JP2004138956A - 定着ベルト及びそれを有する定着装置 - Google Patents

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Takayuki Yoshii
吉井 孝之
Norihiko Yasuse
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Abstract

【課題】定着ベルトの表面にシリコーンオイルを塗布しなくても、トナー離型性を確保してトナーオフセット現象の発生を防止すると共に、適度な柔軟性を保持して光沢ムラの発生を防止した定着ベルト及びそれを有する定着装置を低コストで提供する。
【解決手段】基体1上に弾性層2及び表面層3を順次有する定着ベルト13において、前記表面層3が、(イ)テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体、(ロ)加硫剤、及び、(ハ)シリコーンオイルを有する液体塗料の加硫生成物で構成されているものとする。前記シリコーンオイルは、好ましくは、一部をフルオロアルキル基で置換したものであるか、或いは、その化学構造の末端に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれるものである。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において用いられる定着ベルト及びそれを有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の電子写真方式の画像形成装置の説明図である。従来の電子写真方式の画像形成装置100、例えば、複写機及びレーザプリンタは、静電潜像が形成される感光体ドラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザ走査ユニット(図示せず)等の露光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の感光体ドラム101をクリーニングするためのクリーニング装置108、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位計109、並びに、加熱定着ローラ111及び加圧ローラ112からなる熱定着ローラ110によって構成されている。
【0003】
この電子写真方式を用いる画像形成装置100は、回転する感光体ドラム101の感光体層を帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後に露光手段103で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像することによりトナー像とし、このトナー像を記録紙107上に転写し、そして、この記録紙107を加熱定着ローラ111及び加圧ローラ112からなる熱定着装置110に通過させてトナー像を熱定着するように構成されている。
【0004】
このような画像形成装置100の熱定着装置においては、例えば、アルミニウム等の金属の中空円筒体からなる芯金の外周面にトナーの粘着を防止するために被覆されたフッ素樹脂等からなる表面層を設けた加熱定着ローラ111が使用されているが、この加熱定着ローラ111は、芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって加熱定着ローラ111を内側から加熱するようになっており、そして、加熱定着ローラ111と加圧ローラ112との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107の上に付着しているトナー像を加熱定着ローラ111の熱により軟化させつつ加圧して記録紙上に定着させるようになっている。
【0005】
この芯金上にフッ素樹脂等からなる表面層を設けた加熱定着ローラ111は、離型性においては優れているが、柔軟性及び弾力性においては劣っているので、光沢を必要とするフルカラー複写機及びフルカラーレーザプリンタに対応することができない。光沢画像のフルカラー複写機、レーザプリンタでは、赤(マゼンタ)、青(シアン)、黄(イエロー)、黒(ブラック)の4色のカラートナーが用いられるが、カラー画像の定着時には、これらのカラートナーを溶融状態で混合するので、これらのトナーを低融点化して溶融しやすくすると共に、加熱定着ローラ表面で複数種のカラートナーを包み込むようにして、溶融状態で均一に混合させることが必要となる。このために、定着部材(ローラ、ベルト)の表面に必要な特性の一つとして柔軟性があげられる。
【0006】
従来の光沢画像のフルカラー定着ローラには、シリコーンゴムで構成されるローラ上に、前記シリコーンゴムよりも離型性及び耐久性を向上させたシリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムで構成される表面層を設けた加熱定着ローラがある。
