JP2005266300A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Haruaki Kondo
玄章 近藤
Kyoichi Ashikawa
恭一 芦川
Takuzo Kurachi
卓三 倉地
Takayuki Yoshii
孝之 吉井
Norihiko Yasuse
徳彦 安瀬
Koji Kamiya
公二 神谷
Atsushi Ishibe
篤 石部
Nozomi Takahata
望 高畑
Motokazu Hasegawa
基和 長谷川
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Abstract

【課題】トナーを溶融できる十分な熱量を確保して画像の光沢ムラ、定着不良を抑制するとともに、色ずれを防止し、且つウォームアップ時間を短縮できる定着装置を得る。
【解決手段】熱源を内蔵する加熱ローラ43とテンションローラ42とに張架された無端状の定着ベルト41と、定着ベルト41を介して加熱ローラ43に圧接する加圧ローラ45とを有し、定着ベルト41と加圧ローラ45とのニップ部に未定着トナー像を担持した記録材を通して定着を行う定着装置に関する。定着ベルト41の周長方向に沿って、加熱ローラ43aと加圧ローラ45aとの対、加熱ローラ43bと加圧ローラ45bとの対、加熱ローラ43cと加圧ローラ45cとの対が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、未定着の画像を定着するためのベルト定着方式の定着装置、該定着装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
電子写真複写機やレーザビームプリンタ等のように、電子写真方式を用いて記録紙を作成する画像形成装置では、感光体ドラム等の画像担持体にトナー画像を形成し、そのトナー画像を用紙に転写した後で、定着装置を通して定着させる手段を用いている。前記定着装置としては、構造が簡単であることと、小形化が容易であること等の理由から、熱ローラ方式の装置が多く使用されている。前記熱ローラ方式の定着装置では、加熱ローラと加圧ローラとを対向させて配置し、前記熱ローラの内部に配置した加熱ランプ等を用いて加熱することができるので、全体の構成を小形化して、小型の画像形成装置にも容易に組み込むことが可能になる。
ところが、前述したような熱ローラ方式の定着装置では、カラーコピー装置のように、加熱のための熱量を多く必要とする装置等では、十分な加熱作用を行い得ないという問題が懸念される場合が多くある。
前述したような問題を解決するために、例えば、特開平5−273876号公報等に示されるように、定着用ベルトを用いた定着装置を構成することが提案されている。前記従来例では、無端状の定着用ベルトに用紙のトナー画像の担持面を押圧する状態で用紙を走行させるとともに、前記定着用ベルトの裏面から加熱する手段を設け、加圧ローラ部材により用紙を定着用ベルトに押圧しながら、定着の作用を行わせるように構成している。
また、定着ベルトを使用した定着装置として、例えば、特開平9−325627号公報に示されるように加熱とローラによる加圧とを分離して行うように設定し、それぞれ2個以上の可回転ローラに掛け回される対の無端搬送ベルトを用いることで、加熱経路がラインで形成されるので印刷媒体送行方向の加熱工程幅(ニップ幅)が十分に確保できることが知られている。
特開平5−273876号公報 特開平9−325627号公報
しかしながら、上述した特開平5−273876号公報等に示されるように、定着用ベルトを用いた定着装置では加圧部での転写紙による温度低下が避けられない。即ち、狙いとするニップ幅を確保するために、加圧部材は大きい径のものを使う必要があり、熱容量が大きくなり、転写紙から熱を奪っていくことになる。このとき加熱源から転写紙への熱量供給が追いつかないため熱量不足による光沢ムラ、定着不良などの画質低下がある。
また、上述した特開平9−325627号では加熱と加圧工程が分離されているため、熱の損失が大きく、特に加圧部の温度低下による画質低下が避けられない。また、トナーの加熱溶融時に紙が固定されないことから、色ずれなどの懸念が残る。
