ないと考えている。なお、強度や画質の観点から、空隙径は20μmより下回ることが好ましい。
弾性層4bの空隙率は、期待する立ち上がり時間短縮効果を得るために、また成型を困難にしないために、20体積%以上70体積%以下が好適である。空隙率が高い方が立ち上がり時間短縮でき、より好ましくは35体積%以上70体積%以下である。
弾性層4bの表面からの深さ500μmまでの領域の空隙率は以下の式によって求める事ができる。まず、カミソリを用いて、弾性層4bの表面から深さ500μmまでの領域を任意の面で切断した。その25℃における体積を、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)により測定する(上記Vall)。次に、体積測定を行った評価サンプルを熱重量測定装置(商品名:TGA851e/SDTA、メトラートレド株式会社製)を用いて窒素ガス雰囲気下で700℃・1時間加熱する。これによりシリコーンゴム成分を分解・除去する(以下、この時の重量減少をMpと記す)。
弾性層4b中に針状フィラー以外に無機フィラーが入っていた場合、この分解後の残留物は、針状フィラーと無機フィラーが混在している状態である。
この状態で25℃における体積を乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330−1、株式会社島津製作所製)により測定する(上記Va)。
これらの値を基に、次の式から空隙量を求めることができる。なお、シリコーンポリマーの密度は0.97g/cm3として計算した(以下、この密度をρpと記す)。
空隙量(体積%)=[{(Vall−(Mp/ρp+Va)}/Vall]×100
また、弾性層4bとしての空隙量は、弾性層4bから任意の面で切断し、上記と同様に測定できる。なお、本実施例の空隙量は、計5個の切断サンプルについての平均値を採用している。
(幅方向熱伝導率λ1と厚み方向熱伝導率λ2の比)
弾性層4bは、幅方向熱伝導率λ1と厚み方向熱伝導率λ2の比λ1/λ2(以下、この比を熱伝導率比αと記す)が6以上900以下である。即ち、針状フィラー4b1は弾性層4bの長手方向の熱伝導率λ1が弾性層4bの厚み方向の熱伝導率λ2に対して6倍以上、900倍以下となるように弾性層中において配向している。
熱伝導率比αが6未満だと非通紙部昇温抑制の効果が十分に得られない場合がある。また、900倍を超えるようにするためには針状フィラー量や空隙が増え、加工成形が困難である。熱伝導率比が高ければ高いほど、幅方向yに熱を均一にしつつ、厚み方向zへの熱の逃げを抑制するので、非通紙部昇温を抑制しつつ、立ち上がり時間短縮するには好適である。
なお、熱伝導率比αは以下のように求めることができる。まず、加圧ローラ4から弾性層4bの切り出しサンプル4bs(図4)を剃刀で切りだした。次に、以下のような方法によって、幅方向熱伝導率λ1と厚み方向熱伝導率λ2を測定し、各々測定5回行い、平均値を用いて、その比を算出した。
図6を用いて、弾性層4bの幅方向熱伝導率λ1及び厚み方向熱伝導率λ2の測定について説明する。図6は、周方向(15mm)×幅方向(15mm)×厚み(弾性層厚み)に切り出したサンプル4bsを重ね合わせて、厚みが約15mmになるよう作成した熱伝導率評価用試料である。幅方向熱伝導率λ1を測定する際は図6に示すように厚さ0.07mm、幅10mmのテープTAで被測定試料を固定した。次に被測定面の平面度を揃えるために剃刀にて被測定面及び被測定面裏面をカットする。
そして、この被測定試料を2セット用意して、センサSを被測定試料で挟み、測定を行う。測定はホットディスク法熱物性測定装置TPA−501(京都電子工業株式会社製)を使用した異方熱伝導率測定である。厚み方向熱伝導率λ2の測定は、上記と同様の方法で被測定試料の向きを変えて測定した。
(弾性層4bの表面からの深さ500μmまでの領域の容積比熱)
弾性層4bは、弾性層4bの表面からの深さ500μmまでの領域の容積比熱が0.5J/cm3・K以上1.2J/cm3・K以下である。該容積比熱が低い程、立ち上がり時間短縮できるので、より好ましくは0.5J/cm3・K以上1.0J/cm3・K以下である。
ニップ部Nでの短時間繰り返し加熱(一般的に20〜80msec)を受ける加圧ローラ4の熱浸透距離は浅く、弾性層4bの表面からの深さ500μm程度である。その厚み領域において、容積比熱を小さくすることで、定着フィルム3から加圧ローラ4への蓄熱を防ぎ、定着フィルム3を効率良く温度上昇させることができ、立ち上がり時間を短縮することができる。
容積比熱0.5J/cm3・K未満では、空隙量を多量に含有させなければならず、加工成型が困難であり、1.2J/cm3・Kよりも大きいと、期待する立ち上がり時間短縮効果を得られない場合がある。
加圧ローラ4の弾性層4bの表面からの深さ500μmまでの領域の容積比熱は以下のように求めることができる。
まず、加圧ローラ4の弾性層4bの表面からの深さ500μmとなるように評価サンプル(不図示)を切り出す。続いて、定圧比熱測定と液浸比重測定を行う。定圧比熱は、例えば、示差走査熱量測定装置(商品名:DSC823e、メトラートレド株式会社製)により、定圧比熱を求めることができる。また、見かけ密度は、例えば、液浸比重測定装置(SGM−6、メトラートレド株式会社製)を用いて、求めることができる。このように測定した定圧比熱と見かけ密度から次の式により、容積比熱を求めることができる。
容積比熱=定圧比熱×見かけ密度
(4)加圧ローラ4の製造方法
(i)液体組成物配合工程
未架橋付加硬化型液状シリコーンゴムに上記の針状フィラー4b1と吸水性ポリマーに水を含ませた含水材料を配合する。配合は、未架橋付加硬化型液状シリコーンゴムと針状フィラー4b1と含水材料を所定の量を秤量し、遊星式の万能混合攪拌機など、公知のフィラー混合撹拌手段により混合物を分散させることが可能である。
(ii)液体組成物層形成工程
1)金型
