JP2002202675A - 定着用ベルトの製造方法 - Google Patents
定着用ベルトの製造方法Info
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Abstract
優れた定着用ベルトを容易に製造できる定着用ベルトの
製造方法を提供する。 【解決手段】フッ素樹脂からなる離型層を成形型の内面
に塗布し、前記離型層の上に第1の接着層を塗布し、こ
れらを所定の温度で焼成した後、前記第1の接着層の上
に弾性層を塗布して所定の温度で焼成し、次いで前記弾
性層の上に第2の接着層を塗布して乾燥させ、その後、
前記第2の接着層の上に支持層を塗布して所定の温度で
焼成する。
Description
ファクシミリ、プリンター等の装置において、転写紙等
の転写材上に転写されたトナー画像を加熱により定着す
る定着部に用いられるフルカラー定着用ベルトの製造方
法に関する。
ター等の画像形成装置において、印刷・複写の最終段階
では、転写紙等の転写材上のトナーを加熱溶融して、転
写紙上に定着させる。
的であり、従来より熱ローラー定着法が汎用されてい
る。熱ローラー定着法では、内部に熱ヒーターを持ち,
外周を離型性の良いゴム又は樹脂で被覆したヒートロー
ラーとゴムローラーからなる一対のローラーを圧接さ
せ、そのローラー間にトナー画像が形成された転写紙を
通過させてトナーを加熱溶融し、トナーを転写紙上に融
着させている。熱ローラー定着法は、ヒートローラー全
体が所定の温度に保持されるため高速化に適している
が、その反面、待ち時間が長いという欠点を有してい
る。即ち、装置の運転開始時に、ヒートローラーを所定
の温度にまで加熱する時間が必要であるため、電源投入
から運転可能となるまでの間に待ち時間が発生する。し
かも、ヒートローラー全体を加熱しなければならないた
め、消費電力も大きい。
ルトを介して、ヒーターにより転写紙上のトナーを加熱
する定着方法が提案されている。このエンドレスベルト
定着法では、定着用ベルトとゴムローラーを圧接させ、
この間にトナー画像が形成された転写紙を通過させヒー
ターにより加熱し、トナーを転写紙に融着して定着させ
る。この定着法では、薄いフィルム状のベルトを介する
だけで、ヒーターにより実質的に直接加熱するため、加
熱部が短時間で所定の温度に達し、電源投入時の待ち時
間がほぼゼロとなる。更に、必要部分のみを加熱するた
め、消費電力も少ないという利点がある。
る定着用ベルトとしては、耐熱性、弾力性、強度、ベル
ト内面の絶縁性、ベルト外面の離型性等を考慮して、ポ
リイミド製のエンドレスベルト(ポリイミドチューブ)
の外面にフッ素樹脂のコーティング層を設けたものが用
いられている。このようなエンドレスベルト定着法に用
いられる定着用ベルトは、一般に、着色剤としてカーボ
ンブラックを含有する単色トナーのみを定着するモノク
ロ用レーザービームプリンターに用いられている。
ター等のフルカラーの画像形成装置では、赤、黄、青、
黒の4色のトナーが用いられているが、フルカラーのト
ナー画像を定着させるためには、単にトナーを軟化して
加圧しながら定着させる単色トナーの定着の場合とは異
なり、複数種のカラートナーを溶融に近い状態で混色す
るため、トナーを溶融状態にまですることが求められ
る。ところが、従来の定着用ベルトをフルカラー用レー
ザービームプリンターの定着部に用いた場合には、ベル
ト表面の弾力性が不足しているため、カラートナーを十
分に包み込むことができず、その結果、トナーを溶融さ
せることが困難で、満足できる定着を行なうことができ
なかった。そこで、従来、定着用ベルトの表面に十分な
弾力性を付与するために、支持層であるポリイミドチュ
ーブの外面にシリコーンゴム等の弾性層を形成してい
た。
の離型性を高めるために、フッ素ゴム等の離型層を設け
る必要がある。従来、フッ素ゴムの離型層の形成は、支
持層であるポリイミドチューブの外面に弾性層としてシ
リコーンゴム層を形成し、その弾性層の外面にフッ素ゴ
ムを塗布し、250℃程度で焼成することにより行なっ
ていた。弾性層のシリコーンゴムの耐熱温度は250℃
程度であるから、この方法によりシリコーンゴム層の外
面にフッ素ゴム層を十分形成できる。