そこで、本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、トナーを溶融できる十分な熱量を確保して画像の光沢ムラ、定着不良を抑制するとともに、色ずれを防止し、且つウォームアップ時間を短縮できる定着装置、およびこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、熱源を内蔵する加熱ローラと支持ローラとに張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して上記加熱ローラに圧接する加圧ローラとを有し、上記定着ベルトと上記加圧ローラとのニップ部に未定着トナー像を担持した記録材を通して定着を行う定着装置において、上記加熱ローラと上記加圧ローラとの対が前記定着ベルトの周長方向に沿って複数設けられていることを特徴とする定着装置である。
また、請求項2に記載の発明は、上記未定着トナー像を定着する際の加圧力を、上記記録材の搬送方向に対して段階的に高めていくことを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
また、請求項3に記載の発明は、上記定着ベルトは耐熱性の断熱弾性層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置である。
また、請求項4に記載の発明は、上記定着ベルトは耐熱性の断熱弾性層の周囲にフッ素樹脂からなる離型層を有することを特徴とする請求項3に記載の定着装置である。
また、請求項5に記載の発明は、上記離型層は上記フッ素樹脂中にカーボンが含有されていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置である。
また、請求項6に記載の発明は、上記カーボンの含有量は3wt%以下であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置である。
また、請求項7に記載の発明は、像担持体上に形成された静電潜像を現像手段によりトナー像に可視像化し、該トナー像を記録材上に転写し、トナー像を転写された記録材を定着装置に通して定着する画像形成装置において、上記定着装置が、請求項1〜6のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、熱源を紙搬送方向に分散して配置することにより、トナーを溶かすための十分な熱量を確保するとともに、用紙にトナーを定着させるのに十分な加圧力を同時に加えることが可能。また、加熱ローラを狭ニップ、小径化することが可能となり、立ち上がり時間が短縮でき、定着済み転写紙の曲率分離を実現できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、トナーを段階的に加圧することにより、未定着画像の凹凸を補正し、画像光沢ムラや画像不良を低減する。
また、請求項3に記載の発明によれば、定着ベルトが断熱弾性層を有する構成となっているので、断熱層を持つことで熱がベルトの裏側に逃げるのを防止し、エネルギー効率を高め、定着装置のウォームアップに要する時間を短縮できる。またベルトが層方向に弾性を有することで定着ニップでの加圧ムラが低減し、定着画像において均一な光沢を得ることが可能になる。
また、請求項4に記載の発明によれば、ベルト表面に離型剤としてシリコーンオイルを塗布することなくオフセットを抑制できるため、煩雑なオイル塗布機構を付加することなく、安価な定着装置を提供できる。さらにオイル塗布機構に逃げる熱を防止することでエネルギー効率を高め、定着装置のウォームアップに要する時間を短縮できる。
また、請求項5に記載の発明によれば、フッ素樹脂に耐摩耗性を付与することができ、確実な紙分離を行うための分離爪や温度制御のためのサーミスタなどによる接触摩耗を低減し、表面不均一による画像定着不良などの不具合を防止し、良好な画像を得て、結果として定着部材の寿命を延ばすことができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、カーボンによる離型阻害による画像定着不良などの不具合を防止し、良好な画像を得て、結果として定着部材の寿命を延ばすことができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンターの定着装置として利用可能であり、トナーを段階的に加圧することにより、未定着画像の凹凸を補正し、画像光沢ムラを低減し、熱源を紙搬送方向に分散して配置することにより、トナーを溶かすための十分な熱量を確保するとともに、加熱ローラを狭ニップ、小径化することが可能となり、立ちあがり時間を短縮でき、定着済みの転写紙の曲率分離を実現できる。また定着部材が十分な成膜性、耐摩耗性を得ることで均一な定着により見栄えのする彩度の高い画像が得られ、画像汚れや表面不均一による画像定着不良などの不具合を防止し、良好な画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例に係るカラープリンタの概略図である。図1には、この発明の実施例に係る画像形成装置として、4連タンデム方式のフルカラープリンタの構成を概略で示した。
