JP2008052201A - 定着ベルト、定着ベルト用の基材、及び、定着ベルトを有する定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトを低コストで提供することを目的としている。
【解決手段】基材22a及び離型層22dを順次有する定着ベルト22であって、前記基材22aが、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されているものとする。前記定着ベルト22は、基材22a、発熱層22b、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有するもの、1層又は2層以上の発熱層22bを積層含有する基材22a、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有するもの、或いは、基材22a、発熱層22b、弾性層22c、発熱層22b、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有するものであってもよい。
【選択図】図1
【解決手段】基材22a及び離型層22dを順次有する定着ベルト22であって、前記基材22aが、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されているものとする。前記定着ベルト22は、基材22a、発熱層22b、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有するもの、1層又は2層以上の発熱層22bを積層含有する基材22a、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有するもの、或いは、基材22a、発熱層22b、弾性層22c、発熱層22b、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有するものであってもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、PPC、LBP、ファクシミリなどの電子写真方式を採用した画像形成装置における転写紙上の未定着トナー像を加熱、加圧することにより定着させる定着ベルト、定着ベルト用の基材、及び、定着ベルトを有する定着装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置(特許文献1を参照。)が提案されている。図5は、従来の定着ローラを用いた電子写真方式の画像形成装置の説明図である。従来の電子写真方式の画像形成装置100、例えば、複写機及びレーザプリンタは、静電潜像が形成される感光体ドラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザビーム等の露光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の感光体ドラム101をクリーニングするためのクリーニング装置108、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位計109、並びに、加熱定着ローラ111及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110によって構成されている。
この電子写真方式を用いる画像形成装置110は、回転する感光体ドラム101の感光体層を帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後にレーザビーム等の露光手段103で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像することによりトナー像とし、このトナー像を記録紙107上に転写し、そして、この記録紙107を定着ローラ111及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110に通過させてトナー像を熱定着するように構成されている。
このような熱定着装置110おいては、例えば、アルミニウムなどの中空円筒体からなる芯金の外周面にトナーの粘着を防止する為のフッ素樹脂層などからなる粘着防止層を設けた加熱定着ローラ111が使用されるが、この様な加熱定着ローラ111は芯金の中空部に、回転中心線に沿ってハロゲンランプなどのヒータを配置し、その輻射熱によって加熱定着ローラ111を内側から加熱するようになっている。最近ではこの熱源に誘導電磁加熱方式を用い、さらに、高効率の加熱を実現したものもある。
また、加熱定着ローラ111と平行に、これに圧接する加圧ローラ112を設け、加圧ローラ112と加熱定着ローラ111との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107上に付着しているトナーを加熱定着ローラ111の熱により軟化させつつ、加圧ローラ112と加熱定着ローラ111との間に挟むことによって加圧することにより、記録紙107上にトナー像を定着させている。
熱ローラ定着法は、ヒートローラ全体を所定温度に保持することができること、熱容量が大きいこと等の利点があるために、プリント速度の高速化には適している。しかし、熱ローラ定着法は、ヒートローラを所定の温度まで加熱するのにかなりの時間が必要であるので、ヒートローラ全体を加熱するのに、電力消費も大きくなるという問題がある。近年、画像形成装置の分野においては、省エネルギー化への活動が活発になっており、その立ち上がり時間の短縮が検討されている。画像形成装置の立ち上がり時間の短縮の技術の一つとして、ヒーターにより熱せられたフィルム状のエンドレスベルトを介して、記録紙上のトナーを加熱するベルト定着方法が提案されている。この定着方法では、薄いフィルム状の定着用ベルトを直接加熱することになり、電源投入後、加熱部は短時間で所定の温度に達するので、電源投入後の待ち時間をかなり減らすことができる。また、必要部分のみを加熱するので、電力消費も少ない利点がある。