ているフッ素ゴムからなる離型層は、トナーの定着性や
離型性が十分ではないという問題があった。このため、
定着性や離型性に優れた離型層として、フッ素樹脂を用
いることが検討された。ここで、上記弾性層の外面にフ
ッ素樹脂層を形成する方法としては、フッ素樹脂粉体を
分散させた溶液を塗布し、溶媒を乾燥、更に加熱してフ
ッ素樹脂層を焼成する方法が考えられる。
布、乾燥、焼成する方法においては、フッ素樹脂を焼成
する際に高温状態で所定時間保持する必要がある。例え
ば、四フッ化エチレン重合体(PTFE)、四フッ化エ
チレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体(PF
A)及びフッ化エチレン−プロピレン共重合体(PFE
P)では約380℃で10分程度保持する必要がある。
ミドチューブの外面に弾性層としてシリコーンゴム層を
形成し、その後にその弾性層の外面にフッ素樹脂を塗布
し、約380℃の温度で焼成する必要がある。このた
め、この方法で耐熱温度が250℃程度のシリコーンゴ
ムからなる弾性層の外面にフッ素樹脂層を焼成すると、
シリコーンゴム層が熱で硬化して弾性を失うという致命
的な問題があった。
るため、定着ベルトの弾性層を硬化させずに、その外面
に離型層としてフッ素樹脂層をコーティングにより形成
できる方法を提供することを目的とする。
め、本発明の定着用ベルトの第1の製造方法は、フッ素
樹脂からなる離型層を成形型の内面に塗布し、前記離型
層の上に第1の接着層を塗布し、これらを所定の温度で
焼成した後、前記第1の接着層の上に弾性層を塗布して
所定の温度で焼成し、次いで前記弾性層の上に第2の接
着層を塗布して乾燥させ、その後、前記第2の接着層の
上に支持層を塗布して所定の温度で焼成することを特徴
とする。
チューブの外面に弾性層としてシリコーンゴム層(耐熱
温度約250℃)を形成し、その弾性層の外面に離型層
としてフッ素樹脂を塗布して約380℃で焼成する必要
があったため、離型層を焼成する際に弾性層が熱で硬化
して弾性を失うという問題があった。これに対し、本発
明の定着用ベルトの第1の製造方法では、前記従来の工
程を逆にたどることにより、即ち、成形型にフッ素樹脂
からなる離型層を塗布して焼成した後に弾性層を形成す
るため、従来の方法のように離型層を焼成する際に弾性
層が熱で硬化することがない。
方法は、前記フッ素樹脂が、四フッ化エチレン重合体
(PTFE)、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキ
シエチレン共重合体(PFA)及びフッ化エチレン−プ
ロピレン共重合体(PFEP)からなる群から選択され
た少なくとも1つであることが好ましい。これらの樹脂
は、トナーの離型性に優れているからである。
方法は、前記第1の接着層が、厚さ1〜5μmのフッ素
ゴムプライマーからなることが好ましい。
方法は、前記弾性層が、JIS硬度A1〜A80度のシ
リコーンゴムからなることが好ましい。この範囲であれ
ばトナーの定着性が優れているからである。
方法は、前記第2の接着層の厚さが、2〜10μmであ
ることが好ましい。
方法は、前記第2の接着層が、厚さ1〜5μmのシリコ
ーンゴム用プライマーと、厚さ1〜5μmのフッ素ゴム
プライマーの2層からなることが好ましい。2層構造と
することにより、弾性層と支持層の接着をより強固にで
きるからである。
方法は、前記支持層が、耐熱性合成樹脂からなることが
好ましい。定着用ベルトは通常200℃程度に加熱して
使用されるからである。
方法は、前記耐熱性合成樹脂が、ポリイミド(PI)又
はポリアミドイミド(PAI)であることが好ましい。
これらの樹脂は、強度、耐熱性、価格性等が優れている
からである。
方法は、前記離型層の焼成温度が、330〜430℃で
あり、前記離型層の焼成後の厚さを5〜50μmとする
ことが好ましい。
方法は、前記第1の接着層の焼成温度が、330〜43
0℃であることが好ましい。
は、前記弾性層の焼成温度が、150〜300℃であ
り、前記弾性層の焼成後の厚さを30〜1000μmと
することが好ましい。
方法は、前記支持層の焼成温度が、150〜300℃で
あり、前記支持層の焼成後の厚さを10〜100μmと
することが好ましい。
