JPH1010893A - 定着用ベルト及び定着装置 - Google Patents

定着用ベルト及び定着装置

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JPH1010893A
JPH1010893A JP17866396A JP17866396A JPH1010893A JP H1010893 A JPH1010893 A JP H1010893A JP 17866396 A JP17866396 A JP 17866396A JP 17866396 A JP17866396 A JP 17866396A JP H1010893 A JPH1010893 A JP H1010893A
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belt
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Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Masahiro Miyamoto
昌宏 宮本
Yasuhiro Fukumoto
泰博 福本
Toshihiko Takiguchi
敏彦 滝口
Akira Nishimura
昭 西村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 弾力性があり、カラートナーを包み込んで、
鮮明な画像定着が可能な定着用ベルト、及び弾力性のあ
る定着用ベルトを配置したフルカラーのトナー画像の定
着が可能な定着装置を提供すること。 【解決手段】 エンドレスベルトからなる定着用ベルト
において、(1)定着用ベルトが、薄肉の金属チューブ
または耐熱プラスチックチューブの外面に耐熱エラスト
マー層が形成され、さらにその外面にシリコーンゴムま
たはフッ素樹脂の層が形成された積層構造を有し、
(2)耐熱エラストマー層の硬度(JIS−A)が90
以下であり、(3)単位長さ(1mm)当り12gの荷
重を有するローラーで、定着用ベルトの全長にわたって
直径方向に荷重を与えたときの荷重方向歪みγT〔荷重
を与える前の定着用ベルトの径(mm)φに対する荷重
を与えたときの荷重方向の径(mm)φTの比(γT=
φT/φ)〕が0.500〜0.995であることを特
徴とする定着用ベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
ファクシミリ、プリンター等の装置において、転写紙な
どの転写材上に転写されたトナー画像を加熱により定着
する定着部に用いられる定着用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機、ファクシミリ、プリン
ター等において、印刷・複写の最終段階では、転写材
(例、転写紙)上のトナーを加熱溶融して、転写紙上に
定着させる。例えば、電子写真複写機では、潜像担持
体(例、感光体ドラム)上に像露光を行って静電潜像を
形成する工程、静電潜像に現像剤(トナー)を付着さ
せて可視像(トナー画像)とする工程、転写紙上にト
ナー画像を転写し、感光体ドラムから転写紙を分離する
工程、未定着のトナー画像を加熱等の方法で転写紙上
に定着させる工程を経て複写が行われる。
【0003】定着方法としては、熱定着方式が一般的で
あり、従来、図1に示すような熱ローラー定着法が汎用
されている。熱ローラー定着法では、内部に熱ヒーター
2を持ち、外周を離型性の良いゴムまたは樹脂で被覆し
たヒートローラー1とゴムローラー5からなる一対のロ
ーラーを圧接させ、そのローラー間にトナー画像3が形
成された転写紙4を通過させてトナーを加熱溶融し、ト
ナーを転写紙上に融着させている。熱ローラー定着法
は、ヒートローラー全体が所定の温度に保持されるため
高速化に適しているが、その反面、待ち時間が長いとい
う欠点を有している。即ち、装置の運転開始時に、ヒー
トローラーを所定の温度にまで加熱する時間が必要であ