図15の(a)は本実施形態において加圧ローラ4の注型製造に用いる金型11の分解斜視図である。(b)は金型11を構成している中空金型5と一端側駒型6および他端側駒型7の縦断面図である。金型11は、円柱状の成形空間(以下、キャビティと記す)53を有する中空金型(中空円筒状金型、パイプ状筒型)5と、この中空金型5の一端側開口部51と他端側開口部52に対してそれぞれ装着される一端側駒型6および他端側駒型7とを有する。
一端側駒型6は中空金型5のキャビティ53内に液状ゴムを注入するための駒型である。他端側駒型7はキャビティ53内への液状ゴムの注入に伴ってキャビティ53内から押し出される空気を排出させるための駒型である。
図16の(a)は一端側駒型6の内面図(キャビティ側の端面図)、(b)は外面図(キャビティ側とは反対側の端面図)である。一端側駒型6の内面側中央部には基体4aの一端側の小径軸部4a−1が差し込まれる基体保持部としての中央穴6cが設けられている。また、外面側には円周孔(洞、凹部)6aが設けられている。そして、円周孔6aには外面側から内面側に至る液状ゴム混合物注入孔6bが円周に沿って複数個穿設されている。
また、他端側駒型7の内面中央部(キャビティ側の端面中央部)には基体4aの他端側の小径軸部4a−2が差し込まれる基体保持部としての中央穴7cが設けられている。そして、内面側から外面側に至る排気孔7bが複数個穿設されている。
一端側駒型6は中空金型5の一端側開口部51に対して内面側を先にして嵌入し、内面側の円周縁部が開口部内周面の環状段部51aに突き当って受け止められるまで十分に挿入することで中空金型5の一端側に装着される。また、他端側駒型7は中空金型5の他端側開口部52に対して内面側を先にして嵌入し、内面側の円周縁部が開口部内周面の環状段部52aに突き当って受け止められるまで十分に挿入することで中空金型5の他端側に装着される。
2)金型に対する基体の設置
基体4aは、弾性層4bが形成される部分に予め公知のプライマー処理を行った。プライマー処理を行わずに弾性層4bと基体4aが層間接着する場合は、プライマーを用いなくても良い。
図17の(a)のように、中空金型5の一端側開口部51に対して一端側駒型6を装着する。次に、(b)のように、中空金型5の他端側開口部52から上記の基体4aを、一端側の小径軸部4a−1の側を先にして挿入し、一端側駒型6の内面側の中央穴6cに対して小径軸部4a−1を差し込んで支持させる。次に、(c)のように、中空金型5の他端側開口部52に対して他端側駒型7を、内面側の中央穴7cに基体4aの他端側の小径軸部4a−2を差し込んで支持させた状態にして装着する。
これにより、基体4aが、その一端側と他端側の小径軸部4a−1と4a−2がそれぞれ一端側駒型6と他端側駒型7の中央穴6cと7cに支持されて金型5の円柱状のキャビティ53の円柱中央部に同心に位置が決められて保持される。そして、円柱状のキャビティ53の円柱成形面(内周面)53aと基体4aの外面(外周面)4a−3との間には基体4aの外周りに所定の厚さのゴム弾性層4bを注型成形するための間隙8が形成される。
なお、金型11のキャビティ53に対する基体4aの設置は上記の手順に限られない。中空金型5、基体4a、一端側駒型6、他端側駒型7が最終的に図17の(c)のように組み立てられればよい。
3)金型11の据え付け
上記のようにキャビティ53内に基体4aを設置した金型11を、図18のように、一端側駒型6側を下側とし他端側駒型7を上側として、対向する下側治具12と上側治具13との間に縦姿勢の状態で押さえ込ませて固定して保持させる。金型11の一端側駒型(以下、下部駒型と記す)6側は下側治具12の受け穴12aに嵌入して受け止められている。金型11の他端側駒型(以下、上部駒型と記す)7側は上側治具13の受け穴13aに嵌入して受け止められている。
即ち、金型11は、円柱状のキャビティ53の円柱軸線を縦向きとし、かつ注入孔6bが配設されている側を下側とした姿勢状態で下側治具12と上側治具13との間に固定保持されて注型工程が行われる。下側治具12の受け穴12aの中央部には液体組成物注入口12bが穿設されている。注入口12bには外部の液体組成物供給装置14の液体組成物供給管14aは接続されている。上側治具13の受け穴13aの中央部には排気口13bが穿設されている。
4)液体組成物の注入
供給装置14が駆動されることで、前記(i)項の液体組成物が供給管14aを通して下側治具12の注入口12bから受け穴12aに入り、受け穴12aと下部駒型6の外面側の円周孔6aとで構成される空間部に充填される。引き続く液体組成物の供給に伴ってその充填液体組成物が円周孔6aの円周に沿って複数個穿設されている注入孔6bを通って下部駒型6の外面側から内面側に流れる。そして、キャビティ53の円柱成形面53aと基体4aの外面4a−3との間に形成される隙間8に対して注入される。
更に引き続く液体組成物の供給に伴って間隙8に対する液体組成物の注入が下から上に進行していく。間隙8に存在している空気は間隙8に対する液体組成物の下から上への注入に伴って間隙8内を下から上へ押し上げられて間隙8内から上部駒型7の排気孔7bおよび上側治具13の排気口13bを通って金型11の外に出ていく。
下部駒型6の各注入孔6bから隙間8への液体組成物の注入は隙間8の円周方向において平均的になされる。かつ、基体4aが上下駒型6、7によりキャビティ53の円柱中央部に同心に固定された状態であって、基体4aが液体組成物が注入されることにより移動することがなく、偏肉を生ぜず間隙8を過不足なく液体組成物で充填させることができる。
上記のようにして、基体4aを配置した金型に、液体組成物を幅方向yと周方向xに流動を与えながら注型する。この液体組成物の注型の流動により、液体組成物に含まれる針状フィラー4b1の多くは液体組成物の流れに従って、基体4aの幅方向yつまり加圧ローラ4の長手方向に配向される。これにより、加圧ローラ4の幅方向yと周方向x(加圧ローラ4の面方向xy)の熱伝導率が効果的に高まる。