方法は、フッ素樹脂からなる離型層を成形型の内面に塗
布して所定の温度で焼成した後、前記離型層をエッチン
グ処理し、その後、前記離型層の上に弾性層を塗布して
所定の温度で焼成し、次いで前記弾性層の上に接着層を
塗布して乾燥させ、その後、前記接着層の上に支持層を
塗布して所定の温度で焼成することを特徴とする。
第1の製造方法で使用した第1の接着層を使用しなくて
も同様の効果を得ることができる。即ち、従来の方法で
は、支持層であるポリイミドチューブの外面に弾性層と
してシリコーンゴム層(耐熱温度約250℃)を形成
し、その弾性層の外面に離型層としてフッ素樹脂を塗布
して約380℃で焼成する必要があったため、離型層を
焼成する際に弾性層が熱で硬化して弾性を失うという問
題があった。これに対し、本発明の定着用ベルトの第2
の製造方法では、前記従来の工程を逆にたどることによ
り、即ち、成形型にフッ素樹脂からなる離型層を塗布し
て焼成した後に弾性層を形成するため、従来の方法のよ
うに離型層を焼成する際に弾性層が熱で硬化することが
ない。
方法は、前記フッ素樹脂が、四フッ化エチレン重合体
(PTFE)、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキ
シエチレン共重合体(PFA)及びフッ化エチレン−プ
ロピレン共重合体(PFEP)からなる群から選択され
た少なくとも1つであることが好ましい。これらの樹脂
は、トナーの離型性に優れているからである。
方法は、前記弾性層が、JIS硬度A1〜A80度のシ
リコーンゴムからなることが好ましい。この範囲であれ
ばトナーの定着性が優れているからである。
方法は、前記接着層の厚さが、2〜10μmであること
が好ましい。
方法は、前記接着層が、厚さ1〜5μmのシリコーンゴ
ム用プライマーと、厚さ1〜5μmのフッ素ゴムプライ
マーの2層からなることが好ましい。2層構造とするこ
とにより、弾性層と支持層の接着をより強固にできるか
らである。
方法は、前記支持層が、耐熱性合成樹脂からなることが
好ましい。定着用ベルトは通常200℃程度に加熱して
使用されるからである。
方法は、前記耐熱性合成樹脂が、ポリイミド(PI)又
はポリアミドイミド(PAI)であることが好ましい。
これらの樹脂は、強度、耐熱性、価格性等が優れている
からである。
方法は、前記離型層の焼成温度が、330〜430℃で
あり、前記離型層の焼成後の厚さを5〜50μmとする
ことが好ましい。
方法は、前記弾性層の焼成温度が、150〜300℃で
あり、前記弾性層の焼成後の厚さを30〜1000μm
とすることが好ましい。
方法は、前記支持層の焼成温度が、150〜300℃で
あり、前記支持層の焼成後の厚さを10〜100μmと
することが好ましい。
図面に基づき説明する。
トの第1の製造方法を説明する断面図であり、図2は図
1のA−A部の拡大要部断面図である。本発明の定着用
ベルトの第1の製造方法は、フッ素樹脂からなる離型層
2を成形型1の内面に塗布し、前記離型層2の上に第1
の接着層3を塗布し、その後これらを所定の温度で焼成
した後、前記第1の接着層3の上に弾性層4を塗布して
所定の温度で焼成し、次いで前記弾性層4の上に2層か
らなる第2の接着層5a、5bを塗布して乾燥させ、そ
の後、前記第2の接着層5bの上に支持層6を塗布して
所定の温度で焼成する。
本発明の離型層に用いるフッ素樹脂は、四フッ化エチレ
ン重合体(PTFE)、四フッ化エチレン−パーフロロ
アルコキシエチレン共重合体(PFA)及びフッ化エチ
レン−プロピレン共重合体(PFEP)からなる群から
選択された少なくとも1つであることが好ましい。
430℃であることが好ましい。この温度範囲であれ
ば、離型層の成膜性も良好で、離型層の劣化も発生しな
い。また、前記離型層の焼成後の厚さは、5〜50μm
であることが好ましい。この厚さ範囲であれば、離型層
の摩耗耐久性が良好で、表面硬度を高く維持しつつ、離
型層が硬化してしまうことがない。特に、15〜25μ
mの範囲がより好ましい。
定着用ベルトは、定着性、表面硬度、表面導電性、表面
離型性、表面粗度、耐久性、膜厚自由度の点で優れてい
るが、特にトナーの定着性、離型性及び離型層の耐久性
に優れている。
て、導電材、耐摩耗材、良熱伝導材をフィラーとして添