図1に示すように、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像をそれぞれ対応した感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk(像担持体)の表面上に形成するための電子写真方式の4組の画像形成部10Y、10M、10C、10Bk(像形成手段)を備えている。これら画像形成部10Y、10M、10C、10Bkの下方には、各画像形成部を通して用紙(記録材)を搬送するための搬送ベルト20が張架されている。
各画像形成部10Y、10M、10C、10Bkの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkは、搬送ベルト20にそれぞれ転接配置され、用紙(記録材)は搬送ベルト20の表面に静電的に吸着される。4組の画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、略同じ構造を有する。よって、ここでは用紙の搬送方向最上流側に配設されたイエロー用の画像形成部10Yについて代表して説明し、他の色用の画像形成部10M、10C、10Bkについては同一符号を付して詳細な説明を省略する。
画像形成部10Yは、その略中央位置に搬送ベルト20に転接された感光体ドラム1Yを有する。感光体ドラム1Yの周囲には、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電装置2Y、帯電されたドラム表面を色分解された画像信号に基づいて露光し、ドラム表面上に静電潜像を形成する露光装置3Y、ドラム表面上に形成された静電潜像にイエロートナーを供給して現像する現像装置4Y、現像したトナー像を搬送ベルト20を介して搬送される用紙上に転写する転写ローラ5Y(転写装置)、転写されずにドラム表面に残留した残留トナーを除去するクリーナ6Y、およびドラム表面に残留した電荷を除去する除電ランプ(図示せず)が、感光体ドラム1Yの回転方向に沿って順に配設されている。
搬送ベルト20の図中右下方には、用紙を搬送ベルト20上に給紙するための給紙機構30が配設されている。搬送ベルト20の図中左側には、後に詳述する本発明の実施例に係る定着装置40が配設されている。搬送ベルト20によって搬送された用紙は、搬送ベルト20から連続して定着装置40を通って延びた搬送路を搬送され、定着装置40を通過する。定着装置40は、搬送された用紙、すなわちその表面上に各色のトナー像が転写された状態の用紙を加熱および加圧する。そして、各色のトナー像を溶融して用紙に浸透させて定着させる。また、定着装置40の搬送経路下流側に排紙ローラを介して排紙する。
次に、上述した本発明の実施例に係る定着装置40について、図2〜3を参照して詳細に説明する。図2は本発明の一実施例に係る定着部材の断面図、図3は本発明の実施例1,3,4に係る定着装置の概略図である。
図2に本発明における熱可塑性樹脂を被覆した中空円筒状の部材の概要を示す。符号41aは基体としての円筒状耐熱性樹脂製の基体フィルムであり、符号41bは弾性体層であり、符号41cは焼成された離型樹脂(フッ素樹脂)層である。基体フィルム41aの上に弾性体層41bが形成され、さらに弾性体層41b上に離型樹脂層41cが被覆されたものが定着部材となる。
基体フィルム41aに使用される材料としては たとえば、ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂が挙げられる。また、NiやSUS等の金属を採用しても良い。金属材料の場合はベルトの撓みを考慮して、100μm以下の膜厚であることが望ましい。耐熱性樹脂の場合には、熱容量(立ち上がり時間短縮から、薄い方が有利である)、強度(厚い方が有利である)の点から、30〜200μmの膜厚が望ましい。
離型樹脂層41cに使用される材料としては、たとえば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、および四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)などフッ素系樹脂、もしくはこれらの樹脂の混合物、耐熱性樹脂にこれらフッ素系樹脂を分散させたもの、が挙げられる。またはフッ素樹脂チューブを被覆してもよい。
