JP3712086B2 - 定着用ベルト及び定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、ファクシミリ、プリンター等の装置において、転写紙などの転写材上に転写されたトナー画像を加熱により定着する定着部に用いられる定着用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機、ファクシミリ、プリンター等において、印刷・複写の最終段階では、転写材(例、転写紙)上のトナーを加熱溶融して、転写紙上に定着させる。例えば、電子写真複写機では、▲1▼潜像担持体(例、感光体ドラム)上に像露光を行って静電潜像を形成する工程、▲2▼静電潜像に現像剤(トナー)を付着させて可視像(トナー画像)とする工程、▲3▼転写紙上にトナー画像を転写し、感光体ドラムから転写紙を分離する工程、▲4▼未定着のトナー画像を加熱等の方法で転写紙上に定着させる工程を経て複写が行われる。
【0003】
定着方法としては、熱定着方式が一般的であり、従来、図1に示すような熱ローラー定着法が汎用されている。熱ローラー定着法では、内部に熱ヒーター2を持ち、外周を離型性の良いゴムまたは樹脂で被覆したヒートローラー1とゴムローラー5からなる一対のローラーを圧接させ、そのローラー間にトナー画像3が形成された転写紙4を通過させてトナーを加熱溶融し、トナーを転写紙上に融着させている。熱ローラー定着法は、ヒートローラー全体が所定の温度に保持されるため高速化に適しているが、その反面、待ち時間が長いという欠点を有している。即ち、装置の運転開始時に、ヒートローラーを所定の温度にまで加熱する時間が必要であるため、電源投入から運転可能となるまでの間に待ち時間が発生する。しかも、ヒートローラー全体を加熱しなければならないため、消費電力も大きい。
【0004】
そこで、近年、図2に示すように、フィルム状のエンドレスベルトを介して、ヒーターにより、転写紙上のトナーを加熱する定着方法が提案されている。このエンドレスベルト定着法では、定着用ベルト6とゴムローラー10を圧接させ、この間にトナー画像が形成された転写紙9を通過させヒーター7により加熱し、トナー8を転写紙9に融着して定着させる。この定着法では、薄いフィルム状のベルトを介するだけで、ヒーターにより実質的に直接加熱するため、加熱部が短時間で所定の温度に達し、電源投入時の待ち時間がほぼゼロとなる。さらに、必要部分のみを加熱するため、消費電力も少ないという利点がある。
【0005】
従来、エンドレスベルト定着法に用いられる定着用ベルトとしては、耐熱性、弾力性、強度、ベルト内面の絶縁性、ベルト外面の離型性などを考慮して、ポリイミド製のエンドレスベルトの外面にフッ素樹脂のコーティング層を設けたものが用いられている。
ところで、図2に示すようなエンドレスベルト定着法に用いられる定着用ベルトは、一般に、着色剤としてカーボンブラックを含有する単色トナーのみを定着するモノクロ用レーザービームプリンターに用いられている。ところが、従来の定着用ベルトを、赤、黄、青、黒の4色のトナーを定着するフルカラー用レーザービームプリンターに用いた場合には、ベルトに弾力性がなく、カラートナーを十分に包み込むことができないため、トナーを溶融させることが困難で、満足できる定着を行うことができない。すなわち、フルカラーのトナー画像を定着させるには、単にトナーを軟化して加圧しながら定着させる単色トナーの定着の場合とは異なり、複数種のカラートナーを溶融に近い状態で混色するため、トナーを溶融状態にまですることが求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、弾力性があり、カラートナーを包み込んで、鮮明な画像定着が可能な定着用ベルトを提供することにある。
本発明の他の目的は、弾力性のある定着用ベルトを配置したフルカラーのトナー画像の定着が可能な定着装置を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決するために鋭意研究した結果、薄肉の金属チューブまたは耐熱プラスチックチューブの外面に耐熱エラストマー層を形成し、さらにその外面にシリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層を形成した積層構造のエンドレスベルトを作成すると共に、耐熱エラストマー層が特定の硬度を有するように調整し、かつ、荷重方向歪みと荷重垂直歪みが特定の範囲内にある弾力性を持ったエンドレスベルトが、フルカラーのトナー画像の定着用ベルトとして優れた特性を示すことを見いだした。
【0007】