【0007】
かかる加熱定着ローラを用いる熱ローラ定着法は、加熱定着ローラ全体が所定温度に保持されること、加熱定着ローラの熱容量が大きいこと、等のために、プリント速度の高速化には適しているが、加熱定着ローラを所定の温度まで加熱するのにかなりの時間がかかり、そのために、電力消費が大きくなる、という問題があった。
【0008】
近年、省エネルギー化への活動が活発になっており、立ち上がり時間の短縮が検討されている。その一つとして、ヒーターにより熱せられたフィルム状のエンドレスベルトを介して、記録紙上のトナーを加熱するベルト方式の定着装置が提案された(特許文献1参照。)。
【0009】
図4は、このような、従来のベルト方式の定着装置の概略説明図である。図4に示されているように、従来の電子写真方式の画像形成装置においては、加熱ローラ115と定着ローラ114とによって回転可能に設けた定着ベルト113、及び、前記定着ベルト113を介して前記定着ローラ114に接するように設けた加圧ローラ116を有するベルト方式の熱定着装置120が用いられている。このようなベルト方式の熱定着装置120は、加熱ローラ115で加熱された定着ベルト113と加圧ローラ116との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107の上に付着しているトナーを定着ベルト113の熱により軟化させつつ加圧ローラ116で加圧して記録紙上に定着させるようになっている。
【0010】
このようなベルト方式の熱定着装置120においては、薄いフィルム状の定着用ベルト113を直接加熱することになるので、電源投入後、その加熱部が短時間で所定の温度に達することができ、そのために、電源投入後の待ち時間を削減することができ、さらには、必要部分のみを加熱するので、電力消費も少ない、という利点がある。この種の定着ベルト113においては、基材(図示せず)の表面にシリコーンゴムで構成される弾性層(図示せず)を形成したものが採用されてきたが、シリコーンゴムで構成される弾性層は、柔軟性には優れているものの、トナー離型性が不足しているので、トナーのオフセット現象が発生しやすい、という問題があった。また、シリコーンゴムで構成される弾性層は、耐摩耗性が低いので、その表面の摩耗、劣化が激しい、という問題もあった。
【0011】
それ故、かかる定着ベルト113においては、離型性を出すために、その表面にシリコーンオイルを含浸させる方法がとられてきた。しかし、この方法では、▲1▼シリコーンゴムで構成される弾性層がシリコーンオイルで膨潤して変質すること、▲2▼シリコーンオイルの補充といったユーザーメンテナンスが必要となるためコストがかかること、▲3▼シリコーンオイル補充システムを付属させなければならないためにコストがかかること、▲4▼シリコーンオイルが転写紙に付着するために転写紙にペンで記入できなくなること、等の問題があった。そこで、シリコーンオイル不使用の定着ベルトとして、定着ベルトの弾性層の表面に離型層を形成した構成のものが提案された(特許文献2参照。)。このような離型層を構成する材料としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、及び、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)といったフッ素樹脂、及び、これらの混合物が使用されてきた。
【0012】
しかし、定着ベルトの弾性層の表面に離型層を形成した場合、表面の重要特性である柔軟性が低下し,光沢ムラが発生しやすいという問題があった。定着ベルトの表面は、未定着トナー画像と接触して未定着トナー画像に熱を与え、そして、この状態で未定着トナー画像を加圧して記録紙上へ定着させるが、離型層の表面に凹凸があると、その山部分と谷部分の接触状態は違うものとなる。この接触状態の違いは、当然、熱の伝達やトナーへの圧力の違いとなって現れ、その結果、光沢ムラが発生する。
【0013】
【特許文献1】
特開平6−318001号公報
【特許文献2】
特開平10−148988号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、定着ベルトの表面にシリコーンオイルを塗布しなくても、トナー離型性を確保してトナーオフセット現象の発生を防止すると共に、適度な柔軟性を保持して光沢ムラの発生を防止した定着ベルト及びそれを有する定着装置を低コストで提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンの三元共重合体からなるフッ素ゴムが耐熱性に優れた材料であると共に、柔軟性のある材料であるので、かかる材料を有する液体塗料の固化生成物で構成される表面層を有する定着ベルトとしたが、このようにして得られた定着ベルトは、前記従来技術の説明の項で述べたフッ素系樹脂で構成される表面層を有する定着ベルトと同様に、トナーの離型性が充分でないためにトナーのオフセットが発生し、そのために、ベルト表面にシリコーンオイル塗布する機構が必要とした。