また、弾性体層41bとして用いられる弾性体は定着時の温度(〜200℃)での耐熱性から、たとえばシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等、もしくはこれらの樹脂の混合物やこれらの樹脂に耐熱性を付与する充填物を混入させたものが用いられる。また、弾性体層41bはトナーおよび用紙に対して熱と圧力を均一に与えることができ、安定した定着性能を発揮でき、且つ断熱性に優れた材料によって形成されれば良く、シリコーンゴムに限らない。
図3に示すように、定着装置40は、用紙搬送経路を上下に挟む位置関係で配設された加熱ローラ43、および加圧ローラ45を有し、加熱ローラ43と支持ローラとしてのテンションローラ42により定着ベルト41を張架している。加熱ローラ43は、良熱伝導性の金属からなる中空のパイプであり、中空部にはハロゲンヒータ44が配設されている。
加熱ローラ43の内周面はハロゲンヒータ44より輻射される熱エネルギーを効率よく吸収するために、耐熱の黒色塗料が塗布されている。定着ベルト41の構造については図2で説明した通りであり。
加圧ローラ45は、金属製の芯金の外周に耐熱性のスポンジゴム層を形成してなる。記録材としての用紙は、トナー像が転写された表面を上にした姿勢で搬送路を一定速度で搬送される。用紙は、その表面が加熱ローラ43に対向し、裏面が加圧ローラ45に対向する姿勢で搬送される。本実施の形態では、加圧ローラ45をバネによって図中上方に加圧して、加圧ローラ45を加熱ローラ43に向けて押圧するようにしたが、両者の間に押圧力を生じるため、加熱ローラ43を加圧ローラ45に向けて押圧するようにしても良い。
加圧ローラ45にはギヤ(図示せず)を介して回転駆動力が伝達されるようになっており、加熱ローラ43は従動回転する。また、加熱ローラ43を回転駆動するようにしてもよい。また、加圧ローラ45と加熱ローラ43とをギヤで噛み合わせ、加圧ローラ45と加熱ローラ43との双方を回転駆動するようにしてもよい。
このようにして加熱ローラ43とテンションローラ42とに張架された定着ベルト41は、搬送路を搬送される用紙の表面にその外周面を接触した状態で無端走行される。加圧ローラ45の外周面は、搬送される用紙の裏面に接触する。つまり、搬送される用紙は、定着ベルト41の外周面と加圧ローラ45の外周面との間のニップを通過されて加圧される。加熱ローラ43と加圧ローラ45は、それぞれ対になる加熱ローラ43a及び加圧ローラ45a、加熱ローラ43b及び加圧ローラ45b、加熱ローラ43c及び加圧ローラ45cにより構成されている。図のように用紙の搬送入り口を加熱ローラ43c及び加圧ローラ45c側とし、出口を加熱ローラ43a及び加圧ローラ45a側としたときに、加圧力を段階的に増加させて配置されている。
ここで、上述した定着装置40の動作について説明する。図1で説明した現像機構により形成された未定着画像は、あらかじめサーミスタなどによる温度調節機構にて所定の温度に調整された定着ベルト41が張架された定着装置40へと搬入される。入口は加圧力が低圧である加熱ローラ43c及び加圧ローラ45c側である。定着装置に搬送された未定着画像は、低圧である加熱ローラ43c及び加圧ローラ45cにより、光沢ムラや画像不良の原因となるトナー面の凹凸が是正され、次いで加熱ローラ43b、加圧ローラ45bを通過することで、十分な熱量が与えられ、次いで加熱ローラ43a、加圧ローラ45aを通過することで、用紙に定着させるために十分な熱量と加圧力を得る。
このように各部材間を伝えられる熱のうち、トナー像の定着に直接関与する熱は、加圧(ニップ)面から用紙の表面に伝えられる熱である。他の部材に伝えられる熱は、定着には利用されることなく無駄になる。よってなるべく用紙に近いところに熱源があり、しかも、搬送方向に対して並行に配置されることが求められる。なお、トナー像の定着には、これらの熱の他にニップにおける一定の圧力が必要となる。つまり、トナー像を用紙に定着可能な条件は、トナーの物性、用紙の材質・厚さ、用紙の搬送速度などにより若干異なるが、定着ベルト41と加圧ローラ45とを一定の押圧力で押し付けて両者の間に所定の幅のニップを形成するとともに、定着ベルト41の外周面を設定温度まで昇温することが必要となる。これらの条件が満たされないと、例えば定着ベルト41の加熱が不十分だと、光沢ムラや定着不良(コールドオフセット)を引き起こす。また、転写紙による吸熱(紙が入ってきたときの温度低下)が顕著に表れた場合も、同様の現象が起こる。