また、この定着用ベルトの内側にインダクションヒーティング用コイルを配置した定着装置が、加熱定着を効率的に行う上で好ましいことを見いだした。さらに、バックアップローラーにより該定着用ベルトを全長にわたって直径方向に押しつけて断面形状を円形から楕円形に変形させながら、定着用ベルトと加圧ローラーとの間に転写材を通過させて、ヒーターにより定着用ベルトを介して、転写材上のトナーを加熱融着させるように構成した定着装置が、フルカラーのトナー画像の定着装置として特に好ましいことを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、エンドレスベルトからなる定着用ベルトにおいて、定着用ベルトが、(A)厚さ15〜400μmで外径15〜150mmの金属チューブまたは耐熱プラスチックチューブの外面に、(B)ゴム100重量部に対して熱伝導度を向上させる充填剤5〜50重量部を含有するゴム組成物から形成された、熱伝導度が5×10 −4 cal/cm・s・K以上で、厚さ50μm〜5mmでJIS−A硬度90以下の耐熱エラストマー層が配置され、さらにその外面に、(C)厚さ10〜200μmのシリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層が形成された積層構造を有するとともに、定着ベルトの弾力性を表す指標として、
(i)定着用ベルトの全長にわたって、同じ長さのローラにより、その直径方向に荷重(12g/cm)を与えたとき、式(1)
荷重方向歪みγT=φT/φ (1)
〔ただし、φは、荷重を与える前の定着用ベルトの径(mm)であり、φTは、荷重を与えたときの荷重方向の定着用ベルトの径(mm)である。〕
で表わされる荷重方向歪みγTが0.500〜0.995で、かつ、式(2)
荷重垂直歪みγY=φY/φ (2)
〔ただし、φは、荷重を与える前の定着用ベルトの径(mm)であり、φYは、荷重を与えたときの荷重方向に対して垂直方向の定着用ベルトの径(mm)である。〕
で表わされる荷重垂直歪みγYが1.005〜1.400であり、さらに、
(ii)式(3)
歪み指数θ=γY/γT (3)
〔ただし、γTは、上記式(1)で表わされる荷重方向歪みであり、γYは、上記式(2)で表される荷重垂直歪みである。〕
で表わされる歪み指数θが1.010〜2.500である
との特性を有することを特徴とする定着用ベルトが提供される
【0009】
また、本発明によれば、上記の定着用ベルトの内側にインダクションヒーティング用コイルを配置し、インダクションヒーティングにより定着用ベルトを介して転写材上のトナーを加熱融着させるように構成した定着装置が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の定着用ベルトの上にバックアップローラーを配置し、定着用ベルトの下には加圧ローラーを配置し、定着用ベルトの内側にはヒーターを配置し、そして、バックアップローラーにより該定着用ベルトを全長にわたって直径方向に押しつけて断面形状を円形から楕円形に変形させながら、定着用ベルトと加圧ローラーとの間に転写材を通過させて、ヒーターにより定着用ベルトを介して、転写材上のトナーを加熱融着させるように構成した定着装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
定着用ベルト
<内層>
本発明では、定着用ベルトの最内層に、薄肉の金属チューブまたは耐熱プラスチックチューブを配置する。薄肉の金属チューブは、あたかも金属箔を円柱状にしたようなものであって、厚さが、通常、15〜400μm、好ましくは20〜300μm程度のものであり、一般の金属パイプのように硬いものではなく、直径方向に弾力性があるものである。したがって、定着用ベルトは弾力性を有するものであり、この弾力性を示す指標として、後述の荷重歪みを定義する。
金属チューブの材質は、鉄、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、これらの合金などが用いられる。熱伝導の面からは、アルミニウム及びアルミニウム合金が望ましい。インダクションヒーターによって定着用ベルト自身に渦電流を発生させ、電磁誘導加熱することにより、迅速かつ効率の良い加熱が可能となるが、この場合の材質は、磁性のある鉄やフェライト型ステンレス、ニッケルが望ましい。
【0011】
本発明の定着用ベルトの最内層には、耐熱プラスチックチューブを用いることができる。この場合、耐熱プラスチックを厚さが、通常、15〜400μm、好ましくは20〜300μm程度の円柱形状に成形する。厚さが薄過ぎると耐久性に劣り、逆に、大き過ぎると、定着用ベルトの弾力性が不足するおそれがある。耐熱プラスチックチューブの材質は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリベンズイミダゾールなどが用いられるが、耐熱性や耐久性の点で、特にポリイミドが望ましい。