そこで、かかる問題を回避するために、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンの三元共重合体を有する液体塗料に配合する配合成分について鋭意、探究して、(イ)テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体、(ロ)加硫剤、及び、(ハ)シリコーンオイルを有する液体塗料の加硫生成物で構成される表面層を有する定着ベルトとしたところ、定着ベルトの表面にシリコーンオイルを塗布しなくても、トナー離型性を確保してトナーオフセット現象の発生を防止すると共に、適度な柔軟性を保持して光沢ムラの発生を防止した定着ベルトを低コストで提供することができることを見出して本発明を完成するに至った。
【0016】
即ち、請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、基体上に弾性層及び表面層を順次有する定着ベルトにおいて、前記表面層が、(イ)テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体、(ロ)加硫剤、及び、(ハ)シリコーンオイルを有する液体塗料の加硫生成物で構成されていることを特徴とする定着ベルトである。
【0017】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記シリコーンオイルが、一部をフルオロアルキル基で置換したものであることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記シリコーンオイルが、その化学構造の末端に官能基を有するものであることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記官能基が、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれるものである。
【0020】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれかに記載された発明において、前記基体が、(a)ステンレススチール、ニッケル等の金属材料で構成されるシート又は無端ベルト、(b)ポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性樹脂で構成されるシート又は無端ベルト、或いは、(c)前記(a)及び(b)の積層シート又は無端ベルトであることを特徴とするものである。
【0021】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれかに記載された発明において、前記弾性層が、シルコーンゴム又はフロロシリコーンゴムを主成分とする耐熱性合成ゴムで構成されていることを特徴とするものである。
【0022】
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の定着ベルトに加圧ローラを押圧してニップを形成したことを特徴とする定着装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す定着ベルトの断面図であって、(a)は、横断面図であり、そして、(b)は、前記(a)一部拡大図である。図2は、本発明の一実施の形態を示す定着装置の断面図である。
【0024】
図1において、13は、定着ベルトである。定着ベルト13は、基体1上に弾性層2及び表面層3を順次有している。そして、前記表面層3は、(イ)テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体、(ロ)加硫剤、及び、(ハ)シリコーンオイルを有する液体塗料の加硫生成物で構成されている。
【0025】
このように、前記表面層3が、(イ)テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体、(ロ)加硫剤、及び、(ハ)シリコーンオイルを有する液体塗料の加硫生成物で構成されていると、定着ベルト13の表面にシリコーンオイルを塗布しなくても、トナー離型性を確保してトナーオフセット現象の発生を防止すると共に、適度な柔軟性を保持して光沢ムラの発生を防止した定着ベルトを低コストで提供することができる。
【0026】
本発明においては、前記シリコーンオイルは、好ましくは、その一部をフルオロアルキル基で置換したもの、即ち、フッ素変性シリコーンオイルである。このように、前記シリコーンオイルが一部をフルオロアルキル基で置換したフッ素変性シリコーンオイルであると、表面層3の離型性がさらに向上する。
【0027】