るため、電源投入から運転可能となるまでの間に待ち時
間が発生する。しかも、ヒートローラー全体を加熱しな
ければならないため、消費電力も大きい。
【0004】そこで、近年、図2に示すように、フィル
ム状のエンドレスベルトを介して、ヒーターにより、転
写紙上のトナーを加熱する定着方法が提案されている。
このエンドレスベルト定着法では、定着用ベルト6とゴ
ムローラー10を圧接させ、この間にトナー画像が形成
された転写紙9を通過させヒーター7により加熱し、ト
ナー8を転写紙9に融着して定着させる。この定着法で
は、薄いフィルム状のベルトを介するだけで、ヒーター
により実質的に直接加熱するため、加熱部が短時間で所
定の温度に達し、電源投入時の待ち時間がほぼゼロとな
る。さらに、必要部分のみを加熱するため、消費電力も
少ないという利点がある。
【0005】従来、エンドレスベルト定着法に用いられ
る定着用ベルトとしては、耐熱性、弾力性、強度、ベル
ト内面の絶縁性、ベルト外面の離型性などを考慮して、
ポリイミド製のエンドレスベルトの外面にフッ素樹脂の
コーティング層を設けたものが用いられている。ところ
で、図2に示すようなエンドレスベルト定着法に用いら
れる定着用ベルトは、一般に、着色剤としてカーボンブ
ラックを含有する単色トナーのみを定着するモノクロ用
レーザービームプリンターに用いられている。ところ
が、従来の定着用ベルトを、赤、黄、青、黒の4色のト
ナーを定着するフルカラー用レーザービームプリンター
に用いた場合には、ベルトに弾力性がなく、カラートナ
ーを十分に包み込むことができないため、トナーを溶融
させることが困難で、満足できる定着を行うことができ
ない。すなわち、フルカラーのトナー画像を定着させる
には、単にトナーを軟化して加圧しながら定着させる単
色トナーの定着の場合とは異なり、複数種のカラートナ
ーを溶融に近い状態で混色するため、トナーを溶融状態
にまですることが求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、弾力
性があり、カラートナーを包み込んで、鮮明な画像定着
が可能な定着用ベルトを提供することにある。本発明の
他の目的は、弾力性のある定着用ベルトを配置したフル
カラーのトナー画像の定着が可能な定着装置を提供する
ことにある。本発明者らは、前記従来技術の問題点を解
決するために鋭意研究した結果、薄肉の金属チューブま
たは耐熱プラスチックチューブの外面に耐熱エラストマ
ー層を形成し、さらにその外面にシリコーンゴムまたは
フッ素樹脂の層を形成した積層構造のエンドレスベルト
を作成すると共に、耐熱エラストマー層が特定の硬度を
有するように調整し、かつ、荷重方向歪みと荷重垂直歪
みが特定の範囲内にある弾力性を持ったエンドレスベル
トが、フルカラーのトナー画像の定着用ベルトとして優
れた特性を示すことを見いだした。
【0007】また、この定着用ベルトの内側にインダク
ションヒーティング用コイルを配置した定着装置が、加
熱定着を効率的に行う上で好ましいことを見いだした。
さらに、バックアップローラーにより該定着用ベルトを
全長にわたって直径方向に押しつけて断面形状を円形か
ら楕円形に変形させながら、定着用ベルトと加圧ローラ
ーとの間に転写材を通過させて、ヒーターにより定着用
ベルトを介して、転写材上のトナーを加熱融着させるよ
うに構成した定着装置が、フルカラーのトナー画像の定
着装置として特に好ましいことを見いだした。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エンド
レスベルトからなる定着用ベルトにおいて、(1)定着
用ベルトが、薄肉の金属チューブまたは耐熱プラスチッ
クチューブの外面に耐熱エラストマー層が形成され、さ
らにその外面にシリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層が
形成された積層構造を有し、(2)耐熱エラストマー層
の硬度(JIS−A)が90以下であり、(3)単位長