図6は、従来の定着無端ベルトの使用状態を示す説明図である。図6に示されているように、従来の画像形成装置においては、加熱ローラ115、これと相対して設けられた一対の平行な定着ローラ116及びテンションローラ117、並びに、加熱ローラ115に接すると共に、一対の平行な定着ローラ116及びテンションローラ117により回転可能に設けられた定着無端ベルト114を有するベルト方式の定着装置113が用いられている。従来、このような定着無端ベルト114の基体の上に離型性及び耐久性を考慮したシリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料を用いて弾性層を直接形成させるものが提案されている。
従来、光沢画像を必要とするフルカラー複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置においては、赤(マゼンタ)、青(シアン)、黄(イエロー)、黒(ブラック)の4色のカラートナーが用いられているが、これらのカラートナーで構成されるカラー画像を定着する際には、これらのカラートナーを溶融状態で混合する必要があり、そのために、カラートナーを低融点化して溶融しやすくすると共に、複数種のカラートナーを、加熱定着ローラ111の表面で包み込むようにして、溶融状態で均一に混合させることが必要になる。このために、定着部材の表面に必要な特性の一つとして柔軟性が挙げられる。かかる定着用部材の表面に柔軟性を付与するフルカラー用の定着用部材としては、加熱定着ローラや加熱定着ベルトが用いられているが、これらの定着用部材は、柔軟性には優れるものの耐熱性、耐磨耗性が低いので、硬化劣化などの機能低下が起こるという問題があった。そして、前記加熱定着ベルトにおいては、弾性層が金属で構成される基体上に接着剤で固定されているので、該弾性層と金属で構成される基体との界面で接着剥離が起こりやすく、そのために、該加熱定着ベルトの耐久性を低下させる、という問題があった。
また、多数の細孔で構成される多孔質構造を有するポリイミド樹脂膜の表面に金属メッキ層を設けてなる電子写真用定着部材(特許文献2を参照。)が提案されているが、この電子写真用定着部材は、その表面に金属層を有しているので、フルカラーの複写機に適用する場合においては、その電子写真用定着部材の表面に複数種のカラートナーを包み込むようにして溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有したものにならない、という問題があった。
特開2004−271751号公報
特開2003−89166号公報
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルト、定着ベルト用の基材、及び、定着ベルトを有する定着装置を低コストで提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、基材及び離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルトである。
請求項2に記載された発明は、基材、発熱層、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルトである。
請求項3に記載された発明は、1層又は2層以上の発熱層を積層含有する基材、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルトである。
請求項4に記載された発明は、基材、発熱層、弾性層、発熱層、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルトである。
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載された発明において、前記耐熱性発泡シートの両端部分が、耐熱性未発泡シートで構成されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載された発明において、前記耐熱性発泡シートが、ポリイミドで構成されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項5又は6に記載された発明において、前記耐熱性未発泡シートが、ポリイミドで構成されていることを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載された発明において、前記離型層が、フッ素樹脂又はフッ素樹脂を主体する樹脂で構成されていることを特徴とするものである。
請求項9に記載された発明は、請求項8に記載された発明において、前記フッ素樹脂が、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)であることを特徴とするものである。
請求項10に記載された発明は、上記目的を達成するために、円筒状に形成された耐熱性発泡シートよりなる定着ベルト用の基材であって、前記耐熱性発泡シートの両端部分が、耐熱性未発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルト用の基材である。
請求項11に記載された発明は、請求項10に記載された発明において、前記耐熱性発泡シート及び前記耐熱性未発泡シートが、ポリイミドで構成されていることを特徴とするものである。
請求項12に記載された発明は、請求項3〜11のいずれか1項に記載された定着ベルトを有することを特徴とする定着装置である。
請求項1に記載された発明によれば、基材及び離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されているので、従来の弾性層と基材とを有する定着ベルトにおける弾性層を省略して構成部材を単純化したものとなり、その結果、弾性層と基材との界面での接着剥離のないものとなり、そのために、従来の定着ベルトにおける弾性層と基材の両方の機能を併せて持つ定着ベルト用の基材とすることができ、よって、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトとするための定着ベルト用の基材を低コストで提供することができる。