加することもできる。
本発明の弾性層は、JIS硬度がA1〜A80度のシリ
コーンゴムからなることが好ましい。このJIS硬度範
囲であれば、弾性層の強度の低下、密着性の不良を防止
しつつ、定着性の不良を防止できる。このシリコーンゴ
ムとしては具体的には、1成分系、2成分系又は3成分
系以上のシリコーンゴム、RTV型又はHTV型のシリ
コーンゴム、縮合型又は付加型のシリコーンゴム等を使
用できる。
300℃であることが好ましい。この温度範囲であれ
ば、弾性層の揮発分の残留、強度不足を防止しつつ、弾
性層の劣化及び硬化が発生しない。また、前記弾性層の
焼成後の厚さは、30〜1000μmであることが好ま
しい。この厚さ範囲であれば、弾性層の弾性効果を維持
しつつ、断熱性を低く抑えることができて省エネルギー
効果を発揮できる。特に、150〜300μmがより好
ましい。
本発明の支持層は、耐熱性合成樹脂からなることが好ま
しい。前記耐熱性合成樹脂は、ポリイミド(PI)又は
ポリアミドイミド(PAI)であることが好ましい。
300℃であることが好ましい。この温度範囲であれ
ば、支持層の強度低下もなく、また前記弾性層を劣化さ
せることもない。また、前記支持層の焼成後の厚さは、
10〜100μmであることが好ましい。この厚さ範囲
であれば、支持層の強度、摩耗耐久性を維持しつつ、可
撓性を低下させず、断熱性を低く抑えることができて省
エネルギー効果を発揮できる。特に、30〜50μmが
より好ましい。
する。前記第1の接着層は、前記離型層と前記弾性層の
間に配置される接着層である。第1の接着層は、フッ素
ゴムプライマーが好ましく、具体的には、VDF−HF
P系、VDF−HFP−TFE系、VDF−PFP系、
VDF−PFP−TFE系、VDF−PFMVE−TF
E系、VDF−CTFE系等のフッ素ゴムを用いること
ができる。
μmが好ましい。この厚さ範囲であれば、塗布ムラが生
じないため密着力のバラツキがなく、塗布も容易であ
る。特に、2〜3μmがより好ましい。また、前記第1
の接着層の焼成温度は、330〜430℃であることが
好ましい。
する。前記第2の接着層の厚さは、2〜10μmである
ことが好ましい。この厚さ範囲であれば、密着性がより
良好となり、塗布も容易になる。
mのシリコーンゴム用プライマーと、厚さ1〜5μmの
フッ素ゴムプライマーの2層からなることが好ましい。
ここで、前記シリコーンゴム用プライマーとしては、ビ
ニルシラン、アクリルシラン、エポキシシラン、アミノ
シラン等のシランカップリング剤が使用できる。また、
前記フッ素ゴムプライマーとしては、VDF−HFP
系、VDF−HFP−TFE系、VDF−PFP系、V
DF−PFP−TFE系、VDF−PFMVE−TFE
系、VDF−CTFE系等のフッ素ゴムを用いることが
できる。
銅製、ステンレス製、鉄製、アルミニウム製等のパイプ
状金型又はガラス製の成形型を用いることができる。
の接着層及び前記第2の接着層の中に必要に応じて、導
電材、良熱伝導材、引張り強度補強材をフィラーとして
添加することもできる。
2の製造方法は、フッ素樹脂からなる離型層を成形型の
内面に塗布して所定の温度で焼成した後、前記離型層を
エッチング処理し、その後、前記離型層の上に弾性層を
塗布して所定の温度で焼成し、次いで前記弾性層の上に
接着層を塗布して乾燥させ、その後、前記接着層の上に
支持層を塗布して所定の温度で焼成する。
脂処理剤(“テトラエッチ”等)を使用できる。また、
前記第1の接着層を使用せずにエッチング処理すること
以外は、前記実施形態1と同様に構成できる。
詳細に説明する。
黄銅パイプにクロムメッキを施し、パイプ内面を鏡面研
磨した金型を準備した。その金型内面に離型層として導
電性を付与した四フッ化エチレン重合体(ダイキン
(株)製”ED−4839BD”)を35μmとなるよ
うに塗布し、その外面に第1の接着層のフッ素ゴムプラ
イマーとしてフッ素ゴムラテックス(ダイキン(株)
製”GL−252”)を2μmとなるように塗布し、1
00℃で15分間乾燥した後、380℃で15分間焼成
した。焼成後の離型層の厚さは20μmであった。
としてシリコーンゴム(信越シリコン(株)”KE−1
241”)を塗布し、250℃で30分間焼成した。焼