金型11に対する液体組成物の注入は、少なくとも、隙間8が液体組成物で十分に満たされるまで行う。上部駒型7の排気孔7bは液体組成物で十分に充満させる必要はない。なお、液体組成物を幅方向yに流動を与えながら層形成できる方法であれば液体組成物層成形方法は上記の方法に限定されない。
(iii)シリコーンゴム成分架橋硬化工程
液体組成物注型後(注型工程の終了後)、金型11を上下の治具12、13から外す。このとき、金型11内の液体組成物が下部駒型6や上部駒型7の外側開口部から流出しないように下部駒型6と上部駒型7の外側開口部を盲板などの取り付けにより密閉する。そして、金型11を密閉した状態で、水の沸点以下の温度で5分〜120分熱処理し、シリコーンゴム成分を架橋硬化する。熱処理温度としては、60〜90℃が望ましい。密閉下であるので、含水材料中の水分を保持したまま、シリコーンゴム成分を架橋硬化させることができる。
シリコーンゴム成分が硬化する前に、水分が蒸発する後述する工程で、空隙がない無発泡の層(スキン層)が形成される。このスキン層は、発泡することで多孔質化した部分よりも、密度が高いので、容積比熱が高く、立ち上がり時間短縮の観点では好ましくない。そのため、この工程は金型を密閉した状態で行うことが望ましい。
(vi)脱型工程
金型11を適宜、水冷や空冷を行った後、架橋硬化後の液体組成物層が積層された基体4aを脱型する。
脱型は、中空金型5の一端側開口部51と他端側開口部52から下部駒型6と上部駒型7をそれぞれ取り外す。この取り外しは、中空金型5内の架橋硬化後の液体組成物層の端面と下部駒型6と上部駒型7側の孔6bと7b内の架橋硬化後の液体組成物層との会合部(連接部)の結合強度に抗してなされる。そして、中空金型5内から架橋硬化後の液体組成物層が積層された基体4aを抜き出すことでなされる。
必要に応じて、架橋硬化後の液体組成物層の一端側端面と他端側端面に残存するバリや不整部を除去する整形処理をする。
(v)脱水工程
基体4aに積層した架橋硬化後の液体組成物層を加熱処理により脱水し、空隙4b2を形成する(ゴムが架橋してなる層から含水材料中の水分を蒸発させ、多孔質の弾性層を形成する工程)。熱処理条件としては、100℃〜250℃、1〜5時間が望ましい。
この脱水工程により、基体4aに積層した架橋硬化後の液体組成物層が、水分の蒸発にて、針状フィラー4b1と空隙部4b2とを含む多孔質弾性層4bとなる。弾性層4bに空隙4b2を形成することで、加圧ローラ4の厚み方向zの熱伝導率が低減する効果が得られる。また、熱容量も小さくすることができる。一方、幅方向yの熱伝導率については針状フィラー4b1が熱伝導パスとなり、厚み方向zに比較して、熱伝導率が高く維持される。
以上により、幅方向yについては熱伝導率が高く、厚み方向zについては幅方向yよりも熱伝導率が低い弾性層4bを形成することが可能となる。
(vi)離型層4cの積層工程
接着剤を用いて、弾性層4b上に離型層4cである導電性フッ素樹脂製チューブを被覆し、一体化する。接着剤を用いずに弾性層4bと離型層4cが層間接着する場合は、接着剤を用いなくても良い
なお、離型層4cは工程の最後に形成することは必ずしも必要ではない。図19のように、予め金型5の内面(成形面)に離型層となるべきチューブ4cを配置する。そしてこの金型5内に図17の要領で基体4aを配置する。この状態において金型11内に液体組成物を注型する方法によっても離型層4cを積層できる。また、弾性層4bを形成した後に、離型層4cをフッ素樹脂材のコーティング等の公知の方法によって形成することも可能である。
ここで、下部駒型6と上部駒型7は、それらの接液面に予め離型剤を塗布しておき、脱型後にそれらの駒型側に残る硬化ゴムを取り除く処理をして再使用する。離型剤を塗布しておけば、それらの駒型側に残る硬化ゴムの取り除き処理は容易である。中空金型5の成形面53aにも予め離型剤を塗布することで、ゴム硬化後の脱型が容易となる。また、注型工程において、金型11は横向き姿勢や上下逆向き姿勢でも構わない。ただし、横向き姿勢や上下逆向き姿勢では液体組成物注入時に空気を噛み込む恐れがあるため、注入側を下側に配置する形態が好ましい。
《実施例と比較例》
実施例、比較例では以下の材料を使用した。基体4aは、ゴム積層部分の幅長さL1が320mmの鉄製芯金を使用した。含水材料はレオジック250H(東亜合成株式会社製)に水を含水させたものである。レオジック250Hの量は含水材料に対して1wt%で調整した。離型層4cには厚さ50μmの予め内面処理されているPFAフッ素樹脂チューブ(グンゼ株式会社製)を使用した。
針状フィラー4b1は以下に示したピッチ系炭素繊維を使用した。<商品名:XN−100−25M(日本グラファイトファイバー(株)製)>、平均繊維直径D:9μm、平均繊維長L:250μm、熱伝導率900W/(m・K)。
なお、実施例、比較例では、弾性層4bと基体4a間、弾性層4bと離型層4c間を以下の材料によって、接着を行っている。弾性層4bと基体4a間の接着には「DY39−051」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)のA液およびB液、弾性層4bと離型層4cの接着には「SE1819CV」(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)のA液およびB液を使用した
実施例、比較例では以下のような工程を経た。液体組成物配合工程では、各種材料を上記したように液体組成物を得た。次いで、万能混合撹拌機により混合し、内部にプライマー処理済みの基体4aを設置したφ26パイプ状筒型に弾性層形成用の液体組成物を注型し、型を密閉した。シリコーンゴム成分の硬化工程では熱風オーブン内90℃、1時間の条件で熱処理を行った。さらに、脱水工程では、予め水冷と脱型を行い、熱風オーブン内200℃、4時間の条件で熱処理を行った。最後に、離型層として、弾性層4上にPFAフッ素樹脂を上記した接着剤を用いて、被覆した。