さ(1mm)当り12gの荷重を有するローラーで、定
着用ベルトの全長にわたって直径方向に荷重を与えたと
きの荷重方向歪みγT〔荷重を与える前の定着用ベルト
の径(mm)φに対する荷重を与えたときの荷重方向の
径(mm)φTの比(γT=φT/φ)〕が0.500
〜0.995で、かつ、(4)その際における荷重垂直
歪みγY〔荷重を与える前の定着用ベルトの径(mm)
φに対する荷重を与えたときの荷重に垂直方向の径(m
m)の比(γY=φY/φ)〕が1.005〜1.40
0であることを特徴とする定着用ベルトが提供される。
【0009】また、本発明によれば、上記の定着用ベル
トの内側にインダクションヒーティング用コイルを配置
し、インダクションヒーティングにより定着用ベルトを
介して転写材上のトナーを加熱融着させるように構成し
た定着装置が提供される。さらに、本発明によれば、上
記の定着用ベルトの上にバックアップローラーを配置
し、定着用ベルトの下には加圧ローラーを配置し、定着
用ベルトの内側にはヒーターを配置し、そして、バック
アップローラーにより該定着用ベルトを全長にわたって
直径方向に押しつけて断面形状を円形から楕円形に変形
させながら、定着用ベルトと加圧ローラーとの間に転写
材を通過させて、ヒーターにより定着用ベルトを介し
て、転写材上のトナーを加熱融着させるように構成した
定着装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】定着用ベルト <内層>本発明では、定着用ベルトの最内層に、薄肉の
金属チューブまたは耐熱プラスチックチューブを配置す
る。薄肉の金属チューブは、あたかも金属箔を円柱状に
したようなものであって、厚さが、通常、15〜400
μm、好ましくは20〜300μm程度のものであり、
一般の金属パイプのように硬いものではなく、直径方向
に弾力性があるものである。したがって、定着用ベルト
は弾力性を有するものであり、この弾力性を示す指標と
して、後述の荷重歪みを定義する。金属チューブの材質
は、鉄、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、これら
の合金などが用いられる。熱伝導の面からは、アルミニ
ウム及びアルミニウム合金が望ましい。インダクション
ヒーターによって定着用ベルト自身に渦電流を発生さ
せ、電磁誘導加熱することにより、迅速かつ効率の良い
加熱が可能となるが、この場合の材質は、磁性のある鉄
やフェライト型ステンレス、ニッケルが望ましい。
【0011】本発明の定着用ベルトの最内層には、耐熱
プラスチックチューブを用いることができる。この場
合、耐熱プラスチックを厚さが、通常、15〜400μ
m、好ましくは20〜300μm程度の円柱形状に成形
する。厚さが薄過ぎると耐久性に劣り、逆に、大き過ぎ
ると、定着用ベルトの弾力性が不足するおそれがある。
耐熱プラスチックチューブの材質は、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリベンズイミダゾールなどが用
いられるが、耐熱性や耐久性の点で、特にポリイミドが
望ましい。最内層のチューブの外径は、定着装置の大き
さによって適宜定めることができるが、通常、15〜1
50mm、好ましくは20〜100mm程度である。チ
ューブの長さ、したがって、定着用ベルトの長さは、一
般に、転写紙の大きさに応じて定められる。
【0012】<中間層>本発明の定着用ベルトの中間層
には、耐熱エラストマー層が配置される。耐熱エラスト
マーとしては、耐熱性に優れるフッ素ゴムまたはシリコ
ーンゴムが望ましい。これらのゴムには、シリカ、アル
ミナ、ボロンナイトライドなどの熱伝導度を向上させる
充填剤を配合し、熱伝導度を好ましくは5×10-4ca
l/cm・s・K以上、より好ましくは1×10-3ca
l/cm・s・K以上にすることが望ましい。これによ
り、チューブの内側に配したヒーターからの熱を迅速に
定着用ベルトの外表面に供給することができる。一方、