請求項2に記載された発明によれば、基材、発熱層、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されているので、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトを低コストで提供することができる。
請求項3に記載された発明によれば、1層又は2層以上の発熱層を積層含有する基材、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されているので、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトを低コストで提供することができる。
請求項4に記載された発明によれば、基材、発熱層、弾性層、発熱層、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されているので、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトを低コストで提供することができる。
請求項5に記載された発明によれば、前記耐熱性発泡シートの両端部分が、耐熱性未発泡シートで構成されているので、定着ベルト用の基材の端部の裂断に基づいた定着ベルトの破損を防止することができる。
請求項6に記載された発明によれば、前記耐熱性発泡シートが、ポリイミドで構成されているので、高耐熱性及び高耐摩耗性が得られ、そのために、急激に発熱させる定着ベルト(IH発熱方式による定着ベルト)に対応できる定着ベルトを低コストで提供することができる。
請求項7に記載された発明によれば、前記耐熱性未発泡シートが、ポリイミドで構成されているので、高耐熱性及び高耐摩耗性が得られ、そのために、急激に発熱させる定着ベルト(IH発熱方式による定着ベルト)に対応できる定着ベルトを低コストで提供することができる。
請求項8,9に記載された発明によれば、前記離型層が、フッ素樹脂又はフッ素樹脂を主体する樹脂で構成されているので、溶融トナーの定着ベルトに対する付着を防止することができ、そのために、定着画像を高画質化することができる。
請求項10に記載された発明によれば、円筒状に形成された耐熱性発泡シートよりなる定着ベルト用の基材であるので、従来の弾性層と基材とを有する定着ベルトにおける弾性層を省略して構成部材を単純化したものとなり、その結果、弾性層と基材との界面での接着剥離のないものとなり、そのために、従来の定着ベルトにおける弾性層と基材の両方の機能を併せて持つ定着ベルト用の基材とすることができ、よって、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトとするための定着ベルト用の基材を低コストで提供することができる。また、請求項10に記載された発明によれば、前記耐熱性発泡シートの両端部分が、耐熱性未発泡シートで構成されているので、定着ベルト用の基材の端部の裂断に基づいた定着ベルトの破損を防止することができる。
請求項11に記載された発明によれば、前記耐熱性発泡シート及び前記耐熱性未発泡シートが、ポリイミドで構成されているので、高耐熱性が得られ、そのために、急激に発熱させる定着ベルト(IH発熱方式による定着ベルト)に対応できる定着ベルト用の基材を低コストで提供することができる。
請求項12に記載された発明によれば、請求項1〜9のいずれか1項に記載された定着ベルトを有する定着装置であるので、高画質を可能とすると共に、高耐久性及び高信頼性を可能とした定着装置を低コストで提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の他の一実施の形態を示す定着ベルトの断面図であって、(a)は、2層構造にしたものであり、(b)は、4層構造にしたものであり、(c)は、7層構造にしたものであり、そして、(d)は、6層構造にしたものである。図2は、本発明の一実施の形態を示す定着ベルト用の基材である。図3は、図2におけるA−A拡大断面図である。図4は、本発明の一実施の形態を示す定着装置である。
図1(a)に示されているように、本発明の定着ベルト22は、基材22a及び離型層22dを順次有している。そして、前記基材22aは、図2,3に示されているように、円筒状に形成された耐熱性発泡シート1で構成されている。このように、前記基材22aが、円筒状に形成された耐熱性発泡シート1で構成されていると、従来の弾性層と基材とを有する定着ベルトにおける弾性層を省略して構成部材を単純化したものとなり、その結果、弾性層と基材との界面での接着剥離のないものとなり、そのために、従来の定着ベルトにおける弾性層と基材の両方の機能を併せて持つ定着ベルト用の基材とすることができ、よって、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトとするための定着ベルト用の基材を低コストで提供することができる。
また、図1(b)に示されているように、本発明の定着ベルト22は、基材22a、発熱層22b、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有している。そして、前記基材22aは、図1,2に示されているように、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されている。このように、前記基材22aが、円筒状に形成された耐熱性発泡シート1で構成されていると、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトを低コストで提供することができる。