更に、実施例、比較例では以下のような工程を経たものも作成した。液体組成物配合工程では、各種材料を上記したように液体組成物を得た。次いで、万能混合撹拌機により混合し、内部にプライマー処理済みの基体4aを設置したφ22パイプ状筒型に針状フィラーを含まない弾性層形成用の液体組成物を注型し、型を密閉した。
シリコーンゴム成分の硬化工程では熱風オーブン内90℃、1時間の条件で熱処理を行った。次に、この弾性層が形成された基体4aを設置したφ26パイプ状筒型に弾性層形成用の液体組成物を注型し、型を密閉した。シリコーンゴム成分の硬化工程では熱風オーブン内90℃、1時間の条件で熱処理を行った。さらに、脱水工程では、予め水冷と脱型を行い、熱風オーブン内200℃、4時間の条件で熱処理を行った。最後に、離型層として、弾性層上にPFAフッ素樹脂を上記した接着剤を用いて、被覆した。
(実施例1)
図7に本実施例1の加圧ローラ4の詳細な縦断面形状(模式図)を示した。なお、図7および後述する図8〜図13は誇張の模式図であり、下記の各部の実寸法とは比率が整合しているものではない。
本実施例1の加圧ローラ4において、基体4aはゴム積層部分の幅長さL1が320mmである。装置Aに中央基準で導入される用紙の最大幅サイズL2は304.8mm(12インチ)である。基体4aの幅方向中央部の外径φ1が20mm、最大幅サイズ用紙の通紙領域の端部に相当する場所での外径φ2が20.2mmとなっている。即ち、加圧ローラ4の基体4aである芯金は逆クラウン形状である。
弾性層4bの厚みは基体4aの幅方向(長手方向)に沿ってほぼ一定である。本実施例では弾性層4bの厚みは幅方向中央部の厚みt1と端部の厚みt2がともに3mmである(t1=t2=3mm)。離型層4cは厚みが0.05mmで形成されている。
したがって、本実施例1の加圧ローラ4の幅方向中央部の外径は20+3×2+0.05×2=26.1mmである。また、加圧ローラ4の最大幅サイズ用紙の通紙領域の幅方向端部に相当する場所での外径は20.2+3×2+0.05×2=26.3mmである。即ち、加圧ローラ4は加熱部材である定着フィルム3に対向する外形形状が長手中央部に対して端部が大きくなる中凹形状(逆クラウン形状)になっている。
本実施例1においては、加圧ローラ4の最大幅サイズ用紙の通紙領域の幅方向の端部に相当する場所での外径から幅方向中央部の外径を引いたものを逆クラウン量とする。したがって、26.3−26.1=0.2mmが逆クラウン量である。加圧ローラ4の最大幅サイズ用紙の通紙領域の幅方向の端部に相当する場所から幅方向中央部を結ぶ外径は双曲線でも、複数の直線を結んだような形状でもかまわない。
加圧ローラ4の外径を逆クラウン形状とするのは、用紙Pの搬送速度を両端部で速く、中央部で遅くすることで、実質的に用紙Pを両端に引っ張る効果を生じさせて紙しわの発生を防止するためである。逆クラウン量が大きすぎると、用紙Pを幅方向の両端に引っ張る効果が大きすぎることで、用紙Pの後端が跳ね上がり、画像が乱れる後端ハネが発生する。一般的に逆クラウン量は0.1〜0.3mm程度に設定される。
本実施例1では加圧ローラ4の外径を逆クラウン形状にし、かつ、弾性層4bの厚みtを幅方向(長手方向)において一定にするために、基材4aの形状を逆クラウン形状としている。即ち、基体4aの加熱部材である定着フィルム3に対向する外形形状が長手中央部に対して端部が大きくなる中凹形状である
通常の弾性層を使用した加圧ローラの場合は、弾性層の厚みを一定にする必要がない。しかしながら、針状フィラー4b1を配向させることで、幅方向の熱伝導率を向上させている加圧ローラ4においては、弾性層厚みが変化すると、下記の2つの要因で針状フィラーを配向が一様でなくなるという問題がある。
第一の要因は弾性層形成用の液体組成物の流速によるものである。針状フィラー4b1は注型時の弾性層形成用の液体組成物の流動によって配向する。注型時に、基材4aや離型層4cと弾性層形成用の液体組成物の流速を大きくすることで、針状フィラー4b1の配向が良好になる。したがって、液体組成物の流速が変化すると、針状フィラー4b1の配向も変化する。液体組成物の流速は通過する領域の断面積が大きいほど遅くなり、断面積が小さいほど速くなる。したがって、断面積を一定にすることが望ましい。
本実施例においては、基材4aに逆クラウンを付けることで、弾性層4bの厚みを一定にし、幅方向(長手方向)の断面積差を極力変化しないようにする。これにより、幅方向端部(長手方向端部)における弾性層形成用の液体組成物の流速V1及びV3と、幅方向中央部における弾性層形成用の液体組成物の流速V2との差を極力小さくなるようにしている。
本実施例において通紙領域端部の弾性層4bの断面積は(10.1+3)×(10.1+3)×π−10.1×10.1×π=218.5mm2である。通紙領域中央部の弾性層4bの断面積は(10+3)×(10+3)×π−10×10×π=216.8mm2である。したがって、V1=V3=(216.8/218.5)×V2=0.991×V2となり、弾性層形成用の液体組成物のせん断速度の差が最大である中央と端部で1%以下の差に抑えることができる。
また、弾性層厚みtが変化することで針状フィラー4b1の配向が一様でなくなる第二の要因は厚み方向の配向の差である。特に弾性層4bの厚みtが厚い場合に、弾性層4bの厚み方向の端部に対して、中央付近の配向が低下してしまう。
図8の(a)は、弾性層が厚い場合の、針状フィラー4b1の配向の状態を示したものであり、(b)は弾性層が薄い場合の、針状フィラー4b1の配向の状態を示したものである。針状フィラー4b1は注型時の弾性層形成用の液体組成物の流動によって配向する。注型時に、芯金近傍は芯金と弾性層形成用の液体組成物のせん断速度が大きくなるため、針状フィラー4b1の配向が良好になる。同様に表層近傍も芯金と弾性層形成用の液体組成物のせん断速度が速くなるため、針状フィラー4b1の配向が良好になる。
しかしながら、弾性層の厚み方向の中央付近はせん断速度が小さくなるため、配向が乱れやすくなる。したがって、弾性層4bの厚みtを幅方向(長手方向)において一定にすることで、厚み方向の配向具合が同様となり、熱伝導率を幅方向で一定にできる。