充填剤の配合によって耐熱エラストマー層の硬度が上昇
し過ぎると、定着用ベルトがトナーを包み込めなくな
り、カラートナーを用いた場合に定着不良が発生してし
まう。そこで、柔らかいゴム材料を用い、また、充填剤
の配合割合を調整して、耐熱エラストマー層の硬度(J
IS A硬度)を90以下、好ましくは70以下にす
る。また、耐熱エラストマーを180℃で22時間熱処
理したときの圧縮永久歪みが20%より大きいと、荷重
が加えられたときに耐熱エラストマー層の厚さにバラツ
キが発生し、定着できない部分が発生するおそれがある
ため、この圧縮永久歪みは、20%以下、好ましくは1
0%以下とすることが望ましい。なお、熱伝導度を向上
させるための充填剤の配合割合は、前記の好ましい熱伝
導度や硬度、ゴムの種類などを考慮して適宜定めること
ができるが、ゴム100重量部に対して、通常、5〜5
0重量部、好ましくは10〜30重量部程度である。耐
熱エラストマー層の厚みは、熱伝導度や弾力性を考慮し
て適宜定めることができるが、通常、50μm〜5m
m、好ましくは100μm〜3mm程度である。
【0013】<外層>本発明の定着用ベルトの外層に
は、トナーの離型性を高めるために、シリコーンゴムま
たはフッ素樹脂の層を設ける。トナーの離型にシリコー
ンオイルを多量に塗布する場合には、シリコーンオイル
とのなじみが良いシリコーンゴムを用いる。この場合の
シリコーンゴムとしては、レベリングにより平滑な表面
が得られるRTV型シリコーンゴムが好ましい。一方、
トナーの離型のためにシリコーンオイルを用いないか、
あるいは少量しか塗布しない場合には、離型性を高める
ためフッ素樹脂を用いる。フッ素樹脂としては、四弗化
エチレン樹脂(PTFE)、四弗化エチレン−パーフロ
ロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四弗化エチ
レン−六弗化プロピレン共重合体(FEP)などが挙げ
られるが、特に耐熱性の点からPTFEを用いるのが望
ましい。外層の厚みは、通常、10〜200μm、好ま
しくは20〜100μm程度である。
【0014】<定着用ベルトの特性>本発明の定着用ベ
ルトは、例えば、内層のチューブの外面に、充填剤や加
硫剤を配合した耐熱エラストマーをプレス加硫し、表面
を研磨した後、RTV型シリコーンゴムやフッ素樹脂の
分散液を塗布し、熱処理して硬化または燒結させること
により得ることができる。また、充填剤や加硫剤を配合
した耐熱エラストマーから熱収縮性チューブを作成し、
これを内層のチューブの外面に被覆して、熱収縮させる
ことにより、耐熱エラストマー層を形成してもよい。各
層間の接着性を向上させるために、表面処理を施した
り、プライマー層を設けてもよい。本発明の定着用ベル
トは、図3に示すように、薄肉の金属チューブまたは耐
熱プラスチックチューブ11の外面に耐熱エラストマー
層12が形成され、さらにその外面にシリコーンゴムま
たはフッ素樹脂の層13が形成された積層構造を有して
いる。
【0015】本発明の定着用ベルトは、カラートナーを
包み込んで、鮮明な画像定着が可能なように、弾力性を
有することが必要である。本発明では、定着用ベルトの
弾力性を表す指標として、歪みγ及び歪み指数θを定義
する。図4に示すように、直径φの定着用ベルト14の
直径方向の全長にわたって、25mm長さに300gの
ローラー15〔即ち、単位長さ(1mm)当り12gの
荷重を有するローラー〕で荷重を与え、荷重方向の径が
φTで、荷重と垂直方向の径がφYの楕円形状に変形さ
せる。このときの径の変化を式(1)及び(2)で表
す。 荷重方向歪みγT=φT/φ (1) 荷重垂直歪みγY=φY/φ (2) ここで、φは、荷重を与える前の定着用ベルトの径(m
m)であり、φTは、荷重を与えたときの荷重方向の径
(mm)φTである。また、φYは、荷重を与えたとき
の荷重に垂直方向の径(mm)である。
【0016】荷重方向歪みγTが0.500〜0.99
5であり、かつ、荷重垂直歪みγYが1.005〜1.
