JPH10268677A - 定着用ベルト - Google Patents

定着用ベルト

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JPH10268677A
JPH10268677A JP9170997A JP9170997A JPH10268677A JP H10268677 A JPH10268677 A JP H10268677A JP 9170997 A JP9170997 A JP 9170997A JP 9170997 A JP9170997 A JP 9170997A JP H10268677 A JPH10268677 A JP H10268677A
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JP
Japan
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rubber
fixing belt
elastic layer
fixing
fluorosilicone
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Application number
JP9170997A
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English (en)
Inventor
Masahiro Miyamoto
昌宏 宮本
Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Toshihiko Takiguchi
敏彦 滝口
Yasuhiro Fukumoto
泰博 福本
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性と耐シリコーンオイル性が同時に付与
された定着用ベルトを提供すること。 【解決手段】 チューブ状基材上に、弾性層が形成さ
れ、所望により弾性層上に離型層が形成された定着用ベ
ルトにおいて、該弾性層が、フェニルシリコーンゴム及
びフロロシリコーンゴムを含有するゴム組成物から形成
されたものであることを特徴とする定着用ベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電子写真
複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の
画像形成装置の定着部において使用される定着用ベルト
に関し、さらに詳しくは、特に部分カラーまたはフルカ
ラー画像を出力することができる機種の定着部において
好適に用いられる弾性を有する定着用ベルトに関する。
ただし、本発明の定着用ベルトは、これと同様の特性、
すなわち、弾性や非汚染性等を活用する圧着用ベルトや
搬送用ベルトなどの類似製品への用途を除外するもので
はない。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機、ファクシミリ、プリン
ターなどの画像形成装置において、印刷・複写の最終段
階では、一般に、転写材(例、転写紙)上のトナーを加
熱溶融して、トナー像を転写紙上に定着させている。よ
り具体的に、電子写真複写機では、潜像担持体(例、
感光体ドラム)上に像露光を行って静電潜像を形成する
工程、静電潜像に現像剤(トナー)を付着させて可視
像(トナー像)とする工程、感光体ドラム上のトナー
像を転写紙上に転写する工程、転写紙上の未定着のト
ナー像を、加熱等の方法で転写紙上に定着させる工程を
経て複写が行われている。トナーとしては、通常、結着
樹脂中にカーボンブラックなどの着色剤を分散させた着
色樹脂粒子が用いられている。
【0003】定着方法としては、熱定着方式が一般的で
あり、従来より、図1に示すような熱ローラ定着方法が
汎用されている。熱ローラ定着法では、内部に熱ヒータ
ー2を配置し、外周を離型性の良いゴムまたは樹脂で被
覆したヒートローラ(定着用ローラ)1をゴムローラ
(加圧用ローラ)5と圧接させ、そのローラ間にトナー
像3が形成された転写紙4を通過させてトナーを加熱
し、転写紙上に融着させている。ヒートローラは、トナ
ーの結着樹脂の溶融温度以上の温度に加熱されている。
熱ローラ定着法は、運転中、ヒートローラ全体が所定の
温度に保持されるため、高速化に適している反面、運転
開始時の待ち時間が長いという欠点を有している。すな
わち、装置の運転開始時にヒートローラを所定の温度に
まで加熱する時間が必要であるため、電源投入から運転
可能となるまでの間に、比較的長い待ち時間が発生す
る。しかも、ヒートローラ全体を加熱しなければならな
いため、消費電力も大きい。
【0004】そこで、近年、図2に示すように、薄肉チ
ューブ状のエンドレスベルトを介して、ヒーターによ
り、転写紙上のトナーを加熱する定着方法が提案されて
いる。このエンドレスベルト定着法では、定着用ベルト
6とゴムローラ10とを圧接させ、この間にトナー像8