(比較例1)
比較例1は、図9に示すように、基材4aは一定外径のストレート形状(加熱部材である定着フィルム3に対向する外形形状が長手に沿ってストレート形状)としている。弾性層4bは厚みを幅方向中央部に対して端部に行くほど厚くすることで加圧ローラ4の全体的な外径形状を逆クラウン形状としている。具体的にはφ1=φ2=20mm、弾性層4bは中央部の厚みがt1=3mm、端部の厚みt2=3.1mmである。離型層4cは厚みが0.05mmで形成されている。
したがって、本比較例1の加圧ローラ4の幅方向中央部の外径は20+3×2+0.05×2=26.1mmである。また、加圧ローラ4の最大幅サイズ用紙の通紙領域の幅方向の端部に相当する場所での外径は20+3.1×2+0.05×2=26.3mmである。
比較例1と実施例1では加圧ローラ4の外径形状は同じ逆クラウン0.2mmの逆クラウン形状となる。しかしながら、幅方向端部における弾性層形成用の液体組成物のせん断速度V1及びV3と、幅方向中央部における弾性層形成用の液体組成物のせん断速度V2との差は実施例1とは異なる。
比較例1において通紙領域端部の弾性層の断面積は(10+3.1)×(10+3.1)×π−10×10×π=225.0mm2である。通紙領域中央部の弾性層の断面積は(10+3)×(10+3)×π−10×10×π=216.8mm2である。したがって、V1=V3=(216.8/225.0)×V2=0.964×V2となり、弾性層形成用の液体組成物の流速は中央と端部で3.6%の差がついてしまう。また、弾性層の厚みが中央部分の3mmに対して、端部は3.1mmになっている。すなわち、幅方向中央厚みに対し端部厚みが3.3%厚くなっている。
したがって幅方向中央に対して、端部の方が弾性層厚み方向中央部の配向が低下することにより、厚み方向の熱伝導率が高くなることにより、立ち上がり時間に不利になる。
(比較例2)
比較例2は、比較例1に対しクラウン量を小さくしたものである。図9において、φ1=φ2=20mm、弾性層4bの中央部の厚みがt1=3mm、端部の厚みt2=3.05mmとしている。離型層4cは厚みが0.05mmで形成されている。本比較例2の加圧ローラ4の幅方向中央部の外径は20+3×2+0.05×2=26.1mmである。加圧ローラ4の最大幅サイズ用紙の通紙領域の幅方向の端部に相当する場所での外径は20+3.05×2+0.05×2=26.2mmである。したがって、26.2−26.1=0.1mmが逆クラウン量である。
比較例2において、通紙領域端部の弾性層の断面積は(10+3.05)×(10+3.05)×π−10×10×π=220.1mm2である。通紙領域中央部の弾性層の断面積は(10+3)×(10+3)×π−10×10×π=216.8mm2である。したがってV1=V3=(216.8/220.1)×V2=0.981×V2となり、弾性層形成用の液体組成物のせん断速度は中央と端部で1.9%の差がついてしまう。また、弾性層の厚みが中央部分の3mmに対して、端部は3.05mmになっている。すなわち幅方向中央厚みに対し端部厚みが1.7%厚くなっている。
したがって幅方向中央に対して、端部の方が弾性層厚み方向中央部の配向が低下することにより、厚み方向の熱伝導率が高くなることにより、立ち上がり時間に不利になる。
(比較例3)
比較例3は、比較例1及び2に対しクラウン量を小さくしたものである。図9において、φ1=φ2=20mm、弾性層4bの中央部の厚みがt1=3mm、端部の厚みt2=3.03mmとしている。離型層4cは厚みが0.05mmで形成されている。本比較例3の加圧ローラ4の幅方向中央部の外径は20+3×2+0.05×2=26.1mmである。加圧ローラ4の最大幅サイズ用紙の通紙領域の幅方向の端部に相当する場所での外径は20+3.03×2+0.05×2=26.16mmである。したがって、26.16−26.1=0.06mmが逆クラウン量である。
比較例3において通紙領域端部の弾性層の断面積は(10+3.03)×(10+3.03)×π−10×10×π=219.2mm2である。通紙領域中央部の弾性層の断面積は(10+3)×(10+3)×π−10×10×π=216.8mm2である。したがってV1=V3=(216.8/220.1)×V2=0.989×V2となり、弾性層形成用の液体組成物のせん断速度は中央と端部で1.1%の差がついてしまう。また、弾性層の厚みが中央部分の3mmに対して、端部は3.03mmになっている。すなわち幅方向中央厚みに対し端部厚みが1%厚くなっている。
(実施例2)
図13は本実施例2における加圧ローラ4の一部切欠きの俯瞰模型図である。基体4aは鉄やアルミニウム等からなる基体であり、一定外径のストレート形状(加熱部材である定着フィルム3に対向する外形形状が長手に沿ってストレート形状)としている。弾性層4bfは針状フィラー4b1を有する弾性層で有り、弾性層4bnは針状フィラー4b1を有しない弾性層である。離型層4cはフッ素樹脂等からなる離型層である。
即ち、弾性層4bは、針状フィラー4b1の含有量のことなる複数の層4bf、4bnで構成されている構成である。針状フィラー4b1を含まない弾性層4bnは、針状フィラー4b1を含まないこと以外は、針状フィラー4b1を有する弾性層4bfと同じ組成となっている。針状フィラー4b1を有する弾性層4bfは厚みtが幅方向において一定になるように形成されている。針状フィラー4b1を含まない弾性層4bnは径形状が逆クラウン形状となるように、中央に対して、端部の弾性層厚みが厚くなるように形成されている。
図10は図13の加圧ローラ4の縦断面模式図である。図10において、φ1=φ2=20mm、弾性層4bfは中央部及び端部の厚みt1=t2=1mm、弾性層4bnは中央部の厚みt3=2mm、端部の厚みt4=2.1mmである。離型層4cは厚みが0.05mmで形成されている。