成後の弾性層の厚さは200μmであり、JIS硬度は
A10度であった。
してシリコーンゴム用プライマー(ダイキン(株)製”
GL−103SR”)及び第2の接着層の第2層として
フッ素ゴムプライマー(ダイキン(株)製”NF−73
1”)を各2μmとなるように塗布し、乾燥後に支持層
としてポリイミドワニス(I.S.T.製”RC−50
57”)を塗布し、乾燥後に250℃で30分間焼成し
た。焼成後の支持層の厚さは40μmであった。室温ま
で金型を冷却後、金型から抜き取り、本発明により製造
した定着用ベルトを得た。
2.5質量%添加した四フッ化エチレン−パーフロロア
ルコキシエチレン共重合体(デュポン製”540C
L”)を使用した以外は実施例1と同様にして本発明に
より製造した定着用ベルトを得た。
黄銅パイプにクロムメッキを施し、パイプ内面を鏡面研
磨した金型を準備した。その金型内面に離型層として導
電性を付与した四フッ化エチレン重合体(ダイキン
(株)製”ED−4839BD”)を35μmとなるよ
うに塗布して380℃で15分間焼成した。焼成後の離
型層の厚さは20μmであった。
型層の表面をフッ素樹脂処理剤“テトラエッチ”を用い
てエッチング処理した。次に、弾性層としてシリコーン
ゴム(信越シリコン(株)”KE−1241”)を塗布
し、250℃で30分間焼成した。焼成後の弾性層の厚
さは200μmであり、JIS硬度はA10度であっ
た。
リコーンゴム用プライマー(ダイキン(株)製”GL−
103SR”)及び接着層の第2層としてフッ素ゴムプ
ライマー(ダイキン(株)製”NF−731”)を各2
μmとなるように塗布し、乾燥後に支持層としてポリイ
ミドワニス(I.S.T.製”RC−5057”)を塗
布し、乾燥後に250℃で30分間焼成した。焼成後の
支持層の厚さは40μmであった。室温まで金型を冷却
後、金型から抜き取り、本発明により製造した定着用ベ
ルトを得た。
ポリイミドチューブを準備した。このポリイミドチュー
ブの上に弾性層としてシリコーンゴム(信越シリコン
(株)製”KE−1241”)を塗布し、250℃で3
0分間焼成した。焼成後の弾性層の厚さは200μmで
あった。
着層としてシリコーンゴム用プライマー(ダイキン
(株)製”GL−103SR)を厚さ2μmになるよう
に塗布して乾燥した。その後、その外面に離型層として
フッ素ゴムラテックス(ダイキン(株)製”GLS−2
13”)を塗布し、250℃で30分間焼成して従来の
定着用ベルトを得た。なお、焼成後の離型層の厚さは1
5μmであった。
ポリイミドチューブを準備した。このポリイミドチュー
ブの上に弾性層としてフッ素ゴムラテックス(ダイキン
(株)製”GLS−213”)を塗布し、250℃で3
0分間焼成した。焼成後の弾性層の厚さは100μmで
あった。
型層として導電性を付与した四フッ化エチレン重合体
(ダイキン(株)製”ED−4839BD”)を塗布
し、380℃で30分間焼成して従来の定着用ベルトを
得た。なお、焼成後の弾性層の厚さは20μmであっ
た。
ルトを用いて、トナーの定着性、離型性及び離型層の耐
久性を試験した。その結果を表1に示す。
タ(株)製“Color Pagee Works”)
に上記実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較
例2の定着用ベルトを装着して下記のように行なった。
の剥離性を評価するもので、画像のムラの大小により優
良、良、不良とした。離型性は、コピーの二重写りとな
るオフセット現象の大小により優良、良、不良とした。
耐久性は、定着不良となるまでのエージング(通紙試
験)処理枚数が、相対的に多いものを優良、中程度のも
のを良、少ないものを不良とした。
造した実施例1、実施例2及び実施例3の定着用ベルト
は、トナーの定着性、離型性及び離型層の耐久性の全て
の点で優れていることが分かる。
の定着性に優れているのは、離型層を高温で焼成した後
に弾性層を形成しているため、弾性層が高温で硬化して
弾性を失うことがないからである。また、トナーの離型
性及び離型層の耐久性に優れているのは、離型層にフッ
素樹脂を使用しているからである。
は、トナーの離型性が良くないので定着性も悪くなるか
らである。また、トナーの離型性が悪いのは、離型層に