また、本発明においては、前記シリコーンオイルは、好ましくは、その化学構造の末端に官能基を有するものである。前記官能基は、例えば、水酸基(−OH)、アルコキシ基(−OR)、カルボキシル基(−COOH)及びアルコキシカルボニル基(−COOR)から選ばれるもの(但し、式中、Rはアルキル基である。)であるが、本発明の目的に反しない限り、ここに例示した以外の官能基であってもかまわない。このように、前記シリコーンオイルがその化学構造の末端に官能基を有するものであると、前記液体塗料が成膜された後、加熱、加硫される際に、かかるシリコーンオイルと前記テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体との間で架橋反応が進行するので、前記シリコーンオイルが表面層3中に固定化され、そのために、表面層3を有する定着ベルト13は、より長時間の使用においても離型性を確保することができる。
【0028】
本発明においては、前記基体1は、好ましくは、(a)ステンレススチール、ニッケル等の金属材料で構成されるシート又は無端ベルト、(b)ポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性樹脂で構成されるシート又は無端ベルト、或いは、(c)前記(a)及び(b)の積層シート又は無端ベルトである。基体1が金属材料で構成されるシート又は無端ベルトである場合には、定着ベルトの撓みを考慮して、それらのシート又は無端ベルトの膜厚は、100μm以であることが好ましい。また、基体1が耐熱性樹脂で構成されるシート又は無端ベルトである場合には、熱容量(立ち上がり時間短縮から、薄い方が有利である)及び強度(厚い方が有利である)の観点から、それらのシート又は無端ベルトの膜厚は、300〜200μmであることが好ましい。
【0029】
このように、前記基体が、(a)ステンレススチール、ニッケル等の金属材料で構成されるシート又は無端ベルト、(b)ポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性樹脂で構成されるシート又は無端ベルト、或いは、(c)前記(a)及び(b)の積層シート又は無端ベルトであると、適度な柔軟性を有し、且つ、耐久性及び走行安定性に優れた定着ベルトとなる。
【0030】
本発明においては、前記弾性層2は、好ましくは、シリコーンゴム又はフロロシリコーンゴムを主成分とする耐熱性合成ゴムで構成されている。
【0031】
図2に示すように、本発明の定着装置20は、定着ローラ14に保持された請求項1〜6のいずれかに記載の定着ベルト13に加圧ローラ16を押圧してニップを形成したものとなっている。そして、図2においては、定着ベルト13は、加熱ローラ15と定着ローラ14とによって、適当なテンション(機構は省略)によって掛け回されると共に、該定着ローラ14と加圧ローラ16とに圧接(機構は省略)されている。ハロゲンランプ17は、定着温度、線速、立ち上がり時間、及び、定着ベルト13の表面温度バラツキの仕様(規格)により、その本数及び消費電力が調整される。
【0032】
このように、定着ローラ14に保持された請求項1〜6のいずれかに記載の定着ベルト13に加圧ローラ16を押圧してニップを形成したものとすると、定着ベルト13の表面にシリコーンオイルを継続塗布する機構を設けなくても、トナー離型性を確保してトナーオフセット現象の発生を防止すると共に、適度な柔軟性を保持して光沢ムラの発生を防止することができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
(1)ポリイミドで構成される内径60mm、厚み90μmのベルト状の基体の外囲表面にトルエンで希釈した二液タイプのシリコーンゴム溶液をスプレーコートして成膜した後、これを電気炉中で120℃において1時間加熱し、続いて、200℃において2時間加熱して加硫することにより、シリコーンゴムで構成される200μm厚の弾性層を形成した。
(2)前記弾性層の表面に接着剤を塗布し、これを乾燥して、2μm厚のプライマー層を形成した。
(3)テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体(以下、「TFH三元共重合」と略記する。)100重量部、ステアリン酸ナトリウム(活性剤)3重量部、酸化マグネシウム(受酸剤)15重量部、ポリオール加硫剤5重量部、アミン加硫剤2重量部、ジメチルシリコーンオイル10重量部、及び、酢酸ブチル400重量部よりなる第1の塗布組成物を調合した。
(4)前記(2)の工程で形成したプライマー層の表面に前記(3)の工程で調合した第1の塗布組成物をスプレーコートして成膜した後、これを電気炉中で70℃において1時間加熱し、続いて、220℃において1時間加熱して加硫することにより、TFH三元共重合体で構成される30μm厚の表面層を形成し、定着ベルトとした。
【0034】
(実施例2)