したがって、本実施例2の加圧ローラ4の幅方向中央部の外径は20+2×2+1×2+0.05×2=26.1mmである。また、加圧ローラ4の最大幅サイズ用紙の通紙領域の幅方向の端部に相当する場所での外径は20+2.1×2+1×2+0.05×2=26.3mmである。比較例1、実施例1と同じ外径となっている。
本実施例2では弾性層4bを2層化4bf、4bnすることで、針状フィラー4b1を有する弾性層4bfの厚みtを薄くすることが可能となる。針状フィラー4b1は注型時の弾性層形成用の液体組成物の流動によって配向する。注型時に、基体4aである芯金近傍は芯金と弾性層形成用の液体組成物のせん断速度が大きくなるため、針状フィラー4b1の配向が良好になる。同様に表層近傍も芯金と弾性層形成用の液体組成物のせん断速度が速くなるため、針状フィラー4b1の配向が良好になる。
しかしながら、弾性層の厚み方向の中央付近はせん断速度が小さくなるため、配向が乱れやすくなる。筆者らの検討では配向が良好な部分は約1mm程度であり、弾性層の厚みが厚くなっても、配向が良好な領域はほとんど変化しない。したがって、弾性層の厚みが大きくなると、厚み方向の中央付近の配向の乱れている領域が拡大することで、主に厚み方向の熱伝導率が大きくなる。弾性層を2mm以下で形成すると非常に良好な熱伝導率比αが得られる。
本実施例2では弾性層4bfが1mmであることから、高い熱伝導率比αが得られるため、良好な立ち上がり時間が達成できる。また、本実施例2においては、針状フィラー4b1を含まない弾性4bnに逆クラウンを付けることで、針状フィラー4b1を有する弾性層4bfの厚みを一定にし、幅方向の断面積差を極力変化しないようにする。これにより、幅方向端部における弾性層形成用の液体組成物の流速V1及びV3と、幅方向中央部における弾性層形成用の液体組成物の流速V2との差を極力小さくなるようにしている。
本実施例2において通紙領域端部の針状フィラー4b1を有する弾性層4bfの断面積は(10+2.1+1)×(10+2.1+1)×π−(10+2.1)×(10+2.1)×π=79.2mm2である。通紙領域中央部の弾性層の断面積は(10+2+1)×(10+2+1)×π−(10+2)×(10+2)×π=78.5mm2である。
したがって、V1=V3=(78.5/79.2)×V2=0.992×V2となり、弾性層形成用の液体組成物のせん断速度は中央と端部で1%以下の差に抑えることができる。更には針状フィラー4b1を有する弾性層4bfの厚みtを幅方向(長手方向)において一定にすることで、厚み方向の配向も一定となり、熱伝導率を幅方向で一定にできる。
(実施例3)
本実施例3の加圧ローラ4においては、図11の縦断面模式図に示すように、基材4aの外径が幅方向中央から端部に行くに従って細くなるクラウンのテーパー形状となっている。即ち、基体4aが加熱部材である定着フィルム3に対向する外形形状が中央部に対して端部が小さくなる中凸形状である。これは加圧ローラ44がニップ形成のため加圧されたときに、定着フィルム3と加圧ローラ4で挟まれるニップ部N内の圧力を長手方向にわたって均一にするためである。ニップ部N内の圧力を長手方向にわたって均一にすることで、定着フィルム3の一部分に大きな負荷がかかることがなく、長期間の使用によっても定着フィルムの破損や座屈が発生しないため、フィルムの長寿命化が達成できる。
また、実施例3も実施例2(図10、13)と同様に、弾性層4bが、針状フィラー4b1を有する弾性層4bfと針状フィラー4b1を含まない弾性層4bnを有することを特徴としている。即ち、弾性層4bは、針状フィラー4b1の含有量のことなる複数の層4bf、4bnで構成されている構成である。
針状フィラー4b1を有する弾性層4bfは厚みが幅方向(長手方向)において一定になるように形成されている。針状フィラー4b1を含まない弾性層4bnは径形状が逆クラウン形状となるように、中央に対して、端部の弾性層厚みが厚くなるように形成されている。
図11において、φ1=20mm、φ2=18mm、弾性層4bfは中央部及び端部の厚みがt1=t2=1mm、弾性層4bnは中央部の厚みt3=2mm、端部の厚みt4=3.1mmである。離型層4cは厚みが0.05mmで形成されている。したがって、本実施例3の加圧ローラ4の幅方向中央部の外径は20+2×2+1×2+0.05×2=26.1mmである。また、加圧ローラ4の最大サイズ用紙の通紙領域の幅方向の端部に相当する場所での外径は18+3.1×2+1×2+0.05×2=26.3mmである。比較例1、実施例1〜2と同じ外径となっている。
本実施例3の針状フィラー4b1を有する弾性層4bfの厚みtと外径の関係は、実施例2と同じになっている。そのため、V1=V3=(78.5/79.2)×V2=0.992×V2となり、弾性層形成用の液体組成物のせん断速度は中央と端部で1%以下の差に抑えることができる。更には針状フィラー4b1を有する弾性層4bfの厚みtを幅方向(長手方向)において一定にすることで、厚み方向の配向も一定となり、熱伝導率を幅方向で一定にできる。
(比較例4)
本比較例4においては、実施例3と同じテーパー形状の基材4aを使用し、弾性層4bは針状フィラー4b1を有する単層で形成されている。図12において、φ1=20mm、φ2=18mm、弾性層4bは中央部の厚みがt1=3mm、弾性層4bの端部の厚みt2=4.1mmである。離型層4cは厚みが0.05mmで形成されている。
したがって、本比較例4の加圧ローラ4の幅方向中央部の外径は20+3×2+0.05×2=26.1mmである。また、加圧ローラ4の最大幅サイズ用紙の通紙領域の幅方向の端部に相当する場所での外径は18+4.1×2+0.05×2=26.3mmである。本比較例4の加圧ローラ4の外径形状は、比較例1、実施例1〜2と同じ逆クラウン0.2mmの逆クラウン形状となる。
本比較例4において、通紙領域端部の針状フィラー4b1を有する弾性層4bの断面積は(9+4.1)×(9+4.1)×π−9×9×π=284.7mm2である。通紙領域中央部の弾性層の断面積は(10+3)×(10+3)×π−10×10×π=216.8mm2である。