また、図1(c)に示されているように、本発明の定着ベルト22は、1層又は2層以上の発熱層22bを積層含有する基材22a、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有している。そして、前記基材22aは、図1,2に示されているように、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されている。このように、前記基材22aが、円筒状に形成された耐熱性発泡シート1で構成されていると、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトを低コストで提供することができる。
また、図1(d)に示されているように、本発明の定着ベルト22は、基材22a、発熱層22b、弾性層22c、発熱層22b、弾性層22c、及び、離型層22dを順次有している。そして、前記基材22aは、図1,2に示されているように、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されている。このように、前記基材22aが、円筒状に形成された耐熱性発泡シート1で構成されていると、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトを低コストで提供することができる。
前記定着ベルト22においては、前記耐熱性発泡シート1の両端部分は、好ましくは、耐熱性未発泡シート2で構成されている。このように、前記耐熱性発泡シート1の両端部分が、耐熱性未発泡シート2で構成されていると、定着ベルト用の基材22aの端部の裂断に基づいた定着ベルト22の破損を防止することができる。
前記耐熱性発泡シート1及び前記耐熱性未発泡シート2は、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等の耐熱性樹脂で構成されるが、好ましくは、ポリイミド、芳香族ポリアミド(アラミド)、サーモトロピック液晶ポリマーとして分類される耐熱性樹脂で構成される。前記サーモトロピック液晶ポリマーには、完全芳香族ポリエステル、芳香族−脂肪族ポリエステル、芳香族ポリアゾメチ、芳香族ポリエステル−カーボネ−ト等がある。これらの中でも、耐熱性や耐磨耗性が高い観点から、ポリイミドが特に好ましい。前記耐熱性発泡シート1及び前記耐熱性未発泡シート2がポリイミドで構成されていると、高耐熱性及び高耐摩耗性が得られ、そのために、急激に発熱させる定着ベルト(IH発熱方式による定着ベルト)に対応できる定着ベルトを低コストで提供することができる。ポリイミドは、熱硬化性のものが望ましく、熱硬化性ポリイミドは、分子主鎖中にイミド基が有機基と直結し、これが繰り返し単位となって、高分子化しているものである。有機基は、例えば、脂肪族基、芳香族基等を意味するが、芳香族基、例えば、フェニル基、ナフチル基、ジフェニル基(2つのフェニル基がメチレン基やカルボニル基を介して結合されたものを含む)である方が、高い使用温度で機械的特性が良好なものとなる。ポリイミド前駆体の一つであるポリアミド酸は、有機酸二無水物と有機ジアミンとの当量を、常温の有機極性溶媒中で縮重合反応させることによって生成することができる。
次に、前記定着ベルト22について詳細に説明する。
図4に示されているように、前記定着ベルト22は、支持ローラ23と定着補助ローラ21とに張架・支持されている。図1に示されているように、定着ベルト22は、定着ベルト用の基材22a上に発熱層22b及び離型層22dが順次形成された多層構造のエンドレスベルトとなっている。定着ベルト用の基材22aは、ポリイミド発泡シートで構成されている。定着ベルト用の基材22aの層厚は、熱容量及び強度の観点から、好ましくは、30〜500μmに形成されている。定着ベルト22における発熱層22bは、ニッケル、ステンレス鋼等の磁性導電性材料で構成されるが、その層厚は、好ましくは、1〜20μmである。この発熱層22bは、定着ベルト用の基材22a上に、前記磁性導電性材料によるメッキ、スパッタ、真空蒸着等によって形成される。後述する本発明の実施例1では、発熱層22bの材料として、キューリー点が定着可能温度以上であって300℃以下となる整磁合金を用いている。具体的には、ニッケル、鉄、クロムの合金であって、各材料の添加量と加工条件とを調整することで所望のキューリー点を得ることができる。このように、キューリー点が定着ベルト22の定着温度近傍となる磁性導電性材料にて発熱層22bを形成することで、発熱層22bは電磁誘導によって過昇温されることなく加熱されることになる。
前記定着ベルト22においては、前記離型層22dは、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、これらの樹脂の混合物、又は、これらの樹脂を耐熱性樹脂に分散させたもので構成されるが、好ましくは、フッ素樹脂又はフッ素樹脂を主体する樹脂で構成されている。前記フッ素樹脂は、好ましくは、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)である。このように、前記離型層22dが、フッ素樹脂又はフッ素樹脂を主体する樹脂で構成されていると、溶融トナーの定着ベルト22に対する付着を防止することができ、そのために、定着画像を高画質化することができる。
前記離型層22dの層厚は、好ましくは、5〜50μm、さらに好ましくは、10〜30μmである。このように、前記離型層22dの層厚が5〜50μmであると、定着ベルト22上のトナー離型性が担保されるとともに、定着ベルト22の柔軟性が確保される。定着ベルト22の各層22a〜22dの間に、プライマ層等を設けることもできる。
発熱部材としての定着ベルト22は、図1に示すように、2層構造体以外の多層構造体とすることもできる。前記定着ベルト22における発熱層22bは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、フッ素樹脂等の樹脂材料に、磁性導電性粒子を分散したものを用いることもできる。その場合、樹脂材料に対して磁性導電性粒子を20〜90重量%の範囲内で添加する。具体的には、ワニス状態の樹脂材料中に、ロールミル、サンドミル、遠心脱泡装置等の分散装置を用いて磁性導電性粒子を分散する。これを溶剤により適当な粘度に調整して、金型により所望の層厚に成形する。