また、本実施の形態では、熱の“逃げ道”を少なくするため、定着ベルト41の構成として、断熱弾性層を有する構成を採用した。図2に示すように、本実施例の定着ベルト41は、ポリイミド等の樹脂材料からなる厚さ90μmの基体フィルム41aの外側にシリコーンゴムを厚さ200μmで塗布して断熱弾性層からなる弾性体層41bを形成し、弾性体層41bの外側にフッ素樹脂からなる離型樹脂層41cを形成してなる。このように、定着ベルト41の内面側に断熱弾性層としての弾性体層41bを形成することにより、定着ベルト41の内面に接触配置された部材である加熱ローラ43、およびテンションローラ42に熱が逃げることを抑制でき、定着ベルト41をより効率良く昇温でき、消費電力をより低く抑え、ウォームアップ時間をより短縮できる。
また、定着ベルト41の外周面にはフッ素樹脂からなる離型樹脂層41cを形成した。従来の定着装置ではトナーのオフセットを防止するため、シリコーンゴム層に離型剤としてシリコーンオイルを塗布・含浸させる方法が公知であるが、オイル塗布機構が煩雑で高価になりやすく、またオイル塗布機構を定着ベルト41の外周面に接触させることによる熱の損失が大きい不具合があった。離型樹脂層41c(フッ素樹脂層)はPTFE,PFA,FEP等の公知のフッ素樹脂あるいはそれらのブレンド材料を断熱弾性層としての弾性体層41b上にプライマを介して塗布・焼成することで得られる。またはフッ素樹脂チューブを被覆してもよい。
このように、定着ベルト41の外周面にはフッ素樹脂からなる離型樹脂層41cを形成することで煩雑なオイル塗布機構を付加することなくオフセットを抑制し、またオイル塗布機構を定着ベルト41の外周面に接触させることがないため、オイル塗布機構へ熱が逃げることを抑制でき、定着ベルト41をより効率良く昇温でき、消費電力をより低く抑え、ウォームアップ時間をより短縮できる。
このように複数の加熱ローラと加圧ローラにて定着装置を構成することで、トナーを溶融させるために十分な熱量と加圧力を確保できる。また、用紙の搬送方向へ段階的に加圧力を増すことで定着画像の光沢ムラと画像不良を低減する。また、定着ベルトに断熱層を持つことで熱がベルトの裏側に逃げるのを防止し、エネルギー効率を高め、定着装置のウォームアップに要する時間を短縮できる。
またベルトが層方向に弾性を有することで定着ニップでの加圧ムラが低減し、定着画像において均一な光沢を得ることが可能になる。また、定着ベルト41の最表層にフッ素樹脂を形成することにより、ベルト表面に離型剤としてシリコーンオイルを塗布することなくオフセットを抑制できるため、煩雑なオイル塗布機構を付加することなく、安価な定着装置を提供できる。またオイル塗布機構に逃げる熱を防止することでエネルギー効率を高め、定着装置のウォームアップに要する時間を短縮できる。
またフッ素樹脂にカーボンを添加することによりフッ素樹脂に耐摩耗性を付与することができ、確実な紙分離を行うための分離爪46や温度制御のためのサーミスタなどによる接触摩耗を低減し、表面不均一による画像定着不良などの不具合を防止し、良好な画像を得て、結果として定着部材の寿命を延ばす。また、概フッ素樹脂のカーボン量を3wt%以下にすることで、カーボンによる離型阻害による画像定着不良などの不具合を防止し、良好な画像を得て、結果として定着部材の寿命を延ばす。以下、本発明の実施例を示す。
φ60の耐熱樹脂基体上に第1プライマー層<東レダウコーニング社製:DY39−051>を下地として塗装・乾燥後、その上に弾性層として耐熱性シリコーン<東レダウコーニング社製:DX35−2083>を250μm塗装し、加硫後、さらに弾性層と離型層を接着せしめる第2プライマー<三井・デュポンフロロケミカル製:シリコーン用液状プライマー>を塗装・乾燥後、その上に離型層を形成した。PFAベース材料としては粉体化フッ素樹脂:MP102(株式会社:三井デュポンフロロケミカル社製)を用い、30±3μmの膜厚になるように粉体塗装したものを定着ベルトとした。これを加圧ローラ、加熱ローラ、テンションローラを用いて図3のように張架し、過熱ローラと加圧ローラが3対組み合わせて定着させることができるようにし、10K枚の通紙試験を実施した。結果は表1に示した。従来の比較例1よりも光沢ムラ性、定着性、色ずれ防止性に優れた特性を示した。