したがって、V1=V3=(216.8/284.7)×V2=0.762×V2となり、弾性層形成用の液体組成物のせん断速度は中央と端部で23.8%の差がついてしまう。また、弾性層4bの厚みが中央部分の3mmに対して、端部は4.1mmになっている。すなわち幅方向中央厚みに対し端部厚みが3.7%厚くなっている。
したがって、幅方向中央に対して、端部の方が弾性層厚み方向中央部の配向が低下することにより、厚み方向の熱伝導率が高くなることにより、立ち上がり時間に不利になる。
(部材評価)
実施例1〜3、比較例1〜4の加圧ローラ4についてそれぞれ非通紙部温度と立ち上がり時間の評価を行った。非通紙部昇温評価には、実施例1〜3、比較例1〜4の加圧ローラ4をそれぞれ搭載した図1に記載のフィルム加熱方式の定着装置Aを使用した。
定着装置Aに搭載された加圧ローラ4の周速度を234mm/secとなるように調整し、ヒータ温度を200℃に設定した。定着装置Aのニップ部Nに用紙Pとして通紙した紙はLTR横サイズ紙(75g/m2:通紙幅279.4mm)である。連続500枚通紙した時の非通紙領域(LTR横サイズ紙が通過しない領域)のフィルム3の表面の温度を測定した。期待する非通紙部昇温抑制効果とは、一般的な弾性層構成である比較例1の加圧ローラより非通紙部温度が低いことである。
立ち上がり時間の評価には、上記の定着装置Aに、通紙を行わない空回転状態において、ヒータスイッチが入ってから、定着フィルム3の表面温度が180℃になるまでの時間を測定した。期待する立ち上がり時間短縮効果とは、一般的な弾性層構成である比較例1の加圧ローラより立ち上がり時間が短いことである
紙しわ評価には、上記の定着装置Aで、ヒータ温度を180℃に設定した。定着装置Aのニップ部Nに用紙Pとして通紙した紙は最大幅サイズ用紙である12インチサイズ紙(52g/m2)である。連続10枚通紙して紙しわが発生するかを確認した。
(結 果)
実施例1〜3、比較例1〜4の各加圧ローラ4の弾性層の処方、物性、非通紙部温度、及び立ち上がり時間の評価結果を表1に示した。
比較例1では、非通紙部温度が272.3℃であり、この温度よりも低ければ、非通紙部昇温抑制効果がある。また立ち上がり温度が20.7秒でありこの時間より短ければ、立ち上がり時間短縮効果がある。
比較例2では、クラウン量が小さくなっていることから、端部速度減少率、端部厚み増加率ともに比較例1に対して、小さくなっているため、幅方向の熱伝導率は大きく、厚み方向の熱伝導率は小さくなっている。この結果として、非通紙部昇温は271.8℃と比較例1に対し非通紙部昇温抑制効果が確認され、立上時間も20.2秒と立ち上がり時間短縮効果も確認された。
比較例3では、さらにクラウン量が小さくなっていることから、端部速度減少率、端部厚み増加率ともに比較例1および2に対して、小さくなっているため、幅方向の熱伝導率は大きく、厚み方向の熱伝導率は小さくなっている。この結果として、非通紙部昇温は271.6℃と比較例1に対し非通紙部昇温抑制効果が確認され、立上時間も20.0秒と立ち上がり時間短縮効果も確認された。しかしながらクラウン量が小さいことから、紙しわが発生した。
実施例1に関しては基材4aを逆クラウン形状とし、弾性体4bの厚みを一定にすることで、同じクラウン量の比較例1に対して、幅方向の熱伝導率は高くなり、厚み方向の熱伝導率は小さくなっている。ここの結果として、非通紙部昇温は271.5℃と比較例1に対し非通紙部昇温抑制効果が確認され、立上時間も19.7秒と立ち上がり時間短縮効果も確認された。
また、クラウン量の小さく、非通紙部昇温抑制効果、立上時間短縮に有利な比較例2に対しても、実施例1は優位性があることが確認できた。
また、比較例3は紙しわが出るため、加圧ローラとしての使用には問題があるが、非通紙部昇温抑制効果、立上時間短縮には実施例1とほぼ同等の効果が確認された。このことから、厚み増加率に関しては1.0%以下であれば良いことが確認できた。弾性体層の厚み増加率を1%以下にすることを、弾性体層を一定厚みにすることと本発明においては定義する。
実施例2に関しては弾性層4bが針状フィラーを有する弾性層4bfと針状フィラーを含まない弾性層4bfの2層にすることで、比較例1に対して、幅方向の熱伝導率は高くなり、厚み方向の熱伝導率は小さくなっている。この結果として、非通紙部昇温は271.0℃と比較例1に対し非通紙部昇温抑制効果が確認され、立上時間も16.1秒と立ち上がり時間短縮効果も確認された。
実施例3に関しては弾性層4bが針状フィラーを有する弾性層4bfと針状フィラーを含まない弾性層4bfの2層にすることで比較例1に対して、幅方向の熱伝導率は高くなり、厚み方向の熱伝導率は小さくなっている。また、本実施例3はテーパー形状の基材4a(図11)を使用しているため、定着フィルム3の高耐久化が実現できる。同じテーパー形状の基材を使用した比較例4に対しては、非通紙部昇温抑制効果と立ち上がり時間短縮効果が非常に高くなることが確認できた。
以上述べたように、針状フィラーを有する弾性層を一定厚みにすることで、非通紙部昇温抑制しつつ、立ち上がり時間の短縮を実現する加圧ローラ、及び、該加圧ローラを具備する定着装置を提供できる。
ここで、実施例2と3の加圧ローラ4の弾性層4bは2層構成4bf、4bnに限られない。弾性層4bは、針状フィラー4b1の含有量のことなる複数の層で構成され、針状フィラー含有率が最大の層の厚みが長手方向において一定である構成であればよい。針状フィラー含有率が最大ではない層は針状フィラーを含んでいない。針状フィラー含有率が最大の層4bfは複数の弾性層の内の最外層である。
(その他の事項)
1)上述した各実施例では、ニップ部形成部材として回転体である加圧ローラ4を用いた例を説明したがこれに限らない。例えば、ニップ部形成部材4は、回転体である無端状の加圧ベルトの形態であってもよい。より具体的には、基体4aとして、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の薄肉耐熱性樹脂もしくはステンレス(SUS)やニッケル(Ni)等の薄肉金属からなる無端状(ベルト状)の部材を用いる。この基体の上に前記のような構成の弾性層4bを具備させた形態である。