が形成された転写紙9を通過させ、その際、ヒーター7
によりトナーを加熱融着させて定着させている。この定
着法では、薄いフィルム状のベルト6を介するだけで、
ヒーター7により実質的に直接トナーを加熱するため、
加熱部が短時間で所定の温度に達し、電源投入時の待ち
時間がほぼゼロとなる。さらに、この定着法では、定着
に必要な部分のみを加熱するため、熱ローラ定着法に比
べて、消費電力が少ないという利点がある。
【0005】従来、エンドレスベルト定着法に用いられ
る定着用ベルトとしては、耐熱性、弾力性、強度、ベル
ト内面の絶縁性、ベルト外面の離型性などを考慮して、
ポリイミド製のエンドレスベルト(すなわち、ポリイミ
ドチューブ)の外面に、フッ素樹脂のコーティング層を
離型層として設けたものが用いられている。このような
定着用ベルトは、主として、着色剤としてカーボンブラ
ックを含有する単色トナーのみを定着するモノクロ用レ
ーザービームプリンターに用いられている。一方、フル
カラー用レーザービームプリンターなどのフルカラーの
画像形成装置では、一般に、赤、黄、青、黒の4色のト
ナーが用いられている。フルカラーのトナー像を定着さ
せるには、単にトナーを軟化して加圧しながら定着させ
る単色トナーの場合とは異なり、複数種のカラートナー
を溶融に近い状態で混色するため、トナーを溶融状態に
まですることが求められる。ところが、従来の定着用ベ
ルトをフルカラー用レーザービームプリンターの定着部
に用いた場合には、ベルト表面の弾力性が不足している
ため、カラートナーを充分に包み込むことができず、そ
の結果、複数種のカラートナーを溶融状態で混色させる
ことが困難で、満足できる定着を行うことができなかっ
た。
【0006】定着用ベルトの表面に充分な弾力性を付与
させるためには、例えば、ポリイミドチューブの外面に
シリコーンゴム等の耐熱性エラストマーからなる弾性層
を形成することが考えられるが、弾性層の耐シリコーン
オイル性が乏しく、2万枚程度コピーするとシリコーン
オイルの浸透により弾性層が膨潤して、定着時に紙詰ま
りを生じるという問題点があった。すなわち、フルカラ
ー画像用のトナーを定着させる場合、一般に、これらの
トナーの結着樹脂の軟化点が低く、しかも複数色のトナ
ー像を重ね合わせるため、大量のトナーが載った転写紙
を定着する必要があるため、定着用ベルトにオフセット
現象が生じやすい。そこで、定着用ベルトの離型性を向
上させるために、通常、多量のシリコーンオイルを塗布
しているが、塗布したシリコーンオイルは、徐々に弾性
層内部にまで浸透して、弾性層が膨潤してしまう。弾性
層が膨潤すると、定着用ベルトが変形したり、加圧用ロ
ーラとの間の圧接力が増大し、紙詰まりを生じる。ま
た、弾性層が膨潤すると、ポリイミドチューブとの間の
接着力が低下したり、弾性層自身の機械的強度が低下す
る。
【0007】弾性層の膨潤を防ぐには、定着用ベルトに
耐油性を付与する必要がある。そこで、例えば、内層の
シリコーンゴム層(弾性層)と外層のシリコーンゴム層
(離型層)との間に、耐油性に優れたフッ素ゴムの層を
設ける方法が提案されているが、異種ゴム間の接着とな
るため、層間接着力が弱く、各層が剥離しやすいという
問題があった。また、シリコーンゴムからなる弾性層
は、熱劣化を受けやすいという問題があった。特開平1
−277876号公報には、フェニルシリコーンゴム層
の上に液状シリコーンゴム層を積層した構造の定着用ロ
ーラが示されているが、この場合、内層は、耐熱性に優
れるものの耐油性が不足しており、2万枚程度コピーす
ると膨潤して紙詰まりを生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性と耐シリコーンオイル性が同時に付与された定着用ベ
ルトを提供することにある。本発明者らは、前記従来技
術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、チュー
ブ状基材上に弾性層を形成した定着用ベルトにおいて、
弾性層を形成するゴム成分として、フェニルシリコーン
ゴムとフロロシリコーンゴムとを含むゴム組成物を用
い、所望により、該弾性層の上に離型層として、RT
V型(室温硬化型)またはLTV型(低温硬化型)のシ
リコーンゴム層、もしくはフッ素樹脂層を設けること
により、弾性層に耐熱性と耐シリコーンオイル性を同時
に付与させることができ、その結果、耐久性に優れた定
着用ベルトの得られることを見いだした。本発明は、こ
れらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、チューブ状基材上に、弾性層が形成され、所望によ
り弾性層上に離型層が形成された定着用ベルトにおい
て、該弾性層が、フェニルシリコーンゴム及びフロロシ
リコーンゴムを含有するゴム組成物から形成されたもの
であることを特徴とする定着用ベルトが提供される。本
発明の好ましい実施態様は、以下のとおりである。 1.フェニルシリコーンゴムとフロロシリコーンゴムと