実施例1と同様に作成された熱可塑性樹脂を被覆した樹脂被覆定着部材を、加圧ローラ、加熱ローラ、テンションローラを用いて図4のように張架し、定着装置を構成し、10K枚の通紙試験を実施した。特徴として、実施例1よりも対となる加圧ローラと加熱ローラを一つ減らし、2対で構成している。結果は表1に示す。実施例1よりは劣るものの比較例よりは光沢ムラ性、定着性、色ずれ防止性に優れた特性を示した。
実施例1の仕様に加えて、離型層にカーボンを4wt%充填して同様に作成された熱可塑性樹脂を被覆した樹脂被覆定着部材を、加圧ローラ、加熱ローラ、テンションローラを用いて図3のように張架し、定着装置を構成し、10K枚の通紙試験を実施した。結果は表1に示した。比較例よりは光沢ムラ性、定着性、色ずれ防止性に優れた特性を示した。また実施例1よりも耐久性が向上する結果となった。
実施例1の仕様に加えて、離型層にカーボンを3wt%充填して同様に作成された熱可塑性樹脂を被覆した樹脂被覆定着部材を、加圧ローラ、加熱ローラ、テンションローラを用いて図3のように張架し、定着装置を構成し、10K枚の通紙試験を実施した。結果は表1に示した。比較例よりは光沢ムラ性、定着性、色ずれ防止性に優れた特性を示した。また、実施例1よりも耐久性は向上し、離型性も向上する結果となった。
<比較例>
実施例1と同様に作製された熱可塑性樹脂を被覆した樹脂被覆定着部材を、加圧ローラ、加熱ローラ、テンションローラを用いて図5のように張架し、定着装置を構成した。特徴として加熱部と加圧部は別とする。結果は表1に示した。
Figure 2005266300
判断基準(2以上が合格)
光沢ムラ: 劣1←2→3優
定着性: 劣1←2→3優
色ずれ: 劣1←2→3優
判断方法は、光沢ムラについては初期画像を目視にてランク付けし、定着性については初期画像表面より布で拭き取った後の画像濃度差にてランク付けし、色ずれについては初期画像を目視にてランク付けした。なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施例に係るカラープリンタの概略図である。 本発明の一実施例に係る定着部材の断面図である。 本発明の実施例1,3,4に係る定着装置の概略図である。 本発明の実施例2に係る定着装置の概略図である。 本発明の比較例に係る定着装置の概略図である。
符号の説明
40 定着装置
41 定着ベルト
41a 円筒状耐熱性樹脂
41b 弾性体層
41c 離型樹脂層
42 テンションローラ
43,43a〜43c 加熱ローラ
44 ハロゲンヒータ
45,45a〜45c 加圧ローラ
46 分離爪

Claims (7)

  1. 熱源を内蔵する加熱ローラと支持ローラとに張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して上記加熱ローラに圧接する加圧ローラとを有し、上記定着ベルトと上記加圧ローラとのニップ部に未定着トナー像を担持した記録材を通して定着を行う定着装置において、
    上記加熱ローラと上記加圧ローラとの対が前記定着ベルトの周長方向に沿って複数設けられていることを特徴とする定着装置。
  2. 上記未定着トナー像を定着する際の加圧力を、上記記録材の搬送方向に対して段階的に高めていくことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記定着ベルトは耐熱性の断熱弾性層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 上記定着ベルトは耐熱性の断熱弾性層の周囲にフッ素樹脂からなる離型層を有することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 上記離型層は上記フッ素樹脂中にカーボンが含有されていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 上記カーボンの含有量は3wt%以下であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 像担持体上に形成された静電潜像を現像手段によりトナー像に可視像化し、該トナー像を記録材上に転写し、トナー像を転写された記録材を定着装置に通して定着する画像形成装置において、
    上記定着装置が、請求項1〜6のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
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