図2,3に示されているように、本発明の定着ベルト用の基材22aは、円筒状に形成された耐熱性発泡シート1で構成されている。図3において、1aは、細孔である。このように、円筒状に形成された耐熱性発泡シート1で構成されていると、従来の弾性層と基材とを有する定着ベルトにおける弾性層を省略して構成部材を単純化したものとなり、その結果、弾性層と基材との界面での接着剥離のないものとなり、そのために、従来の定着ベルトにおける弾性層と基材の両方の機能を併せて持つ定着ベルト用の基材とすることができ、よって、複数種のカラートナーを溶融状態で均一に混合させるのに必要な柔軟性を有する定着ベルトとするための定着ベルト用の基材22aを低コストで提供することができる。
図3に示されているように、本発明の定着ベルト用の基材22aにおいては、前記耐熱性発泡シート1の両端部分は、好ましくは、耐熱性未発泡シート2で構成されている。このように、前記耐熱性発泡シート1の両端部分が、耐熱性未発泡シート2で構成されていると、定着ベルト用の基材22aの端部の裂断に基づいた定着ベルト22の破損を防止することができる。
図4に示されているように、本発明の定着装置20は、請求項3〜9のいずれか1項に記載された定着ベルト22を有している。このように、請求項3〜9のいずれか1項に記載された定着ベルト22を有していると、高画質を可能とすると共に、高耐久性及び高信頼性を可能とした定着装置20を低コストで提供することができる。
次に、前記定着装置20について詳細に説明する。
本発明の定着装置は20は、定着補助ローラ21と、この定着補助ローラ21に対指示向して設けられた支持ローラ(加熱部材)23と、前記定着補助ローラ21と前記定着補助ローラ21との間に回転可能に設けられた定着ベルト22と、前記定着補助ローラ21に定着ベルト22を介して当接するように設けられた加圧ローラ30と、前記定着ベルト22を介して前記支持ローラ23の外周を間隔を開けて覆うように設けられた断面半円形状の加熱誘導部24と、を有している。前記加熱誘導部24は、そのコア26内にコイル部25を有している。そして、この定着装置20においては、記録媒体Pの表面に形成されたトナー像Tは、定着ベルト22と前記定着補助ローラ21に定着ベルト22を介して当接するように設けられた加圧ローラ30とによって形成されたニップに、表面にトナー像の形成された記録媒体が矢印方向から導入されて定着される。
本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態の中で示唆した以外にも、上記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
(実施例1)
定着ベルト用の基材として、円筒状に形成された500μm厚のポリイミド発泡シート(ユーピレックスフォーム、宇部興産社製)を準備し、この円筒状に形成されたポリイミド発泡シート上に離型層として四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)(MP102、三井デュポンフロロケミカル社製)を20μm厚に粉体塗装し、340℃にて30分間焼成した後、これを炉から取り出し放冷して、円筒状シートとし、この円筒状シートの端部に寄り止め防止としてゴムによる円形の補強材を接着材にて基材内側に貼付して定着ベルトとした。
定着ベルト用の基材として、円筒状に形成された500μm厚のポリイミド発泡シート(ユーピレックスフォーム、宇部興産社製)を準備し、この円筒状に形成されたポリイミド発泡シート上に離型層として四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)(MP102、三井デュポンフロロケミカル社製)を20μm厚に粉体塗装し、340℃にて30分間焼成した後、これを炉から取り出し放冷して、円筒状シートとし、この円筒状シートの端部に寄り止め防止としてゴムによる円形の補強材を接着材にて基材内側に貼付して定着ベルトとした。
(実施例2)
実施例1におけるゴムによる円形の補強材を使用せず、図1,2に示すように端部を発泡させず250μmの厚みとしたポリイミド発泡シートを用いた以外は実施例1と同様にして定着ベルトとした。
実施例1におけるゴムによる円形の補強材を使用せず、図1,2に示すように端部を発泡させず250μmの厚みとしたポリイミド発泡シートを用いた以外は実施例1と同様にして定着ベルトとした。
(比較例1)
定着ベルト用の基材として、従来用いられている円筒状に形成された90μm厚のポリイミドシートを準備し、この円筒状に形成されたポリイミドシート上に離型層として200μm厚のシリコーンゴム弾性層を接着剤で接着して定着ベルトとした。
定着ベルト用の基材として、従来用いられている円筒状に形成された90μm厚のポリイミドシートを準備し、この円筒状に形成されたポリイミドシート上に離型層として200μm厚のシリコーンゴム弾性層を接着剤で接着して定着ベルトとした。
以上、実施例1,2及び比較例1で得た定着ベルトを定着装置に組み付け、次に、この定着装置を搭載した画像形成装置を用いて、定着温度180℃にて150K枚通紙時において以下の項目
1)接着剥離の有無、
2)端部破壊のランク、及び、
3)トナーの固着、
について評価した。「端部破壊の有無」及び「トナーの固着」の評価は、ランク付けにて評価し、ランク1から3まで大きくなるにつれ良好であることを示す。また、OKレベルはランク2以上である。なお、通紙が不可能な状態になった場合は、その時点での通紙枚数も記録した。
1)接着剥離の有無、
2)端部破壊のランク、及び、
3)トナーの固着、
について評価した。「端部破壊の有無」及び「トナーの固着」の評価は、ランク付けにて評価し、ランク1から3まで大きくなるにつれ良好であることを示す。また、OKレベルはランク2以上である。なお、通紙が不可能な状態になった場合は、その時点での通紙枚数も記録した。
評価結果は、次の表1に示される。