400であることが必要である。γTが小さ過ぎたり、
γYが大き過ぎると、弾力性が大きく、定着性が良好で
あるものの、定着時に定着用ベルトに波打ち現象が発生
し、連続定着時に定着用ベルトの破断が発生して、耐久
性に問題が生じる。γTが大き過ぎたり、γYが小さ過
ぎると、耐久性は良好であるものの、定着用ベルトの弾
力性が小さく、良好な定着画像を得ることができない。
また、歪み指数θを次式(3)で表す。 歪み指数θ=γY/γT (3) この歪み指数θは、1.010〜2.500の範囲であ
ることが好ましい。歪み指数θが小さ過ぎると定着性に
劣り、逆に、大き過ぎると耐久性に問題を生じる。
【0017】定着装置 本発明の定着装置は、上記の弾力性を有する定着用ベル
トを定着部に配置したものである。好ましい定着装置と
しては、例えば、前記の定着用ベルトの内側にインダク
ションヒーティング用コイルを配置し、インダクション
ヒーティングにより定着用ベルトを介して転写材上のト
ナーを加熱融着させるように構成した定着装置を挙げる
ことができる。この場合、内層の金属チューブの材質
を、磁性のある鉄やフェライト型ステンレス、ニッケル
にすることが好ましい。また、他の好ましい定着装置と
しては、図5に示すように、前記の定着用ベルト17の
上にバックアップローラー16を配置し、定着用ベルト
の下には加圧ローラー18を配置し、定着用ベルトの内
側にはヒーター19を配置し、そして、バックアップロ
ーラー16により該定着用ベルト17を全長にわたって
直径方向に押しつけて断面形状を円形から楕円形に変形
させながら、定着用ベルト17と加圧ローラー18との
間に転写材21を通過させて、ヒーター19により定着
用ベルト17を介して、転写材上のトナー20を加熱融
着させるように構成した定着装置を挙げることができ
る。ヒーターとしては、前述のインダクションヒーティ
ング用コイルを用いてもよい。本発明の定着用ベルトの
弾力性を活かしたこの定着装置により、カラートナーを
より効果的に包み込んで、鮮明な定着画像を形成するこ
とができる。定着用ベルトの外面には、トナーの離型性
を高めるために、シリコーンオイルを塗布するように構
成することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0019】[実施例1]厚さ300μm、外径61m
mのニッケルチューブの外面に、耐熱エラストマーとし
て、フッ素ゴム(ダイキン社製G−701)100重量
部に対して、アルミナ粉20重量部と加硫剤2重量部を
配合したゴム組成物を170℃で30分間金型プレスし
て、耐熱エラストマー層を形成した。この耐熱エラスト
マー層を研削して0.5mm厚さに調節した後、その外
面に、シリコーンゴム(信越化学製RTVシリコーンK
E1935)を厚み100μmになるように塗布し、熱
処理して硬化させた。耐熱エラストマー層の硬度(JI
S A)は、60で、熱伝導度は、1×10-3cal/
cm・s・Kであった。こうして製作した定着用ベルト
を図5に示すようなユニットに取り付け、上から押えゴ
ムローラー(バックアップローラー)16で荷重をか
け、カラートナーの定着試験を行った。
【0020】<定着性>定着性の評価は、図6に示すよ
うに、転写紙24のカラー定着画像の上にシルボン紙2
3を置き、その上から5cm角の200gのおもり22
を載せて5回こすった。こする前後の定着画像を色差計
で測定し、明度の低下を測定し、以下の基準で評価し
た。 ◎:明度低下が25%以下、 ○:明度低下が25%超過、50%以下、 ×:明度低下が50%超過。 <耐久性>耐久性の評価は、前述のユニットで1万枚の
定着試験を行い、以下の基準で評価した。 ○:定着画像、定着ベルトともに異常なし、 ×:定着した紙にシワが入る、定着ベルトが破損するな
どの異状あり。
【0021】[実施例2〜8、及び比較例1〜4]実施
例1において、厚さ300μm、外径61mmのニッケ
ルチューブに代えて、表1に示す厚さと外径を有する各
材質の基材チューブを用いたこと以外は、実施例1と同
様に操作して定着用ベルトを作製し、同様に評価した。
これらの各実施例及び比較例の結果を表1に一括して示
す。
【0022】
【表1】 表1の結果から明らかなように、荷重方向歪みγTが
0.500〜0.995で、かつ、荷重垂直歪みγYが
1.005〜1.400の範囲で、良好な定着性と耐久
性が得られた。さらに、歪み指数θが1.010〜2.