最内層のチューブの外径は、定着装置の大きさによって適宜定めることができるが、通常、15〜150mm、好ましくは20〜100mm程度である。チューブの長さ、したがって、定着用ベルトの長さは、一般に、転写紙の大きさに応じて定められる。
【0012】
<中間層>
本発明の定着用ベルトの中間層には、耐熱エラストマー層が配置される。耐熱エラストマーとしては、耐熱性に優れるフッ素ゴムまたはシリコーンゴムが望ましい。これらのゴムには、シリカ、アルミナ、ボロンナイトライドなどの熱伝導度を向上させる充填剤を配合し、熱伝導度5×10−4cal/cm・s・K以上、ましくは1×10−3cal/cm・s・K以上にすることが望ましい。これにより、チューブの内側に配したヒーターからの熱を迅速に定着用ベルトの外表面に供給することができる。
一方、充填剤の配合によって耐熱エラストマー層の硬度が上昇し過ぎると、定着用ベルトがトナーを包み込めなくなり、カラートナーを用いた場合に定着不良が発生してしまう。そこで、柔らかいゴム材料を用い、また、充填剤の配合割合を調整して、耐熱エラストマー層の硬度(JIS A硬度)を90以下、好ましくは70以下にする。また、耐熱エラストマーを180℃で22時間熱処理したときの圧縮永久歪みが20%より大きいと、荷重が加えられたときに耐熱エラストマー層の厚さにバラツキが発生し、定着できない部分が発生するおそれがあるため、この圧縮永久歪みは、20%以下、好ましくは10%以下とすることが望ましい。
なお、熱伝導度を向上させるための充填剤の配合割合は、前記の好ましい熱伝導度や硬度、ゴムの種類などを考慮して適宜定めることができるが、ゴム100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部程度である。耐熱エラストマー層の厚みは、熱伝導度や弾力性を考慮して適宜定めることができるが50μm〜5mm、好ましくは100μm〜3mm程度である。
【0013】
<外層>
本発明の定着用ベルトの外層には、トナーの離型性を高めるために、シリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層を設ける。トナーの離型にシリコーンオイルを多量に塗布する場合には、シリコーンオイルとのなじみが良いシリコーンゴムを用いる。この場合のシリコーンゴムとしては、レベリングにより平滑な表面が得られるRTV型シリコーンゴムが好ましい。一方、トナーの離型のためにシリコーンオイルを用いないか、あるいは少量しか塗布しない場合には、離型性を高めるためフッ素樹脂を用いる。フッ素樹脂としては、四弗化エチレン樹脂(PTFE)、四弗化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合体(FEP)などが挙げられるが、特に耐熱性の点からPTFEを用いるのが望ましい。
外層の厚みは、通常、10〜200μm、好ましくは20〜100μm程度である。
【0014】
<定着用ベルトの特性>
本発明の定着用ベルトは、例えば、内層のチューブの外面に、充填剤や加硫剤を配合した耐熱エラストマーをプレス加硫し、表面を研磨した後、RTV型シリコーンゴムやフッ素樹脂の分散液を塗布し、熱処理して硬化または燒結させることにより得ることができる。また、充填剤や加硫剤を配合した耐熱エラストマーから熱収縮性チューブを作成し、これを内層のチューブの外面に被覆して、熱収縮させることにより、耐熱エラストマー層を形成してもよい。各層間の接着性を向上させるために、表面処理を施したり、プライマー層を設けてもよい。
本発明の定着用ベルトは、図3に示すように、薄肉の金属チューブまたは耐熱プラスチックチューブ11の外面に耐熱エラストマー層12が形成され、さらにその外面にシリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層13が形成された積層構造を有している。
【0015】
本発明の定着用ベルトは、カラートナーを包み込んで、鮮明な画像定着が可能なように、弾力性を有することが必要である。本発明では、定着用ベルトの弾力性を表す指標として、歪みγ及び歪み指数θを定義する。図4に示すように、直径φの定着用ベルト14の全長にわたって、同じ長さ(例えば、25cm)で重さ300gのローラー15により、定着用ベルト14の直径方向に荷重(12g/cm)を与え、荷重方向の径がφTで、荷重と垂直方向の径がφYの楕円形状に変形させる。このときの径の変化を式(1)及び(2)で表す。
荷重方向歪みγT=φT/φ (1)
荷重垂直歪みγY=φY/φ (2)
ここで、φは、荷重を与える前の定着用ベルトの径(mm)であり、φTは、荷重を与えたときの荷重方向の定着用ベルトの径(mm)である。また、φYは、荷重を与えたときの荷重方向に対して垂直方向の定着用ベルトの径(mm)である。〕