表1から次のことがわかる。即ち、ポリイミド発泡シートを定着ベルトにおける基材として用いることにより、カラー複写機の定着ベルトにおける基材に必要不可欠な弾性を付与し、従来、発生した弾性層と基材との界面で発生していた接着剥離による不良を効果的に防止することができる。また、定着ベルトの端部を発泡させないことにより端部を補強し、端部破壊のない定着ベルトを提供することができる。また、定着ベルトの表面にPFA層を形成することにより、トナーの離型を確保し、トナーの固着による不良を低減することができる。
1 耐熱性発泡シート
1a 細孔
2 耐熱性未発泡シート
22 定着ベルト
22a 基材
22b 発熱層
22c 弾性層
22d 離型層
1a 細孔
2 耐熱性未発泡シート
22 定着ベルト
22a 基材
22b 発熱層
22c 弾性層
22d 離型層
Claims (12)
- 基材及び離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルト。
- 基材、発熱層、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルト。
- 1層又は2層以上の発熱層を積層含有する基材、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルト。
- 基材、発熱層、弾性層、発熱層、弾性層、及び、離型層を順次有する定着ベルトにおいて、前記基材が、円筒状に形成された耐熱性発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルト。
- 前記耐熱性発泡シートの両端部分が、耐熱性未発泡シートで構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着ベルト。
- 前記耐熱性発泡シートが、ポリイミドで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着ベルト。
- 前記耐熱性未発泡シートが、ポリイミドで構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着ベルト。
- 前記離型層が、フッ素樹脂又はフッ素樹脂を主体する樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の定着ベルト。
- 前記フッ素樹脂が、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)であることを特徴とする請求項8に記載の定着ベルト。
- 円筒状に形成された耐熱性発泡シートよりなる定着ベルト用の基材であって、前記耐熱性発泡シートの両端部分が、耐熱性未発泡シートで構成されていることを特徴とする定着ベルト用の基材。
- 前記耐熱性発泡シート及び前記耐熱性未発泡シートが、ポリイミドで構成されていることを特徴とする請求項10に記載の定着ベルト用の基材。
- 請求項3〜11のいずれか1項に記載された定着ベルトを有することを特徴とする定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006230767A JP2008052201A (ja) | 2006-08-28 | 2006-08-28 | 定着ベルト、定着ベルト用の基材、及び、定着ベルトを有する定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006230767A JP2008052201A (ja) | 2006-08-28 | 2006-08-28 | 定着ベルト、定着ベルト用の基材、及び、定着ベルトを有する定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008052201A true JP2008052201A (ja) | 2008-03-06 |
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ID=39236280
Family Applications (1)
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JP2006230767A Withdrawn JP2008052201A (ja) | 2006-08-28 | 2006-08-28 | 定着ベルト、定着ベルト用の基材、及び、定着ベルトを有する定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008052201A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010137728A1 (ja) | 2009-05-28 | 2010-12-02 | キヤノン株式会社 | 樹脂組成物、それを含む積層膜及びその積層膜を部品に用いる画像形成装置 |
US9657153B2 (en) | 2009-05-28 | 2017-05-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Method for producing a resin composition having a porous structure with independent porosities |
US10466628B1 (en) * | 2018-09-26 | 2019-11-05 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Fixing belt, fixing device, process cartridge, and image forming apparatus |
-
2006
- 2006-08-28 JP JP2006230767A patent/JP2008052201A/ja not_active Withdrawn
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