(3)の工程において、TFH三元共重合100重量部、ステアリン酸ナトリウム(活性剤)3重量部、酸化マグネシウム(受酸剤)15重量部、ポリオール加硫剤5重量部、アミン加硫剤2重量部、フッ素変性シリコーンオイル10重量部、及び、酢酸ブチル400重量部よりなる第2の塗布組成物を調合し、次に、(4)の工程において、(2)の工程で形成したプライマー層の表面に前記第2の塗布組成物をスプレーコートして成膜した後、これを電気炉中で70℃において1時間加熱し、続いて、220℃において1時間加熱して加硫することにより、TFH三元共重合体で構成される30μm厚の表面層を形成した以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトとした。
【0035】
(実施例3)
(3)の工程において、TFH三元共重合100重量部、ステアリン酸ナトリウム(活性剤)3重量部、酸化マグネシウム(受酸剤)15重量部、ポリオール加硫剤5重量部、アミン加硫剤2重量部、末端アルコール変性シリコーンオイル10重量部、及び、酢酸ブチル400重量部よりなる第3の塗布組成物を調合し、次に、(4)の工程において、(2)の工程で形成したプライマー層の表面に前記第2の塗布組成物をスプレーコートして成膜した後、これを電気炉中で70℃において1時間加熱し、続いて、220℃において1時間加熱して加硫することにより、TFH三元共重合体で構成される30μm厚の表面層を形成した以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトとした。
【0036】
(比較例1)
(3)の工程において、TFH三元共重合100重量部、ステアリン酸ナトリウム(活性剤)3重量部、酸化マグネシウム(受酸剤)15重量部、ポリオール加硫剤5重量部、アミン加硫剤2重量部、及び、酢酸ブチル400重量部よりなる第4の塗布組成物を調合し、次に、(4)の工程において、(2)の工程で形成したプライマー層の表面に前記第4の塗布組成物をスプレーコートして成膜した後、これを電気炉中で70℃において1時間加熱し、続いて、220℃において1時間加熱して加硫することにより、TFH三元共重合体で構成される30μm厚の表面層を形成した以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトとした。
【0037】
以上、前記実施例1〜3及び比較例1で得た定着ベルトを図2に示される定着装置を用いて、トナーによるオフセットの有無、及び、定着画像の光沢ムラを、それぞれ、初期及び100000枚通紙後について評価した。評価条件並びにオフセット及び光沢ムラの判定基準は、以下に示す基準で行った。
【0038】
<評価条件>
(a)定着ローラ
基体の直径:40mm、シリコーンゴム弾性層の厚み:5mm、FLC表面層の厚み:30μm、及び、ゴム硬さ:62.5Hs(アスカーC)
(b)加圧ローラ
基体の直径:40mm、シリコーンゴム弾性層の厚み:2mm、PFAチューブによる表面層の厚み:50μm、及び、ゴム硬さ:72Hs(アスカーC)
(c)ニップ圧力
片側45Kgf
(d)線速
200mm/s
(e)定着温度
170℃
(f)光沢度
10〜15%(マゼンダ色:0.8〜0.9mg/cm )
【0039】
<オフセットについての評価基準>
○:オフセットなし(許容レベル)
△:ごく微小な領域でオフセットあり(許容限度レベル)
×:オフセットあり(許容できないレベル)
【0040】
<光沢ムラランク>
1:画像全体にわたって光沢ムラが発生(許容できないレベル)
2:ランク3と1の中間レベル(許容できないレベル)
3:部分的に光沢ムラが発生(許容限度レベル)
4:ランク3と5の中間レベル(許容レベル)
5:顕著な光沢ムラ無し(許容レベル)
【0041】
評価結果は、次の表1に示される。
【0042】
【表1】
Figure 2004138956
【0043】
表1から次のことがわかる。
即ち、光沢ムラの不具合を回避するためには、定着ベルト表面に柔軟性が必要であり、表面層をフッ素ゴム組成物で構成することは有効である。ただし、フッ素ゴム単独では、オイル塗布機構なしで離型性を確保(オフセットを防止)することは、困難であるが、シリコーンオイルを含有するフッ素ゴム塗料を成膜後に加熱,加硫することによって、フッ素ゴムの柔軟性を活かした高離型性の表面層とすることができる。さらに、長時間にわたって安定して高離型性を維持するためには,末端に官能基を有するシリコーンオイルが有効である。その理由は、加硫時に末端の官能基がフッ素ゴムと反応し固定化されることによる。
【0044】
【発明の効果】
(1)請求項1,6に係わる発明によれば、表面層が、(イ)テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体、(ロ)加硫剤、及び、(ハ)シリコーンオイルを有する液体塗料の加硫生成物で構成されているので、定着ベルトの表面にシリコーンオイルを塗布しなくても、トナー離型性を確保してトナーオフセット現象の発生を防止すると共に、適度な柔軟性を保持して光沢ムラの発生を防止した定着ベルトを低コストで提供することができる。