【0016】
荷重方向歪みγTが0.500〜0.995であり、かつ、荷重垂直歪みγYが1.005〜1.400であることが必要である。γTが小さ過ぎたり、γYが大き過ぎると、弾力性が大きく、定着性が良好であるものの、定着時に定着用ベルトに波打ち現象が発生し、連続定着時に定着用ベルトの破断が発生して、耐久性に問題が生じる。γTが大き過ぎたり、γYが小さ過ぎると、耐久性は良好であるものの、定着用ベルトの弾力性が小さく、良好な定着画像を得ることができない。
また、歪み指数θを次式(3)で表す。
歪み指数θ=γY/γT (3)
この歪み指数θは、1.010〜2.500の範囲であることが好ましい。歪み指数θが小さ過ぎると定着性に劣り、逆に、大き過ぎると耐久性に問題を生じる。
【0017】
定着装置
本発明の定着装置は、上記の弾力性を有する定着用ベルトを定着部に配置したものである。好ましい定着装置としては、例えば、前記の定着用ベルトの内側にインダクションヒーティング用コイルを配置し、インダクションヒーティングにより定着用ベルトを介して転写材上のトナーを加熱融着させるように構成した定着装置を挙げることができる。この場合、内層の金属チューブの材質を、磁性のある鉄やフェライト型ステンレス、ニッケルにすることが好ましい。
また、他の好ましい定着装置としては、図5に示すように、前記の定着用ベルト17の上にバックアップローラー16を配置し、定着用ベルトの下には加圧ローラー18を配置し、定着用ベルトの内側にはヒーター19を配置し、そして、バックアップローラー16により該定着用ベルト17を全長にわたって直径方向に押しつけて断面形状を円形から楕円形に変形させながら、定着用ベルト17と加圧ローラー18との間に転写材21を通過させて、ヒーター19により定着用ベルト17を介して、転写材上のトナー20を加熱融着させるように構成した定着装置を挙げることができる。ヒーターとしては、前述のインダクションヒーティング用コイルを用いてもよい。本発明の定着用ベルトの弾力性を活かしたこの定着装置により、カラートナーをより効果的に包み込んで、鮮明な定着画像を形成することができる。
定着用ベルトの外面には、トナーの離型性を高めるために、シリコーンオイルを塗布するように構成することができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。
【0019】
[実施例1]
厚さ300μm、外径61mmのニッケルチューブの外面に、耐熱エラストマーとして、フッ素ゴム(ダイキン社製G−701)100重量部に対して、アルミナ粉20重量部と加硫剤2重量部を配合したゴム組成物を170℃で30分間金型プレスして、耐熱エラストマー層を形成した。この耐熱エラストマー層を研削して0.5mm厚さに調節した後、その外面に、シリコーンゴム(信越化学製RTVシリコーンKE1935)を厚み100μmになるように塗布し、熱処理して硬化させた。耐熱エラストマー層の硬度(JIS A)は、60で、熱伝導度は、1×10-3cal/cm・s・Kであった。
こうして製作した定着用ベルトを図5に示すようなユニットに取り付け、上から押えゴムローラー(バックアップローラー)16で荷重をかけ、カラートナーの定着試験を行った。
【0020】
<定着性>
定着性の評価は、図6に示すように、転写紙24のカラー定着画像の上にシルボン紙23を置き、その上から5cm角の200gのおもり22を載せて5回こすった。こする前後の定着画像を色差計で測定し、明度の低下を測定し、以下の基準で評価した。
◎:明度低下が25%以下、
○:明度低下が25%超過、50%以下、
×:明度低下が50%超過。
<耐久性>
耐久性の評価は、前述のユニットで1万枚の定着試験を行い、以下の基準で評価した。
○:定着画像、定着ベルトともに異常なし、
×:定着した紙にシワが入る、定着ベルトが破損するなどの異状あり。
【0021】
[実施例2〜8、及び比較例1〜4]
実施例1において、厚さ300μm、外径61mmのニッケルチューブに代えて、表1に示す厚さと外径を有する各材質の基材チューブを用いたこと以外は、実施例1と同様に操作して定着用ベルトを作製し、同様に評価した。
これらの各実施例及び比較例の結果を表1に一括して示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003712086