フッ素ゴムを使用しているからである。
は、弾性層を形成した後に離型層を高温で焼成している
ため、弾性層が高温で硬化して弾性を失ったからであ
る。
造方法によれば、トナーの定着性、離型性及び離型層の
耐久性に優れた定着用ベルトを容易に製造できる。即
ち、本発明の定着用ベルトは、従来困難とされていた弾
性層の外面にフッ素樹脂からなる離型層をその弾性層の
弾性を失うことなく形成できるものであり、その工業的
価値は大である。
面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 フッ素樹脂からなる離型層を成形型の内
面に塗布し、前記離型層の上に第1の接着層を塗布し、
これらを所定の温度で焼成した後、前記第1の接着層の
上に弾性層を塗布して所定の温度で焼成し、次いで前記
弾性層の上に第2の接着層を塗布して乾燥させ、その
後、前記第2の接着層の上に支持層を塗布して所定の温
度で焼成することを特徴とする定着用ベルトの製造方
法。 - 【請求項2】 フッ素樹脂からなる離型層を成形型の内
面に塗布して所定の温度で焼成した後、前記離型層をエ
ッチング処理し、その後、前記離型層の上に弾性層を塗
布して所定の温度で焼成し、次いで前記弾性層の上に接
着層を塗布して乾燥させ、その後、前記接着層の上に支
持層を塗布して所定の温度で焼成することを特徴とする
定着用ベルトの製造方法。 - 【請求項3】 前記フッ素樹脂が、四フッ化エチレン重
合体(PTFE)、四フッ化エチレン−パーフロロアル
コキシエチレン共重合体(PFA)及びフッ化エチレン
−プロピレン共重合体(PFEP)からなる群から選択
された少なくとも1つである請求項1又は2に記載の定
着用ベルトの製造方法。 - 【請求項4】 前記第1の接着層が、厚さ1〜5μmの
フッ素ゴムプライマーからなる請求項1に記載の定着用
ベルトの製造方法。 - 【請求項5】 前記弾性層が、JIS硬度A1〜A80
度のシリコーンゴムからなる請求項1又は2に記載の定
着用ベルトの製造方法。 - 【請求項6】 前記第2の接着層の厚さが、2〜10μ
mである請求項1に記載の定着用ベルトの製造方法。 - 【請求項7】 前記第2の接着層が、厚さ1〜5μmの
シリコーンゴム用プライマーと、厚さ1〜5μmのフッ
素ゴムプライマーの2層からなる請求項1に記載の定着
用ベルトの製造方法。 - 【請求項8】 前記接着層の厚さが、2〜10μmであ
る請求項2に記載の定着用ベルトの製造方法。 - 【請求項9】 前記接着層が、厚さ1〜5μmのシリコ
ーンゴム用プライマーと、厚さ1〜5μmのフッ素ゴム
プライマーの2層からなる請求項2に記載の定着用ベル
トの製造方法。 - 【請求項10】 前記支持層が、耐熱性合成樹脂からな
る請求項1又は2に記載の定着用ベルトの製造方法。 - 【請求項11】 前記耐熱性合成樹脂が、ポリイミド
(PI)又はポリアミドイミド(PAI)である請求項
10に記載の定着用ベルトの製造方法。 - 【請求項12】 前記離型層の焼成温度が、330〜4
30℃であり、前記離型層の焼成後の厚さを5〜50μ
mとする請求項1又は2に記載の定着用ベルトの製造方
法。 - 【請求項13】 前記第1の接着層の焼成温度が、33
0〜430℃である請求項1に記載の定着用ベルトの製
造方法。 - 【請求項14】 前記弾性層の焼成温度が、150〜3
00℃であり、前記弾性層の焼成後の厚さを30〜10
00μmとする請求項1又は2に記載の定着用ベルトの
製造方法。 - 【請求項15】 前記支持層の焼成温度が、150〜3
00℃であり、前記支持層の焼成後の厚さを10〜10
0μmとする請求項1又は2に記載の定着用ベルトの製
造方法。
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JP2000400084A JP2002202675A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 定着用ベルトの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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