【0045】
(2)請求項2に係わる発明によれば、前記シリコーンオイルが、一部をフルオロアルキル基で置換したものであるので、表面層の離型性がさらに向上する。
【0046】
(3)請求項3,4に係わる発明によれば、前記シリコーンオイルが、その化学構造の末端に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基等の官能基を有するものであるので、前記液体塗料が成膜された後、加熱、加硫される際に、かかるシリコーンオイルと前記テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体との間で架橋反応が進行し、そのために、前記シリコーンオイルが表面層中に固定化され、よって、表面層を有する定着ベルトは、より長時間の使用においても離型性を確保することができる。
【0047】
(4)請求項5に係わる発明によれば、前記基体が、(a)ステンレススチール、ニッケル等の金属材料で構成されるシート又は無端ベルト、(b)ポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性樹脂で構成されるシート又は無端ベルト、或いは、(c)前記(a)及び(b)の積層シート又は無端ベルトであるので、適度な柔軟性を有し、且つ、耐久性及び走行安定性に優れた定着ベルトとなる。
【0048】
(5)請求項7に係わる発明によれば、請求項1〜6のいずれかに記載の定着ベルトに加圧ローラを押圧してニップを形成したので、定着ベルトの表面にシリコーンオイルを継続塗布する機構を設けなくても、トナー離型性を確保してトナーオフセット現象の発生を防止すると共に、適度な柔軟性を保持して光沢ムラの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す定着ベルトの断面図であって、(a)は、横断面図であり、そして、(b)は、前記(a)の一部拡大図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す定着装置の断面図である。
【図3】従来の電子写真方式の画像形成装置の説明図である。
【図4】従来のベルト方式の定着装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 基体
2 弾性層
3 表面層
13 定着ベルト
14 定着ローラ
15 加熱ローラ
16 加圧ローラ
17 ハロゲンランプ
20 定着装置

Claims (7)

  1. 基体上に弾性層及び表面層を順次有する定着ベルトにおいて、前記表面層が、(イ)テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンを共重合成分として重合含有する三元共重合体、(ロ)加硫剤、及び、(ハ)シリコーンオイルを有する液体塗料の加硫生成物で構成されていることを特徴とする定着ベルト。
  2. 前記シリコーンオイルが、一部をフルオロアルキル基で置換したものであることを特徴とする請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 前記シリコーンオイルが、その化学構造の末端に官能基を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着ベルト。
  4. 前記官能基が、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれるものであることを特徴とする請求項3に記載の定着ベルト。
  5. 前記基体が、(a)ステンレススチール、ニッケル等の金属材料で構成されるシート又は無端ベルト、(b)ポリイミド、ポリアミドイミド等の耐熱性樹脂で構成されるシート又は無端ベルト、或いは、(c)前記(a)及び(b)の積層シート又は無端ベルトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の定着ベルト。
  6. 前記弾性層が、シルコーンゴム又はフロロシリコーンゴムを主成分とする耐熱性合成ゴムで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着ベルト。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の定着ベルトに加圧ローラを押圧してニップを形成したことを特徴とする定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102229748A (zh) * 2011-04-15 2011-11-02 湖北飞宏新材料科技有限公司 一种有机化累托石改性硅氟橡胶密封件及其制备方法

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