表1の結果から明らかなように、荷重方向歪みγTが0.500〜0.995で、かつ、荷重垂直歪みγYが1.005〜1.400の範囲で、良好な定着性と耐久性が得られた。さらに、歪み指数θが1.010〜2.500の範囲が望ましいことがわかった。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、適度の弾力性を有する特定構造の定着用ベルトが提供され、それによって、カラートナーを包み込んで、鮮明な画像定着が可能となった。また、本発明によれば、このような弾力性のある定着用ベルトを配置したフルカラーのトナー画像の定着が可能な定着装置が提供される。したがって、本発明の定着用ベルト及び定着装置によれば、待ち時間が少なく、しかもフルカラーのトナー画像の定着が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の熱ローラー定着法の説明図である。
【図2】従来の定着ベルトを用いた定着法の説明図である。
【図3】本発明の定着用ベルトの構成を示す断面図である。
【図4】定着用ベルトの荷重方向歪みγT及び荷重垂直歪みγYを測定する方法を示す説明図である。
【図5】本発明の定着装置の一例を示す説明図である。
【図6】定着性の評価法を示す説明図である。
【符号の説明】
1:定着ローラー
2:ヒーター
3:トナー
4:転写紙
5:加圧ローラー
6:定着用ベルト
7:ヒーター
8:トナー
9:転写紙
10:加圧ローラー
11:薄肉の金属チューブまたは耐熱プラスチックチューブ
12:耐熱エラストマー層
13:シリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層
14:定着用ベルト
15:ローラー
16:バックアップローラー
17:定着用ベルト
18:加圧ローラー
19:ヒーター
20:トナー
21:転写紙
22:おもり
23:シルボン紙
24:転写紙

Claims (5)

  1. エンドレスベルトからなる定着用ベルトにおいて、定着用ベルトが、(A)厚さ15〜400μmで外径15〜150mmの金属チューブまたは耐熱プラスチックチューブの外面に、(B)ゴム100重量部に対して熱伝導度を向上させる充填剤5〜50重量部を含有するゴム組成物から形成された、熱伝導度が5×10 −4 cal/cm・s・K以上で、厚さ50μm〜5mmでJIS−A硬度90以下の耐熱エラストマー層が配置され、さらにその外面に、(C)厚さ10〜200μmのシリコーンゴムまたはフッ素樹脂の層が形成された積層構造を有するとともに、定着ベルトの弾力性を表す指標として、
    (i)定着用ベルトの全長にわたって、同じ長さのローラにより、その直径方向に荷重(12g/cm)を与えたとき、式(1)
    荷重方向歪みγT=φT/φ (1)
    〔ただし、φは、荷重を与える前の定着用ベルトの径(mm)であり、φTは、荷重を与えたときの荷重方向の定着用ベルトの径(mm)である。〕
    で表わされる荷重方向歪みγTが0.500〜0.995で、かつ、式(2)
    荷重垂直歪みγY=φY/φ (2)
    〔ただし、φは、荷重を与える前の定着用ベルトの径(mm)であり、φYは、荷重を与えたときの荷重方向に対して垂直方向の定着用ベルトの径(mm)である。〕
    で表わされる荷重垂直歪みγYが1.005〜1.400であり、さらに、
    (ii)式(3)
    歪み指数θ=γY/γT (3)
    〔ただし、γTは、上記式(1)で表わされる荷重方向歪みであり、γYは、上記式(2)で表される荷重垂直歪みである。〕
    で表わされる歪み指数θが1.010〜2.500である
    との特性を有することを特徴とする定着用ベルト。
  2. 金属チューブが、鉄、フェライト系ステンレス、ニッケル、またはこれらの合金から形成されたものである請求項記載の定着用ベルト。
  3. 耐熱エラストマー層が、熱収縮性の耐熱エラストマーチューブから形成されたものである請求項1または2記載の定着用ベルト。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の定着用ベルトの内側にインダクションヒーティング用コイルを配置し、インダクションヒーティングにより定着用ベルトを介して転写材上のトナーを加熱融着させるように構成した定着装置。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の定着用ベルトの上にバックアップローラーを配置し、定着用ベルトの下には加圧ローラーを配置し、定着用ベルトの内側にはヒーターを配置し、そして、バックアップローラーにより該定着用ベルトを全長にわたって直径方向に押しつけて断面形状を円形から楕円形に変形させながら、定着用ベルトと加圧ローラーとの間に転写材を通過させて、ヒーターにより定着用ベルトを介して、転写材上のトナーを加熱融着させるように構成した定着装置。
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