の配合割合(重量比)が10:90〜90:10である
前記定着用ベルト。 2.フェニルシリコーンゴムとフロロシリコーンゴムと
の配合割合(重量比)が30:70〜70:30である
前記定着用ベルト。 3.弾性層の硬度(JIS−A)が10〜80である前
記定着用ベルト。 4.弾性層の硬度(JIS−A)が20〜50である前
記定着用ベルト。 5.フェニルシリコーンゴムとフロロシリコーンゴムが
いずれもHTV型(高温硬化型)のシリコーンゴムであ
る前記定着用ベルト。 6.チューブ状基材が、耐熱性プラスチックまたは金属
からなるものである前記定着用ベルト。 7.チューブ状基材の表面が電気化学的または化学的に
エッチングされ、表面に凹凸が形成されている前記定着
用ベルト。
【0010】
【発明の実施の形態】シリコーンゴムには、化学構造で
ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、フロロシリ
コーンなどの種類がある。しかし、一般に、複写機用の
定着用ベルトの場合、弾性層を形成する内層ゴムは、1
80〜220℃もの高温に曝されるため、高耐熱性が要
求されると共に、トナー定着時に外層面に塗布されるシ
リコーンオイルによって膨潤しないという耐油性が要求
される。
【0011】そこで、本発明では、チューブ状基材上に
形成する弾性層として、シリコーンゴムの中でも特に耐
熱性に優れ、さらに耐油性にも優れるフェニルシリコー
ンゴムと、シリコーンゴムの中でも特に耐油性に優れる
フロロシリコーンゴムとをブレンドして用いる。フェニ
ルシリコーンとフロロシリコーンとの配合割合(重量
比)は、通常、10:90〜90:10である。この場
合、耐熱性の点からフロロシリコーンゴムの配合割合が
大きいことが望ましく、耐油性の点からはフロロシリコ
ーンゴムの配合割合が大きいことが望ましい。この範囲
よりフェニルシリコーンが多いか、あるいはフェニルシ
リコーン単独の場合には、耐油性が不足する。この範囲
よりフロロシリコーンが多いか、あるいはフロロシリコ
ーン単独の場合には、耐熱性が不足する。両者の好まし
い配合割合は、30:70〜70:30(重量比)の範
囲であり、この範囲内で耐熱性と耐油性が高度にバラン
スするので好ましい。
【0012】本発明では、このようにフェニルシリコー
ンゴムとフロロシリコーンゴムをブレンドして弾性層と
して用いることにより、定着用ベルトに優れた耐熱性と
耐油性を同時に付与するものである。弾性層の厚みは、
用途や設置する画像形成装置の構造、目標とする弾性、
用いる材料の硬度等を勘案して適宜設定されるが、一般
的には、100μm〜3mmの範囲内に設定されること
が多い。もちろん、これより厚い膜厚に成形した後に、
研磨等により必要な膜厚に加工してもよい。定着時に定
着用ベルトがトナーを十分に包んで溶融させ、トナー像
が転写紙上に定着するように、弾性層の硬度(JIS−
A)は、通常10〜80、好ましくは20〜50の範囲
内になるように調整する。弾性層の硬度が高すぎると、
定着時に異なる色相の複数種のトナーを充分に包み込ん
で溶融させて混色することが困難となり、低すぎると、
弾性層の耐久性が低下する。弾性層のJIS−A硬度
は、より好ましくは20〜40の範囲である。
【0013】シリコーンゴムには、HTV型(高温硬化
型)、LTV型(低温硬化型)、及びRTV型(室温硬
化型)があるが、弾性層としては、特に、HTV型を用
いることにより、高強度で高耐久性の弾性層が得られ
る。弾性層は、耐熱性プラスチックまたは金属チューブ
からなる基材上に、プライマーを介して積層してもよ
く、あるいは、基材をサンドプラスト、電気化学的エッ
チング、及び化学的エッチングのいずれか、もしくはそ
れらを組み合わせた方法により粗面化して、さらに必要
に応じて、プライマーを介して積層してもよい。チュー
ブ状基材と弾性層との間の接着は、該基材の表面を物理
的または化学的な方法でエッチングすることにより、プ
ライマーなしでも可能であるが、エッチング処理とプラ
イマー処理を併用すれば、最も優れた接着が期待でき
る。プライマーとしては、例えば、ポリアミドイミドワ
ニスなどを用いることができる。
【0014】外層の離型層には、通常、シリコーンゴム
またはフッ素樹脂が用いられる。離型層にシリコーンゴ
ムを用いた場合、シリコーンオイルとのなじみがよく、
良好なトナー離型性が得られる。離型層のシリコーンゴ
ムとしては、特にRTV型またはLTV型を用いること
により、平滑な表面が得られ、良好な定着画像が得られ
る。特に耐油性と耐久性を付与するため、フロロシリコ
ーンまたはジメチルシリコーンを単独で用いるか、ある
いは併用することが望ましい。一方、離型層にフッ素樹
脂を用いると、フッ素樹脂自体が高非粘着性のため、シ
リコーンオイルとの併用により、良好なトナー離型性が
得られる。フッ素樹脂としては、耐熱性の観点から、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフ
ルオロエチレン/パーフロオロアルキルビニルエーテル
共重合体(PFA)をそれぞれ単独で使用するか、ある
いはこれらを混合して用いることが好ましいが、これに
限定されるものではない。特に熱溶融性のPFAを用い
た場合、平滑な表面の離型層が得られ、さらに良好な定
着画像が得られる。離型層の厚みは、用途や設置する画
像形成装置の構造、目標とする弾性、用いる材料の硬
度、磨耗耐久性などを勘案して適宜設定されるが、一般
的には、5〜300μmの範囲内に設定される。
【0015】本発明の定着用ベルトの基材には、チュー
ブ(すなわち、エンドレスベルト)を用いる。チューブ
の材質としては、通常、耐熱性プラスチックまたは金属
を用いる。耐熱性プラスチックとしては、例えば、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾー
ル等が用いられるが、これらの中でも特にポリイミドが
好ましい。金属チューブとしては、例えば、アルミニウ
ム、ステンレス、鉄、ニッケル、及びこれらの合金が用
いられるが、電磁誘導加熱方式によって金属チューブを
加熱することを考慮した場合、鉄、ニッケル、及びこれ
らの合金、またはフェライト系ステンレスが好ましい。
電磁誘導加熱方式を採用する場合には、ヒーターに代え
て、高周波コイルなどの電磁誘導発熱用コイルを配置す
る。チューブ状基材の厚さは、通常10〜100μm、
好ましくは30〜60μmである。
【0016】チューブ状基材または定着用ベルトの外径
は、定着装置の大きさなどによって適宜定めることがで
きるが、通常、15〜150mm、好ましくは20〜1
00mm程度である。定着用ベルトの長さは、転写紙な
どの転写材の幅に応じて適宜定めることができる。図3
に、本発明の定着用ベルトの一例を示す。チューブ状基
材11の上に、弾性層12が形成され、さらにその上
に、離型層13が形成されている。弾性層は、耐シリコ
ーンオイル性に優れているため、用途によって必要がな
ければ、離型層を省略してもよい。
【0017】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げてより具体的に説明する。 [実施例1]ポリイミドワニス(宇部興産製Uワニス
S)を用い、常法に従って円筒状金型を用いて、厚み5
0μm、外径27.6mmのポリイミドチューブを作製
した。一方、HTV型フェニルシリコーンゴム(信越化
学製KE7016U)10重量部とHTV型フロロシリ
コーンゴム(信越化学製FE241U)90重量部をブ
レンドし、このブレンドゴム100重量部に対して、パ
ーオキサイド加硫剤C−8A(信越化学製)を1重量部
練り込んだゴム組成物を調製した。上記ポリイミドチュ
ーブの外面に、ポリアミドイミドワニス(東洋紡製NA
18020)をN−メチル−2−ピロリドンで希釈した
溶液を塗布し、乾燥させた後(厚み約5μm)、その上
に、上記ゴム組成物をプレス成形(160℃、60分
間)して、厚さ3mmのゴム層を被覆した。形成された
ゴム層を研磨し、厚さを2mmに調整した。弾性層のJ
IS−A硬度は、40であった。このようにして形成さ
れた弾性層の上に、RTV型ジメチルシリコーン(信越
化学社製KE1935)を塗布し、120℃で1時間熱
処理して離型層を形成し、定着用ベルト(図3)を得
た。このようにして作製した定着用ベルトを、図4に示
すように、実際の定着装置を擬した回転耐久試験装置に
装着して回転させた。100時間ごとに定着用ベルトを
回転耐久試験装置から取り出し、実機(モノクロLB
P)のユニットに組み込んで、通紙し、紙詰まりの発生
などの問題が生じないかを調べた。ウエブ14を介して
定着用ベルト15に塗布するシリコーンオイルとして
は、信越化学製のジメチルシリコーンオイルKF96H
を用いた。回転耐久試験時は、定着用ベルト15の表面
温度が180℃で一定となるよう、中空の該定着用ベル
トの内部に挿入されたハロゲンランプヒーター17の出
力を制御した。回転耐久試験の結果は、紙詰まりの発生
などの問題が生じるまでの回転耐久時間が3000時間
であった。また、定着用ベルトの弾性層の破壊モード
は、熱劣化であった。結果を表1に示す。
【0018】[実施例2〜9、比較例1〜4]表1に示
すように、HTV型フェニルシリコーンゴムとHTV型
フロロシリコーンゴムとのブレンド比を変えたこと以外
は、実施例1と同様にして定着用ベルトを作製し、同様
に評価した。結果を表1に示す。
【0019】[実施例10]表1に示すように、HTV
型フェニルシリコーンゴムとHTV型フロロシリコーン
ゴムとのブレンド比を1:1(重量比)に変え、かつ、
離型層には、RTV型ジメチルシリコーン(信越化学社
製KE1935)とRTV型フロロシリコーン(信越化
学社製FE61)を1:1(重量比)でブレンドしたゴ
ムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして定着用ベ