回転体としてのニップ部形成部材4は、回転駆動されて、もしくは加熱部材3の回転に従動して回転してニップ部Nにて記録材を挟持搬送する。
2)ニップ部形成部材4は上記の回転体の形態に限られない。回転駆動される加熱部材3及び記録材Pよりも表面の摩擦係数が小さい、図20のように横長のパッド状部材などの非回転部材の形態のものにすることもできる。
ニップ部Nに導入された記録材Pは裏面側(非画像形成面側)が非回転部材の形態のニップ部形成部材4の摩擦係数が小さい表面に対して摺動しながら、加熱部材3の回転搬送力でニップ部Nを挟持搬送されていく。
3)加熱部材3は熱ローラであってもよい。加熱部材3の加熱方式は、セラミックヒータに限られず、ハロゲンラン等を用いた熱線照射方式、電磁誘導加熱方式、熱線照射方式などであってもよい。内部加熱方式に限られず、外部加熱方式であってもよい。
4)記録材Pに対するトナー像の形成原理や作像プロセスは転写方式の電子写真プロセスに限られない。記録材として感光紙を用いる直接方式の電子写真プロセスでもよい。像担持体として誘電体を用いる転写方式あるいは直接方式の静電記録プロセス、磁性体を用いる中間転写方式あるいは直接方式の磁気記録プロセスなどであってもよい。
5)画像加熱装置は実施例の未定着トナー画像を固着像として定着する定着装置の他に、記録材に仮定着されたトナー像あるいは一度加熱定着されたトナー像を再度加熱加圧して光沢度等を向上させる画質改質装置も包含される。
A・・画像加熱装置、3・・加熱部材、4・・ニップ部形成部材、4a・・基体、4b・・弾性層、4b1・・針状フィラー、4b2・・空孔、4c・・樹脂表層(離形層)、N・・ニップ部、P・・記録材、T・・トナー像

Claims (13)

  1. 基体と前記基体の上に形成された弾性層を有し加熱部材との圧接で前記弾性層が弾性変形することによりトナー像を担持したシート状の記録材を挟持搬送して加熱するニップ部を形成するニップ部形成部材であって、
    前記加熱部材に対向する外形形状が長手中央部に対して端部が大きくなる中凹形状であり、
    前記弾性層は、針状フィラーを含み、前記針状フィラーは、前記弾性層の長手方向の熱伝導率が厚み方向の熱伝導率に対して6倍以上、900倍以下となるように前記弾性層の層中において配向しており、厚みが長手方向において一定であることを特徴とするニップ部形成部材。
  2. 前記弾性層は、空孔を有することを特徴とする請求項1に記載のニップ部形成部材。
  3. 前記弾性層は、針状フィラーの含有量のことなる複数の層で構成され、針状フィラー含有率が最大の層の厚みが長手方向において一定であることを特徴とする請求項1又は2に記載のニップ部形成部材。
  4. 針状フィラー含有率が最大ではない層は針状フィラーを含んでいないことを特徴とする請求項3に記載のニップ部形成部材。
  5. 前記針状フィラー含有率が最大の層は前記複数の弾性層の内の最外層であることを特徴とする請求項3又は4に記載のニップ部形成部材。
  6. 前記基体の前記加熱部材に対向する外形形状が長手中央部に対して端部が大きくなる中凹形状であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のニップ部形成部材。
  7. 前記基体が前記加熱部材に対向する外形形状が長手に沿ってストレート形状であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のニップ部形成部材。
  8. 前記基体が前記加熱部材に対向する外形形状が中央部に対して端部が小さくなる中凸形状であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のニップ部形成部材。
  9. 前記弾性層の上に樹脂表層を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のニップ部形成部材。
  10. 前記ニップ部形成部材は回転駆動されるもしくは前記加熱部材の回転に従動回転する回転体であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のニップ部形成部材。
  11. 前記ニップ部形成部材は回転駆動される前記加熱部材および前記記録材よりも表面の摩擦係数が小さい非回転部材であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のニップ部形成部材。
  12. 加熱部材と、前記加熱部材との圧接で弾性変形してトナー像を担持した記録材を挟持搬送して加熱するニップ部を形成するニップ部形成部材と、を備えた画像加熱装置であって、前記ニップ部形成部材が請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のニップ部形成部材であることを特徴とする画像加熱装置。
  13. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のニップ部形成部材の製造方法であって、
    (1)未架橋のゴムおよび前記ゴムに分散されてなる針状フィラー並びに含水材料を含む弾性層形成用の液体組成物を前記基体の長手に沿う方向に流動させて、前記液体組成物の層を前記基体の上に形成する工程と、
    (2)含水材料中の水分を保持した状態で前記液体組成物の層中のゴムを架橋させる工程と、
    (3)前記ゴムが架橋してなる層から含水材料中の水分を蒸発させ、多孔質の弾性層を形成する工程と、
    を有することを特徴とするニップ部形成部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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