500の範囲が望ましいことがわかった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、適度の弾力性を有する
特定構造の定着用ベルトが提供され、それによって、カ
ラートナーを包み込んで、鮮明な画像定着が可能となっ
た。また、本発明によれば、このような弾力性のある定
着用ベルトを配置したフルカラーのトナー画像の定着が
可能な定着装置が提供される。したがって、本発明の定
着用ベルト及び定着装置によれば、待ち時間が少なく、
しかもフルカラーのトナー画像の定着が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の熱ローラー定着法の説明図である。
【図2】従来の定着ベルトを用いた定着法の説明図であ
る。
【図3】本発明の定着用ベルトの構成を示す断面図であ
る。
【図4】定着用ベルトの荷重方向歪みγT及び荷重垂直
歪みγYを測定する方法を示す説明図である。
【図5】本発明の定着装置の一例を示す説明図である。
【図6】定着性の評価法を示す説明図である。
【符号の説明】 1:定着ローラー 2:ヒーター 3:トナー 4:転写紙 5:加圧ローラー 6:定着用ベルト 7:ヒーター 8:トナー 9:転写紙 10:加圧ローラー 11:薄肉の金属チューブまたは耐熱プラスチックチュ
ーブ 12:耐熱エラストマー層 13:シリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層 14:定着用ベルト 15:ローラー 16:バックアップローラー 17:定着用ベルト 18:加圧ローラー 19:ヒーター 20:トナー 21:転写紙 22:おもり 23:シルボン紙 24:転写紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝口 敏彦 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 西村 昭 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドレスベルトからなる定着用ベルト
    において、(1)定着用ベルトが、薄肉の金属チューブ
    または耐熱プラスチックチューブの外面に耐熱エラスト
    マー層が形成され、さらにその外面にシリコーンゴムま
    たはフッ素樹脂の層が形成された積層構造を有し、
    (2)耐熱エラストマー層の硬度(JIS−A)が90
    以下であり、(3)単位長さ(1mm)当り12gの荷
    重を有するローラーで、定着用ベルトの全長にわたって
    直径方向に荷重を与えたときの荷重方向歪みγT〔荷重
    を与える前の定着用ベルトの径(mm)φに対する荷重
    を与えたときの荷重方向の径(mm)φTの比(γT=
    φT/φ)〕が0.500〜0.995で、かつ、
    (4)その際における荷重垂直歪みγY〔荷重を与える
    前の定着用ベルトの径(mm)φに対する荷重を与えた
    ときの荷重に垂直方向の径(mm)の比(γY=φY/
    φ)〕が1.005〜1.400であることを特徴とす
    る定着用ベルト。
  2. 【請求項2】 歪み指数θ〔荷重方向歪みγTに対する
    荷重垂直歪みγYの比(θ=γY/γT)〕が1.01
    0〜2.500である請求項1記載の定着用ベルト。
  3. 【請求項3】 金属チューブが、鉄、フェライト系ステ
    ンレス、ニッケル、またはこれらの合金から形成された
    ものである請求項1または2記載の定着用ベルト。
  4. 【請求項4】 耐熱エラストマー層が、熱収縮性の耐熱
    エラストマーチューブから形成されたものである請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載の定着用ベルト。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の定着用ベルトの内側にインダクションヒーティング用
    コイルを配置し、インダクションヒーティングにより定
    着用ベルトを介して転写材上のトナーを加熱融着させる
    ように構成した定着装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の定着用ベルトの上にバックアップローラーを配置し、
    定着用ベルトの下には加圧ローラーを配置し、定着用ベ
    ルトの内側にはヒーターを配置し、そして、バックアッ
    プローラーにより該定着用ベルトを全長にわたって直径
    方向に押しつけて断面形状を円形から楕円形に変形させ
    ながら、定着用ベルトと加圧ローラーとの間に転写材を
    通過させて、ヒーターにより定着用ベルトを介して、転
    写材上のトナーを加熱融着させるように構成した定着装
    置。
JP17866396A 1996-06-20 1996-06-20 定着用ベルト及び定着装置 Expired - Fee Related JP3712086B2 (ja)

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