ルトを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0020】[実施例11]表1に示すように、HTV
型フェニルシリコーンゴムとHTV型フロロシリコーン
ゴムとのブレンド比を1:1(重量比)に変え、かつ、
離型層には、フッ素樹脂を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして定着用ベルトを作製し、同様に評価した。
すなわち、弾性層の上に、フッ素樹脂塗料(品番:EK
−4300CRN、ダイキン社製)をスプレーで塗布
し、250℃で10分間乾燥後、350℃で20分間の
焼成を行い、厚み20μmのPTFE層で被覆された定
着用ベルトを得た。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(脚注) (1)HTVジメチルシリコーン:信越化学社製KE9
31U (2)HTVフロロシリコーン:信越化学社製FE24
1U (3)HTVメチルフェニルシリコーン:信越化学社製
KE7016U (4)RTVジメチルシリコーン:信越化学社製KE1
935 (5)RTVフロロシリコーン:信越化学社製FE61 (6)PTFE:ダイキン社製、品番:EK−4300
CRN 〈回転耐久時間〉紙詰まり、または耐熱劣化による定着
不良が発生するまでの時間を測定した。また、紙詰まり
や耐熱劣化が生じた定着用ベルトを観察して、破壊の状
況(破壊モード)を調べた。表1に示すように、各実施
例では、各比較例よりも、長時間の耐久試験に耐える定
着用ベルトを得ることができることが分かる。これら実
施例で得られた定着用ベルトは、実機に組み込んでカラ
ーコピーを行っても、問題のない定着画像が得られた。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性と耐シリコーン
オイル性が同時に付与された定着用ベルトが提供され
る。本発明の定着用ベルトは、電子写真複写機、レーザ
ービームプリンター、ファクシミリ等の特に部分カラー
あるいはフルカラー画像が出力できる機種等の定着部に
用いるベルトとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱ローラ定着法の説明図である。
【図2】定着用ベルトを用いた定着法の説明図である。
【図3】本発明の定着用ベルトの一例の積層構成を示す
概略図である。
【図4】回転耐久試験機の模式図である。
【符号の説明】
1:定着用ローラ 2:ヒーター 3:トナー 4:転写紙 5:加圧用ローラ 6:定着用ベルト 7:ヒーター 8:トナー 9:転写紙 10:加圧用ローラ 11:チューブ状基材 12:弾性層 13:離型層 14:ウエブ 15:定着用ベルト 16:加圧用ローラ 17:ハロゲンヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 泰博 大阪府泉南郡熊取町大字野田950番地 住 友電気工業株式会社熊取製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューブ状基材上に、弾性層が形成さ
    れ、所望により弾性層上に離型層が形成された定着用ベ
    ルトにおいて、該弾性層が、フェニルシリコーンゴム及
    びフロロシリコーンゴムを含有するゴム組成物から形成
    されたものであることを特徴とする定着用ベルト。
  2. 【請求項2】 フェニルシリコーンゴム及びフロロシリ
    コーンゴムの配合割合(重量比)が10:90〜90:
    10である請求項1記載の定着用ベルト。
  3. 【請求項3】 弾性層の硬度(JIS−A)が10〜8
    0である請求項1または2記載の定着用ベルト。
JP9170997A 1997-03-26 1997-03-26 定着用ベルト Pending JPH10268677A (ja)

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JP9170997A JPH10268677A (ja) 1997-03-26 1997-03-26 定着用ベルト

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004138999A (ja) * 2002-02-15 2004-05-13 Fuji Photo Film Co Ltd 定着ベルト式電子写真用受像シート及び画像形成方法
JP2010152303A (ja) * 2008-11-21 2010-07-08 Ricoh Co Ltd 定着部材、並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置
WO2018159249A1 (ja) * 2017-03-02 2018-09-07 オリンパス株式会社 医療機器用塗料および医療機器

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